Disruption This Week—–13/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月9日から2024年12月13日まで。

New dimensions for news storytelling
AI時代の情報へのインターフェイスを研究するGoogle LabsのKawandeep Virdee氏、彼が考えるLLMが貢献できる新たなアイデアを紹介。同じ記事を読者が自由にその長さを調整して読める「Zoom Summaries」や記事の情報をツリー化して読める「Summaries Tree」など興味深い。
ElevenLabs' AI voice generation 'very likely' used in a Russian influence operation | TechCrunch
米セキュリティ調査企業Recorded Future、最新の報告書で、ジェネレーティブAIによる音声合成サービスを手がけるElevenLabsの技術が、ロシアの影響力工作に用いられていると報告。一連の工作は欧米によるウクライナ支援の無意味さを印象づける目的で、同社サービスを用いている。面白いことに、ElevenLabs自身が提供する悪用検証ツールで確認された。

News websites hit an evolutionary dead end
進化の終わりに直面するニュース(Web)サイト。米Nieman Lab恒例の「2025年のジャーナリズム予測」企画がスタート。多くのメディア関係者がオピニオンを寄せる。本論は、Webページの現在のダメダメぶりを列挙。論者は新聞のPDF版をWhatsAppで配布する試みをアフリカで実施している。
Top 'Washington Post' editor kills article on deputy's departure
大統領選での支持表明を、オーナーの一声で取り消した米Washington Post。その同紙が依然として揉めている。今度は、抗議の意思もあったのだろう編集長Matea Gold氏退任の報を、現編集長代行が差し止めたことでさらに揉めている。理由は、「新聞は自身をカバーしない」だ。
極右台頭のルーマニア大統領選、フェイスブック上で組織的宣伝か
「フェイスブックの親会社、米メタ・プラットフォームズが、ルーマニア大統領選を巡り親欧州連合(EU)の野党党首ラスコーニ候補を攻撃する3600件余りの政治広告のフェイスブック投稿を許可し、カリン・ジョルジェスク候補ら極右の宣伝に寄与していたことが調査で示された」。

——異常なまでのTikTokの活用で、無名の存在が大統領候補の筆頭に、ということで話題になった人物。当然のことながらTIkTok一本でということはなく、いわゆるSNSの総合的な活用という構図が徐々に明らかになっている。もちろん、これが違法なのかどうかだが。

NVIDIA協力のバーチャルヒューマン「AI imma」とは何者か。日本語で会話を体験
「人がマイクを通じてAI immaに話しかけると、自動音声認識(ASR)システムを用いて音声をテキストに変換。そしてそのテキストに基づき、大規模言語モデル(LLM)で回答を生成する仕組みになっている。
日本語のテキストに対してはOpenAIの『GPT-4o』、英語のテキストに対してはグーグルの「Gemma」を使用している」。

——アイデアとしてはそう新しいものではないが、なかなかのできであるバーチャルヒューマンのアイドルが、AIによる双方向コミュニケーションを果たす。興味をひくのは、引用したように複数のAIサービスを繋ぎ込んで運用していること。AI応用の商業サービスにはこのようなアプローチが一般化していくのだろう。

アルゴリズム主導の広告が成長
「レポートの冒頭には『The dawn of the algorithmic era for media』という見出しがあり、ブロードキャスト時代(broadcast era)、プレシジョン時代(precision era)を経て、アルゴリズム時代(algorithmic era)が到来しているとしている」。

——「いまさら」という思い、同時に、コロナ禍後の広告市場の改めての成長動因を考えさせられる。

スタバやマクドナルドが独自の動画プラットフォームを持つ時代になる? | ネットフリックスやアマプラなどの動画配信の勢力図が変わる
「マクドナルド、スターバックスに次ぐ全米3位の外食チェーン『チックフレイ』が独自の動画配信プラットフォームを開始するのではないかと米メディア『CNBC』など各メディアが報じていた。主要な制作会社やスタジオと提携し、アニメ、リアリティショー、ゲームショーなどを制作しており、1エピソードにつき約40万ドル(約6000万円)の予算を費やしているという」。

——ブランド価値の増大という意味だけでも、一定の効果はあるだろう。問題は投資対コストだ。OTT時代に入って、その投資対コストの基本構造は、少なくとも配信自体のコストでは見合いやすくなっている。

「Xのアルゴリズム」は数日であなたの政治的意見を変えられる――米スタンフォード大が1000人以上で検証
「実験では、Xのユーザー1256人の協力を得て10日間実施。ブラウザ拡張機能を使用してフィードをリアルタイムでコントロールし、敵意コンテンツ投稿への接触を意図的に増減させた。
参加者は2つの実験群に分けられ、一方は敵意コンテンツへの接触を減らし(727人)、もう一方は増やす(529人)設定にした。実験の最初の3日間は通常のフィードを見せ、その後の7日間で介入を行った」。

——掲載論文に付された概要が分かりやすい。「アルゴリズムによってキュレーションされたフィードにおいて、参加者が(反民主的態度や党派的反感を表現する)AAPAに触れる機会を増減させた。 その結果、AAPAへの露出を減らすと肯定的な当事者感情が高まり、AAPAへの露出を増やすと否定的な当事者感情が高まることが観察された」ということ。「AAPA」を識別するLLMがあれば、これで利用者の政治的なスタンスを相当程度に左右できるというわけだ。

L.A. Times Owner Plans ‘Bias Meter’ Next to Coverage
【有料購読者向け記事】:
米国の富豪、Patrick Soon-Shiong氏、同氏が保有するL.A. Timesの記事に「バイアスメーター」を表示させると、インタビューで述べた。記事執筆者の“確証バイアス”の度合いをなんらかの手法で 計測し表示。記事偏向の可能性を伝えるというもの。
これはメディアのオーナーが、自らが保有するメディアの偏向の可能性を指摘するという動機に基づくもので、いささか不思議な動きだ。

Disruption This Week—–20/9/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年9月17日から2024年9月20日まで。

Netflixがユーザー満足度を最大化するために取り組む推薦アルゴリズムとその工夫とは
「ユーザーがNetflixにアクセスすると、その瞬間がシステムにとってのコンテキストとなり、コンテキストに基づいてシステムが推薦内容を選択する。ユーザーは推薦されたコンテンツにさまざまなフィードバック(報酬)を返す。
これには、すぐに得られるもの(スキップ、再生、いいね/嫌い、プレイリストへの追加)や後から得られるもの(視聴の完了、サブスクリプションの更新)もある。Netflixでは、推薦の良しあしを評価する報酬関数を定義し、より優れた推薦のためのポリシーを学習させ、ユーザーの満足度を最大化させることを目指しているという」。

——Netflixが、動画作品の推奨アルゴリズムを公式解説。概念的なものではあるが、なかなか参考になる。気になるのは、「報酬の総和がユーザーの満足度」になるのかどうかだ。原文に当たってみたい。

30年増収の京都・大垣書店、本の虫がつくる「刺さる店」とは LBSローカルビジネスサテライト - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「全国で書店が減り続けているなか、京都市に本社を置く大垣書店は10年間で店舗数を約2倍に増やした」。

——動画で「ネットのアルゴリズムでは出てこない発見・出会い」と、その繁盛ぶりが述べられている。改めてコンテンツとの「出会い(発見)」の価値を確認できる。

AI revolution for news publishers is only getting started
「出版の未来は、エンジニアやプロダクトマネージャーをリーダーシップに持つ出版社にある。 残念なことに、多くの出版社にはこの種のリーダーシップが欠けており、長期的な成功を妨げている」。米メディアコンサルのMatthew Scott Goldstein氏が述べるAI革命時代のメディア。
YouTube、クリエイター向けの新機能を多数発表 AIやコミュニティ関連
「Google DeepMindのAI動画生成モデル『Veo』をショート動画に統合することで、高品質の背景や6秒間のクリップを生成できるようにする。背景は間もなく、6秒動画は来年初頭に利用可能になる見込み」。

——YouTubeが動画生成AIサービスをクリエイター向けに開発。ちょっと関心を引くのはコミュニティ機能の追加。こちらもクリエイター向けに考えられており、ファンとの交流を強化するサービスだ。当然の発想だが、それが下手だったYouTube。うまく行くか?

Webの広告がスゥ……と消える「iOS 18」の新機能に注目集まる その使い方とは
「『Safari』に搭載されたもので、Webサイト閲覧時に目障りな広告などを非表示にできる。広告が粉々になって消えていく独特のアニメーションも含め、画期的な機能と評価する声も見られた」。

——これまでもSafariには「リーダーモード」という広告など除去した簡易表示モードがあったのだが、今回の「気をそらす項目を非表示に」機能は、担当直入に邪魔な広告を粉砕する的な意図が如実に示されている。広告嫌いなAppleだから、ということでもあるのだろうが、ここまでプラットフォームが公然と広告を敵視する時代になったという象徴的なものだ。

Google will begin flagging AI-generated images in Search later this year | TechCrunch
Google、今年後半にも検索サービスで、AI生成による画像にそれを示すフラグを表示すると発表。C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)のメタデータを検出する。もっともC2PAが広く認められた標準とまでは言えない状況ではあるが。
「1週間のサブスク、4ドルでどう?」米Washington Postが公約どおり、フレキシブルな購読オプションの試行運用を開始。アクセスするユーザーによって4ドルから10ドルの間でオファをしていることが確かめられたという。
2万7000冊の書籍、AIが学習し回答 新興の情報工場 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「たとえばユーザーが質問欄に『異文化を持つ人々が相互理解するために必要な考え方は』と入力すると、AIが2万7千冊の書籍の中から引用し『オープンさや共感を受け入れるマインドセット』といった回答を、英語と日本語で生成する」。

——関心を引く新サービス。広義にとれば、AI検索サービスだが、情報源が「2万7000冊の書物」という点が信頼感を醸成するポイントになりそう。さらにいえば、書物を読む入り口にさえなるかもしれない。もちろん、“読んだ気になって”終わりでは困るという向きもあるだろうが、そんなリスクはすでに世の中にあふれている。

More Americans are getting news on TikTok, bucking the trend seen on most other social media sites
米Pew Researchの調査によると、2020年以降、他のどのSNSよりも、ニュース取得のために定期的にTikTokを利用する米国人の割合が急速に増加中。2020年の3%から2024年には17%と、約5倍に増加。若年層の利用で際立っている。
What the Financial Times learned from experimenting with AI
英Financial Times、今年はじめにジェネレーティブAIの応用を試すために「AccelerateAI」チームを組成。その試用結果をリーダーが説明。「脅威を恐れるあまり(あるいは実験するのが面倒だからといって)、新テクノロジーがもたらす機会を放棄してはならない」。

「人に優しいロボットのデザイン」高橋英之 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
スマートニュース メディア研究所が主催する研究会「AIと人間の「あいだ」を考える研究会」での議論から、メンバーである大阪大学 特任准教授の高橋英之さんにユニークな論考を寄稿いただきました。

Disruption This Week—–12/7/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月8日から2024年7月12日まで。

Local News Now | Elevating local news.

Local News Now | Elevating local news.

Local News Now | Elevating local news.
米バージニア州北部とワシントンDCをカバーして成長するオンライン・ローカルメディア(ネットワーク)企業「Local News Now」。2010年設立で成長を加速しているという。Axiosのローカルニューズレターの品ぞろえ同様、注目株だ。
CNNが100人削減、年内に新たなオンラインチャンネル開設へ
「米CNNは、デジタルおよび有料テレビのニュース取材チームを統合する計画の一環として約100人を削減、業務を見直している。…CNNの従業員は約3500人。今回は3%未満の従業員が削減されることになる」。

——CNNの新たなデジタル戦略とそのアウトプットであるインターネット番組が年内にもサービスインする。その準備の過程でレイオフも発表。その新生CNNを率いるCEOは、ご存じMark Thompson氏。前New York TimesのCEOだ。同氏のデジタル戦略も徐々に明らかになりつつある。別途紹介しよう。

ChatGPT-Maker OpenAI Asks for Proof That NYTimes Is Original | Entrepreneur
米New York Timesは昨12月にOpenAIを著作権侵害で提訴。OpenAIがChatGPTの学習のために何百万もの記事を使用したと主張する。 一方、OpenAIは、NYTimesの記事が実際にオリジナルであるという証拠の提出を求める法廷闘争に。
NYTimesは、これを「無関係、不適切な嫌がらせ」と反論する。
アルファベットに埋もれた秘宝、ユーチューブには4550億ドルの価値
「『ユーチューブには価値が隠されており、投資家は単体として取引できない。これを閉じ込めているグーグルというコングロマリットには、ほかに多数のリスクがある』と(アナリストの)マーティン氏はインタビューで述べた」。

——記事を読めば理解できるはずだが、米Alphabetは従来の検索事業主体であるGoogleをはじめとする多種の技術系事業のコングロマリット。YouTubeもその一つで、投資家らはYouTube単独価値に投資できない。検索事業などはAI進化の方向ひとつで価値毀損する恐れがある一方、YouTubeやそのエコシステムにはそのリスクがほぼない。この価値が隠されている事は問題だとする指摘を取り上げた記事だ。

New York Times Experiments With a New Headline Writer: OpenAI
米MicrosoftおよびOpenAIを、自社コンテンツを勝手に学習したと数十億ドルの損害賠償を求めた米New York Times。だが、米Intercept.が入手した情報(コード)によると、そのNYTimesは社内で記事見出し生成ツールにChatGPTを利用していた。同社広報は実務への利用は否定したが。
Veteran columnists making more money on Substack after local newspaper exits
こちらも“解雇”された2人のベテランジャーナリストが、Substackで自身のメディアを立ち上げた話題。いずれも30年近くカリフォルニア州のローカル紙「The Davis Enterprise」に勤務したが、5月に解雇。自身のニューズレターですでに過去の年収を上回る購読料を得ているという。
Washington Post 'third newsroom' creation gets underway
印刷版、そしてオンライン版のWashington Post編集部に、「第3の編集部」が新設。スタッフからの経営チーム批判が止まらない同社だが、収益改善のために、「ソーシャルメディアとサービス・ジャーナリズムに焦点を当て、AIとマイクロペイメントで」で収益化をめざす試みだという。
Google検索も不要に? 検索AI「Perplexity」がスゴすぎてちょっと怖い
「例えば、7月4日時点で東京都知事選(7月7日投開票)の最新状況を聞くと、こんなふうに答えてくれる。…
最新情報をベースに、有力候補4人を抽出した上で、石丸伸二氏が猛追する展開を簡潔にまとめている」。

——「こんなふうに」の先は、記事内のスクリーンショットを確認のこと。確かに凄い。そして、重要なのはほぼリアルタイムですぐれた情勢認識(メディアをはじめとするさまざまな情報源をリアルタイムで分析ということか)を示している。記事は、Perplexityが他のAIチャットボットに比べて明らかな誤りが少ない(信頼のおける情報源を採用しているということか)とも指摘する。

「新聞を読む時間」として思い浮かぶものは・紙の新聞は32.5%どまり(最新) : ガベージニュース
「もっとも多くの人が思い浮かんだのは『紙の新聞』で32.5%。次いで『新聞社のサイトやアプリ』12.4%、さらに『新聞社以外のサイトやアプリ』8.5%、そして『SNS上の新聞記事』が6.2%。SNS上に掲載された新聞記事を読むことを、『新聞を読む』と認識している人が案外多いことに驚く人もいるかもしれない」。

——例年行われている博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所の2024年版の整理。引用箇所はけっこう切実な問題で、問いかける人、答える人で「新聞(を読む)」の定義が異なっている事態が拡大している。私自身は“新聞(の閲読)体験”を印刷版を超えたものとして再定義しないと、新聞社の存続が危ぶまれると考える。逆に、そのように新聞社(のなかの人々)が自ら再定義できれば、社会的ニーズはもちろん、産業としての未来は開けるものと考える。

生成AI悪用で最多は「世論操作」約3割、その実態とは
「調査期間中に、生成AI機能の悪用で最も多かった目的は、世論の形成や影響を及ぼすことだった(報道されたケース全体の27%)。これらのケースでは、アクター(実行者)は、人々の政治的現実への認識を歪める幅広い戦術を展開していた」。

——「グーグルのAI部門、ディープマインドと研究部門、ジグソーの研究グループ」による調査リポートから。平和博さんのブログ記事から。世論への影響工作に続く悪用目的が「収益化」だ。「51件、20.5%を占めた」という。

Disruption This Week—–21/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月17日から2024年6月21日まで。

Is the news industry ready for another pivot to video?
ロイタージャーナリズム研究所のDigital News Report 2024の中心的な研究者Nic Newman氏は、2024年、プラットフォーム上でのニュース消費が増加したのは、YouTube、TikTok、Instagramなどの若者に人気のプラットフォームによる動画への注力がけん引していると指摘する。
パブリッシャーの「 AI ライセンス契約」に対する賛否両論 Vol.2 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「LLMがすでにパブリッシャーの数十年分のコンテンツアーカイブにアクセスし、そのデータでトレーニングされていたとしたら、パブリッシャーは新しいコンテンツにしか権限を持たないかもしれない。新しいコンテンツに価値はあるが、その価値はどれほどのものだろうか」。

——LLMを運用するAI企業と提携するメディア各社。その取引のネガティブ要素を扱うDigidayの記事。「Vol.1」ではポジティブ要素を扱った。

ChatGPT - 2024 Digital News Reporter
Reuters Digital News Report 2024は貴重な調査年鑑だが、170ページ近くのPDF(もちろん、英語)で読み通すのが困難。そこでThe Guardiaの記者がさまざまにQ&Aが可能な専用GPTを作ってくれた(もちろん、非公式)。
米AI検索・PerplexityCEO「メディアと広告収入分配」 日本でも意欲 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「人工知能(AI)を使う検索サービスを手がける米新興企業のパープレキシティは、広告収入をメディア企業と分配する仕組みを始める。アラビンド・スリニバス最高経営責任者(CEO)が17日に明らかにした」。

——直前にWIREDの検証を紹介したが、Perplexity CEOへのインタビュー。

Perplexity Is a Bullshit Machine
【有料購読者向け記事】:
日本上陸を果たしたAI検索エンジンのPerplexity。米WIREDとエンジニアの分析では、Perplexityは、Robots.txtの指定を無視してコンテンツをクロールしていることがわかったという。この記事は、どのようにPerplexityが挙動しているかを試したフローを詳しく解説している。
パブリッシャーの「 AI ライセンス契約」に対する賛否両論 Vol.1 | DIGIDAY[日本版]
「(AI企業がコンテンツに対価を支払うことは良いことだが)ただし、パートナーシップの長期的な実行可能性を考慮することが重要だ。AI企業は、アーカイブのライセンスを取得して初期モデルトレーニングを完了すれば、データアクセス契約を更新する動機がほとんどなくなる」。

——「コンピュータージャーナリストのフランチェスコ・マルコーニ氏」のコメント。直接接していないがOpenAIは、日本のメディア企業各社にもオファを広げている。側聞するところによる、1回限りの“ショット”払いのようだ。

How generative AI can help local newspapers survive
適切な方法で導入されれば、編集部門が縮小し、リソースが不足する現在、AIが新聞社(ローカルニュース)らの生き残りを助けることができると、AIベースのニュース発信プラットフォームInformedのCEOが主張。一般的なLLM依存ではなくカスタム化LLMの導入がポイントだとする。

Digital News Report 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Digital News Report 2024
恒例の世界のメディア動向調査「Reuters Digital News Report」の2024年版が公開。ニュースへの信頼、誤報、プラットフォームの変化、ニュース回避、AIの影響といった重要なテーマを取り上げ、世界47か国、約9万5000人を対象としたYouGovによる調査を基に考察したもの。
How Jeff Bezos Is Trying to Fix The Washington Post
【有料購読者向け記事】:
「Jeff Bezos氏はWashington Post紙をどうやって立て直そうとしているのか?」——デジタル世代向けに特化した第3のメディア設立を打ち出した新任の同紙発行人兼最高経営責任者Will Lewis氏の施策で大揺れの状況をBezos氏はどう考えているかを探る記事。
Bezos氏は、今回の騒動で退任を決めた編集長Sally Buzbee氏に「大胆なデジタル施策を」と強く求めていたとする関係者の証言がある。
メディアとAI(下) 「フェイク」時代の切り札か 本物と証明、技術で対抗 生み出す課題を自ら克服 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「東京大学発スタートアップのNABLAS(東京・文京)は、生成AI製の情報の正誤を判定するサービスを始めた。
東大の坂村健名誉教授は『情報があふれる中で、逆に真実の重要性は際立っている』と指摘する。『メディア存立の基盤はコンテンツの真正性だ』と話す」。

——記事は前・後編の「後」部分。生成AIなどがもたらす負の影響に対して、その克服もまた、AIによって補助、加速できるという“光”の部分を述べている。とはいえ、その上で国際的な動きが一覧表になって紹介されているものの、まだまだの手薄感がある。

「ニュースリテラシー」を身につけ、ニュースを日常生活の中で活用しよう〜鍛治本正人 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
香港大ジャーナリズム・メディア研究センター教授の鍛治本正人氏が、スマートニュース メディア研究所に「ニュースリテラシー」について寄稿。ご一読を。

Disruption This Week—–7/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月3日から2024年6月7日まで。

How Taiwan’s factcheckers fight Chinese disinformation and ‘unstoppable’ AI - Taipei Times
台湾のファクトチェック組織「MyGoPen」(現在、40万人の購読者を擁する)創始者の葉子揚氏への取材記事。Taiwan FactCheck CenterやCofactsなど新たなファクトチェック組織が加わったが、台湾を標的にした偽情報の脅威もより巨大化。さまざまな事例を生々しく紹介する記事。
It Looked Like a Reliable News Site. It Was an A.I. Chop Shop.
【有料購読者向け記事】:
月間来訪者数1,000万人を誇り、米msnをはじめとしてWashington Postや英Guardianなどにも記事を提供してきた香港発ニュースサイト「BNN Breaking」。従業員らの証言で、数々のジェネレーティブAIを用いた他社サイト模倣記事を発信してきたことが明らかになった。NYTimesらに追及され、サイトを閉鎖に。
ワシントン・ポストがニュースレターに音声 生成AI を導入。「自分の好きな方法でコンテンツを消費する時代だ」 | DIGIDAY[日本版]
【全文閲覧には要購読手続き】:
「5月20日、米紙ワシントン・ポスト(The Washington Post)は政治と政策をテーマとする3つのニュースレターに音声生成AIを追加し、購読者はニュースレターの内容を『聴く』ことができるようになった」。

——「ワシントン・ポストが所有、運営するプラットフォームでは、音声コンテンツの再生回数が30日間の平均で400万回に達するが、そのうち90%近くはアプリによるもので、音声コンテンツが大部分を占めているという。1日あたりの音声コンテンツ再生数は昨年末から倍増していると広報担当者は語った」と記事にはある。優良顧客(愛読者)と音声コンテンツ利用とには正の関係があるらしい。

無名の作家がTikTokを最大限に利用してベストセラーになるまで | 自費出版で100万部以上も!
【有料購読者向け記事】:
「視聴者から『本にしてほしい』というメッセージを受け、2021年の秋にこの本を一冊19.99ドル(約3100円)で販売しはじめた。
『最初の売れ行きは遅かった』が、2022年後半にTikTokの直接販売プラットフォームを使い始めて風向きが変わった」。

——YouTubeやTikTokのインフルエンサーであった25歳のケイラ・シャヒーン氏が、自身の啓発トレーニングを“自己出版”。TikTokの直販システムを使い100万部販売という……。

Fake AI Tom Cruise is part of a Russian scheme to mess with the Olympics, Microsoft alleges
【有料購読者向け記事】:
すでに紹介したが、ロシアがEUへの影響力工作を進めていることが、種々報道されている。ターゲットの一つに仏五輪があるが、AI生成の偽Tom CruiseがIOC幹部を侮辱する動画が、ロシア発の「Storm-1679」によって流布とMicrosoft脅威分析チームが警告している。偽動画はNetflixなどのブランドを騙る一方、一方でレビューで高い星を獲得したなども偽装。手の込んだ仕掛けだという。
News avoidance: Publisher rewrites journalism rulebook for most contentious stories
ニュージーランドのあるメディア、読者の「ニュース回避」を抑止する新メソッドを発表。同メディアは、読者の感情の変動を追跡する「センチメントトラッカー」を駆使して、従来言われてきた回避対策とはことなる手法を実践する。
ジャーナリズムの古典的な文章作法だった「逆三角形」を見直す。「子猫とスポーツ」だけが対策ではないと。
メディア総接触時間、20代男性が500分越え/若年女性はスマホが5割以上占める【博報堂DYMP調査】
「スマートフォンでのテレビ番組視聴およびテレビ受像機での無料動画視聴の利用率を調査。すると、スマートフォンでのテレビ番組視聴が3割台に増加した。また、テレビ受像機での無料動画視聴も過半数に達した」。

——恒例の博報堂DYMPによるメディア接触(時間)の調査結果。スマートフォン優位の趨勢は、2024年も変わらないが、CTVによるネット視聴の動きが進んでいるのが、興味深い。個人的にはYouTubeの“マスメディア化”が進んでいる動因のひとつと見ている。

Guardian CEO Bateson ready to ‘do a deal’ with AI companies ‘on the right terms’
英メディアThe Guardianを率いるGMGのCEO、Anna Bateson氏、公開イベントでAI企業との取引交渉に取り組んでいると示唆。1年前の同イベントで居並ぶメディア企業は否定的な姿勢だったが、その後、すでにFTら2社が交渉を締結。Guardianもそれに続く動きを示した。
Washington Post: Telegraph veteran to take over from Sally Buzbee as executive editor
昨日の米メディア界の話題は、Washington PostとWall Street Journalでの動き。まずはWaPo。同紙初の女性編集長となったSally Buzbee氏が短い在任期間で、編集部を去る。同紙は昨年200名を超す人員削減を行うなど大きな経営危機に直面していることが知られている。
“The way we raise the money at The Guardian is different than any place I’ve ever been”
1億2,000万ドルもの個人からの寄付金を得る英The Guardian。特に収入増が顕著な米Guardian担当者に取材した記事。「我々はEメールの充実に力を注いできた。今では7%から24%となっだ。だがそれでも76%はWebからの獲得だ」とペイウォール制を敷かない利点を述べる。