Disruption This Week—–11/4/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年4月8日から2025年4月11日まで。

WordPress.com launches a free AI-powered website builder | TechCrunch
WordPress、AIを搭載した無料のWebサイト・ビルダーを発表。ユーザーはまず、自分のWebサイトのアイデアを説明するプロンプトを入力。 プロンプトでは、サイト名、簡単な説明、どのようなコンテンツをホストするかなどについての情報を提供し、できるだけ具体的に説明する。その後、生成されたサイトについて、AIとのチャットでユーザーの意向を反映した修正を重ねていくとする。
AP Debuts New Multiformat AI-Powered Content Delivery Platform
AP通信、ユーザーがAP通信が擁する膨大なビジュアル、オーディオ、テキストコンテンツをより簡単に検索し、利用できるよう設計された、新しいマルチフォーマットAI搭載のコンテンツ配信プラットフォームを発表。
「どこまで読んだっけ?」を解決。Kindleに新機能「Recaps」が登場
「Kindleが新機能『Recaps(リキャップ)』を発表。これは、本を読む前にサクッと内容を振り返れる“あらすじまとめ”のようなもの。まるでテレビ番組の『前回のあらすじ』のように、物語や登場人物の流れを簡単にチェックできるようになります」。

——面白い。ある意味で書籍の要約サービスのようなものだが、いろいろ考えると、あれこれと派生的なサービスを夢想してしまう。日本語版で機能しているのか確認してみたい。

Which types of people aren’t big fans of “impartial” news? People who don’t have power
世界40か国の、ニュース嗜好をめぐる大規模調査結果が公開。調査対象者の多くが“公平なニュースを好む”と回答する一方、分析の結果では、自分の好む結果を報じるニュースを好む傾向が強い。特にその傾向の強いグループも明らかになってきた。

Will A.I. Save the News?

The New Yorker

Will A.I. Save the News?
ニュース報道の長期的研究によると、何十年もの間、着実にネガティブな報道が増えている(文献あり)。 過去80年間、世の中が確実に悪化してきたということはない。 悪化しているのは世の中ではなく、ニュース業界の中なのだ。AI要約はこれを改善できるかもしれないとする論。

What was Quartz?

Zach Seward

What was Quartz?
三度(?)売却されたQuartz。2012年創刊の近未来的(であった)米Webメディア。一度は日本のユーザベースがオーナーに。創業者が振り返る、その売却の歴史。
「メディアビジネスは、理想主義者と皮肉屋の戦いのように感じられることが多い。私が好きな現代の ニューススタートアップのほとんどは、非営利の道を選んでいる。非営利の道には大きな課題もあるが、少なくとも皮肉屋の課題は一つではない」。
「30分くらいで楽しめるものない?」 Geminiと対話して動画を探せるテレビ、TVS REGZAから
「リモコンの『ボイス』ボタンを押しながらGeminiに話し掛けると、Googleが提供する音声認識サービスによって画面に会話が表示され、見たいものを探せる。例えばちょっと時間が空いた時に『30分くらいで楽しめるものない?』などと言うと、Geminiは『今話題のドラマ』『途中まで見ていたアニメ』『新着のおすすめ』といった候補を挙げる」。

——究極の“暇つぶしメディア”と、頭のなかで呟いてみたが、メディアってだいたいはそんなものかもしれないと思い直した。多忙な瞬間にはニュースに向かってなどいない。この製品に疑念があるとすれば、人間はわざわざ“(自分はヒマなので)なにかいい作品ない?”と問いかけたりしないのではないかということ。

高齢者はYouTubeに夢中になっている。これはハリウッドにとって新たな警鐘だ | Business Insider Japan
【有料購読者向け記事】:
「YouTubeの65歳以上の成人による視聴は過去2年間で96%増えて、ほぼ倍増し、ユーザーの15.4%を占める。2歳から11歳の子どもは16.9%で、両者の割合はほぼ同じだ。また、50歳から64歳の人々は同期間でYouTubeの視聴時間を62%増加させた」。

——すでに紹介しているが、米国でのNielsenの調査に基づく記事。ケーブル、放送、ストリーミング横断の測定で、YouTubeが(Disney、Netflixなどを抑えて)最大のシェアを獲得。興味深いのは、記事中でメディア業界人や広告業界人がいまだにYouTubeを正統的なメディアと見ていないにもかかわらず、シニア層の視聴者が急増しているというギャップに言及していることだ。

Independent says readers ‘often prefer’ stories on new AI ‘Bulletin’ to human-written versions
英メディアIndependent編集者、同メディアが活用を始めたGeminiを利用した記事要約サービス「Bulletin」が好調と伝える。人間執筆の記事以上に好まれることがあり、トラフィックを稼ぐ。理由の一端として、Googleディスカバーに掲載されるとの微妙な“マジック”に触れた記事。
Gen Z outlet says it proves young people will pay for news done the right way
18歳〜35歳、つまりZ世代とミレニアル世代をターゲットとするRocaNews。Instagramをプラットフォームに2020年に創業したニュースメディアは、ニューズレターやYouTubeにニュースネタを用いたクイズなどで、有料購読者を200万人超に。昨10月には黒字化したとする話題。

Disruption This Week—–4/4/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年3月31日から2025年4月4日まで。

No one knows how to define a 'podcast' anymore — and it's become a problem
【有料購読者向け記事】:
ビジネスは奇妙な生きものだ。米国を中心にポッドキャストが躍進し、だれもがそれに取り組んだ結果、その定義や輪郭があいまいになっている。最新の調査では、米消費者の過半がYouTubeで視聴できるものをポッドキャストと見なすと答えているという。
Perhaps Google is really worth nothing to the news industry
深い自覚があってか、ないのか不明だが、Googleは、「ニュース」コンテンツが自分たちにとって無価値だと証明しようと躍起だ。AIはさらにそのプロセスを進めるのかもしれない。だが、今度はGoogleがニュースにとって無価値なのだと言う番だとする論説。
グーグル検索をやめてAIに乗り換えてみた
【有料購読者向け記事】:
「筆者は古い検索のパラダイムをシフトすることに賛成だが、AIに対する懸念もある。これらのシステムはインターネットから回答を吸い上げるが、元の情報源に誘導することはほとんどない。
信頼できる情報源(まさにこの媒体など)は、可視性、購読者、トラフィックを失う可能性がある」。

——注釈を入れておくと、上記の引用箇所は、AIとGoogle検索を使い比べた上での、結論に近い部分。AIに訊ねて得られる良好な結果は数多いことが、記事では示されている。上記の結論は識者のフェアな総括だが、さて、一般の消費者は同様の視点を持てるだろうか。

Tariffs don’t all act the same
“関税はどれも同じではない”——。
関税が積み増されることで、商品の販売動向はどう変化するのか? 洗濯機、タイヤ、TV、スマホ…と各種商材がどのような売れ行きを見せたか、米国内の過去の実績を使いReutersがビジュアル化。アプローチもビジュアル化も勉強になる記事。
YouTube is about to eclipse Disney as the biggest media company in the world
【有料購読者向け記事】:
例えば、従来のメディア企業やストリーマーとは異なり、YouTubeには他への優位性を示す象徴的なプログラムや映画作品はない。「ストレンジャー・シングス」や「バービー」はない。そのYouTubeがDisneyを抜き世界最大のメディアになろうとしている。
米の攻撃計画チャット漏洩「シグナルゲート」スクープが示した、新トランプ時代の「調査報道」とは?
「記者と報道機関はリアルタイムで間違いなく情報を入手し、それをどう扱うべきかを知っていた。
(中略)
スクリーンショットがあった。タイムスタンプ付きで。そして、この政権でさえ否定する方法がわからないような形で、実名やイニシャルが付けられていた」。

——何度か紹介している、Trump2政権下で起きた「Signal Gate」。メッセージングアプリSignal上のグループチャットで、政権幹部がかわしていた野放図な戦争情報。入手した記者は、安全保障上の配慮と国民の知る権利の両面に配慮して、政権幹部らが否定し得ないアプローチで報じた。平和博さんの記事で、それを学ぶことができた。

Vox sees boom in paying readers for explainer journalism under Trump 2
Trump2が、米メディア業界に与えたのは、排除や圧力だけではない。“解説(Explainer)”を看板にするメディアVoxでは、Trump氏が大統領就任後の2か月で有料購読者の増加率が350%となった。編集長Swati Sharma氏へのインタビュー記事。ニュース忌避へのアプローチを語る。
ChatGPTで「ジブリ風」イラスト作って問題ないの?福井健策弁護士が「著作権のポイント」解説 - 弁護士ドットコムニュース
「アイデアは模倣自由であり、それを超えた特徴的表現の模倣は自由ではない、これが現在の世界の著作権の基本ルールです。ただ、生成AIの登場でこの原則がゆらいでいます」。

——作風の模倣レベルは、人間文化の推進力として容認できるものの、「原則がゆらぐ」のは、AI企業が「特定の個人・団体の作品を複製して学習することがどこまで自由か」という課題だと指摘する論。

環境省の除染土パブコメ、20.7万件の96%が同一文章 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「東京電力福島第1原子力発電所事故で生じた除染土の再利用に関する省令案について、一般から意見を募るパブリックコメント(パブコメ)の提出意見数が20万7850件だったと発表した。2024年度の日本政府によるパブコメで最多となった。文言が完全に一致した重複の投稿は96%を占め、同一人物からの大量投稿も目立った」。

——これはこれで衝撃的な数字だが、その先には「文言が完全に一致」しないが、内容は同様というコメントを機械的に大量生成する時代がもうやってきている。それをチェックできるか。

Bloomberg Has a Rocky Start With A.I. Summaries
【有料購読者向け記事】:
米Bloomberg Newsは、今年から公開しているAI生成による記事要約(冒頭に箇条書きを付加する)を、少なくとも30件訂正している。その一つは、つい先日、Trump大統領の自動車関税をめぐるニュース報道で生じたと、米New York Timesが指摘。

Disruption This Week—–21/3/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年3月17日から2025年3月21日まで。

Measuring Google’s AI Overviews’ impact: Why keyword data is more telling than CTRs for publishers
【有料購読者向け記事】:
過去6か月間でAI概要のキーワードシェアが大幅に増加した。たとえば、米ProPublica では、AI概要をトリガーとするキーワードシェアがこの期間に204%増加したという。また、AI概要の強調スニペットに扱われる場合とそうでない場合に大きな差異があるとする記事。
U.S. Reaches 100 Million Paid Music-Streaming Subscribers for the First Time, Vinyl Sales Hit $1.4 Billion: RIAA 2024 Year-End Report
全米レコード協会(RIA)の年次レコード音楽収益報告によると、昨年、米国での有料ストリーミングの加入者数が初めて1億人を突破。
レコード売上は20年近くぶりの回復を続け、売上高は14億ドルに到達。ただし、ストリーミングの成長は近年低迷中だとする記事。
実験的試み:イタリアでAI生成記事オンリー新聞が誕生
「Il FoglioのAI新聞は4ページで、3月18日付けの火曜特別版にセットで配布されました。オンラインでも見ることができます。
この新聞、記者(人間)が手を入れたのは、AIチャットbotに質問することとそれを読むことだけ」。

——個人的には、AIがベースを記事や紙面のベースを生成、それを人間がチェック・修正するというのがいい。あるいは、人間は調査報道や深度のある解説記事に携わるべきか。

Gamified app Newsreel aims to lure 'news curious' Gen Z away from Instagram
z世代向けニュースアプリ「Newsreel」、言語学習アプリ「Duolingo」に似た、ニュース情報をクイズ形式で提供。政治と外交問題に重点を置いたストーリーを1日3つ配信、ユーザーは段階的にストーリーをクリアしていくスタイル。“ニュース好き”な青少年をターゲットに据える。
Independent launching AI-powered news service for 'time-poor audiences'
英オンラインメディアIndependent、時間のない読者向けに時間のない読者向けにAIが記事を要約し表示するニュースサービス「Bulletin」を開始する。Geminiを用いて同メディアの記事を140字以内に要約。同編集部員がレビューやチェックをするなどして掲載するスキームだという。
How a New Zealander working from her mum’s kitchen started a news service read by Madonna
各種SNS上でフォロワー数400万を擁する青少年向けニュースメディア「Shit You Should Care About」。27歳の代表Lucy Blakiston氏(在ニュージーランド)へのインタビュー。
同氏は毎日ニュースサイトを見て回り、セレブ文化から紛争に関するニュースまで、読みやすいストーリーをまとめ、Instagram、X、TikToなどに共有する。無料・有料の日韓ニューズレターも配信。2018年創刊で躍進するメディア事業だ。
Guardian, GB News and Newsquest among latest publishers to tell readers: ‘consent or pay’
英メディアGuardian、利用者がサードパーティ・クッキーによるトラッキングに同意しない場合、同メディアの利用料金を求めるダイアログボックス表示を開始。英大手メディアでは、昨夏からこの動きが顕著に。トラッキングのオプトアウト選択を明示するよう規制が進んだ結果だ。

「AI検索、メディアには痛手 サイト訪問9割減」を解説 – 日経デジタルガバナンス

NIKKEI Digital Governance(日経デジタルガバナンス):デジタル・AI時代のガバナンスを伝える専門メディア

「AI検索、メディアには痛手 サイト訪問9割減」を解説 - 日経デジタルガバナンス
【有料購読者向け記事】:
「2月24日に公開した(米トールビット社による米国内外の)調査結果によれば、AI検索の回答で表示するリンクなどをクリックして元サイトを閲覧するクリックスルー率は、従来型のグーグル検索に比べて95.7%も減少しました」。

——先ほど投稿した共同通信社とGoogle(Gemini)との提携を材料にすれば、検索によってこれまで生じてきたオーガニックなクリックスルーは、検索のAIモードによって多くが失われることになる。その欠損を提携が金銭等で補えれば……ということか。

Publishers don't really know how Google AI Overviews is impacting their referral traffic
Googleが進める検索へのAIモードの導入。ユーザーの質問に対する回答が検索ページ上に表示されるため、AIモードは通常の検索結果よりもメディアへのクリックスルー率を高めることにはならないとメディア幹部は考えているとする記事。加えてGoogleはこの詳細を明かしていない。
共同通信社、米Googleとニュース提供の契約 Geminiアプリの利便性高めるため
「Googleにより当社のニュースコンテンツの価値が尊重され、新たな契約を締結した。信頼性の高いニュースを提供することで、社会全体の情報環境の向上に寄与することを期待している」。

——共同通信社の水谷亨社長のコメント。同社が配信するニュースは、多くの報道機関で用いられている。その大元の情報源にGoogleはアクセスできることになる。Geminiは、Google検索と融合していく方向にあることから、その利用接点は広範だ。この取引で、共同通信社の経営が強化されるのであれば、良いのだが。

Disruption This Week—–14/3/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年3月10日から2025年3月14日まで。

Meta's Community Notes will use open-source technology from Elon Musk's X
米Meta、新たに利用を進めるクラウドソーシング型のモデレーションツールに、Xで利用されているコミュニティノートの(オープンソース)アルゴリズムを採用したと発表。今後はそのアルゴリズムを発展させていくことも表明。

「AI検索、メディアには痛手 サイト訪問9割減」を解説 – 日経デジタルガバナンス

NIKKEI Digital Governance(日経デジタルガバナンス):デジタル・AI時代のガバナンスを伝える専門メディア

「AI検索、メディアには痛手 サイト訪問9割減」を解説 - 日経デジタルガバナンス
【有料購読者向け記事】:
「トールビットのトシット・パニグラヒ最高経営責任者(CEO)は米誌フォーブスの取材に対し『ユーザーがAIに何かを質問するたびに、AI開発会社がウェブサイトを攻撃している』と指摘。AI開発会社によるスクレイピングが猛烈なペースで伸びているのに、サイトに流入するトラフィックが減少する傾向があるとして、報道機関・メディア業界の関係者に警鐘を鳴らしました」。

——残念ながら、AI開発企業とメディア企業の間には、ウィンーウィンの関係は今のところ生じていないという見立てが論じられている。

Substack Surges Past 5M Paid Subscriptions, Thanks to Video and Trump (Exclusive)
米ニューズレター配信のSubstack、有料会員数が500万人を突破。わずか4か月前には400万、1年前の300万からの急増。同社共同創業者のHamish McKenzie氏が、米メディアHollywood Reporterに述べた。原動力はもちろん、米新政権の疾風怒濤の動きへの情報需要が背景にある。
また、同プラットフォーム上では、従来レガシーメディア上で名を馳せた著名ジャーナリストらが続々、アカウントを開設しているなど、メディア界の混とんも要因だとする記事。
SNS規制なのか? 政府が「情プラ法」4月施行を閣議決定 “第三者”による削除要請が物議
「ガイドラインでは、誹謗中傷などを受けた本人以外──つまり第三者からの削除要請についても『速やかに対応を行うことが望ましい』としている。X(旧Twitter)などでは、これが単に都合の悪い投稿を削除させる『SNS規制』につながりかねないとして問題視する声も上がっている」。

——本人以外の第三者からの削除要請への対応義務化は、「SNS規制」につながるのかどうか。私には微妙な一線に見えるのだが。はてさて。

With launch of AI Mode Google threatens to bleed news media dry
試行が始まったGoogle検索における「AI Mode」。英メディアPress Gazetteは、AI Overview以上にメディア運営者の収益を枯渇させるとして、Googleに対し12の問題点を指摘、回答を求めた。

音声AI進化、新Alexaは自然な会話に 詐欺や漏洩リスクも – 日経デジタルガバナンス

NIKKEI Digital Governance(日経デジタルガバナンス):デジタル・AI時代のガバナンスを伝える専門メディア

音声AI進化、新Alexaは自然な会話に 詐欺や漏洩リスクも - 日経デジタルガバナンス
【有料購読者向け記事】:
「2月26日、ニューヨークのイベント会場。アマゾンのデバイス・サービス部門トップ、パノス・パネイ上級副社長が200人超の記者を前にライブで見せたデモは滑らかでした。新型のアレクサ・プラスは基盤モデルの力で『コミュニケーション力』がぐっと上がりました」。

——Alexa+はアンソロピックとの協業だという。記事は先月末にAmazonが開催したイベントでの新Alexaのデモ。ChatGPTのアドバンスド音声モードなどを利用していても、会話モードが決してネイティブではなくイライラさせられる。この分野での進化や、記事で強調されているデバイス連携は、人々の生活に浸透する際の重要テーマ。同時に個人情報漏洩リスクとも隣り合わせだ。

OpenAIのDeep researchを上回っていると称するAIエージェント「Manus」を中国のスタートアップが発表
「Manusのデモ版で実行されたいくつかのタスクについては、ログを確認することができます。以下のデモは、『7日間の日本旅行の計画』をManusに立てさせたもの。ログを再生すると、Manusが日本旅行に関するさまざまなウェブサイトからデータを収集し、時期や予算感、興味のある物事に応じた旅行計画を立てていることがわかります」。

——ちなみに、この記事にもあるように、Manusは日本語で利用可だ。問題はリソース制約の関係か、試用には順番でアカウント開設を待たされることだ。

WSJ publisher Almar Latour on preserving press freedom and the promise of AI
米テック系メディアVerge編集長Nilay Patel氏、Dow JonesのCEOでWall Street Journal発行人のAlmar Latour氏にロングインタビュー。DJとOpenAIとの取引やインタビュー直前にWSJがエンジニアチームをレイオフしたことなどを厳しく追求した。中小規模のテックメディアといえども、ジャーナリストとしての矜持を見せつける。
米紙WPのコラムニスト辞任-ベゾス氏批判するコラム不掲載後
「同紙(=米Washington Post)のオーナーでアマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏がオピニオン欄の編集方針を変更したことなどを批判するマーカス氏のコラムが、ウィル・ルイス最高経営責任者(CEO)によって不掲載とされていた」。

——Washington Postと同メディアのオーナー、ジェフ・ベゾス氏との緊張関係が、より高まっている。経緯は記事に譲るが、今後、ベゾス氏はWPの売却という選択肢も検討することになるのではないか。12年間続いたベゾス氏との関係が今後どうなっていくのか。

The Future of News Looks Niche
【有料購読者向け記事】:
米テック関連メディアThe Informationを軌道に乗せた創業者Jessica E. Lessin氏は、メディア投資家でもある。
「私は常に、真の専門知識を持つ創業者を求めてきました。大手メディア企業はニッチ市場を無視していると思います。規模が小さすぎると考えているのです」。
同氏は最近投資を行ったテニス専門メディア「Racquet」での読者体験を熱く語る。

Disruption This Week—–21/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月17日から2025年2月21日まで。

ESPN plans to add user-generated content to upcoming 'flagship' streaming service
米Disney、傘下のスポーツ専門メディアESPNで計画するストリーミングサービスで、若い観客層の獲得を目指してUGC(ユーザーが作成したコンテンツ)サービスを付加する計画。今年後半にサービスイン予定だとする米メディアCNBCによる報道。もちろん、ユーザー数を成長させるYouTubeを意識してのものだ。
The New York Times will let reporters use AI tools while its lawyers litigate AI tools
すでにSemaforによるNew York Times社内でのジェネレーティブAI利用を紹介したが、記事はその補足的な解説。NYTの訴訟相手であるChatGPTやGitHub Copilotなどのッツールが、利用を許可されたとの皮肉な結果に。

A German news outlet got rid of its comments section — and asks readers to debate instead
ドイツの著名Webメディア「Der Spiegel」では、従来、記事へのコメント欄を提供していたが月間170万コメントに及び、管理不能に。現在はモデレーターがアジェンダを決める「ディベート」フォーラムの運用に転換。閲覧はオープン、投稿は購読者限定とし質の向上を図った。
Q & A: Leigh Kamping-Carder, The Wall Street Journal | 99 Newsletter Project
米Wall Street Journalは、米国新聞メディアのなかでも多数のニューズレター・タイトルを取り揃えてきた。その実務責任者Leigh Kamping-Carder氏(Head of Newsletters)に、これまでの経緯と、成功するビジネスの秘訣や内情などをインタビューした記事。
AIデバイス「Ai Pin」即時終了──HPによるHumane買収で
「HPはこの買収により、『ローカルとクラウドの両方でAIリクエストをシームレスに調整する新世代のデバイスを開発する能力が急速に高まる』としている。
Humaneの共同創業者で元Appleのエンジニア、イムラン・チャウドリ氏とベサニー・ボンジョルノ氏はHP入りし、HPの製品とサービス全体にわたるAI関連システムに取り組むイノベーションラボ『HP IQ』を立ち上げるという」。

——Ai PinはジェネレーティブAIをウェアラブルに応用しようとした先駆的な取り組みだった。ハードウェアに蓄積のあるHPで新たな可能性を開拓してもらいたい。

ABCs: 55% of digital magazine circulation comes from Spotify-style services
ABC公査を受けた英語版雑誌のデジタル版発行部数の平均は1号あたり300万部(無料配布を除く)で、2023年と比較して14%増加。24年のデジタル雑誌の総発行部数のうち約160万部、つまり55%は、Apple News+、Cafeyn、Kindle Unlimited、Readlyなどのサービス経由だと明らかに。
ChatGPTが“視覚”を手に入れた!ライブカメラ機能でチャットがもっと便利になった | ライフハッカー・ジャパン
「ライフハッカー・ジャパンの記事をブラウザで表示し、ChatGPTに『なんの記事?』と尋ねたところ、ChatGPTは『ライフハッカー・ジャパンの記事で、ChatGPTがものを認識できるようになったことについての記事です』と答えました」。

——「ライブカメラ機能」とは、要するにChatGPTにカメラという視覚を加えるものだ。スマホのカメラを利用する。ChatGPTの有料のアドバンスドボイスモードを使っていれば、それに付加できる。記事はどんな目的で利用できそうか種々試しているので,参考になる。

デザインフローにおいてAI化される部分
「図の色分けによって示しているが、現状は薄いブルーで示すように全体的にまだ支援が弱めといえる。弱め、というのは、MiroやFigjamあるいはFigmaなどのコンピュータツールを利用するけれども主体は人間サイドにあるものか…」。

——ソフトウェア製品などの企画、開発などに携わる人々には役立ちそうな議論。一言で「製品化」といっても、これぐらいのパーツで構成される業務だとすると、一段視点をミクロにすると、自動化可能な分野が明瞭になってくる。

失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
「1. インターネットはクローラーに依存しており半分のトラフィックを占める
2. Webサイト運営者はAIクローラーによるデータ収集を恐れ反撃を始めている
3. Webサイトによるクローラー制限はWebの開放性と透明性を損なう恐れがある」。

——よく知られているように、Web界の情報を調べ尽くすためにクローラー(ボット)の役割は欠かせない。最たるものは検索エンジンのクローラーだ。AI開発企業が学習目的でこのクローラーを走らせてているのを、利権上認めないWebメディアが、「クロール禁止」の動きを強めており、結果として他のクローラーも弾かれ、さらにペイウォールなどの増加でWeb界の見通しが悪くなっていると懸念する記事。

Guardian signs licensing deal with ChatGPT owner OpenAI
米The Intercept、The New York Timesらが、OpenAIによる“無許可の学習”行為を訴える中、英GuardianはOpenAIとコンテンツライセンスを提携。すでに契約を締結しているパートナーには英FT、独 Axel Springer、米Hearst、そして豪News Corpらがいる。