Disruption This Week—–20/10/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年10月16日から2023年10月20日まで。

Silicon Valley Ditches News, Shaking an Unstable Industry
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米New York Times、大手プラットフォーム(Google、Meta、Xら)とメディア(出版社)との関係悪化を総合的に論評。「2020年9月、アメリカのトップニュースサイトのソーシャルネットワークからのトラフィックは約11.5%だった。今年9月には、6.5%に減少した」とする。
YouTubeの18歳以上の月間利用者数は7120万人超 「YouTube Brandcast2023」で最新のユーザー動向が発表に | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「YouTubeの利用者動向としては『日本の18歳以上の月間利用者は7,120万人以上(18歳以上の日本人の66%以上)』だった。
また近年、国内においてインターネットに結線されたテレビの台数が増えているが、こうした動きに伴い、YouTubeをテレビデバイスで視聴している人が増えているという。具体的には『日本でYouTubeをテレビ画面で視聴する人は3,800万人以上で、18歳〜44歳に限ると、その視聴者数は1,800万人以上に達する』との発表があった」。

——Google、YouTubeが広告関係社向けにイベント開催。そこで示されたYouTubeの影響力。引用箇所は、YouTubeが“第2のTV”としての存在感を示す。TVを追い越すのか否かは、もちろん、オリジナルコンテンツに依るのだろう。それは蜃気楼のように遠方に見えてきているのか。

‘Verified’ OSINT Accounts Are Destroying the Israel-Palestine Information Ecosystem
「イスラエルとガザにおける現在の戦争がここ数日で明らかにしたことは、X(旧Twitter)にはOSINTという用語を使い、粗悪な仕事に正当性を与え、さらなる混乱を生むだけの、認証された人気アカウントが多数存在するということだ」。

——Bellingcatに代表されるようなOSINTアカウントは、すでに無数に存在する(それ自体はありがたいことだ)。だが、今回のガザ紛争が明らかにしたのは、そこに間違った情報や、情報戦としてOSINTを仮装するアプローチが見えてきた。OSINTからの引用も注意深くあらねばならない。

目立つ「選択的ニュース回避」 日本が最多の「つながらない人たち」:朝日新聞デジタル
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「ニュースを避ける人は、どんな話題に関心があるのか。
最も多いのは、『明るいニュース』(55%)で、『解決法を提案するニュース』(46%)、『複雑な出来事を理解するのに役立つ解説』(39%)などが続く」。

——だからこそ「で、どうする?」という問いが重要になる。社内向けの記事と受け止めた。

Welcome To The Post-Social Media Era In News | Semafor
「ポスト・ソーシャルメディア時代のニュースへようこそ」。米新興メディアSemaforが開設1周年。文中いくつもの要素をあげて新時代ニュースのありようを宣言。個人的には、ニューズレター「Semafor Flagship」が世界を簡潔ながらうまく概要紹介してくれており、重宝している。
電通グループ、「2024 メディアトレンド調査」を発表 – 株式会社電通グループ
「dentsuのインターナショナル・マーケットにおけるメディアエージェンシーであるCarat(カラ)、dentsu X(デンツウクロス)、iProspect(アイプロスペクト)を中心とした専門家がグローバルに蓄積した知見に基づき、メディア業界における10の重要な変化の要因を予測・紹介しています」。

——10項目をタイトルのみ紹介しておこう。1) 生成検索(ジェネレーティブサーチ)の台頭、2) クリエイティビティの再構築、3) 生成の最適化、4) 類似アプリの乱立、5) データ保護の更なる強化(クローズドプラットフォームからクローズドパイプラインへ)、6) アイデンティティへの再注目、7) より多くの広告とより多くのリターン、8) 成長への新たな局面へ、9) より安全に、より良く、より速く、より強く、10) 注目度を高め、排出量を削減。
全文PDFでダウンロードできるが、要登録だ。

Israel-Hamas War Misinformation Tracking Center - NewsGuard
ファクトチェックとメディアの信頼性調査企業である米NewsGuard、「イスラエル・ハマス戦争誤報追跡センター」を立ち上げ、同紛争をめぐる“15(タイプ)の迷信”について検証した結果を一覧化し公表した。
AI、記事無断使用疑い 新聞協会が例示 偽情報拡散防止 OP期待
【有料購読者向け記事】:「『1000年以上も前の、平安時代の夜、突然、日本の南の夜空に訪れた『客星』について教えてください』と入力したところ、出力された回答は、読売新聞オンラインで8月10日に公開された記事と複数の箇所で文字が一致していたという。一致率は五つの段落でそれぞれ52~35%に上った」。

——シンプルだが興味深い実証記事。さてこの先にどのような動きが生じるだろう?

[FT]「報道離れ」にデータの力 - 日本経済新聞
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「新型コロナの感染が拡大した結果、一般市民のデータリテラシーが向上したことも研究で明らかになっている。
データが豊富なコンテンツは、それを解釈するスキルの向上に役立つ。
言うまでもなく、データが中立だと声高に叫ぶことは間違っている。どのデータをどのように提示するかは本来、政治的な決断だ」。

——データの差し出し方によっては、読者(生活者)が受け止める印象は正反対にまで振れる。だが、データのない(基づかない)主張は、もっと危険だ。単に目先の賑やかしでなく、メディア、特にジャーナリズムは読者が自主的に読み取れるようなデータの提示が必要だとつねに思う。新聞を読むと、いまだに延々とテキストで読み込ませることに執着していると感じる。

Telegraph auction poses litmus test for value of newspapers in digital age
もはや日刊新聞に未来(価値)はない、と見なされていたが、どっこい英日刊紙Telegraphの売却価額は急騰。「もし5年前にTelegraphを買っていたら、今頃は売値が2倍になっていただろう」と他紙幹部。コロナ禍を経て購読者を100万人台に急増させ収入を安定させたためだ。

Disruption This Week—–29/9/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年9月25日から2023年9月29日まで。

AI Startups Are Trying to Make Usage-Based Pricing Happen
【有料購読者向け記事】:
最近、気になっているのが“従量課金”モデル。個人向けでも企業向けでも重要な動きだ。米The Informationは「AIスタートアップが利用者ベースの価格設定を実現しようとしている」と紹介。ジェネレーティブAI系はコスト高。利用側が導入に慎重なのだという。
Paying for news: Price-conscious consumers look for value amid cost-of-living crisis
「誰がオンラインニュースにお金を払っているのか?」英Reuters Institute、日本を含む20か国を対象に、消費者がニュースに対価を支払う(支払いたがらない)状況を調査。「過去1年間にオンラインコンテンツに支払った」ことのある人の割合で、日本は英国と並び最下位(9%)だった。
メタのザッカーバーグCEO、セレブたちが演じるAIアシスタントを発表
「AIアシスタントの多くは、著名人のペルソナを持ち、その人物に似た会話や音声を発することさえできる。元NBAバスケットボール選手のドウェイン・ウェイド(Dwyane Wade)が演じるAIアシスタントのビクター(Victor)はワークアウトの計画を立てたり、フィットネスの目標達成に向けてユーザーのモチベーションを維持する手助けをしたりすることができる」。

——昨日ちょっと触れたが、Metaはキャラクターに個性を持たせたAIチャットボットを投入。それぞれ特性を持たせてユーザーを支援するという。大坂なおみ氏に酷似した(当然、ライセンス料を払うのだろう)キャラクターもいるらしい。

20代の70%以上が紙より電子書籍を好む/10代には「コミックシーモア」が人気【ナイル調査】
「電子書籍を『現在利用している』と回答した人に、よく読むジャンルを尋ねた。その結果『マンガ(70.66%)』が最多となり、『小説・文学』『雑誌』『趣味・実用』が続いた」。

——20代の7割以上が電子書籍を好む。そして、やはり7割がもっとも好むジャンルを「マンガ」としている。だが、利用中のサービスの1位はKindle(2位が楽天Kobo)という辺りにねじれを、自分としては感じている。その解きほぐしをしているところ。

ヤフー、ニュース配信元との契約見直しも 「優越的地位の可能性」指摘受け
「声明でヤフーは、配信元各社と良好なパートナー関係を維持するため、契約内容の丁寧な説明と実績に応じた見直し、実績などデータの充実と開示、問い合わせ窓口の充実、透明性の向上――などに取り組んでいくとしている」。

——先日の公取委の調査報告書に対し、ヤフーがまずは迅速な反応を示した。

アマゾンの「Alexa」は、会話型AIの技術で“人間らしい”アシスタントへと進化する
「アマゾンはバージニア州アーリントンにある第2本社で9月20日(米国時間)に開かれたイベントで、Alexaを刷新すると発表した。これまでよりずっと複雑な質問にも答えられるようになり、よりスムーズで自由な会話をこなせるようになるという。また、ユーザーがいちいち『Alexa』と呼びかける必要もなくなるという」。

——AIスピーカーが誕生した折から、このような“自然な会話”性の実現に期待をしていた。ジェネレーティブAIの力を借りてどうやらそれが前進を始めたようだ。別の投稿では、ChatGPTが音声と画像(口と目)を持ったとの話題を紹介した。人間とAIの会話が自然になってくると、「物知りな知人」がつねに傍らに居てくれるようになる。

ChatGPT、“目”と“耳”の実装を発表 写真の内容を認識、発話機能でおしゃべりも可能に
「米OpenAIは9月25日(現地時間)、同社のチャットAI『ChatGPT』に、画像認識、音声認識、発話機能が搭載されたと発表した。今後2週間かけて、PlusユーザーとEnterpriseユーザーに展開するという。画像機能はPCやスマートフォンなど全てのプラットフォームからアクセスでき、音声機能はiOS/Androidで利用可能」。

——人間同士の会話能力がそうであるように、画像と音声(入出力)を取り込めるとAIチャット機能は使いやすく、強力になる。求められている方向に正常進化している。

文章一行でAIがWebサイト構築、外部資金調達なしで5.4万ユーザを集めた豪Relume——NikeやDapper Labsも利用

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

文章一行でAIがWebサイト構築、外部資金調達なしで5.4万ユーザを集めた豪Relume——NikeやDapper Labsも利用
「デザインスタートアップ Relume は、AI が生成する Web サイトデザインプラットフォーム『Relume Ipsum』を開発した、数週間から1ヶ月程度かかっていた Web サイトを完成させるまでの作業負荷をわずか数分にまで軽減する」。

——興味深い。Webサイトの構成、デザインをジェネレーティブAIが独自のLLMを通じて行うというものらしい。これに収容されるコンテンツもAI生成……ということになるのだろうか。

In the AI Age, The New York Times Wants Reporters to Tell Readers Who They Are
米New York Times、記者が自身のプロファイル(経歴)を積極的に読者に開示するようにと社内向けメールで指示。米Vanity Fairが報道。メールは「メディアに対する不信感の多くは、ニュースルームがどのように運営されているかを知らないことに起因する」と指摘している。
AI生成コンテンツの時代に、“人間による”要素を顕在化していこうというわけだ。
「マンガ文化に貢献する画期的な取り組み」 集英社UGC拡散に本腰?ジャンプ+「切り抜き」機能公開 
「任意のシーンを切り抜いて、スタンプなどでデコレーションを施し、マンガへのリンク付きで公開できる。サービスに会員登録すると、自身の投稿を経由して読まれたマンガの閲覧数も分かる。この数はランキングでも紹介される」。

——同種の仕組みやアイデアは以前からあったように記憶する。要はそのような切り取り・拡散を媒体側自らが積極的に行おうとする意識変化が生じた点が重要なのだろう。

Disruption This Week—–22/9/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年9月19日から2023年9月22日まで。

生成AIが開くメディアの新展開 
校條 諭氏:
「コタツ記事のライターではない、記者の『命』は、今後いくら技術が発展しようが、現場に出かけていって、取材対象に身体的に向き合うところにあるでしょう。この身体性や現場性というのがAIにはできない、記者の最後の砦だと思います」。

——長年、メディアについての考察を深めてきた校條さんの、最新アップデート。藤村の論にも言及していただきました。

ヤフーはメディアに対して「優越的地位にある可能性」 公取委が調査:朝日新聞デジタル
「・ニュースポータルサイトの運営事業者がメディア各社に支払うニュース使用料の平均は1千PV(閲覧数)あたり124円(最大251円、最少49円)
・消費者がニュースを得るサービスは検索サイトが54%、ポータルサイトが35%。報道機関などのサイトは計2%にとどまる」。

——私(藤村)が業務上関係するスマートニュースについても触れているので、コメントは差し控えたいが、朝日新聞の記事は引用した箇所を含み、記事文末で詳しい調査結果のまとめを試みている。参照されたい。

YouTube Shorts to gain a generative AI feature called Dream Screen | TechCrunch
YouTube、ジェネレーティブAIによりテキストから(動)画像を生成する機能「Dream Screen」を発表。同社CEOのNeal Mohan氏が、同社が開催したライブイベント で、「コーヒーを飲むパンダ」などと入力すると、その画像が表示されるのをデモした。
スマートスピーカーに生成AI、Amazonが先行 会話を記憶、ボディランゲージやアイコンタクトも理解
「従来のAlexaは会話内容を記憶せず、質問→応答の1往復しかできなかった他、応答パターンにも制限があった。生成AIの搭載により何往復も会話が可能になるだけでなく、ボディランゲージやアイコンタクトといった非言語的な合図も、Alexa搭載スマートスピーカー『Echo』のカメラや人感センサーなどから情報を得て理解するとしている」。

——米Amazon、AmazonLLMを発表。と同時に、“その後”が懸念されていたAlexaのジェネレーティブAI版もスマートスピーカー製品に追加、強化していく姿勢を見せた。「ヘイ、シリー」「アレクサ」といった気恥ずかしくなるような起動語が不要になっていくことは、普及の観点からも望まれていたことだ。

Newsroom Generative AI Lead
米New York Times、募集職種に「編集部:ジェネレーティブAIリード」職を追加。小規模チームを管理するリーダー職で、編集部内ではシニアエディタに相当。編集部全体で取り組むAIによる編集制作や読者対策の実験に取り組む。職務記述が整理されているので参照しておくべきだろう。
GoogleのチャットAI「Bard」、GmailやGoogleドライブの拡張機能に 画像質問も日本語対応
「Google Japanは9月19日、Googleの生成AIチャット『Bard』の新機能としてGmailやGoogle ドライブなどのGoogleアプリの拡張機能を発表した。Bardがユーザーの指示に従い、ユーザーのGmailやドライブ内のファイルなどを参照し、回答を生成するという」。

——まずは英語版の提供からだというので、慌てずに様子を見たい。それにしても、検索のパーソナライズがそうであるように、Googleにこれを任せていると、同社全サービスでの自分の情報が見事に過去にさかのぼって利用対象になることは間違いない。

弊社の記事に関するお詫びとお知らせ | The HEADLINE
「複数の報道機関に掲載された文章をそのまま用い、剽窃・盗用に該当すると言える箇所が確認されたことに端を発します。当該記事は本誌記者による執筆ではなく、弊誌がβ版として開発・検証をおこなっていた生成系AI によって生成された記事です」。

——The HEADLINEの告知記事から。「データと専門知に基づく、信頼性の高い洞察」を特長と謳う同メディアだが、それを損ねる結果となったようだ。紹介する告知のようにていねいに事情を説明しているなど、「信頼性」を高めるスタンスも伝わるのだが。これを含めて、私の主張は、あらかじめ、どうジェネレーティブAIを活用する(しない)のかを読者に明言しておくことが必要だということ。

As AI enters newsrooms, unions push for worker protections - Poynter
AP通信、Wall Street Journal、LA Timesの編集スタッフら数百人のジャーナリストを代表する労働組合が、今夏、AIに対応する契約条項を提案した。少なくとも1つの組合は交渉を締結させたという。俳優、脚本作家に続きジャーナリストも反AIの動きを顕在化させているとする記事。
「生成AI」活用か排除か 悩む米メディア、対応割れる - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「コンテンツ利用の対価を受け取る枠組みをつくるために、業界が団結してIT大手と交渉を進める計画も持ち上がる。
だが企業間で足並みはそろわない。8月には、米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)が団体交渉には参加しない意向であると報じられた」。

——ジェネレーティブAIを開発、提供するIT企業とメディア産業、あるいはメディア各社の関係を概観した記事。新技術を口を極めて批判するメディア(連合)がある一方、個々に提携、交渉する動きも生じている。世界で同時多発的に生じている動きがどう転がるか、注目の事態だ。

アメブロ、ピクシブ、楽天ブログ…「ハワイの山火事は気象兵器」中国発の陰謀論、日本も標的
「『スパモフラージュ』は50以上のプラットフォームで展開されるという親中国の影響工作ネットワークだ。フェイスブックや米ネット調査会社『グラフィカ』が2019年から継続的に監視を続けている」。

——中国現政権寄りの大規模ニセ情報ネットワーク「スパモフラージュ」。中には日本語発信のものもあるという。AI自動翻訳と見られるとの記事。「汚染水」がらみあるようで、日本も影響工作の対象であることは明らかだ。

JEPA|日本電子出版協会  2023年9月19日 藤村厚夫氏: 生成AIとメディアの現在、未来
【ご紹介】:
つい先日オンラインで行った講演の動画が公開されています。資料もダウンロードできます。貴重な機会を提供していただいた日本電子出版協会に感謝いたします。

Disruption This Week—–18/8/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年8月9日から2023年8月18日まで。

後藤達也さん「ニュースはすし屋のネタ」最強インフルエンサーの法則:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「反応が見えることは、やはり大事なんですよ。新聞記事をつくるときって、読者の存在はゼロじゃないけど、意識は取材先や上司に向きがち。取材先とはじかに接するし、社内調整もこなさないと記事が出せないから。一方で読者は何百万人いても直接は話せない。目にも見えにくいから、うっかりするとないがしろになる」。

——後藤氏が言われていることはいちいちもっともだが、それより聞き手が真剣であることが伝わってくる。変わることへの希求がそこにはあるのではないか。

How short-form video is helping The Economist gain young users - WAN-IFRA
厳格なペイウォール制を敷く英老舗経済メディアのEconomist、TikTokなど短尺動画を運用するSNSに積極的に関与。同社コンテンツを「消化しやすく、魅力的で、風変わりで、興味深いフォーマットに変え、ペイウォールの向こう側にあるものを視聴者に見せる」とし、若者にリーチしている。同社の620万人のインスタグラム・フォロワーの3分の2は18歳から34歳である。
'New York Times' considers legal action against OpenAI as copyright tensions swirl
「米New York Times、OpenAIに対して法的措置を検討か」との記事。数週間前から、OpenAIとNYT間でライセンス契約の締結をめぐる緊迫した交渉が続けられてきたが、これがあまりに紛糾したため、同紙は法的措置を検討する段階となったと記事は指摘する。
ダイヤモンドオンライン「独自スクープのつくり方」有料会員3万超え:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「広告と編集のファイアウォール(報道のための編集記事と企業からお金をもらって書く広告記事を分ける姿勢)は厳密に守りつつ、例えば、データ分析やユーザーエクスペリエンス(ユーザーが得られる体験)の向上につながるテクノロジーの部分については、ビジネスと編集部門とが協業して、読者に伝わりやすい最適な形で届ける努力は重ねていく必要がある。それができない限り、メディア企業の持続可能性はなくなるんじゃないかと感じます」。

——至言。ダイヤモンド・オンラインはここまでは十分に出来ているということだろう。「オーディエンス開発部」を独自の組織として持っているのはその流れからだろう。次は、デジタル基盤の完全な刷新だろう。それは道半ばだと見ている。

Streamflation Is Here and Media Companies Are Betting You’ll Pay Up
【有料購読者向け記事】:
映像ストリーミング各社の戦略について詳細なリポート。タイトルが端的なので紹介する。さすがのWall Street Journalの記事だ。
「“ストリーミングフレーション”の到来とメディア各社の賭け——ディズニーなどによる価格引き上げは、損失を削減し、より有利な広告付きプランにユーザーを誘導する努力の一環である」
Telegraph Media Group hits one million subscriptions
英Telegraph Media Group(TMG)、2023年内としていた有料購読者100万人を突破と発表。同社はその70%が電子版とする。英国での100万人突破は、The Guardian(21年)およびFinancial Times(22年)に次ぎ3番目だという。
Associated Press cements the AI era with newsroom guidance - Poynter
OpenAIと提携したAP通信、ジェネレーティブAI利用を念頭に「APスタイルブック」を改訂。同社幹部は「私たちが利用できるツールではあるが、ジャーナリズムの賢明さ、経験、専門知、そして読者とつながる仕事をする能力に取って代わるものではないと強調したい」と述べる。
Linear TV Falls Below 50 Percent of Viewing for First Time
「米リニアTV、初めて視聴の50%を下回る」。
Nielsenのプラットフォーム別視聴の月間調査によると、7月の「TV視聴」は前月比増だったものの、増分はストリーミングおよびゲーム、光学ディスクの再生などで占められた。調査が始まって2年間で初めての現象。
Can ChatGPT become a content moderator?  | Semafor
OpenAIの「安全(対策)システム」担当責任者Lilian Weng氏が、米Semaforの取材に応え、同社ではコンテンツのモデレーション(監視)をGPT-4自体が行っているとした。従来、これは発展途上国などで動員された低賃金労働者が担う「危険でトラウマ」を生みかねない作業だった。
人間が作成したポリシーに沿ってGPT-4が、実際の監視を行うプロセスにも記事は言及しているので、要参照だ。
LINE、日本語の大規模言語モデル公開 オープンソースで 商用利用もOK
「LINEは8月14日、日本語に特化した大規模言語モデル(LLM)『japanese-large-lm』を発表した。オープンソース(OSS)として公開し、商用利用も可能(Apache License 2.0)としている」。

——待たれていたLINEによる日本LLMのOSSでの供与開始。日本語対象で36億パラメータはそれなりに大きい。記事では、「最終学習は約650GBのコーパスで実施」とあるが、どのように素材を集めたのかに関心がある。

Bundled: Inside The New York Times’ revenue growth strategy
米New York Times CEOのMeredith Kopit Levien氏は、先日の第2四半期投資家向け説明で、「バンドル」という用語を15回も使ったという。同社の単体製品をバラ売りではなく、「全部入り」で販売することが同社の好調な業績の原動力だと示唆する。その戦略を子細に分析した記事。
The case for and against open-source large language models for use in newsrooms
「メディアはオープンソースLLM(大規模言語モデル)を採用すべきなのか?」
ChatGPTやBardは私的・商用目的のLLM。対するMetaのLlama 2はオープンソースで、“無料”が原則でカスタマイズが可能。となれば後者を選択すべきか? その課題を論じた記事。
ニュース対価支払い法制化「非常に成功」 元オーストラリア政府高官:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「(豪州で成立した大手ITとメディア企業の取引ルール化の結果)各メディア企業への聞き取りによれば、これらの取引による収入の総額は、年間2億豪ドル(約190億円)をはるかに超えています。ジャーナリストの雇用も大幅に増えました」。

——記事中でも触れられているが、「大手メディア」との交渉に選別されることが、各種の副作用を生むのではないかという視点は、いまも払しょくされていないと思う。この問題は、「公益性」にかなうメディアに公金を充当しようという、将来あり得る政治的施策にも影響を及ぼすかもしれない。

2013年、良質なニュース記事をマイクロペイメント(記事単位の小額課金)で提供するコンセプトにオランダで創業したBlendle、その利用ベースの小ささを理由に小額課金事業を独・米両国でのサービスを終了。定額読み放題サービスへと舵を切る。途中、身売りも経た上だが、10年間よく頑張った。
生成AIによるフェイクコンテンツとの戦いは、ウォーターマークが導入されても終わらない
「現時点ではウォーターマークについて統一された基準はなく、それぞれの企業が異なったものを使っている。例えばDALL•E(ダリー)は目に見えるウォーターマークを画像に載せているが、Googleで検索すれば、それを消す方法もすぐに見つけられる」。

——ウォーターマーク(電子透かし)といった対策を付与することを業界側は、米政府に約束…が話題になっているが、記事はいまのところ堅固な電子透かし技術は存在していないと、専門家らのコメントを紹介する。

Disruption This Week—–21/7/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月18日から2023年7月21日まで。

Most popular news sources in the UK: Tiktok overtakes BBC Radio 1 and Channel 5
英国成人(16歳以上)に利用されるニュース源として、TikTokが2年連続で急成長。いまや10人に1人のニュース源に。BBCが依然トップだが、マイナス成長。TikTokの利用はセレブや著名ジャーナリストのフォローが中心。もちろんBBC発などの商業メディアの動画も含まれるのだが。
Google Tests A.I. Tool That Is Able to Write News Articles
【有料購読者向け記事】:
Google、報道メディア向けAI「ジェネシス(Genesis)」をプレゼン。同社から説明を受けたメディアは、NY Times、Washington Post、Wall Street journal(News Corp)など。G社広報は「ジャーナリストの本質的な役割を代替することはない」と述べる。
記事中は、NY市立大の起業家ジャーナリズム教授のJeff Jarvis氏によるGenesisへの2項対立的なコメントを掲げており興味深い。
「ChatGPT」も活用してウェブサイトを丸ごと生成する新AIツール、Wixが発表
「(イスラエルの)Wixは現地時間7月18日、『AI Site Generator』を発表した。近くリリースされるこの新ツールは、『ChatGPT』とWix独自のAIモデルを活用し、利用者がプロンプト(指示)を入力するだけで、個別のニーズに合わせた独自のウェブサイトをデザインしてくれる」。

——プログラミング(コーディング)などもそうだが、これから(私のような)初学者には、HTMLやJavaScriptなどから勉強しなければならないというハードルが下がるのだろうか。大いに期待。

OpenAI partners with American Journalism Project to support local news
OpenAI、米ローカルメディア(ジャーナリズム)を支援するプロジェクトに500万ドルを拠出と発表。American Journalism Project (AJP)のCEOは、このパートナーシップで、AIがジャーナリズムを脅かすのではなく、むしろ強化する方法を促進することを目指すと述べた。
Semafor CEO Justin B Smith says start-up heading for profitable month in year one
ほぼ1年前、Justin B SmithとBen Smithの両氏が創業した米メディアSemafor。かつてのQuartzやAxiosなどをよりモダンにしたような高級誌志向のWebメディアだ。CEOのJustin Smith氏は、単月黒字が現実になると述べる。
AI生成「ごみ記事」に汚染されるウェブ空間
【有料購読者向け記事】:
「ユーチューブでは『チャットGPT』のゴールドラッシュが本格化している。これを使ってお金を稼ぐ方法を助言する動画が数十本あり、何十万回も視聴されている。その多くはごみのようなコンテンツを作る疑わしいスキームを紹介している」。

——私は約1年前に共同執筆した書籍の原稿で、「近い将来、Web上のコンテンツの9割がAIに生成されたものとなる」との専門家の予測を書いた。着実にその実現に向かって世界は歩んでいるようだ。AIが用いた安価な記事生成手法が広がろうとしている。
記事が触れるように、AIが生成した低品質コンテンツをAIがさらに学習してしまうという「モデル崩壊」も近々生じることだろう。

The story of Europe’s hottest TikTok news account: Ac2ality | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
欧州でTikTokを用いたニュースメディアとして2022年に創業した「Ac2ality(アクチュアリティ)」。0人のフォロワーから、現在は70万人近いところまで成長。何より、若者をユーザーにターゲットにニュースを1分の動画で語るメディアの創業者2人に取材した記事。
FEATURE: Disinformation on TikTok worries Taiwan - Taipei Times
台湾では、TikTokが来年に迫る総統選をめぐる熾烈なキャンペーン・プラットフォームになろうとしている(台湾では、TikTokのDAUはYouTube、Facebookに劣後しているが)。同地のファクトチェック団体CofactsはTikTok人気の高まりから、ニセ情報拡散の危険度も高まると警戒する。
Generative AI and journalism: All we know as AP and Shutterstock sign deals with OpenAI
「AP通信は、知的財産が確実に保護され、コンテンツ制作者がその仕事に対して公正に補償される枠組みを断固として支持する。大小の報道組織がAI技術を活用してジャーナリズムに利益をもたらすことができるよう、報道機関は協議をしていく必要がある」。

——AP通信とShutterstockがOpenAIと正式なコンテンツ供与契約を結んだことはすでに紹介した。この記事では、関連する情報と、他の報道メディアがどのようなスタンスをとっているか概観する。

ハリウッド、エキストラをAIスキャンして永遠に無料で使う案を思いついてしまう
「AMPTP(=映画製作者協会)は、SAG-AFTRA(=映画俳優組合)に対して『エキストラの顔や姿をスキャンし1日分の報酬を支払う。そのスキャンしたデータは企業が同意や保証なしに使用できるようにする』という”画期的な提案”をしていました」。

——記事にあるように、ハリウッド制作映画では、エキストラは日本のようにボランティアではなく、職業である場合が多いという。AI制作において再利用権を売買することは「報酬を得られず生活の基盤が緩むだけでなく、スターになるチャンスまで失うことになる」のだという。