Disruption This Week—–4/2/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月31日から2022年2月4日まで。

Google owner Alphabet is exploring the launch of new Web3 and blockchain-based products, CEO Sundar Pichai says
好決算を発表し、ますます株価を上げるAlphabet。決算の発表にあたり、CEOのSundar Pichai氏がWeb3系技術の採用に前向きである発言を行った。「ブロックチェーンに注目している。ブロックチェーンは非常に興味深く、強力な技術で、その応用範囲は非常に広く、一つのアプリケーションに留まらない」とする。
New Telegraph app strategy: Unified app helps boost subscriptions
2025年までに有料購読者100万人をめざす英Telegraph。その最大の武器と語るのが21年に投入されたアプリ。それまで2種類のアプリを運営していたが、これを一つに統合。読者体験に貢献しない要素はすべて排除したと担当者は語る。ベンチマークするのはSpotifyアプリだという。
気鋭のマイナー音楽系出版社・カンパニー社とは? 音楽批評の現在地を探る特別対談・前編
「1000人のコアな読者がいれば持続的に活動できるはずなんです。日本の人口でいえば約10万人に1人、そう考えると不可能な数字ではない(笑)。そして自分が関心のあることを発信していけば、多く見積もって1000人程度の同志たちに届けることはできるのではないかという目算があったんですね」。

——出版、音楽レーベル、ショップを手掛けるカンパニー社の代表、工藤遥氏を取材する記事。引用箇所は元WIREDの創刊編集長Kevin Kelly氏の“1000人理論”について。持続可能なメディアを構想する際に参考になる記事。

The Times hits its goal of 10 million subscriptions with the addition of The Athletic.
米New York Times、購読者数1,000万人を達成。
目標としていた2025年を3年前倒して実現。
2021年末時点で880万人を達成し、さらに今週、The Athletic買収が確定したことで目標を上回った。同社はさらに25年までに1,500万人達成をめざす新目標を発表。同社CEOは全世界に1億3,500万人の潜在的な購読者が存在と述べる。
セブン&アイ「DX崩壊」が内部資料で判明、創業家・ITベンダー・コンサル…乱心の大抗争
「流通の巨人、セブン&アイ・ホールディングスの巨額を投じたデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略が水泡に帰した。創業家も絡む人事や組織の混迷、ITベンダーやコンサルなど外部を巻き込んだ苛烈な抗争が、改革を崩壊へと追い込んだのだ」。

——ダイヤモンドONLINEの渾身オンライン特集企画。全15回(!)シリーズが13回まで掲載された。巨大流通企業のDXにまつわる内部闘争を暴露している。これ、規模の大小に関わりなく既存(レガシー)企業のDX推進で生じていることでは? メディア企業も例外でないはず。

SiriusXM figures out how to track audiences across its apps, including Pandora and Stitcher – TechCrunch
米デジタル放送事業者SiriusXM、複数のポッドキャスト配信時業者を渡り歩くユーザを「AudioID」と呼ぶ識別子で同定し、広告の動的な配信やキャンペーン測定ができると発表。アクセスするユーザのシグナルから共通性を検出する技術で、ユーザの匿名性は保たれるという。
NYタイムズ、単語クイズ「Wordle」買収-ゲーム事業の拡充図る
「NYタイムズによれば、ゲーム参加者は1日当たり数百万人。当初は新規および既存プレーヤーに引き続き無料で提供されるという。ただ、いずれは料金を支払わないと利用できなくなるのではないかとの懸念が高まっている」。

——この種のゲームは、同社で高い実績を誇ってきたクロスワードパズルからの類推でその価値が判定できるというわけだろう。日本のメディア企業も小規模のM&Aならば迅速に実施という点を学ぶべき。

「リアルのニュースに対する『受け入れ率』はおおむね60%であるのに対し、フェイクニュースの場合は30%と見積もる。この受け入れの差を指標化したものが『グローバル情報スコア』だ。リアルのニュースの『受け入れ率』が高まり、フェイクニュースの『受け入れ率』が低くなれば、この指標は上がり、それだけ情報環境が健全化したことを示す」。

——調査が示唆するのは「誤情報と闘うよりも、信頼できる情報の受け入れ向上に力を注ぐべきであること」だということに。問題は、これがユーザ(読者)の努力によりできる部分とそうでない部分があることだろう。読者自身のリテラシー向上努力に期待できるのかどうか。信頼性を高める具体的なアプローチがあるのかどうか。なかなかループから抜け出せない。

出版状況クロニクル165(2022年1月1日~1月31日) - 出版・読書メモランダム
「紙のほうの書籍はかろうじてプラスになったものの、雑誌は5000億円を下回る寸前のところまできている。
近代出版流通システムは雑誌をベースにして、書籍が相乗りするかたちで稼働してきた。それが2016年に逆転し、6年目を迎えたことになる」。

——雑誌を軸にした出版物流通は、当然のことながら衰退の方向へ転換して時間が経過する。書籍(依然としてコミックスがけん引車ではあるが)は、電子版流通の隆盛へとカーブを切った。さて、雑誌形式のほうには未来があるのか、なかなか答えが見えない。

Coming off big digital subscription growth, Hearst Newspapers plan a new data and product hub for 2022 - Poynter
San Francisco Chronicleなど、24もの日刊紙を傘下に置く新聞チェーンのHearst Newspapers。“新聞業界は斜陽”の通念に抗し、昨年には開発者やテック系デザイナーら20名を新規採用。電子版購読者を10万人増やし総数30万人とするなど成果を次々にあげ、22年も意欲的な取り組みを計画する。
2021年、編集部員がハマったコンテンツを振り返る - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Tech編集部員やSmartNewsの関係者が寄せる「2021年、ハマったコンテンツ」紹介のアンケート企画。よろしければどうぞ。
スマートニュース、「雨雲レーダー」に関する特許を取得 ユーザーが知りたい「あとどれくらいで雨が降るのか」に応える発明
【ご紹介】:
「SmartNewsの雨雲レーダーでは『あと10分で雨が降ります』といったメッセージで情報を受け取れるようにしました。ユーザーが知りたいことに直結して答えを出すことを強く意識して、この機能を開発しました」。

——自分に直結する情報としての気象予報、というのは深いテーマ。回答のひとつとして鮮やかな切り口を見せてくれたと思っています。

Disruption This Week—–28/1/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月24日から2022年1月28日まで。

Interview: Nicholas Thompson, chief executive of the Atlantic
TV局で解雇、ギタリストとして世界を放浪、そしてトップレベルのシニアアスリートなど、数々のユニークな経歴(記事を参照)を持つ、米The AtlanticのCEO、Nicholas Thompson氏へのインタビュー。同氏はNew YorkerとWIREDで、編集者としてサブスクを成功させ、いまはCEOとして創刊165年の老舗メディアのデジタル購読に挑みつつある。2022年は、100万購読者をめざす。
ユーチューブ、クリエーター向けにNFT機能提供を検討
「米アルファベット傘下の動画投稿サイト、ユーチューブは、クリエーター向けにNFT(非代替性トークン)の機能を提供することを検討していると明らかにした。スーザン・ウォジスキ最高経営責任者(CEO)が25日、2022年の優先事項に関する書簡で述べた」。

——YouTubeのような場で、NFTをどう利用しようとしているのかについては、注目すべき。

Can CNN’s Hiring Spree Get People to Pay for Streaming News?
遅れに遅れてストリーミングによる有料映像配信サービスに挑戦する米CNN。3月から「CNN+」を開始するために大物キャスタら採用中だ。Fox NewsからベテランChris Wallace氏を引き抜いた。また、著名インスタグラマなども投入しエンタメも強化する。Foxに3年遅れでの参戦が功を奏するか?
TikTok Creators Air Grievance Over Fund Payouts
【有料購読者向け記事】:
TikTokを舞台にする人気クリエイターから、プラットフォームからの支払いが極端に少ないと不満の声があがっている。同社は、2020年にクリエイター誘致のための“10億ドル”ファンドを立ち上げたが、「払いはYouTubeに比べはした金だ」との声があがる。
Google kills off FLoC, replaces it with Topics – TechCrunch
Googleは開発中だった“ポスト・クッキー”ソリューションである「FLoC」を断念。代わって、ユーザが興味を持つ事項(トピックス)を記録し、そのトピックスを対象に広告を表示できるアプローチへの転換を発表。FLoCにはユーザプライバシーへの懸念が指摘されていた。
What Instagram’s Move Into Subscriptions Means for TikTok—and Patreon
【有料購読者向け記事】:
クリエイターエコノミーの視点から見ると、InstagramはYouTube追い上げに夢中だ。クリエイターのサブスク収入から1年は“税金”を徴収しないと決めた。YouTubeは30%、Patreonは5〜12%、Twitterは3%内のレベルで徴収しているとするThe Informationの記事。
【独自】TikTok運営会社が一般投稿装い動画宣伝…協力者に歩合制報酬、年500万円も : 社会 : ニュース
「『協力者』1人当たりの投稿が年間数千本に上り、報酬額が500万円を超えるケースもあったという。アプリ利用者を増やすのが目的で、宣伝であることを隠す『ステルスマーケティング』の可能性がある」。

——読売の今朝(2022/01/24)のトップ記事の一つ。記事にあるように(全文が読めるはず)、バイトダンス社は報道のような事実を認めており、「今回の施策は昨年12月で終了した。投稿に広告表記が必要だという認識がなかったが、利用者を誤認させる可能性があり、再発防止に努める」とする。

Why YouTube Sees Hollywood’s Future in the Creator Economy
【有料購読者向け記事】:
YouTubeはハリウッド映画の未来をクリエイターエコノミーに見る。米The Information論説。
先週、YouTube幹部は200万人のユーチューバ宛て書簡でYouTube Redを率いたオリジナル路線の幹部Susanne Danielsの退任を説明。同社の戦略転換をオープンにした。記事は、YouTubeがNetflix型のオリジナル大作主義を捨て、著名ユーチューバらの才能に頼ったクリエイティブ路線に舵を切ったこと。さらに、ハリウッドもクリエイター側へ歩みよっているという、業界の地殻変動の可能性を指摘する。
Is the Media Doomed?
「メディアは破滅か?」。米の政治メディアPoliticoがテーマを拡大、読みごたえある記事を取り揃える「Politico Magazine」から。記事は16人の思想家が15年後のメディアを語る。いずれも傾聴すべき論。例えば、メディアとテックの融合を悲観的に見るNicholas Carr氏は、15年前のiPhone誕生を潮流の原点と語る。
TikTokがTwitter、Instagramに続き有料サブスク導入を限定テスト、クリエイターの収益化の道を探る | TechCrunch Japan
「人気の短編ビデオアプリTikTokは、クリエイターが自身のコンテンツのサブスクリプションに課金するオプションを模索している。この機能は当面の間、限定的なテストの一環であり、広くは提供されない。TikTokは、この機能についての詳しい説明や、追加の詳細の提供は却下した」。

——Instagramがサブスク機能を取り込む準備をしているとの報道から間をおかずに、TikTokも。背景には“人気インスタグラマー”“人気ティックトッカー”が直接的に収入を得る方法を用意しないわけにはいかない、クリエイターエコノミーの潮流があると想像。

Web3はコンテンツの黄金時代か、それとも金ぴか時代か? - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。いま、テック界・メディア界でホットな視線を浴びる「Web3.0」について論じます。

Disruption This Week—–31/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月27日から2021年12月31日まで。

「新しいコンタクトポイントを増やすことを目指す」:神戸新聞社 大町 聡 氏 | DIGIDAY[日本版]
「私たちがいま取り組んでいる新しい取り組みは21年に始めたVoicy(ボイシー)で記者が音声ニュースを紹介する『めっちゃ兵庫』、ニューズメールの『ええやん兵庫』、noteでのウェブマガジン『うっとこ兵庫』の3つのデジタルサービスです」。

——いずれのサービスも決して先駆者としてではないが、可能性がありそうなことには何でも挑戦する、というスタイルが魅力的。

Can Matt Mullenweg save the internet?

Protocol — The people, power and politics of tech

Can Matt Mullenweg save the internet?
WordPressをはじめ、Parse.ly、Pocket Cast、Tumblrなど、オープンWeb上で稼働するソフトウェア群を手中に収めるAutomattic社。CEOのMatt Mullenweg氏にインタビューした興味深い記事。同氏はSNSなどに対して、「オープンが勝つ。それもいつも」と述べる。
The Information’s 2022 Predictions
【有料購読者向け記事】:
米The Informationの記者ら、来年のテック、メディア業界で起きること20を予測。興味深いのは、AWSがAmazonから分社化するだろうということ。大手テック企業を縛る法制が厳しくなっていることからだ。また、YouTubeがNFT市場を開設することなどだ。
Facebookからアルゴリズムを排除したら、“世界”はどう見えてくる? 投稿を「最新順」の時系列表示に変えてわかったこと
「『わたし自身は(Facebookの投稿を)逆時系列順に並べていく、つまり最新の投稿から順に表示してスパム広告の表示を少し下位に下げる方式を強く支持します』と、(Facebookの内部告発者である)ホーゲンは米上院小委員会で10月に語っている。『わたしたちに必要なものは、人間の尺度で人が対話できるソフトウェアです。誰の発信を目にするのかをコンピューターが決めるソフトウェアではありません』」。

——私自身は、アルゴリズム(フィルタとも呼べる)が関与しない情報群にナマにさらされることは、求める情報に出会うことに膨大なコストがかかると考える。何らかの整理抜きで接するには情報量はあまりに膨大だからだ。そこで、議論すべきはアルゴリズムの働きについて、どう利用者が理解できるようにするかだろう。簡単でない課題がそこにはあるのだが。

【ゼロから分かる】世界はなぜ「Web 3.0」に熱狂するのか
【有料購読者向け記事】:
「この記事では、Web3.0をめぐる技術的な仕組みなどは、ひとまず脇に置いておきます。
それよりもWeb3.0の世界の面白さを知ってもらうため、多くのユーザーたちの注目を集めている、急成長しているプロジェクトを紹介したいと思います」。

——技術的側面はさておいて、“Web3”をめぐるハイプを5つの柱から解説するよくまとまった概論。

Most-popular news apps 2021: Exclusive ranking of most-downloaded
英国および米国で最もダウンロードされたニュースアプリ。Sensor TowerのデータをPress Gazetteが分析。ブラウザで著名な「Opera」がリリースしたアプリOpera Newsが目をひく。米国ではSmartNewsも。

損失、年1000億円超か

日本経済新聞

損失、年1000億円超か
【有料購読者向け記事】:
「米インテグラル・アド・サイエンス(IAS)によると、2021年1~6月に日本の静止画広告の2.3~2.6%が(広告詐欺の)被害に遭った。調査した主要20カ国で最悪水準だ」。

——複雑化しすぎて、どこでどのようなカネの詐取が行われているのか判明しない、というアドテク分野。読者は不快な広告を求めないのに見せられ、まともな広告主はその不快な広告と同一視され、かつ、意図せず不快な広告を表示するメディアの評判は落ちるという、“三方悪し”の状態がいまだに生じている。

Exclusive poll: Americans want government action on tech
米Axiosとイリノイ工科大学が組み、ITおよびIT企業をめぐって世論調査。その結果、1500人の調査回答者の過半数が、人工知能、アルゴリズム、オンラインプライバシー、IT企業の巨大化、スマートフォンへの依存度について懸念を示した。回答者の約8割が自分がオンライン広告のターゲティングにされていると感じ、政府の対策を要望している。
「我々は古いリターゲティングから、はるかに前進してる」:英パブリッシャーのリーチ、T・ホーンズビー氏 | DIGIDAY[日本版]
「たとえば、引っ越しに関するコンテンツを読んでいる人を、『家具プラス』セグメントに入れる。行動パターンとして、新しいソファを購入するサイトにアクセスする可能性が高いからだとホーンズビー氏は述べる。マンティスは1日に12万5000のデータポイントを収集する」。

——ユーザをファーストデータとして同定できるようになると(たとえば、メールアドレスを取得するなど)、読んでいる記事というコンテクストから、クラスタ化した消費者像を獲得できるというわけだ。やはり「200を超える英国の出版物やウェブサイトを所有している」メディア企業だから効果的にアプローチできることなのだろうか。

‘Podcast Movies’? Feature-length Fiction Stretches the Medium
New York Timesが「ポッドキャスト・ムービー」という矛盾を含んだ語義を使って新たなコンテンツトレンドを紹介。ハリウッドの製作会社Cadence13が著名俳優らを複数起用した本格的な音声番組を数作リリース。人気俳優の声や背景音などを駆使したプレミアム版ポッドキャストと言えるが、AppleやSpotifyが有料オプションを用意したの機に具現化したものと解説する。

Disruption This Week—–17/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月13日から2021年12月17日まで。

群雄割拠の音楽ストリーミング、空席はもうない
「そこで、今後の展開を予想する意味でも、各サービスの沿革を調べてみた。なお以降に示す事業スタート年は、国内だけのサービスを除き、現地でのスタート年である。日本参入時期ではないので、ご注意願いたい」。

——小寺信良氏が楽曲ストリーミングサービスの栄枯盛衰を単年に整理した労作記事。文末には資料性の高いビジュアルにまとめられている。本文でも指摘されているが2015年を機に、サービス大手による業界寡占化が進んで、群雄割拠の終焉に向かう。

Exclusive: TikTok tackles filter bubbles
TikTokが、ユーザに繰り返し似たタイプのビデオ投稿を表示しないようにするアルゴリズムをテストしていると、米Axiosがスクープ。同種投稿の繰り返し視聴が広義のフィルタバブルを招来し、ユーザに悪影響を与えるとの指摘が増えていることへの対策という面がありそうだ。
Why Google News Showcase US launch could be delayed (again)
Googleが有力な報道メディアに対し、金銭および購読支援を行うGoogle News Showcaseが、日・英・豪・加などで始まっている。しかし、お膝元である米有力ローカルメディアとの交渉が進まない。Press Gazetteがメディア側を各社を取材し、その理由をリポートした記事。理由は大きく5つ挙げられており、メディアが求めている対価との乖離、契約条項への懸念、契約スタイルが「不快」、そして、近い将来、メディア側に有利に法制の変更が期待されているなどだ。
By dropping its paywall for a day, the FT lost out on subscriptions but found new, engaged audience
厳格なペイウォールで知られる英Financial Times、気候変動サミット開催期間にキャンペーン。約2日間、無償でコンテンツを開放、インパクトを測定。通常時に比し匿名読者は28%増、気候関連記事は7倍読まれ、無料購読者の獲得は2倍増。だが、有料購読者は12%減となった。
Instagram surpasses 2 billion monthly users while powering through a year of turmoil
Instagram、20億MAUを突破。2018年に親会社であるFacebookがInstaの10億MAU突破を公表して以来のユーザ数公開。その成長スピードは驚異的だが、同サービスのライバルであるTikTokの市場席巻ぶりを考えれば、安泰とはとうてい言えないだろう。
米Group Nine Media買収による合併を発表したVox MediaのCEO、Jim Bankoff氏にAxiosがインタビュー。「メディア業界で最も急成長する企業」の実現と同氏は述べる。Group Nineは広告に強みを持ち、Voxはコンテンツライセンスに強みを持つ組み合わに妙味があると記事は指摘。
New York Times Reconsiders Buying The Athletic
今年6月には、New York TimesによるThe Athleticの買収交渉は頓挫したと伝えられた。しかし、この交渉が復活継続していると、米スポーツビジネス専門メディア「Front Office Sports」が報道。Athleticは購読者120万人を擁し、1,000万購読者をめざし760万まで到達しているNYTにとっては重要な取引となる可能性がある。
一方のAthleticは、開設6年でまだ黒字を出さず強気の成長路線を敷いてきているが、さすがに事業再編など苦しんでいるところだ。
The Guardian has more than 1 million recurring digital supporters
英メディア「The Guardian」、電子版に対する継続的な購読者が100万人に到達と、米Axiosがスクープ。Guardianはペイウォール不採用(ニュースへのアクセスの平等を保証するため)だが、3年前から寄付的な支払いを求めてきた。100万人には1回限りの寄付者は含まれないという。
“Everything clicks for a different reason”: Why journalism analytics are so hard to interpret
ジャーナリストは、伝統的にデータ分析に頼ることを嫌い、自身のジャーナリストとしての直観を重視する。一方、『マネーボール』以降、ビッグデータ分析がビジネスを変えることが明らかになるにつれ、両者の関係は緊張感のあるものとなった。「ジャーナリズム」と「ビジネス」の違いは、後者では解や成功は一意に決められるが、前者では、その解は多様であるべきだからだ。
情報の価値、良質性をめぐる重要な論点。
36億の記事を分析した結果、エバーグリーン・コンテンツについてわかったこと |SEO Japan by アイオイクス
「・ハウツー記事とリスト記事がエバーグリーン・コンテンツになる可能性が高い
・ポッドキャストのエピソードがエバーグリーン・コンテンツにることは極めて稀である
・Twitterのシェア数とエバーグリーンスコアに相関関係は見られない
・タイトルに現在の年号が含まれている記事は、エバーグリーン・コンテンツになる可能性が高い
・エバーグリーン・コンテンツの割合が高いコンテンツのタイプは、『ベストオブ』リスト、レポート、調査……」

——「エバーグリーン・コンテンツ」とは、文字通り、陳腐化せずに長く人気をを獲得してくれるコンテンツを指す。さまざまな分析結果が示されている。記事作りの参考になるケースがあるので、一読されるのがいい。

Disruption This Week—–10/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月7日から2021年12月10日まで。

50 ways to make media pay: Subscriptions | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
メディア企業が採用できる“購読”プログラム、12の例示。一般的な購読プログラムの提示から、学生や各種グループ別の優待、限定トライアル、法人向けプラン、他者との協業提案、プレミアムコンテンツの提案など各種手法を整理した記事。同業他社と組んでの提案は面白そうだ。
Newsrooms stop mocking the creator economy and start learning from it
メディア(報道機関)は、“クリエイターエコノミー”に学ぼう。少なくとも、これまでのように、オーディエンスと彼らが夢中になっているクリエイターやインフルエンサーとの関係を見下しているわけにはいかないとする論説。
Instagramで時系列表示オプションを来年提供するとモッセリ氏が公聴会で発言
「アダム・モッセリ氏は12月8日(現地時間)、米上院消費者保護、製品の安全性、およびデータセキュリティに関する小委員会が開催した『オンラインで子供を保護する:Instagramと若いユーザーのための改革』と題した公聴会で、来年1~3月期にInstagramで時系列フィードを選べるようにすると語った」。

——“Facebook文書”問題の中核、Instagramの事業トップが公聴会に出席。議員らからの追及に対して「時系列表示も選べるようにする」と発言。アルゴリズムによる表示をしない選択もできるようにするというが、「青少年」の利用法に対する対策としては安直だろう。

Global advertising industry expected to hit $1 trillion by 2025
2021年、世界の広告市場の成長率は過去最高レベルに。大手広告代理店Magnaは、21年の広告業界の成長率を22%とし、20年の12.5%を大きく上回る「史上最高」と発表。記事は、理由の一つとして、パンデミック後、中小企業がECなどでオンライン広告活用に乗り出したことと述べる。
Discord is letting creators monetize their communities with subscription-based memberships
大人気のライブチャットサービスであるDiscordが、本格的に“クリエイターエコノミー”をサポート? テスト段階だが、Discord内のコミュニティである各「サーバ」の運営者に、プレミアム機能へ課金を設定する権限を提供開始。
The end of the Silicon Valley insider–critic
シリコンバレーに抱き抱えれられてきた記者らの論評が終焉する時代。テクノロジー・サイエンス分野をカバーするライターによる論説。十数年前にはテック企業に批判的な記事を見かけるのは稀だった。現在はテック企業らから利益誘導を受けたことのない信頼できるライターが多く存在すると述べる。
Axios のライセンスビジネス、8カ月で100万ドルの収益 | DIGIDAY[日本版]
「Axios HQのゼネラルマネージャーであるジョーダン・ザスラフ氏によると、年間契約が1万ドル(約110万円)からスタートするHQのライセンス収益はわずか8カ月で100万ドル(1億1000万円)を超え、年末には150万ドル(約1億6500万円)に達する見込み」。

——AxiosがどのようなSaaS提供者になったのかは、記事を読んで欲しい。自社内製システムに投資できるメディア企業は、等しくソフトウェアビジネスの実践者となるべきだということを、最近のいくつかの事例は示している。

コンピュータサイエンス誌「bit」、1969年の創刊号から全386巻が電子復刻版としてAmazon Kindleで販売開始。1冊わずか198円
「同プロジェクトの『デジタルで絶版をなくし、誰もの手に届く所に置き、後世に伝える』趣旨に沿い、税込み198円と非常に安価。目次リンクも入っているため内容を確認してすぐに目的の記事へジャンプできます」。

——私のような文系でも、「bit」全盛期を思い出すな。書物に限らずこのような雑誌でも、できれば電子化してアクセシビリティを高めてもらえるとありがたい。同時に、検索可能性をどう高めていくのかも重要な課題。

中国の偽情報対策 連携 米とEU…国際機関選挙 協調も : 国際 : ニュース
【有料購読者向け記事】:
「会合には、米国のウェンディー・シャーマン国務副長官と、欧州対外活動庁のステファノ・サンニーノ事務総長が出席した。米国務省によると、両氏は偽情報対策として『米EU間の情報共有を深める用意』を表明した」。

——従前、米露関係ではロシアの情報工作について多くの情報が提示されてきたが、中国の高度な政治的意図による欺瞞工作についてはそれほどではなかったと思う。読みとばしてしまいがちなニュースだが、単に米中関係に止まっていない、中国の期満工作についても、広範囲の脅威として見なす時期に入っている。

How TikTok Reads Your Mind
「TikTokはどうあなたの心を読んでいるか?」
米New York TimesコラムニストのBen Smith氏、TikTok自らが従業員(非エンジニア)に同アプリのアルゴリズムを解説した内部文書を入手。そのエッセンスを解説する論。もちろん、アルゴリズムの究極目標は「DAUを増やす」だ。そのための要因を整理している。TikTokの熱心なユーザなら心当たりがあるはずだ。
また、他の重要な発見として、TikTokとその中国版であるDouyinは、依然として強い関係を有しており、同一の人物らによって開発されているという事実を紹介している。これは米政府の同アプリ排除の理由に挙げていた事象だ。
月間6億PV「まだ天井ではない」 文春オンライン、飛躍の裏に隠された施策とは - Media × Tech
【ご紹介】:
昨日ご紹介したように、2021年のSmartNews Awardsが発表。「文春オンライン」が2回目の大賞を受賞。改めて、その中心メンバーにMedia×Techがインタビューしました。おめでとうございます!