Disruption This Week—–26/1/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月25日から2024年1月26日まで。

How AI could sap — or save — local news - Poynter
「ここにアイデアがある:2.6兆〜4.4兆ドルの経済価値を生み出すとされ、数十億ドルの投資を受けているジェネレーティブAI部門は、2万5,000人の地元記者を支援する資金を援助すべきだ。地元に特化したジェネレーティブAIサービスを実際に提供することができるようになる」。

——ある米ローカルメディアの経営者が語る、ジェネレーティブAIが抱える数々の課題。反則かもしれないが、同氏が最後に述べるポジティブな提案。ネガティブな論点を読むのも良いし、最後のポジティブなアイデアを検討するのも良いと思う。

サムスン、AIスマホで巻き返しなるか
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「サムスンにとって賭け(=オンデバイスAIへの賭け)の度合いは大半の企業より高いと言えそうだ。同社は長い間販売台数に関してスマートフォン市場で首位の座にあったが、2023年に販売が大きく落ち込み、初めてその座をアップルに譲った」。

——オンデバイスAIのトレンドが、これからのスマホやスマホ外のスマートデバイスにどのような影響を与えるか? AI処理がリアルタイム化することで、これまでは“SF的”だったようなサービスが可能になる先陣を切ったサムスンは、そのフロンティアを行くかもしれないが、悪い冗談として終わることさえある。
同社にとって(スマホ分野においては)社運を賭けた戦いになるのかもしれない。

読売新聞、Web記事の“生成AIへの学習利用”を禁止に 利用規約を改定 スクレイピングなどもNG
「禁止事項として新たに3点を追加。『データマイニング、テキストマイニングなどのコンピュータによる言語解析行為』『クローリング、スクレイピングなどの自動化した手段でデータ収集や抽出、加工、解析、蓄積などをする行為』『生成AIなどに学習させる行為、生成AIなどを開発する行為』を禁じた」。

——ご存じ米国でのNew York Timesらによる訴訟問題なども背景にした厳しい動き。一方で、記事にあるように「これらの禁止事項を含めた情報解析のために、同メディアの記事を利用したい場合は、読売新聞とライセンス契約を結ぶ必要があるとしている」という道を残しているわけだが。

アップル、アプリストア開放で手数料を計画
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「米アップルは、スマートフォン『iPhone(アイフォーン)』に外部ストアからサードパーティー製アプリをダウンロードできるようにする一方、新たな手数料と制限を導入する方針だ」。

——WSJのスクープ記事。ただし、適用されるのは欧州市場だと記事は述べている。もともと「アップル税」をオフロードされるなら、別途30%に限りなく近い仲介料を取る動きがあると報道されていたので驚きは少ないのだが。

食べログが逆転勝訴 アルゴリズム変更「合理的」、独禁法違反認めず:朝日新聞デジタル
「(原告は)『評点を下げることになるアルゴリズム変更をしない義務があった』とも新たに主張していた。
だが、高裁は『原告が契約上、アルゴリズムの変更について、何らかの権利や法律上保護される利益を持つとは認められない』として退けた」。

——この辺りは重要な論点として、今後も検討されていくことになるのだろう。

How The Guardian raised a record amount of reader revenue in the U.S.
英The GuardianのUS版は、北米の読者から通年でおよそ3000万ドルの寄付収入を獲得。米英全体でも1/3が北米からの収入だという。同メディア編集部が読者に訴求するメッセージに加え、募金総額以上に重要視してきた指標などを解説した記事。
Netflixの純利益17倍 2023年10〜12月、会員増最高の1300万人 - 日本経済新聞
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「売上高が前年同期比12%増の88億3200万ドル(約1兆3100億円)、純利益が17倍の9億3700万ドルだった。アカウント共有の禁止や広告付きの安いプランを広げたことで、会員数は12月末までの3カ月間で約1300万人増え、増加幅は10〜12月期として過去最高だった。3四半期連続で増収増益を確保した」。

——ポイントは、1) 不正なアカウント共有の取締策、2) 広告表示付き廉価版の好調、およびそれに連なる施策ということのようだ。一方でNetflixを追っていたはずの他ストリーミング勢は足もとの業績および投下資金の減少で、息切れを起こしつつあるようだ。

Los Angeles Times to Slash Newsroom by Over 20%
【有料購読者向け記事】:
米The Los Angeles Times(LA Times)が115名に及ぶ記者・編集職の削減を公表。2018年に富豪Patrick Soon-Shiong氏が買収してから初のレイオフ。
同氏は「われわれはほぼ10億ドルを投資し、その遺産を守り、その未来の確保に献身してきた」と述べる。
「フェイクニュースの年」2024年にファクトチェックは役に立つのか?
「デバンキングの介入は、新型コロナの誤情報について、参加者の識別力を向上させ、信じやすさを低下させるのに役立った。19件のデバンキングの介入のうち16件(84%)で、参加者が誤情報を信じることや正確性の判断を改善した」。

——平和博さんのブログから。ファクトチェックの無力、脆弱さを指摘する声がたびたびあがる。実際、技術支援なければ無力だったりする。その意味では、銀の弾丸探しから、社会に遍在する点と点を結んでいく仕事の重要性も増す。それも技術的な可視化支があると効果的なのだが。

Infographic: Where False Information Is Posing the Biggest Threat
“選挙イヤー2024”を迎えた世界。世界経済フォーラム(通称ダボス会議)開催に合わせて、世界34か国で生じる偽誤情報リスクの度合いを専門家チームが分析。データビジュアル化のstatistaがインフォグラフィック化してわかりやすい。色彩濃度でそのリスク程度も表現している。

Disruption This Week—–12/1/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月1日から2024年1月12日まで。

声で指示すれば、あとのアプリ操作は“AIウサギ”におまかせ 小型AIデバイス「rabbit r1」登場
「rabbitsは、最新情報を検索するといった単純なタスクから、次の旅行のオプションを徹底的に調べて予約したり、ネットスーパーのカートに商品を入れて購入したりといった、複雑なデジタルタスクを処理できるという」。——開催中のCES2024で、ジェネレーティブAI活用に特化した新たなハードウェア+サービス製品が登場した。「たまごっちなどのレトロガジェットを彷彿させる」デザイン。独自のLLM(オープンソース利用?)で動作し、外部の各種アプリやサービスとの連携を、現在トレーニング中だという。200ドル程度と買いやすい価格設定からか、すでに予約で1万台を受注。

Netflix’s Ad Tier Now Has More Than 23 Million Monthly Active Users, Advertising Chief Says
米Netflixの広報担当幹部、広告表示付き廉価版NetflixのMAU(月間アクティブ数)が全世界で2,300万人を突破と説明。2か月前の1,500万人から急増。全世界12か国での新規契約者数の3割がこの廉価版層。エンゲージメントも高く、この層の利用者は85%以上が月に2時間以上視聴しているという。
オープンAIがCNNやFOX、タイムと交渉-コンテンツ使用巡り
「米オープンAIはニュースコンテンツのライセンス取得を目指し、CNNとFOX、タイム誌と交渉していることが複数の関係の話で分かった。オープンAIは著作権侵害疑惑に直面しながらも、AI製品を構築するためコンテンツへのアクセスを確保する取り組みを広げている」。——New York Timesによる提訴とは並行して、OpenAIは多くのメディア(報道機関)との提携交渉を進めている…ようだ。TimeのCEOは交渉を認めたが、あげられた他のメディア関係者はコメントしていない。交渉の存在をリークする動きも含めて微妙なバランスでメディア業界は動いている。

OpenAI launches a store for custom AI-powered chatbots | TechCrunch
OpenAI、開設が遅れていた「GPTストア」の開設をアナウンス。ChatGPTの表紙部分に「By ChatGPT」という項目でサードパーティ製GPTアプリ多数示される。記事によれば現時点では、サードパーティがアプリに課金できないが、今後課金も可能になる見込みだ。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024
Reuters Institute、「2024年のジャーナリズム、メディア、テクノロジーのトレンド予測」を公開。50以上の国から300名以上のメディアリーダーから聴取。
「1.ジャーナリズムにとって今年も困難な年に」「2.プラットフォームシフトとリファラルモデルの終焉?」「3.人工知能時代の検索の未来」「4.ジャーナリズム・ビジネスはさらなる激変に直面する」「5.ニュースの形式が変わる:音声と動画が増える」「6.ニュース断絶と選択的ニュース回避」…と刺激的な項目が続く。
How Google perfected the web
「インターネットは少しずつ、Googleのイメージ通りに作り変えられている。そして、その結果に対処しなければならないのは、機械ではなく人間なのだ」。
Google検索が支配するWeb。検索結果の上位をめざし最適化を繰り返すことで、すべてのページがGoogle好みになってしまった。米Vergeが実験的にWebページを制作してさまざまな問題点を指摘。
この記事自体、動的なページ、ビジュアルづくりはなかなか魅せるものになっている。
Americans Are Canceling More of Their Streaming Services
【有料購読者向け記事】:
米消費者のストリーミングサービス解約が加速。調査会社Antennaによると、Apple TV+、Discovery+、Disney+、Netflixといった主要サービス加入者の内4分の1が過去2年間に3つを解約。2年前には15%だった。背景に値上げと広告付き廉価版の台頭がある。

The New York Times’ AI Opportunity

Stratechery by Ben Thompson

The New York Times’ AI Opportunity
「New York Times AIをめぐる機会(チャンス)」。ブロガーBen Thompson氏が自身のブログで、NYTがOpenAIを訴えた件で、長文の論考を公開。
「フェアユース」が論点となるが、NYTのプロンプトによりChatGPTがWirecutterの記事をそのままダンプしてしまった点に勝利の可能性があるとする。OpenAIはそれを“バグ”として修正済みと主張するわけだが。
(サムネールで赤字が並記されているのが、原文とGPT-4が出力したものが、これだけ共通していると主張している箇所)
OpenAI and journalism
OpenAIがNew York Timesによる提訴に反論。
その骨子は、1) 報道機関と協力し、新たな機会を創出している。2) 学習はフェアユースであり、オプトアウトを提供している。3) (指摘されている、記事をそのまま吐き出す)“問題”は稀なバグで、それをゼロにするために取り組み中だ。4) 同紙は全容を伝えていない、といったもの。
出版状況クロニクル188(2023年12月1日~12月31日) - 出版・読書メモランダム
「23年11月の書籍雑誌推定販売金額は865億円で、前年比5.4%減。
書籍は493億円で、同2.9%減。
雑誌は372億円で、同8.5%減。
雑誌の内訳は月刊誌が313億円で、同9.2%減、週刊誌は58億円で、同4.2%減」。——2023年の1〜11月の書籍および雑誌の(推定)販売の動きがわかる。12月分はこれからだが、23年も9・10月のいくぶんのプラスを除いて壮烈な状況。

Disruption This Week—–29/12/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年12月25日から2023年12月29日まで。

How Artificial Intelligence Will Change in 2024
【有料購読者向け記事】:
米InformationのやはりAI論説担当のStephanie Palazzolo氏が2024年のAIを展望。1) OpenAIとMicrosoftは仲違いへ、2) AI企業のM&Aが活発に、3) 高コストで雑なTransformerベースのAIから代替手法が台頭、4) 大統領選がAIで混とん化、5) AIハードウェア新潮流へというラインナップだ。
アルトマン氏ら、AIデバイスでアップルのベテラン起用-関係者
「アップルを退社する幹部のタン・タン氏がこの取り組みの一環としてアイブ氏のデザイン会社ラブフロムに加わり、同社は新製品の外観と機能を形作る。アルトマン氏はソフトウエアの基盤を提供する計画」。

——すでに紹介した話題だが、元Appleのデザイナー主幹であったジョニー・アイブ氏(iMacやiPhone、iPadの製品デザインをリードしたとされる)と、OpenAI CEOのサム・アルトマン氏が組んで、ジェネレーティブAIを駆使するハードウェア製品を創るとのプロジェクト。記事は、このプロジェクトにやはりiPhoneとApple Watchデザインを担当タン・タン氏が加わるという話題。
まだ、まったく先行きがつかめるところにきていないが、もし、具体化するとすれば興味津々だ。

New York Times Co.’s OpenAI-Microsoft Suit Is a Negotiating Tactic
【有料購読者向け記事】:
米New York TimesがOpenAIとMicrosoftを訴えたが、「これは交渉戦術だと考えるべきだ」と米The Information論説委員Cory Weinberg氏が述べる。かつ、NYTにとって「危険」な戦術でもある。裁判の動きによっては、交渉上の優位性を失いかねないとする。
記事は、「著作物の限定的な利用を認めるフェアユースの原則が人工知能モデルにどのように適用されるかをめぐって、Times紙が裁判を起こすのはあまりにも危険だ。裁判所は、OpenAIが合法的に運営されていると判断すれば、Timesが求めるライセンス収入の一部を得ることができなくなる」と述べる。
How one of the world’s oldest newspapers is using AI to reinvent journalism
「世界最古の新聞社がAIを活用してジャーナリズムを改革する方法」。英Worcester Newsは、1690年創刊の老舗ローカル紙。「AIアシスト記者のおかげで、編集部の他の記者は、裁判所に行ったり、議員に会ってコーヒーを飲んだり、村祭りに参加したりできる」と同紙編集者は語る。
The Times Sues OpenAI and Microsoft Over A.I. Use of Copyrighted Work
【有料購読者向け記事】:
米New York Times、OpenAIおよびMicrosoftの両者を、同社の「数百万の記事を、信頼できる情報源」としてChatGPTなどのAIに学習させたことを、「価値ある著作物を違法なコピーで使用」したと提訴。生成したLLMやトレーニングデータの破棄を求める。当該New York Timesによる報道。
TikTok teams up with fact checkers to stop election disinformation on site
TikTok、1月に行われる台湾総統選をめぐり、TikTok上の偽情報の拡散を抑止するなどの目的で「2024年選挙ガイド」を策定。台湾のファクトチェック団体MyGoPenとパートナーシップを提携。選挙の中立性を守るため、公式情報への誘導、真偽確認のヒントなどを提供していくという。
TikTokの親会社が中国大陸発であることを考えると、興味深い動きだ。
Emplifi Reports Instagram Reels Outperformed All Other Video Content Across Instagram, Facebook, and TikTok
SNSマーケティング支援プラットフォーム提供の米Emplify、Instagram、Facebook、そしてTikTokの動画によるマーケティング効果を比較調査。中でもInstagram Reelsの効果が最も高いとし、その長尺化で、短尺と比較して広告主により多くのエンゲージメントを提供しているとする。短尺動画全盛から、中・長尺化への動きがここでも進展。
イスラエル・パレスチナ問題の100年を読み解く 「三枚舌」起点に - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「問題の根っこには、100年以上前の英国による『三枚舌外交』がある」。

——日経新聞が3つのグラフィックと3つのQAで難しい問題を分かりやすく解説する試み。“お子様向け”の体だが、もちろん、実は大人が難しいと感じているニュースを解説する試みだ。

Apple Explores A.I. Deals With News Publishers
【有料購読者向け記事】:
これはちょっとした衝撃のスクープ。
ジェネレーティブAI関連で音沙汰のなかったAppleだが、水面下で、著名メディア(出版社)とAI学習のための許諾交渉を進展させているという。複数年で5,000万ドル規模だと米New York Timesが報じた。提案を受けた企業には冷淡な対応を示しているところもあるという。
Online searches to evaluate misinformation can increase its perceived veracity - Nature
「誤報を評価するためのオンライン検索は、誤報の信憑性を高める可能性がある」と、科学雑誌「Nature」に掲載された新研究。情報の真偽を確かめるべく検索を行うことで偽情報をより信じてしまうと、5つの実証実験。
(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)読みやすさへ、スマホ仕様の編集を 藤村厚夫:朝日新聞デジタル
【ご紹介・有料購読者向け記事】:
朝日新聞パブリックエディターとしてのコラム第2回目を執筆しました。個人的に、「新聞(の記事)は難しい」のが課題だと思っています。が、多くの人は「難しい」とは言いません。悩みつつ裾野からアプローチしてみました。
ビートルズの「新曲」発売にAIの力 - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ紙への寄稿が、日経電子版に転載されました(大部時間が経っていますが笑)。よろしければご一読を。➡ ビートルズの「新曲」発売にAIの力

Disruption This Week—–22/12/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年12月18日から2023年12月22日まで。

I gave ChatGPT the last 13 years of Nieman Lab predictions
こちらもカスタムChatGPTを用いたジャーナリズムへの応用を試したとする論説。「箇条書きを段落に展開したり、記事を要約に収縮させることができる。ニュースレターのプレビュー用の要約や、通知用の短いフレーズなどだ」など実践的に使えることを述べる。
また、過去Nieman Labが掲載した1,369本の将来予測記事を学習させ、それによる検証を行ったところ、正解と誤回答を得たとレビューする。こちらも興味深い。
How less, not more, data, could help journalism | Semafor
米Semafor記者らが、カスタムGPT作成ツールを使い、3種のAIボットを実験的に開発。分かったことは、少量データでもLLMを効果的に構築することができること。もっと言えば、適切にデータを絞るのが有用ということだ。記事は、「ジャーナリズムを変えるかもしれない」とする。
The obsession with “trust” will end
報道メディアが、読者に自身への「信頼」を闇雲に求めるのは間違っていると語る英ジャーナリズム研究者。
「読者にあなたの働きを示し、あなたの間違いを認め、訂正しなさい。知らないことを正直に述べ、読者が興味を持っていることに耳を傾けなさい」と述べる。
AIと著作権、明確化の一歩 データ検索や回答生成「許諾必要な場合も」 文化庁「考え方」素案:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「今回示された素案では、生成AIによるデータ検索や回答の生成は、著作権法上許諾が必要となる場合もあると記した。また、生成AIによる学習をパスワードなどで防いでいるデータベースの著作物に対し、それを回避して学習させることは、法の定める『著作権者の利益を不当に害する場合』に該当するとした」。

——ある種のガイドラインの働きをする、考え方を示したというもの。案外影響力を及ぼしそうだ。

TikTokのバイトダンス、23年売上高1100億ドル突破へ-テンセント抜く
「短編動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』で知られる中国のスタートアップ、字節跳動(バイトダンス)は、2023年の売上高が1100億ドル(約15兆7800億円)を超える可能性があることが関係者の話で明らかになった」。

——米、インドなどで叩かれつつ、それでもTikTokパワーは止まらない。中国国内でも最大級の企業へと成長。

広告掲載料は0円。3万部がすぐに在庫切れ。京都の型破りフリーマガジン『ハンケイ500m』編集長/円城新子さん【編集者の時代 第8回】|クリエイティブのコアとカラーに迫るメディア「CORECOLOR〜コレカラ」
「円城:ハンケイ500mは、京都のあるバス停を起点に半径500mのお店を紹介するマガジンです。なので、まずは編集部のメンバー数人で、その範囲を歩きます。普段の歩くスピードより、ゆっくりと。そして、ここ、面白そうという『触覚』が反応したお店に入る」。

—— 古幡さんの「出版業界ニュースまとめ」の紹介で見つけた記事。一気に読んでしまうのが惜しいような楽しいインタビュー。

Inside The New York Times’ Big Bet on Games
【有料購読者向け記事】:
「いまや、New York Timesは、たまたまニュースも提供するゲーム会社でもある」。社内で冗談めかして語られるほど、「Wordle」「Connections」「Spelling Bee」と同社はゲームがもたらす収益に賭けている。同部門の人員は約100名となった。
EU、DSA(デジタルサービス法)違反の疑いで正式にXの調査を開始。調査の主要対象は、イスラエル・ハマス間の先頭をめぐる違法性の高いコンテンツ。その他にも研究者へのデータ提供、コンテンツ監視態勢、広告をめぐる透明性その他も調査される。
News Publishers See Google’s AI Search Tool as a Traffic-Destroying Nightmare
【有料購読者向け記事】:
米メディア「Atlantic」のタスクフォースの調査では、Google検索に、新たなにAIによる検索が導入されれば、ユーザーのクエリに対する完全な回答を提供してしまう。同サイトは、そうでなければ得られたであろうトラフィックを75%の確率で逃してしまうことがわかったとする記事。検索からのトラフィックに依存していたメディアはその脅威に怯えている。
TikTok is pushing longer videos. Some creators worry about the vibe shift | CNN Business
TikTokが中・長尺動画投稿をクリエイターに呼びかけている動きはすでに紹介した。収益化をめざすクリエイターらへのインセンティブプログラム「Creator Fund」を廃止し、新たに「Creativity Program Beta」を開始。だが、短尺を動機にしてきたクリエイターは困惑しているとの記事。
メディア感度格差、データで顕在化! 若者にとっての「ネオ新聞一面」はこれ  | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
【ご紹介】:
「どの層も、マスメディアへの信頼度よりも高い割合で『マスメディアが大きく扱うニュースは重要だ』と感じる傾向がみられた 一方、『重要だと思うニュース』について『新聞1面に掲載されるニュース』を選択した割合には、世代差が如実にあらわれた」。

——先般発表したスマートニュース メディア研究所による調査結果を取り扱った記事。引用箇所にも現れたように、大きく3つに分けた年齢階層のいずれも、マスメディアの発信に価値観、重要性を依拠している。
記事が指摘するように、年齢階層によりそれが異なるのもポイントだが、自分としては、それよりも全体としてマスメディアを重視していることがわかったのが、発見だった。

Disruption This Week—–24/11/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年11月20日から2023年11月24日まで。

The top 7 media people in AI

Business Insider

The top 7 media people in AI
米Business Insiderが選ぶ「2023年 AIの100名」から、メディアに関わる研究者、メディア人、IT企業人のトップ7名を紹介する記事。例えば、New York Timesのチーフ・データサイエンティストのChris Wiggins氏は、同社の約1,000万人の購読者の行動分析に深く関与しているとする。
アルトマン氏CEO復帰、オープンAI解任劇の火種となった1本の論文とは?
「論文では、アンスロピックが安全性を重視し、クロードのリリース時期を遅らせたことに対し、スピードを重視したオープンAIが、『見切り発車』的にチャットGPTを公開し、様々な問題点を指摘される、という経緯をたどったことを指摘した。
問題になったのは、この共著論文の筆者の1人が、オープンAIの取締役のメンバー、トナー氏だったことだ」。——今回の騒動の一因として、米New York TimesやWall Street Journalが報道したAI開発における安全性問題をめぐる攻防があったと整理する平和博氏の論。OpenAIとAnthropic間のビジネス面に熾烈な競争と研究者らの倫理面を含む生々しい攻防が表面化していたことは、間違いない。それほど、技術、研究、そしてビジネスが未分離な分野なのだ。

How Bloomberg Media got to 500,000 subscribers - and how it plans to reach a million
デジタルの有料会員数50万人を超えた米Bloomberg Media。そのデジタル担当最高責任者Julia Beizerに成功要因を取材した記事。現在の成功要因は18カ月前に遡るという。購読者の88%が年会員だとし、オファリングや会員育成やエンゲージメント強化策などなんでもやると述べる。
テレビとスマホが競る時代…毎日の生活に必要な情報、何から得てますか?(最新) : ガベージニュース
「(生活に必要な情報の入手先として:)全体では『テレビ』『スマホ・携帯電話』の順だが、年齢階層別では50代までは『スマホ・携帯電話』の方が上になる。さらに70歳以上では『新聞』が『スマホ・携帯電話』を追い越す形となり、『テレビ』『新聞』『スマホ・携帯電話』の順となる」。——2023年9月公表の文化庁の調査から。本日行うスマートニュース メディア研究所の世論調査と研究者の研究とも関わるのだが、メディア接触と年齢階層の関係が、現代、そしてこれからの社会的統合に影響を及ぼす可能性が強い。個人的にも考えるべき重要なポイントと見ている。

AIタレントの功罪「もっと危機感を」 権利課題の日本が最も推進?:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「2020年の芸能実演家などの生活実態調査報告書では、インターネットで利用するための音楽・映像に参加する際に『必ず契約を交わしている』という芸能実演家が2.6%しかいなかった。これでは権利が十分に行使されないだろう。著作権料及び著作隣接権料収入が全くない人は78.7%もいた」。——ジェネレーティブAIが芸能分野にもたらしかねないインパクトを、多面的に論じていて勉強になる記事。ただし、やや引いた視線で見ると、AIがインパクトをもたらし、場合によれば労働市場の変化を生むかもしれないのは、芸能の分野だけではない。また、引用した部分などは、AIが関与する以前の旧弊的問題であり、その現代化の方が先に問われるべきではないかとも感じるのだが。

投稿削除「1週間程度で」 ネット中傷、事業者に要請 総務省案:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「削除する場合の判断基準や手続きなどを定めた削除指針を作り、公表させることが適当と判断。被害者からの削除申請を受け付ける窓口の整備や、日本語による対応も求める。誹謗中傷を含む投稿の拡散を防ぐため、申請の受け付けから1週間程度での対応を求める」。
——雑にいうと、経営体制の変更やコスト削減などの動きから、人的な監視力が落ちているプラットフォームに対して、対処、それも迅速な対処を求めるのは意味のある動きと言える。その一方で、「削除の強制力」だけに重きが置かれては、言論の自由が損なわれるという古典的命題も浮上する。やはり影響力あるプラットフォームに(削除だけの強制ではなく)「対処の透明化」を求めることが必要。その仕組みづくりそのものも、社会的視線の届く場で決まっていくのが、望ましい。
 I Tried Meta’s Ad-Free Instagram Subscription. This Is What It Was Like. 
【有料購読者向け記事】:
EUの規制強化に対処し、広告フリー・有料版のInstagramが誕生。記事は仏在住記者がしつこいターゲティング広告を避けるため試した有料版のレビュー。
「広告なしのInstagramを使っても、プロモーション・コンテンツからは逃れられない。私は広告の本質に疑問を感じている」。
「AI翻訳システムを活用すれば、すべてのメディアがグローバルな競争に参加する日も近い」。
英FT参加のコンサル企業FT Strategiesの中心人物がメディアとジェネレーティブAI活用のトレンドを語る。一方で「車輪の再発明は避けよう」とも述べる。
マスク氏が自己弁護、反ユダヤ投稿巡り-メディア報道「虚偽」と反論
「米テスラの最高経営責任者(CEO)でXのオーナーであるマスク氏が先週、ユダヤ人が白人に憎悪を抱いているとの投稿に同調したことで、反発の声が噴出。このメッセージはその後、ホワイトハウスやテスラの投資家からも批判を浴びた。ウォルト・ディズニーもXから離れた大企業の一つ」。——OpenAI騒動に隠れているが、同じくらい騒動を起こしているのがXだ。Musk氏が「反ユダヤ」的言説に一定の賛同を示したことと、X内でナチス支持投稿に大手ブランドの広告が近接して掲記されたことが、広告主らにインパクトを与えている。

「GAFA」は「GOMA」に? AIの未来を握る4社とは | 米誌が考える、テックの行き先
【有料購読者向け記事】:
「米誌『アトランティック』が着目したのは、勢いを増す生成AIの分野で注目を集める『GOMA』だ。AIチャットボットとその類のものはまだ初期段階にあるとしながらも、『AIの世界では、すでにすべてがたった4社に集約されつつある。グーグル、オープンAI、マイクロソフト、アンソロピックである』と書く」。——AIの大トレンド。その現段階の集約点が見えてきた。昨日まで見ていたGAFA中心的な世界観とも異なることは、OpenAIのCEO辞任劇でも垣間見える。