Disruption This Week—–15/3/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年3月11日から2024年3月15日まで。

MusicWatch Reports Results of 2023 Annual Music Study: Record Numbers of Music Streamers and Paid Subscribers | MusicWatch Inc.
米メディアMusicWatch、2023年版「US Annual Music Study」で米音楽市場の調査結果を公表。米市場は引き続き健全。有料会員数は過去最高し、レコード音楽(CD、レコード、ダウンロード、音楽ストリーミングの有料購読)への支出も増加しているとする。
オープンAI、仏紙ル・モンドとスペインのプリザとライセンス契約
「ChatGPTのユーザーは今後数カ月かけて、一部の回答でル・モンド紙とプリザの要約された記事を読むことができるようになる。回答には記事の出所が明記され、元記事につながる『強化リンク』が設けられ、ユーザーはそれぞれのニュースサイトにアクセスして追加情報や関連記事に接することができるという」。

——OpenAIとニュース(報道)メディアとの提携が、じわじわと進んでいる。「強化リンク」という出典元明示の仕組みも提供されるという。

Sprouts of Hope in a Gloomy Media Landscape
【有料購読者向け記事】:
「『Puck』、『Punchbowl News』、『The Ankler』、『Semafor』などが代表的な新興ニュース企業は、支出を抑え、慎重に雇用している。いずれも、特定のニッチ分野を幅広くカバーするニュースレターが中心である。一流のジャーナリストを企業の中心に据えることで、時には企業のオーナーとして、彼らを惹きつけてきた」。

——米New York Times、先行き厳しいメディア経営環境を念頭に新たなメディア運営法をめぐり取材、論じている。

AI news that's fit to print
米メディアQuartzの創業者で、最近、New York TimesでAI活用イニシアティブの責任者に任用された
Zach Seward氏が、メディア(ジャーナリズム)がAIを活用しようとして失敗した例、成功した例、そしてLLMの可能性を事例を豊富に使い解説したSXSWでの講演記録。必読!
AI規制法案、EU議会で可決-世界に先駆け包括的な内容
「欧州議会は13日、人工知能(AI)法案を可決した。これにより欧州連合(EU)では、急発展するAIを最も包括的に規制する法律が導入される。
米国ではこれに相当する法規制はなく、EUの法案に盛り込まれた一連の規制が欧米諸国におけるAI管理を方向づける可能性がある」。

——EUが最も厳格。米は緩やか。日本はその中間、というのが通り相場だが、日本でも厳格の側に傾く動きもあるようだ。政府も躊躇しているのだろう。G7で主導権を発揮した日本の立ち位置も揺らぐ。

OpenMeter makes it easier for companies to track usage-based billing | TechCrunch
サブスク(購読)型課金モデルが、利用者にとって割高と感じられることが多くなるに従い、従量型課金(Usage-Based Pricing)モデルが広がり始めた。記事は、その基盤をSaaSで提供するOpenMeterの話題。エンタープライズ分野で注目されるが、C向けにも適用できるのでは?
Tortoise boasts growing podcast audience of up to 3m downloads per month
“スローニュース”を謳う英Tortoise Media。2019年の創業時のコンセプトは少ない数の長文記事をじっくり読ませることだったが、22年にはポッドキャストにピボット。現在は、月間300万ダウンロードを誇るという。女性視聴者が6割、40代以下の比率が8割だという。

インターネット広告費は過去最高を更新 ビデオ広告が二桁成長―電通・日本の広告費詳細 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

インターネット広告費は過去最高を更新 ビデオ広告が二桁成長―電通・日本の広告費詳細 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比110.9%の2兆3,490億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は87.4%となった。予約型広告は前年比100.0%(2022年:2,647億円、2023年:2,648億円)とほぼ横ばい」。

——発表された「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」から。上記運用型広告のいまさらながらの浸透ぶりに加えて、動画広告が高い成長を示したことが、昨年のハイライトだろう。

How DMA gatekeepers are responding to the EU's new competition rules -- in their own words | TechCrunch
EUで施行されたDMA(デジタル市場法)の下で、ゲートキーパーと指定されたAlphabet/Google、Amazon、Apple、ByteDance/TikTok、Meta、Microsoftの6社が、それぞれ、最初のコンプライアンス・リポートを発表し始めている。今後EU監視下でこのような検証公表が求められることになる。
地方紙のサイトが“生成コンテンツ”を大量発信、AIを用いた「クリックベイト工場」の秘密
「人工知能(AI)が生成する『クリックベイト(釣り記事)』で溢れるウェブサイトのネットワークは、既存のメディアやブランドの評判をずる賢く利用して構築されている。これらのサイトは、かつて高い信頼を得ていた組織のURLのドメインを不法占拠(サイバースクワッティング)し、閲覧者や広告主を混乱させ、誤解を引き起こすことでうまい汁を吸う」。

——Metaで働いたことのある人物が、このジェネレーティブAIが生成するコンテンツを、元々定評があったローカル紙のドメインを活用して、悪質なコンテンツを振りまくモデルを発見したという記事。記事が指摘するように、この事案は広告による資金稼ぎが狙いだが、容易にプロパガンダ意図に応用できるだろう。

Disruption This Week—–8/3/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年3月4日から2024年3月8日まで。

アップルは「マフィアの手口」 EUの新ルール、アプリ業者が猛反発:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「ファウ氏(=ドイツの暗号化メールアプリ『トゥータ』のマティアス・ファウCEO)は『現状の規約にとどまるか、ビジネスを壊すリスクを取って新規約に移るか。アップルの手法は、身代金を要求するマフィアのようだ』という」。

——AppleがDMA施行に対処するため(と想定できる)、新アップストア利用規約が非常に評判が悪い。個人的に見ても、よくもこれだけワル知恵を働かせたものだと感心。特に外部決済に誘導されようとする一般ユーザーに対し、「(外部で決裁すると)アップルはプライバシーやセキュリティーに責任を負いません」と大書きで警告する手法は、圧倒的な影響力があるだろう。

プロンプト不要、生成AIで誰でも物語からマンガが作れる
「テキスト-画像生成AIは物語性のある複数の画像を生成するのが苦手だ。複数の画像で、設定に一貫性を持たせるのが難しいからだ。だが最近、物語を一度入力すると、それに合った一連の画像を生成するサービスが登場した」。

——画像生成については、DALL-EやStable Diffusionなどを利用するようだが、それ以前のストーリー、プロットなどを解釈してうまい画像を生成させるプロンプトを人間代わりにやってくれるジェネレーティブAI「ロア・マシーン(Lore Machine)」が試行運用中。記事に含まれる見本が面白く読める。

“Don’t expect help from the disruptors”: The FT’s chief executive on AI, “loyalist” readers, and its U.S. expansion
英Financial Times(FT)のCEO、John Ridding氏がインタビューに応じ、好調なデジタル購読者獲得とメディア業界の現状について語る。同社の購読者は140万人を超え、うちデジタル購読者は100万人超。約20%が米国在住だという。日経による買収以降、グループ収益は倍増だとも。
同社が力を入れてきたエンゲージメント戦略の詳細な現状も語られ、読み応えのある内容。
生成AIのグラウンディング(Grounding)とは?
「用語『グラウンディング』について説明。特定の知識や情報源(ナレッジベースなど)に基づいて言語モデルの生成内容を裏付けるプロセスのことで、チャットAIに独自の情報源を付与するRAG(検索拡張生成)という仕組みがその代表例。チャットAIがもっともらしいウソを答える問題(=ハルシネーション)を減らせるといったメリットがある」。

——LLMからいかにして信頼性の高い情報を意図して出力させられるか。また、その信頼性を証す典拠などを明示させられるかといったテーマは、現在、自ら培ってきた信頼性の高いコンテンツを資産として維持する出版社、メディアにとっての死活問題。課題だったこの問題への一つのアプローチが「グラウンディング」だ。

Newsguard debuts new automation tools for tracking election-related misinformation
情報の信ぴょう性などの検証からメディアをレーティングする調査企業の米NewsGuard、選挙イヤーの2024年用に、「Election Misinformation Tracking Center(選挙関連誤報追跡センター)」をサービスイン。従来の追跡システムに加え機械化をさらに促進したという。
10代にとって「メディア」とは? 気になる「界隈」って? イノベーターティーンのメディア生活 番外編 @メ環研の部屋 | メディア環境研究所|博報堂DYメディアパートナーズ
「10代はこの(=フィルターバブルのような)『情報が偏るリスク』をよく理解しているようです。調査では10代の6割が『多様な人や意見・情報にあたるようにしている』と回答。その対策として、X、新聞、ネットニュースなど複数のメディアを使い、確からしさを得ようとしているという声が聞かれています」。

——ティーンがバランス良く情報を摂取すべきことを知っているとの結果。これが全体に適用できるのかどうかもう少し深めてほしいが、自分の日ごろの感覚とも整合する。

BBC News marks content 'verified' to counter disinformation
英BBC、記事中に引用などされた第三者による映像情報に、「検証済み」マークを表示するようにした。検証された動画や画像には、作者、撮影日、撮影場所、カメラの詳細、その後の編集や変更などのメタデータが埋め込まれ、読者はそれを確認できる”How we verified this”ボタンを設置する。
How Max Tani Became the Go-To Guy for Horrible News About Media Layoffs
人気の新興メディア米Semaforでメディア関連情報を担当するMaxwell Tani氏へのインタビュー。同氏は、いくつものメディアを渡り歩き、Semaforにたどり着いたが、いつの間にか、“メディアの訃報(レイオフ、媒体閉鎖)”を報道する専門家のようになってしまったと嘆く。
These Companies Have a Plan to Kill Apps
スマホアプリが消滅へ? すでに軽く紹介したが、MWC2024にドイツテレコムがLLMを利用したヒューマンインターフェイスを搭載したスマートフォンのコンセプトモデルを展示。人間が“複数のアプリを操作してタスクを完了”モデルから、AIに指示し、AIがタスクを完了する新トレンドが動き出している。
インターネットの利用環境、70代のスマホでの利用が3年間で31pt増加【LINEヤフー調査】
「60代以上のシニア層を見ても2021年4月と比較して『スマホ』でのインターネット利用者の増加傾向は顕著で、60代は86%(+6pt)、70代は65%(+31pt)の利用率となった」。

——当然の帰趨と言えばそうだが、シニア層でスマホ利用が急速に進む。となると、ネットメディアやサービスの利用についても、この層で進むことになるだろう。メディア受容における世代対立も変化する可能性がある。

Disruption This Week—–1/3/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月26日から2024年3月1日まで。

How the Media Industry Keeps Losing the Future
【有料購読者向け記事】:
印刷版の新聞に代わる画面上の新聞「Viewtron」が1986年に閉鎖されて以降、未来の電子版新聞の試みが何度か生じ、敗退していった。記事は、その試みを紹介しつつ歴史的人物の証言などに当たるが、最後にこれらの敗北は、SNSへの敗北だったと指摘する。
出版状況クロニクル190(2024年2月1日~2月29日) - 出版・読書メモランダム
「『出版状況クロニクルⅦ』で、23年は電子コミックシェアが90%を超えるだろうと予測しておいたが、4830億円という90.3%を占め、そのとおりになってしまった。それは電子書籍が440億円の8.2%、電子雑誌が81億円の1.5%とマイナス基調にあり、これらの回復は難しい状況だといっていい」。

——昨日、「新文化」の記事を通じて紹介しておいた。データ推移が分かるので、目を通しておきたい。

OpenAI、NYTに提訴された裁判で「証拠はChatGPTのハッキングで生成されたもの」と申立
「文書(=OpenAIが呈示した申し立て)によると、NYTが提示したような『異常な結果を生成するためには数万回の試行が必要』で、NYTはOpenAIの利用規約に明らかに違反する欺瞞的なプロンプトを使って例を生成したという」。

——New York TimesとOpenAIとの係争について、何度か紹介しているが、重要なポイントのひとつに、NYTimesがChatGPTの脆弱性を意図的に突いたのではないかということがある。その経緯が理解できる報道。

米英で読者を伸ばすThe Guardian。同メディアが力を入れる指標が「Deeply Read(深く読まれた)」ランク。記事に費やされたアクティブな時間を計測し、記事の長さと組み合わせ「この長さにしては素晴らしい読書時間」などと評価する。読者とのエンゲージメントを重視する戦略から導かれたアプローチ。
San Francisco Chronicle tries an AI chatbot — er, Chowbot — for food recs
米「San Francisco Chronicle」紙、AIチャットボットを使い、読者がベイエリアでのおすすめレストランや特定の料理を見つけられる実験的サービス「Chowbot」を開始。実際にお勧めされる店舗、フードは同氏記者らが実際に評価したものを呈示するため、「信頼に値する」とする。
2023年 日本の広告費 - News(ニュース) - 電通ウェブサイト
「インターネット広告費は、3兆3,330億円(前年比107.8%)と過去最高を更新し、前年より2,418億円増加した。コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与した」。

——詳細は、リポートを読んで欲しいが一読した上での感想は、動画系広告にお金がシフトしていることが見えてくる。“四マス”に出自を持つネットメディアでは、テレビ系に広告支出の伸長が著しい。引用箇所でCTVの伸長が語られていることも、動画系の動きだろう。

LINEヤフー、業績回復の裏で目立つ劣悪広告 ユーザーの不満噴出
【有料購読者向け記事】:
「X上に投稿された、LINEの広告への不満の傾向を可視化したグラフだ。ネガティブな感情を持つ意見は、2023年の1年間で累計4000件以上に拡大した。10月には1月の約3倍となり、月間600件超に。24年1月も昨年同月の2倍以上の件数だ」。

——記事の前半はだれでも閲覧可能だ。LINEヤフーで劣悪広告が異常に多いとの“風評”をデータ解析から跡づけている。もっとも、LINEヤフーに限らず、つとに指摘されているようにFacebook上の広告(と言えるの?レベルな)など、世界的にモラルハザードがこの分野で深まっている。

Microsoft’s AI Access Principles: Our commitments to promote innovation and competition in the new AI economy - Microsoft On the Issues
米Microsoft、プレジデント兼副会長のBrad Smith氏の名前で「AIアクセス原則」を告知。
「マイクロソフトの49年の歴史の中で、これまでのどの取り組みよりも大規模な投資、より多くのビジネス・パートナーシップ、イノベーションと競争を促進するための広範なプログラムを約束する。我々は、世界中の組織や個人が公益に資する方法でAIを開発し、利用できるようにするために必要な幅広い技術へのアクセスを提供することを約束する」。
Reddit says it's made $203M so far licensing its data | TechCrunch
株式公開の目論見書が公開された米Reddit。掲示板型のSNSだが、その収益源はいまのところ、ジェネレーティブAIを開発する企業のデータ学習費だという。
契約総額2億300万ドル、契約期間2年から3年のデータ・ライセンス契約を締結と明らかになった。
Technology newsbrand with 'optimistic view' and 20-strong team launches in London
「楽観的な視点を」と、英ロンドンで新興テックメディア「Digital Frontier」が創業。購読料、広告、イベントから収入を得る計画で、ニュース速報ではなく、深いジャーナリズムを提供していくと宣言。英国でもジャーナリズムは苦境にある中での発進だと報じる記事。

Disruption This Week—–23/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月19日から2024年2月22日まで。

Magazine ABCs 2023: Full breakdown of titles shows 12.4% circulation fall
英国の有料雑誌の発行部数(電子版を含む)を開示するABC調査によると、1位はThe Economistの電子版で99万1,887部。100万部超だった22年からわずかに減少。月間平均発行部数の合計で見ると、21年は2680万、22年は2400万部、23年は2100万部となった。
「サブスク1,000万をいかに達成したか」NYタイムズ発行人が語るデジタル戦略の10年とは?
「(イノベーション・レポートは)未来の洞察の文書だと思われていた。しかし、あれはカルチャーについての文書で、人々が変化に対してノーと言うのをやめるために、必要な条件を整理しただけのものだ。間違っていたことはたくさんあった」。

——現New York Times発行人A・G・サルツバーガー氏へのロイター・ジャーナリズム研究所による長文インタビュー。どう紹介しようかと思っていたところ平和博氏が整理してくれた。引用箇所も面白いが、個人的にはWashington PostやWall The Wall Street Journalなどがレイオフをしていることについて、失敗ではない、むしろ素晴らしく善戦していると持ち上げている点が印象的だった。

米国の配信サブスク利用者、年間支出額は平均約14万円
「新しいレポートによると、サブスクリプションサービスを利用する米国人は、平均で年間924ドル(約13万9000円)のサブスクリプション料金を支払っているという。月額にすると77ドル(約1万2000円)だ」。

——自分の場合は、Amazon PrimeとYouTubeをサブスクしているが、あくまでリニアTVのニュース報道の補完の扱い。アメリカなどでは主役がストリーミングなのだろう。

YouTube dominates TV streaming in US, per Nielsen’s latest report | TechCrunch
米調査会社Nielsen、リニアTV(オリジナルのTV番組視聴)とストリーミングの視聴に関する1月の調査結果を公表。YouTubeがテレビ画面での視聴の8.6%を占め、米国で再びストリーミングサービス全体のトップとなったことを明らかにした。一方、Netflixのテレビ視聴率は7.9%だった。
Washington Post taps Connelly as senior editor for AI strategy and innovation - Talking Biz News
米Washington Post、AI戦略およびイノベーションを所管する上級編集長としてPhoebe Connelly氏を起用。同氏はこれに先駆けて若年層読者獲得のための次世代イニシアティブを率いてきた。同グループでは昨年からAIを活用するためのハッカソンなどを社内で開催するなど活動中だという。
Apple reportedly faces €500m fine from EU over music streaming access
音楽ストリーミングのSpotifyがAppleによってアップストア以外の代替支払い手段の提供を妨害されたとする訴訟で、EU規制当局は、Appleに対し800億円(5億ユーロ)もの制裁金を課す動きと英Financial Timesが報道。
既に紹介しているように、Appleは制裁を逃れるための新ポリシーを発表しているわけだが。
Top 25 US newspaper circulations: Largest print titles fall 14% in year to September 2023
米Alliance for Audited Media調査、米25の日刊紙の1日平均発行部数は、230万部(2023年9月時点)。前年は270万部、2023年3月までの半年間では260万部だった。米最大の日刊紙のWSJ(555,182部)とNYTimes(267,639部)は、それぞれ前年比14%減、13%減に。詳しい一覧表を含む記事。
PAPERWALL: Chinese Websites Posing as Local News Outlets Target Global Audiences with Pro-Beijing Content - The Citizen Lab
カナダToronto大に設けられたCitizen Lab、欧州、アジア、南アメリカの30カ国で現地の報道機関を装った、中国により運営されている少なくとも123のWebサイトのネットワーク「ペーパーウォール」を発見。その詳細な事例と手順などを研究し暴露した。
岸田首相の偽画像などがSNSで相次ぎ拡散 注意を呼びかけ | NHK
「この偽画像を投稿したのはロシアを支持する投稿を繰り返しているアカウントで、転載されたものを合わせて70万回以上見られていました。 また、岸田総理大臣の発言の映像を切り貼りして、『日本人の割合は10%で、残りの90%は移民で構わない』などと述べたとする偽情報もXで拡散しました」。

——以前には、岸田首相が卑猥な発言をする…という愉快犯的偽動画が話題となったが、今回のケースでは、政治性を帯び始めた。影響工作が意図されているようにも見えないではない。警戒水域に入ってきた。

米・オープンAI 文章から動画を作成する新たなAI「Sora」開発を発表|日テレNEWS NNN
「夜の東京の街を歩く女性や東京郊外を走る電車の車窓など日本に関する動画もあり、サクラが満開の中、雪が降る東京の街といった中々見られない光景もAIによって簡単に作成できることがうかがえます」。

——日本をテーマにした動画では、なかなかありそうでなさそうな光景を創り出している。動画広告を安上がりに制作するのにはフィットしそう。現在は、制作者(クリエイター)を選んで試行運用を始めた段階だが、本格的にサービスインする際にはどうするのだろうか。

Disruption This Week—–17/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月13日から2024年2月16日まで。

‘Less writing articles; more AI conversation’: We get reaction to ex-Googler’s WaPo op-ed tip for publishers
“書かれたものから会話へ”。
印刷物の時代には、出版社は「記事」を作り、それを印刷、その紙を読者に配布していた。Webは、配布と紙に関するすべてを変えたが、記事はほとんどそのままに。だが将来は、出版社とって記事が主題ではなくなり、読者との会話について考えることになるとの論説。どのように会話の関係として読者(というよりユーザー)をつなぎ止めるのか。AIチャット能力が主役となる時代がやってくる。
'Miraculous' Substack-based Ankler Media eyes $10m annual revenue next year
2022年1月創刊のSubstackベースのニューズレターメディアのAnkler Media。ハリウッド情報のメルマガが出発点だが、早くメルマガ5タイトル、ポッドキャスト2タイトルのメディア企業に成長。すでに年商100万ドル超に。25年には1,000万ドル超を目指すとCEOは述べる。
Slate reports best year | Semafor
30年近い歴史を誇る米メディアSlate。老舗のカルチャー、政治関連メディアにとって、2023年は、長い歴史のなかで最高収益となったという。ポッドキャストとWebサイトで50/50の広告収入を獲得。しかも広告収入は同社収入の半分以下。有料メンバー制が過去2年で倍増という。
Extending our Mastodon social media trial
英BBCのソーシャルメディアへのアプローチを研究するチーム、昨年、7月に開始した分散型ソーシャルメディアMastodonサーバーの試行運用が6万ユーザーに到達と公表。詳細なデータや見解を開示。良好な運用状況から試行運用をさらに6か月延長を決めたとする。
Paramount cuts 800 staff two days after Super Bowl was biggest ever TV show
米放送大手CBS、平均視聴者数で1億2340万人(TVとストリーミング合計)を突破し、史上最も視聴された「テレビ番組」となったSuper Bowl LVIIIを放映し、その記録破りの成果を公表した数時間後、CEOであるBob Bakish氏は同社800人のレイオフを発表した。
French Watchdog Uncovers Massive Russian Disinformation Operation 'Portal Kombat'
フランスの対外情報監視機関Viginum、「Portal Kombat」とのコードネームで呼ばれるロシアの大規模なオンライン影響工作活動を指摘。193ものWebサイトからなり、ウクライナでの戦争をめぐる欺瞞情報を流布し、欧州各国のウクライナ支持を挫くことを目的としたものだとする。
食べログ「評点」変更の是非は 高裁判決を弁護士が解説 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「グルメサイト『食べログ』の評価基準の変更が独占禁止法違反に当たるかが争われた裁判に関心が集まっている。東京高裁は1月、評価点を決める『アルゴリズム(計算手法)』の変更が『優越的地位の乱用』に当たるとして飲食チェーン店側への賠償を命じた一審判決を取り消し、サイトを運営するカカクコム側の逆転勝訴とした」。

——高裁で一審判決が取り消された。プラットフォーマーによるアルゴリズム変更をめぐる判例が揺れている。専門家3名による見解を紹介する記事。

Decoding new newsroom jobs in the age of AI

Media Makers Meet | What’s new in media

Decoding new newsroom jobs in the age of AI
“AI時代の新しい報道部門の仕事を読み解く”。AIを報道メディアの業務にどう生かすか。最近現れた報告書を読み解く論。後半ではAIを報道に生かすために生み出される新たな職務を解説している。
広告だらけの低品質サイトに100億円超流入 資生堂は監視強化 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「広告だらけで独自性のない低品質コンテンツを集めたサイトに、国内で年100億円超の企業広告費が流入している疑いがあることがわかった。生成AI(人工知能)が悪用されて低品質サイトは3割以上増えた。見せかけの閲覧数に基づいて広告費が請求され、広告主の予算が浪費されている。資生堂などは検知ツールで監視を強める」。

——「生成AIによる低品質コンテンツ」に力点が置かれた記事だが、これをある種のコンテンツファーム(検索上位を狙って人為的にコンテンツを生産し広告収入を集める手法)は、米国では2010年ぐらいには大きな動きになったし、2016年にはご存じキュレーションメディア騒動があった。根幹にはこの種のモラルハザードを生みやすい広告テクノロジーがある。

Artificial Intelligence in the News: How AI Retools, Rationalizes, and Reshapes Journalism and the Public Arena
英Guardian、独バイエルン放送、米Washington Post、英Financial Timesなど35のメディア(新聞、放送など)と報道に携わる多くの専門家から聴取したAIと報道をめぐるさまざまな現状と課題、そしてプラットフォームとの関係をリポートした必読資料が公開された(PDFも入手可)。
メディア接触の新潮流...「ニュース回避傾向」が強い層の特徴とは?
【ご紹介】:
昨年11月に公開された「スマートニュース・メディア価値観全国調査」。そこからいくつも新たなファクトが浮かび上がります。本記事は気鋭の研究者・大森翔子氏が調査から見出した、我が国での「ニュース回避」トレンド。従来、ロイター・ジャーナリズム研究所が例年取り扱い、注目を集めてきました。それが日本においても姿を現しています。「メディア接触の6類型」分析で読み解く斬新で貴重な論考です。
今のニュースメディアに欠けている機能とは何か
【ご紹介】:
私も末端で参加させてもらったメディアをめぐる座談会。元日経メディアラボ所長の坪田知己氏が中心となってメディアをめぐる話題が広がりました。よろしければご一読を。