Disruption This Week—–7/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月3日から2025年2月7日まで。

FT head of newsletters on how title quadrupled email subscribers in four years
4年間で、ニューズレター(メルマガ)の購読者総数を40万人から160万にまで押し上げた、英Financial Timesの担当責任者Sarah Ebner氏へのインタビュー記事。同メディアはニューズレターを読者エンゲージメントの最重要指標と位置づける。大きな視点から指標まで詳しく述べる。
AI検索 パープレキシティ 急成長を陰で支える「パブリッシャー提携責任者」3つのスキル」 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「チャン氏のスキルのひとつが、人間関係を構築し、維持する能力である。これは仕事とプライベートの両面で言えることのようだ。チャン氏自身もこの点こそ『パープレキシティとほかのAI企業との違い』だと述べている。
『それは私の本質であり、私が大切にしていることの核心だと思う』とチャン氏は話す」。

——これまでも、そしてこれからも、メディア運営者との関係づくりには、この記事が記すような人間関係が重要であると同時に、メディアそしてコンテンツの価値についての揺るぎない確信だろうと、自分は思う。

Google wants Search to be more like an AI assistant in 2025 | TechCrunch
Googleは、収益の屋台骨である検索とその広告事業の成長が緩やかとなった現在、その将来をどう見据えているのか。CEO Sundar Pichai氏は、直近の決算説明会で、検索はAIをめぐる「旅」の真っ最中だと述べた。検索は徐々にAIアシスタントへと進化していくとする。
Small news outlets focused on federal staffers are landing big scoops, and traffic is surging | CNN Business
Trump大統領とMusk氏が解雇や命令、力ずくで連邦政府を作り直す中、連邦政府の業務再編や人事に特化した小規模メディアThe Federal News Networkがスクープを連発、トラフィック急増を得ているとする、まさに旬な話題を報じる記事。
New York Times Reports 350,000 Additional Digital Subscribers
米New York Timesが四半期・通年業績を開示。前四半期にデジタル版のみの購読者が35万人増加し、総購読者数は1140万人を突破。2024年の年間総収入は26億ドルで、23年の24億ドルから増加。
同社CEOのMeredith Kopit Levien氏は、「またもや好調な1年を締めくくった」と述べる。
Third of New York Times subscribers do not pay for its news product
米New York Times、第4四半期および通年業績を開示。それによると、デジタル版購読者数が2023年末比で110万人増の1080万人に。その1,080万人の購読者のうち、350万人(32%)が、報道以外のゲーム、料理、製品レビュー、などの商品のみを購読していることがわかった。
How The New York Times Incorporates Editorial Judgement in Algorithms to Curate Home Screen Content
米New York Timesは、そのWebサイトもしくはアプリのトップページにおけるコンテンツ(記事)選別を、アルゴリズムによってその成果を最大化している。ただし、アルゴリズム任せではなく、編集者(人間)が積極的に介在しているとする同社内部からの解説記事。
Media Briefing: The Financial Times' AI paywall is improving subscriber metrics, but not lifting conversions yet
【有料購読者向け記事】:
英Financial TimesがAIを組み込んだペイウォールを推進中とする記事。同社の消費者(読者)収益獲得部門の責任者は、同社ペイウォールは大きな成果を生むにいたっていないが、同社のARPUを前年比6%増加、購読者当たりの売上を向上させているという。
米ゴシップ系インフルエンサー、TikTokで移民取り締まり警戒情報提供
「トランプ氏の大統領令を非難する一連のメッセージから始まったベラさんの活動は、不法移民を取り締まる米国移民・税関捜査局(ICE)捜査官の目撃情報を追跡するキャンペーンへと発展した」。

——米発ニュースを読んでいると、「ICE」の文字をよく見かけるようになった。ことの是非を語る立場にはないが、この記事のような“情報サービス”が人気になってしまうことに、驚きがある。

Apple、1桁台の増収減益 サービス部門は過去最高
「製品別の売上高は、iPhoneが前年同期とほぼ横ばいの691億3800万ドル、Macは16%増の89億8700万ドル、iPadは15%増の80億8800万ドル、ウェアラブル、ホーム、アクセサリーは2%減の117億4700万ドルだった。サービス部門の売上高は14%増で過去最高の263億4000万ドルだった」。

——iPhoneの成長低迷が最大のポイントであり、一方、現行経営陣が力を注いできたサービス部門が名実共に同社の屋台骨に。むろん、iPhoneあってのサービス成長だっただろうが、同社はもはやMac、iPhoneの会社ではなくなっている。

Disruption This Week—–6/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月2日から2024年12月6日まで。

米Vox Media傘下の人気テクノロジー系メディア「The Verge」がペイウォール制を開始。ユニークなタイムライン型トップページ(非常に滞在時間が長い)を閲覧フリーとしつつ、一部のプレミアムコンテンツとサービスをアクセス有料に。「より少ない広告のために」と編集長は意図を述べる。
生成AIで日本のマンガを爆速翻訳、日英同時配信で世界に挑む
「日本の出版スタートアップ企業は、アンソロピック(Anthoropic)の主力大規模言語モデル『クロード(Claude)』を利用し、マンガを英語に翻訳している。これにより、英語圏の読者にわずか数日のタイムラグで新刊を届けることが可能になった。通常ならば2〜3カ月のチーム作業が必要なところだ」。

——メディアがAIに期待できる最も建設的な効果の一つが、自動翻訳だろう。だが、このような取り組みに反対論も根強いと記事は指摘する。「この会社がどんなに善意で動いていようとも、AIを使ってマンガを翻訳するという考えは、悪趣味で侮辱的だと思います」。さて、社会は最終的にどちらを許容するか。スタートアップ企業側は、「日本で出版されるタイトルのうち、米国版が刊行されるのは2%程度にすぎない」と豊かな市場性を指摘している。

Google search change hits publisher Black Friday e-commerce revenue
ホリデーシーズンを迎えたからか、Googleは検索アルゴリズムの調整で、有料アフィリエイトリンクで荒稼ぎをする多くのニュースメディアをランクダウンさせる打撃を与えている。記事は、Forbes、AP通信、CNN、Fortune、そしてWall Street Journalが打撃を受けたと報道する。
Meta Platformsのグローバル政策担当責任者のNick Clegg氏、選挙の年となった2024年を会見で振り返り、「同社アプリの全体で、あまりにも多くのコンテンツを誤って削除や制限を課してしまっている」と、そのモデレーション精度の低さについて見解を述べた。
Netflix日本トップ「有料会員1000万世帯を突破」 4年で倍 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「米動画配信大手ネットフリックスのコンテンツ部門バイスプレジデント、坂本和隆氏が日本経済新聞などの取材に応じ、『日本の有料会員が1000万世帯を突破した』と明らかにした。日本発の作品は、非英語作品の中で韓国ドラマに次いで2番目に世界で視聴されていることも分かった」。

——「2015年に「黒船」として日本に参入した。20年に500万だった日本の会員数は24年6月時点で1000万を超え、約4年間で2倍に増えた」と記事で、坂本氏が述べており、その成長プロセスが伝わる。家庭での視聴を考えると、日本人の2000万人程度が視聴しているのだとも。

Streamer Kai Cenat earns millions, breaks Twitch subscriber record during 30-day livestream
米クリエイターの Kai Cenat、Amazon傘下のストリーミングプラットフォームTwitch上で、11月の30日間ノンストップ(24時間)でライブストリームを配信。同プラットフォームで記録となる最高加入者数(73万人弱)を更新。その間のユニーク視聴者は5,000万人に達する。
Meta says AI content made up less than 1% of election-related misinformation on its apps | TechCrunch
Meta、自社アプリの選挙関連誤報のうちAIコンテンツは1%未満と発表。選挙の年である今年。年初には偽誤情報のまん延が選挙に影響を及ぶとの懸念が高まったが、同社は米国をはじめ各国での調査により、軽微なレベルに抑え込めたと自負。選挙以外でも努力すべきだろう。
News outlets push vertical video to the homepage
Instagram、TikTok、YouTubeの定番である短尺のタテ型動画が、ニュースメディアのWebサイトへ導入が進む。記事では、The Economist、New York Times、Washington Post、Wiredなど著名サイトで記者らが短尺・タテ型動画による報道スタイルに取り組む動向を伝える。
Taylor Swift Is Upending Another Industry Playbook—This Time, in Books
【有料購読者向け記事】:
米歌手のTaylor Swift氏が“セレブ出版”に革命(?)——同氏自身が運営するTaylor Swift Publicationsから個人出版書籍『Eras Tour Book』を刊行。ブラックフライデーに売り出す。初版部数は200万部だ。
Putin’s new plan to undermine fact-checking – EDMO
ロシアは、自称“ファクトチェック組織”の国際的な連合体の設立を目指している。 「グローバル・ファクトチェッキング・ネットワーク(GFCN)」と呼ぶ構想だ。その主な推進者は、近年いくつもの国で偽情報キャンペーンを行ってきた、クレムリンに支配された報道機関だ。
国家が主導する(体裁をとるはずだ)ファクトチェックの問題点がここにある。

Disruption This Week—–9/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年11月5日から2024年11月8日まで。

AIや独禁法巡る米政策、大きく変化か-身構えるシリコンバレー
「トランプ氏との関係を改善させる方法を見つけた大物もいる。7月13日の暗殺未遂事件に対する同氏の対応を『最高だ』と称賛したメタのマーク・ザッカーバーグCEOだ。そしてフェイスブックは偽情報対策の多くを取りやめた。米紙ワシントン・ポストのオーナーであるベゾス氏は、選挙の2週間前に民主党のハリス副大統領を支持する社説の掲載に待ったをかけた」。

——記事で触れている他の重要なポイントは、AIガバナンスの方向感の急転換だろう。バイデン政権が打ち出した政策をどれくらいひっくり返すのかに注目が集まる。

Musk says Trump’s podcast appearances made ‘big difference’ in election
今回の選挙で見事な勝利を実現したTrump氏。それは、Joe Rogan氏のような人気ポッドキャスターとの自由奔放なインタビューを喜んで受けたおかげでもある、とElon Musk氏は主張する。リスナーはTrump氏の何気ない会話で人物を高評価し、対立候補との違いを見たのだとする。
Publishers hooked on Google Discover traffic risk race to the bottom
世界中の多くのメディア企業にとって、Google Discoverは今や主要なトラフィック源だ。総Googleトラフィックの平均55%をディスカバーが占めている。だが、そこに集中するのは危険だとする記事。Discoverのアルゴリズムはつねに修正され、変動するからだ。
Bloomberg Media launches Bloomberg Live Q&A - Talking Biz News
米Bloomberg Media、最大4人のジャーナリストがその週の主要な経済からハイテクなどのトピックを議論するライブ番組Bloomberg Live Q&Aを開始する。有料購読者はジャーナリストに質問ができる。聴取だけなら無料も可だという。
マスク氏とX、米大統領選偽情報の発信地=専門家
「米実業家イーロン・マスク氏が自身のソーシャルメディア『X』に投稿した米大統領選に関する偽情報や誤解を招く情報が、今年20億回閲覧されるなど、Xが偽情報の発信地となっていることが、非営利団体『センター・フォー・カウンタリング・デジタル・ヘイト(CCDH)』の調べで分かった。
選挙と偽情報の専門家らが4日語ったところでは、選挙結果を左右しそうな7つの激戦州における偽情報の拡散でも、Xが中心的な役割を担っている」。

——強力なインフルエンサーが、自身が保有するプラットフォームを活用して引き起こす化学反応。まさに恐れられていた現代の脅威の一つを、われわれは目撃しているのかもしれない。

「AIエージェント」続々登場 富士通やNTTデータ提供、仕事の進め方に変化迫る 編集委員 吉川和輝 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「人工知能(AI)が人の具体的な指示なしに自律的に仕事を進める『AIエージェント』が広がりを見せている。AIによるパソコンの自動操作や、企業のAIエージェント開発を支援するサービスも登場」。

——個人的にもエージェントは、一人一サービス、もしくはその得意不得意に応じて一人の利用者が複数サービスを使う時代になるのではと想像する。サブスク型のビジネスに発展していくのでは?

Inside Dow Jones’s AI governance strategy, with Ingrid Verschuren
1年半前に結成された「AI運営委員会」は、米Dow Jonesの組織全体から集まった10人のメンバーで構成され、内および社外におけるジェネレーティブAIの使用事例を評価していると、同社データ・AI担当幹部は述べているという。
AI音声合成サービス「DMMボイス」盛況 公開4日で700万文字の音声を生成 アプリやAPIの提供も計画
「原田さんは、DMMボイスを使った作品を公開しているX上の投稿を紹介しながら『実際DMMボイスを触っているとわかるのですが、すごく楽しいんですよね。声がリアル過ぎて本格的な動画を簡単に作れるので、作り始めると止まらない癖になるサービスです』という」。

——楽しそうだ。この種のサービスを用いて、より凝った作品が生まれていきそうな予感。社会的な安全性を担保するための歯止めをどの辺りに差し込んでいくのか、オープンに議論されるべき。

NYタイムズ、デジタル購読者数伸び鈍化 不透明な経済情勢受け
「米紙ニューヨーク・タイムズが4日発表した第3・四半期決算は、デジタル購読者数の伸びが鈍化し、市場予想を下回った。不透明な経済情勢を受け、消費者が支出を削減していることが背景にある。
デジタル版のみの購読者数は26万人増。前四半期は30万人増だった。ビジブル・アルファのまとめたアナリスト予想は28万200人増」。

——NYTimesの躍進にやや陰り? のちほど紹介するが、自社IRでは買収したスポーツメディアが黒字化、総購読者数が1,100万の大台乗せなどプラスの材料も。

Exclusive: Walt Disney forms business unit to coordinate use of AI, augmented reality
すでに紹介したように、米Walt DisneyがAIやXR(拡張現実)などの新興技術の利用をコーディネートする組織Office of Technology Enablementの設立を公表。従業員は100人程度になる見込みだとの内部情報も。

Disruption This Week—–1/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年10月28日から2024年11月1日まで。

オープンAI、ChatGPTに検索機能を追加-グーグルへの対抗強化
「オープンAIの『4o』モデルを利用した新たな検索機能はまず、有料サービス『ChatGPT Plus』と『Team』の加入者向けに31日からモバイルとウェブで提供される。無料ユーザーは今後数カ月内にアクセスできるようになる。同社の発表を受けて、アルファベットの株価は一時1.9%下落」。

——ChatGPTの有料バージョンに、「AI検索」機能が追加。わかりづらいが、要するに、従来のChatGPTでは(ニュースなど)最新情報は対象外だったが、それが最新情報にまで拡張されるというのがポイント。驚きは、これを受けてGoogleの株価が下落したこと。やはりAIが従来の検索ビジネスの脅威だと、市場も認識しているということだ。

Exploiting Meta’s Weaknesses, Deceptive Political Ads Thrived on Facebook and Instagram in Run-Up to Election
米メディアProPublica、米国内で8つの偽広告ネットワークが、340以上のFacebookページに16万以上の選挙広告とディープフェイクを用いた政治・社会問題広告を掲載と報道。広告をクリックして毎月のクレジットカード請求にサインアップさせられたりとの被害も生じているという。
How The New York Times is using generative AI as a reporting tool
米New York Timesは、AIを報道にどう用いているか——共和党・Trump陣営の選挙活動を批判するため、同メディアは共和党の活動家らの数年にわたる会議の動画記録(およそ400時間)を入手。単純な文字起こしに始まり、その概要把握にLLMを活用し、調査報道に結びつけたとする記事。
アメリカ大統領選挙、マスコミ信頼度が過去最低 主戦場はSNSに - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「最終盤を迎えた米大統領選で、共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領の両候補はマスメディア以外での情報発信に力を入れている。ポッドキャストや動画共有サイト『ユーチューブ』などSNS上で人気のある人物との連携が、有権者に接近する近道となっているためだ」。

——度々紹介しているが、米大統領選では、SNSなどのプラットフォーム上で人気を得ているクリエイターの役割が大きな注目を集めている。背景には、従来メディアへの不信が、計量的にも示されている。

オープンAI、収入全体の75%は消費者の有料サービス利用-CFO
「(OpenAIの)フライヤーCFOは28日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、オープンAIの収入全体の約75%が消費者のサブスクリプション(定額課金)によるものだと説明。同社の対話型AI『ChatGPT(チャットGPT)』の消費者向け有料プランは現在、月額20ドル(約3060円)からとなっている」。

——では法人向け事業はどのような状態なのか? といえば、「同社は9月、ChatGPTの法人向けバージョンで有料ユーザー数が100万を突破したと発表した」と記事にある。いずれもOpenAIの直販事業を指していると思うが、一方で、大株主のMicrosoftは法人向けビジネスに強いはずだが。OpenAIの収入基盤は強固だ。

バイデン政権、AIに関する国家安全保障覚書を発表
「AI NSM(=国家安全保障覚書)は、安全で信頼できるAI開発における米国のリーダーシップ確保、国家安全保障目標達成のための強力なAIの活用、世界的に有益な国際的なAIガバナンス枠組みの促進という3つの柱に基づいて、具体的な行動を指示するものだ」。

——すでに紹介したが、米国は(特に中国を念頭に)AI開発による安保上の優位性を保つ一方、AIが持つリスクを抑え込むための統治を強化しなければならないという、両極の課題を自覚。その課題に明文的に対処を始めた。

Disney Poised to Announce Major AI Initiative | Exclusive
米Disney、制作者向けの大規模なAIイニシアティブの発表を準備中と、米メディアThe Warpがスクープ。この構想は、クリエイティブワーク(特にポストプロダクションと視覚効果)を一変させるような大規模なもので、同社従業員数百名が携わっているものだという。
「AIゴーストライター」が侵食する創作市場 編集委員 瀬川奈都子 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「『本当に人が作った曲ですか』。音楽著作権管理のNexTone(ネクストーン)の担当者は、都内の音楽出版社に出向き確認した。生成AIが国内で普及し始めたこの1〜2年、この出版社は毎月のように数千曲もの作品登録申請を続けている」。

——登録申請を求める楽曲の、そのオリジナリティを審査する仕組み自体にも、AIの能力が必要なのではないか。近未来的に見える世界が、すでに現実になっている。

Joe Rogan Takes Center Stage in an Election Season Dominated by Podcasts
【有料購読者向け記事】:
2024年の米大統領選では、マスメディア以上にクリエイターの役割、とりわけポッドキャスターの存在が大きく注目された。SpotifyやYouTubeなどで1,500万人ものリスナーを集めるNo.1ポッドキャスターJoe Rogan氏の番組に、Trump氏が出演した。Rogan氏は、Harris氏にも出演を求めているが、難航しているという。
バイデン政権、安保強化でAI活用へ-軍事・スパイ対策で官民協力
「バイデン米政権は24日公表した国家安全保障に関する新たな覚書で、軍事および情報収集目的での人工知能(AI)の採用を加速させる必要があると指摘し、各政府機関に強力なシステムを安全な方法で速やかに展開するよう指示した」。

——昨今、テクノロジーの話題は、そのまま安全保障の話題として登場する。テクノロジーが安保課題となるまでのサイクルが超短縮されているのだ。AIがその例。いまやAIは米国にとって、対立国への戦略優位性の源泉だが、同時にいかに統制していくかの悩ましい課題でもある。

「人工知能と人間のよりよい共生のために」久木田水生 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
スマートニュースメディア研究所が開催している「AIと人間のあいだ」研究会からの、新たな論考です。名古屋大学の久木田水生氏「人工知能と人間のよりよい共生のために」。
是非ご一読を。

Disruption This Week—–25/10/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年10月21日から2024年10月25日まで。

Google DeepMind、AI生成テキスト判別向け透かし「SynthID Text」リリース
「これは、モデルがテキストを生成する際に、透かし情報をエンコードした疑似乱数関数を用いて、生成される単語の確率分布をわずかに調整することで、透かしを埋め込むというものだ。
テキストの一部を切り取ったり、単語を少し変更したり、言い換えをしたりといった操作を加えても検出可能であり、堅牢性が高い点が特徴という」。

——画像に埋めこむ電子透かしに続いて、テキストでも同様の電子透かしが可能になる技術を発表。画期的だ。ただし、記事中で触れているように、弱みもある。
「SynthID」は、オープンソースとして提供されると、他の報道では述べられている。

Bluesky Announces Series A to Grow Network of 13M+ Users - Bluesky
X代替サービスのBluesky、ユーザー急増と有料オプションなどをアナウンス。それによれば昨年の増資以降、昨年のユーザー100万人から、現在1,300万人に成長。新たな資金調達により高画質動画の投稿やアバターオプションなどを有料で提供するなどに取り組むと表明。
Why millions of Americans avoid the news – and what it means for the US election
「ここ数年、プラットフォームは多くのニュースを配信することから方向転換した。 そのため、数年前と同じように報道に接している人が今もいるかわからない。 ニュースに関心のある人とそうでない人の間には大きな隔たりが生じ、それはますます拡大しているのではないか」。

——近年、Reuters Instituteで、人々のニュース回避現象を研究し、同時にニュースへの信頼意識についても検証してきたBenjamin Toff Minnesota大ジャーナリズム専攻の助教授が語る最近の傾向。
実際、FacebookやInstagram、そしてGoogleのプロダクトが、大手メディア企業への支払いの強制に嫌気して、これらメディア企業のニュースを取り扱わない方針を強めている(実際、プラットフォームからのリファラルトラフィックが激減している)。しかし、多くの(米国では)人々は“ニュースはSNSで手に入る”と考えているということの問題が新たな現象として立ち上がっている。

A Q&A with Semafor founders Ben and Justin Smith on the outlet's second birthday
創刊2周年を迎えた米新興メディアの雄、Semafor。創業CEOと創刊編集長の2人のSmith氏が、この2年を振り返ったインタビュー記事。ジョークも交え抜群に面白い会話。同メディアは現在、ペイウォール制を敷いていないが、収益化の「順序」を意識しているとCEO。意味深な発言だ。
Why Microsoft Copilot Daily launch is 'moment of significance' for news industry
今月初めに米Microsoftが密かに発表した「Copilot Daily」。毎朝、ユーザー一人ひとりにパーソナライズされたニュース(や天気予報)を届けるAIベースのコンテンツサービス。実は、これがニュース業界にとって大きなできごと(の第一歩)である理由を考察する記事。
アクシオス 、特定業界を狙うニッチ戦略で収益回復。米大統領選も追い風に | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「2年前にカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)に参加したとき、『ニッチが新たなマスである』という言葉を耳にした。そして今日、当社はニッチにうまくアプローチする方法をブランドに教授している」。

——米新興メディアAxiosの最高収益責任者ジャクリーン・キャメロン氏の言。「ニッチ」が強力かつ巨大な市場であるという逆説は、昨今、さまざまなシーンで感じさせられるところだ。Axiosはシンプルな記事フォーマットと同様、各対象分野に焦点を絞ったバーティカルなニューズレター・メディアの取り揃えというアプローチでも市場をリードしている。

Filmmakers Are Worried About AI. Big Tech Wants Them to See ‘What's Possible’
先週、AIによる動画生成サービスのFBRC .AIとAWSが組み、ジェネレーティブAI映画コンペを開催。また、米Metaは同様のツールMovie Genを一部の映画制作者の試用版を提供開始。Adobeもまた同種製品をデモ。映画産業はAIの台頭の恐れを感じつつ、何ができるか検討に入っている。
ネスレ日本、「キットカット」など音声広告費5倍に 効果は動画並み - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「ネスレ日本(神戸市)が、『キットカット史上最高』キャンペーンなどで、音声メディアへの広告投資に力を入れている。従来と比較し、『Spotify(スポティファイ)』の音声広告にかける費用を5倍に拡大した。同キャンペーンでは、大手動画配信サービスと比較して、同等以上のROI(投下資本利益率)を実現」。

——「音声メディア」といっても、「Spotify」に限定した効果のようだ。加えて、ポッドキャストというよりも、聴き放題楽曲間のCMに効果的のようだ。つまり、語りというより、声・楽曲・効果音重視。クリエイティブの比重が大きい。

How the TikTok Algorithm Works: A Visual Guide to Maximising Engagement [INFOGRAPHIC] - Giraffe Social
TikTokアルゴリズムがコンテンツをピックアップし、より多くの人に見せるようになるのは、何が重要な要素となるのか? それは、ユーザー・インタラクション、ビデオ情報、デバイスとアカウントの設定、そして最後にユーザーの属性と興味だという。
クリエイターのためのTikTokアルゴの詳細解説。
ネットフリックス、会員数の伸びは市場予想上回る
「動画配信サービスの米ネットフリックスは17日、7-9月(第3四半期)に会員数が500万人強の純増となったことを明らかにした。昨年起きたハリウッドのストライキで新しい番組計画が影響を受けたが、同四半期の決算は、財務面のあらゆる主要指標で予想を上回る結果となった」。

——パスワード使い回し対策効果が現時点で現れているとすると、今後の減速が想定される。ただし、映像業界ナイでのNetflixの一強ポジションが数字を押し上げていることもありそう。

「日本の分断を読むための教科書」石澤靖治~「日本の分断はどこにあるのか」・書評 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
スマートニュース メディア研究所の大規模世論調査を基に上梓された『日本の分断はどこにあるのか』。ジャーナリズムでの経験の深い石澤靖治氏に書評を執筆していただきました。