Disruption This Week—–24/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月20日から2021年12月24日まで。

Biggest media industry stories 2021: The media's year in charts
英国のPress Gazetteがまとめたデジタルメディアの2021年(2020年との対比)。各種分野でのチャートがわかりやすい。目に見えるチャートでも、購読者数の推移でNew York Timesが群を抜いて成長、かつ絶対数としてもダントツ1位だった。
メタが明らかにした民間監視会社の実態、5万人が狙われていた
「メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が新たに公表した調査結果から、『傭兵スタイル』の民間の監視・ハッキンググループが、フェイスブックやインスタグラムを使って100カ国以上で5万人を監視していたことが判明した」。

——すでにメタは、イスラエルのスパイ企業NSO Groupと係争関係にあるが、12月に発表された今回のリポートでは、NSO以外の多くの企業名が公表されている(イスラエル発の企業が多い)。具体的な手法は示されていないが、要はFacebookを通じて収集できるプロファイリングや、ターゲティング広告などを利用しているのだろう。

A Chart of Twitter’s Creator Economy Deals; Instagram’s Mosseri Explores NFTs
【有料購読者向け記事】:
Twitterは驚いたことに、この1年間を通じて10社もの買収を手がけた。「Breaker」(音声SNS)、「Revue」(ニューズレター)、「Threader」(まとめ)などで、いずれも“クリエイターエコノミー”に関連するものだと指摘する記事。
2021年、欧州のメディア企業を対象に、Google News Initiative(GNI)やFT Strategiesらが8か月かけて取り組んだ実験と実践の報告を要約した記事。リポートはデジタル購読者の獲得をめぐるもの。その成果は大きいが、成功組と失敗組の乖離も大きかった。成功要因を整理する。
ツイッター前CEOが抱くネット革命の野望
【有料購読者向け記事】:
「インターネットをウェブ3に作り変える長年の試みの多くは依然、初期段階にとどまっており、いずれ何らかの実を結ぶかどうかは判断できない。ドーシー氏は、暗号資産への執着が現在のような崇拝に達する前の2019年、ツイッターによって『オープンで分散化されたソーシャルメディアの基準を開発する』プロジェクト『ブルースカイ』を発表した」。

——現在のWeb3.0への熱狂を、可能性と懐疑の視点で詳解する記事。このトレンドへ熱中する最大の主人公は、Twitterを離れた創業者のジャック・ドーシー氏だ。

ネットで拡散止まぬ誤報、
背景にFBとグーグルの資金
【有料購読者向け記事】:
「世界中のクリックベイト・ファーム(製造所)は、プラットフォームのこの(Facebookインスタントアーティクルの)欠陥に飛びつき、現在も戦略的に利用している。
ミャンマーでは一夜にして、多くのクリックベイト・アクターが誕生した」。

——Facebook、そしてGoogleが放置している欠陥によって、広告収入で荒稼ぎしている勢力が世界中に拡散している。

ニールセンが2021年日本のインターネットサービス利用者数/利用時間ランキングを発表
「新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもりが長期化する中、在宅時間を楽しむ主なエンターテインメントとして、インターネット動画の視聴が習慣化している。実際、利用者数以外の指標であるGRPと利用時間シェアに着目すると、リーチでは4位だったYouTubeがGRPと利用時間シェアともに1位となった」。

——興味深いデータが並ぶ。シニア世代へのネット利用が浸透しており、消費時間が伸びていくことは、これからのマーケティング(投資)を見直すポイントになりそう。

Information wants to be free, but digital property won’t be
米アトランタのローカル紙がNFTを売り出したの題材に、2022年のメディアとWeb3を展望する記事。数年後には、現在のWebサイトやブログ同様、これからは誰でも(花屋や理容師が)がNFTベースのデジタル資産を売り出すようになると予測する。
Media 3.0: The news creator economy arrives
「メディア3.0:新たなクリエイター経済の到来」。米Boston Globeの読者担当責任者が、個人としてのジャーナリストが 利用可能なツールやサービスが22年には更に増え、20世紀的メディアの硬直的な制約から解き放たれるだろうと論説。
WSJ News Exclusive | Washington Post Grasps for New Direction as Trump-Era Boom Fades
【有料購読者向け記事】:
米Wall Street Journalが同Washington Postの内情をスクープ。WaPoはトランプ政権以降、読者の政治ネタ離れによる購読者の停滞と非購読者の減少(2年間で35%減と記事は指摘)に悩まされ、トップレベルによる対策会議を最近開催したという。焦点は政治外のコンテンツの充実だ。
メディアリテラシー - 時事通信出版局
【ご紹介】:
私も執筆陣に加わった『メディアリテラシー 吟味思考 (クリティカルシンキング) を育む』が発売になりました。大冊で読みごたえのある書物に仕上がりました。ぜひ書店などで手に取ってみて下さい。私の担当は、「第1章 激変するメディア 」です!
スマートニュース、メディアリテラシーの授業実践例を新たに5本公開・・・小中高・大学向けに合計10本を無償ダウンロード提供 | Media Innovation
【ご紹介】:
先ほどの『メディアリテラシー』も含み、スマートニュースメディア研究所による活動が、複数公開されています。教育分野での社会貢献の動きです。
インターネットメディア協会が「Internet Media Awards 2022」 心と社会を動かした信頼おけるコンテンツを募集 | Media Innovation
【ご紹介】:
私が理事をつとめるインターネットメディア協会(JIMA)では、2021年の優れた、かつ、信頼できるコンテンツや取り組みを顕彰する「Internet Media Awards 2022」を実施しています。締め切りが近づいています。ぜひ応募をお急ぎ下さい。
[実践]ノーコードでふるさと納税データを地図に可視化する - Media × Tech
【ご紹介】:
私も編集に携わっている「Media×Tech」から新着。東洋経済オンライン「新型コロナウイルス国内感染の状況」に携わり、現在はスマートニュースメディア研究所の荻原和樹さんがデータビジュアリゼーションを平易に解説しました。メディア実務家必見です!

Disruption This Week—–22/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月18日から2021年10月22日まで。

Google Launches 'Google for Creators' Platform to Provide Guidance on Digital Content Strategies
Google、“クリエイターエコノミー”のための総合支援サイト「Google for Creators」を公開。クリエイターが自らの存在感を高め、それを収入に換えるためのコンテンツ戦略、ヒント、技術的Tipsなどを整理して提供するものだ。
この8月に米Politicoを買収することを明らかにした独Axel Springer。そのCEO、Mathias Döpfner氏の舌禍事件(WSJが同氏発言を報道したことはすでに紹介した)が、Politicoスタッフから大きな反感を招いている。Döpfner氏はPoliticoスタッフへの弁明集会を開催するはめに。
ポイントは、Politicoの記事有料化(ドイツ人でありながらペイウォール=壁という語を用いた)を勝手に宣言したこと、PoliticoはEUにおけるAxel Springerの方針に従うべきことなどをぶち上げたことに加えて、(これが大きいと思えるが)Politico買収交渉の過程で並行してAxiosとの交渉も進めていたことが明らかになってきた。Axios創業者は、Politicoの創業メンバーであり喧嘩別れのようにして飛び出た人物だったのにもかかわらずだ。
70ドル以下で手に入る攻撃ツール、Microsoftがサイバーセキュリティレポートを発表
【全文閲読には要購読】:
「・サイバー犯罪のサプライチェーンは(個人ではなく)犯罪組織によって構築される場合が多く、成熟化が進んでおり、誰もがサイバー犯罪のための道具を購入できるようになっている
主なサイバー犯罪サービスの平均販売価格は次の通りだ。最も安価なランサムウェアキットであれば、66ドルから入手できることが分かる」。

——年次リポート「2021 Microsoft Digital Defense Report」から。一言で言えば、サイバー犯罪は、産業化が進展して非常に安価、手に入りやすくなっている。

Facebook is planning to rebrand the company with a new name
Facebookは、早ければ来週にも会社名を変更、FacebookやInstagram、WhatsApp、そしてOculusなどを子会社に持つ親会社という構造へ変わろうとしていると、the Vergeが関係者からの情報として報じた。CEOのMark Zuckerberg氏が夏に行った発言「メタバース企業への変身」への道のりが具体的に始まった。
「misinformation」と「disinformation」、ネットに氾濫するディスり情報
「misinformationが発信者の意図を問わない客観的な表現なのに対し、disinformationは一般的に、悪意を伴う(と受け止める側がみなした)偽情報を指す。『dis』は反対や否定を意味する接頭語。英語で『disrespect』と言えば、敬意の反対、つまり相手をばかにしたり侮辱したりする意味になる」。

——私も理事として参画しているFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)でも、「ミスインフォ」と「ディスインフォ」を使い分けるようにしている。さらに「フェイクニュース」という用語は他者の言論を否定する際に多用されることを念頭に、原則として使わないようにしている。

How A/B testing can (and can’t) improve your headline writing
米Northwestern大の研究者、サイト分析のChartbeatの協力の下、293メディア・14万件超の記事タイトルのA/Bテストデータを分析。機械学習を試みたが、どんな記事タイトル作成法が優位か成功法則は得られなかったと解説。読者が何をクリックするかジャーナリストの手には負えないとのことだ。
Facebook to Hire 10,000 Workers in EU to Build Up ‘Metaverse’
【有料購読者向け記事】:
Facebook、公式ブログで、今後の5か年かけて“メタバース”関連技術に従事するエンジニアらを1万人をEU域内で採用すると発表。野心的な計画だが、この発表はEU域内における同社をめぐる厳しい論調を意識したものとも見られるとも、記事は解説。
米議会では超大手プラットフォームの振る舞いを制限しようと「通信品位法230条」の免責を制限をめざす「悪意あるアルゴリズムに対する正義」法案が、学者やテック企業の支援を背景とする団体などからの猛反対に直面している。記事はこの攻防を解説するもの。
How TikTok Is Changing YouTube
【有料購読者向け記事】:
TikTokに脅かされるYouTube、1年前に開始したTikTok似タテ表示短尺動画「Shorts」に注力中との記事。プロにShortsの制作を募ったり、優先表示などの取り組みによってShorts視聴割合が急増しているとデータも示す。他方、長尺動画の先行きは不明に。
朝日新聞ポッドキャスト 累計1000万ダウンロードを突破・・・サービス開始から1年2か月での達成 | Media Innovation
「現在では、新たに『就活ポッドキャスト 朝日新聞 ニュースの使い方』、『朝日新聞アルキキ』、『朝日新聞AJW英語ニュース』、『犬猫だらけの夜 -sippo channel-』と『好書好日 本好きの昼休み』を新たに開始させ、計8番組の構成となっています」。

——記事によれば、「(月間ダウンロード数が)現在では150万DLを超える」という。まだ、大きな数字ではないにせよ、いつの間にかポッドキャストは無視できないメディアへと成長中。

クリエイターエコノミー:直接収入の可能性を探る - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techに寄稿しました。(これが腰に良くなかったのか?)よろしければどうぞ。➡ クリエイターエコノミー:直接収入の可能性を探る

Disruption This Week—–23/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年7月19日から2021年7月21日まで。

CNET is hiring. You should join us
米CNET、驚きの大躍進で、150名にも及ぶ人員増強を発表。2020年ViacomCBSからRed Venturesが買収したテクノロジー系ニュースサイト運営の同社は、この2年間で急速に成長したと発表。成長を説明する具体的な数値は公表していない。
Activist Malala Yousafzai is joining Facebook's newsletter platform, along with 30 others
Facebook、米国で始めたニューズレターサービス「Bulletin」に、30名強の“著名人ライター”の登録を発表。人権活動家マララ・ユスフザイ氏をはじめ、マルコム・グラッドウェル氏、イアン・ブレマー氏ら錚々たるラインナップ。同社はこのプロジェクトに500万ドル投資を発表ずみだ。
US influencer spending to surpass $3 billion in 2021
先日、間接的に紹介した米国市場における「インフルエンサーマーケティング」の急増トレンド。2020年が前年比14%強の増加だったのに対し、21年は34%弱の成長に。クリエイターエコノミーへの期待があると、eMarketerがリポート。
インターネットの利用環境は「スマホのみ」が最多 60代はスマホ利用者が7割超に【LINE調査】
「10代から20代のスマホ利用者は、引き続き95%以上と高水準であった。また2016年4月の調査開始以降、30代以降のスマホ利用者は増加傾向にある。特に年代が上がるほど、スマホ利用者の増加率が大きく、60代ではスマホ利用者が72%と過去最多となった」。

——私を含むシニア層でスマホ利用比率が、急速に右肩が上がっている。ガラケーからのシフトも最終盤だ。

Inside Facebook’s Data Wars
New York Timesが、Facebook社内で起きたデータの透明性をめぐる闘いを報道。同社が買収し一般に提供してきた情報分析サービスCrowdTangleチームは解体され、透明性を主張してきた幹部らが更迭、辞任している。Facebookが都合の悪い情報を取り繕うとする動きだとする。
ByteDance's Toutiao ordered by China to halt new registrations since Sept -sources
ByteDance傘下のニュースアプリ「Toutiao」が、中国当局の「要請」を受けて、新規ユーザ登録を昨年9月から停止していることがわかった。従来からのユーザからの利用は可能だが、ダウンロード後新規登録をしようとすると「新規登録を一時的に停止している」とメッセージが表示されるという。
FT editor among 180 journalists identified by clients of spyware firm
世界の著名ジャーナリスト180名が、イスラエルNSO Group開発のスパイウェア「Pegasus」の監視対象であったことが、NPO報道機関Forbidden StoriesとAmnesty Internationalの入手した漏えい情報で明らかに。「テロ対策等でNSOに発注できるのは国レベルに限られる」という本件の依頼主は、UAE、アゼルバイジャン、バーレーン、ハンガリー、インドなどだとされる。
GPT-3とそれを取り巻く周辺、パラダイムと限界
【無料会員向け記事】:
「もはや、画像と文章、動画と音声を分けて考える必要はなく、すべてトランスフォーマーに入れれば欲しい結果を得ることができる。オープンAIの『ジュークボックス(Jukebox)』は、歌詞を入力すると、作曲するだけでなく、求める歌手の歌唱スタイルやアレンジまで含めた音声を自動生成する」。

——“あの”清水亮氏によるGPT-3評価。GPT-3だけに止まらない実に広大な可能性が生じたが、同時に、どううまく利用したらいいのか、改めて誰もがぶつかっているようだ。
なにせ、引用箇所のように、テキストや画像だけでなく、音楽などあらゆる面で、人間的な創作もどきが可能な世界。それが猛スピードで発展している(数か月おきにパラダイムシフトが生じているという)のだから。

「誤情報は、拡散のスピードと規模を劇的に増加させている。プラットフォームがその一端を担っているのは、ご存じの通りだ。だからこそ本日の勧告で、我々は対策強化を求めた。プラットフォームがいくつかの誤情報対策を取っていることは承知している。だが、さらにもっともっと対策が必要だ」。

——ワクチンをめぐる情報(とあえて絞り込むが)について、バイデン政権とプラットフォームとのやり取りはますますヒートアップしている。

Japan’s plan to dump Fukushima wastewater met with pro-China disinformation- Coda Story
米NPOメディア「Coda Story」、日本をめぐる中国の偽情報工作をスクープ。中国の著名ジャーナリスト、政府関係者その他5つの親中派Twitterアカウントが、原発処理水の海洋投棄を危険と、別件の調査機関のデータをキャンペーンに利用。同時に香港や新疆に好意的な情報も発信。記事では、文脈を無視して科学的データを引用することで意図した影響を作りだす効果的な手法と分析されている。
コンテンツという「王」の帰還——書評:『音楽が未来を連れてくる』 - Media × Tech
【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」に新着記事です。音楽の話題ですが、メディア産業全体の示唆となる書物について。

Disruption This Week—–25/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月21日から2021年6月25日まで。

グーグル、クッキー廃止計画を2023年に延期
【有料購読者向け記事】:
「米アルファベット傘下のグーグルは24日、ウェブ閲覧履歴を追跡するために広く使われているクッキーについて、廃止計画を延期すると発表した。広告業界、プライバシー擁護団体、規制当局からの抵抗と追及に屈した格好だ」。

——Googleの広告ビジネス(のパフォーマンス)にはマイナス要素ではないと思うが、FLoC(Googleによるポストクッキー時代のターゲティング手法)の業界からの受け入れが進んでいないとすると、長期的にはダメージとなる可能性もある。

Patreon CEO Jack Conte on why creators can’t depend on platforms
「なぜクリエイターはプラットフォーム任せにしてはいけないか」。創業8年。音楽アーティストらを中心にクリエイターへの購読サービスを提供してきたPatreon。いまや時価総額は40億ドルに。その創業者Jack Conte氏(同氏自身もミュージシャンだ)に聞いたロングインタビュー。自身の体験から話し始める。
Many people worldwide say they’re losing interest in news … but more are paying for it
Reuters Instituteによる「Digital News Report」が10周年、2021年版が公開。記事は、このボリュームのあるリポートを概観したもので便利。ニュースへの関心度、有料支払の動向、ニュース接触への直間比率、各国の動向分析では、日本の状況も含まれている。
What publishers can learn about TheSoul Publishing’s road to 1B social subscribers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
10年前、“ソーシャルメディア・ファースト”を掲げ、自社ドメインにこだわらない戦略をとった多くのメディアが現れ、そして消えていった。しかし、Instagramをはじめとする新たなフォーマットを駆使して成長を遂げる新興メディアも誕生。記事は5年前に誕生、いまでは10億人のフォロワーを有するTheSoul Publishingを解説する。
ディープフェイクはどう作られる? 技術資料を無償公開 東大発ベンチャー
「資料は同社のWebページ上か、もしくはPDFをダウンロードすることで読める。ディープフェイクに使われている顔画像処理や音声処理の概要や、『オートエンコーダー』『GAN』(敵対的生成ネットワーク)などの画像を生成するディープラーニングモデルの基礎を取り上げている」。

——私のレベルでも理解が進む貴重な資料。

Shopify Seeks to Challenge Amazon Through Deals With BuzzFeed, Other Sites
【有料購読者向け記事】:
ECプラットフォームのShopify、BuzzFeedとアフィリエイト事業で提携。Vox MediaやComplex Networksなど各種メディア企業も提携を検討中とする記事。広告に次ぐ収入源を探すメディア群は、この分野でのAmazon頼みによるリスクを回避する動き。
「マンガアプリ」失敗の本質
「もし『アプリの総ユーザー数・総ダウンロード数』が重要と考えているなら、それは間違った勝利の条件です。見過ごすことはできません。繰り返される日本の『失敗の本質』です。
出版社のマンガアプリ戦略は、なぜ失敗する可能性があるのか? わかりやすく説明するためには、約6万点の少数作品でもユーザー数を劇的に伸ばしている『ピッコマ』を解説するのが最適です」。

——いろいろと“目からウロコ”なマンガアプリの解説。というか、出版社のアプリ戦略に対して、「ピッコマ」のアプローチがどう違うのかの議論。

フェイスブックの監督委員会、その効果に賛否
【有料購読者向け記事】:
「20人のメンバーで構成される委員会は、どのコンテンツを許可し、どのコンテンツを削除するかに関するフェイスブックの判断を裁定し始めて以来、同社の判断を撤回する決定を8回下した。また、同社の判断を支持した決定は3回あった」。

——時々の、おもに政治的事象において右往左往を続けてきたFacebook。そこで同社は、投稿コンテンツを検閲する運用ポリシーと判定を下す委員会を設けた。これは大きな前進だし学べるアプローチといえる。問題は記事が述べているように、委員会の決定が拘束力を持たないこと、そして、適切に検討がなされているかどうかだ。

Andreessen Horowitz and the 'Future' of Media
米西海岸の大手VCのAndreessen Horowitzが開設したテクノロジーメディア「Future」をめぐり、批判的な論調がメディア界からあがっている。BloombergやInformationなどで記者をしたEric Newcomer氏は肯定的な論評を公開。IT大手批判はあっても、テクノロジー嫌いであるべきではないとする。
10周年を迎えたライヴ配信大手「Twitch」から、クリエイターエコノミーの現在が見えてくる
「Twitchでストリーマーを支援するのは、ベル・アンド・セバスチャンのアルバムを買ったり、クラウドファンディングサイトの『Kickstarter』で新しいボードゲームの資金調達に参加するようなこととは違った。ストリーマーは実際にそこにいて、お金を渡すと反応が返ってくる。そして、すべてはリアルタイムで起きるのだ」。

——Amazon傘下のライブストリーミングサービス「Twithch」。調査会社の予測では、今年にはMAUが4,000万人を超える。そして、クリエイターが自身の活動を直接現金化する仕組みを備えたという意味でもパイオニアだ。

Disruption This Week—–23/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月19日から2021年4月23日まで。

「情報衛生の状態が『良い』とされた日本人回答者は19%にとどまり、27カ国平均の26%を下回った。
一方で、4つのうち1つしか実施していない、もしくは何も実施していない、情報衛生の状態が『悪い』とされた日本人は56%で、27カ国平均の39%を大幅に上回ったという」。

——世界的な大手PR企業エデルマンによる例年の調査結果が発表。今回は「情報衛生」という観点の各国比較が加わった。
「情報衛生」とは、1)ニュースの積極的収集、2)エコーチェンバー現象を避ける、3)情報の真偽確認、4)不確かな情報の拡散抑止、の総合値。面白いアプローチ。

英Guardianが20年度の業績および財務を開示。総収入は2億2500万ポンドとほぼ横ばいだったが、その内訳には大幅な変化があった。印刷出版物や広告からの収入は引き続き減少しているが、デジタル購読費や同じく1回限りの寄付収入は、61%増の6900万ポンドに達したとする。
米FTC長官に指名されたLina Khan氏への議会公聴会が実施。「ローカルジャーナリズムが危機に瀕しているのは明らか」とし、「広告市場の集中化が進んでいることや、(巨大IT企業が)アルゴリズムの変更などを恣意的に行い、業界全体に広範な影響を与えている」と明快に述べる。
「はてなと集英社は4月21日、Web漫画を投稿・閲覧できるサービス『マンガノ』を始めた。漫画を有料配信する、広告を設定して公開するなど、作者がさまざまな方法で作品をマネタイズできる点が特徴という」。

——大変に興味深い。利用者(読者や作家)にとってのユーザビリティが練られていることに期待。

The Guardian、BBC、The Financial Times、The New York Times、The Wall Street Journalなどにおけるメディアの革新事例を紹介する記事。例えばBBCのテキストや写真など用意すると、InstagramなどのStories形式を自動生成してくれるGraphical Story Editorが興味深い。
元BuzzFeed News編集長のBen Smith氏のNYTimesへのコラム。先端的なメディアではサブスクリプションが喧伝されているが、実は20年〜21年は広告が改めて急成長を見せているという。問題はメディアへとその収益がどれほど還元されるかだが。
皮肉な事実を指摘する声も。「ATTNの共同設立者であるマシュー・シーガルは、『サブスクリプションの販売にはかなりの費用がかかり、ストリーミングエンターテインメント企業は』マーケティングに莫大な資金を費やす必要がある』」ともコラムは書いている。
【有料購読者向け記事】:
「グーグルで働く中で、『広告モデルでは、ユーザーに利する検索エンジンを作れないのでは』という思いが徐々に強まっていきました。
広告で稼いでいる以上、『より多くの広告を見せなければいけない』というプレッシャーが常にあります」。

——購読型の新たな検索サービス「Neeva」を創業した元Google幹部への取材記事。購読料という対価を引き換えにしてでも使いたい検索結果は、たとえば「ショッピング」分野。レビュー記事は重要な分野だと自分も考える。

「5つのジャーナリズム的価値のうち、過半数の支持が得られたのは『ファクト重視』の67%のみ。最も支持が低かったのは、調査報道などで社会の問題点を明らかにする『社会批判』の29%だった」。

——過去には7割を超えるマスメディアへの信頼度。なぜ、嫌われるのか、調査結果が興味深い。重要な「誰に顔を向けているのか」という問い。

「2006年4月23日にストックホルムで設立されたSpotifyは、海賊版問題解決のために、『特定のアルバムや曲を買う気がない消費者も、大量の音楽ライブラリに簡単にアクセスできるならお金を払ってもいい』という考えに基づいて作られた」。

——15年でSpotifyが変革した15のポイント。2015年には最盛期のビジネスの半分にまで激減した音楽業界を再興させたSopitfyの功と罪(自分は、功がもちろん大きいと見るが)を、テクノロジーとアイデアの面で整理した重要な論。

GoogleがサードパーティCookie代替技術として推進を図る「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)に対し、EdgeやMozilla、Braveら多くのブラウザメーカーが採用を拒否。その1社Braveは、「FLoCの最悪の側面は、プライバシーに配慮していると見せかけて、ユーザーのプライバシーを著しく侵害していることだ」と批判の声をあげる。
【ご紹介】:
米TechCrunchが、SmartNews(日本語版)のワクチンアラート利用者が、サービス提供開始から1週間で100万人を超えたとの発表を紹介。