Disruption This Week—–20/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月16日から2024年12月20日まで。

日本新聞協会、生成AIと著作権保護「新たな法整備を」 - 日本経済新聞
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「生成AIの普及に伴い偽・誤情報の拡散が社会問題となっている。協会によるユーザー調査では『約6割が誤った回答が表示された経験を持つ』との結果が出ており、背景には『無秩序なデータ収集』があると指摘した」。

——日本新聞協会による、政府推進案に対する見解。協会自身が掲載したページより、日経に依るこの記事の方が読みやすい。協会、すなわち新聞業界が警戒する関心事は、検索に近いポジションでAIが報道される情報のつまみ食いをしてしまうことのようだ。

Webは消滅に向かっている——。米Pew Researchによれば、2013年にはアクセス可能だったWebページの38%が、今ではアクセスできない。ある大学の研究者らによれば、2025年までに地方ニュースサイトの3分の1が失われるという。技術的欠陥、そして情報を消したがる動きも原因だ。
メタ、来年の米広告収入はインスタグラムが半分超の見通し=調査
「調査会社イーマーケターは調査で、米メタ・プラットフォームズの2025年の米国での広告収入は写真共有アプリ『インスタグラム』が半分超を占める見通しを示した。メタは主力商品の改善を通じて広告を増やし、売上高を拡大する取り組みを進めている」。

——なぜ、この予測が話題となるのかと言えば、ライバルで短尺動画アプリの筆頭アプリTikTokが米国で禁止される(あるいは所有権が動く)可能性が高まっているからだ。記事にはInstagram広告の内訳などが詳しく紹介されている。

More than 140 Kenya Facebook moderators diagnosed with severe PTSD
140人以上のケニア人Facebookモデレーターが重度のPTSDと診断され、アウトソーシング元のMetaとアウトソーシング先企業Samasource Kenyaに対して元モデレーターらが訴訟を提起との報道。モデレーターらは過激な動画像に繰り返し晒されていたとする。
IT技術者「自由な働き方」に盲点 サイバー攻撃の標的に 編集委員 須藤龍也 - 日本経済新聞
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「ディレクターを名乗る人物から「スキルをテストしたい」と通販サイト構築アプリのプログラムコードが送られてきた。男性がパソコンで実行したところ、セキュリティーソフトがウイルスを見つけたと警告を発した」。

——衝撃なのは、記事が「石川氏によると今回見つかったウイルスから、ハッカーの狙いは第一に仮想通貨など金銭目的だと推察する。ただ、男性のパソコンを乗っ取る機能も見つかっていることから、パソコン内部の機密情報を盗み取る目的もあるとみる」と続くこと。被害に遭いかけた技術者は、会社貸与のPCを使って、“スキルテスト”プログラムを走らせていたという。

AIの次なる飛躍、「長時間思考」に備えよ
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「長時間思考とは(少なくとも最大限に活用された場合では)文字通りの意味を持つ。長時間思考AIモデルは、生成する結果を「熟考する」ためにもっと時間をかけるように設計されている。進行状況を知らせ、途中でフィードバックを求めるほど賢くなるだろう」。

——OpenAIの長時間思考モデルが、「o-シリーズ」。「回答する前により長く考え、複雑なタスクを論理的に捉え、『科学、コーディング、数学の分野で、従来モデルよりも難しい問題』を解決するよう設計されている」という。

EU、TikTokの調査開始 選挙介入巡る疑い
「欧州連合(EU)欧州委員会は17日、11月のルーマニア大統領選などで選挙介入を抑制しなかった疑いがあるとして、中国の字節跳動(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』に対する正式手続きを開始した」。

——これはすでに紹介した。国内大手紙でも論じている話題。これから注目されるのは、単にTikTokが適切な偽誤情報を含む政治コンテンツに対して適切にモデレーションするのを怠った、以上の、影響力工作方法上の新たなアプローチがあるのかどうかだろう。

More YouTube viewers are watching on their TVs | Semafor
YouTubeの視聴が、CTV(コネクティッドTV)上で急上昇。多くのクリエイターは4Kベースの(CTV向け)コンテンツで収益を伸ばしている——。同社幹部のKurt Wilms氏が述べた。「収益の大半をリビングルームのデバイスから得ているクリエイターの数は、前年比で30%増加」。
メタが新AIモデル公開 メタバースのアバター動作がリアルに
「メタは12日、人工知能(AI)モデル『Meta Motivo』をリリースすると発表した。メタバース空間でのキャラクターの動きをコントロールし、自然な動作を可能にした。
Meta Motivoはデジタルアバターによく見られる体の動きの問題を解決し、よりリアルで人間らしい動きを実現すると説明した」。

——ようやくMeta社は、AIに先行して全力を傾注してきたメタバース戦略とAIの接点を創りだすところにまでこぎ着けたようだ。今後は同社のアドバンテージが生きてくるのかもしれない。

Patrick Soon-Shiong's controversial shakeup at the L.A. Times:  'Bias meter,' opinion upheaval and a call for growth
米著名メディアの一つ、L.A. TimesのオーナーPatrick Soon-Shiong氏の言動、行動が話題だ。同紙がHarris大統領候補の支持を表明するのにストップをかけ、同紙記事のバイアス度を表示するメーターを設置しようとする。同氏へのインタビューをL.A. Times自ら行った。

Disruption This Week—–6/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月2日から2024年12月6日まで。

米Vox Media傘下の人気テクノロジー系メディア「The Verge」がペイウォール制を開始。ユニークなタイムライン型トップページ(非常に滞在時間が長い)を閲覧フリーとしつつ、一部のプレミアムコンテンツとサービスをアクセス有料に。「より少ない広告のために」と編集長は意図を述べる。
生成AIで日本のマンガを爆速翻訳、日英同時配信で世界に挑む
「日本の出版スタートアップ企業は、アンソロピック(Anthoropic)の主力大規模言語モデル『クロード(Claude)』を利用し、マンガを英語に翻訳している。これにより、英語圏の読者にわずか数日のタイムラグで新刊を届けることが可能になった。通常ならば2〜3カ月のチーム作業が必要なところだ」。

——メディアがAIに期待できる最も建設的な効果の一つが、自動翻訳だろう。だが、このような取り組みに反対論も根強いと記事は指摘する。「この会社がどんなに善意で動いていようとも、AIを使ってマンガを翻訳するという考えは、悪趣味で侮辱的だと思います」。さて、社会は最終的にどちらを許容するか。スタートアップ企業側は、「日本で出版されるタイトルのうち、米国版が刊行されるのは2%程度にすぎない」と豊かな市場性を指摘している。

Google search change hits publisher Black Friday e-commerce revenue
ホリデーシーズンを迎えたからか、Googleは検索アルゴリズムの調整で、有料アフィリエイトリンクで荒稼ぎをする多くのニュースメディアをランクダウンさせる打撃を与えている。記事は、Forbes、AP通信、CNN、Fortune、そしてWall Street Journalが打撃を受けたと報道する。
Meta Platformsのグローバル政策担当責任者のNick Clegg氏、選挙の年となった2024年を会見で振り返り、「同社アプリの全体で、あまりにも多くのコンテンツを誤って削除や制限を課してしまっている」と、そのモデレーション精度の低さについて見解を述べた。
Netflix日本トップ「有料会員1000万世帯を突破」 4年で倍 - 日本経済新聞
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「米動画配信大手ネットフリックスのコンテンツ部門バイスプレジデント、坂本和隆氏が日本経済新聞などの取材に応じ、『日本の有料会員が1000万世帯を突破した』と明らかにした。日本発の作品は、非英語作品の中で韓国ドラマに次いで2番目に世界で視聴されていることも分かった」。

——「2015年に「黒船」として日本に参入した。20年に500万だった日本の会員数は24年6月時点で1000万を超え、約4年間で2倍に増えた」と記事で、坂本氏が述べており、その成長プロセスが伝わる。家庭での視聴を考えると、日本人の2000万人程度が視聴しているのだとも。

Streamer Kai Cenat earns millions, breaks Twitch subscriber record during 30-day livestream
米クリエイターの Kai Cenat、Amazon傘下のストリーミングプラットフォームTwitch上で、11月の30日間ノンストップ(24時間)でライブストリームを配信。同プラットフォームで記録となる最高加入者数(73万人弱)を更新。その間のユニーク視聴者は5,000万人に達する。
Meta says AI content made up less than 1% of election-related misinformation on its apps | TechCrunch
Meta、自社アプリの選挙関連誤報のうちAIコンテンツは1%未満と発表。選挙の年である今年。年初には偽誤情報のまん延が選挙に影響を及ぶとの懸念が高まったが、同社は米国をはじめ各国での調査により、軽微なレベルに抑え込めたと自負。選挙以外でも努力すべきだろう。
News outlets push vertical video to the homepage
Instagram、TikTok、YouTubeの定番である短尺のタテ型動画が、ニュースメディアのWebサイトへ導入が進む。記事では、The Economist、New York Times、Washington Post、Wiredなど著名サイトで記者らが短尺・タテ型動画による報道スタイルに取り組む動向を伝える。
Taylor Swift Is Upending Another Industry Playbook—This Time, in Books
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米歌手のTaylor Swift氏が“セレブ出版”に革命(?)——同氏自身が運営するTaylor Swift Publicationsから個人出版書籍『Eras Tour Book』を刊行。ブラックフライデーに売り出す。初版部数は200万部だ。
Putin’s new plan to undermine fact-checking – EDMO
ロシアは、自称“ファクトチェック組織”の国際的な連合体の設立を目指している。 「グローバル・ファクトチェッキング・ネットワーク(GFCN)」と呼ぶ構想だ。その主な推進者は、近年いくつもの国で偽情報キャンペーンを行ってきた、クレムリンに支配された報道機関だ。
国家が主導する(体裁をとるはずだ)ファクトチェックの問題点がここにある。

Disruption This Week—–1/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年10月28日から2024年11月1日まで。

オープンAI、ChatGPTに検索機能を追加-グーグルへの対抗強化
「オープンAIの『4o』モデルを利用した新たな検索機能はまず、有料サービス『ChatGPT Plus』と『Team』の加入者向けに31日からモバイルとウェブで提供される。無料ユーザーは今後数カ月内にアクセスできるようになる。同社の発表を受けて、アルファベットの株価は一時1.9%下落」。

——ChatGPTの有料バージョンに、「AI検索」機能が追加。わかりづらいが、要するに、従来のChatGPTでは(ニュースなど)最新情報は対象外だったが、それが最新情報にまで拡張されるというのがポイント。驚きは、これを受けてGoogleの株価が下落したこと。やはりAIが従来の検索ビジネスの脅威だと、市場も認識しているということだ。

Exploiting Meta’s Weaknesses, Deceptive Political Ads Thrived on Facebook and Instagram in Run-Up to Election
米メディアProPublica、米国内で8つの偽広告ネットワークが、340以上のFacebookページに16万以上の選挙広告とディープフェイクを用いた政治・社会問題広告を掲載と報道。広告をクリックして毎月のクレジットカード請求にサインアップさせられたりとの被害も生じているという。
How The New York Times is using generative AI as a reporting tool
米New York Timesは、AIを報道にどう用いているか——共和党・Trump陣営の選挙活動を批判するため、同メディアは共和党の活動家らの数年にわたる会議の動画記録(およそ400時間)を入手。単純な文字起こしに始まり、その概要把握にLLMを活用し、調査報道に結びつけたとする記事。
アメリカ大統領選挙、マスコミ信頼度が過去最低 主戦場はSNSに - 日本経済新聞
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「最終盤を迎えた米大統領選で、共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領の両候補はマスメディア以外での情報発信に力を入れている。ポッドキャストや動画共有サイト『ユーチューブ』などSNS上で人気のある人物との連携が、有権者に接近する近道となっているためだ」。

——度々紹介しているが、米大統領選では、SNSなどのプラットフォーム上で人気を得ているクリエイターの役割が大きな注目を集めている。背景には、従来メディアへの不信が、計量的にも示されている。

オープンAI、収入全体の75%は消費者の有料サービス利用-CFO
「(OpenAIの)フライヤーCFOは28日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、オープンAIの収入全体の約75%が消費者のサブスクリプション(定額課金)によるものだと説明。同社の対話型AI『ChatGPT(チャットGPT)』の消費者向け有料プランは現在、月額20ドル(約3060円)からとなっている」。

——では法人向け事業はどのような状態なのか? といえば、「同社は9月、ChatGPTの法人向けバージョンで有料ユーザー数が100万を突破したと発表した」と記事にある。いずれもOpenAIの直販事業を指していると思うが、一方で、大株主のMicrosoftは法人向けビジネスに強いはずだが。OpenAIの収入基盤は強固だ。

バイデン政権、AIに関する国家安全保障覚書を発表
「AI NSM(=国家安全保障覚書)は、安全で信頼できるAI開発における米国のリーダーシップ確保、国家安全保障目標達成のための強力なAIの活用、世界的に有益な国際的なAIガバナンス枠組みの促進という3つの柱に基づいて、具体的な行動を指示するものだ」。

——すでに紹介したが、米国は(特に中国を念頭に)AI開発による安保上の優位性を保つ一方、AIが持つリスクを抑え込むための統治を強化しなければならないという、両極の課題を自覚。その課題に明文的に対処を始めた。

Disney Poised to Announce Major AI Initiative | Exclusive
米Disney、制作者向けの大規模なAIイニシアティブの発表を準備中と、米メディアThe Warpがスクープ。この構想は、クリエイティブワーク(特にポストプロダクションと視覚効果)を一変させるような大規模なもので、同社従業員数百名が携わっているものだという。
「AIゴーストライター」が侵食する創作市場 編集委員 瀬川奈都子 - 日本経済新聞
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「『本当に人が作った曲ですか』。音楽著作権管理のNexTone(ネクストーン)の担当者は、都内の音楽出版社に出向き確認した。生成AIが国内で普及し始めたこの1〜2年、この出版社は毎月のように数千曲もの作品登録申請を続けている」。

——登録申請を求める楽曲の、そのオリジナリティを審査する仕組み自体にも、AIの能力が必要なのではないか。近未来的に見える世界が、すでに現実になっている。

Joe Rogan Takes Center Stage in an Election Season Dominated by Podcasts
【有料購読者向け記事】:
2024年の米大統領選では、マスメディア以上にクリエイターの役割、とりわけポッドキャスターの存在が大きく注目された。SpotifyやYouTubeなどで1,500万人ものリスナーを集めるNo.1ポッドキャスターJoe Rogan氏の番組に、Trump氏が出演した。Rogan氏は、Harris氏にも出演を求めているが、難航しているという。
バイデン政権、安保強化でAI活用へ-軍事・スパイ対策で官民協力
「バイデン米政権は24日公表した国家安全保障に関する新たな覚書で、軍事および情報収集目的での人工知能(AI)の採用を加速させる必要があると指摘し、各政府機関に強力なシステムを安全な方法で速やかに展開するよう指示した」。

——昨今、テクノロジーの話題は、そのまま安全保障の話題として登場する。テクノロジーが安保課題となるまでのサイクルが超短縮されているのだ。AIがその例。いまやAIは米国にとって、対立国への戦略優位性の源泉だが、同時にいかに統制していくかの悩ましい課題でもある。

「人工知能と人間のよりよい共生のために」久木田水生 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
スマートニュースメディア研究所が開催している「AIと人間のあいだ」研究会からの、新たな論考です。名古屋大学の久木田水生氏「人工知能と人間のよりよい共生のために」。
是非ご一読を。

Disruption This Week—–30/8/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年8月26日から2024年8月30日まで。

Can Tech Executives Be Held Responsible for What Happens on Their Platforms?
【有料購読者向け記事】:
「Pavel Durov氏への告発によって、Meta社のMark Zuckerberg CEOのようなハイテク企業幹部が、次にヨーロッパの地を踏んだときに逮捕される危険性があるかという懸念や疑問が起きている」。米New York Timesがハイテク業界に生じている恐怖を伝える。
インターネットの検索行動、YouTube利用が増加/複数回検索する人は約半数に減少【ナイル調査】
「インターネットを利用して調べものをする時最も利用頻度が高いものを尋ねた。すると、『Google(50.0%)』『Yahoo!(25.2%)』『YouTube(5.3%)』の順となった。
2023年調査では3位に『Twitter(5.0%)』がランクインしており、2024年は『X_旧Twitter(4.4%)』は0.6ポイント下がり4位という結果に」。

——よく考えてみれば、検索エンジンは検索のためのツール。一方、YouTubeやInstaなどは、SNS閲覧(や投稿)のための場。文脈が異なるなど、いろいろ考えがふくらむ。

Newsrooms are finding new ways to build community, online and off
「一緒にニュースの意味を理解するのを助けてくれるコミュニティが周りにないとき、相談できる人がいないとき、ニュースを追いかけるための社会的通貨がないとき、それは切り離されたように感じる」。

——ニュースをめぐるコミュニティ構築の重要性を語る議論。Institute for Nonprofit News(INN)のカンファレンスでの発言から。

NFT価格、2年で10分の1 バブルの跡からビジネスの芽 価格は語る - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「非代替性トークン(NFT)の平均単価が2年間で約10分の1に急落した。短文投稿に3億円の値がついたバブルが去った今、売買は手ごろなデジタルアートや会員権が中心だ。本来の特性を生かした使い道が少しずつ広がっている」。

——投機的な期待が先行していたNFTが、徐々に地に足が着いたビジネスへの動き。「会員権のようなサービス利用権との相性が良い。ホテル開発・運営のNOT A HOTEL(ノットアホテル、東京・渋谷)は、リゾート施設のシェア所有でNFTを活用している」というのは、なるほどなー。

紙の漫画を続けていたら、家賃6万8000円すら払えなかった…「パッとしない」漫画家が年収2000万円を稼げる理由 7人のアシスタントは全員リモート勤務
「自身が実践しているようにアシスタントには徹夜厳禁とし、人によっては最低限の筋トレと散歩を義務化する。そして、漫画作りのノウハウを紹介している自身のYouTubeをアシスタント教育にも活用している。
登録者数が2万5000人を超えたYouTubeでの発信の成果もあり、近年、美大や専門学校などで講演する機会が増えた」。

——「紙の漫画のアシスタントだった丸山恭右さんは2019年から漫画アプリへの配信を始め、年収2000万円を稼ぐ電子漫画家になった」と、丸山氏のサクセスストリーリーを取材した記事。要するに生産性を上げること、戦略の狂気じみた徹底が伝わる。“生産性”というコトバと縁遠いとみられてきた分野だが、やりようがあることもよく理解できる。

メタCEO、コロナ巡る投稿でバイデン政権からの「圧力」明かす
「メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなか、コロナ関連のコンテンツを『検閲』するよう米国政府から『圧力』を受けたと明かした。要求に応じた同社の決定を後悔しているとも述べた」。

——こちらも政府、プラットフォーマーをめぐる話題。優等生ぶりを発揮してきた米ITプラットフォームも、大統領選後を見据えてか、新たな動き、言動を示し始めている。

マスク氏、加州のAI規制法案支持 安全性テスト義務付け
「米実業家のイーロン・マスク氏は16日、カリフォルニア州の人工知能(AI)規制法案(通称SB1047)を支持する意向を示した。同法案はハイテク企業やAI開発者に対し独自モデルの一部について安全性テストの実施を義務付ける内容」。

——直前の投稿のように、Musk氏もまた、カリフォルニア州AI規制新法を支持。「私は20年以上にわたってAI規制を支持している」とのこと。

Inside Megyn Kelly's YouTube success | Semafor
米ニュースキャスターのMegyn Kelly氏、FOXそしてNBCで人気ニュース番組で人気を博していたが、“差別的”とされる発言で番組降板。現在は、スタッフ6名で、230万人が登録するYouTubeチャンネルやポッドキャストで、かつてのレガシーメディアに匹敵する数字を獲得と明かす。
Pro-Russia 'news' sites spew incendiary US election falsehoods
ロシア政府に近い“偽ニュースサイト”ネットワークが、Trump前大統領の暗殺未遂事件の背後に米民主党の謀略があるとの情報を拡散。元となったBarack Obama氏らの会話記録がAI音声合成と米NewsGuardが分析。ロシアに逃亡した元米海兵隊員John Mark Dougan所有サイトが発信源だ。
This startup wants to be the iTunes of AI content licensing
「新鮮で高品質なデータへのアクセスを必要とするAI企業と、実際にデータ生成にコストをかけているメディア企業をつなぐマーケットプレイスを作ること」の目的とする新興企業Toolbitの話題。同社創業者はRAG技術に着目して創業したと語る。

Disruption This Week—–10/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月30日から2024年5月10日まで。

Leaked Deck Reveals OpenAI's Pitch on Publisher Partnerships
米Adweek、OpenAIがメディアとの提携スキーム(メディアがコンテンツのAI学習を許可し、代わって対価を得る)を解説した提案書「Preferred Publishers Program」をスクープ。金額など具体的な表示はないが、全体像は見える。OpenAI側はそれは「古い情報」だとコメントしている。
Facebook's referral traffic for publishers down 50% in 12 months
2018年からChartbeatが追跡している792のニュースメディアのサイトへのFacebookからの流入トラフィックを集計すると、2018年3月の13億件から先月の5億6100万件と、過去6年間で58%もの急減。さらにこの1年間では50%減だった。

2024 Edelman Trust Barometer

エデルマン・ジャパン

2024 Edelman Trust Barometer
「日本では特に、ジャーナリストや記者への信頼が欠如している」(ダウンロード可能なPDF資料から)
——2024エデルマン・トラストバロメーター
AI動向の年次調査レポート「2024 AI Index Report」公開 スタンフォード大研究所
【全文閲覧には要購読】:
「スタンフォード大学の研究所は、AI動向をまとめた最新の年次調査レポート『2024 AI Index Report』を公開した。生成AIのトレーニングコストに関する新たな推定値、責任あるAIの展望に関する詳細な分析などを報告している」。

——一度紹介済みだが、改めて。スタンフォード大の詳細を究めたAIトレンドの調査リポート。記事は無料購読者への限定記事だが、原文PDFはだれでも入手できる。

ニュースレターで解決できる? AIの脅威、トラフィックの減少、ファーストパーティデータの蓄積 | DIGIDAY[日本版]
「ソーシャル・プラットフォームへの依存度は下がっている。今後は検索への依存度も下がるだろう。(中略)私たちは、最も忠実なオーディエンスといえるニュースレターのオーディエンスをしっかりとケアし、自社で多くをコントロールできるプラットフォームに対応しなければならない」。

——Webでの閲読体験は下がる一方だ。サーフィンならいざ知らず、“好みのメディア”を決め打ちで読むのなら、ニューズレター(メルマガ)が重要な選択肢になる。配信するメディアからすれば、購読制への架け橋としての役割を期待できる。
記事はニューズレターに力を入れるメディアの動向と、その意図を解説するもの。ただし、この種の取り組みはもはやWebサイトの副産物の域を脱して手間ヒマのかかる取り組みでもあるのだが。

「ガザ攻撃」大学デモに介入、工作ネット「ドッペルゲンガー」「スパモフラージュ」の影響力とは?
「米国内では、イスラエルによるガザ攻撃を巡って大学での抗議デモが急速に拡大する。そんな中で、ロシアや中国などの影響工作ネットワークや政府当局者のアカウントから、社会の混乱や世論の分断を強調する発信が行われ、拡散されているという」。

——ロシア系影響力工作組織である「ドッペルゲンガー」、中国系組織の「スパモフラージュ」の活動がわかりやすく描かれた興味深いリポート。

Small newsrooms won big in the 2024 Pulitzers - Poynter
米報道関係者に与えられるアワードである「ピューリッツァー賞」の2024年版が発表。記事が紹介するように、今年の特徴(の一つ)は、中小・新興メディアの受賞だ。Lookout Santa Cruz、Invisible Institute、そしてCity Bureauがその代表だ。各メディアへの取材、コメントが読める記事。
テイラー・スウィフトの「AIクローン」、ティックトックが排除約束
「動画共有アプリ『TikTok(ティックトック)』は音楽レーベル最大手ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)と結んだ新たな契約で、人工知能(AI)が生成した未承認の音楽をプラットフォームから削除することに同意した」。

——政府などが求めるより、スウィフトが求める方がよっぽどニセ情報対策に進展がありそうな雰囲気。

X launches Stories, delivering news summarized by Grok AI | TechCrunch
X(旧Twitter)、話題になっているニューストピックスの要約を表示する機能「Stories」を提供開始(日本では未定?)。有料版購読者向けの限定機能。オリジナルソースではなく、同社の「Grok AI」がX上の投稿を読み取り、要約を行う仕組みだという。
小学館やJIC、AI翻訳で漫画5万点輸出へ スタートアップに29億円出資 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「漫画の文字部分をAIが画像分析で読み取り、英語や中国語などの言語に翻訳する。漫画の翻訳に特化しているため、ギャグ漫画などの特有の言い回しにも対応が可能だ。
オレンジは国内の複数の出版社と連携して作品を翻訳する」。

——良い試みだと思う。が、ジェネレーティブAIの活用はどうなのだろう? いずれかのLLMと連携するなどしていっきに多言語化を進めるなど“その先”もめざしてほしい。

What's next for The Atlantic after reaching profitability and 1m subscribers
黒字化と購読者100万人を達成した、創業170年近い老舗メディアの米「Atlantic」。WIRED編集長からAtlanticのCEOに転進したNicholas Thompson氏が語る躍進の秘訣は「われわれには大成功だが、他の多くの出版社では成功しないだろう。たまたま今がうまくいっているだけ」と控えめ。
興味深いポイントをいくつか開示しているが、最大のものは、「少なめの記事で、多くの人びとの話題となる」ことを編集ポイントとし、それがビジネスのポイントでもあるとしていることか。
Curio raises funds for Rio, an 'AI news anchor' in an app | TechCrunch
AIを使った音声ニュースのスタートアップである英Curio社、Bloomberg、WSJ、FT、そしてWaPoなどの著名紙の最新の記事見出しをスキャン、その記事の音声要約版をキュレーションする技術「Rio」に出資。
SMPP調査レポート① 日本では、イデオロギー的傾向を超えて、マスメディアへの信頼度が高い - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
私も業務上関与しているスマートニュース メディア研究所。昨年11月に発表した「第1回スマートニュース・メディア価値観全国調査(SMPP調査)」の成果を次々記事化しています。本記事は、調査で分かった人びととメディア、その接触のありようをまとめたものです。