Disruption This Week—–29/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月26日から2022年7月29日まで。

Medium VP of Content Scott Lamb on the platform's evolution and vision for the future
Mediumコンテンツ担当責任者Scott Lamb氏、プラットフォームとしてのMediumの重要要素であるキュレーション機能について、自身の見解を述べる。
「今、我々が最も関心を寄せるのは、ある記事を評価する際、それを特別に注目すべきかどうかを判断する重要なシグナルの1つである筆者についてだ。彼は専門家か?彼に見識があるか、専門知があるか?」
スマホ最適化 「縦読み漫画」急拡大 グリー参入 大手出版社も攻勢
「同協会(=全国出版協会・出版科学研究所)は『縦読み漫画が新たなユーザーを掘り起こしている』と分析している。5年後には世界の縦読み漫画市場が2兆円を超えるとの試算もある」。

——記事は、同市場へのグリーの参入を取り扱っているが、やはり興味を惹くのは、「日本で築き上げられてきた漫画文化は転換点を迎えようとしている」という点。韓国が先行したこのコンセプトと市場に対し、日本での層の厚いクリエイター蓄積を生かしてリードを創りだせるか? また、アプリから制作体制までに及ぶ革新でだれが覇者となるのか。

🚨 Instagram walks back its changes
Instagram事業責任者のAdam Mosseri氏、TikTok追随のための大規模な改修計画を取り止める旨、著名テックライターCasey Newton氏のインタビュー(同氏のニューズレター「The Platformer」掲載)で言明。取り止めるのはフルスクリーンの写真、動画の表示。そして、レコメンド表示について。決定は永続的ではないとも述べる。
メタ株下落、4-6月売上高が市場予想下回る-四半期で初の減収
「メタのソーシャルネットワークのいずれか1つを利用した1日当たりアクティブユーザー数を示す『ファミリー・デーリー・アクティブ・ピープル(DAP)』は28億8000万人で、アナリスト予想平均の29億1000万人をわずかに下回った。
メタは大きな変化のさなかにあり、ザッカーバーグCEOはユーザーのつなぎ留めや若い世代の呼び込み、 バイトダンス(字節跳動)の人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」への流出阻止に向けてさらなる努力を惜しまぬよう従業員を鼓舞しようとしている」。

——IT大手のうち最も注目されていたMetaの業績が開示された。同社にとって初の、歴史的な減収。「世界経済の不確実性」はもちろんだが、今朝のNHKのニュースでも、「Appleによるターゲティング広告の抑止策」「TikTokの脅威」を同社スランプの要因に挙げていた。

Google delays move away from cookies in Chrome to 2024 – TechCrunch
GoogleのPrivacy Sandbox担当副社長Anthony Chavez氏はブログで、Cookie代替技術を採用する時期として「2024年の後半」を目標にすることになったと述べた。記憶するところでは2回目の延期。Appleと違い全力で嫌がっている。
YouTube Ad Revenue Inches Up 4.8% in Q2, Slowest Growth in More Than Two Years
Alphabetの業績でも触れたが、YouTubeの広告収入の成長率が低迷。前年比4.8%増は2年ぶりの低成長記録。景気低迷はもちろんだが、同社にはTikTokの影響が指摘される。とりわけ、短尺動画をテコ入れすればするほど広告インベントリは縮減してしまうと記事。
アルファベットの4~6月、純利益14%減 ネット広告減速
「フィリップ・シンドラー最高事業責任者は『旅行や小売りの分野の広告が好調で、夏の旅行先の検索回数は前年同期の2倍に増えた』と説明した。
ただ、全社の売上高の前年同期比増加率は過去8四半期で最低になった」。

——GAFAMが続々第2四半期業績を開示。広告無敵のGoogleを傘下に擁するAlphabetも成長力を落とした。広告で前年比12%増だが、YouTubeのそれは5%と“低迷”。Google CloudもAWSの背中が遠くなりそうだ。

TikTok Owner ByteDance Distributed Pro-China Messages To Americans, Former Employees Say
TikTokを傘下に持つByteDanceが運営するニュースアプリ「TopBuzz」。その米元従業員が、本国ByteDanceの指示により、中国寄りの記事を定期的に同アプリでピン止め表示させていたと証言。指示どおり実行したことをスクショ付きで報告することも求められていたという。ByteDance社は否定。米BuzzFeed Newsのスクープ。
‘User Needs’: a way for newsrooms to do more with less | FT Strategies - Subscriptions consultancy from the Financial Times
英FT傘下で、メディア市場調査とコンサルティングを行うFT Strategies、英メディア3社を長期詳細に調査。いずれにおいても「ユーザニーズ」と注力分野に大きな乖離があるのを発見。速報に注力しているが、ユーザニーズが高い教育効果や大局展望分野を見逃してきたとする。
Sunset of the social network
先日から紹介しているFacebookのフィードアルゴリズム改変をめぐる論説。この記事でもTikTok旋風をソーシャルグラフの終えんとしてとらえ、純然たるアルゴリズムによる“お薦め”黄金時代を指摘する。2000年代初頭のFriendster、MySpaceそしてFacebookへと続いてきたソーシャルメディアの日没を語る。
Global Fact 9レポート(2) 陰謀論の生態系:「鳥は本物じゃない」運動が問いかけるもの
【ご紹介】:
「昨夜の帰り道、ハチドリのドローンに命を狙われた。針山に針を刺すように一直線に飛んで来て、くび元を狙われたが、すんでの所で逃れた。クラヴマガ(護身術の一種)を習得しておいてよかった。とにかく空を信用してはならない(会場から笑い声)」。

——FIJ理事の奥村信幸さんが、オスロで開催されたファクトチェッカーの国際組織年次総会をリポート第2弾。陰謀論を指摘する運動「Birds Aren’t Real(鳥は本物じゃない)」のセッション紹介。あまりに手が込み迫真的で、ついには信者が集まるようになってしまった……。

Disruption This Week—–22/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月19日から2022年7月22日まで。

キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場
「公開から6日間でユーザは1,800人に達し、現在はすでに2,000人を超えている。GPT-3 は、与えらえた情報から空気を読むのが上手く、空気を読んだ文章を作ってくれるのがポイント。記事作成、広告文、EC サイトの説明文作成などに利用されている」。

——「GPT-3」についてはたびたび言及してきたので、その説明は省くが、このAIによる自然言語などの生成能力が広告などのコピーライティングに実際に利用され始めているという。私が思いつくのは、スペックなどの基礎情報がそろう不動産や商品カタログなを用いた創作力は、応用用途が広そうで興味深い。報道系のストレートニュースにも進出するかどうか?

フェイスブック、クリエーター機能強化へ ニュースとブレティンから人員再配置
【有料購読者向け記事】:
「ブラウン氏(=グローバル・メディアパートナーシップを率いるキャンベル・ブラウン氏)によると、これらプロダクトのエンジニアリングおよびサポート担当者を移動させ、『両チームはより安定したクリエーター機能の構築に注力する』ことになる。これはプロダクトレベルの決定であり、ブラウン氏の所属チームが決めたことではないと関係者は話した」。

——Facebookにとっては、“パートナーメディア(ニュース)”への力点を変える(言い換えれば、重要視しなくなる)、何度目かの戦略変更。ニュースメディアとの協業を重要視し続けることは同社の哲学ではムリということだろう。

「デジタル探偵」が迫る戦争の真実 NYTオープンソース報道最前線:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「オープンソース調査を、地をはうような伝統的な取材と組み合わせるのが最も優れたアプローチだと私は思います。実際、公開情報から極めて決定的な情報を得ることができます。人間の記憶一つとっても、ある出来事をめぐる人間の時系列的な記憶は時間とともに変化します。それが人間の特性です。オープンソースの調査で得た情報によって、証言者の時系列の記憶の正確さなども確認できます」。

——オープンソース調査報道(OSINT)に積極的に取り組み、いまでは17名のスタッフを擁する米New York Times。そのシニアプロデューサーのマラキー・ブラウン氏に取材した記事。

「アドテクに興味を失った」 マイクロアド渡辺社長
【有料購読者向け記事】:
「リタゲは一部のユーザーを行動データに合わせて、過剰なまでに追及する広告だ。果たして消費者のためになっているかのどうかという課題を感じていた。計測ツールで見れば、確かに結果はコンバージョンという形で出ているが、イノベーションは起きないと思い始めた」。

——まさにアドテクをテコに成長してきたマイクロアド、つい最近IPOを成し遂げたが、同時に過度な広告技術の跋扈から離れてデータ分析分野へと業態をシフトしつつある。ここにも課題があるとは思うが。ともかく、ここにもまた、“ポスト・クッキー(ポスト広告)時代”を示唆する動き。

Global Fact 9レポート(1) ナラティブ:誤情報の背景にあるストーリー全体をファクトチェックする
「文脈から切り離されたファクトは、それが真実であれ、間違いであれ、ほとんど意味がありません。ストーリーの一部として語られ、説明されなければなりません」。

——世界のファクトチェック団体をネットワークするIFCNが例年開催するGlobal Factが開催。先ごろ行われたGlobal Fact 9に参加した奥村氏からのリポート。確かに“ナラティブ”はほぼ流行語になりつつある。

W3C、中央集権的な管理を不要にする「Decentralized Identifiers (DIDs)」(分散型識別子)の仕様が勧告に到達
「W3C DIDは、中央集権的なレジストリを必要とせず、これを利用する個人や組織が情報をコントロールできるような仕組みを備えています。
人だけでなく組織、機器、製品、場所、抽象的な実態や概念などさまざまなものを一意に識別するために使用でき、属性などを示す関連情報が正しいことを暗号技術などによって証明可能です」。

——ID管理は、中央集権的基盤にうえに実現し、運営されるという“常識”を壊すWeb3的世界の進ちょく。W3Cという標準としていよいよ動き出した。次はどう実装し、どう稼働するのかに注目。

Guardian Media Group plc (GMG) publishes 2021/22 statutory financial results
英The Guardianなどを傘下に擁するGuardian Media Group、昨年度に引き続き好決算。総収益は3030万£(13%)増の2億5580万(2021年:2億2550万£)で、2007/8年以来の高水準に。デジタル読者の収益が10%以上増加し、初めて印刷版の読者収益を上回った。デジタル収入の総計で、今や総収入の3分の2を占める。
Disney secures $9 billion in its strongest Upfront ever
Netflixら米ストリーミング大手がいっせいに広告収入獲得に向かうなか、米Disneyは最近行われた広告関係者向け内覧会「Upfront」期間中に、秋の同社ラインナップが90億ドルもの広告予約を獲得したと公表。その40%がデジタル、特にDisney+を筆頭とするストリーミングだという。
Why The Guardian shared its Uber Files investigation with rivals
先日紹介したとおり、米Uberが世界各国の政府要人をターゲットに繰り広げたロビーイング活動記録を暴露する「Uber文書」。入手したのは英Guardian紙の記者だ。だが同氏はそれを独り占めにせず世界のジャーナリストとの共同作業として取り扱った。その理由を訊いた記事。
Opinion: Democracy dies behind a paywall
「民主主義を推進する市民にとって必要な事実に基づいたニュースは、ますますペイウォールの向こう側にある一方、SNSでは、受動的な消費者は、その情報流通システムを利用したプロパガンダを目にする可能性が高い」とする論説。サブスク潮流にある大きな課題を指摘する。論者は米国の各州でのローカルニュースネットワークづくりに動くGood Informationの創業者。

Disruption This Week—–15/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月11日から2022年7月15日まで。

Google says paying for news would ‘undermine trust in search engines’
英Google公共政策担当者、Edelmanなどの調査でGoogle検索が、例年メディア以上の信頼度を得ていることから、同社が一部メディアのコンテンツに対価を支払うことは、同社検索サービスへの信頼度を損ねる可能性があると発言。英国での法制とその理解に関わる面もあるが、HQとの調整抜きにこの種の発言があるとも思えない。同社の理論武装の方向性を示唆して興味深い。
「読者の言いなりか」批判受けても新聞社がウェブメディア続ける理由
伊藤大地氏:
「『これをやったら滑りました』というメールが、メンバー間で交わされるチームって成功するんです。一方で紙媒体の場合、トライアンドエラーが許されづらい。(新聞社のように伝統を重んじる)堅い組織では、ある程度新しいことがやりやすい部署や職域で得られた知見を、社内で共有するのが良いでしょう」。

——面白く読めた座談会。メディア(それも新聞社)固有のテーマというより、一定の歴史を有する組織からどう新規事業やイノベーションを生み出していくかという議論と読める。withnewsがそうであるように、周縁上にある小さな自由を半分放置気味で芽を育てたい。

Google exec suggests Instagram and TikTok are eating into Google’s core products, Search and Maps – TechCrunch
「私たちの研究では、ほぼ40%の若者が、ランチの場所を探しているとき、Googleマップや検索に向かわない。彼らはTikTokやInstagramに行くのだ」とGoogle幹部が認める。
若者が使わない印刷版の地図をオンラインで再現する表現手法の無意味さも指摘する。実に興味深い。
1億3400万件のウェブページに基づくオープンソースのAIナレッジツール「Sphere」をMetaがリリース
「従来のKI-NLPとは異なりデータベースが検索エンジンに依存していないため、Sphereを利用するAI研究者はコーパスを調べて制御することが可能で、さまざまな方法でスケーリングと最適化が可能となり、検索テクノロジーの前進にも貢献できるとMetaは説明しています」。

——Metaはこの「Sphere」をオープンソース化する。難しい技術的解説はともかくとして、可能性を感じるのは誤・偽情報の検証フローに使えそうという点(実際、Wikipediaが蓄積された情報の検証を試行しているという)、もっと汎用的にはブラックボックスなGoogle検索に頼り切りの“検索”を、透明化したうえで新たな結果を得られるかもしれないということ。

News engagement plummets as Americans tune out
米国で、“ニュース疲れ”“ニュース忌避”のリアリティが顕著に。米Axios調べで、4分野(SNS、CATV、ニュースアプリ、主要5サイトの来訪者数)でニュース(メディア)消費がすべて昨年同期比で大きくマイナスを示した。
2021年のニュース消費は、2020年の歴史的な高水準に続いて急降下した。2022年では大きなニュースが相次いだにもかかわらず、らに後退。一時的に潤ったメディアが改めて危機に直面している。
Exclusive: Reuters launches research subscriptions for individuals
Reuters、戦略である購読メディアのローンチが足踏みしているが、個人向け高額購読サービスを先に商品化。「Reuters Insight」で、企業シニアレベル向けに各種統計、調査結果を年間2,500ドル程度で提供するもの。同社は各種の産業や分野ごとに深掘り商材を開発していく戦略を推進していると記事は述べる。
陰謀論と戦うストリーマーたち--対話と理解のコツを語る
「パンデミック以来、ディベート配信はTwitchとYouTubeの視聴時間の急増の波に乗り、政治的な話題によってファン層を拡大した。クリエイター向けツールを提供するStreamElementsの最高ビジネス責任者であるJason Krebs氏によると、Twitchの政治カテゴリーの視聴者数は2021年5月から2022年5月までの間に3倍に増加し、視聴時間は170万時間を超えたという」。

——Twitchが材料として引き合いに出されているが、この数年、音声やチャッティング分野に政治的会話(のメディア的役割)が広がっているのを感じる。現代のメディアにおけるホットな分野。

Nearly a third of new subscribers to news publications cancel in the first 24 hours
サブスクリプション基盤を提供するPianoの調査では、新規購読者の1/3は、最初の24時間で退会するという。理由は1記事のみ読みたかった、あるいはざっと読み回して購読の価値がないと早々に判断したかと見られる。言い換えれば、購読直後の読者をどうつなぎ止めるかが重要だということに。

Announcing The Information Profiles, Directory and Forum: Connections Worth Your Time
好調に正統派テック系メディアのポジションを築いてきた米The Information、満を持してコミュニティ機能の「プロファイル、ディレクトリ、フォーラム」を発表。同メディアではVCや起業家など著名人が実名でコメントするなどの文化がある。それをうまく商業化できるか?
The Existential Threat of AI-Enhanced Disinformation Operations
「AIによって生成された合成メディアや、AIによって強化された説得力のあるチャットボットは個々人向けへとカスタマイズされ、検出が困難なメッセージング機能を、情報操作(Disinformation Operations)の担い手たちに提供するようになっている」|「AIによって生成された合成メディアや、AIによって強化された説得力のあるチャットボットは個々人向けへとカスタマイズされ、検出が困難なメッセージング機能を、情報操作(Disinformation Operations)の担い手たちに提供するようになっている」。

——AIを活用した情報操作のありようを、外観した貴重な論が「Just Securit」に掲載。重大なポイントは、Facebookが発表した論文から、この情報操作が、アドテク(高度なターゲティング広告の技術)依拠したものであると指摘していること。アドテクの発展と、いま世界を揺るがしている情報操作(認知戦)の高度化は無縁のものではない。

2022.7.22 オンラインセミナー① メディアリテラシーとアントレプレナーシップ | 京都大学経営管理大学院 グローバル社会起業寄附講座
【再度のご紹介】:
私も登壇するメディアリテラシー×アントレプレナーシップをめぐる討議の告知です。無料ですので、ぜひご参加を!

Disruption This Week—–1/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月23日から2022年7月1日まで。

出版状況クロニクル170(2022年6月1日~6月30日) - 出版・読書メモランダム
「(小学館の決算で)『出版売上』のうちで、雑誌だけは170億2400万円、同7.8%減と減収となっているが、『デジタル収入』と『版権収入等』の2つの分野で、『出版売上』を超え、しかも全分野の半分を占める500億円に迫っている。
雑誌の出版社からデジタル、版権収入の小学館へと移行しつつあり、それは講談社、集英社、KADOKAWAと歩みをともにしている」。

——雑誌の出版社からデジタル版権ビジネスへ、大手の事業モデルチェンジが進む。では、この文脈の下で、ブティック型の出版を担ってきた書肆がどう生きていくべきか考える時機。論が述べているように、壊滅的な書店流通を見れば、そこに忖度すべき理由が失われているようだ。

A Girl Killed Herself. It Took TikTok Six Months to Remove Her Account.
【有料購読者向け記事】:
「CDCの調査では、米高校生の9%は在学中に自殺未遂行為に及ぶという。
TikTokはNinaの精神状態を周囲のどの大人よりも知っており、彼女の恐怖と苦痛を彼女の心理に投影し続けた。TikTokのアルゴリズムが彼女の死にどの程度関与したかは誰も知らない。
ただ、半年以上経った今までその映像を表示し続けてきた。彼女の周囲のクラスメートらが望めばいつでもトラウマを改めて与えることができるのだ。これはTikTokが無責任だというより、無謀で残虐だとさえ言い得ることだ」。

Microsoft's Defending Ukraine report offers fresh details on digital conflict and disinformation
Microsoft、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐるサイバーセキュリティ調査リポート「Defending Ukraine」を公表。同社はウクライナ政府に協力、ウクライナの国家システムの脆弱性などを検証、コンサルティングしてきた。記事はサイバー攻撃を抑止する5つのポイントを解説する。
Substack is laying off 14% of its staff.
ニューズレター(メルマガ)配信大手の米Substackがレイオフ(人員整理)を実施。全従業員90名中の13人を解雇。同社は現下の投資市場の冷え込みを受けて、同社創業者のChris Best氏は、新たな資金調達を断念し事業黒字化によって成長を目指すとするメッセージを社員に送った。
What is the future of automated fact-checking? Fact-checkers discuss. - Poynter
開催された世界のファクトチェック団体が集まる年次総会の「GlobalFact 9」。ファクトチェックをAIを活用して自動化するツール、システムを開発運用する各国のメンバーがパネルディスカッション。日本でもFIJがFCCを運用するが、より広範で刺激的な試みが紹介された。たとえば、政治家の動画上での発言を過去のデータベースと突合し、該当するファクトチェックデータを表示する、監視したいメディアを決めて、その情報発信を自動的に24時間監視、誤り部分を抽出して表示するなどなどだ。
An FCC commissioner calls on Apple and Google to remove TikTok from their app stores, saying it's a national security risk
先日紹介した米BuzzFeed Newsによるスクープ記事“米TikTokのユーザデータに中国大陸のエンジニアが権限を持ち頻繁にアクセス”を受け、米連邦通信委員会(FCC)の委員は、AppleおよびGoogleに対しストアからTikTokアプリを撤去するよう求める書簡。委員はTikTokアプリは見かけと異なり、その核心は大量の個人情報や機密データを取得する監視ツールだと述べる。

米国では“ニュース疲れ(もしくは忌避)”を、しばしば“トランプ疲れ”として多く語ってきたが、Reuters研究所の報告は、他の地域でもこの現象を報告。46の市場のオンラインニュース読者を対象とする調査で、ブラジル、オーストラリア、英国などでニュース忌避が増加とする——。米CNNのニューズレターが、極めて注目すべき“ニュース忌避”の現象について論じている。
Meta、SNS分析ツール「CrowdTangle」の廃止を計画か--誤情報の監視に大きな役割
「Bloombergが米国時間6月23日に報じたところによると、具体的な日付は未定だが、Metaはこのプラットフォームを閉鎖する計画だという。2016年にCrowdTangleを買収したMetaは、同ツールの担当チームを解散させており、1月には新規ユーザーによるアクセスを『一時停止』したと伝えられている」。

——この問題は、昨年10月にも紹介した。報道ではどうやらFacebook内部でのコンテンツ監視をめぐる“不都合な真実”が指摘されており、買収したCrowdTangleチームに社内からのプレッシャーがかかっていたとされている。

‘An Invisible Cage’: How China Is Policing the Future
【閲覧には要登録】:
米New York Times、中国による監視社会化“見えない檻(おり)”の動きを、入手した膨大な文書、証言などで恐るべき状況を調査報道。街頭の監視カメラ、傍聴、スマホ追跡、果てはDNA採取まで。監視技術のスタートアップ2社は犯罪の“未然防止”を競う。記事中にある約20分の動画を観るだけでもその価値がある。
1.2 million Economist subscriptions fuel record revenues - Press Gazette
英The Economistを傘下に持つThe Economist Newspaper、2021年4月度の財務状況を公開。営業利益で前年度比11%、売上で12%増と、いずれも2016年以来の最高を記録。ニュース退潮環境下ながら、デジタル分野収益が全体の6割強、特に購読では7割近くに上昇と好調かつ堅調ぶりを示した。

Disruption This Week—–17/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月12日から2022年6月17日まで。

Facebook looks ready to divorce the news industry, and I doubt couples counseling will help
「Facebookはニュース業界との離婚の準備ができている」。
同社が業界に大金を払い続け大手メディアとの関係を保つ意思はないだろうとするオピニオン。2022年第1四半期、閲覧された投稿コンテンツでニュースへリンクを持つは0.4%に過ぎないという。愛情が冷めるのは明瞭だ。
「大変です」食べログ点数、突然の急落 評価の秘密に自力で迫った:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「実際に点数を算出しているのは、独自の『アルゴリズム』だ。
大量のデータを処理するのに使う計算手順のことで、検索サイトや買い物サイトなどはアルゴリズムを使って表示順位を決めたり、点数をつけたりする。
例えば検索サイトはこれを使い、膨大なウェブページの中から、利用者に関連が高いと思われる結果を表示している。
任さんは、ネットに残る記録をもとに点数の変化を独自に調べた。
すると、食べログ内で『チェーン店』とカテゴリー分けされている店ばかり、点数が下がっていた。
『チェーン店の点数を一律に下げるアルゴリズム変更があった』との仮説が立った」。

——アルゴリズムとその影響をめぐって明瞭な判例が出たのは珍しいのではないか。それだけプラットフォーム的パワーを持つサービスに対する世の中の視線が厳しくなっている。この判決では、訴訟の提起者が自らの労力でアルゴリズムのロジックを解析した。今後、そのような提起者側の能力が努力が求められるのか否かも重要なポイントだろう。

How Facebook plans to become more like TikTok
米メディアThe Verge、Meta社幹部の社員宛てメールを公開。それによれば、TikTokの優勢に抗して同社はFacebookのフィードアルゴリズムを改修する。TikTokがソーシャルグラフに依らない投稿の推奨を行っていることに倣う仕組みを採用。また、メッセージング機能も改変する。
Spotify、コンテンツ管理に関する安全諮問委員会を設立--偽情報対策の一環で
「Spotifyは米国時間6月13日、オンラインの安全性に注力する専門家と組織からなる安全諮問委員会を新設したと発表した。この委員会のミッションは、クリエイターの表現を尊重しつつ、『Spotifyが安全な方法で自社のポリシーと製品を進化させるのを支援すること』だ」。

——Facebookでも社外の有識者らを招いた最高レベルのボードによるコンテンツモデレーションに臨んだ経緯があるが、社内からの声も関与するなど、機能不全が指摘されている。Spotifyではどうか。このような対応が動き出したことを率直に評価し、注意を払っていく。

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report

Reuters Institute for the Study of Journalism

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report
例年行われる注目のオンラインメディアとジャーナリズムをめぐる調査「Digital News Report」2022年版が公開。各国において、ニュース接触における主たる経路にスマートフォンが位置し、TikTokやInstagramなどのビジュアルフォーマットのニュースへの利用が進む。同時に、ポスト・コロナで退潮するニュース需要と、ウクライナ侵攻という大事件がありながらも、各国で「ニュースの選択的忌避」現象が生じていることを特筆する。
Spotify is acquiring AI voice platform Sonantic – TechCrunch
つい先日、音楽、ポッドキャストに続き、オーディオブック市場への挑戦を宣明したばかりのSpotify、映画「トップガンマーヴェリック」ヴァル・キルマー氏の合成音声にも使われているAI合成技術を有する英Sonantic社を買収。いかにものタイミングだ。
A Chart of People on the Move at Creator Startups
【有料購読者向け記事】:
“クリエイターエコノミー”分野におけるスタートアップ企業各社間でのシニア人材の移動。Twitter、Meta、Cameo、Clubhouseなど有名どころからの流出が目立ち、TikTokはじめ新興系への流入が増。今年1月以降の動きをThe Informationが整理した。
偽情報の拡散はIT企業の責任--研究機関の専門家らが指摘
「アスペン研究所で情報の無秩序に関する委員会の共同議長を務める3人の専門家は、ニュースを得るためにソーシャルメディアに目を向ける人が増えていると述べた。TwitterやFacebookなどのプラットフォームは正当なニュースソースを提供しているが、その一方で嘘や陰謀論が確認されないまま拡散し、多くは無意識のうちにそうした情報に触れる人々の意見を形成する事態を許してしまっている」。

——「Commission on Information Disorder Final Report」で公表された勧告に基づくスピーチ。大手企業の責任と地域のメディアへの支援という2つの義務を明瞭に表現したもの。

5 tech giants own over half the global ad market
世界的な広告代理店GroupM、恒例の広告市場予測を発表。それによると、世界の広告市場はトップ5社により市場の半分(53%)が占められ、かつ、昨年比でその度合いを高める。広告主のほうはトップ25社が7割強を占める。2022年の広告市場全体の成長はやや弱まるとも予測。
米Wall Street Journalが、今日(13日)にも製品レビューサイト「Buy Side」を開設とAxiosがスクープ。New York Times運営「Wirecutter」に対抗する試み。WSJサイト内に設けられるが、閲覧無料とビジネスモデルが異なる模様。編集チームは、WSJ本体と完全に分離するという。開設時には250製品、50本の記事を扱うと、詳しい報道。公式リークのようだ。
【ご紹介】:
Media×Techからちょっとした変化球的新着記事です。「出版業界ニュースまとめ」を平日、週末関係なく配信する 古幡 瑞穂 さんと、光栄にも「対談」をさせてもらいました(編集部スタッフの企画です!)。どうぞご一読下さい。
有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙での連載記事が日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ 有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減