Disruption This Week—–17/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年5月13日から2024年5月17日まで。

What’s on TV? For Many Americans, It’s Now YouTube
【有料購読者向け記事】:
先月に行われた米Nielsenの調査によれば、米国の視聴者10%近く(視聴時間)がYouTubeに。コネクティッドTVの普及度合いが進展か。
グーグルが「Astra」発表、AIアシスタントからエージェントへ
「ユーザーがスマホのカメラとスマートグラスを物に向け、それが何か説明するようAstraに求めた。デバイスを窓の外に向け、『ここはどこだと思いますか』と尋ねると、AIシステムはロンドンのキングスクロス、つまりグーグル・ディープマインドの本社所在地だと特定した」。

——OpenAIが発表し話題となっている「GPT-4o」に相当するGoogleの新製品(開発中だが)が「Astra(アストラ)」だ。「リアルタイムで動作するマルチモーダルAI(音声、映像、テキストなど複数の種類の入力を処理できるAI)」の試みで、私もたびたび言及してきた「AIアシスタント」を実現する上でのOSのようなものになる。

News publishers sound alarm on Google’s new AI-infused search, warn of ‘catastrophic’ impacts | CNN Business
Googleの「AI Overview」の発表に、さっそくメディア業界からの反応。
「表面的には便利に聞こえるかもしれないが、すでにトラフィックの急減に苦しんでいるニュースパブリッシャーの多くにとって、この検索エクスペリエンスの刷新は、読者数のさらなる減少を引き起こし、読者と収益を奪う可能性がある」。
Netflix ad-supported tier has 40 million monthly users, nearly double previous count
米Netflix、安価な広告表示付きプランのMAUが全世界で4,000万人に達し、1月の2,300万人からほぼ倍増と公表。Netflixの総加入者数は現在2億7000万人となった。同社はまた、独自のアドサーバを構築、この分野でのMicrosoftとの提携を打ち切った。
【コラム】GPT-4oはセクシーな声で誘惑、ユーザーに覚悟は-オルソン
「サンフランシスコ本社で行われたライブデモでは、代数の問題を手伝っている人にAIが突然『まあ、とてもおしゃれな服を着ているのね』と話しかけ、聴衆を驚かせた。このイベントに出席していたブルームバーグ・ニュースは、この声は『気を引こうとしている感じ』だったという」。

——いずれ、AIが利用者にエモい働きかけをするのを抑止する法制が求められることになるだろう。冗談でなく。

Google、AI関連事業を担うDeepMind CEOのDemis Hassabis氏が「Google I/O」で講演。注目される新たなタイプの電子透かし「SynthID」について発表。画像・動画に加えてテキスト、そして音声にも適用可能と述べる。
Music in the Air: Focus on monetisation, emerging markets and AI; updating global music industry forecasts
米Goldman Sachs、ストリーミングを中核にした世界の音楽産業を巡る各種データをアップデートした「Music in the Air 2024」を公表。50ページ近いPDFを参照できる。それによると2023年は業界にとって大転換期だったという。値上げ・ジェネレーティブAI・ロイヤルティ支払い構造の近代化が要因だという。
AIを駆使して「ガザ攻撃」の実態を暴く、ピュリツァー受賞ジャーナリズムの新たな手法とは?
「AIを活用した報道は、2024年のピュリツァー賞最終候補45件中でも5件、1割超に上る。
見えていなかった現実を、AIを活用したジャーナリズムで明らかにする。その新たな手法とは?」

——平和博さんのポスト。ガザでのイスラエルによるハマス攻撃が、住民の安全を脅かすにたるほどのものであることを分析、そして米シカゴで、警察発表とは異なる犯罪捜査の内実を警察の内部文書の解析で判明。ピュリツァー賞受賞作が、AIを活用したジャーナリズムのありようを示した。

オープンAI、新たな旗艦AIモデル発表-「GPT-4O」
「同社によれば、口頭で質問すれば、システムは数ミリ秒で音声で返答することができ、より流動的な会話を可能にする。同様に、システムに画像プロンプトを与えると、画像で応答することができる。
システムに話しかければ、わずかミリ秒で音声で返答し、流れるような会話が可能になると、オープンAIは説明」。

——OpenAIが、“ライバル”のGoogleがプライベートイベントで製品発表を行うGoogle I/O(5/15開催予定)の直前に、自社製品の進ちょくをアピール。専門メディアが予測していたとおり、音声・映像をリアルタイムに認識し、リアルタイムに返答できるチャットボット機能「GPT-4o」を発表。

Russian network found using genAI to spread disinformation
【有料購読者向け記事】:
ロシアの影響工作組織「CopyCop」が、ジェネレーティブAIを用いて西側の主要メディア(たとえばBBC)のニセドメインを作成し、イスラエル・ハマス紛争についての不和を煽り、ウクライナへの支援を弱めるための情報を拡散していると研究者が指摘している。
AI is disrupting the local news industry. Will it unlock growth or be an existential threat? - Poynter
米Northwestern大のメディル・ローカルニュース・イニシアティブ、AIがジャーナリズム、特にローカルニュースにどのようなインパクをともたらすか研究した「Impact of AI on Local News Models」を公開。当然ながらプラスとマイナスを冷静に評価。PDFをダウンロードできる。
スマートニュース、「SmartNews for docomo」をリリース 広告配信も開始
【ご紹介】:
「スマートニュースは、ドコモのAndroid端末向けにニュースアプリ『SmartNews for docomo』をリリースし、アプリ内広告配信を開始した。
…同アプリでは、SmartNewsアプリと同様にコンテンツと広告を配信する。リーチやクリック、ウェブコンバージョンを目的とした運用型広告Standard Adsの配信となる」。

Disruption This Week—–10/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月30日から2024年5月10日まで。

Leaked Deck Reveals OpenAI's Pitch on Publisher Partnerships
米Adweek、OpenAIがメディアとの提携スキーム(メディアがコンテンツのAI学習を許可し、代わって対価を得る)を解説した提案書「Preferred Publishers Program」をスクープ。金額など具体的な表示はないが、全体像は見える。OpenAI側はそれは「古い情報」だとコメントしている。
Facebook's referral traffic for publishers down 50% in 12 months
2018年からChartbeatが追跡している792のニュースメディアのサイトへのFacebookからの流入トラフィックを集計すると、2018年3月の13億件から先月の5億6100万件と、過去6年間で58%もの急減。さらにこの1年間では50%減だった。

2024 Edelman Trust Barometer

エデルマン・ジャパン

2024 Edelman Trust Barometer
「日本では特に、ジャーナリストや記者への信頼が欠如している」(ダウンロード可能なPDF資料から)
——2024エデルマン・トラストバロメーター
AI動向の年次調査レポート「2024 AI Index Report」公開 スタンフォード大研究所
【全文閲覧には要購読】:
「スタンフォード大学の研究所は、AI動向をまとめた最新の年次調査レポート『2024 AI Index Report』を公開した。生成AIのトレーニングコストに関する新たな推定値、責任あるAIの展望に関する詳細な分析などを報告している」。

——一度紹介済みだが、改めて。スタンフォード大の詳細を究めたAIトレンドの調査リポート。記事は無料購読者への限定記事だが、原文PDFはだれでも入手できる。

ニュースレターで解決できる? AIの脅威、トラフィックの減少、ファーストパーティデータの蓄積 | DIGIDAY[日本版]
「ソーシャル・プラットフォームへの依存度は下がっている。今後は検索への依存度も下がるだろう。(中略)私たちは、最も忠実なオーディエンスといえるニュースレターのオーディエンスをしっかりとケアし、自社で多くをコントロールできるプラットフォームに対応しなければならない」。

——Webでの閲読体験は下がる一方だ。サーフィンならいざ知らず、“好みのメディア”を決め打ちで読むのなら、ニューズレター(メルマガ)が重要な選択肢になる。配信するメディアからすれば、購読制への架け橋としての役割を期待できる。
記事はニューズレターに力を入れるメディアの動向と、その意図を解説するもの。ただし、この種の取り組みはもはやWebサイトの副産物の域を脱して手間ヒマのかかる取り組みでもあるのだが。

「ガザ攻撃」大学デモに介入、工作ネット「ドッペルゲンガー」「スパモフラージュ」の影響力とは?
「米国内では、イスラエルによるガザ攻撃を巡って大学での抗議デモが急速に拡大する。そんな中で、ロシアや中国などの影響工作ネットワークや政府当局者のアカウントから、社会の混乱や世論の分断を強調する発信が行われ、拡散されているという」。

——ロシア系影響力工作組織である「ドッペルゲンガー」、中国系組織の「スパモフラージュ」の活動がわかりやすく描かれた興味深いリポート。

Small newsrooms won big in the 2024 Pulitzers - Poynter
米報道関係者に与えられるアワードである「ピューリッツァー賞」の2024年版が発表。記事が紹介するように、今年の特徴(の一つ)は、中小・新興メディアの受賞だ。Lookout Santa Cruz、Invisible Institute、そしてCity Bureauがその代表だ。各メディアへの取材、コメントが読める記事。
テイラー・スウィフトの「AIクローン」、ティックトックが排除約束
「動画共有アプリ『TikTok(ティックトック)』は音楽レーベル最大手ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)と結んだ新たな契約で、人工知能(AI)が生成した未承認の音楽をプラットフォームから削除することに同意した」。

——政府などが求めるより、スウィフトが求める方がよっぽどニセ情報対策に進展がありそうな雰囲気。

X launches Stories, delivering news summarized by Grok AI | TechCrunch
X(旧Twitter)、話題になっているニューストピックスの要約を表示する機能「Stories」を提供開始(日本では未定?)。有料版購読者向けの限定機能。オリジナルソースではなく、同社の「Grok AI」がX上の投稿を読み取り、要約を行う仕組みだという。
小学館やJIC、AI翻訳で漫画5万点輸出へ スタートアップに29億円出資 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「漫画の文字部分をAIが画像分析で読み取り、英語や中国語などの言語に翻訳する。漫画の翻訳に特化しているため、ギャグ漫画などの特有の言い回しにも対応が可能だ。
オレンジは国内の複数の出版社と連携して作品を翻訳する」。

——良い試みだと思う。が、ジェネレーティブAIの活用はどうなのだろう? いずれかのLLMと連携するなどしていっきに多言語化を進めるなど“その先”もめざしてほしい。

What's next for The Atlantic after reaching profitability and 1m subscribers
黒字化と購読者100万人を達成した、創業170年近い老舗メディアの米「Atlantic」。WIRED編集長からAtlanticのCEOに転進したNicholas Thompson氏が語る躍進の秘訣は「われわれには大成功だが、他の多くの出版社では成功しないだろう。たまたま今がうまくいっているだけ」と控えめ。
興味深いポイントをいくつか開示しているが、最大のものは、「少なめの記事で、多くの人びとの話題となる」ことを編集ポイントとし、それがビジネスのポイントでもあるとしていることか。
Curio raises funds for Rio, an 'AI news anchor' in an app | TechCrunch
AIを使った音声ニュースのスタートアップである英Curio社、Bloomberg、WSJ、FT、そしてWaPoなどの著名紙の最新の記事見出しをスキャン、その記事の音声要約版をキュレーションする技術「Rio」に出資。
SMPP調査レポート① 日本では、イデオロギー的傾向を超えて、マスメディアへの信頼度が高い - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
私も業務上関与しているスマートニュース メディア研究所。昨年11月に発表した「第1回スマートニュース・メディア価値観全国調査(SMPP調査)」の成果を次々記事化しています。本記事は、調査で分かった人びととメディア、その接触のありようをまとめたものです。

Disruption This Week—–19/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月15日から2024年4月19日まで。

メディア業界を揺るがす、Forbesによる MFA サイト運営問題。プレミアムパブリッシャーに向けられる懐疑の目 | DIGIDAY[日本版]
「クライアントの広告が何年ものあいだ、効果測定企業、DSP、SSP、さらにはエージェンシー自体によっても検出されずにこのサブドメインに表示していたという事実こそ最大の脅威であり、ドメインなりすましを検出するための機能とレポート結果に大きなギャップが存在することを明らかにしている」。

——先日紹介した米Forbesの広告用インプ稼ぎに用いられていたらしいサブドメイン問題。“広告テクノロジー”というようなハイテク手法でもないが、機械による計測に任せているだけでは、広告主側にはなにが起きているかも分からない。また、何が起きていても、さして問題でもなかったのかもしれない。エージェントが介在していただろうが、広告をめぐるモラルハザードをあらわすエピソードだろう。

Newsweek is making generative AI a fixture in its newsroom
約90年の歴史をもつ米NEWSWEEK。同メディア編集部はAI利用について非常に積極的。記事には「方針と基準」へのリンクが設けられ、AI利用についても開示。人が関与するのを前提に、編集部が「執筆、調査、編集、その他のジャーナリズムの中核的機能」でAIを使用する許可与える。
続々と課金制を施行するメディアが増えるなか、そのコンバージョン率を上げることが最初の課題となる。その点で、固定的なペイウォールをダイナミックモデルにするのが有望視されるが、その6つのアプローチを事例で解説する記事。
AI Index Report 2024 – Artificial Intelligence Index
米Stanford大のAI研究所、「AI Index Report 2024」(第7回)を公開。10のポイントを呈示。「1. AIは一部のタスクでは人間に勝るが、すべてのタスクで勝てるわけではない」「7. データあり:AIは労働者の生産性を高め、より質の高い仕事をもたらす」など。興味深い論点を網羅。
Two new books are essential reading for anyone considering a news startup - Poynter
ニュースメディアで起業を検討する人々に必読の2冊の新刊書。ひとつは、起業家たちの物語。もうひとつは、進化するメディアの状況におけるツール、テクニック、トレンドに焦点を当てたもの。米メディアPoynter.が紹介する。
Meta、著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みを説明
「Metaは人による広告の審査と、自動検知を組み合わせて運用中。審査チームには、日本語や日本の文化的背景、ニュアンスを理解する人員も含まれているという。『最新の傾向を把握することで新たな脅威に備えることができるよう、今後も取り組みを続けてまいります』」。

——話題になっている“有名人(を騙る)詐欺広告”問題への対処策。「日本語がわかるスタッフも(多少は)含まれている」辺りから取り組み強化が必要そうだ。まだAIにはそこまでの実務能力はないということか。

アングル:メタのニュース配信停止、政治分野で高まる情報操作リスク
「調査の一つに関わったマギル大学メディアセンターのディレクター、テイラー・オーウェン氏は『政治グループで話題になるニュースが、ミームに取って代わられつつある。われわれのフィードではかつて、ジャーナリズムや真実の情報が常に流れ、信頼感の印となっていたが、それが消えてしまった』と話した」。

——Facebookが(報道メディアのへの支払を嫌って)報道メディアの記事リンクの投稿抑止する動きの結果、政治的、党派的な偏りのある投稿が減るどころか、もっと怪しい言説が増えてしまったという調査結果が報じられている。

Oh look at that! Now Google is using AI to answer search queries.
Googleは、通常の検索結果にAIが生成した回答をひそかにテスト中だ。これは「AI Overviews」と命名されており、米英両国で約1か月前に始まった。同社は、回答が複雑(だが回答可能)と思われる通常の検索クエリに対して、自己生成のOverviewsをテストしているのだという。自らの牙城を崩すかもしれない試行に、同社は大変に慎重な扱いをしているようだ。
最長で禁固20年「フェイクニュース法」がニュースを脅かす、その本当の理由とは?
「世界31カ国32件の『フェイクニュース法』を調査したところ、対策の効果よりも、政府による濫用のリスクが際立ったという。
大きな原因は、そもそも『フェイクニュース』とは何かが、はっきりしないことだ」。

——32件の法律・法案の分析から見えた特徴の1つは、大半が規制対象としている「フェイクニュース」について、明確な定義をしていないという。各国が大きな選挙を控えて、偽・誤情報対策に乗り出しているが、法制化には、国家権力による恣意的な運用を行いやすい下地づくりという側面がついて回る。

Google blocking links to California news outlets from search results
米カリフォルニア州で、「カリフォルニア・ジャーナリズム保護法案(CJPA)」が制定へ向かう。可決されれば、同州在住者がGoogle検索などを利用した際に表示される記事リンクに応じた利用料が求められる。Googleは法案牽制のため、一時的にリンク表示のブロックに踏み切った。

Disruption This Week—–12/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月9日から2024年4月12日まで。

米The Weather Company(旧IBMの一部門)、さまざまな地域や企業、個人向けにカスタマイズできる気象予報システム「ReelSphere」を発表。カスタマイズされた気象予報動画とAI生成の音声を合成して表示する。同社は、システムは気象予報士の仕事を支援するものと説明する。
アドビ、1分3ドルで動画コンテンツ買い取り-AIモデル構築で
「ブルームバーグが確認した文書によると、アドビは、写真家やアーティストが参加する自社のネットワークに120(約1万8000円)ドルを提示し、歩行など日常的な動作の他、喜びや怒りといった感情を表現する人々の動画投稿を依頼している。AI学習のための素材収集が目的という」。

——記事が確認するように、動画を学習することでテキストなどのプロンプトから簡単に動画を生成できる、Google「SORA」などの台頭に対抗するための動きだ。Adobeの本業はプロ向けのクリエイティブ制作ツールやサービスの提供だったが、大きな業態変更を果敢に進める段階のようだ。

Axios Sees A.I. Coming, and Shifts Its Strategy
【有料購読者向け記事】:
米メディアAxiosの創業者Jim VandeHei氏は、ジェネレーティブAI時代にメディア企業が生き残る唯一の方法は、ジャーナリスティックな専門知識、信頼できるコンテンツ、人と人とのつながりを提供することに集中することだと語る。
Axiosにとって、それはライブイベントの増加、スター・ジャーナリストを中心としたメンバーシップ・プログラム、高級購読ニューズレターの拡大などだという。同氏はまた、このAI時代のメディアの転換は、印刷からデジタルへの転換以上に困難だとも述べる。
フィルターバブルも感覚的に回避し、情報の海を軽やかに泳ぐ。10代のメディア利用実態とインサイト
「―10代と他の世代で違う部分・変わらない部分はどのようなところだとお考えですか?
野田(絵美氏):SNSの利用状況には10代と20代の大きな違いはありませんが、利用スキルや情報リテラシーについては10代のほうが非常に高いです。これは学校教育の成果だと捉えています」。

——「たとえば、『情報が偏る』というSNSのリスクを理解している割合は20代だと3人に1人程度です。対して、10代では過半数と、他の世代を圧倒していました」と野田研究員は語る。アルゴリズムについても同様の知識があるという。

高校生では1割強が経験済み…子供達における配信実情(最新) : ガベージニュース
「興味深いことに、男女別ではすべての学校種類において女子の方が高い値を示している。特に高校生では男子が7.9%なのに対し、女子は7割ほど増しの13.4%もの値。男子よりも女子の方が、配信に対する意欲は高いのだろう」。

——若年層によるネット配信の経験を尋ねた調査。多くは動画と想定するが、ショート動画やゲーム実況など、YouTubeに収れんしない多様性が生じ、それがまた配信体験の底上げをしていると理解。引用箇所は、その男女比で女子が高いとの指摘。にわかに仮説を用意できないが、覚えておきたい事象だ。

Google、Workplaceに含む動画制作アプリ「Google Vids」の計画を公表。「我々のモットーは、スライドを作ることができれば、Vidsでビデオを作ることができるということだ。動画制作のスキルは不要だ」と担当分野の幹部は述べた。
AI is already reshaping newsrooms, AP study finds - Poynter
「ジェネレーティブAIはすでに報道を変えている」。
AP通信が12月に行った調査で、主に欧米の報道メディアに関わるスタッフ(292名)の70%近くが、SNSへの投稿、ニューズレター、見出し作成、インタビューの翻訳や書き起こし、記事の下書きなどにジェネレーティブAIを使用と回答したという。記事内リンクから調査リポートが得られる。
Spotify、プロンプトで操作できる「AIプレイリスト」を英豪でβリリース
「モバイルアプリのライブラリタブでテキストプロンプトを入力することでAIがリクエストに沿ったプレイリストを生成する。例えば『アレルギーの季節に元気をくれるリラックスできる音楽』や『自分が主人公になったような気分にさせてくれるプレイリスト』などと指示すればいい」。

——すぐに飽きてしまいそうではあるが、それにしても、自分専用のプレイリストが生成されるというのには惹かれる。凝ったプロンプトを考えてみたくなる。

OpenAI、新API公開でファインチューニング機能強化——企業がAIモデルをカスタマイズしやすく

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

OpenAI、新API公開でファインチューニング機能強化——企業がAIモデルをカスタマイズしやすく
「よりパーソナライズされた AI に向けた重要な動きとして、OpenAI はカスタムモデルプログラムの拡張と同時に、ファインチューニング API の大幅な強化を発表した。これらのアップデートにより、開発者は AI モデルのファインチューニングをかつてないほどコントロールできるようになり…」。

——いわゆる“ハルシネーション”対策はもちろん、専門的領域をめぐる応答で、大外しな会話が飛び出したりするジェネレーティブAIの弱点をどう改善するか、どう精度を上げていくか。現時点で最大の壁を越そうとする動きに見える。もちろん、その成果は今後の評価待ちではあるが。

AIで量産のメディア偽装サイト「ピンクスライム」の数が、本物のニュースサイトと同規模に
「ニュースガードは、全国で運営されている1,162件のピンクスライムサイトを確認した。これは、実在する日刊ローカル紙が運営する本物のニュースサイト約1,200件とほぼ同数だ」。

——「ピンクスライム」とは、元来、本来の肉類の増量を図るために用いられる偽造肉(ピンク色をしている)に模して、過去は安価な労働力で、今ではジェネレーティブAIなどを用いて生成された信頼性のないニュース記事などのことを意味する。数年前に私自身が指摘したように、本物のニュースサイトと同規模どころか、より爆発的にこの種のでっち上げ記事が生成されることになるだろう。

ファクトチェックアワード2024

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2024
【ご紹介】:
今年(2024年)もファクトチェックアワード、やります! 僭越ながら今回も選考委員を務めます。
「ご応募は自薦・他薦を問いません。「ファクトチェック」と明示されたものに限らず、情報の真偽を検証することを主眼としたコンテンツであれば対象となります」

Disruption This Week—–5/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月1日から2024年4月5日まで。

米グーグル、生成AI検索サービスの有料化検討=FT
「報道によると、グーグルはAI検索をサブスクリプション(定額課金)サービスに含めるなどの選択肢を検討中。既に「Gメール」や「Docs(ドキュメント)」といったサービスでは、自社の生成AI「ジェミニ」によるアシスタント機能を提供している」。

——昔々、Google検索やGmailなどの使い始めの頃には、「散々便利に使わせて、いずれは有料化に転じるのではないか」と猜疑心を持った記憶が。それが薄れてはいたが、今ごろになってそれが現実になってきたようだ。

AI生成テキストの透かし、改ざんは簡単 新研究で実証
「5月に施行される欧州連合(EU)の『AI法』は、AI生成コンテンツに電子透かしを入れるよう開発者に義務付けている。しかし、新たな研究によって最先端の透かしテクノロジーは規制当局の要件を満たしていないことが示された」。

——研究は、最新の電子透かし技術(アルゴリズム)をAIを使ってハッキングしたと主張。その簡略な要約を記事は紹介している。どうやって、電子透かしが、そのコンテンツをAI生成だと示せるのかが理解できて面白い。

Fact-checking grows but concerns remain over funding, harassment, report finds - Poynter
4月2日の「国際ファクトチェッキング・デー」に際して、国際的なファクトチェック団体のネットワークであるIFCN(International Fact-Checking Network)が「ファクト・チェッカーの現状報告」を発表。記事はその要約で、ファクトチェックの最大課題は資金とヘイト問題とする。

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「試合時間の短縮化に並行して、顧客体験の刷新も図っていった。
MLBでは顧客のファーストパーティデータを収集し、顧客をより正しく理解すべく、試合をリアルタイムで追えたり好きな選手の戦果をフォローしたりできる『MLBアプリ』や、メジャーリーグの野球場を訪れる際のチケット管理のための『MLB BallParkアプリ』、MLBの試合をストリーミングできる有料の『MLB.tv』といったデジタルプロダクト、チケット購入サイト『ickets.com』などを有している」。

——Adobe社のイベントで、MLBチーフオペレーションズ&ストラテジーオフィサーが語った、MLBのDX改革。データに基づく分析から3つの改革を実施と具体的な取り組みを紹介。特にパーソナリゼーションのアプローチが興味深い。
https://www.advertimes.com/20240403/article455247/

For Data-Guzzling AI Companies, the Internet Is Too Small
【有料購読者向け記事】:
OpenAIやAnthropicといった大手ジェネレーティブAI開発企業は、学習のための高品質のテキストデータの収集に苦慮している。低品質な情報源には事欠かないが、高品質な情報源であるメディアなどとの交渉は難航。
YouTube上の字幕を利用するアイデアやAIが生成した文章を再利用するなどの苦肉の策も検討されているとする記事。
レディットがニューヨーク・タイムズよりも価値が高い理由
「- レディットは損失を出しているものの、時価総額は約80億ドルを超えている。
– 一方、利益を上げているニューヨーク・タイムズの時価総額は約70億ドルだ。
– これは、ユーザーによる無料コンテンツを生かすレディットのビジネスモデルを、投資家が評価していることを意味している」。

——いまさらながらの問題意識ではあるが、メディアの価値をどう計量するか。もちろん、公開企業の株価の総額で測るのは、ある種の代替的なアプローチだが、意味がなくはない。記事が示唆しているのは、運営にかかるコストという視点。Redditではユーザー投稿という原稿コスト・ゼロというSNSの圧倒的なアドバンテージだ。

Discord to Start Showing Ads for Gamers to Boost Revenue
【有料購読者向け記事】:
米チャットプラットフォームのDiscord、近日中にも広告掲載を開始と米Wall Street Journalが報道。同社CEOのJason Citron氏は広告体験について否定的な意見を再三述べ、広告事業には着手してこなかった。異なる収益化アイデアに期待したのだが……。ちょっと残念。
「耳の可処分時間」が拡大!デジタルサービスで活性化する音声メディア | ウェブ電通報
「『日本の広告費』では、2023年はマスコミ四媒体合計広告費が前年比96.6%(2兆3,161億円)となる中で、ラジオ広告費は前年比100.9%(1,139億円)と、マスコミ四媒体の中では雑誌広告とともに増加となりました。…マスコミ四媒体の中で唯一3年連続の増加となりました」。

——広告費の側面から音声メディアの好調を紹介したが、自身の経験や種々のテクノロジー進化で、この分野にはまだ発展の余地が高いと注目している。特にジェネレーティブAI技術の出現は、品ぞろえの多様化がなかなか進まない(一部の売れ筋に集中する)オーディオ書籍市場が活性化させるだろう。

「世界のアニメファンは10億人に」 クランチロール首脳陣が語る、日本アニメへの期待 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
クランチロールのCEO ラウール・プリニ氏:
「実際のところ、どの国にも違法アップロードのサイトはあり、なかなかなくなりません。ですので、我々ができることは“クランチロールのサイトで見た方が良い”と思えるような体験を提供することに尽きると思っています」。

——世界で10億人のユーザーをめざすクランチロール。課題は、やはり違法アップロード問題のようだが、対策には傾聴すべきものがある。

OpenAIの「Voice Engine」は15秒分の声データを元に本人そっくりに喋る
「米OpenAIは3月29日(現地時間)、人の声を再現できる生成AIモデル『Voice Engine』を発表した。テキスト入力と15秒分の音声サンプルで、元の話者によく似た自然な音声を生成できる。感情的なリアルな音声で、母国語以外の言語も話せる」。

——すでにOpenAIはこの技術を昨年中からさまざまな箇所で利用している。Spotifyも昨年9月、この技術を用いた「Voice Translation」を発表している。問題は、同社も認めている“悪用の可能性”をどう防ぐかだ。同社はそれを念頭に「慎重なテストを行っている」という。悪用問題を除けばさまざまなサービスを思い浮かべることができるな。