Disruption This Week—–28/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月24日から2024年6月28日まで。

NYT's Hannah Yang on subscription ceilings, international markets and the news bundles
「New York Timesは、ユーザーを獲得して6〜12か月間維持するために、紹介キャンペーンを利用している。だが、価格などのオファーはユーザーの行動と機械学習アルゴリズムに依存する。
ここ英国では、1年間、週わずか0.50ポンドのオファーが届いたばかりだ。別のブラウザでは、7日間無料、その後月2ポンドというオファーだった」。

——記事は、米New York Timesの「最高グロースおよび顧客担当」のHannah Yang氏にインタビューしたポッドキャストの紹介。
引用のくだりは、記事を執筆したJacob Granger氏の地の部分。記事は、NYTimesがデジタル購読者をさらに増やせる余地(2027年には、現在の1,050万人を1,500万人とする計画)として、世界の購読者予備軍の存在と、ゲーム、料理、スポーツと多種のコンテンツをアップセル可能な購読予備軍の存在をあげる。

GeminiがYouTube動画を一瞬で要約してくれるようになった(しかも無料) | ライフハッカー・ジャパン
「Geminiは、キャプションや字幕など、YouTubeが自動的に生成するテキストを使ってYouTube動画を要約します。つまり、動画にキャプションや字幕がない場合は、動画からは何も抽出できません。また、要約機能はすべての言語に対応しているわけではありません。現在対応しているのは英語、日本語、韓国語のみ」。

——YouTubeコンテンツの要約機能は、便利そうだ。若干の注意点を紹介しておく。

AI検索「Perplexity」の記事盗用疑惑を独自調査──無断スクレイピングで回答を生成か
「『WIRED』の調査から、Perplexityに関連するマシン(具体的にはAmazonのサーバー上にあり、Perplexityが操作していることがほぼ確実なもの)が、WIRED.comや、『WIRED』と同じコンデナストに所属するほかのメディアのコンテンツをスクレイピングしていることが判明したのである」。

——Perplexity関連で紹介してきた記事の和訳が出たので改めて照会しておく。WIREDはこの事象について詳しく報道しているメディアだ。

国産LLM開発のELYZA、GPT-4の性能を凌ぐ新モデルを発表

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

国産LLM開発のELYZA、GPT-4の性能を凌ぐ新モデルを発表
【有料購読者向け記事】:
「特筆すべきは、このモデルが推論や知識応用の面で優れた結果を示している点だ。文章生成、ロールプレイ、情報抽出、推論、構造化、人文科学、科学技術、プログラミングなど、幅広いタスクで高い能力を発揮している。唯一、数学の分野でやや劣る結果となったものの、それ以外のカテゴリではほぼ完璧な性能を示した」。

——興味深い進展。気になるのは、このようにポジティブに報じられるような技術開発であれば、喜んでコンテンツプロバイダーは、自らのコンテンツ資産を学習用に差し出すのかどうかということ。

声優の利益保護へ音声データを認証 AIカバー対策、初の団体設立へ:朝日新聞デジタル
「AI(人工知能)に学ばせる音声データを認証する団体が来月にも設立される。25日に会見した関係者によると、国内初。AI開発者は、認証を受けた質の高い安全なデータを購入でき、声優らにも対価が支払われるようになる。データの追跡や透明性の確保につながるため、AI開発と知的財産の保護という点からも先駆的な例となりそうだ」 。

——一般社団法人・日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS(アイラス))の設立にともなっての報道。世界に先駆ける取り組みではないだろうか。データ認証(お墨付き)を与えるプロセスが興味深い。

Smashing, from Goodreads' co-founder, curates the best of the web using AI and human recommendations | TechCrunch
すぐれた書籍の紹介に力を注ぐソーシャルサービス「Goodreads」。共同創業者Otis Chandler氏が新たに、すぐれた「ニュース記事、ブログ記事、SNS投稿、ポッドキャスト」などの発見を助けるサービス「Smashing」が発表。AIとコミュニティの力を駆使するモデルだという。
記事はChandler氏が、その発想を得るにいたった経緯を詳しく述べている。
音楽生成AIのSunoとUdioを全米レコード協会が著作権侵害で提訴
「訴状では、特定の音声録音の特徴(発売された年代、テーマ、ジャンル、アーティストの説明など)を含む的を絞ったプロンプトを使用すると、著作権で保護された音声録音に酷似した音楽ファイルが生成される例が複数提示されている」。

——記事には、RIAAが権利侵害と酷似を指摘する楽曲のデモプレーヤーがリンクされている。また、サムネールはその酷似ぶりを指摘する比較図版だ。また、この種の侵害の特徴は、「規模は想像を絶するものだ」ということかもしれない。自動的に無数の権利侵害と見られる楽曲が生成できるということだ。

Exclusive: Amazon mulls $5 to $10 monthly price tag for unprofitable Alexa service, AI revamp
米Amazon、製品投入以来10年間利益をあげたことがなかったスマートスピーカープロジェクトのAlexaにテコ入れを計画。新たなAI開発で「能力を高めたAlexa」を投入、同時に月額5〜10ドルの有料課金化をめざす。Reutersによるスクープ。
Algorithms should not control what people see, UN chief says, launching Global Principles for Information Integrity
「アルゴリズムが人々の見るものを制御すべきではない」——。
国連事務総長が「情報の完全性に関するグローバル原則」を発表。誤った情報、偽情報、ヘイトスピーチによる被害に対処するための早急な行動の必要性を強調した。
AI音声による詐欺防止へ メタ、オーディオ透かしで新技術
「メタ(Meta)は、人工知能(AI )が生成したオーディオ・クリップに、いわゆる『透かし(ウォーターマーク)』となる隠し信号を埋め込めるシステムを開発した。ネット上でのAI生成コンテンツの検出に活用できる可能性がある」。

——画像系ではC2PAのようなメタデータを透かしとして用いる業界標準が動き出している。音声データでも同様の仕組みが待たれてきたが、Metaが「オーディオシール(AudioSeal)」を発表。すでにGitHubなどで公開済みだという。これを標準に育てられるかどうか。

Disruption This Week—–21/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月17日から2024年6月21日まで。

Is the news industry ready for another pivot to video?
ロイタージャーナリズム研究所のDigital News Report 2024の中心的な研究者Nic Newman氏は、2024年、プラットフォーム上でのニュース消費が増加したのは、YouTube、TikTok、Instagramなどの若者に人気のプラットフォームによる動画への注力がけん引していると指摘する。
パブリッシャーの「 AI ライセンス契約」に対する賛否両論 Vol.2 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「LLMがすでにパブリッシャーの数十年分のコンテンツアーカイブにアクセスし、そのデータでトレーニングされていたとしたら、パブリッシャーは新しいコンテンツにしか権限を持たないかもしれない。新しいコンテンツに価値はあるが、その価値はどれほどのものだろうか」。

——LLMを運用するAI企業と提携するメディア各社。その取引のネガティブ要素を扱うDigidayの記事。「Vol.1」ではポジティブ要素を扱った。

ChatGPT - 2024 Digital News Reporter
Reuters Digital News Report 2024は貴重な調査年鑑だが、170ページ近くのPDF(もちろん、英語)で読み通すのが困難。そこでThe Guardiaの記者がさまざまにQ&Aが可能な専用GPTを作ってくれた(もちろん、非公式)。
米AI検索・PerplexityCEO「メディアと広告収入分配」 日本でも意欲 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「人工知能(AI)を使う検索サービスを手がける米新興企業のパープレキシティは、広告収入をメディア企業と分配する仕組みを始める。アラビンド・スリニバス最高経営責任者(CEO)が17日に明らかにした」。

——直前にWIREDの検証を紹介したが、Perplexity CEOへのインタビュー。

Perplexity Is a Bullshit Machine
【有料購読者向け記事】:
日本上陸を果たしたAI検索エンジンのPerplexity。米WIREDとエンジニアの分析では、Perplexityは、Robots.txtの指定を無視してコンテンツをクロールしていることがわかったという。この記事は、どのようにPerplexityが挙動しているかを試したフローを詳しく解説している。
パブリッシャーの「 AI ライセンス契約」に対する賛否両論 Vol.1 | DIGIDAY[日本版]
「(AI企業がコンテンツに対価を支払うことは良いことだが)ただし、パートナーシップの長期的な実行可能性を考慮することが重要だ。AI企業は、アーカイブのライセンスを取得して初期モデルトレーニングを完了すれば、データアクセス契約を更新する動機がほとんどなくなる」。

——「コンピュータージャーナリストのフランチェスコ・マルコーニ氏」のコメント。直接接していないがOpenAIは、日本のメディア企業各社にもオファを広げている。側聞するところによる、1回限りの“ショット”払いのようだ。

How generative AI can help local newspapers survive
適切な方法で導入されれば、編集部門が縮小し、リソースが不足する現在、AIが新聞社(ローカルニュース)らの生き残りを助けることができると、AIベースのニュース発信プラットフォームInformedのCEOが主張。一般的なLLM依存ではなくカスタム化LLMの導入がポイントだとする。

Digital News Report 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Digital News Report 2024
恒例の世界のメディア動向調査「Reuters Digital News Report」の2024年版が公開。ニュースへの信頼、誤報、プラットフォームの変化、ニュース回避、AIの影響といった重要なテーマを取り上げ、世界47か国、約9万5000人を対象としたYouGovによる調査を基に考察したもの。
How Jeff Bezos Is Trying to Fix The Washington Post
【有料購読者向け記事】:
「Jeff Bezos氏はWashington Post紙をどうやって立て直そうとしているのか?」——デジタル世代向けに特化した第3のメディア設立を打ち出した新任の同紙発行人兼最高経営責任者Will Lewis氏の施策で大揺れの状況をBezos氏はどう考えているかを探る記事。
Bezos氏は、今回の騒動で退任を決めた編集長Sally Buzbee氏に「大胆なデジタル施策を」と強く求めていたとする関係者の証言がある。
メディアとAI(下) 「フェイク」時代の切り札か 本物と証明、技術で対抗 生み出す課題を自ら克服 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「東京大学発スタートアップのNABLAS(東京・文京)は、生成AI製の情報の正誤を判定するサービスを始めた。
東大の坂村健名誉教授は『情報があふれる中で、逆に真実の重要性は際立っている』と指摘する。『メディア存立の基盤はコンテンツの真正性だ』と話す」。

——記事は前・後編の「後」部分。生成AIなどがもたらす負の影響に対して、その克服もまた、AIによって補助、加速できるという“光”の部分を述べている。とはいえ、その上で国際的な動きが一覧表になって紹介されているものの、まだまだの手薄感がある。

「ニュースリテラシー」を身につけ、ニュースを日常生活の中で活用しよう〜鍛治本正人 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
香港大ジャーナリズム・メディア研究センター教授の鍛治本正人氏が、スマートニュース メディア研究所に「ニュースリテラシー」について寄稿。ご一読を。

Disruption This Week—–14/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月10日から2024年6月14日まで。

After the Yahoo News app revamp, Yahoo preps AI summaries on homepage, too | TechCrunch
Instagramの創業者らが開発したニュースアプリ「Artifact」。結局期待に見合わず、年初には米Yahooに売却された。Yahooはこれを使い「Yahoo News」をリリース。同時にWebサイトではArtifactの技術を使って、記事冒頭にAI要約を付す取り組みの試行を始めたという。
Grab Them. Then Stump Them.
【有料購読者向け記事】:
Apple News、LinkedIn、Morning Brew、Washington Post、Vox Mediaそして Boston Globeと、次々メディア(メディア関連サービス)がワードパズルなどのゲームを投入。と、同分野で先を行くNew York Timesが報道。
サードパーティー・クッキー停止でネットメディア危機 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「媒体社向けに広告配信管理ツールのSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)を提供するfluct(フラクト、東京・港)の取締役の望月貴晃氏は、『日本はiPhoneの利用比率が高いため、アップルによるクッキー停止の影響が大きい。17年からiOSにおけるCPM(広告表示1000回当たりの広告料)は半分になった』と明かす」。

——ある種の常識だと思うが、ここから先が怖い。
「既存の広告サービスから得られる収益が低下した媒体が次にやるのは、『CPMが高い不適切な広告を受け入れる』か、『広告枠を増やす』こと」だという。
もちろん、記事は新たな広告技術をめぐる開発が進むという論だが。

How Americans Get News on TikTok, X, Facebook and Instagram
米Pew Researchが、今年3月実施の新たな調査・分析結果を公開。米国成人の半数が、TikTok、X、Facebook、Instagramにおいて(少なくとも時々は)ニュースに接触。なかでもXのユーザーの半数は、(多かれ少なかれ)ニュース接触がその利用目的と答えているとする。逆にX以外のプラットフォーム利用者はニュース接触が、その目的ではないとしている。
主張:生成AIを使ったプロパガンダ工作、AI企業は実態公表を
【有料購読者向け記事】:
「それは…悪意のある人物がオープンAIの製品を利用して影響工作をしていたことを明らかにしたレポートだった。オープンAIは、ロシア、中国、イラン、イスラエルなどの組織を含む、5つの秘密プロパガンダ・ネットワークを摘発した。これらのネットワークは、複数の言語で大量のソーシャルメディア・コメントを作成したり、ニュース記事をフェイスブックの投稿に変えたりするなど、偽装作戦にオープンAIの生成AI(ジェネレーティブAI)ツールを使用していた」。

——テクノロジープラットフォームと時に連携して影響力工作の研究と抑止活動に取り組んできた研究者らの論考。OpenAIは歴史が浅いながら、過去、GAFAらが許してきていた影響力工作の摘発に早期に取り組み、成果を見せていることを紹介する。

AI news reader Particle adds publishing partners and $10.9M in new funding | TechCrunch
米スタートアップParticle、出版社と提携し、AI時代の新しいビジネスモデルを模索中だ。AIを活用して様々な出版社のニュースを要約することで、読者があらゆる角度から記事を理解できるようにするニュースアプリを提供しようと企図。まずReutersをパートナーに迎えた。
How newspaper giant Mediahuis aims to reach 70% digital revenue by 2030
欧州を主市場とする多国籍メディア企業のMediahuis。同社の現在の購読者数は880万人。印刷とデジタルが半々だ。その同社は2030年までに、現在の売上比率(印刷7割:デジタル3割)の逆転(印刷3割:デジタル7割)をめざす。そうなれば持続可能な事業モデルだと目標を掲げる。
「ペイウォール」が生んだ分断─民主主義は「有料記事の壁」の裏で死ぬのか | 元米国国務次官の切実な訴え
【有料購読者向け記事】:
「溢れかえる、出所不明で信頼性の低い情報を前に、『2024年の大統領選挙期間中、選挙関連報道を無償化すべきだ』と、米『タイム』誌の元編集長で、オバマ政権下で国務次官を務めたリチャード・ステンゲルは米『アトランティック』誌への寄稿で訴える」。

——「ペイウォールは情報の二重構造を生み出す。すなわち、お金を払う読者層には『信頼でき、事実に基づいた情報』が、そうでない読者層には『出所不明で信頼性の低い情報』が提供される」。まぁ、その記事がペイウォールの中にある、というのも皮肉な話ではあるのだが。
無料でさまざまな情報源にアクセスできる自由は、インターネットがもたらした最大級の恩恵だったはずだが、理由はともかくとして、それが阻害される段階に入ったことは間違いない。

1日のスマホ使用3時間以上、でも読書にもニュースチェックにも時間はかけない―シチズン時計調査
「『出社前にニュースチェックにかける時間』で最も多かったのは、『チェックしない』22.8%。20代では3割超に上った。世代が上がるにつれ、ニュースチェックの時間は増えるが、40代、50代でも『10分』までが6割を占める」。

——スマホの普及で、ニュースはいつでも“隙間時間”にチェックできると思えば、出勤前・登校前に確認する必要もないということか。スマホ上での時間の自由が広がっている。

Googleの「Gemini 1.5 Pro」採用メモアプリ「NotebookLM」、日本でも利用可能に
「ソースを選択すると、データに基づく要約を表示し、その下のプロンプト枠で質問できるようになる。回答の文末には数字のついたラベルが表示され、ラベルにカーソルを合わせるとその文の根拠となるソースの部分が表示される」。

——いま急速に話題になっているGoogleの「Notebook LM」。利用イメージをあげれば、書籍1冊分のPDFをアップロードすると、その要約が示されると同時に、その内容についての質問に回答するなどの対話が可能になる。情報源はその書籍データに限定されるので、ノイズが入らないというわけだ。

Disruption This Week—–7/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月3日から2024年6月7日まで。

How Taiwan’s factcheckers fight Chinese disinformation and ‘unstoppable’ AI - Taipei Times
台湾のファクトチェック組織「MyGoPen」(現在、40万人の購読者を擁する)創始者の葉子揚氏への取材記事。Taiwan FactCheck CenterやCofactsなど新たなファクトチェック組織が加わったが、台湾を標的にした偽情報の脅威もより巨大化。さまざまな事例を生々しく紹介する記事。
It Looked Like a Reliable News Site. It Was an A.I. Chop Shop.
【有料購読者向け記事】:
月間来訪者数1,000万人を誇り、米msnをはじめとしてWashington Postや英Guardianなどにも記事を提供してきた香港発ニュースサイト「BNN Breaking」。従業員らの証言で、数々のジェネレーティブAIを用いた他社サイト模倣記事を発信してきたことが明らかになった。NYTimesらに追及され、サイトを閉鎖に。
ワシントン・ポストがニュースレターに音声 生成AI を導入。「自分の好きな方法でコンテンツを消費する時代だ」 | DIGIDAY[日本版]
【全文閲覧には要購読手続き】:
「5月20日、米紙ワシントン・ポスト(The Washington Post)は政治と政策をテーマとする3つのニュースレターに音声生成AIを追加し、購読者はニュースレターの内容を『聴く』ことができるようになった」。

——「ワシントン・ポストが所有、運営するプラットフォームでは、音声コンテンツの再生回数が30日間の平均で400万回に達するが、そのうち90%近くはアプリによるもので、音声コンテンツが大部分を占めているという。1日あたりの音声コンテンツ再生数は昨年末から倍増していると広報担当者は語った」と記事にはある。優良顧客(愛読者)と音声コンテンツ利用とには正の関係があるらしい。

無名の作家がTikTokを最大限に利用してベストセラーになるまで | 自費出版で100万部以上も!
【有料購読者向け記事】:
「視聴者から『本にしてほしい』というメッセージを受け、2021年の秋にこの本を一冊19.99ドル(約3100円)で販売しはじめた。
『最初の売れ行きは遅かった』が、2022年後半にTikTokの直接販売プラットフォームを使い始めて風向きが変わった」。

——YouTubeやTikTokのインフルエンサーであった25歳のケイラ・シャヒーン氏が、自身の啓発トレーニングを“自己出版”。TikTokの直販システムを使い100万部販売という……。

Fake AI Tom Cruise is part of a Russian scheme to mess with the Olympics, Microsoft alleges
【有料購読者向け記事】:
すでに紹介したが、ロシアがEUへの影響力工作を進めていることが、種々報道されている。ターゲットの一つに仏五輪があるが、AI生成の偽Tom CruiseがIOC幹部を侮辱する動画が、ロシア発の「Storm-1679」によって流布とMicrosoft脅威分析チームが警告している。偽動画はNetflixなどのブランドを騙る一方、一方でレビューで高い星を獲得したなども偽装。手の込んだ仕掛けだという。
News avoidance: Publisher rewrites journalism rulebook for most contentious stories
ニュージーランドのあるメディア、読者の「ニュース回避」を抑止する新メソッドを発表。同メディアは、読者の感情の変動を追跡する「センチメントトラッカー」を駆使して、従来言われてきた回避対策とはことなる手法を実践する。
ジャーナリズムの古典的な文章作法だった「逆三角形」を見直す。「子猫とスポーツ」だけが対策ではないと。
メディア総接触時間、20代男性が500分越え/若年女性はスマホが5割以上占める【博報堂DYMP調査】
「スマートフォンでのテレビ番組視聴およびテレビ受像機での無料動画視聴の利用率を調査。すると、スマートフォンでのテレビ番組視聴が3割台に増加した。また、テレビ受像機での無料動画視聴も過半数に達した」。

——恒例の博報堂DYMPによるメディア接触(時間)の調査結果。スマートフォン優位の趨勢は、2024年も変わらないが、CTVによるネット視聴の動きが進んでいるのが、興味深い。個人的にはYouTubeの“マスメディア化”が進んでいる動因のひとつと見ている。

Guardian CEO Bateson ready to ‘do a deal’ with AI companies ‘on the right terms’
英メディアThe Guardianを率いるGMGのCEO、Anna Bateson氏、公開イベントでAI企業との取引交渉に取り組んでいると示唆。1年前の同イベントで居並ぶメディア企業は否定的な姿勢だったが、その後、すでにFTら2社が交渉を締結。Guardianもそれに続く動きを示した。
Washington Post: Telegraph veteran to take over from Sally Buzbee as executive editor
昨日の米メディア界の話題は、Washington PostとWall Street Journalでの動き。まずはWaPo。同紙初の女性編集長となったSally Buzbee氏が短い在任期間で、編集部を去る。同紙は昨年200名を超す人員削減を行うなど大きな経営危機に直面していることが知られている。
“The way we raise the money at The Guardian is different than any place I’ve ever been”
1億2,000万ドルもの個人からの寄付金を得る英The Guardian。特に収入増が顕著な米Guardian担当者に取材した記事。「我々はEメールの充実に力を注いできた。今では7%から24%となっだ。だがそれでも76%はWebからの獲得だ」とペイウォール制を敷かない利点を述べる。