Disruption This Week—–12/7/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月8日から2024年7月12日まで。

Local News Now | Elevating local news.

Local News Now | Elevating local news.

Local News Now | Elevating local news.
米バージニア州北部とワシントンDCをカバーして成長するオンライン・ローカルメディア(ネットワーク)企業「Local News Now」。2010年設立で成長を加速しているという。Axiosのローカルニューズレターの品ぞろえ同様、注目株だ。
CNNが100人削減、年内に新たなオンラインチャンネル開設へ
「米CNNは、デジタルおよび有料テレビのニュース取材チームを統合する計画の一環として約100人を削減、業務を見直している。…CNNの従業員は約3500人。今回は3%未満の従業員が削減されることになる」。

——CNNの新たなデジタル戦略とそのアウトプットであるインターネット番組が年内にもサービスインする。その準備の過程でレイオフも発表。その新生CNNを率いるCEOは、ご存じMark Thompson氏。前New York TimesのCEOだ。同氏のデジタル戦略も徐々に明らかになりつつある。別途紹介しよう。

ChatGPT-Maker OpenAI Asks for Proof That NYTimes Is Original | Entrepreneur
米New York Timesは昨12月にOpenAIを著作権侵害で提訴。OpenAIがChatGPTの学習のために何百万もの記事を使用したと主張する。 一方、OpenAIは、NYTimesの記事が実際にオリジナルであるという証拠の提出を求める法廷闘争に。
NYTimesは、これを「無関係、不適切な嫌がらせ」と反論する。
アルファベットに埋もれた秘宝、ユーチューブには4550億ドルの価値
「『ユーチューブには価値が隠されており、投資家は単体として取引できない。これを閉じ込めているグーグルというコングロマリットには、ほかに多数のリスクがある』と(アナリストの)マーティン氏はインタビューで述べた」。

——記事を読めば理解できるはずだが、米Alphabetは従来の検索事業主体であるGoogleをはじめとする多種の技術系事業のコングロマリット。YouTubeもその一つで、投資家らはYouTube単独価値に投資できない。検索事業などはAI進化の方向ひとつで価値毀損する恐れがある一方、YouTubeやそのエコシステムにはそのリスクがほぼない。この価値が隠されている事は問題だとする指摘を取り上げた記事だ。

New York Times Experiments With a New Headline Writer: OpenAI
米MicrosoftおよびOpenAIを、自社コンテンツを勝手に学習したと数十億ドルの損害賠償を求めた米New York Times。だが、米Intercept.が入手した情報(コード)によると、そのNYTimesは社内で記事見出し生成ツールにChatGPTを利用していた。同社広報は実務への利用は否定したが。
Veteran columnists making more money on Substack after local newspaper exits
こちらも“解雇”された2人のベテランジャーナリストが、Substackで自身のメディアを立ち上げた話題。いずれも30年近くカリフォルニア州のローカル紙「The Davis Enterprise」に勤務したが、5月に解雇。自身のニューズレターですでに過去の年収を上回る購読料を得ているという。
Washington Post 'third newsroom' creation gets underway
印刷版、そしてオンライン版のWashington Post編集部に、「第3の編集部」が新設。スタッフからの経営チーム批判が止まらない同社だが、収益改善のために、「ソーシャルメディアとサービス・ジャーナリズムに焦点を当て、AIとマイクロペイメントで」で収益化をめざす試みだという。
Google検索も不要に? 検索AI「Perplexity」がスゴすぎてちょっと怖い
「例えば、7月4日時点で東京都知事選(7月7日投開票)の最新状況を聞くと、こんなふうに答えてくれる。…
最新情報をベースに、有力候補4人を抽出した上で、石丸伸二氏が猛追する展開を簡潔にまとめている」。

——「こんなふうに」の先は、記事内のスクリーンショットを確認のこと。確かに凄い。そして、重要なのはほぼリアルタイムですぐれた情勢認識(メディアをはじめとするさまざまな情報源をリアルタイムで分析ということか)を示している。記事は、Perplexityが他のAIチャットボットに比べて明らかな誤りが少ない(信頼のおける情報源を採用しているということか)とも指摘する。

「新聞を読む時間」として思い浮かぶものは・紙の新聞は32.5%どまり(最新) : ガベージニュース
「もっとも多くの人が思い浮かんだのは『紙の新聞』で32.5%。次いで『新聞社のサイトやアプリ』12.4%、さらに『新聞社以外のサイトやアプリ』8.5%、そして『SNS上の新聞記事』が6.2%。SNS上に掲載された新聞記事を読むことを、『新聞を読む』と認識している人が案外多いことに驚く人もいるかもしれない」。

——例年行われている博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所の2024年版の整理。引用箇所はけっこう切実な問題で、問いかける人、答える人で「新聞(を読む)」の定義が異なっている事態が拡大している。私自身は“新聞(の閲読)体験”を印刷版を超えたものとして再定義しないと、新聞社の存続が危ぶまれると考える。逆に、そのように新聞社(のなかの人々)が自ら再定義できれば、社会的ニーズはもちろん、産業としての未来は開けるものと考える。

生成AI悪用で最多は「世論操作」約3割、その実態とは
「調査期間中に、生成AI機能の悪用で最も多かった目的は、世論の形成や影響を及ぼすことだった(報道されたケース全体の27%)。これらのケースでは、アクター(実行者)は、人々の政治的現実への認識を歪める幅広い戦術を展開していた」。

——「グーグルのAI部門、ディープマインドと研究部門、ジグソーの研究グループ」による調査リポートから。平和博さんのブログ記事から。世論への影響工作に続く悪用目的が「収益化」だ。「51件、20.5%を占めた」という。

Disruption This Week—–17/11/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年11月13日から2023年11月17日まで。

中国ByteDance、TikTok中国国内版「Douyin」に一部ペイウォール制を試行開始。10万人以上のフォロワーを擁するコンテンツクリエイターの動画を観るには課金を求めるという試みだ。ByteDance課金収入の30%を得る。クリエイターは課金額を自由に設定できるとする。記事は、Douyinへの実装がTikTokへ繁栄される可能性にも言及する。
Ethics, AI, and the Future of News: Reflections on ChatGPT’s Anniversary   - Twipe
間もなくChatGPT誕生1周年。記事は、ジェネレーティブAIの1年間を振り返ると同時に、ChatGPT以前にメディア編集部がAIをどう使い、誕生後には、それはどう変化したのかを例を挙げながら解説する。ともかく驚くべき1年間だったと言える。
テレビ北海道、お天気キャスターにデジタルヒューマン起用 視聴者と「不気味の谷」について考える
「テレビ北海道は11月16日、AI技術を活用したデジタルヒューマンを情報番組のアナウンサーに起用する実証実験を行うと発表した。…毎週土曜日に放送している情報番組「スイッチン!」のお天気コーナーでデジタルヒューマン『iina(いいな)』が最新の天気予報を読み上げる」。

——これまで海外事例を紹介するのみだったのが、いよいよ日本でもデジタルヒューマンが、公共的なサービスに登場。いつも思うのだが、ここまでするなら、ネット経由で自分専用のニュース番組を作って欲しいものだ。

「戦争の窓」と化すスマートフォン
【有料購読者向け記事】:
「『Ha kol b’seder』。これはヘブライ語で『大丈夫。問題ない』という意味だ。…その動画は、彼女が(ハマスの襲撃で)殺害される前、最後に送ったものの一つだった。
アンネ・フランクはナチスから身を隠す中で経験した恐怖を日記につづった。インバル・シェム・トブさんが手にしたのはスマートフォンだった」。

——言葉もない。22歳の女性は、「ごみ置き場の中で、迫り来るイスラム組織ハマスの襲撃者から身を隠しながら、父親に送信した動画の中でささやくようにそう伝えた」のだという。

生成AIの学習に政府保有データを提供へ、国会図書館の蔵書や国の研究データも対象
「まずはすぐに学習に利用しやすいデータとして、政府機関が公開している行政文書や法令、土地地図データ、特許情報などを提供する。国会図書館がデジタル化した書籍など収蔵データのうち、権利上の問題がないものも提供する方針だ。いずれもテキストデータなど学習に使いやすく、広く公開している文書である」。

——各種公共機関が発行した公的文書ももちろんだが、国会図書館が所蔵する図書などのデータが学習されれば、ごく最近にパブリッシュされ、クロール可能な掲示板その他のWebデータなどより文化的価値の高い情報をLLM化することができると見る。
もちろん、「古書」の情報が現代に意味があるかないかとの議論も生じるだろうが、文化的価値は明らかに高いし、現在にいたる経緯を知る手がかりにもなる。

YouTube、生成AI利用コンテンツに開示義務 違反すれば削除などの罰則対象に
「(YouTubeは)例えば自分の顔や声が無断でデジタル的に生成されたりディープフェイクに使われたりした場合、プライバシーリクエストプロセスを使ってそうしたコンテンツの削除をリクエストできるようにする(こちらも「今後数カ月」以内に実施する見込み)」。

——YouTubeがジェネレーティブAI関連で2つの新ガイドラインを発表。個々のプラットフォームが負う責任分野も広がろうとしている。その対処の一環としての動き。

Social Media and News Fact Sheet

Pew Research Center’s Journalism Project

Social Media and News Fact Sheet
米Pew Research、米成人のニュース取得に関する定期調査を更新。成人の30%がFacebookでニュースを取得。YouTubeが26%と肉薄。
各SNSでは、Xユーザーはその5割強がニュース取得(だが減少傾向)。TikTokユーザーのニュース取得は、この3年間で21ポイント増と顕著な動きを見せた。
ニールセン、デジタルコンテンツ視聴率のMonthly Totalレポートによる動画ジャンルの利用状況を発表
「- 『TikTok』と『TVer』のトータルデジタルでの月間視聴者数は昨年の1.5倍以上に増加
– 上位5サービスの性年代別ターゲットGRP(TARP)は、男女ともに18-34歳が最も高い
– 18-34歳では、『TVer』は女性への、『ABEMA』は男性へのリーチが高い」。

——「男女ともに18-34歳が最も高い」というのは、TVがその層を失っていることと、合わせ鏡のような関係か。TVerがそれを補うプラットフォームになれるのかというと…。Radiko同様に問題がありすぎるのだろう。

A global hit: AI translation tools help singers break down borders | Semafor
世界で500万人ものフォロワー(YouTube)を有する歌手のLala Sadii氏、世界中のフォロワーのために、その歌詞部分をAIを用いて40か国版に吹き替える試みを開始。細かいことを言えば通訳業が危機だし、それ以上に肉声の意味が変容しつつある。オーディオの世界の変革期だ。
手をかざせば情報が。スマホに代わる次世代端末「Humane AI Pin」
「スマホに代わる次世代端末として、スマートグラスやヘッドセットがその役目を狙う中、Humaneが提案するのは、AIを活用したバッジのような小さな端末。
スマホのようなディスプレイもなければ、デジタルキーボードすらありません。アプリという仕組みもありません」。

——こちらの記事で「Ai Pin」の具体的なイメージが伝わるだろう。長めのプロモ動画を観るのも良い。実によく考えられた製品だというのがわかる。

Disruption This Week—–10/11/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年11月6日から2023年11月10日まで。

Can an AI Device Replace the Smartphone?
【有料購読者向け記事】:
ようやくスマートフォンに代わるスマートデバイスが誕生? 元Apple幹部らがChatGPTを搭載したウェアラブルデバイスを公開。ユーザーの口頭指示で作動するAIアシスタント「Ai Pin」だ。情報を読み上げたり、掌へ投影したりできる。
独立したら年収10倍 個人メディア、SNSの次はメール - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「読者が書き手に直接お金を支払うやり方がベストなのではと考えた。無料のSNSはデータを吸い上げることで読者を商品化してしまうが、サブスクリプション(定額課金)では読者がお客であり続けられる。人々が興奮するかではなく、質の高さや重要さで記事が選ばれるようになる」。

——購読型のメルマガ(米国ではニューズレター)サービスのSubstack創業者へのインタビュー。「サブスタックに書くことで、以前の組織にいた時の10倍を稼ぐようになった記者もいる。何人かの著名記者を失ったメディアもあった。だが、それは書き手がその組織の中で納得のいく処遇を得ていなかったことと同義でもある」というコトバをどう聞くのか。

Microsoft、世界の選挙をディープフェイクなどの攻撃から守るためのツールを提供へ
「『Content Credentials as a Service』は、候補者向けのツール。コンテンツの出所を確認できるC2PA(=コンテンツ信憑性の技術標準化団体)のデジタル透かし認証を使う。この透かし認証は、出所を確認できるだけでなく、認証後に改ざんされると分かるようになっている」。

——来年は世界各国で(日本でも?)、重要な選挙が行われる年だ。その選挙への脅威対処のため、米Microsoftが5つの施策を発表。

「Instagram」のサブスクリプションが100万件を達成--新たな収益化方法も発表
「2023年に入ってInstagramがサブスクリプションプログラムの提供範囲を拡大して以来、アクティブなサブスクリプションが100万件を超えるまでに成長したと、Metaが発表した。Instagramの月間アクティブユーザー数が23億5000万人を超えていることを考えると、小さな数であることは否めないが、サブスクリプションプログラムが開始されてから1年しか経っていないことを思えば、素晴らしい実績だ」。

——超大手プラットフォーマーはこれまで規模のメリットで広告によるマネタイズを図ってきた。今後も基本線は代わらないだろうが、サブスクも重要な柱になると見れば、この分野での進化は進むはず。注目する。

AIガイドライン、「人間中心」など10原則を年内決定方針…公的機関含め全利用者が対象
「政府がAI(人工知能)関連の国内事業者向けに策定を進めるガイドライン(指針)の原案が判明した。全ての事業者が共通して考慮すべき指針として『公平性』『透明性』などの10原則を掲げたのが特徴で、有識者会議『AI戦略会議』での議論を経て、年末までに決定する方針だ」。

——成案を得たわけではないが、注目の動き。

米New York Timesが購読者1,000万人達成と発表(約1年前に発表された「1,000万」はグロスで、各製品の購読者の総和だった)。同社の戦略上の焦点は、「1人の購読者をすべての製品の購読者に変えることだ」「ニュースのみのマーケティングをやめた」と同社幹部は述べる。

OpenAI、「GPT-4 Turbo」と「Assistants API」を発表〜OpenAI DevDay 2023から

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

OpenAI、「GPT-4 Turbo」と「Assistants API」を発表〜OpenAI DevDay 2023から
「『Assistants API』のローンチは、(「GPT-4 Turbo」に加えて)もう一つの重要な発表だった。このツールセットにより、開発者はコーディングアシスタントからバケーションプランナー、音声制御 DJ まで、特定のユースケース向けにカスタマイズされた AI エージェントを構築することができる」。

——Musk氏の付け焼き刃の「Grok」発表では到底太刀打ちできなかったOpenAIの各種発表。特に個人的に注目はこの「Assistants API」。私の内心の問いである「ChatGPTはメディアになるか、それともユニバーサルなアシスタントになるのか」について、後者への道のりが速い足取りで整備されつつあると受け止めた。

「赤ちゃんの遺体画像を”AI生成”と判定」イスラエル・ハマス衝突、AIフェイクの本当のリスクとは?
「極めてリアルな生成AIフェイク画像が与えるインパクトは、人々が『フェイクに騙される』ことだけではない。
本物に対しても「これは本物か?」との疑念を広げ、事実を「フェイク化」する危険をはらむ。そして、AI判定の難しさが、さらに事態を複雑にする」。

——「AI生成ニセ画像」を判定するAIが間違っていたら? ややこしい冗談のようなテーマだが、これが今次のガザ紛争では日々生じている。自分は、この事態にシニカルにファクト(事実)に対して冷笑的に振る舞うことを選択したくない。技術に頼り切ることなく、一つひとつファクトを積み上げるしかない。だからこそ多方面からの“検証の目”が必要になる。

Dashtoon uses AI to turn storytellers into comics artists | TechCrunch
作画能力はなくとも、売れそうなコミックストリーリーは持っているというクリエイター向けに「Dashtoon Comic Reader」が誕生。ジェネレーティブAIで作画、そしてWebトゥーンスタイルのアプリプラットフォームに配信して収益化するクリエイティブエコノミーの試みだ。
ビートルズ最後の新曲「Now and Then」は、こうしてAIの技術を駆使して世に送り出された
「1990年代に『ザ・ビートルズ・アンソロジー』のレコーディングに取り組んでいた際に、この古いカセットテープから『Now and Then』を復活させようと試みた。音源ではジョンのボーカルが自身のピアノの音にかき消されてしまっていたが、当時は声を分離させる技術がまだなかった。『それでそのまま立ち消えになってしまったんだ』と、ポールは新たに制作されたこの曲の短編ドキュメンタリーで語っている」。

——この週末、レノンの声と楽しい動画を散々楽しみ、懐かしくThe Beatls時代を振り返ることができた。テクノロジーの肯定的な側面だ。

Disruption This Week—–27/10/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年10月23日から2023年10月27日まで。

ディープフェイクポルノ被害を描いた衝撃的なドキュメンタリー
「事件の発覚は、22歳の大学生のテイラーさんが、友人から受け取ったメッセージから。
『本当に申し訳ないけど、これ、見たほうがいいと思う』という、ゾッとするようなFacebookメッセージでした。そこにあったのはポルノサイト『PornHub』のリンク」。

——「これはただ嫌がらせや支配、屈辱を与えるための新しい方法に過ぎない」とのコメントが、記事中にあるが、この単なる邪な欲求を手軽かつ効果的に満たす手段が、世に満ちてきている。

Cisac report reveals global music collections rose 28% in 2022
CISAC(著作権協会国際連合)、2022年の最新年次報告を発表。作詞家・作曲家の印税が28%増の108億ユーロ(約114億ドル)に達した。100億ユーロを超えたのは初めてで、新型コロナ禍以前の数値を上回った。また、デジタル経由の印税が、19年比でほぼ倍増となった。
【全文閲覧には要購読】:
米国消費者の67%が、購読の解約手続きが簡単であれば、デジタル出版物を購読する可能性が高まると回答。また、51%がデジタル出版物の購読を解約する際に困難に遭遇したことがある。米メディアToolkitsとNational Research Groupが調査した。
Google is actively looking to insert different types of ads in its generative AI search | TechCrunch
GoogleはAIを活用したジェネレーティブな検索体験のためのさまざまな広告フォーマットの開発に取り組んでいることを明らかにした。
CEOのSundar Pichai氏は「検索ジャーニーのすべてのステップにカスタマイズされたネイティブ広告フォーマットを実験する予定だ」と述べたという。
ジェネレーティブAIが生成するコンテンツに「ネイティブ広告」を投入……。悪夢のような時代がやってきそうだ。
ニュースと決別するSNS メディアに深刻な打撃 NYT【前編】:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「ニュースメディア側は、プラットフォーマーからのトラフィック(読者の流入)がかつてのレベルに戻ることはないだろうと諦めているようだ。
これまでにも摩擦が多かったニュースメディアとプラットフォームとの関係の中で、今回は際立っており、ニュースメディアへの影響も深刻だ」。

——色々な視点があると思うが、“プラットフォーマー”が金を稼ぐ鉱脈としてニュースメディアを見てきた帰趨だと思っている。このモデルについて誰がどう答えを出せるのか。

Instagram is testing a dedicated feed for posts from Verified users | TechCrunch
Instagram、認証(Meta認証=月額12〜15ドルの支払いが必要)ユーザーの投稿のみ表示するフィードチャンネルをテスト中と公表。一定の信頼性ある投稿と収入増の両面を追うアプローチのようだ。だが、Xでは有料課金が極端な主張を排除できないという面も指摘されているのだが。
NIKKEI FT the World |FTの厳選記事で世界の潮流をつかむ
日経新聞が、バーティカル系メディア(NIKKEI Prime)を続々投入。今度は「日経FT the World」。これで5媒体目となる。日経電子版のほぼ半額のプライシング。かつ、日経電子版購読者には割引もある。
‘Here is the news. You can’t stop us’: AI anchor Zae-In grants us an interview
「彼女の唯一の欠点は、その完璧さである」。
アジア、そして欧州などでAI生成のキャスターがニュースを読み上げるのを多く目にするようになっている。K-Popスターかのような完璧な仕上がりを見せるAIの合成を行う現場を取材した記事。
Universal Musicら音楽出版各社、歌詞の剽窃をめぐってジェネレーティブAI企業のAnthropicを提訴。「少なくとも500曲の歌詞を使用することで出版社の権利を侵害している」との趣旨。
その記事の内容、本当? 実態不明のニュースサイト「ピンクスライム」が増殖中…保守系団体が資金提供も:東京新聞 TOKYO Web
「今後は、人工知能(AI)を活用した『ピンクスライム3.0』の拡大が予想されている。
報道機関の信頼や透明性を評価するプロジェクト『ニュースガード』によると、既存報道からほぼAIだけで記事を生成しているサイトは世界に数百ある。研究者が『ハルシネーション(幻覚)』と呼ぶAI特有の『もっともらしいうそ』が入り交じる」。

——ほぼでっち上げ、もしくは間接的にしか見聞していない情報をもっともらしい報道とするビジネス。記事はすでに消滅してしまった米ローカルメディアの代わりにはびこっている実態を記事は取材するが、その次世代版をジェネレーティブAIが担うとの見立てを示している。注視すべき動向。問題は、ジェネレーティブAIなど存在する以前からこの種のビジネスがはびこっていることだろう。

米Zoom、従業員に出社義務 生産性向上迫る - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ掲載の連載コラムが、日経電子版に掲載されました。在宅勤務時代のスター企業が皮肉な動きを見せています。よろしければどうぞ。➡ 米Zoom、従業員に出社義務 生産性向上迫る

Disruption This Week—–15/9/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年9月11日から2023年9月15日まで。

生成AIツール「Adobe Firefly」、一般提供開始--商用利用が可能に
「もう1つ注目すべきアプローチとして、同社は、Fireflyのトレーニングに画像を使用した場合に、『Adobe Stock』コントリビューターに対して報酬を支払う。Adobeは、『有意義な』ボーナスを年1回支払うと、(Adobeのプロダクト担当幹部)Subramaniam氏は述べた」。

——AIの学習に用いられる(したがって、そのままの形で最終アウトプットにはクレジットされない)作品への報酬問題に対し、一定のアプローチが示された。これが終着点ではないだろうが、興味深い動き。

米ハイテク企業トップら、AI規制巡り議論-上院の非公開会合
「午前中のセッションを通じて意見の対立が見られたという。メタのマーク・ザッカーバーグCEOやオープンAIのサム・アルトマンCEO、マイクロソフトのビル・ゲイツ共同創業者はオープンソースのAIを研究するリスクを巡り異なる意見を述べた」。

——米政界とAIの開発を進めるハイテク事業者が初の会合。他記事によれば、ハイテク事業者側のいずれのCEOも政府による介入を望むとの見解を示したとされる。

Want to boost local news subscriptions? Giving your readers a say in story ideas can help
読者(視聴者)に記事への意見を求め、それを実行に移すことが、購読者数の増、ローカルニュースへの関心を改善する効果があるとの調査結果が発表された。米Texas州立大の研究者らの論文。近年「エンゲージメント・ジャーナリズム」と呼ばれる分野が注目されているという。
The creator economy goes global
“クリエイターエコノミーは衰退するどころか、より協力に発展を続けている”。決済・金融サービスのStripeが歴年の資料を公開。21年に50のプラットフォームで67万人に100億ドルの支払いを受けたが、23年には100万人以上、250億ドル以上の収入を得ているとするもの。
Stability AI debuts Stable Audio bringing text to audio generation to the masses
Stability AI、「Stable Audio」技術を発表。テキスト、画像、そして(プログラミングなどの)コード生成に続き、ジェネレーティブAIの新領域は、テキストからのオーディオ生成とのことだ。画像生成と同じ「拡散モデル」を基礎とし、MIDIを超えるアウトプットとする。
テキストによるプロンプトでオーディオを生成するが、歯止めも設けられており、「ビートルズ風楽曲の生成」などは実行しないという。
米著作権当局、生成AI「Midjourney」で制作した優勝作品の著作権保護を拒否
「米著作権局審査委員会は9月5日(現地時間)、生成AIを使って制作された芸術作品の著作権保護を拒否したと、米Reutersが6日、委員会の文書を添えて報じた。対象となったのは、昨年9月にファインアートコンテストで優勝したアーティストのジェイソン・M・アレン氏による作品『Theatre D’opera Spatial』だ」。

——これからAIによる作品の学習、AI作品の著作権保護という両面からの権利問題が次々と生じるだろう。それがどう収束していくか。各国でも事情が異なるので追うのが大変だ。

検索でのグーグル優位は「公正な競争の結果」なのか? まもなく始まる裁判の重要な論点
「原告側の州司法長官らは、グーグルは一般的なオンライン検索で違法に90%のシェアを確立しており、それによって健全な競争があった場合と比較して消費者が不利益を被っていると主張している」。

——近年、米政府がビッグテック相手にいくつかの独禁法違反を問う訴訟を起こしているが、確実な勝訴はMicrosoftのIEをめぐる事案以降生じていないようだ。今回のケースは、IE以上の独占度を示す王国への切り込みとなる。どんな結果になるか。その間に、ジェネレーティブAIの台頭なども影響を及ぼしそうだ。

Ten major trends in news consumption publishers need to be thinking about
英Reuters InstituteのシニアリサーチアソシエイトであるNic Newman氏、講演でメディアが知るべき最新のトレンドを10に整理して説明。
1) ニュースソースとしてのTVと印刷物の役割は激減中、2) シニア層は依然TVを好み、若年層はSNSを好む、3) ニュースソースとしてのFacebookの地位は、ショート動画に取って代わられつつある…などだ。
Briefing: China’s Tencent Debuts AI Model for ChatGPT-Like Apps
【有料購読者向け記事】:
WeChatを運用する中国Tencent、ChatGPTを意識したジェネレーティブAIベースの新製品「Hunyuan」を発表。同社をはじめAlibaba、Baidu、ByteDanceが先陣争い中だが、もちろん最大の不確定要因は当局の壁だ。どうやらその制約を超えたらしい。
Publish 21 Issues to Enter the Top 5% of Newsletter Creators
ニューズレターの「Reletter」、ニューズレター配信サービスのSubstackとLinkedInを調査。この2サービスで、なんと170万ものニューズレターが存在。だが、過去1か月半で更新を行っているのは、その12%に過ぎず、2号を配信したのは35%。5号までは17%、10号は11%にすぎない。
スナップチャット、「無料SNS+広告」の次示すか - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載寄稿が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ スナップチャット、「無料SNS+広告」の次示すか