Disruption This Week—–15/9/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年9月11日から2023年9月15日まで。

生成AIツール「Adobe Firefly」、一般提供開始--商用利用が可能に
「もう1つ注目すべきアプローチとして、同社は、Fireflyのトレーニングに画像を使用した場合に、『Adobe Stock』コントリビューターに対して報酬を支払う。Adobeは、『有意義な』ボーナスを年1回支払うと、(Adobeのプロダクト担当幹部)Subramaniam氏は述べた」。

——AIの学習に用いられる(したがって、そのままの形で最終アウトプットにはクレジットされない)作品への報酬問題に対し、一定のアプローチが示された。これが終着点ではないだろうが、興味深い動き。

米ハイテク企業トップら、AI規制巡り議論-上院の非公開会合
「午前中のセッションを通じて意見の対立が見られたという。メタのマーク・ザッカーバーグCEOやオープンAIのサム・アルトマンCEO、マイクロソフトのビル・ゲイツ共同創業者はオープンソースのAIを研究するリスクを巡り異なる意見を述べた」。

——米政界とAIの開発を進めるハイテク事業者が初の会合。他記事によれば、ハイテク事業者側のいずれのCEOも政府による介入を望むとの見解を示したとされる。

Want to boost local news subscriptions? Giving your readers a say in story ideas can help
読者(視聴者)に記事への意見を求め、それを実行に移すことが、購読者数の増、ローカルニュースへの関心を改善する効果があるとの調査結果が発表された。米Texas州立大の研究者らの論文。近年「エンゲージメント・ジャーナリズム」と呼ばれる分野が注目されているという。
The creator economy goes global
“クリエイターエコノミーは衰退するどころか、より協力に発展を続けている”。決済・金融サービスのStripeが歴年の資料を公開。21年に50のプラットフォームで67万人に100億ドルの支払いを受けたが、23年には100万人以上、250億ドル以上の収入を得ているとするもの。
Stability AI debuts Stable Audio bringing text to audio generation to the masses
Stability AI、「Stable Audio」技術を発表。テキスト、画像、そして(プログラミングなどの)コード生成に続き、ジェネレーティブAIの新領域は、テキストからのオーディオ生成とのことだ。画像生成と同じ「拡散モデル」を基礎とし、MIDIを超えるアウトプットとする。
テキストによるプロンプトでオーディオを生成するが、歯止めも設けられており、「ビートルズ風楽曲の生成」などは実行しないという。
米著作権当局、生成AI「Midjourney」で制作した優勝作品の著作権保護を拒否
「米著作権局審査委員会は9月5日(現地時間)、生成AIを使って制作された芸術作品の著作権保護を拒否したと、米Reutersが6日、委員会の文書を添えて報じた。対象となったのは、昨年9月にファインアートコンテストで優勝したアーティストのジェイソン・M・アレン氏による作品『Theatre D’opera Spatial』だ」。

——これからAIによる作品の学習、AI作品の著作権保護という両面からの権利問題が次々と生じるだろう。それがどう収束していくか。各国でも事情が異なるので追うのが大変だ。

検索でのグーグル優位は「公正な競争の結果」なのか? まもなく始まる裁判の重要な論点
「原告側の州司法長官らは、グーグルは一般的なオンライン検索で違法に90%のシェアを確立しており、それによって健全な競争があった場合と比較して消費者が不利益を被っていると主張している」。

——近年、米政府がビッグテック相手にいくつかの独禁法違反を問う訴訟を起こしているが、確実な勝訴はMicrosoftのIEをめぐる事案以降生じていないようだ。今回のケースは、IE以上の独占度を示す王国への切り込みとなる。どんな結果になるか。その間に、ジェネレーティブAIの台頭なども影響を及ぼしそうだ。

Ten major trends in news consumption publishers need to be thinking about
英Reuters InstituteのシニアリサーチアソシエイトであるNic Newman氏、講演でメディアが知るべき最新のトレンドを10に整理して説明。
1) ニュースソースとしてのTVと印刷物の役割は激減中、2) シニア層は依然TVを好み、若年層はSNSを好む、3) ニュースソースとしてのFacebookの地位は、ショート動画に取って代わられつつある…などだ。
Briefing: China’s Tencent Debuts AI Model for ChatGPT-Like Apps
【有料購読者向け記事】:
WeChatを運用する中国Tencent、ChatGPTを意識したジェネレーティブAIベースの新製品「Hunyuan」を発表。同社をはじめAlibaba、Baidu、ByteDanceが先陣争い中だが、もちろん最大の不確定要因は当局の壁だ。どうやらその制約を超えたらしい。
Publish 21 Issues to Enter the Top 5% of Newsletter Creators
ニューズレターの「Reletter」、ニューズレター配信サービスのSubstackとLinkedInを調査。この2サービスで、なんと170万ものニューズレターが存在。だが、過去1か月半で更新を行っているのは、その12%に過ぎず、2号を配信したのは35%。5号までは17%、10号は11%にすぎない。
スナップチャット、「無料SNS+広告」の次示すか - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載寄稿が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ スナップチャット、「無料SNS+広告」の次示すか

Disruption This Week—–8/9/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年9月4日から2023年9月8日まで。

How an innovative Armenian platform battles news fatigue with solutions journalism
アルバニアのメディア「Urbanista」は、問題解決に焦点をあてた小規模でニッチなジャーナリズム・プラットフォームだ。この種のソリューションジャーナリズムは世界的に増えつつある。多くのレガシーメディアには、“ニュース疲れ”に抗する動きが生じていないと指摘する記事。
米アルファベット、選挙広告のAI生成コンテンツに情報開示義務付け
「グーグルの親会社、米アルファベットは6日、選挙広告を出す全ての広告主に対し、11月半ば以降、広告に人工知能(AI)が生成したコンテンツが含まれる場合には明確かつ目立つ情報開示文を付記するよう義務付けると発表した」。

——広告主に対するコントロール。問題はUGC(による投稿)の部分だろう。

米ニューズ、AI企業と交渉中 コンテンツ利用巡り=CEO
「トムソンCEOはゴールドマン・サックス主催のテクノロジー会議で、今後AI企業によるメディア企業のコンテンツ利用を巡る訴訟が多発する可能性があるとし、『すでにメディア企業の一角はそうした議論を始めている』と指摘。『個人的には、われわれは現段階ではそうした状況に関心はなく、交渉への関心の方が強い』と語った」。

——カンファレンス上でのNews Corp幹部の発言を捉えた記事のようだ。訴訟より交渉をとるというスタンス。どのAI企業との定型化は明かしていないようだ。

グーグルがAI生成画像に電子透かし、大手テック企業で初
【有料購読者向け記事】:
「シンスID(SynthID)と呼ばれるこのツールは、当初はグーグル・クラウドの機械学習プラットフォームであるバーテックス(Vertex)でホストされているAI画像生成ツール、イメージェン(Imagen)のユーザーのみ利用できる」。

——生成された画像に電子透かしを入れるアプローチ。残念ながら独自製品に組み込むプロプライエタリな動きで、広がるかどうか。さらに言えば、この種の電子透かし開発プロジェクトは数種類あるが、テキストに応用できる見込みは立っていない。

Publisher playbook on how to kickstart your AI strategy
メディア企業は「AIの能力を活用して、プロセスを変革、効率を最大化し、深く刺さるユーザー中心のコンテンツを提供する可能性を得ることができる」。ではそのための阻害因子は何か? 英FTのコンサル企業による調査から3つのポイントから解説する記事。
日本にも「ニュース砂漠」は生じるか 愛媛の港町で民放が打った奇策:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「以前なら、できあがった原稿と映像は自分が所属するテレビ愛媛の本社(松山市)に送っていた。
だが今は、ライバルだった県内の他の民放3局(南海放送、愛媛朝日テレビ、あいテレビ)の本社にも一斉に届ける」。

——重要な試み。ニュース(報道)の健全性維持のためには、取材が完全に1本化されることは必ずしも良くないが、NHKと他局の連合報道というようなスキームは、悪くない。その先にはNHKの報道基盤を公共インフラ化するという発想もあり得る。

Non-news sites expose people to more political content than news sites. Why?
人々は近年、ますます“ニュース忌避”を強めている。とりわけ政治関連報道は嫌われている。米国を含む欧州3か国での調査から、ニュースサイト以外での政治ニュースへの接触が圧倒的に大きいことが判明。たとえばエンタメ、ショッピングサイトでの接触だとする研究が公開された。
「ニュースを盗む」生成AIで検索最適化、それをブランド広告が支える仕組みとは?
「『コンテンツファーム』は、ニューヨーク・タイムズなどのニュース記事を自動収集。生成AIを使って、検索エンジンで上位に表示されるように書き換えさせた上で、無断掲載していた。
盗用記事には主要ブランドの広告が掲載され、それらのサイトを支える仕組みになっている」。

——有名サイトでの報道記事を“学習”し、それを広告収入狙いのサイトで大量にニュース記事として公開する、新手のコンテンツファームの事例。面白いのはどうやってAI生成記事を見つけたかというと、ニセニュース中に生成AIのエラーメッセージがそのまま残存しているのを目安にしたということらしい。

生成AIの自社ルールの作り方 米AP通信の例 「“何をさせないか”を明らかに」
「AP通信は通信社であり、当然ながら生成AIの用途についても、配信する記事を執筆することの支援が中心になると考えられる。発表されたガイダンスも、そのユースケースを前提とした内容に限定されたものだ。しかしそこで示されている注意事項は、他の業界の生成AIユーザーにとっても参考となるものだろう」。

——老舗通信社APが定めたジェネレーティブAIをめぐる「ガイダンス」。小林啓倫氏が詳しく解説している。

Googleによる新たな検索体験。知りたいことを検索すれば生成AIが要約してくれるように
「AIが要約してくれた文章からさらに詳しく聞きたい場合は、追加で聞いてみましょう。
上の動画では『iPhone 15 予想』と検索して、生成AIによるまとめを表示しました。
これまでの聞こえてきたiPhone 15の噂から『新機種のモデル』『予想価格』『新たなProMotionディスプレイ搭載の可能性』などの情報をまとめてくれています」。

——あくまで試行運用と思われるが、“会話型AI検索”の姿が伝わってくる。調べたいことを深掘りしていくには向いていそうだ。一方で、知りたいことを知らない、という利用者にとってセレンディピティを与えるサービスの実装がより一層重要になる。

動画配信、ネット接続型テレビの市場広げる - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ紙に寄稿した記事が、日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 動画配信、ネット接続型テレビの市場広げる。
JEPA|日本電子出版協会  2023年9月19日 藤村厚夫氏: 生成AIとメディアの現在、未来
【ご紹介】:
9月19日、オンラインセミナーで「生成AIとメディアの現在、未来」のお話をいたします。オンラインでどなたでも参加いただけるようです。

Disruption This Week—–4/8/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月31日から2023年8月4日まで。

Briefing: Warner Bros. Discovery Loses Streaming Subscribers, TV Ad Revenue
【有料購読者向け記事】:
Warner Bros. Discovery、第2四半期に、傘下ストリーミング事業MaxとDiscovery+(などを含むコンシューマダイレクト系事業)の購読者が180万人減少。開示された決算報告で明らかに。同分野で300万ドルの損失。同社は広告収入も大きく減らしている。下半期でも、俳優・作家らのストライキも影響し悪い見通しを示す。
打倒「MFA」に向け、 アドテク 業界が臨戦体制。求められるマーケターとの共闘 | DIGIDAY[日本版]
「広告配信という目的のためだけにつくられたサイト(=MFA)が、どれだけの損害を実際に与え得るのか。実際のところ、その損害はかなりのものだ。MFAはユーザー体験を阻害し、コンテンツの価値を毀損し、セキュリティリスクを呼び込む」。

——ジェネレーティブAIが手軽に利用できる段階となり、いまではコンテンツ単体でも、その集合であるサイト単位でも、2000年代初頭に現れた「コンテンツファーム」が効率的に運用できるようになっている。ジェネレーティブAIの商業メディア事業の毀損が語られるようになったが、実は検索狙いのコンテンツファームは20年近い歴史がある。

AIが書いたテキストに“電子透かし”を入れる技術 人に見えない形式で埋め込み 米国チームが開発
「電子透かしは、テキストの品質にほとんど影響を与えず、人間には見えない形式で埋め込める。さらに、言語モデルのAPIやパラメータにアクセスせずにも、効率的なオープンソースのアルゴリズムを使って検出できる」。

——あえて引用しないが(ぜひ一読を)、この研究、読む限りにおいて良いところだらけ。テキスト系に電子透かしの実装は難しいと思っていたのだが。

高まる「GAFA解体論」
その論点と解決策
【有料購読者向け記事】:
「グーグルは検索結果で自社製品を宣伝できるし、アマゾンはアマゾンマーケットプレイスで自社が販売する商品を宣伝できる。アップルはアプリ開発者から30%の手数料を徴収したうえ、アップストア(App Store)以外でのアプリ販売を阻止できる」。

——顕著な寡占化が進んだITサービス。寡占化の原動力は小規模事業者(スタートアップ)の買収に尽きるとする記事。さらに、これら超大手が“無料”でサービスを提供することから、反競争法的視点で「価格の上昇や高止まり」という古典的な現象を生まないからブレーキがかからなかったという。

FacebookのAIアルゴリズムを止めても「政治的分断」は変わらず、そのわけとは?
「同意したユーザーのサンプルを、デフォルトのアルゴリズムではなく、逆時系列のフィードに割り当てた。アルゴリズムによるフィードからユーザーを離脱させると、プラットフォームでの滞在時間と活動が大幅に減少した。時系列フィードは、コンテンツへの接触にも影響を与えた」。

——興味深い研究成果を平和博さんが解説している。今回の検証にはFacebook内部の人間も関わっている(アルゴリズムの悪影響説を払しょくできるかもしれないので、当然だろう)。実験は、アルゴリズムによる「オススメ」フィードと、単純な時系列フィードを(タイムライン)を比較するもの。政治的には有意な差異が生じなかったという。でも、二極化だけが論点ではないのだが。

News copyright theft 'through the roof' as 700,000 articles taken down in six months
英国のコンテンツライセンスおよび著作権保護に関する団体NLA Media Access、2023年の半年間で70万件もの盗用記事を摘発(削除)と報告。22年の3万件から急増。団体は、コンテンツファーム(意図的盗用を行う組織)が活動を活性化している指摘。
出版状況クロニクル183(2023年7月1日~7月31日) - 出版・読書メモランダム
「上半期の出版物推定販売金額は5481億円、前年比8.0%減、書籍は3284億円、同6.9%減、雑誌は2197億円、同9.7%減。
これに高返品率を重ねれば、下半期は最悪の出版状況を招来しかねないところまできているように思われる」。

——真摯な読書人でもない自分が、出版の衰退を嘆くのはスジ違いなので、電子化(読書形態の変化)に興味を持つようにしているのだが、今夏はその方面でも話題が乏しくなっている。他方で、一部の大手出版ではIPビジネスの成果で業績は底堅い。クリエイターとその周辺が持ちこたえることを願う。

How Netflix’s Algorithms and Tech Feed Its Success
【有料購読者向け記事】:
「たまたまエンターテインメントを配信する」テクノロジー企業のNetflix。同社はデータ分析とアルゴリズムに依存したテクノロジー企業という中心的価値をますます磨き上げている。データはストを行う労働者への優位も作り上げるとする詳しい記事。
Art On The Wall - AVC
壁掛け型のフラットディスプレイのTVにNFTアートを表示する仕掛け。米投資家のFred Wilson氏が自宅で試みている。TVを観ていない間は、購入したアートを表示する。ここではソニー製のTVだが、NFTを表示する仕組みを標準装備すべき時期だと同氏は語る。
処理水「偽情報」、AIで防ぐ ネットで検知し反論 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「外務省は2022年に部局横断の偽情報対策の体制をつくり対応している。インターネットやSNSで処理水の偽情報とみられる書き込みをAIが自動検索できるシステムを構築した。関連する単語を学習し、ヒットする語彙を増やしている」。

——「単語を学習」「語彙を増やす」というような点が、あまりインテリジェントな感じがするのは、紹介する記者の理解の問題なのか? それとも“AI”といいつつも、単語集を持って検索をしているシステムに過ぎないのか。

動画配信、ネット接続型テレビの市場広げる - 日本経済新聞
【ご紹介】:
月一連載の記事が日経電子版で公開されました。よろしければどうぞ。➡ 動画配信、ネット接続型テレビの市場広げる

Disruption This Week—–28/7/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月24日から2023年7月28日まで。

As Actors Strike for AI Protections, Netflix Lists $900,000 AI Job
「ハリウッドは、脚本家や俳優に高額を支払う気はないが、AIに対してはその気だ」。米The Intercept_は、Netflixが人材募集でAIプロダクトマネージャに「年収90万ドル」を呈示と報告。ある俳優は、この額で組合に属する35人の俳優とその家族を健康保険に加入させられると皮肉。
メタ増益、Threads収益化焦点 ネット広告底入れの兆し - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「『ウクライナ戦争やロシア事業を中止した影響が軽くなったほか、広告に対する需要が増えて効率が高まった』。メタが26日に開いた決算説明会で、スーザン・リー最高財務責任者(CFO)はこう総括した」。

——「米アルファベットと米メタの2強はそろって増益を確保した」と記事では述べるが、Google(およびYouTube)の復調はMetaほど劇的ではない。その意味で広告の完全復調とは言い得ない。さらにジェネレーティブAI投資は膨大だが収益力には当面結びつきにくい。まだ不透明。

グーグルとマイクロソフト増収増益 生成AIの競争激化、投資を加速:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「アルファベットは主力の広告事業が持ち直し、前期から売り上げの伸びが加速した。売上高は前年同期比7%増の746億ドル(約10.5兆円)、純利益は15%増の184億ドル(約2.6兆円)となった」。

——タイトルだけ見ると、好調ぶりが揺るがないように見えるが、米市場の見立ては異なる。成長が鈍化している事実は両社に共通。だが、Alphabetは広告事業が復調。特にYouTubeは勢いが増している。Microsoftは企業向けやPCが良くない。まだら模様。加えてR&D投資が重くなる。

生成AI「絶対必要な武器」少年ジャンプ+編集長ら期待 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「プロの漫画家が『結構使える』などと言っており、予想より良かった。(今はテキストでしか入力できないが)漫画の設計図であるネームの画像を入れて反応を見てみたい、といった声もある」(少年ジャンプ+編集長・細野修平氏)

——「クリエイターの代わりではなく、ツール」と佐渡島庸平氏。その通りで、産業分野ごとに需要の柔軟性が異なり、マンガではジェネレーティブAIの取り込みが進むのかもしれない。

Facebook頼みに誤算 BuzzFeed News閉鎖を元編集長が語る - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「11年末に創刊したバズフィード・ニュースは、ソーシャル・メディアを基盤にした報道機関を目指した。しかしいくつかの誤算があった。一番の問題はSNSが質の高いジャーナリズムを無料で提供するという事業モデルが成立する構造ではなかったということだ。特に、世界最大のSNSであるフェイスブックはそうだった」。

——BuzzFeed Newsの初代編集長Ben Smith氏への取材記事。歴史を振り返り反省の弁も述べるが、これを巻き戻したところで、正答が見えてくるわけではない。同氏は「ニュースの「届け方」については、まだみんなが『next big thing(次の大きな革新)』を待っているところだ」とするが、そこにヒントが仄見える。自分もnext big thingづくりを考えたい。

Washington Post drives revenue through its subscriber investments

International News Media Association (INMA)

Washington Post drives revenue through its subscriber investments
購読者のエンゲージメント向上が、社業の成長と財務上の成功にとり重要と語る米Washington Postの「ライフサイクル・マーケティング」責任者が語るチャーン(退会)対策の4つの重要ポイント。1) 訪問頻度、2) ニューズレター、3) 知人による紹介、4) 多様なコンテンツ消費だ。
「AIの学習データが底をつく」’2026年問題’の衝撃度とその対策とは?
「チャットGPTのような大規模言語モデル(LLM)の開発には、膨大な学習データが必要だ。
主な収集先はネットだが、使えそうなデータは徐々に使い尽くされ、良質なデータは2026年には底をつくと見られている。
ツイッターは7月初め、利用回数の制限を実施し騒動となった。その引き金になったのも、AIの学習データ収集のためのアクセス集中だったという」。

——平和博さんのまとめ。問題は、“無限”とも形容されているネット上のコンテンツでさえ、人類が築いた文化的資源の一部でしかないことが可視化されたこと。自由にはクロールできない文化の宝庫が、新聞社や図書館などに非デジタルな形式で保存されていることをどう守り、どう活用するのかが重要。

AI, the media, and the lessons of the past

Columbia Journalism Review

AI, the media, and the lessons of the past
OpenAIが米ローカルジャーナリズムを支援する団体(American Journalism Project)に対し1,000万ドルを拠出する提携をすでに紹介した。本記事は、このようなIT側からのアプローチは、MetaやGoogleらか繰り返し起きており、その過去の教訓から学ぶべきと辛辣に語る論評だ。
OpenAIやMetaなどAI大手7社、米連邦政府に「責任あるAI開発」を“自主的に”約束
「米連邦政府は7月21日(現地時間)、AIを手掛ける7社の代表をホワイトハウスに招集し、AIの安全性、セキュリティ、透明性の高い開発に向けた取り組みを支援するため、これらの企業から自主的な取り組みを確保したと発表した。
サイバーセキュリティ対策やコンテンツがAIによって生成されたことをユーザーに示すための透かしへの投資などを約束するものだが、“自主的”なものであり、規制ではないので守れなくても責任は問われない」。

——政府からの働きかけによるわけだ。このままでは、欧州など規制に積極的な国々で一網打尽にされかねないと判断したのだろう。米政府は、AI分野での寡占企業の暴走を抑えたい一方、世界での優位性を維持したい。中国がこの分野でどれほどのポテンシャルを持っているのかも、認識しているはずだ。

AIの報道利用、日経はこう考えます - 日本経済新聞
「AI作成の文章や画像をそのまま公開することはありません。利用する場合は事前の報告、許可、結果の検証、記録、修正がすべての編集メンバーの義務です。取材や業務で知り得た機密情報や個人情報の入力は禁止です。
AIの提案を採用する場合は、その旨を明記します」。

——うっかり本記事の紹介をもらしていた。先週公表されたこの記事は、日経のジェネレーティブAIの利用についてのガイドラインを内外に説明するもので、重要。ITmediaがすでにガイドラインを公表しているが、各社はこのような表明を進めるべきだろう。技術の進展に合わせてバージョンが変わることも、容認されるべきだ。

Disruption This Week—–14/7/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月10日から2023年7月14日まで。

F.T.C. Opens Investigation Into ChatGPT Maker Over Technology’s Potential Harms
【有料購読者向け記事】:
FTC(米連邦取引委員会)、ChatGPTを運用するOpenAIに捜査協力を要請する書簡を送付。書簡には同社がどのようにAIモデルを訓練しているのか、個人データをどのように扱っているのかなど、数十の質問が含まれており、これらへの回答を要請した。
ビッグテック相手の提訴では次々と敗北をしているFTC、今度は成果を上げられるだろうか?
GoogleのチャットAI「Bard」に新機能 回答のシェア、文章の読み上げなど
「AIの回答の下部にあるボタンを押すとシェア用のURLを発行できる。読み上げ機能は回答の右上にあるスピーカーアイコンを押すと利用可能。日本語での読み上げにも対応している」。

——ChatGPTに存在感で遅れをとる、GoogleのBard、使い勝手などの工夫で追い上げてきた。音声入出力がジェネレーティブAIに組み込まれると、日常的な利用の範囲が広がるはずだ。

Exclusive: AP strikes news-sharing and tech deal with OpenAI
AP通信、ChatGPTを運用するOpenAIと提携と発表。契約には、契約の一環として、OpenAIが1985年までさかのぼるAPの記事アーカイブ(の一部)をライセンスし、AIアルゴリズムの訓練に役立てることが含まれると記事は述べる。
メタ「スレッズ」急成長、ツイッターに早くも打撃か
【有料購読者向け記事】:
「調査会社シミラーウェブによれば、スレッズの本格利用が可能になった最初の2日間に、ツイッターのトラフィックは前週同日比で5%減少した。前年比では11%減となった。
さらに、クラウドインフラ企業クラウドフレアのマシュー・プリンス最高経営責任者(CEO)が9日のツイートで、ツイッターのDNSランキングが低下している様子を示したチャートを添えて『ツイッターのトラフィックが激減している』と述べた」。

——いまだに私の古典的な感覚では、“模倣”による成功をよしとしないところがあるが、とはいえ、Twitterのここで受けている打撃は、自ら招いた要素も大きいことは間違いない。

「ニュースの未来はどうなる?」SnapChatがChatGPTを統合したサービス「My AI」。会話を生み出すことができるだけでなく、ニュースを消費する革新的な方法を提供し、Z世代が好む消化しやすい形式で重要な情報を配信すると、My AIとその可能性に期待する記事。
Writing guidelines for the role of AI in your newsroom? Here are some, er, guidelines for that
米Nieman Lab、世界各国21の編集部が定めた、各編集部におけるAIの役割とその表明化についてのガイドラインを収集、その概要をリポートする記事。「OVERSIGHT(監督)」「TRANSPARENCY(透明性)」「BANNED VS. ALLOWED USES(禁止と許可)」「ACCOUNTABILITY AND RESPONSIBILITY(説明責任と責任)」「PRIVACY AND CONFIDENTIALITY(プライバシーと守秘義務)」「CAUTIOUS EXPERIMENTATION(慎重な実験)」…といった、項目だてなども含めて非常に有力な参考となるはずだ。
UUUM、業績予想を下方修正 原因は「YouTubeショートの再生回数の増加」
「『YouTubeショートの再生回数増加に伴い、YouTubeショートを除く動画再生回数が当初の想定を下回る形で推移し、売上高は想定を下回る見通しとなった』(同社)といい、所属するYouTuberの広告収入に影響が出ているとみられる」。

——「ショート」の再生回数増加がどうして収入減になるかというと、(私の理解では)TikTokに始まる短尺動画ブームが、まだ十分なビジネスモデルを創りだせていないということだろう。従来のYouTube動画では、各種の挿入広告のモデルが築かれており、そこに最適化が進んでいたということなのだろう。

How AI will turbocharge misinformation — and what we can do about it
米Axiosの「Tech」担当Ina Fried氏は、AIが引き起こす情報リスクへの対抗策として有効と考えるものを4つあげる。1) 証明(だれが作ったかを証するメタ技術)、2) 規制、3) アルゴリズム(対抗的なAI技術)、そして4) メディアリテラシー(賢い消費者への支援)だ。
「Threads」ユーザー1億人突破 サービス開始から5日
「7月10日午後6時ごろに新規アカウントを作成し、同社が提供する別のSNS『Instagram』との連携機能を使って何番目の登録者か確認したところ、すでに1億人以上のユーザーがいることが分かった」。

——同じ記事の後段では、「10億」突破から収益化を考えたいとするMeta CEOの意向も紹介されている。ちなみに自分はいまだにThreadsを使っていない。Twitterをニュース情報源として利用しているので、Threadsが満たすまでにはまだ時間がかかるだろうと踏んでいるから。

Why Threads Is Bad for the News Business
【有料購読者向け記事】:
米Information創業者Jessica E. Lessin氏、「Threads」について「質の高いニュースは、アルゴリズムがスクロールさせ続けるために何かを提供しようとするモデルではうまく機能しない」と批判的な見解を述べる。
「Facebookアプリが数年前にニュースを軽視したのには理由がある。また、インスタグラムが質の高い報道メディアの大きな紹介元になっていないのも理由がある」とする。良質な報道を体験することと、情報中毒的にスクロールを際限なく行うビジネスモデルとは相性が悪いという視点。
動画配信・AIに揺れるハリウッド - 日本経済新聞
【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。よろしければご一読を。いまやNetflixはクリエイターの憎悪の対象に? ➡ 動画配信・AIに揺れるハリウッド