Disruption This Week—–5/7/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月1日から2024年7月5日まで。

2024 Zero-Click Search Study: For every 1,000 EU Google Searches, only 374 clicks go to the Open Web. In the US, it’s 360. - SparkToro
検索が自社サイトへ送客してくれるとのメディアの期待値があるが、米ユーザー間では、Googleでの検索1,000回ごとに、360クリックのみがGoogleが所有しない、Googleが広告料を支払わないコンテンツやサービスに到達。逆にいえば、全検索の2/3近くが、検索後もGoogleのエコシステム内に留まっていることになるとの分析記事。
「生成」ではなく「模倣」、
大手レコード会社提訴で
音楽AIの未来に暗雲
【有料購読者向け記事】:
「権利保有者がAI企業に対して起こした訴訟の中では、これまではニューヨーク・タイムズがよい例とされてきました。ですが、スーノとユーディオに対する訴訟は、AI企業にとって多くの点でさらに不利なものです」(米コーネル大学法科大学院のデジタル情報学教授ジェームス・グリメルマン氏の発言)。

——AI(企業)とコンテンツ権利者との争いが、いきなり本題に入ったというのがこの記事に中心。訴訟の行方を見守ろう。

Netflix, Amazon Lead With 53% of Original Streaming Title Orders in First Quarter of 2024, Study Finds
英市場調査会社Ampere Analysisによると、2024年1Qの世界の動画ストリーミングタイトル数で、NetflixおよびAmazonを併せると、全体の半数超となり他を圧倒(記事内のチャートで推移が見られる)。両サービスは、国外へと制作を外注し、量産を加速させているとする。
AI学習、権利者に適正報酬を ピクスタなどが新団体 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「画像ストックのピクスタは1日、米国とドイツの企業と共同で、生成AI(人工知能)の学習素材の権利保護をめざす団体『データセット・プロバイダーズ・アライアンス(DPA)』を立ち上げたと発表した。AI開発者による『無断学習』を防ぎ、画像や動画、音楽などのコンテンツ制作者や提供企業が適正な報酬を受け取れるよう働きかける」。

——記事を読む範囲では、「無断学習」行為を検出するなどのメカニズムについては言及がない。C2PAなどにゆだねるアプローチだろうか。単にデータ保有企業者連合(それも大規模とはいえない)で、実効性が担保できるだろうか?

生成AIで変わる10億人のGoogle検索 ネットの岐路に 編集委員 奥平和行 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「最も重要なことは、当社がコンテンツ提供者との関係を共生的と考えていることだ。ウェブ検索を主軸とする企業であり、コンテンツ提供者が独自性が高く新鮮なコンテンツをつくる強い動機を持たないと成功し得ない」。

——Google本社に、検索エンジンを統括する上級副社長を訪ねた際のコメント。同時に「AIオーバービュー」と呼ばれる、検索結果をAIによって概要紹介する機能が占める比率は10%程度として、すべてが覆われるわけではないという“(メディアへの)安心理論”を語る。実際に、現在の検索でも汎用性の高い検索に対してはそのような反応になっている。

TikTok applies for ‘Genie’ trademark in US for AI chatbot | Semafor
米Semaforによると、TikTokは、AIチャットボットソフトウェアの名称として「Genie」を商標登録申請。5月に米国特許商標庁に提出された書類によると、会話をシミュレートし、人間とAIの間の相互作用とコミュニケーションを促進し、人間のような音声とテキストを生成するという。
YouTube now lets you request removal of AI-generated content that simulates your face or voice | TechCrunch
YouTube、自分の顔や声を模倣したAI生成コンテンツやその他の合成コンテンツの削除を要請できるようサービス規約を変更。「責任あるAI」方針によるもので、プライバシー保護上の被害を受けた人物がコンテンツ削除を直接申し立てることができる方針を明確化する。ただし、この運用を適正に行うことには困難がありそうだ。
「不満を抱えた視聴者の1人は最近、SNSで次のようにいら立ちをぶちまけた。『プライムビデオにお金を払ってCMをたくさん見るってワケ分からん。うっとうしくなってきた』。
ネットフリックスとアマゾンの担当者はコメントを控えた」。

——以前紹介した米New York Timesの記事邦訳版。主旨は、広告抜きでプレミアムな映像体験ができるのを一つのウリにしてきた、Netflixをはじめとした有料ストリーミング勢力。だが、成長限界を迎えて、安価でCM入りの“TV番組もどき”版を提供するようにトレンドが変化。さらに、完全無料で広告入りの動画ストリーミングであるFASTのトレンドも高まってきている。これらを追った記事だ。

ChatGPT is hallucinating fake links to its news partners’ biggest investigations
ジェネレーティブAIが生成する論述には「ハルシネーション(幻覚)」が付きものと指摘される。代わって、AI企業はメディアとの提携に際し正確な出典(リンク)表示を約束するが、提携を発表した大手メディアへのバックリンクは誤りだらけだったとする米Nieman Labの調査結果。
What happened when British GQ stopped trying to 'feed the algorithm'
「記事の公開ペースを落とし、アルゴリズムに餌をやることを止めた」と英国版男性向けクオリティメディア「GQ」の視聴者開発・分析・SNS担当ディレクターがインタビューで語る。英GQが、より熱心なコア・オーディエンスを目指す戦略に転じた成果を詳細なチャートで解説。
「ChatGTPはなぜ、人間のような言葉を紡ぎ出せるのか?(前編)~日本の第一人者が、LLMの基本原理とブレークスルーを解説する」岡崎直観 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
私も関与しているスマートニュース メディア研究所の研究会報告から。東工大・岡崎直観教授が分かりやすい日本語LLM研究の原理と現状を解説します(後編も公開中)。ぜひご一読を。

Disruption This Week—–28/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月24日から2024年6月28日まで。

NYT's Hannah Yang on subscription ceilings, international markets and the news bundles
「New York Timesは、ユーザーを獲得して6〜12か月間維持するために、紹介キャンペーンを利用している。だが、価格などのオファーはユーザーの行動と機械学習アルゴリズムに依存する。
ここ英国では、1年間、週わずか0.50ポンドのオファーが届いたばかりだ。別のブラウザでは、7日間無料、その後月2ポンドというオファーだった」。

——記事は、米New York Timesの「最高グロースおよび顧客担当」のHannah Yang氏にインタビューしたポッドキャストの紹介。
引用のくだりは、記事を執筆したJacob Granger氏の地の部分。記事は、NYTimesがデジタル購読者をさらに増やせる余地(2027年には、現在の1,050万人を1,500万人とする計画)として、世界の購読者予備軍の存在と、ゲーム、料理、スポーツと多種のコンテンツをアップセル可能な購読予備軍の存在をあげる。

GeminiがYouTube動画を一瞬で要約してくれるようになった(しかも無料) | ライフハッカー・ジャパン
「Geminiは、キャプションや字幕など、YouTubeが自動的に生成するテキストを使ってYouTube動画を要約します。つまり、動画にキャプションや字幕がない場合は、動画からは何も抽出できません。また、要約機能はすべての言語に対応しているわけではありません。現在対応しているのは英語、日本語、韓国語のみ」。

——YouTubeコンテンツの要約機能は、便利そうだ。若干の注意点を紹介しておく。

AI検索「Perplexity」の記事盗用疑惑を独自調査──無断スクレイピングで回答を生成か
「『WIRED』の調査から、Perplexityに関連するマシン(具体的にはAmazonのサーバー上にあり、Perplexityが操作していることがほぼ確実なもの)が、WIRED.comや、『WIRED』と同じコンデナストに所属するほかのメディアのコンテンツをスクレイピングしていることが判明したのである」。

——Perplexity関連で紹介してきた記事の和訳が出たので改めて照会しておく。WIREDはこの事象について詳しく報道しているメディアだ。

国産LLM開発のELYZA、GPT-4の性能を凌ぐ新モデルを発表

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

国産LLM開発のELYZA、GPT-4の性能を凌ぐ新モデルを発表
【有料購読者向け記事】:
「特筆すべきは、このモデルが推論や知識応用の面で優れた結果を示している点だ。文章生成、ロールプレイ、情報抽出、推論、構造化、人文科学、科学技術、プログラミングなど、幅広いタスクで高い能力を発揮している。唯一、数学の分野でやや劣る結果となったものの、それ以外のカテゴリではほぼ完璧な性能を示した」。

——興味深い進展。気になるのは、このようにポジティブに報じられるような技術開発であれば、喜んでコンテンツプロバイダーは、自らのコンテンツ資産を学習用に差し出すのかどうかということ。

声優の利益保護へ音声データを認証 AIカバー対策、初の団体設立へ:朝日新聞デジタル
「AI(人工知能)に学ばせる音声データを認証する団体が来月にも設立される。25日に会見した関係者によると、国内初。AI開発者は、認証を受けた質の高い安全なデータを購入でき、声優らにも対価が支払われるようになる。データの追跡や透明性の確保につながるため、AI開発と知的財産の保護という点からも先駆的な例となりそうだ」 。

——一般社団法人・日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS(アイラス))の設立にともなっての報道。世界に先駆ける取り組みではないだろうか。データ認証(お墨付き)を与えるプロセスが興味深い。

Smashing, from Goodreads' co-founder, curates the best of the web using AI and human recommendations | TechCrunch
すぐれた書籍の紹介に力を注ぐソーシャルサービス「Goodreads」。共同創業者Otis Chandler氏が新たに、すぐれた「ニュース記事、ブログ記事、SNS投稿、ポッドキャスト」などの発見を助けるサービス「Smashing」が発表。AIとコミュニティの力を駆使するモデルだという。
記事はChandler氏が、その発想を得るにいたった経緯を詳しく述べている。
音楽生成AIのSunoとUdioを全米レコード協会が著作権侵害で提訴
「訴状では、特定の音声録音の特徴(発売された年代、テーマ、ジャンル、アーティストの説明など)を含む的を絞ったプロンプトを使用すると、著作権で保護された音声録音に酷似した音楽ファイルが生成される例が複数提示されている」。

——記事には、RIAAが権利侵害と酷似を指摘する楽曲のデモプレーヤーがリンクされている。また、サムネールはその酷似ぶりを指摘する比較図版だ。また、この種の侵害の特徴は、「規模は想像を絶するものだ」ということかもしれない。自動的に無数の権利侵害と見られる楽曲が生成できるということだ。

Exclusive: Amazon mulls $5 to $10 monthly price tag for unprofitable Alexa service, AI revamp
米Amazon、製品投入以来10年間利益をあげたことがなかったスマートスピーカープロジェクトのAlexaにテコ入れを計画。新たなAI開発で「能力を高めたAlexa」を投入、同時に月額5〜10ドルの有料課金化をめざす。Reutersによるスクープ。
Algorithms should not control what people see, UN chief says, launching Global Principles for Information Integrity
「アルゴリズムが人々の見るものを制御すべきではない」——。
国連事務総長が「情報の完全性に関するグローバル原則」を発表。誤った情報、偽情報、ヘイトスピーチによる被害に対処するための早急な行動の必要性を強調した。
AI音声による詐欺防止へ メタ、オーディオ透かしで新技術
「メタ(Meta)は、人工知能(AI )が生成したオーディオ・クリップに、いわゆる『透かし(ウォーターマーク)』となる隠し信号を埋め込めるシステムを開発した。ネット上でのAI生成コンテンツの検出に活用できる可能性がある」。

——画像系ではC2PAのようなメタデータを透かしとして用いる業界標準が動き出している。音声データでも同様の仕組みが待たれてきたが、Metaが「オーディオシール(AudioSeal)」を発表。すでにGitHubなどで公開済みだという。これを標準に育てられるかどうか。

Disruption This Week—–14/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月10日から2024年6月14日まで。

After the Yahoo News app revamp, Yahoo preps AI summaries on homepage, too | TechCrunch
Instagramの創業者らが開発したニュースアプリ「Artifact」。結局期待に見合わず、年初には米Yahooに売却された。Yahooはこれを使い「Yahoo News」をリリース。同時にWebサイトではArtifactの技術を使って、記事冒頭にAI要約を付す取り組みの試行を始めたという。
Grab Them. Then Stump Them.
【有料購読者向け記事】:
Apple News、LinkedIn、Morning Brew、Washington Post、Vox Mediaそして Boston Globeと、次々メディア(メディア関連サービス)がワードパズルなどのゲームを投入。と、同分野で先を行くNew York Timesが報道。
サードパーティー・クッキー停止でネットメディア危機 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「媒体社向けに広告配信管理ツールのSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)を提供するfluct(フラクト、東京・港)の取締役の望月貴晃氏は、『日本はiPhoneの利用比率が高いため、アップルによるクッキー停止の影響が大きい。17年からiOSにおけるCPM(広告表示1000回当たりの広告料)は半分になった』と明かす」。

——ある種の常識だと思うが、ここから先が怖い。
「既存の広告サービスから得られる収益が低下した媒体が次にやるのは、『CPMが高い不適切な広告を受け入れる』か、『広告枠を増やす』こと」だという。
もちろん、記事は新たな広告技術をめぐる開発が進むという論だが。

How Americans Get News on TikTok, X, Facebook and Instagram
米Pew Researchが、今年3月実施の新たな調査・分析結果を公開。米国成人の半数が、TikTok、X、Facebook、Instagramにおいて(少なくとも時々は)ニュースに接触。なかでもXのユーザーの半数は、(多かれ少なかれ)ニュース接触がその利用目的と答えているとする。逆にX以外のプラットフォーム利用者はニュース接触が、その目的ではないとしている。
主張:生成AIを使ったプロパガンダ工作、AI企業は実態公表を
【有料購読者向け記事】:
「それは…悪意のある人物がオープンAIの製品を利用して影響工作をしていたことを明らかにしたレポートだった。オープンAIは、ロシア、中国、イラン、イスラエルなどの組織を含む、5つの秘密プロパガンダ・ネットワークを摘発した。これらのネットワークは、複数の言語で大量のソーシャルメディア・コメントを作成したり、ニュース記事をフェイスブックの投稿に変えたりするなど、偽装作戦にオープンAIの生成AI(ジェネレーティブAI)ツールを使用していた」。

——テクノロジープラットフォームと時に連携して影響力工作の研究と抑止活動に取り組んできた研究者らの論考。OpenAIは歴史が浅いながら、過去、GAFAらが許してきていた影響力工作の摘発に早期に取り組み、成果を見せていることを紹介する。

AI news reader Particle adds publishing partners and $10.9M in new funding | TechCrunch
米スタートアップParticle、出版社と提携し、AI時代の新しいビジネスモデルを模索中だ。AIを活用して様々な出版社のニュースを要約することで、読者があらゆる角度から記事を理解できるようにするニュースアプリを提供しようと企図。まずReutersをパートナーに迎えた。
How newspaper giant Mediahuis aims to reach 70% digital revenue by 2030
欧州を主市場とする多国籍メディア企業のMediahuis。同社の現在の購読者数は880万人。印刷とデジタルが半々だ。その同社は2030年までに、現在の売上比率(印刷7割:デジタル3割)の逆転(印刷3割:デジタル7割)をめざす。そうなれば持続可能な事業モデルだと目標を掲げる。
「ペイウォール」が生んだ分断─民主主義は「有料記事の壁」の裏で死ぬのか | 元米国国務次官の切実な訴え
【有料購読者向け記事】:
「溢れかえる、出所不明で信頼性の低い情報を前に、『2024年の大統領選挙期間中、選挙関連報道を無償化すべきだ』と、米『タイム』誌の元編集長で、オバマ政権下で国務次官を務めたリチャード・ステンゲルは米『アトランティック』誌への寄稿で訴える」。

——「ペイウォールは情報の二重構造を生み出す。すなわち、お金を払う読者層には『信頼でき、事実に基づいた情報』が、そうでない読者層には『出所不明で信頼性の低い情報』が提供される」。まぁ、その記事がペイウォールの中にある、というのも皮肉な話ではあるのだが。
無料でさまざまな情報源にアクセスできる自由は、インターネットがもたらした最大級の恩恵だったはずだが、理由はともかくとして、それが阻害される段階に入ったことは間違いない。

1日のスマホ使用3時間以上、でも読書にもニュースチェックにも時間はかけない―シチズン時計調査
「『出社前にニュースチェックにかける時間』で最も多かったのは、『チェックしない』22.8%。20代では3割超に上った。世代が上がるにつれ、ニュースチェックの時間は増えるが、40代、50代でも『10分』までが6割を占める」。

——スマホの普及で、ニュースはいつでも“隙間時間”にチェックできると思えば、出勤前・登校前に確認する必要もないということか。スマホ上での時間の自由が広がっている。

Googleの「Gemini 1.5 Pro」採用メモアプリ「NotebookLM」、日本でも利用可能に
「ソースを選択すると、データに基づく要約を表示し、その下のプロンプト枠で質問できるようになる。回答の文末には数字のついたラベルが表示され、ラベルにカーソルを合わせるとその文の根拠となるソースの部分が表示される」。

——いま急速に話題になっているGoogleの「Notebook LM」。利用イメージをあげれば、書籍1冊分のPDFをアップロードすると、その要約が示されると同時に、その内容についての質問に回答するなどの対話が可能になる。情報源はその書籍データに限定されるので、ノイズが入らないというわけだ。

Disruption This Week—–7/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月3日から2024年6月7日まで。

How Taiwan’s factcheckers fight Chinese disinformation and ‘unstoppable’ AI - Taipei Times
台湾のファクトチェック組織「MyGoPen」(現在、40万人の購読者を擁する)創始者の葉子揚氏への取材記事。Taiwan FactCheck CenterやCofactsなど新たなファクトチェック組織が加わったが、台湾を標的にした偽情報の脅威もより巨大化。さまざまな事例を生々しく紹介する記事。
It Looked Like a Reliable News Site. It Was an A.I. Chop Shop.
【有料購読者向け記事】:
月間来訪者数1,000万人を誇り、米msnをはじめとしてWashington Postや英Guardianなどにも記事を提供してきた香港発ニュースサイト「BNN Breaking」。従業員らの証言で、数々のジェネレーティブAIを用いた他社サイト模倣記事を発信してきたことが明らかになった。NYTimesらに追及され、サイトを閉鎖に。
ワシントン・ポストがニュースレターに音声 生成AI を導入。「自分の好きな方法でコンテンツを消費する時代だ」 | DIGIDAY[日本版]
【全文閲覧には要購読手続き】:
「5月20日、米紙ワシントン・ポスト(The Washington Post)は政治と政策をテーマとする3つのニュースレターに音声生成AIを追加し、購読者はニュースレターの内容を『聴く』ことができるようになった」。

——「ワシントン・ポストが所有、運営するプラットフォームでは、音声コンテンツの再生回数が30日間の平均で400万回に達するが、そのうち90%近くはアプリによるもので、音声コンテンツが大部分を占めているという。1日あたりの音声コンテンツ再生数は昨年末から倍増していると広報担当者は語った」と記事にはある。優良顧客(愛読者)と音声コンテンツ利用とには正の関係があるらしい。

無名の作家がTikTokを最大限に利用してベストセラーになるまで | 自費出版で100万部以上も!
【有料購読者向け記事】:
「視聴者から『本にしてほしい』というメッセージを受け、2021年の秋にこの本を一冊19.99ドル(約3100円)で販売しはじめた。
『最初の売れ行きは遅かった』が、2022年後半にTikTokの直接販売プラットフォームを使い始めて風向きが変わった」。

——YouTubeやTikTokのインフルエンサーであった25歳のケイラ・シャヒーン氏が、自身の啓発トレーニングを“自己出版”。TikTokの直販システムを使い100万部販売という……。

Fake AI Tom Cruise is part of a Russian scheme to mess with the Olympics, Microsoft alleges
【有料購読者向け記事】:
すでに紹介したが、ロシアがEUへの影響力工作を進めていることが、種々報道されている。ターゲットの一つに仏五輪があるが、AI生成の偽Tom CruiseがIOC幹部を侮辱する動画が、ロシア発の「Storm-1679」によって流布とMicrosoft脅威分析チームが警告している。偽動画はNetflixなどのブランドを騙る一方、一方でレビューで高い星を獲得したなども偽装。手の込んだ仕掛けだという。
News avoidance: Publisher rewrites journalism rulebook for most contentious stories
ニュージーランドのあるメディア、読者の「ニュース回避」を抑止する新メソッドを発表。同メディアは、読者の感情の変動を追跡する「センチメントトラッカー」を駆使して、従来言われてきた回避対策とはことなる手法を実践する。
ジャーナリズムの古典的な文章作法だった「逆三角形」を見直す。「子猫とスポーツ」だけが対策ではないと。
メディア総接触時間、20代男性が500分越え/若年女性はスマホが5割以上占める【博報堂DYMP調査】
「スマートフォンでのテレビ番組視聴およびテレビ受像機での無料動画視聴の利用率を調査。すると、スマートフォンでのテレビ番組視聴が3割台に増加した。また、テレビ受像機での無料動画視聴も過半数に達した」。

——恒例の博報堂DYMPによるメディア接触(時間)の調査結果。スマートフォン優位の趨勢は、2024年も変わらないが、CTVによるネット視聴の動きが進んでいるのが、興味深い。個人的にはYouTubeの“マスメディア化”が進んでいる動因のひとつと見ている。

Guardian CEO Bateson ready to ‘do a deal’ with AI companies ‘on the right terms’
英メディアThe Guardianを率いるGMGのCEO、Anna Bateson氏、公開イベントでAI企業との取引交渉に取り組んでいると示唆。1年前の同イベントで居並ぶメディア企業は否定的な姿勢だったが、その後、すでにFTら2社が交渉を締結。Guardianもそれに続く動きを示した。
Washington Post: Telegraph veteran to take over from Sally Buzbee as executive editor
昨日の米メディア界の話題は、Washington PostとWall Street Journalでの動き。まずはWaPo。同紙初の女性編集長となったSally Buzbee氏が短い在任期間で、編集部を去る。同紙は昨年200名を超す人員削減を行うなど大きな経営危機に直面していることが知られている。
“The way we raise the money at The Guardian is different than any place I’ve ever been”
1億2,000万ドルもの個人からの寄付金を得る英The Guardian。特に収入増が顕著な米Guardian担当者に取材した記事。「我々はEメールの充実に力を注いできた。今では7%から24%となっだ。だがそれでも76%はWebからの獲得だ」とペイウォール制を敷かない利点を述べる。

Disruption This Week—–12/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月9日から2024年4月12日まで。

米The Weather Company(旧IBMの一部門)、さまざまな地域や企業、個人向けにカスタマイズできる気象予報システム「ReelSphere」を発表。カスタマイズされた気象予報動画とAI生成の音声を合成して表示する。同社は、システムは気象予報士の仕事を支援するものと説明する。
アドビ、1分3ドルで動画コンテンツ買い取り-AIモデル構築で
「ブルームバーグが確認した文書によると、アドビは、写真家やアーティストが参加する自社のネットワークに120(約1万8000円)ドルを提示し、歩行など日常的な動作の他、喜びや怒りといった感情を表現する人々の動画投稿を依頼している。AI学習のための素材収集が目的という」。

——記事が確認するように、動画を学習することでテキストなどのプロンプトから簡単に動画を生成できる、Google「SORA」などの台頭に対抗するための動きだ。Adobeの本業はプロ向けのクリエイティブ制作ツールやサービスの提供だったが、大きな業態変更を果敢に進める段階のようだ。

Axios Sees A.I. Coming, and Shifts Its Strategy
【有料購読者向け記事】:
米メディアAxiosの創業者Jim VandeHei氏は、ジェネレーティブAI時代にメディア企業が生き残る唯一の方法は、ジャーナリスティックな専門知識、信頼できるコンテンツ、人と人とのつながりを提供することに集中することだと語る。
Axiosにとって、それはライブイベントの増加、スター・ジャーナリストを中心としたメンバーシップ・プログラム、高級購読ニューズレターの拡大などだという。同氏はまた、このAI時代のメディアの転換は、印刷からデジタルへの転換以上に困難だとも述べる。
フィルターバブルも感覚的に回避し、情報の海を軽やかに泳ぐ。10代のメディア利用実態とインサイト
「―10代と他の世代で違う部分・変わらない部分はどのようなところだとお考えですか?
野田(絵美氏):SNSの利用状況には10代と20代の大きな違いはありませんが、利用スキルや情報リテラシーについては10代のほうが非常に高いです。これは学校教育の成果だと捉えています」。

——「たとえば、『情報が偏る』というSNSのリスクを理解している割合は20代だと3人に1人程度です。対して、10代では過半数と、他の世代を圧倒していました」と野田研究員は語る。アルゴリズムについても同様の知識があるという。

高校生では1割強が経験済み…子供達における配信実情(最新) : ガベージニュース
「興味深いことに、男女別ではすべての学校種類において女子の方が高い値を示している。特に高校生では男子が7.9%なのに対し、女子は7割ほど増しの13.4%もの値。男子よりも女子の方が、配信に対する意欲は高いのだろう」。

——若年層によるネット配信の経験を尋ねた調査。多くは動画と想定するが、ショート動画やゲーム実況など、YouTubeに収れんしない多様性が生じ、それがまた配信体験の底上げをしていると理解。引用箇所は、その男女比で女子が高いとの指摘。にわかに仮説を用意できないが、覚えておきたい事象だ。

Google、Workplaceに含む動画制作アプリ「Google Vids」の計画を公表。「我々のモットーは、スライドを作ることができれば、Vidsでビデオを作ることができるということだ。動画制作のスキルは不要だ」と担当分野の幹部は述べた。
AI is already reshaping newsrooms, AP study finds - Poynter
「ジェネレーティブAIはすでに報道を変えている」。
AP通信が12月に行った調査で、主に欧米の報道メディアに関わるスタッフ(292名)の70%近くが、SNSへの投稿、ニューズレター、見出し作成、インタビューの翻訳や書き起こし、記事の下書きなどにジェネレーティブAIを使用と回答したという。記事内リンクから調査リポートが得られる。
Spotify、プロンプトで操作できる「AIプレイリスト」を英豪でβリリース
「モバイルアプリのライブラリタブでテキストプロンプトを入力することでAIがリクエストに沿ったプレイリストを生成する。例えば『アレルギーの季節に元気をくれるリラックスできる音楽』や『自分が主人公になったような気分にさせてくれるプレイリスト』などと指示すればいい」。

——すぐに飽きてしまいそうではあるが、それにしても、自分専用のプレイリストが生成されるというのには惹かれる。凝ったプロンプトを考えてみたくなる。

OpenAI、新API公開でファインチューニング機能強化——企業がAIモデルをカスタマイズしやすく

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

OpenAI、新API公開でファインチューニング機能強化——企業がAIモデルをカスタマイズしやすく
「よりパーソナライズされた AI に向けた重要な動きとして、OpenAI はカスタムモデルプログラムの拡張と同時に、ファインチューニング API の大幅な強化を発表した。これらのアップデートにより、開発者は AI モデルのファインチューニングをかつてないほどコントロールできるようになり…」。

——いわゆる“ハルシネーション”対策はもちろん、専門的領域をめぐる応答で、大外しな会話が飛び出したりするジェネレーティブAIの弱点をどう改善するか、どう精度を上げていくか。現時点で最大の壁を越そうとする動きに見える。もちろん、その成果は今後の評価待ちではあるが。

AIで量産のメディア偽装サイト「ピンクスライム」の数が、本物のニュースサイトと同規模に
「ニュースガードは、全国で運営されている1,162件のピンクスライムサイトを確認した。これは、実在する日刊ローカル紙が運営する本物のニュースサイト約1,200件とほぼ同数だ」。

——「ピンクスライム」とは、元来、本来の肉類の増量を図るために用いられる偽造肉(ピンク色をしている)に模して、過去は安価な労働力で、今ではジェネレーティブAIなどを用いて生成された信頼性のないニュース記事などのことを意味する。数年前に私自身が指摘したように、本物のニュースサイトと同規模どころか、より爆発的にこの種のでっち上げ記事が生成されることになるだろう。

ファクトチェックアワード2024

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2024
【ご紹介】:
今年(2024年)もファクトチェックアワード、やります! 僭越ながら今回も選考委員を務めます。
「ご応募は自薦・他薦を問いません。「ファクトチェック」と明示されたものに限らず、情報の真偽を検証することを主眼としたコンテンツであれば対象となります」