Disruption This Week—–18/2/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月14日から2022年2月18日まで。
How to use Discord for Journalists – Interhacktives
Interhacktives


「もう1点、意図していなかった結果をAIが引き起こしてしまった例として触れておきたいのが、自動運転における『トロッコ問題』だ」。
——“トロッコ問題”の全体像については、記事をぜひ参照。たとえば、自動運転を司るAIが、究極の問い(このまま歩行者をはねるか、自ら道をそれて崖に落ちるかといった思考実験)などだ。これは端的な問題だが、AI倫理問題を総合的に整理したこの記事(連載)は、少し踏み込んで考える際の格好な資料になる。
「デッドラインは遅くとも2030年。痛みも伴うし、社員一人一人の意識改革が必要だ」紙とデジタルのバランスに悩む朝日新聞取締役が描くビジョン、そして記者の役割 | 経済・IT | ABEMA TIMES
ABEMA TIMES

「この1年半くらいは、突貫工事に次ぐ突貫工事だ。伊藤大地君をドンと据えてみたのもそうだし、エラーだけじゃなくてヒットや知見もかなり溜まってきている。ニューヨーク・タイムズの成功は編集とエンジニアリングが一体となっていたことも大きく、朝日新聞も含め日本のメディアはかなり遅れていた」。
——なかなかインパクトのある記事(番組)。赤裸々な話題に朝日新聞が乗ったのも、社内にインパクトを与えるという意味もあるのだろう。実際に取り組みが進んでいる印象だし、オンライン強者の部類には入ると思うが、“編集業務”のデジタルへの統合、テクノロジーに携わる人員の強化がさらに必要だろうと見ている。

海外発の「縦読み漫画」が流行中!“待てば¥0”のシステムを生んだ漫画アプリ「ピッコマ」の戦略とは?|ウォーカープラス
ウォーカープラス(Walkerplus)

——例示がていねいなされているので、「ピッコマ」を知らないわれわれ世代でもいろいろと実感できるものがある良い記事。メディアのフォーマット(形式)的側面が、表現そのものの革新(パラダイムシフト)を導くかもしれない事例といえそう。過去、スマホの登場で日本のコマ割の分解という問題が生じていたと見るが、それへの回答と受け止める。

なお、同社は日経新聞傘下であることは知られている。日経本体の電子版専用購読者数は、約90万人と見られる(⇒「日経電子版から考える 新聞社は配信事業から『双方向会話型』の新事業体へ」参照)。

TikTokと親会社の中国ByteDanceの従業員間の文化(倫理観や法令遵守意識)のギャップが、同アプリをめぐる混沌に拍車とするリポート。本国技術者が、肌の色を変更できたり、人の美醜をスコアしたりする機能を米側が停めたりする事象などを報じる記事。
スポティファイ「ワクチン誤情報」危機の内幕
WSJ Japan
「エク氏はインタビューで『パブリッシャー(コンテンツの提供元)』として位置づけられることを拒んだ。ユーチューブやフェイスブックがハイテク企業かメディアプラットフォームかはなお議論の余地があるとし、こう述べた。『スポティファイが何であるかも明確には定義できないと思う』」。
——デジタルの流通基盤がパワーを持つ時代。“メディアなのかプラットフォームなのか”問題は遍在的に生じる。法制的にも免責としている分野の見直しが進むことにもなる。この問題とイケイケに徹する起業家を組み合わせると、問題が火を噴くパターンはもはや定型的とも言えるのだが。
The Psychology of TikTok
Medium

動画配信の成長の壁、アニメが破れるか(写真=ロイター)
日本経済新聞

日経MJ紙への連載コラムが日経電子版に掲載されました。日本のアニメ関連コンテンツへの需要が世界で高まっているという話題を取り上げました。よろしければどうぞ。➡ 動画配信の成長の壁、アニメが破れるか
メンタルヘルスへの影響を中心とした ニュース消費に関する調査を概観する – Media × Tech
Media × Tech

Media×Techから新着記事です。SmartNews内で進められた「オンラインニュース消費とメンタルヘルスへの影響」をめぐる動向の調査・検討です。
Disruption This Week—–11/2/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月7日から2022年2月10日まで。


Digital Advertising in 2022
Stratechery by Ben Thompson

電子版と本紙販売を集約 日経、サブスク事業に統合・再編 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

——電子版サブスク推進の意義は、付加的な事業としての位置付けをはるかに超えて中核的なものとなったのは当然ながら、一方で、その頭打ち感や、紙・電子の購読の退潮トレンドにどう抗していくのか、という大きな局面変化にもあるのだろう。
米アップル、AI使った作曲手掛ける新興企業を買収-関係者
Bloomberg.com

——Appleが、企業名がそのものズバリのAI Musicを買収。AIによる楽曲の生成(作曲)を行うアプローチは、すでにいくつも生じている。ネット時代のコンテンツでは無数にバックグラウンド音楽へのニーズが存在するからだ。それも著作権料支払いをゼロもしくは低価格で。で、そのようなニーズに対応している間に、本物のディスラプションが生じる可能性もある。

ニールセン、動画・音声ストリーミングの視聴状況を発表 月間視聴者数や年齢構成は?
MarkeZine

——記事中に示されている年齢別シェアを見ると、上記引用で指摘されていることの重みがより鮮明に理解できる。いまや、YouTubeでさえ、5割近くが50歳以上のシニアに占められている。


——英国在住のジャーナリスト小林恭子さんのリポート。記事を読めば分かるように、ジャーナリストが単にデジタルスキルを学べば、というものではない考え方が伝わるプログラム。「このようなプログラムが日本でも実行できないものだろうか」と小林さんは問うている。
Disruption This Week—–4/2/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月31日から2022年2月4日まで。
Google owner Alphabet is exploring the launch of new Web3 and blockchain-based products, CEO Sundar Pichai says
Markets Insider

気鋭のマイナー音楽系出版社・カンパニー社とは? 音楽批評の現在地を探る特別対談・前編
Real Sound|リアルサウンド ブック

——出版、音楽レーベル、ショップを手掛けるカンパニー社の代表、工藤遥氏を取材する記事。引用箇所は元WIREDの創刊編集長Kevin Kelly氏の“1000人理論”について。持続可能なメディアを構想する際に参考になる記事。

目標としていた2025年を3年前倒して実現。
2021年末時点で880万人を達成し、さらに今週、The Athletic買収が確定したことで目標を上回った。同社はさらに25年までに1,500万人達成をめざす新目標を発表。同社CEOは全世界に1億3,500万人の潜在的な購読者が存在と述べる。
セブン&アイ「DX崩壊」が内部資料で判明、創業家・ITベンダー・コンサル…乱心の大抗争
ダイヤモンド・オンライン

——ダイヤモンドONLINEの渾身オンライン特集企画。全15回(!)シリーズが13回まで掲載された。巨大流通企業のDXにまつわる内部闘争を暴露している。これ、規模の大小に関わりなく既存(レガシー)企業のDX推進で生じていることでは? メディア企業も例外でないはず。

NYタイムズ、単語クイズ「Wordle」買収-ゲーム事業の拡充図る
Bloomberg.com

——この種のゲームは、同社で高い実績を誇ってきたクロスワードパズルからの類推でその価値が判定できるというわけだろう。日本のメディア企業も小規模のM&Aならば迅速に実施という点を学ぶべき。
——調査が示唆するのは「誤情報と闘うよりも、信頼できる情報の受け入れ向上に力を注ぐべきであること」だということに。問題は、これがユーザ(読者)の努力によりできる部分とそうでない部分があることだろう。読者自身のリテラシー向上努力に期待できるのかどうか。信頼性を高める具体的なアプローチがあるのかどうか。なかなかループから抜け出せない。
出版状況クロニクル165(2022年1月1日~1月31日) – 出版・読書メモランダム
出版・読書メモランダム

近代出版流通システムは雑誌をベースにして、書籍が相乗りするかたちで稼働してきた。それが2016年に逆転し、6年目を迎えたことになる」。
——雑誌を軸にした出版物流通は、当然のことながら衰退の方向へ転換して時間が経過する。書籍(依然としてコミックスがけん引車ではあるが)は、電子版流通の隆盛へとカーブを切った。さて、雑誌形式のほうには未来があるのか、なかなか答えが見えない。

2021年、編集部員がハマったコンテンツを振り返る – Media × Tech
Media × Tech

Media×Tech編集部員やSmartNewsの関係者が寄せる「2021年、ハマったコンテンツ」紹介のアンケート企画。よろしければどうぞ。
Disruption This Week—–28/1/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月24日から2022年1月28日まで。

——YouTubeのような場で、NFTをどう利用しようとしているのかについては、注目すべき。

TikTok Creators Air Grievance Over Fund Payouts
The Information

TikTokを舞台にする人気クリエイターから、プラットフォームからの支払いが極端に少ないと不満の声があがっている。同社は、2020年にクリエイター誘致のための“10億ドル”ファンドを立ち上げたが、「払いはYouTubeに比べはした金だ」との声があがる。


クリエイターエコノミーの視点から見ると、InstagramはYouTube追い上げに夢中だ。クリエイターのサブスク収入から1年は“税金”を徴収しないと決めた。YouTubeは30%、Patreonは5〜12%、Twitterは3%内のレベルで徴収しているとするThe Informationの記事。

——読売の今朝(2022/01/24)のトップ記事の一つ。記事にあるように(全文が読めるはず)、バイトダンス社は報道のような事実を認めており、「今回の施策は昨年12月で終了した。投稿に広告表記が必要だという認識がなかったが、利用者を誤認させる可能性があり、再発防止に努める」とする。
Why YouTube Sees Hollywood’s Future in the Creator Economy
The Information

YouTubeはハリウッド映画の未来をクリエイターエコノミーに見る。米The Information論説。
先週、YouTube幹部は200万人のユーチューバ宛て書簡でYouTube Redを率いたオリジナル路線の幹部Susanne Danielsの退任を説明。同社の戦略転換をオープンにした。記事は、YouTubeがNetflix型のオリジナル大作主義を捨て、著名ユーチューバらの才能に頼ったクリエイティブ路線に舵を切ったこと。さらに、ハリウッドもクリエイター側へ歩みよっているという、業界の地殻変動の可能性を指摘する。
Is the Media Doomed?
POLITICO


——Instagramがサブスク機能を取り込む準備をしているとの報道から間をおかずに、TikTokも。背景には“人気インスタグラマー”“人気ティックトッカー”が直接的に収入を得る方法を用意しないわけにはいかない、クリエイターエコノミーの潮流があると想像。
Web3はコンテンツの黄金時代か、それとも金ぴか時代か? – Media × Tech
Media × Tech

Media×Techから新着記事です。いま、テック界・メディア界でホットな視線を浴びる「Web3.0」について論じます。

