Disruption This Week—–31/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年5月27日から2024年5月31日まで。

Early signs show Google AI Overviews won't mean 'dramatic downward dive' for news traffic
検索結果を要約という形式で返す新たな検索機能「Google Overviews」。サイトへの参照トラフィックを劇的に減らすのではとの懸念が高まるが、SEOの専門家は「激減とはならない」との見方を示した。Googleのパートナーシップ担当の幹部も、「過度に要約はしない」と述べる。
どうやら、チューニングレベルで、メディア側の懸念を沈静化させようということのようだ。
AI image misinformation has surged, Google researchers find
Googleや複数のファクトチェック団体の研究者によれば、AIによって生成された偽画像が2023年春以降、急速に拡散、今やテキストやフォトショップのような従来の編集ツールで加工された画像とほぼ同程度に一般的になっているという。
「A Large-Scale Survey and Dataset of Media-Based Misinformation In-The-Wild」との査読前論文で公表。
London Evening Standard to close daily newspaper and launch new weekly
創刊160年を超える英国の老舗日刊紙「London Evening Standard」、日刊を廃止し週刊化を計画と発表。地下鉄構内でのWiFi整備、コロナ禍での在宅勤務の常態化が経営を圧迫と、Paul Kanareck会長が説明。
メタなどSNS大手に広告審査基準の公表義務化へ なりすまし防ぐ - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「30日の論点整理では広告掲載に関する事前審査基準の策定・公表のほか、『日本語や日本の社会・文化・法令を理解する者が十分配置されている』ことも求める。人工知能(AI)による自動審査を実施している場合は、その実効性に関する説明も要請する」。

——いわゆる“著名人を騙る詐欺広告”問題。もちろん、念頭にあるのは、SNSなどを運用する大手プラットフォーマらによる広告内容の事前(掲載中もだが)審査体制の強制化。

HUGE Google Search document leak reveals inner workings of ranking algorithm
Googleの検索ランキングアルゴリズムに関連する膨大なドキュメントが漏洩。3月13日以降Githubにて閲覧できる形になっていた。同社アルゴリズム関連の漏洩はこれが初めてではないという。文書のさまざまな点を専門家が分析しているが、大きなサプライズはない模様だ。
OpenAI's new safety committee is made up of all insiders | TechCrunch
OpenAI、同社プロジェクトと運営を巡る安全性とセキュリティを監督する新しい委員会を設置と発表。だが、この委員会は第三者ではなく、同社CEOであるSam Altman氏を含む社内の人間で構成される。同社は、最近も安全性をめぐり幹部が退社するなどの対立を起こした経緯がある。
「AIと共存すべき」人気声優・梶裕貴 自身の声で自由にしゃべれるAIソフト発売へ 「たくさん悩んで」決断
「梶(=梶裕貴)さんは『当初はソングボイス(歌声合成ソフト)のみの開発にとどめる考えだった』という。だが『プロジェクトに対する大きな期待値を感じ、少しでも音声AIの明るい未来に貢献できるなら』と、トークボイス(声の再現ソフト)の開発を決断した」。

——「AIと敵対するのではなく、共存すべき」と梶氏は考えだそうだ。この種のアーリーアダプターが学んだことを近い将来、開示・共有してくれれば、さらにありがたい。

Big Tech Moves More AI Spending Abroad
【有料購読者向け記事】:
米コンサルティング企業DA Davidsonのアナリストは、AmazonやMicrosoftなどがAIインフラに今年1000億ドル以上を費やすと予想。場合によればさらにそれが増えるとする。経済成長の進ちょくとスループット向上のため、投資が世界へと分散するとも指摘する記事。

米Washington Postの発行人兼最高経営責任者に就任して間もないWill Lewis氏が、集まった社員に向け同氏が「昨年、7700万ドルの損失を出したこと、2020年の最盛期から読者が50%激減したこと」を表明し、再建プロジェクトの概要を説明。新たな有料購読サービスの追加を提唱した。
オープンAIがニューズと提携、WSJなどのコンテンツ表示可能に
「合意の一環としてオープンAIのサービスは、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)、バロンズ、マーケットウオッチなどニューズの出版物に掲載されたニュースを表示できるようになる。オープンAIはここ数週間にフィナンシャル・タイムズ(FT)やドットダッシュ・メレディス、ソーシャルメディア企業レディットなど欧米の主要メディア企業とコンテンツの表示やライセンスに関する契約を結んでいる」。

——大手報道企業から総スカンを食らったかと思いきや、News Corpら最大手となんとか提携にこぎ着けつつあるOpenAI。現在では、良質な英語コンテンツが最大の獲得目標のようだが、これから多言語展開への遠い道筋が待っている。

Disruption This Week—–24/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年5月18日から2024年5月24日まで。

Meta、最先端マルチモーダルモデル「Chameleon」を発表

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

Meta、最先端マルチモーダルモデル「Chameleon」を発表
「生成AI分野の競争がマルチモーダルモデルへとシフトする中、Metaはfrontier labsが発表したモデルに対する答えとなるプレビューを発表した。Metaの新しいモデルファミリー『Chameleon』は、異なるモダリティのコンポーネントを組み合わせるのではなく、ネイティブにマルチモーダルであるように設計されている」。

——Metaもマルチモーダルへ。テキストも映像も、そして音声なども統合的にハンドルするジェネレーティブAIの時代に入ろうとしている。

Google、「AI Overview」の上下に広告を表示させるテストを米国で開始へ
「Googleが紹介した例では、『服のしわをとるにはどうしたらいい?』という質問に対するAI Overviewの回答に、WalmartやInstacartなどで購入できるしわのばしスプレーを表示するカルーセル状の広告セクションが表示されている」。

——GoogleがAI時代に変化する「検索」で、どのようにして広告を延命させようとしているかよくわかる情報。

俳優ヨハンソンさん、オープンAIの音声削除求め弁護士雇う
「先週、オープンAIは新しいオーディオ機能を発表し、『Sky』と呼ばれる音声などの実演を行った。ヨハンソンさんは『公開されたデモを聞いた時、私は衝撃を受けるとともに怒りがこみ上げた。私の声に不気味なほど似ている声を追求するアルトマン氏の姿勢に不信感を抱いた』と指摘した」。

——どうも、「こんなのできちゃいましたが」的なノリでヨハンソン氏に提案して、話が進むと思っていたふしがある。いやはや。

Major Pixar Layoffs, Long-Expected, Now Underway In Restructuring (Exclusive)
Disney、傘下のPixarアニメーション・スタジオの大規模レイオフに着手。Pixar市場最大のレイオフで、全従業員の14%相当175名の解雇となる模様。Bob Igerによるグループ運営方針の転換に沿ったものだとする記事。
「X利用者の年代別でXでニュース情報を収集しているかを見ました。10~30代のX利用者の約6割がXでニュース情報を収集していました。40代のX利用者の約5割、50~70代の約4割がXでニュース情報を収集していました」。

——いろいろと考えさせられる調査結果。場の荒れ方が進行するXで、ニュース情報の取得が根強いのには、いささか懸念。

TikTok tests 60-minute video uploads as it continues to take on YouTube | TechCrunch
TikTokが「60分動画」のアップロード機能をテスト中。米Techcrunchが伝えた。15秒程度の短尺動画で一世を風靡したTikTokだが、YouTubeの追撃にあっている。逆に、YouTubeの土俵にTikTokが乗り込み競合する図式になってきた。
As clicks dry up for news sites, could Apple’s news app be a lifeline? | Semafor
大手プラットフォームからの流入減で危機を迎える大手Webメディア。代わって注目されているのがApple News。無料版Apple Newsは流入源として、そして有料版News+から入金が各社を潤しているとのリポート。米Daily Beastで年間300万〜400万ドルの入金があるという。
デジタルメディアとシニア層~メディアログが明かす現在(いま)~
「他の年代と比べると利用時間は少ないように見える高年齢層も、2023年では1日あたり約190分、3時間近くスマートフォンを利用している形になっています。これは2017年と比較すると約1時間増えており…」。

——ご同輩たちにとってもスマートフォンの利用度合いが急激に高まっている。利用している(スマホ上の)アプリは、さしずめ、LINEかYouTubeと思っていたところ……

How China is using AI news anchors to deliver its propaganda
2018年、発表されたデジタル“ニュースキャスター”による、24時間・365日ニュース報道を行う「Qiu Hao」以後、中国国内ではデジタルアバターの活用が盛況。同時に、台湾は自国の領土とアバターが主張するディープフェイク・ニュースが次々と誕生する経緯と事例を報じた記事。
広告という厄介者
「こうした広告が蔓延してしまっている理論的根拠の一つが『単純接触効果』といわれるものである。アメリカの心理学者だったZajonc が提唱したもので、任意の刺激に反復して接触することにより、それに対する親近感や好意度が高まるという仮説である」。

——記事中には詳細な参照すべき論へが示されている。ユーザー体験を毀損するなどという生やさしい批判ではくじけそうにないお邪魔広告の跋扈。

(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)価値ある1面記事、非購読者にも 藤村厚夫:朝日新聞デジタル
【ご紹介】:
パブリックエディターの一人として、朝日新聞にコラムを寄稿しました。よろしければどうぞ。

Disruption This Week—–19/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月15日から2024年4月19日まで。

メディア業界を揺るがす、Forbesによる MFA サイト運営問題。プレミアムパブリッシャーに向けられる懐疑の目 | DIGIDAY[日本版]
「クライアントの広告が何年ものあいだ、効果測定企業、DSP、SSP、さらにはエージェンシー自体によっても検出されずにこのサブドメインに表示していたという事実こそ最大の脅威であり、ドメインなりすましを検出するための機能とレポート結果に大きなギャップが存在することを明らかにしている」。

——先日紹介した米Forbesの広告用インプ稼ぎに用いられていたらしいサブドメイン問題。“広告テクノロジー”というようなハイテク手法でもないが、機械による計測に任せているだけでは、広告主側にはなにが起きているかも分からない。また、何が起きていても、さして問題でもなかったのかもしれない。エージェントが介在していただろうが、広告をめぐるモラルハザードをあらわすエピソードだろう。

Newsweek is making generative AI a fixture in its newsroom
約90年の歴史をもつ米NEWSWEEK。同メディア編集部はAI利用について非常に積極的。記事には「方針と基準」へのリンクが設けられ、AI利用についても開示。人が関与するのを前提に、編集部が「執筆、調査、編集、その他のジャーナリズムの中核的機能」でAIを使用する許可与える。
続々と課金制を施行するメディアが増えるなか、そのコンバージョン率を上げることが最初の課題となる。その点で、固定的なペイウォールをダイナミックモデルにするのが有望視されるが、その6つのアプローチを事例で解説する記事。
AI Index Report 2024 – Artificial Intelligence Index
米Stanford大のAI研究所、「AI Index Report 2024」(第7回)を公開。10のポイントを呈示。「1. AIは一部のタスクでは人間に勝るが、すべてのタスクで勝てるわけではない」「7. データあり:AIは労働者の生産性を高め、より質の高い仕事をもたらす」など。興味深い論点を網羅。
Two new books are essential reading for anyone considering a news startup - Poynter
ニュースメディアで起業を検討する人々に必読の2冊の新刊書。ひとつは、起業家たちの物語。もうひとつは、進化するメディアの状況におけるツール、テクニック、トレンドに焦点を当てたもの。米メディアPoynter.が紹介する。
Meta、著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みを説明
「Metaは人による広告の審査と、自動検知を組み合わせて運用中。審査チームには、日本語や日本の文化的背景、ニュアンスを理解する人員も含まれているという。『最新の傾向を把握することで新たな脅威に備えることができるよう、今後も取り組みを続けてまいります』」。

——話題になっている“有名人(を騙る)詐欺広告”問題への対処策。「日本語がわかるスタッフも(多少は)含まれている」辺りから取り組み強化が必要そうだ。まだAIにはそこまでの実務能力はないということか。

アングル:メタのニュース配信停止、政治分野で高まる情報操作リスク
「調査の一つに関わったマギル大学メディアセンターのディレクター、テイラー・オーウェン氏は『政治グループで話題になるニュースが、ミームに取って代わられつつある。われわれのフィードではかつて、ジャーナリズムや真実の情報が常に流れ、信頼感の印となっていたが、それが消えてしまった』と話した」。

——Facebookが(報道メディアのへの支払を嫌って)報道メディアの記事リンクの投稿抑止する動きの結果、政治的、党派的な偏りのある投稿が減るどころか、もっと怪しい言説が増えてしまったという調査結果が報じられている。

Oh look at that! Now Google is using AI to answer search queries.
Googleは、通常の検索結果にAIが生成した回答をひそかにテスト中だ。これは「AI Overviews」と命名されており、米英両国で約1か月前に始まった。同社は、回答が複雑(だが回答可能)と思われる通常の検索クエリに対して、自己生成のOverviewsをテストしているのだという。自らの牙城を崩すかもしれない試行に、同社は大変に慎重な扱いをしているようだ。
最長で禁固20年「フェイクニュース法」がニュースを脅かす、その本当の理由とは?
「世界31カ国32件の『フェイクニュース法』を調査したところ、対策の効果よりも、政府による濫用のリスクが際立ったという。
大きな原因は、そもそも『フェイクニュース』とは何かが、はっきりしないことだ」。

——32件の法律・法案の分析から見えた特徴の1つは、大半が規制対象としている「フェイクニュース」について、明確な定義をしていないという。各国が大きな選挙を控えて、偽・誤情報対策に乗り出しているが、法制化には、国家権力による恣意的な運用を行いやすい下地づくりという側面がついて回る。

Google blocking links to California news outlets from search results
米カリフォルニア州で、「カリフォルニア・ジャーナリズム保護法案(CJPA)」が制定へ向かう。可決されれば、同州在住者がGoogle検索などを利用した際に表示される記事リンクに応じた利用料が求められる。Googleは法案牽制のため、一時的にリンク表示のブロックに踏み切った。

Disruption This Week—–12/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月9日から2024年4月12日まで。

米The Weather Company(旧IBMの一部門)、さまざまな地域や企業、個人向けにカスタマイズできる気象予報システム「ReelSphere」を発表。カスタマイズされた気象予報動画とAI生成の音声を合成して表示する。同社は、システムは気象予報士の仕事を支援するものと説明する。
アドビ、1分3ドルで動画コンテンツ買い取り-AIモデル構築で
「ブルームバーグが確認した文書によると、アドビは、写真家やアーティストが参加する自社のネットワークに120(約1万8000円)ドルを提示し、歩行など日常的な動作の他、喜びや怒りといった感情を表現する人々の動画投稿を依頼している。AI学習のための素材収集が目的という」。

——記事が確認するように、動画を学習することでテキストなどのプロンプトから簡単に動画を生成できる、Google「SORA」などの台頭に対抗するための動きだ。Adobeの本業はプロ向けのクリエイティブ制作ツールやサービスの提供だったが、大きな業態変更を果敢に進める段階のようだ。

Axios Sees A.I. Coming, and Shifts Its Strategy
【有料購読者向け記事】:
米メディアAxiosの創業者Jim VandeHei氏は、ジェネレーティブAI時代にメディア企業が生き残る唯一の方法は、ジャーナリスティックな専門知識、信頼できるコンテンツ、人と人とのつながりを提供することに集中することだと語る。
Axiosにとって、それはライブイベントの増加、スター・ジャーナリストを中心としたメンバーシップ・プログラム、高級購読ニューズレターの拡大などだという。同氏はまた、このAI時代のメディアの転換は、印刷からデジタルへの転換以上に困難だとも述べる。
フィルターバブルも感覚的に回避し、情報の海を軽やかに泳ぐ。10代のメディア利用実態とインサイト
「―10代と他の世代で違う部分・変わらない部分はどのようなところだとお考えですか?
野田(絵美氏):SNSの利用状況には10代と20代の大きな違いはありませんが、利用スキルや情報リテラシーについては10代のほうが非常に高いです。これは学校教育の成果だと捉えています」。

——「たとえば、『情報が偏る』というSNSのリスクを理解している割合は20代だと3人に1人程度です。対して、10代では過半数と、他の世代を圧倒していました」と野田研究員は語る。アルゴリズムについても同様の知識があるという。

高校生では1割強が経験済み…子供達における配信実情(最新) : ガベージニュース
「興味深いことに、男女別ではすべての学校種類において女子の方が高い値を示している。特に高校生では男子が7.9%なのに対し、女子は7割ほど増しの13.4%もの値。男子よりも女子の方が、配信に対する意欲は高いのだろう」。

——若年層によるネット配信の経験を尋ねた調査。多くは動画と想定するが、ショート動画やゲーム実況など、YouTubeに収れんしない多様性が生じ、それがまた配信体験の底上げをしていると理解。引用箇所は、その男女比で女子が高いとの指摘。にわかに仮説を用意できないが、覚えておきたい事象だ。

Google、Workplaceに含む動画制作アプリ「Google Vids」の計画を公表。「我々のモットーは、スライドを作ることができれば、Vidsでビデオを作ることができるということだ。動画制作のスキルは不要だ」と担当分野の幹部は述べた。
AI is already reshaping newsrooms, AP study finds - Poynter
「ジェネレーティブAIはすでに報道を変えている」。
AP通信が12月に行った調査で、主に欧米の報道メディアに関わるスタッフ(292名)の70%近くが、SNSへの投稿、ニューズレター、見出し作成、インタビューの翻訳や書き起こし、記事の下書きなどにジェネレーティブAIを使用と回答したという。記事内リンクから調査リポートが得られる。
Spotify、プロンプトで操作できる「AIプレイリスト」を英豪でβリリース
「モバイルアプリのライブラリタブでテキストプロンプトを入力することでAIがリクエストに沿ったプレイリストを生成する。例えば『アレルギーの季節に元気をくれるリラックスできる音楽』や『自分が主人公になったような気分にさせてくれるプレイリスト』などと指示すればいい」。

——すぐに飽きてしまいそうではあるが、それにしても、自分専用のプレイリストが生成されるというのには惹かれる。凝ったプロンプトを考えてみたくなる。

OpenAI、新API公開でファインチューニング機能強化——企業がAIモデルをカスタマイズしやすく

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

OpenAI、新API公開でファインチューニング機能強化——企業がAIモデルをカスタマイズしやすく
「よりパーソナライズされた AI に向けた重要な動きとして、OpenAI はカスタムモデルプログラムの拡張と同時に、ファインチューニング API の大幅な強化を発表した。これらのアップデートにより、開発者は AI モデルのファインチューニングをかつてないほどコントロールできるようになり…」。

——いわゆる“ハルシネーション”対策はもちろん、専門的領域をめぐる応答で、大外しな会話が飛び出したりするジェネレーティブAIの弱点をどう改善するか、どう精度を上げていくか。現時点で最大の壁を越そうとする動きに見える。もちろん、その成果は今後の評価待ちではあるが。

AIで量産のメディア偽装サイト「ピンクスライム」の数が、本物のニュースサイトと同規模に
「ニュースガードは、全国で運営されている1,162件のピンクスライムサイトを確認した。これは、実在する日刊ローカル紙が運営する本物のニュースサイト約1,200件とほぼ同数だ」。

——「ピンクスライム」とは、元来、本来の肉類の増量を図るために用いられる偽造肉(ピンク色をしている)に模して、過去は安価な労働力で、今ではジェネレーティブAIなどを用いて生成された信頼性のないニュース記事などのことを意味する。数年前に私自身が指摘したように、本物のニュースサイトと同規模どころか、より爆発的にこの種のでっち上げ記事が生成されることになるだろう。

ファクトチェックアワード2024

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2024
【ご紹介】:
今年(2024年)もファクトチェックアワード、やります! 僭越ながら今回も選考委員を務めます。
「ご応募は自薦・他薦を問いません。「ファクトチェック」と明示されたものに限らず、情報の真偽を検証することを主眼としたコンテンツであれば対象となります」

Disruption This Week—–29/3/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年3月25日から2024年3月29日まで。

八代亜紀さん『お別れの会』“最期”のあいさつにファン感涙「八代亜紀は幸せでしたよ」 生前の肉声をもとにAI生成【コメント全文】(オリコン) - Yahoo!ニュース
「お別れ会では八代さんが生前残した音声をもとに、AI音声合成技術を用いて新たに生成された八代さんの“肉声”メッセージが冒頭から届けられた。八代さんは『自身の声を残したい』という思いから、2020年に『声辞書』を作成。約400の文章を読み上げ、それらを音源データとして保存していたという」。

——日本でも、故美空ひばり氏の生前の録音を使った取り組みがあったと思う。ジェネレーティブAIがリーズナブルなコストでそれを容易にしつつある。今後広がるだろう。

One year in, revenue sharing on Shorts shows how your passion on YouTube pays off
「Shortsの参加資格を満たしてYPPに参加したクリエイターの80%以上が、YouTubeの他のYPP収益化機能を通じて収入を得ている」「昨年『Shorts』にレベニューシェアを導入して以来、 YPPの25%以上のチャンネルがこの収益源から収入を得ている」。

——米YouTubeが発表。TikTokを追って考案された「ショート」がいよいよ影響力を高めつつある。

長尺トレンド、CTVの収益性の高さ。米人気 YouTuber が語るYouTubeクリエイターの現在地 | DIGIDAY[日本版]
「現在、我々が目を向け、最適化に取り組んでいるのは、長尺動画とCTVだ。昨年の我々のチャンネル視聴者数の30%がCTVによるものだった。2023年に関していうと、超長尺コンテンツによって1700万時間の視聴時間と1億200万回の視聴回数がもたらされた」。

——YouTubeで稼ぐ米国の著名クリエイターが、現在の収入をどう分析し、今後どうしようとしているかをつまびらかに述べた出色のインタビュー記事。

Apple出身者ら設計の最新端末「Ai Pin」、日本発売へ - 日本経済新聞
「現在は米国内のみの販売で、英語入力にのみ対応している。同社によると韓国の通信大手、SKテレコムと日本のソフトバンクの2社と独占契約及び戦略提携を結んでおり、日本と韓国での製品展開を予定しているという。ボンジョルノ氏によると、同デバイスは日韓での正式発売時には、日本語と韓国語に対応する予定という」。

——以前何度か紹介した、胸辺りに大きめのバッジのように装着するジェネレーティブAI駆動のデバイス「AI Pin」。日本でも発売の動きが出てきた。スマホをリプレイスするのか、補完するのか。あるいは、単なるキワモノなのか。日本語エディションが出れば試してみたい。

Avoiding the news isn’t the same as not consuming it
選択的ニュース回避層は、実はニュースを多く消費している。この層は、年齢が若くニュースに否定的なイメージを持ち、(意外にも)政治的効力感が高い。一方で、ニュース消費が単に少ない、メディアや政治への信頼が低く、低所得な人たちとは弁別されるべきとの研究議論。
焦点:巨大ITが直面する米欧の独禁法問題、業界初の解体命令も
「巨大IT企業は、過去数十年間で最大の逆風にさらされている。米国と欧州の独占禁止当局が、これらの企業の反競争的とされる慣行の取り締まりに乗り出し、アップルやアルファベット子会社グーグルが、業界として初めての分割解体命令を下される恐れまで出てきたからだ」。

——記事が結論づけているように“解体”(分割)に至る道は相当に険しい。そんな議論を続けている間に、新たなAI巨大プラットフォームが誕生しかねない。ただし、この種の緊張感を巨大プラットフォームに与えることは総合的に有益だと思う。

「生成AIでニュースにタダ乗り」相次ぐメディア訴訟と罰金410億円、その適正な対価とは?
「訴状は、AI生成コンテンツの検知サービスを提供する「コピーリークス」が2月22日に発表したチャットGPTの大規模言語モデル(LLM)、GPT-3.5に関する調査結果を引用している。
調査ではGPT-3.5に物理学から経済学、スポーツまでの26分野、1,045件のテキストの出力を指示したところ、59.7%で盗用を含むテキストが含まれ、45.7%で同一のテキストがあった、と指摘」。

——他の同様の調査結果も示されている。これだけ大規模な模倣では、フェアユースとは言いがたいと思うが、OpenAIらはどう抗弁するのか興味を持つ。

英Financial Times、購読者からの自然言語文による質問に答える「Ask FT」と呼ぶ新しいジェネレーティブAIチャットボットを導入。記事はそれを実際に使い、その精度を論じている。下地となった記事などを明示する機能など媒体運営者が求める要素が含まれる。その一方で、生成された解説には一部矛盾や古さなどがあったとも指摘。
生成AIの弱点が相次ぎ発覚 ChatGPTやGeminiがサイバー攻撃の標的に 情報流出や不正操作の恐れも
「イスラエルのベングリオン大学の研究チームは、生成AIとユーザーの間に割り込んでデータパケットを傍受し、AIの回答内容を高い精度で復元する攻撃に成功したと発表した。この攻撃は、生成AIがユーザーの質問に回答する際のデータ処理に存在する脆弱性を突いている」。

——ChatGPTのみならずGeminiにおいても、同様の脆弱性発見されているという。他人がどのようなプロンプトを発し、AIがどうそれに応えたかを再現できるらしい。

BBC in talks to sell archive to tech companies as AI training data
英公共放送BBC、同社のコンテンツをジェネレーティブAI事業者へのライセンス販売を協議中と、英メディアFinancial Timesが報道。協議には(Gen AI事業者として)Amazonが含まれているとも。すでにBBC幹部が発言していることから交渉は公知のようだ。