Disruption This Week—–24/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月20日から2022年6月23日まで。

グーグル・ニュース、スペインで8年ぶり再開
「スペイン政府は昨年、2020年に改定された欧州連合(EU)の著作権規則を法律に移項。メディア企業がハイテク企業と直接交渉できるようにした。
これを受けてグーグルはサービスの再開方針を表明していた」。

——Googleのスペインからの撤退ぶりは歴史に残るものだが、取引スキームができたことで、ようやくサービス再開。同社は「スペインでできるだけ早期にニュースパブリッシャーに対価を支払う仕組み『ニュースショーケース』を始めるとしている」そうだ。

U.S. digital newspaper ad revenue expected to surpass print by 2026
米PwC、米国の新聞社におけるデジタル版広告収入が印刷版を、2026年には追い抜くとの調査を公表。チャートを見れば分かるように、デジタル版広告が急増する楽観シナリオではなく、印刷版の低減によるものだ。調査担当者は、「デジタル化への意欲の差ではない」と述べる。
EU、「偽情報に関する行動規範」改訂版を発表--ディープフェイクなどの抑止を強化
「欧州連合(EU)の欧州委員会は現地時間6月16日、偽情報の流布を食い止めるための規則を全面的に見直した改訂版を発表した。EUが強化したのは「偽情報に関する行動規範」(Code of Practice on Disinformation)で、この規範に署名しながら対策を講じなかった企業は、世界売上高の最大6%にあたる罰金を科せられることになる」。

——重要な動き。そもそも同規範に署名しなければ、罰金を科せられることもないのだろうが、これから逃れることはIT大手にとって、欧州での経済活動に支障があるということだろう。「大手テクノロジー企業では、Meta Platforms、Google、TikTok、Twitterなどがこの規範に署名している」とある。Appleを除く勢力が集合している。

The Washington Post is not selling its software business, despite offers
米Washington Postが外販するクラウド型パブリッシングソフトarc XP。同ソフトウェア事業はすでに数百億ドルの評価を受けているが、同社はいまだ黒字化されていない事業に投資を加速する意思と同社幹部らがコメント。近い将来、同社最大の収入源へと成長すると期待。
【3分解説】なぜ食べログ「敗訴」は大問題なのか?
【有料購読者向け記事】:
「例えば、YouTubeの場合、動画がサイトの上部に表示されるかどうかは再生回数を大きく左右するだろう。クリエイターの収入に直結するため、アルゴリズムの変更は死活問題で、食べログと同様の問題提起がなされてもおかしくない」。

——良い意味でも、そしてそうでない意味においても、アルゴリズムが果たす役割は、現在、ネットを泳ぐために決定的に大きい要素。そのぜひをめぐる判例でもあり、とても重要なケースだ。

「ニセ・誤情報に騙されないために」 総務省がネットリテラシー教材を公開
「総務省は偽情報や誤情報について、メディアリテラシーと情報リテラシーを掛け合わせた『メディア情報リテラシー』の向上が必須とし、各国の政策を調査。有識者と共に教材と効果検証手法を開発した」。

——作成された資料のなかには、「その分野の専門家?」というページもある(サムネールで表示されているページだ)。信頼性を測る指針として、「その情報は、専門知識や必要な資格を持った人が、責任を持って発信しているか?」などをあげている。茶化すつもりはないが、「専門家」「専門知識」を基準にして信頼性を測ることの難しさを感じている自分としては、違和感が強い。

Trends in US news media 2022: Subscriptions, trust, newsletters and more
最近公開されたReuters Institute「Digital News Report 2022」のリポートに関連する話題。調査によれば、ニュースにお金を払う米国人の約56%は、2つ以上のタイトルを購読。全国紙と地方紙の組み合わせが多いが、政治、文化系雑誌を組み合わせるパターンも見られる。
Community building platforms for publishers: Facebook Groups vs. Twitter Communities vs. Discord | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
メディア運営者がコミュニティを運営、強化していくため選択すべきプラットフォームはどれか? Facebookグループ、Twitterコミュニティ、そしてDiscordの利点とマイナス点を実践的に検討する記事。Discordが評価されるが、万人向けではない面もあるとする。
Leaked Audio From 80 Internal TikTok Meetings Shows That US User Data Has Been Repeatedly Accessed From China
米TikTokの複数の社内会議の録音が漏えい。解散する米BuzzFeedによる衝撃のリポート。
「『中国ではすべてが見られている 』と、2021年9月の会議でTikTokの信頼・安全部門のメンバーが発言。別の会議では、ディレクターが北京にいるあるエンジニアを 『マスター管理者』と呼び、『すべてにアクセスできる 』と述べた」。
まさにTrump前大統領がTiktokについて懸念を表明していたとおりの実態が暴露された。
「ニュースを見るのが嫌」38%のユーザーが伝えたい、その切実な本音とは?
「その理由は何か。
最も多かったのは、『政治やコロナの話題が多すぎる』(43%)だ。次いで『ニュースを見ると気分が落ち込む』(36%)、『大量のニュースに疲れる』(29%)、『ニュースは信頼できない・偏向している』(29%)、『論争に関わりたくない』(17%)、『自分にできることは何もないから』(16%)、『時間がない』(14%)、そして『難しすぎて理解できない』(8%)」。

——すでに紹介したReuters Instituteによる調査結果を論じた平 和博氏の論。「ニュース忌避」と自分は呼んでいるが、重視しなければならない現象だ。実はニュースをめぐる両極的な“分断”以上に大きな問題が潜んでいるのではないか。

鼎談「これからのメディアリテラシー教育、そしてメディアについて」第1部~メディアリテラシーの課題をめぐって - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
最近参加したスマートニュースメディア研究所で、メディアリテラシーをめぐる討議を行いました。専門家の方々の議論をモデレートすることできました。よろしければご一読を。➡ 鼎談の第1回

Disruption This Week—–29/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月25日から2022年4月28日まで。

Microsoft says Russia has conducted hundreds of cyberattacks against Ukraine
米Microsoftのデジタルセキュリティチーム、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる20ページにおよぶ特別リポートを公開。ロシアによる実際の軍事侵攻と同期した数々のサイバー攻撃が実施されたことを説明。また、破壊攻撃や世論分断などその目的や意図などを解説する。
Alphabet決算は増収減益、クラウドは好調もYouTube広告が鈍化
「クラウド事業は好調だったが、YouTubeの広告収入が振るわなかった。また、経費が大幅に増加した」。

——予告したとおり、米プラットフォーマ各社の業績が次々と発表されている。引用は、Alphabet(Google)の現況を端的に伝える。クラウド(GCP)の増収のために経費が増えていること、また、根幹の広告は、さすがにAppleのATTの影響が出てきているし、さらにYouTube事業がTikTokに劣後している状況が明らかになろうとしていると理解。

50 ways to make media pay: Other established and emerging ideas | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
メディアおよびジャーナリズム研究のDamian Radcliffe教授が展開している「メディアを有料化する50の手法(アイデア)」シリーズを補足する追加の11アイテム。話題のNFTや慈善基金、読者紹介制、読者のリードジェンなど、新旧アイデアがあげられている。
巨大ITのスマホOS寡占に事前規制 政府が導入検討
【有料購読者向け記事】:
「政府のデジタル市場競争会議(議長・松野博一官房長官)は26日、スマートフォンに搭載する基本ソフト(OS)市場についての中間報告をまとめた。競争を制限しかねない行為をあらかじめ禁止する事前規制を導入する考えを盛り込んだ。事後的に対処する現行の競争政策の枠組みでは、変化の速いデジタル分野に対応しきれない」。

——Apple、Googleらプラットフォームの側も、市場形成や健全な競争関係のアピールに懸命(別途、私が執筆した記事が日経電子版で公開されるはず)だが、これらに対する厳しい見方が、この記事のように規制当局からサードパーティ開発者、そして消費者へと徐々に浸透しつつある。

東大、“世界最高性能”のディープフェイク検出AIを開発 フェイクニュースやポルノなどの悪用根絶に期待
「そこで研究チームは、検出が難しい疑似フェイク画像を生成する『Self-Blended Images』(SBIs)という方法を提案。SBIsで生成した画像を検出AIにフェイク画像として学習させることで、フェイク画像にわずかな不整合があるだけで真贋を判定することを可能にした」。

——もう少し詳しく解説してくれる情報が出るのを待ちたい。ともかく、ニュースとして重要。ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、“ディープフェイク”的なものより“チープフェイク”的なもののほうが多く出現している印象だが、いずれ見破りにくいものが増えてくるはずだ。機械的な検出力によるスピードアップに期待する。

日本企業は「製作委員会」から脱却すべき ディズニーの戦略をみずほ銀行が分析
「レポートは各論と総論の2部構成。第1部の各論では、出版、映画、アニメ、音楽、ゲームの5つのカテゴリにおいて、“競争環境”と“戦略方向性”について考察。
第2部の総論ではそれを踏まえ、日本のコンテンツ産業が“世界で存在感を発揮し続けるため”の提言が盛り込まれている」。

——当該みずほ産業調査のページがPDFでOGPもないため、KAI-YOUの記事をクッションとさせてもらった。みずほのリポート、150ページ近くと大変充実しており資料性が高い。が、その資料のなかに、「Web3」への言及が一度もないというのが少々の驚き。

Elon Musk to Acquire Twitter
Elon Musk氏は、Twitterを人類の未来に不可欠なことがらを議論する言論の場だとし、「新機能による製品の強化、アルゴリズムのオープンソース化による信頼性の向上、スパムボットの撃退、すべての(ボットでなく)人間の認証により、Twitterをこれまで以上に良いものにしたいと考えている」との声明を公表した。“アルゴリズムのオープンソース化”はインパクトのある主張だ。
EU、「デジタルサービス法」で合意--違法コンテンツなど、大手IT企業への規制強化
「『デジタルサービス法』(Digital Services Act:DSA)には、Facebook、Google、Twitterなどの大手サービスがそれぞれのプラットフォームで偽情報の拡散を取り締まることや、アルゴリズムがユーザーにどのようにコンテンツを推奨するかを明らかにすることなどが盛り込まれている。また、子ども向けや、ユーザーの民族性や性的指向に合わせて作成されたターゲティング広告など、プラットフォームで特定の種類の広告を禁止する」。

——短信などで紹介済みのトピックスだが、整理された記事で改めて。

Media Briefing: A Q&A with The Atlantic's Nicholas Thompson
【有料購読者向け記事】:
最近、新CEOを迎え電子版購読路線に邁進する米老舗メディア「The Atlantic」。CEOのNicholas Thompson氏がDigidayのインタビューに答えて購読に関する数々の挑戦、知見を明らかに。最大テーマは、平均25%の退会率を引き下げる取り組みだ。
【解説】ネトフリ急落が暗示する「ストリーミングの未来」
【有料購読者向け記事】:
「もうひとつの懸念材料は、解約率だ。
コンサルティング会社デロイトのケヴィン・ウェストコット副会長によると、視聴者はストリーミングサービスの値上げに警戒心を強めており、お気に入りの番組が終了するとサービスを解約する傾向が強くなっているという」。

——最大の懸念は、良質なコンテンツを取り揃えるためのコストの肥大化、そして解約率の高まりとする記事。
「Netflix」「ストリーミング」の新たな未来を論じているようで、実のところ商売における変わらぬ課題が改めて確認されたのだと聞こえる。

Disruption This Week—–8/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月4日から2022年4月8日まで。

自分だけのオンライン書店を開設できる「BOOKSTORES.jp」をリリース 在庫持たずに必要な分だけ印刷・製本が可能
「簡単な情報入力と商品登録を行うことで、ノーコードで簡単にECサイトを開設なうえ、印刷可能なPDFデータを入稿すれば、受注・印刷製本・決済・発送までをワンストップで任せることができる。サイトへの登録料やシステム利用料など、初期費用や管理費用は0円。売れた分だけ印刷製本を行うPODのため、在庫保管費用などのランニングコストもかからず、コストをかけずに利用を開始することが可能だ」。

——引用箇所を読む限りにおいて、ある筆者が自己出版(KDPのような)をPOD(プリントオンデマンド)で出版し、自ら販売(EC)できる仕組みと読める。PODかどうか別として、自分だったら、もちろん自分の書物を売りたい気持ちと同じくらい、自分の選書で良書を合わせて販売し、アフィリエイト収入が得られる……というのが希望。キュレーション能力とプレゼンテーション能力のいずれもが求められ、難易度は高いが。

New York Times top editor says he wants newsroom to tweet less
米New York Timesの編集トップDean Baquet氏、同社編集者、記者らにTwitterなどSNSへの投稿を「有意義に減らす」よう指示。投稿が(過ぎれば)エコーチェンバーを引き起こし、ジャーナリズムに害を及ぼすとする。同社記者らがたびたびSNSで悶着に関わることも念頭にしての発言のようだ。
Bloomberg Looks To Subscription Revenue For The Stability That Advertising Can’t Provide | AdExchanger
近年購読者収入の拡大に成功しているBloomberg Media。3年半前に導入したペイウォールで37万人の購読者を獲得(10万人近くが2021年に)。同社は動的ペイウォールを採用。「そのユーザが最終的に購読するまでに、どれくらいの時間コンテンツを試したいかに基づき、ユーザごとに変化させている」と同社CDO(最高デジタル責任者)は語る。
Twitter、“編集ボタン”のテストを始めると正式ツイート
「Twitterでは一度ツイートすると、誤字脱字があっても修正できない。Twitterがこれまで一貫として編集機能の追加を否定してきたのは、ツイートが拡散されてから内容を大きく変えて悪用する可能性を懸念してのことだ」。

——イーロン・マスク氏による影響かどうかはさておき。個人的には有償サービスとしても欲しいと思っていた機能がようやく。引用にもあるように、その悪い影響も考えられるようだが、それはFacebook(では投稿後の編集機能がある)でも同じこと。修正履歴を表示すればいい。毎朝眠い目をこすりながら誤記の多い投稿をしてしまっている自分には期待の改修。

ユーザビリティの時代とUXの時代(1)
「ユーザビリティのなかでも、ノーマン(=D. A. ノーマン博士)が叫んだような『わかりにくさ』や『理解しにくさ』が高齢者にとって問題となっていたのは、せいぜい2010年頃までのことであり、それ以降の高齢者は『わかりにくさ』や『理解しにくさ』で困惑することは徐々に減ってきているのだと思う」。

——興味深い議論。ポイントは、ユーザビリティは機能上の欠如につながっていて、UXはその逆でプラスアルファの価値を形成すると読める点。高齢者にとってのユーザビリティ改善を主眼とする時代は終わったということ。

Plex wants to be the first TV app you open every day
複数のストリーミングサービスを横断するユニバーサル検索とユニバーサルウォッチリストに加え、Netflixやその他のサービスの新着作品を紹介し、そこから視聴できるという“夢のような”アプリ「Plex」が、すでに月間アクティブユーザ数1,300万人に到達とする記事。重要な背後の文脈としては、購読無料で広告付きの無数のストリーミングに対する“玄関(ポータル)”が必要とされるフェーズに市場が変化しているということ。
Substack makes a pitch for your podcasts
ニューズレター(メルマガ)配信のSubstackが、ポッドキャスト配信の取り組みを開始。Patreon(アーティストらの支援プラットフォーム)を通じて配信中だった3種のポッドキャストをSubstackがホストすると発表。同社は音声配信機能を開発中だった。
Substackがこの種の展開に成功するかどうかは分からないが、ポッドキャストでは、そのコンテンツをどうユーザに発見してもらうか(ディスカバリー)と、どう収益化するか(マネタイゼーション)が課題だった。これへの回答が今後は活性化しそうだ。
Linkedin news team grows in size to nearly 200 worldwide
ビジネスSNSのLinkedInが、編集系業務に携わる編集者を全世界80の業務で計200名近くを採用へ。LinkedInでは、メンバーによる投稿のチェック、ニューズレターの配信などを行っており、質の高い情報、議論を促す目的だとする。
Russia’s Bucha “Facts” Versus the Evidence - bellingcat
ウクライナの首都近郊ブチャで、ロシア軍が行ったとする民間人への虐殺行為を、OSint(オープンソース調査報道)活動を続けるBellingcatがデータを詳細に分析。屍体の位置と時間を確定し撤収後に(屍体を)配置との説、さらに「屍体が動いた」とする露側反論を、ビデオの解析を通じて完璧に論破したと、主宰者Eliot Higgins氏が解説する。
ゼロパーティデータ 、なぜいま バズワード となったのか?: Cookie 終焉を目前にブランドや小売業者の利用が加速 | DIGIDAY[日本版]
「ゼロパーティデータという用語は、2017年にフォレスター(Forrester)によって広く知られるようになったもので、顧客が購入を行う前に、まったく自発的に提供するデータを意味する。この用語は、eコマースブランドがサードパーティデータへの依存を減らそうと試みるにつれ、さらによく使われるようになった」。

——ユーザをめぐるプライバシーデータの追跡に対して、禁止や制限の動きが高まってきている。その大規模な収集と利用を可能にするサードパーティデータの活用が制限される一方、ユーザ自らが購読や購買体験を高めるために、自身のデータを提供する流れや手法に注目が集まってきている。

新しいGoogleアナリティクス「GA4」、変化とその価値 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。メディア運営の実務に携わる方には必読。Googleアナリティクスのアップデート版「GA4」について、専門家が分かりやすくかつ詳細に解説します。

Disruption This Week—–25/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月22日から2022年3月25日まで。

【解説】4月に法改正、なぜ「個人情報保護法」は重要なのか?
【有料購読者向け記事】:
「(改正個人情報保護法の)変更点のなかでも、特に影響が大きいのは、以下の3点だとIT分野に強い三浦法律事務所の尾西祥平弁護士は指摘する。
①『仮名加工情報』の新設
②『個人関連情報』の新設
③『不適正な方法による個人情報の利用』の禁止」

——国内外の情勢から、国内法の改正ポイントまでよく整理された記事。

Google、アプリ外部決済容認へ Spotifyが世界各地で
「グーグルとスポティファイが23日に発表した。グーグルはアプリ配信サービス『グーグルプレー』で試験的なプログラムを立ち上げ、消費者が同社の決済システムと外部のシステムを比較して選べるようにする。第1弾としてスポティファイと組み、同社が年内にアプリを改修する。サービスの料金が安くなる可能性がある」。

——Apple、そしてGoogleのアプリストアでの独占的地位に対する各国の目が厳しくなっている。これまで非大手アプリ開発者からの徴収率を下げるなどのポーズを採ってきたが、より一段対応をすることになったようだ。
ポイントは「(ユーザにとり)サービスの料金が安くなる」のか?(その理由は?)と、Appleが同様の措置をとるのか? ということだ。

【POD特集】対談 紙とデジタル、ブロックチェーンをつなぐプラットフォームとして期待 - 文化通信デジタル
岡本幸憲代氏:
「たとえば既存の出版ビジネスのやり方だけだと縮小していても、新しいフォーマットで提供すると市場が拡大することがある。PODをやればとりこめるとか、また、グローバルに広げたり、業際的に広げたりすればとりこめる市場がたくさん見えるようになっている」。

——POD(オンデマンド印刷)の市場性とその進化の行方をめぐる刺激的な議論。IP(コンテンツ資産)のデジタルを介した有効利用へとつながる道筋を、理屈だけなく実践している人々の議論として有益。

BuzzFeed investors have pushed CEO Jonah Peretti to shut down entire newsroom, sources say
米BuzzFeedが、2021年通期および第4四半期業績を開示。同時に、赤字とされてきた報道部門BuzzFeed Newsの「黒字化のための施策」を発表。これには過去のHuffPost買収と同様、編集スタッフ30名(100名中)の依願退職などが含まれるとの情報がある。
決算内容は、通期売上が前年同期比24%増の約4億ドル。また、純利益は同比倍増の約2,600万ドルだった。
見かけ上悪い数字ではないが、買収等の一時的寄与があったかもしれない。主要株主からは不採算部門(BuzzFeed News)の閉鎖を求める声が高まっていたとも記事は報じている。
Discord(ディスコード)の始め方──初心者のためのWIREDガイド
【全文閲読には要購読】:
「ボイスチャンネルは通常、チャンネルパネルの下の方にある(見えない場合はスクロールしよう)。ボイスチャンネルには小さなスピーカーのアイコンがついている。ただし! これらのボイスチャンネルをクリックまたはタップすると即座にボイスチャットに接続されるので注意しよう」。

——趣味、嗜好が近い人々が和気あいあいとコミュニケーションできるDiscord。それ自体で巨大なコミュニケーションメディアとも言えるが、同時に副次的にコミュニティを組織していきたい場合にも使える。これからメディアでの活用が進むだろうDiscordを知るための良いテキスト。

How the FT got to 1M digital subscribers: Q&A with commercial chief Jon Slade
デジタル購読者が100万人に達し、総収入の約半分がデジタル購読で構成される英Financial Times。そのペイウォール路線成功の秘密とこれからを、同社CMOが語る記事。
成功への近道は、全社の各部門の行動に影響を与える共通の目標を持つこと。同社はそれを「読者エンゲージメント」とし、スコア化した。
「私たちは6年前に、読者のエンゲージメントを測定する非常に具体的な方法を確立した。消費されたコンテンツの頻度、頻度、量の組み合わせだ。その結果、スコアが加算される。購読者一人ひとりに、個別のエンゲージメント・スコアが設定されている」のだという。
TV, merchant media and the unbundling of advertising — Benedict Evans
投資家Benedict Evans氏の射程の深い論考。
TVは有料ケーブル購読者数を1/3にまで減らした。一方、ストリーミング市場は新たにターゲティング可能な無料ストリーミング市場を拡大。そしてAmazonはすでにYouTube以上の広告事業者へと成長中。これらはこれまでのマーケティング概念の変貌を意味することに。
Overlays: How journalists can avoid amplifying misinformation in their stories
さまざまな誤報を指摘する際、そのリンクやビジュアルをそのままに扱えば、かえって誤報を広げてしまう結果となる。誤報を指摘する際に、いかにして不用意な拡散効果を生じないように行うか。First Draftがそのための技法である「オーバーレイ」をジャーナリスト向けに解説した記事。
Cord cutting is sending TV networks to the cloud
少数によるレッドオーシャン化が進む動画配信(ストリーミング)市場で顕著となってきた、新たな破壊的なトレンド。それは広告表示ありの無料ストリーミング。そこで放送局がもつコンテンツ資産を簡単にストリーミング化するB2Bの新興クラウドサービスが立ち上がりつつあるとする記事。
ツイッター、スペースの聴きどころ30秒を共有するクリッピングツールをiOSで限定テスト中 | TechCrunch Japan
「iOS版の一部のホストは、録音したスペースから30秒間のオーディオを切り取って、Twitter上で他のユーザーと共有することができるようになった。iOSのすべてのユーザーは現在、タイムライン上でクリップを見たり聴いたりすることができ、Androidとウェブ版のユーザーは、まもなくアクセスできるようになる」。

——徐々に知名度(利用)が広がるTwitterのオーディオ機能「スペース」についての取り組み。音声コンテンツにはさまざまな効能があるが、弱点にその一覧性が低く、多くの人々へ魅力ある個店津を知らせる機能に欠けること。その一部を簡単に切り出して他人に共有できるとなると、その悩み解消に向けて前進するはず。

「ロシア機がキエフ上空で編隊飛行」ウソ情報、男性は「条件反射的にリツイート」 : 国際 : ニュース
【ご紹介】:
私が参加するファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)では、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる真偽不明な情報を収集し検証した情報の告知を行っています。

Disruption This Week—–18/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月12日から2022年3月18日まで。

Spotify job ads calling for Web3 expertise hint at the streaming giant's NFT ambitions
音楽ストリーミングとポッドキャストのSpotify、Web3に向けて採用意欲。同社が求人広告で少数ながらNFTをはじめとするWeb3関連のシニアマネージャ職の採用に乗り出したことが判明。
How WordPress and Tumblr are keeping the internet weird
Web2.0世代ながら、大手SNSのような集権化に抗し断固として分散型企業を推進するAutomattic社。CEOのMatt Mullenweg氏に率いられた同社は、全世界のWebサイトCMSのやがて8割を支えると見られるWordPressなどを運営する。ユニークなCEOの戦略を聞く長尺インタビュー。CEOいわく、同社は「デジタルのバークシャーハザウェイ(ウォーレン・バフェット率いる投資会社)」だとする点、世界95か国に従業員を分散的に雇用していることなど、テックより独特の組織論に惹かれる記事だ。
ウクライナ侵攻巡るフェイク情報、国が分析強化 国家関与なら警告表示
「家の関与が疑われる偽情報については政府が注意喚起や警告表示をできるようにすることや、安全保障の観点から国として偽情報を分析する仕組みを構築することを『検討すべきだ』とした」。

——現状認識については首肯できる点が多いが、国が偽情報対策をリードすべきというコンセプトに関しては、注意したい。社会全体で取り組むことは必要だが、かの国で起きているのは、国が国営メディアを駆使してプロパガンダしている事実も忘れてはならない。「ベリングキャット」の成果を引き合いに出しているが、これ、国が取り組んだこと?

豪のスタートアップ企業Linktreeが13億ドルもの評価で大型資金調達。同社の「Link-in-bio」はいわば“クリエイターの名刺”サービスだ。各プラットフォームに散在する作品や投稿をまとめてリンクする。物販のShopifyとも連携できる。クリエイターエコノミー時代の産物といえる。
ロシア「報道の壁」に立ち向かう市民、ネット広告も駆使
「ロンドン在住のマーケティング・コミュニケーションの専門家であるロブ・ブラッキーは、ウクライナ紛争に関して、ロシア人読者を独立系ロシア語ニュースサイトへと誘導するターゲティング広告を配信するために、クラウドファンディングで資金を集めている」。

——ロシア国内の人々に、西側で共有されている報道をなんとか送り込もうとする努力が数々行われている。すでに紹介したように、短波放送など古典的な手法から、SMSを使ってランダムにショートメッセージを送る、放送システムをハッキングする、ロシア国内のIPからアクセスを強制的にリダイレクトする…など。さらに、ここで紹介されているのは、ターゲティング広告の仕組みを使ってメッセージを表示することなど。こう考えると、西側の巨大プラットフォーマは単にロシア国内での活動を停止すればいいというわけでもない。

Streaming boom propels movie industry's pandemic recovery
世界映画著作権協会(MPA)によると、動画配信(ストリミーング)の成長と劇場映画市場の回復で、2021年のデジタルおよび劇場用映画の市場は、新型コロナ前の規模をついに上回る約997億ドルに達した。とりわけデジタルは市場全体の7割強へと躍進した。分かりやすいチャートが記事中に示されている。

PIVOTが経済コンテンツ・アプリを始動、記事連載と映像番組一挙100コンテンツ配信開始

プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

PIVOTが経済コンテンツ・アプリを始動、記事連載と映像番組一挙100コンテンツ配信開始
「当初3月1日に予定していたローンチを延ばし、約2週間かけて世界中の知性15名にインタビューを実施。各分野の専門家と、歴史的な出来事を深く読み解きながら、世界や日本の未来への示唆を導き出します」。

——新しいタイプのビジネスメディア「PIVOT」が誕生。動画、テキスト両面で新分野を狙う。まずはそのテーストを味わいながら、今後はユーザに対してどのようにコンテンツの発見を促していくのか、その届け方にも関心。

Two years of information chaos
「misinformation(誤報)」と「disinformation(偽情報)」をめぐるTwitter上の投稿を分析してきた米SNS分析企業のZignal Labs、2019年からの推移を整理。現在は、ロシア侵攻をめぐり2020年大統領選時に迫る広がりとなっている。
【解説】ツイッターが目指す「分散型SNS」とは何か
【有料購読者向け記事】:
「同社は現在、SNSにオープンプロトコルを構築するための独立したプロジェクトに資金を提供している。さらに、ツイッター上で暗号通貨を利用可能にし、開発者がカスタム機能を構築できるようにもしている」。

——10年も前に、Twitter社内にはその仕組みをオープンプロトコル化しようという構想が存在していたという。そしていま、そのプロジェクトが息を吹きかえしているのだとするNew York Timesmによる刺激的なリポート。うまく実装が進めば、ユーザはアルゴリズムによるお仕着せのものでない表示を、選択したりもできるようになる。

「会員制」が雑誌の生存戦略に
【有料購読者向け記事】:
「17年から(生活情報誌「ハルメク」)編集長の山岡朝子氏は『定期購読制の強みは会員と直接つながれること。ニーズを詳しく把握できる』という。同年以来、月間販売部数は約3倍に伸びた」。

——「毎月1000人の読者に記事の閲読や評価に関するアンケートを実施。結果は年齢別・購読歴別などで分析され、記事の企画に生かす」というのだ。記事ではこの「ハルメク」だけでなく、「子供の科学」や文芸誌「メフィスト」などを紹介する。

コマースでメディアの可能性を拓く——「ポストCookie時代」のメディア① - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。ポスト・クッキー時代、メディアビジネスはどう事業を広げていくか。メディアジーンおよびクラシコムのキーパーソンお二人に取材しました。
ハックされる民主主義
【ご紹介】:
共同執筆した書籍が発売されました。書店などで手にとっていただければ嬉しいです。

監査法人トーマツに自己粉飾疑惑 - 監査法人トーマツに自己粉飾疑惑
【ご紹介】:
「デロイトグループの監査法人トーマツは、3000社を超える企業を顧客に持つ4大監査法人の一つだ。監査すべき立場の法人が、自己の決算で粉飾した疑惑があるという」。山口義正記者とSlowNewsによるスクープが掲載されました。