Disruption This Week—–23/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年7月19日から2021年7月21日まで。

CNET is hiring. You should join us
米CNET、驚きの大躍進で、150名にも及ぶ人員増強を発表。2020年ViacomCBSからRed Venturesが買収したテクノロジー系ニュースサイト運営の同社は、この2年間で急速に成長したと発表。成長を説明する具体的な数値は公表していない。
Activist Malala Yousafzai is joining Facebook's newsletter platform, along with 30 others
Facebook、米国で始めたニューズレターサービス「Bulletin」に、30名強の“著名人ライター”の登録を発表。人権活動家マララ・ユスフザイ氏をはじめ、マルコム・グラッドウェル氏、イアン・ブレマー氏ら錚々たるラインナップ。同社はこのプロジェクトに500万ドル投資を発表ずみだ。
US influencer spending to surpass $3 billion in 2021
先日、間接的に紹介した米国市場における「インフルエンサーマーケティング」の急増トレンド。2020年が前年比14%強の増加だったのに対し、21年は34%弱の成長に。クリエイターエコノミーへの期待があると、eMarketerがリポート。
インターネットの利用環境は「スマホのみ」が最多 60代はスマホ利用者が7割超に【LINE調査】
「10代から20代のスマホ利用者は、引き続き95%以上と高水準であった。また2016年4月の調査開始以降、30代以降のスマホ利用者は増加傾向にある。特に年代が上がるほど、スマホ利用者の増加率が大きく、60代ではスマホ利用者が72%と過去最多となった」。

——私を含むシニア層でスマホ利用比率が、急速に右肩が上がっている。ガラケーからのシフトも最終盤だ。

Inside Facebook’s Data Wars
New York Timesが、Facebook社内で起きたデータの透明性をめぐる闘いを報道。同社が買収し一般に提供してきた情報分析サービスCrowdTangleチームは解体され、透明性を主張してきた幹部らが更迭、辞任している。Facebookが都合の悪い情報を取り繕うとする動きだとする。
ByteDance's Toutiao ordered by China to halt new registrations since Sept -sources
ByteDance傘下のニュースアプリ「Toutiao」が、中国当局の「要請」を受けて、新規ユーザ登録を昨年9月から停止していることがわかった。従来からのユーザからの利用は可能だが、ダウンロード後新規登録をしようとすると「新規登録を一時的に停止している」とメッセージが表示されるという。
FT editor among 180 journalists identified by clients of spyware firm
世界の著名ジャーナリスト180名が、イスラエルNSO Group開発のスパイウェア「Pegasus」の監視対象であったことが、NPO報道機関Forbidden StoriesとAmnesty Internationalの入手した漏えい情報で明らかに。「テロ対策等でNSOに発注できるのは国レベルに限られる」という本件の依頼主は、UAE、アゼルバイジャン、バーレーン、ハンガリー、インドなどだとされる。
GPT-3とそれを取り巻く周辺、パラダイムと限界
【無料会員向け記事】:
「もはや、画像と文章、動画と音声を分けて考える必要はなく、すべてトランスフォーマーに入れれば欲しい結果を得ることができる。オープンAIの『ジュークボックス(Jukebox)』は、歌詞を入力すると、作曲するだけでなく、求める歌手の歌唱スタイルやアレンジまで含めた音声を自動生成する」。

——“あの”清水亮氏によるGPT-3評価。GPT-3だけに止まらない実に広大な可能性が生じたが、同時に、どううまく利用したらいいのか、改めて誰もがぶつかっているようだ。
なにせ、引用箇所のように、テキストや画像だけでなく、音楽などあらゆる面で、人間的な創作もどきが可能な世界。それが猛スピードで発展している(数か月おきにパラダイムシフトが生じているという)のだから。

「誤情報は、拡散のスピードと規模を劇的に増加させている。プラットフォームがその一端を担っているのは、ご存じの通りだ。だからこそ本日の勧告で、我々は対策強化を求めた。プラットフォームがいくつかの誤情報対策を取っていることは承知している。だが、さらにもっともっと対策が必要だ」。

——ワクチンをめぐる情報(とあえて絞り込むが)について、バイデン政権とプラットフォームとのやり取りはますますヒートアップしている。

Japan’s plan to dump Fukushima wastewater met with pro-China disinformation- Coda Story
米NPOメディア「Coda Story」、日本をめぐる中国の偽情報工作をスクープ。中国の著名ジャーナリスト、政府関係者その他5つの親中派Twitterアカウントが、原発処理水の海洋投棄を危険と、別件の調査機関のデータをキャンペーンに利用。同時に香港や新疆に好意的な情報も発信。記事では、文脈を無視して科学的データを引用することで意図した影響を作りだす効果的な手法と分析されている。
コンテンツという「王」の帰還——書評:『音楽が未来を連れてくる』 - Media × Tech
【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」に新着記事です。音楽の話題ですが、メディア産業全体の示唆となる書物について。

Disruption This Week—–16/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年7月12日から2021年7月16日まで。

New Anthony Bourdain documentary deepfakes his voice
論争を呼ぶ新作ドキュメンタリーの誕生。3年前になくなったシェフ兼司会者として有名だったAnthony Bourdain氏を追った作品だが、作品中同氏が語った台詞は、ディープフェイク技術を用いて合成されたものだった。制作責任者自らが明かし、「倫理委員会」で議論しようと述べる。
The New York Times hires Jason Sobel as chief technology officer
米New York Times、新たなCTOにAirbnbやFacebookで幹部として活躍してきたJason Sobel氏を採用。CEOのMeredith Levien氏は、「テクノロジーは、当社のジャーナリズムとビジネスの野望の中心であり、購読者数増加の最も重要な要因のひとつだ」と述べると同時に、同氏を「理想的なリーダーであり、経営者としてのパートナー」とする。同社は650人(!)以上の技術職が存在すると記事は解説する。

Instagram’s Evolution

Stratechery by Ben Thompson

Instagram’s Evolution
TikTokに押され続けるInstagram。従来の“写真共有アプリ”路線を捨て動画投稿サービスへと舵を切ると最高責任者Adam Mosseri氏が表明。ブログ「Stratechery」のBen Thompson氏は、Instagramの本質は、元々写真共有にではなく、“エンターテインメント”であり、それを基に進化し続けることだったと分析する。
U.S. newsroom employment has fallen 26% since 2008
米報道機関の編集、記者らの雇用が、この12年間(2008ー20)で26%減少。新聞社で大量に解雇、ネットメディアで大量採用の結果だという。実際、新聞社での雇用が08年では62%だったのものが、20年には36%にまで低下した。Pew Researchによるリポートから。
Amazon launches its mobile-first Kindle Vella serialized story platform – TechCrunch
Amazon、iOS版Kindleアプリに“クリエーター・エコノミー”的アプリ内購入機能を追加した「Kindle Vella」の提供を開始(日本版はまだ公開されていないようだ)。連載小説の一部をKindleで無償公開し、続きは課金という仕組みでKDP(Kindle自費出版)と連携する仕組みのようだ。
1坪あれば10万冊の書店のオーナーに? “VR書店”の開業を支援するベンチャー
「消費者はその場でVRヘッドセットを装着・操作することで、バーチャル書店に並ぶ10万冊の本から好きな本を購入できる。決済もバーチャル空間上ででき、本は後日郵送で手元に届くという。一度に視界に表示される本の冊数は1000冊まで」。

——本気でビジネス化しようとしているようで、非常に感心。自分は、壮大な本の陳列にまみれながら、選書したいと思ったことはない。が、“棚”や“台”で見かけた本をただ目的もなく、見てまわって、気に入ったものを購入するという書店体験は、捨てがたいとは思う。

“The strongest rise in over a decade”: Global ad spend to reach $665 bn this year | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
マーケティング調査企業WARCが、世界の広告支出をめぐる総合調査年鑑「Ad Investment 2021/22 – The Rate of Recovery」を公表。世界の広告100市場を分析。2021年は前年比12.6%増と力強く復活と見込む。22年も8.2%増と予測。
沸騰クリエーターエコノミー 稼ぎ方デジタルで多彩に
【有料購読者向け記事】:
「私たちがやりたいのは音声で一変するモデルをつくることだけではない。プラットフォームや技術者ではなく、アーティストやクリエーター、有能な人材がつくるクリエーター主導の文化を推進したい」。

——CB Insightsによるリポート。購読者専用記事なので強くお勧めしにくいが、“クリエイターエコノミー”に関連する記事では、もっとも整理と網羅化が効いた良い論と思う。

Katherine Bell wants to build a better kind of business journalism
「私たちは絶対に反資本主義ではありませんが、私たちにとっては、資本主義を含めてすべてが疑問の対象です」。
MBO後、新たにQuartzに参画した編集長Katherine Bell氏が、新たな「ビジネスメディア」のあり方を語る。
「私たちは、企業が新たな問題を作り出すのではなく、問題を解決するのを支援するというミッションを明文化しています。また、不平等、包括性、持続可能性などについても言及しています」。
Email newsletters: Establish direct relationships, build habit and loyalty | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「多くのメディアは、ニューズレター(メルマガ)をブランド構築のためのと考える。読者との定期的なコミュニケーションにより習慣と忠誠心を育成できるからだ。だが、ニューズレターは、広告や購読でそれ自体が有料の商品として、実際の収益を生むこともできる」。

——ニューズレターをメディアとして活用していくにあたってのポイントや課題、そして利用できるプラットフォームなどを整理した記事。

脱ターゲティング後の広告の未来 メディアと「ヒト」へ回帰するか
【ご紹介】:
月1連載のコラムが日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 脱ターゲティング後の広告の未来 メディアと「ヒト」へ回帰するか

Disruption This Week—–9/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年7月5日から2021年7月8日まで。

ディープフェイク防止へ、企業のリスク対策急務
【有料購読者向け記事】:
「オランダのセキュリティー会社センシティによると、20年12月に同社が検出した世界のディープフェイク動画は約8万5000件で19年12月から3.5倍に増えた。18年以来、検出数は半年に2倍のペースで増えている。多くが有名人の顔を合成したポルノ動画で、日本人数百人分の動画も確認したという」。

——国際的に高度な情報操作に利用されることが懸念される一方で、実際は個人をめぐる即物的な偽情報の生成に多く使われる面が見えてくる。これからは、ちょっと知られた企業や個人をめぐるレピュテーション侵害のケースが増えるのではないか。

USA Today will make readers pay for its website, joining other top news outlets.
米最大手新聞チェーンGannett傘下の「USA Today」がペイウォール化を発表。広告ベースのフリーアクセスを守る最後の大手が、購読制へと舵を切る。同紙発行人と編集長に取材した記事。速報や公共性の高い記事はフリーを維持するとする。
UXの改善を数値で示す:ケーススタディ
「定性的なユーザビリティテストに進み、なぜこれほど多くの顧客が営業担当者に連絡を取っているのかを理解しようとした。そして、顧客のセルフサービスを妨げる重大な障害を発見した。それは、顧客の多くが目的の製品や製品カテゴリーさえ見つけるのに苦労しているということだった」。

——“UXの改善って、主観的にしか判定できないよね”と考えがちだが、この記事を読むと、どう定性的に問題を見定めた上で、定量的にその改善を進めていくかという手法が具体的に見えてくる。改めてUXの改善は重要。

Global advertising spend 2020: Five tech companies dominate the market
広告業界は「五占」の時代に入った? GroupMによる世界の広告市場調査によれば、Google、Facebook、Alibaba、(TikTokを擁する)Bytedance、Amazonの5社で、広告売上高2,960億ドルで、市場の46%を占めた。10年前には、メディア企業が多くを占めていたのだが。
After Apple Tightens Tracking Rules, Advertisers Shift Spending Toward Android Devices
【有料購読者向け記事】:
iOS14.5以降、「ATT(アプリ追跡透明性)」機能が稼働して以降、予想されていた広告支出の変動が現実となりつつある。米WSJがアプリ調査企業を取材。6月の1か月のiOS上の広告支出は1/3下落したという。一方、Android上では10%上昇を示した。
New platform launches to bring TV ads to console games
ゲーム専用端末やPCゲームに、TV CMのような動画広告を挿入再生する仕組みを米Simulmediaが開発。ゲームユーザは、ゲーム内で15もしくは30秒の広告を選択できる。ゲーム内でCMを視聴完了すると、インセンティブが得られる仕組み。すでに大手EA社らと提携しているという。
Meet the program that can write programs
GPT-3の可能性についてはこれまでも触れてきたが、いよいよMicrosoft、GitHub、そしてOpenAIが、GPT-3モデルを用いた自動的なプログラミング基盤「Copilot」を発表。「Githubで公開中の何テラバイトものコードを機械学習」したもので、人間のコードに適切な推奨をするという。「自動化されたペアプログラマのようなもの」という説明もある。
Disney+ U.S. Growth Slows Sharply in First Half of 2021, Internal Data Shows
【有料購読者向け記事】:
米The Informationが、躍進著しかった「Disney+」の成長に急ブレーキがかかっていると報道。2021年前半は、北米市場で成長がほぼフラットに。ほとんどの成長はインド・南米に依存するが、インドでは値付けが極端に安価という問題を抱える。
The New York Times is using Instagram slides and Twitter cards to make stories more digestible
米New York Timesは、テキスト主体のニュース記事でも、Instagramの(カルーセル)スライド機能や、Facebookでのテキストのビジュアル表示機能を多用するようになっている。テキストであっても、視覚効果に訴えることで、若者らのエンゲージメントを伸ばそうという試みだと解説する記事。
ただし、複雑な記事を、PowerPointのようなスライドで説明することで、論が単純化を引き起こすという副作用にも触れている。
Z世代の半数以上が音の出るメディアを2つ同時に利用・・・音声メディアへの高い受容性が明らかに | Media Innovation
「調査では、Z世代の音声メディアユーザーの6割が音楽を流しながら『音を出してテレビを見た』経験を持ち、3人に2人が音楽を流しながら『音を出して動画を見た』経験があることがわかりました」。

——自分にはとうていできないことが得意の“Z世代”(2020年時点で15~23歳)。自分は音のマルチタスクには耐えられない。むしろ、ポッドキャストとの接触では静聴度が高まる。

Disruption This Week—–2/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月28日から2021年7月2日まで。

クッキーに別れを告げるとき、メディアがすべきこと[インタビュー] | Exchangewire Japan
「佐藤氏:本来メディアの役割とは、社会に対してコンテキストを提供するということです。ただしこの10年ほど、プラットフォーマーの出現によりその役割自体がクローズアップされることがなかったと思うのです。今後はメディアというものがコンテキストを提供することについて、より力を試されるようになります」。

——「社会に対してコンテキストを提供する」といい、「“枠から人”ではなく、“人から枠”へと回帰」といい、いま、メディアと広告をめぐって、大きな転換点に立っていることは間違いない。単に「回帰」だけではなく、何が社会に求められているのかから問い返す機会なんだろう。

Cameo Targets $200 Million-Plus in Video Sales This Year
【有料購読者向け記事】:
芸能、アスリートなどのセレブから自分宛てビデオメッセージを購入できるサービスの米「Cameo」。昨年1億ドルの年商が、今年はその2〜3倍に達する見込みとCEOが取材に応えて述べる。新型コロナウイルス禍が落ち着いても、業績は伸ばせるとする。

Trends and Facts on Newspapers | State of the News Media

Pew Research Center’s Journalism Project

Trends and Facts on Newspapers | State of the News Media
Pew Research調査による米新聞業界最新ファクトシート。AAM(公査指標)とNYT、WSJの自社発表を組み合わせると、読者数はかろうじてフラットともいえるが、後段に掲出する広告収入は、2000年代初頭から恐ろしいほどの下落ぶりを示している。
Is Facebook Buying Off The New York Times?
「Facebook Newsが提供するのは、Facebookが選んだ一握りの有名な報道機関だけであり、巨額の現金である。これらの契約の正確な条件は秘密のままだが、これはFacebookが守秘義務を主張し、報道機関もそれに同意したためである」。

——先日も、別の記事で米メディアTop.25の主たる所有者を調査したリポートに触れたが、この記事でも。Google、Facebookはメディアへの迂回的な資金拠出を強めている。もちろん、贖罪的と理解もできるが、記事では、政界へのロビーイングと並列するメディアへの工作と論じている。

出版状況クロニクル158(2021年6月1日~6月30日) - 出版・読書メモランダム
「2年ぶりに目にするのだが、2020年の公共図書館数は10館増え、3316館で、これも何と日書連加盟書店数の2887店を上回ってしまった。…1986年の日書連加盟店は1万2935店、それに対して90年の図書館は1928館だったわけだから、現在から考えれば、そうした比率が書店と図書館のメルクマールだったように思えてくる」。

——今回、目についた情報。書店数の減少トレンドに対する図書館数増大というコントラスト。記事で触れられているが、一方で、図書館員数においては漸減のトレンドだという。

Inside The Information's paywall strategy
「私たちが学んだサブスクリプションファネル経済学の素晴らしい教訓の一つは、電子メールによる直接的な関係を構築し、その関係を長期にわたって継続することの価値だと思います」。The Informationの創業CEO、Jessica Lessin氏が、同社の購読戦略を語るインタビュー記事。
「あの人に偽情報を見せたい」がSNSの“レコメンドAI”悪用で実現する可能性 F-Secureが検証
「例えば2019年12月の英国総選挙に関するツイートを使った実験では、偽情報が含まれる投稿を何アカウントがどれだけ拡散すれば、ターゲットとなるユーザーに“おすすめツイート”として見せられるか検証」。

——最近のTwitterはアルゴリズムを使い、ユーザが気にするテーマに沿って関連しそうなツィートを表示させる。従来のように、多くをフォローしていなくても、この仕組みで興味を惹くツィートと出会えるわけだが、この仕組みを悪用すれば、的確に特定人物を対象とした“情報操作”が行える。SNSを利用したプロファイリングの威力を見せつける研究。

新聞を購読する日が来るとは。|ヤマダタイキ|note
「奈良新聞 もはや大々的なメディアの実験場と化し、個人が1万円から新聞広告を出せる新サービス『AD LETTER(アドレター)』や、毎月出されたお題に対して、購読者がデザインを提案する広告コンペ『クリエイティブ・アド』など、新しいことにチャレンジしている。しかも後者は15段、無料で掲載できるとあって、実績が欲しい広告クリエイターとしては最高の場!」。

——いろいろとためになる情報が盛られている。参考になった。

BuzzFeed's plan to go public is all about scale
買収などで傘下メディアを増やし規模化をめざす米BuzzFeed。すでにTasty、HuffPostを擁し、近くComplex Networksを統合する計画。SPAC手法でIPOし、Facebookなどの大手プラットフォームの(アルゴリズム)影響圏を離脱する。他社でも同様の動きが見られるとする記事。
「ニュースへの無関心」世界で強まるわけとは?
「低下の要因としてニューマン氏が指摘するのは、35歳未満の若者層と低学歴層の関心の低さ(それぞれ52%と51%)だ。
さらに、英国、米国などでのフォーカスグループへの調査で、特に新型コロナ報道をめぐって『かなり気が滅入るようになった』『コロナ、コロナ、コロナの繰り返し』などの反応があることを紹介している」。

——個人的な理解では、2020年のパンデミックがまさにニュースへの需要を一挙に押し上げた。しかし、中期的にはニュースへの関心減退が継続している。中心的な主題が失われたとして、どのように分散する主題や手法を取り上げていくのか。ニュースをめぐる問いかけが改めて重要になっている。

今から学ぶ「Googleが推進するFLoC」とは何か - Media × Tech
【ご紹介】:
“ポスト・クッキー”時代、目玉として登場した「FLoC」。Googleが推進する新たなユーザ嗜好の同定技術について、西田宗千佳氏に寄稿してもらいました。

Disruption This Week—–25/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月21日から2021年6月25日まで。

グーグル、クッキー廃止計画を2023年に延期
【有料購読者向け記事】:
「米アルファベット傘下のグーグルは24日、ウェブ閲覧履歴を追跡するために広く使われているクッキーについて、廃止計画を延期すると発表した。広告業界、プライバシー擁護団体、規制当局からの抵抗と追及に屈した格好だ」。

——Googleの広告ビジネス(のパフォーマンス)にはマイナス要素ではないと思うが、FLoC(Googleによるポストクッキー時代のターゲティング手法)の業界からの受け入れが進んでいないとすると、長期的にはダメージとなる可能性もある。

Patreon CEO Jack Conte on why creators can’t depend on platforms
「なぜクリエイターはプラットフォーム任せにしてはいけないか」。創業8年。音楽アーティストらを中心にクリエイターへの購読サービスを提供してきたPatreon。いまや時価総額は40億ドルに。その創業者Jack Conte氏(同氏自身もミュージシャンだ)に聞いたロングインタビュー。自身の体験から話し始める。
Many people worldwide say they’re losing interest in news … but more are paying for it
Reuters Instituteによる「Digital News Report」が10周年、2021年版が公開。記事は、このボリュームのあるリポートを概観したもので便利。ニュースへの関心度、有料支払の動向、ニュース接触への直間比率、各国の動向分析では、日本の状況も含まれている。
What publishers can learn about TheSoul Publishing’s road to 1B social subscribers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
10年前、“ソーシャルメディア・ファースト”を掲げ、自社ドメインにこだわらない戦略をとった多くのメディアが現れ、そして消えていった。しかし、Instagramをはじめとする新たなフォーマットを駆使して成長を遂げる新興メディアも誕生。記事は5年前に誕生、いまでは10億人のフォロワーを有するTheSoul Publishingを解説する。
ディープフェイクはどう作られる? 技術資料を無償公開 東大発ベンチャー
「資料は同社のWebページ上か、もしくはPDFをダウンロードすることで読める。ディープフェイクに使われている顔画像処理や音声処理の概要や、『オートエンコーダー』『GAN』(敵対的生成ネットワーク)などの画像を生成するディープラーニングモデルの基礎を取り上げている」。

——私のレベルでも理解が進む貴重な資料。

Shopify Seeks to Challenge Amazon Through Deals With BuzzFeed, Other Sites
【有料購読者向け記事】:
ECプラットフォームのShopify、BuzzFeedとアフィリエイト事業で提携。Vox MediaやComplex Networksなど各種メディア企業も提携を検討中とする記事。広告に次ぐ収入源を探すメディア群は、この分野でのAmazon頼みによるリスクを回避する動き。
「マンガアプリ」失敗の本質
「もし『アプリの総ユーザー数・総ダウンロード数』が重要と考えているなら、それは間違った勝利の条件です。見過ごすことはできません。繰り返される日本の『失敗の本質』です。
出版社のマンガアプリ戦略は、なぜ失敗する可能性があるのか? わかりやすく説明するためには、約6万点の少数作品でもユーザー数を劇的に伸ばしている『ピッコマ』を解説するのが最適です」。

——いろいろと“目からウロコ”なマンガアプリの解説。というか、出版社のアプリ戦略に対して、「ピッコマ」のアプローチがどう違うのかの議論。

フェイスブックの監督委員会、その効果に賛否
【有料購読者向け記事】:
「20人のメンバーで構成される委員会は、どのコンテンツを許可し、どのコンテンツを削除するかに関するフェイスブックの判断を裁定し始めて以来、同社の判断を撤回する決定を8回下した。また、同社の判断を支持した決定は3回あった」。

——時々の、おもに政治的事象において右往左往を続けてきたFacebook。そこで同社は、投稿コンテンツを検閲する運用ポリシーと判定を下す委員会を設けた。これは大きな前進だし学べるアプローチといえる。問題は記事が述べているように、委員会の決定が拘束力を持たないこと、そして、適切に検討がなされているかどうかだ。

Andreessen Horowitz and the 'Future' of Media
米西海岸の大手VCのAndreessen Horowitzが開設したテクノロジーメディア「Future」をめぐり、批判的な論調がメディア界からあがっている。BloombergやInformationなどで記者をしたEric Newcomer氏は肯定的な論評を公開。IT大手批判はあっても、テクノロジー嫌いであるべきではないとする。
10周年を迎えたライヴ配信大手「Twitch」から、クリエイターエコノミーの現在が見えてくる
「Twitchでストリーマーを支援するのは、ベル・アンド・セバスチャンのアルバムを買ったり、クラウドファンディングサイトの『Kickstarter』で新しいボードゲームの資金調達に参加するようなこととは違った。ストリーマーは実際にそこにいて、お金を渡すと反応が返ってくる。そして、すべてはリアルタイムで起きるのだ」。

——Amazon傘下のライブストリーミングサービス「Twithch」。調査会社の予測では、今年にはMAUが4,000万人を超える。そして、クリエイターが自身の活動を直接現金化する仕組みを備えたという意味でもパイオニアだ。