Disruption This Week—–21/6/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年6月16日から2025年6月19日まで。

Google's AI Mode can now have back-and-forth voice conversations | TechCrunch
米Google、AIモード検索に音声会話機能を追加と発表。Googleアプリを開き、新しく「Live」アイコンをタップし音声で質問をすれば、機能にアクセスできるようになる。 そうすると、AI生成による音声応答が作動。さらに会話で質問を続けることができるという。

国内初の「AI推進法」の狙いとは。米、EUの状況は。弁護士に聞く

AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議 – 宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム「AdverTimes.(アドタイ)」

国内初の「AI推進法」の狙いとは。米、EUの状況は。弁護士に聞く
「AI推進法では、事業者や個人について罰則はないものの、AI関連技術の積極活用、理解深化などのほか、国や地方公共団体の施策に協力することが努力義務とされています」。

——日本では、大きく「努力義務」「責務」が定義される一方、罰則は現時点で定義されていないということか。開発者フリーハンドに向けて舵を切ろうとしている米、配慮義務を定めた欧との、良くも悪くも中間。問題は中国など権威主義国のアプローチだろう。米国はそれを意識しているはずだ。

AIが働き方変える、アマゾンCEO予想-今後数年で人員縮小へ
「ジャシー氏(アンディ・ジャシーCEO)は従業員に宛てた電子メールで、生成AIやAI搭載ソフトウエアエージェントが『われわれの働き方を変えるはずだ』と指摘。新技術であるAIが職場にもたらす変化に関する自らの考えを明かした」。

——すでにそこここで話題になっている発言(文面)。Amazonに限らずいよいよAIに軸足を移そうとする大手プラットフォームのトップが、人員削減トレンドを公言しつつある。これまでポリコレを意識して避けてきた話題か。

Webサイト表示で我慢できる時間は「10秒以下」が71.3%【MMD研究所調査’】
「スマートフォンのWebサイトの読み込みが遅いと感じたことがあると回答した3,219人を対象に、表示されるまで我慢できる時間を聞いたところ、我慢できる時間で最も多かった回答は『4秒~5秒程度』で27.3%となった。10秒以下(1秒以内程度、6秒~10秒程度の合算割合)と回答した人は71.3%だった」。

——かつては「8秒ルール」(ECサイトでの離脱を計測したという)などというコトバが広がったが、その時代から、消費者の忍耐力はやや後退しているということか。対処にはアプリへの誘導などがあり得るが、これはこれで体力が求められる。広告などの表示負荷を落とす努力が必要だろう。

Overview and key findings of the 2025 Digital News Report

Reuters Institute for the Study of Journalism

Overview and key findings of the 2025 Digital News Report
英Reuters Institute(ロイター・ジャーナリズム研究所)、例年行っている世界のニュース消費に関する大規模調査「Digital News Report」2025年版を発表。AIチャットボットによるニュース接触が初めて調査。また、拡大が続くニュース忌避現象も継続調査が行われた。
TVer、広告売上2.2倍に コネクテッドテレビが後押し - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「コネクテッドテレビ(CTV)の浸透も大きな追い風となった。TVerの動画再生数におけるCTVの割合は、24年12月末時点では36%を記録。25年1〜3月は38%と、伸び続けているという。
CTV広告は、テレビデバイスで視聴することから、家族など複数人が同時に視聴する『共視聴』が見込まれるため、近年、広告主から注目を集めている」。

——TVerがいよいよ広告メディアとしての存在感を強めている。映像ストリーミング各社が、まずサブスクで成長、その後、広告付き無料(あるいは廉価)で伸び代を探っているのと同期する要素もある。もちろん、TVerは放送局の番組ありきで違いはあるにせよだ。上記したように、これを居間で家族と観ているとすると、いったい、TVと何が異なるのか。これからはチューナーレスが、家族団らんの中央に座ることになるのかもしれない。

日本の出版社は「21世紀の産業とは思えない」ほど後れを取っている…デジタルを使って紙を売る「欧米の超大手出版社」の取り組み @gendai_biz
「ここでは超大手出版社Big5――Penguin Random House(PRH)、HarperCollins(ハーパーコリンズ)、Simon & Schuster(S&S)、アシェット Book Group(アシェット)、Macmillan Publishers(マクミラン)がマーケティングファネルのフェーズ(認知から関心、検討、購入、継続・拡散まで)ごとにどんな施策を行っているのかを整理してみよう」。

——認知 → 興味 → 関心&検討 → 購入、継続・拡散 というマーケティングファネルのフェーズごと、さらに各フェーズを通貫した施策についての事例などを紹介する勉強になる論。

Washington Post in talks with Substack about using its writers
米Washington Postが常連筆者やセレブらによる投稿プラットフォームを計画中であることは、すでに紹介した。本記事は、そのプラットフォーム構築のため、WaPoがニューズレター配信基盤のSubstack社に協業の打診をしたことを伝えるもの。
Reach launches series of Substack-based newsletters in bid to broaden audience
Mirror、Express、Daily Record、Daily Starなど著名メディアを傘下に擁する英メディア・コングロマリットReach PLC。同社はこれまでも各タイトルごとにニューズレター(一部有料)を刊行中だが、無料のSubstackニューズレターシリーズを新たに加え、“メルマガ”戦略を強化する。
グーグルAIツール、ニュースサイトに新たな脅威
【有料購読者向け記事】:
「デジタル市場調査会社シミラーウェブによると、オーガニック検索(広告を除いた検索結果)からハフポストのウェブサイト(デスクトップ用とモバイル用)への流入はこの3年間で半減した。ワシントン・ポスト紙も同程度減少した」。

——記事は、Google検索における「AI Overviews(AI概要)」や、新たに始まった「AI Mode(AIモード)」の影響を示唆しているが、「3年間」という時系列とピッタリ符合するわけではない。ただし、検索トレンドがゼロクリックに向かっていることは、Apple幹部がSafari上の検索行為が減少しているとの発言でも裏づけられる。

Disruption This Week—–13/6/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年6月9日から2025年6月13日まで。

<お知らせ>選挙報道の基本方針、新たに決めました 「ファクトチェック編集部」発足、SNSも検証:朝日新聞
「SNSなどで偽情報や誤情報が広まる現状も踏まえ、編集局に『ファクトチェック編集部』を発足させます。政党や政治家の発言も含めて、事実関係を素早くチェックできる態勢を強化しました」。

——朝日新聞が「ファクトチェック編集部」を組成。2016年以降、すでにファクトチェックに取り組んでいたとのことだったが、本腰を入れた。SmartNewsを代表して2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)を組成、推進してきた立場からは、「ようやく」という感慨。

Natural Language, Zero UI Redefining Engagement
例えば、ある顧客が、カリブ海への冬のクルーズのためのワードローブを勧めてほしいと、小売ブランドのエージェントに頼む。 エージェントは顧客の履歴と好みから、半ダースのアイテムを推奨、顧客が購入か拒否かを決める……。AIの浸透がマーケティングを変えるイメージがこれだ。鋭敏なマーケターなら、これまでのフローが決定的に変わることを認識するだろう。
Inside the 5-year strategy to create a paid CNN - Poynter
New York Timesを率いて、同社中興の祖となった前CEOのMark Thompson氏。今度は米CNNの復活に取り組む。同氏が指名したのがevp Alex MacCallum氏。示された5か年戦略は、CNNの優良ストリーミング化、バーティカル化、そのバンドル(バーティカルの抱き合わせ販売)化だ。同氏に取材した記事。
New IT publication appears to be largely AI-generated
クラウド、サイバーセキュリティ、量子コンピューティング…などを売り文句にする米ハイテクメディア「Levelact」。だが英Press Gazetteが子細に調べたところ、スタッフ集合写真や各々の“プロライター”のプロフィールは、AI生成された非存在の人物で作られていることが判明したという。
英国では、最近、各種メディアがコメントを取り上げた“専門家”が実は存在しないことが判明して、騒ぎとなったりした。
Disney and Universal say these images show how the AI tool Midjourney steals their famous characters
米DisneyおよびNBCUら映画スタジオは、スター・ウォーズからシンプソンズに至るまで、有名なキャラクターの意匠を剽窃したとしてMidjourney社を訴えた。彼らはMidjourney社を 「典型的な著作権フリーライダーで、盗作の底なし沼」と呼ぶ。映画産業でのAI訴訟の初のケースだ。
Amazon is about to be flooded with AI-generated video ads
Amazon上にAI生成動画広告があふれようとしている——。米Amazonは、試行運用中のAIによる動画広告生成機能をEC販売者に無料で提供しようとしている。事業者はワンクリックで静的な製品写真からプロモーション動画を生成できることになる。
2024 U.S. YouTube Impact Report
米YouTube、2024年「U.S. Impact Report」を公表。調査によると、YouTubeのクリエイターらによるエコシステムは、2024年に米国のGDPに550億ドル(米ドル)貢献し、米国内のフルタイムの雇用49万人分を支えることになったとする。
Social media creators to overtake traditional media in ad revenue this year
世界的な広告代理店WPP(旧称:GroupM)参加のメディアデータ調査会社WPP Media、YouTube、TikTok、Instagramなどのプラットフォーム上の(クリエイターによる)コンテンツが、今年中に伝統的メディア上の(プロによる)コンテンツの広告収入を凌駕するとの予測を公表。
Boston Globe, Future, Vox Media join ProRata’s generative AI licensing model
【有料購読者向け記事】:
優良コンテンツを持つメディアと透明性の高い収益分配モデルで提携、ライセンスされたコンテンツに限定したて検索に回答するAI検索事業ProRata。Atlantic、Fortune、Guardianなどと提携済みだが、今回Boston GlobeやVox Mediaなどが加わり、提携パートナー数は500社を突破したとする記事。
TVer 、生活者の6割が「利用経験あり」 総接触時間は1日440分に | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「テレビスクリーンでの視聴コンテンツの多様化もみられる。録画視聴の割合が69.6%と前年から減少した一方で、TVerなどによる『見逃し配信』は4.9ポイント増加して50.0%に達した。『無料動画』は55.7%、『有料動画』は48.2%となり、いずれも約5割前後の利用率となっている」。

——TVerの浸透が、「見逃し配信」の増進に結びついているという。自由な視聴スタイルにまた一歩視聴者は向かっている。

選挙の情報源は既存メディア6割 スマニューがメディア価値観調査:朝日新聞デジタル
【ご紹介】:
私も協力しているスマートニュース メディア研究所による「メディア価値観全国調査」。2025年版(第2回)の調査結果を公表しました。分析結果は今後も発表予定です。

Disruption This Week—–6/6/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年6月2日から2025年6月6日まで。

X tests highlighting posts that are liked by users with opposing views | TechCrunch
X 、通常は同意することのない人によって「いいね!」された投稿を認識できようにする実験を開始することを発表。Xは異なる視点を持つ人々によって「いいね!」された投稿を識別できるオープンソースアルゴリズムの開発に役立つとする。
Google 'handling stolen goods' with Youtube theft of paywalled news articles
「Google(YouTube)は盗品を、それと知りながら平然と売買している」と英ジャーナリストRob McGibbon氏が告発。氏によれば、氏ら執筆した有料記事の写真やテキストをAIが動画ニュースに仕立て直して人気を得るという手法が増え続けているという。

若年層の3割が生成AI検索を行う AIに推奨されるブランド設計が重要に

AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議 – 宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム「AdverTimes.(アドタイ)」

若年層の3割が生成AI検索を行う AIに推奨されるブランド設計が重要に
「『生成AIで商品・サービス・企業を検索したことがある』と回答した人(全体の約2割)でみると、そのうちの約7割(『よくある』13.5%、『ときどきある』31.2%、『まれにある』32.6%)が生成AIだけで商品・サービス・企業の比較・検討を完結した経験があると答えた」。

——「GoogleやYahooのWeb検索に加え、生成AIによる公式サイトやSNS、口コミサイトなど複数チャネルをまとめて比較・検討する“多層的な探索行動”が若年層を中心に拡大している」というのが、紹介されている調査の骨子になる。個人的には、若者が「生成AI」をどのようにして認知しているのか、知りたいところだ。それはともかく、ジェネレーティブAI経由での製品、サービスの認知、あるいは購買が進むのはほぼ間違いない。その浸透を示す一例と理解する。

The Washington Post Plans an Influx of Outside Opinion Writers
【有料購読者向け記事】:
米Washington Post、近く外部(メディア)ライターやインフルエンサーらの投稿プラットフォーム開設プロジェクトを進めている。「Ripple(さざ波)」と呼ぶもので、著名人に開放するが、慣れない筆者には「Ember」と呼ぶAIコーチがリードするという。
HaffPostをはじめとして十数年前に大流行りしたアプローチで拡散力や閲覧数の規模化をめざすというわけか。

メディア接触時間、スマホは過去最高に―博報堂・メディア定点調査2025

AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議 – 宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム「AdverTimes.(アドタイ)」

メディア接触時間、スマホは過去最高に―博報堂・メディア定点調査2025
「メディア総接触時間は440.0分(1日あたり週平均)。『携帯電話/スマートフォン』は昨年からさらに3.4分増加し、過去最高の165.1分となった。
近年、減少傾向が続いていた『テレビ』(122.1分/昨年差0.4分)『雑誌」(9.2分/同0.3分)は下げ止まり、『ラジオ』(24.0分/同+1.0分)『新聞』(10.7分/同+1.5分)はプラスに転じた。
メディア接触時間は『携帯電話スマートフォン』の牽引により、引き続きコロナ前よりも高い水準で推移している」。

——基本線は上記の引用通りだが、今回(も)注目したいのは「TVer」の伸長。有料サブスク系に比して、「『TVer』はさらに利用者を増やし約6割まで増加(59.7%/昨年差5.9ポイント増)し、2020年から利用率は約3倍に拡大している(20年19.8%→25年59.7%)」と特記されている。この時期、無料が受け入れられる要素か。

Why Business Insider is axing 100-plus staff and who is leaving
「コンテンツが永久に再利用され、ますます歪んで認識できなくなるものでない限り、AIがジャーナリストに取って代わることはない。そんな世界では、独創的なアイデアは存在せず、権力者が責任を問われることもない。私たちは皆、それよりも良いものを手に入れる価値がある」。

——大幅な人員削減とAI活用に舵をきった米Business Build Insider。その進路に同社労組の代表らが声明を発表。

検索減をディスカバーが補完する? 今、 Google とパブリッシャーの関係性は | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「・2025年3月のGoogleコアアップデート後も、検索トラフィックに大きな変動はみられず、ディスカバー経由の流入が増えている。
・Redditの検索上位表示やAI Overviewsの導入で、一部パブリッシャーは検索順位やCTRの低下に直面している。
・GoogleはAI検索と検索収益の両立を図りつつ、ディスカバー拡充でパブリッシャーとの関係維持を模索している」。

——検索流入量が減退していることは、多くのメディア運営者が意識している。それが全面的にAI Overviewsとのトレードオフによるものかどうかは確かめられていない。ただし、それをまるで補うかのように、Google Discoverからの流入が堅調というのが、現下の実情。今後この状態がどう変化するかに固唾を飲んでいる事業者が多いのだろう。

Why AI Search Advertising Could Reach $25 Billion By 2029
米調査会社EMARKETER、米国の広告主が2029年までに250億ドル以上(今年は10億4,000万ドル)をAI活用の検索結果に予算を注ぎ込むと予測。ひとつの可能性はEC市場の急拡大だ。Perplexityは、ShopifyのすべてのSKUのタイトル、価格、在庫をリアルタイムで読み取ることができる。
Facebook and Instagram owner Meta to enable AI ad creation by end of next year
Facebook、Instagram、そしてWhatsAppを運用する米Meta、来年末までに広告主がAIツールを使って広告キャンペーンを完全に作成し、ターゲットを絞るのを支援する予定。AIツールは、画像、動画、テキストを含む広告全体を作成し、クライアントの予算に沿ったユーザーへのターゲティングも行うという。
新興技術系スタートアップへの投資を生業とする米BOND、Mary Meekerら4人のパートナーによる「Trends – Artificial Intelligence (AI)」が公開された。
300ページを優に越す膨大なチャート、資料集だ。かつて2010年前後に、“モバイル革命”の到来を示唆したMeeker氏らの「Internet Trends」の続編とも呼ぶべき新たな取り組み。

Disruption This Week—–16/5/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年5月12日から2025年5月16日まで。

A New Report Takes On the Future of News and Search
ニュースの“発見”とニュース媒体への“送客(トラフィック)”を支えてきた検索に異変が生じようとしている。原因のひとつはAIだ。米国のジャーナリズム研究機関Tow Center for Digital Journalismが、起きている地殻変動を独自の調査で追い、結果を公表した。
TelevisaUnivision Bets on Microdramas and Music in Upfront Push
スペイン語圏最大手メディアのTelevisaUnivisionは、広告主向け発表会で、若年層やモバイル世代を意識した新戦略を発表。注目は、1話約1分の縦型“マイクロドラマ”約40本をストリーミングサービスの「ViX」で配信する。マイクロドラマはアジアを中心に急速成長中トレンドだ。

How We’re Using AI

Columbia Journalism Review

How We’re Using AI
米国の著名メディア関係者、ジャーナリスト、そして研究者は、AIをどう使い、どう使うべきかを語った面白いオピニオン集。
業務効率化や調査、翻訳、データ分析など幅広く活用されており、例えばインタビューの自動書き起こしや衛星画像解析、膨大なデータからのトレンド抽出などで成果を上げていると述べられる一方で、執筆や表現、読者との信頼関係の維持には人間の判断や倫理観が不可欠とされ、AIの利用には慎重な意見も多い。
また、AI活用に伴う環境負荷や、読者への透明性確保も重要視する意見もある。
過去のニセ情報、約半数が「正しい」と誤認 4人に1人が拡散経験 総務省調査
「拡散された偽・誤情報は、ジャンル別に見ると『医療・健康』(62.6%)が最も多く、『経済』(48.8%)、『災害』(39.3%)が続いた。調査対象者にSNS・ネット情報を『正しい』と判断する基準を尋ねたところ、『公的機関が発信元・情報源である』が41.1%と最多に」。

——これだけで考え込まされる要素が満載だが、さらに興味深い傾向が指摘されている。それは「10代では『公的機関』や『専門家』」を判断基準として重視する傾向が強いのに比し、「60代以上では『自分の意見や信念と一致している』と答えた人も約2割」というくだり。いずれかが決定に正しいということはないが、それにしても「頑迷」というコトバが思い返される。

Google AI Overviews leads to dramatic reduction in clickthroughs for Mail Online
Google検索でAIによる要約「AI Overviews」が表示されると、英人気サイトMail Onlineの検索結果の場合、クリック率(CTR)はデスクトップで56.1%、モバイルで48.2%も低下し、サイト流入が大幅に減少したという。たとえAI Overviews内でトップリンクに表示されても、CTRは大きく下がる。特に一般キーワードで顕著だと、同社SEO担当責任者が述べた。
How Google forced publishers to accept AI scraping as price of appearing in search
米司法省の反トラスト裁判で明らかになった資料によると、GoogleはAIによる要約機能(AI Overviews)に媒体社のコンテンツを使うことについて、当初は使用を拒否できる選択肢(オプトアウト)を検討していたが、収益性を理由に却下した。
現状では、媒体社がオプトアウトするにはGoogle検索そのものからの除外が必要であり、事実上「可視性を失うか、無償でAIに使われるか」の選択を強いられることになる。
これにより、報道機関のトラフィックと著作権ビジネスの両方に悪影響を及ぼす恐れがある。Googleは限定的な制限手段を提供しているが、その内容は曖昧で周知も控えているとする記事。
How creators are using generative AI in podcasts, videos and newsletters — and what advertisers think about it
クリエイターがポッドキャスト、動画、ニューズレターでどうジェネレーティブAIを利用しているか。そして広告主はそれについてどう考えているか——。3月にKontent.AIがクリエイターらを対象に行った調査では、74%が週単位でAIツールを使用、39%が毎日使用していることが判明した。
Why More Young People Are Getting Their News From Influencers
米国の若者はSNSを通じてニュースを得る傾向が強まり、中でも親しみやすい語り口の「ニュースインフルエンサー」が人気を集めている。
信頼感や共感性のある発信が好まれ、従来の報道機関もこうした「タレント主導型ジャーナリズム」への対応を急ぐ。
一方で、多くのインフルエンサーは報道経験がなく、誤情報拡散のリスクがあるほか、SNS上で可視化されることによる記者の精神的負担や格差拡大の懸念もある。
読者との接点強化や多様性の促進といった利点もあるが、SNSという不安定な土壌で行う報道には限界もあるが、正しく運用されれば、ジャーナリズムの強化にもつながる可能性があるとする記事。
The Atlantic editor Jeffrey Goldberg: 'The market understands what a quality story is'
米Atlantic編集長Jeffrey Goldberg氏は、同誌のオーナーであるLaurene Powell Jobs氏について、「編集方針に一度も干渉したことがない」と高く評価。政治的圧力にも屈せず、メディアの役割を理解し、「嵐の中で立ち止まる(価値観を守る)行動をしただけ」と語ったという。
この姿勢は、Washington PostやLos Angeles Timesなど他紙で経営者の介入が問題となっている中、対照的な存在として読者や編集部から信頼を集める結果となった。
Goldberg氏は、Jobs氏の「何もしないこと」がむしろ称賛されている現状を紹介したわけで、経営者の報道への不介入が優れたジャーナリズムの土台なのだと強調した。
Der Spiegel daily quiz attracts 900,000 monthly users | Tomorrow's Publisher
ドイツの週刊誌「Der Spiegel」オンライン版、毎朝配信するニューズレターでニュースクイズを提供(無料)。このオンライン版クイズのMAUが90万人にのぼると、同プロダクトマネージャーが述べた。同メディアは、このクイズと読者コメント欄で購読化戦略を強化中。

ファクトチェックアワード2025

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2025
【ご紹介】:
今年も「ファクトチェックアワード2025」を開催します。現在、候補作品を募集しています。偽誤情報の危険性が叫ばれています。的確なファクトチェックが行われるためにも、ぜひ自薦他薦いずれでも参画を。今月末が締め切りです!

Disruption This Week—–9/5/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年5月5日から2025年5月9日まで。

'Search is going off a cliff': CNN, BBC and Economist chiefs on future of news
ロンドンで開催されたイベントで、米CNNのMark Thompson CEOは、AIがGoogle検索よりもニュースと読者を結びつける優れた手段になる可能性を主張した一方、英BBCのDeborah Turness CEOと英Economist編集長のZanny Minton Beddoes氏は懐疑的な立場を表明したとする記事。
Voicing Change: How the next news interface sets a generational challenge – and opportunity – for newsrooms
Newsroom Robots Lab.の創設者Nikita Roy氏、AIがSEO(検索エンジン最適化)からAEO(アンサーエンジン最適化)へと、検索エンジンの検索結果で上位に表示されることに重点を置いた検索をどう変化させつつあるかを、シンプルな「ビフォー・アフター」のグラフで説明。
Searches on Safari dipped for the first time in 22 years, Apple’s Eddy Cue admits, and it’s because more people are using AI instead of Google
「Safariの検索数が22年ぶりに減少」。Appleのサービス担当SVPであるEddy Cue氏が認める。「何が起きているかと言えば、人々がChatGPTを使っているからだ。 彼らはPerplexityを使っている。 私も時々使っている」と述べる。
生成AI対応「5原則」発表 世界ニュース発行者協会:朝日新聞
「世界ニュース発行者協会は5日、『AI時代にニュースの信頼性を守る5原則』を発表した。生成AI(人工知能)の急速な発達によって誤情報が広がる危険性が高まっていることから、信頼できるニュースを市民が選べるような環境づくりをAI事業者と協力してめざすための原則だとしている」。

——5原則とは、「(1)生成AIがニュースコンテンツを使う際には元の発信者の許可を得る(2)ニュースコンテンツが第三者の利益に使われる場合は、その価値を公正に評価する(3)AIに使われた元のニュースを市民に明示しアクセス可能にする(4)多様なニュースメディアを活用し、AIツールから得られる利便性を高める(5)テクノロジー企業と報道機関は対話し、安全性、正確性、透明性の基準を設ける」ということ。

OpenAI content boss on Google 'ten blue links' and arrival of ChatGPT search
米OpenAIの知財・メディア担当幹部、「World News Media Congress」(WAN-IFRA主催)で講演。同社とメディアとの提携が成果をあげているとし、一方、消費者はGoogle検索に比べ、「会話的で文脈を意識した方法」であるAI検索をますます好むようになっていると述べた。

How publishers are using apps to deepen engagement and improve retention
欧米各メディア、“アプリ”で読者エンゲージメントとリテンションの強化を推進。英City A. M. はプッシュ通知で高い開封率を達成。同じくFT Editは低価格アプリとして新規顧客を開拓。デンマークZetlandはオーディオアプリで若年層を獲得。米Baltimore Bannerは購読価値を高めるツールとアプリを位置づけ必須ツールとしていると紹介する記事。
ネットフリックスやディズニーの株価下落、外国映画への関税計画で
「5日の米株式市場では、動画配信サービスのネットフリックスや映画関連銘柄が下落。トランプ大統領が前日、外国で製作された映画に100%の関税を課す方針を発表しことが嫌気されている」。

——ハリウッド系作品、Netflixを含むストリーミングまで含むとそのかなりの収入の比率が、米国外から得ているだろう。今回の措置が、諸外国から対抗策を引き出してしまえば、その米国外からの収入を毀損する可能性も大いにあるだろう。大手の株価下落はこれを反映している。

Once again, for-profit metro papers are rare among the Pulitzer winners - Poynter
2025年ピューリッツァー賞における他の特徴は、例年の定番だった、突っ込んだ調査報道を行う小規模で気骨のある新聞社の受賞はまったくなかったこと。 代わりに、全国紙や通信社の大組織が賞を独占、全国紙や専門デジタルサイトがそのリストを埋めたことだという。
The Baltimore Banner wins its first Pulitzer - Poynter
2025年のピューリッツァー賞受賞で、特筆すべきは新進気鋭のメディアThe Baltimore Bannerが受賞したことがひとつあげられる。創刊3年目の非営利事業。ローカルニュースを追求。地元バルティモアでのフェンタニル過剰摂取問題を追った。
Google's NotebookLM Android and iOS apps are available for preorder | TechCrunch
ということで、Google発、話題のNotebookLMが5月20日からアプリとして利用できる。現在、Appストアでは「予約」ができる状態に。Google Playストアでは「事前登録」状態だ。Google内で傍流プロジェクトだったNotebookLMが、徐々にメインストリームへと向かうのか。