Disruption This Week—–1/3/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月26日から2024年3月1日まで。

How the Media Industry Keeps Losing the Future
【有料購読者向け記事】:
印刷版の新聞に代わる画面上の新聞「Viewtron」が1986年に閉鎖されて以降、未来の電子版新聞の試みが何度か生じ、敗退していった。記事は、その試みを紹介しつつ歴史的人物の証言などに当たるが、最後にこれらの敗北は、SNSへの敗北だったと指摘する。
出版状況クロニクル190(2024年2月1日~2月29日) - 出版・読書メモランダム
「『出版状況クロニクルⅦ』で、23年は電子コミックシェアが90%を超えるだろうと予測しておいたが、4830億円という90.3%を占め、そのとおりになってしまった。それは電子書籍が440億円の8.2%、電子雑誌が81億円の1.5%とマイナス基調にあり、これらの回復は難しい状況だといっていい」。

——昨日、「新文化」の記事を通じて紹介しておいた。データ推移が分かるので、目を通しておきたい。

OpenAI、NYTに提訴された裁判で「証拠はChatGPTのハッキングで生成されたもの」と申立
「文書(=OpenAIが呈示した申し立て)によると、NYTが提示したような『異常な結果を生成するためには数万回の試行が必要』で、NYTはOpenAIの利用規約に明らかに違反する欺瞞的なプロンプトを使って例を生成したという」。

——New York TimesとOpenAIとの係争について、何度か紹介しているが、重要なポイントのひとつに、NYTimesがChatGPTの脆弱性を意図的に突いたのではないかということがある。その経緯が理解できる報道。

米英で読者を伸ばすThe Guardian。同メディアが力を入れる指標が「Deeply Read(深く読まれた)」ランク。記事に費やされたアクティブな時間を計測し、記事の長さと組み合わせ「この長さにしては素晴らしい読書時間」などと評価する。読者とのエンゲージメントを重視する戦略から導かれたアプローチ。
San Francisco Chronicle tries an AI chatbot — er, Chowbot — for food recs
米「San Francisco Chronicle」紙、AIチャットボットを使い、読者がベイエリアでのおすすめレストランや特定の料理を見つけられる実験的サービス「Chowbot」を開始。実際にお勧めされる店舗、フードは同氏記者らが実際に評価したものを呈示するため、「信頼に値する」とする。
2023年 日本の広告費 - News(ニュース) - 電通ウェブサイト
「インターネット広告費は、3兆3,330億円(前年比107.8%)と過去最高を更新し、前年より2,418億円増加した。コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与した」。

——詳細は、リポートを読んで欲しいが一読した上での感想は、動画系広告にお金がシフトしていることが見えてくる。“四マス”に出自を持つネットメディアでは、テレビ系に広告支出の伸長が著しい。引用箇所でCTVの伸長が語られていることも、動画系の動きだろう。

LINEヤフー、業績回復の裏で目立つ劣悪広告 ユーザーの不満噴出
【有料購読者向け記事】:
「X上に投稿された、LINEの広告への不満の傾向を可視化したグラフだ。ネガティブな感情を持つ意見は、2023年の1年間で累計4000件以上に拡大した。10月には1月の約3倍となり、月間600件超に。24年1月も昨年同月の2倍以上の件数だ」。

——記事の前半はだれでも閲覧可能だ。LINEヤフーで劣悪広告が異常に多いとの“風評”をデータ解析から跡づけている。もっとも、LINEヤフーに限らず、つとに指摘されているようにFacebook上の広告(と言えるの?レベルな)など、世界的にモラルハザードがこの分野で深まっている。

Microsoft’s AI Access Principles: Our commitments to promote innovation and competition in the new AI economy - Microsoft On the Issues
米Microsoft、プレジデント兼副会長のBrad Smith氏の名前で「AIアクセス原則」を告知。
「マイクロソフトの49年の歴史の中で、これまでのどの取り組みよりも大規模な投資、より多くのビジネス・パートナーシップ、イノベーションと競争を促進するための広範なプログラムを約束する。我々は、世界中の組織や個人が公益に資する方法でAIを開発し、利用できるようにするために必要な幅広い技術へのアクセスを提供することを約束する」。
Reddit says it's made $203M so far licensing its data | TechCrunch
株式公開の目論見書が公開された米Reddit。掲示板型のSNSだが、その収益源はいまのところ、ジェネレーティブAIを開発する企業のデータ学習費だという。
契約総額2億300万ドル、契約期間2年から3年のデータ・ライセンス契約を締結と明らかになった。
Technology newsbrand with 'optimistic view' and 20-strong team launches in London
「楽観的な視点を」と、英ロンドンで新興テックメディア「Digital Frontier」が創業。購読料、広告、イベントから収入を得る計画で、ニュース速報ではなく、深いジャーナリズムを提供していくと宣言。英国でもジャーナリズムは苦境にある中での発進だと報じる記事。

Disruption This Week—–23/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月19日から2024年2月22日まで。

Magazine ABCs 2023: Full breakdown of titles shows 12.4% circulation fall
英国の有料雑誌の発行部数(電子版を含む)を開示するABC調査によると、1位はThe Economistの電子版で99万1,887部。100万部超だった22年からわずかに減少。月間平均発行部数の合計で見ると、21年は2680万、22年は2400万部、23年は2100万部となった。
「サブスク1,000万をいかに達成したか」NYタイムズ発行人が語るデジタル戦略の10年とは?
「(イノベーション・レポートは)未来の洞察の文書だと思われていた。しかし、あれはカルチャーについての文書で、人々が変化に対してノーと言うのをやめるために、必要な条件を整理しただけのものだ。間違っていたことはたくさんあった」。

——現New York Times発行人A・G・サルツバーガー氏へのロイター・ジャーナリズム研究所による長文インタビュー。どう紹介しようかと思っていたところ平和博氏が整理してくれた。引用箇所も面白いが、個人的にはWashington PostやWall The Wall Street Journalなどがレイオフをしていることについて、失敗ではない、むしろ素晴らしく善戦していると持ち上げている点が印象的だった。

米国の配信サブスク利用者、年間支出額は平均約14万円
「新しいレポートによると、サブスクリプションサービスを利用する米国人は、平均で年間924ドル(約13万9000円)のサブスクリプション料金を支払っているという。月額にすると77ドル(約1万2000円)だ」。

——自分の場合は、Amazon PrimeとYouTubeをサブスクしているが、あくまでリニアTVのニュース報道の補完の扱い。アメリカなどでは主役がストリーミングなのだろう。

YouTube dominates TV streaming in US, per Nielsen’s latest report | TechCrunch
米調査会社Nielsen、リニアTV(オリジナルのTV番組視聴)とストリーミングの視聴に関する1月の調査結果を公表。YouTubeがテレビ画面での視聴の8.6%を占め、米国で再びストリーミングサービス全体のトップとなったことを明らかにした。一方、Netflixのテレビ視聴率は7.9%だった。
Washington Post taps Connelly as senior editor for AI strategy and innovation - Talking Biz News
米Washington Post、AI戦略およびイノベーションを所管する上級編集長としてPhoebe Connelly氏を起用。同氏はこれに先駆けて若年層読者獲得のための次世代イニシアティブを率いてきた。同グループでは昨年からAIを活用するためのハッカソンなどを社内で開催するなど活動中だという。
Apple reportedly faces €500m fine from EU over music streaming access
音楽ストリーミングのSpotifyがAppleによってアップストア以外の代替支払い手段の提供を妨害されたとする訴訟で、EU規制当局は、Appleに対し800億円(5億ユーロ)もの制裁金を課す動きと英Financial Timesが報道。
既に紹介しているように、Appleは制裁を逃れるための新ポリシーを発表しているわけだが。
Top 25 US newspaper circulations: Largest print titles fall 14% in year to September 2023
米Alliance for Audited Media調査、米25の日刊紙の1日平均発行部数は、230万部(2023年9月時点)。前年は270万部、2023年3月までの半年間では260万部だった。米最大の日刊紙のWSJ(555,182部)とNYTimes(267,639部)は、それぞれ前年比14%減、13%減に。詳しい一覧表を含む記事。
PAPERWALL: Chinese Websites Posing as Local News Outlets Target Global Audiences with Pro-Beijing Content - The Citizen Lab
カナダToronto大に設けられたCitizen Lab、欧州、アジア、南アメリカの30カ国で現地の報道機関を装った、中国により運営されている少なくとも123のWebサイトのネットワーク「ペーパーウォール」を発見。その詳細な事例と手順などを研究し暴露した。
岸田首相の偽画像などがSNSで相次ぎ拡散 注意を呼びかけ | NHK
「この偽画像を投稿したのはロシアを支持する投稿を繰り返しているアカウントで、転載されたものを合わせて70万回以上見られていました。 また、岸田総理大臣の発言の映像を切り貼りして、『日本人の割合は10%で、残りの90%は移民で構わない』などと述べたとする偽情報もXで拡散しました」。

——以前には、岸田首相が卑猥な発言をする…という愉快犯的偽動画が話題となったが、今回のケースでは、政治性を帯び始めた。影響工作が意図されているようにも見えないではない。警戒水域に入ってきた。

米・オープンAI 文章から動画を作成する新たなAI「Sora」開発を発表|日テレNEWS NNN
「夜の東京の街を歩く女性や東京郊外を走る電車の車窓など日本に関する動画もあり、サクラが満開の中、雪が降る東京の街といった中々見られない光景もAIによって簡単に作成できることがうかがえます」。

——日本をテーマにした動画では、なかなかありそうでなさそうな光景を創り出している。動画広告を安上がりに制作するのにはフィットしそう。現在は、制作者(クリエイター)を選んで試行運用を始めた段階だが、本格的にサービスインする際にはどうするのだろうか。

Disruption This Week—–9/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月5日から2024年2月9日まで。

携帯電話の出荷台数、スマホ登場以降で“最少”に 3000万台を下回る──MM総研調査
「ICT分野の市場調査やコンサルティングを手掛けるMM総研(東京都港区)は2月7日、2023年の携帯電話出荷台数は2801万3000台という調査結果を発表した。前年比16.9%の減少となり、日本でスマートフォンが登場した2007年以降では初めて3000万台を下回った」。

——AIを活用した新たなフォームファクタのデバイスが誕生するのか(しつつあるようだが)。あるいはスマートフォン自体がAIによって大きな進化を遂げるのか。いずれにしてもある種の踊り場にきているようだ。

AR glasses with multimodal AI nets funding from Pokémon GO creator | TechCrunch
シンガポールを拠点とするBrilliant Labs、マルチモーダルAIアシスタントの「Noa」を搭載した軽量なARグラス「Frame」を発表。NianticのCEO、John Hanke氏の投資を受けたという。搭載するAIエンジンには、複数の既存ジェネレーティブAIを連携させていると記事は解説している。
「トムソン・ロイターが8日発表した2023年第4・四半期決算は利益が市場予想を上回った。コスト削減が奏功したほか、人工知能(AI)活用する法務関連向けなどの製品に対する需要が追い風となった。
また、大規模なAI言語モデルの訓練の支援に向けたニュースコンテンツのライセンス契約を締結したと発表。締結先の企業名や金銭面の詳細は明らかにしていない」。

——メディア企業の業績において「AI製品の寄与」が報道される初のケースでは?

Subscription giants News Corp and New York Times buck the trend of revenue decline
世界最大級の多国籍メディア企業のNews Corp。CEOであるRobert Thomson氏が、同社の購読制事業やAIとの連携について語る。同社は複数メディアの総計で1,130万人超の購読者を擁し、New York Timesを凌駕。デジタルが収益の過半に。AI企業と近く金銭的に妥結との期待も示した。
ディズニー、「フォートナイト」のエピックの株式15億ドルを取得 新コンテンツ共同開発へ
「米Walt Disney Companyと米Epic Gamesは2月7日(現地時間)、米Epic Gamesの株式取得に15億ドルを投じると発表した。DisneyとEpicは、消費者が『ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、アバターなどのコンテンツやキャラクター、ストーリーをプレイし、視聴し、購入し、参加できる』新たなゲームとエンターテインメントの世界を共同で構築するという」。

——いまひとつさえのない決算を発表した米Walt Disney。だが、抜かりなく株価浮揚策(?)でもあるゲームへの大型投資を同時に発表。当記事にはないが、別の報道では株価は急騰したという。

OpenAI、DALL・E 3で生成した画像にCP2Aの電子透かし追加
「米OpenAIは2月5日(現地時間)、画像生成AIモデル『DALL・E3』を提供するAPIで生成された画像にC2PA(=Coalition for Content Provenance and Authenticity)メタデータを含ませるようにしたと発表した。12日までにすべてのモバイルユーザーにも展開される見込み」。

——最近になってMetaも同様の取り組みを喧伝しているが、OpenAIが先駆けて実装してきた。C2PAはオープンな仕様で広がる可能性があるが、これをどうコンテンツの真偽判定に生かすかという面での実装例が出てくることを待ちたい。

New York Times Co. Adds 300,000 Digital Subscribers in Quarter
米New York Times、2023年第4四半期に30万人の有料デジタル購読者を追加。デジタル購読の年間売上高が初めて10億ドル突破と発表。年末時点の同紙購読者数は1,036万人で、970万人がデジタル版のみの購読。同社は2027年末までに購読者数1,500万人を目標として掲げる。
HK's first deepfake video conference scam involving HK$200 million
香港現地メディアが報じた、“初の”オンライン会議を用いたディープフェイク詐欺。ある多国籍企業の従業員が、ロンドン本社の「最高財務責任者」を名乗る詐欺師から、4~6人のスタッフとのオンライン会議に招集され、送金の指示を受けたという2億香港ドルの詐欺事案報道。
Introducing Semafor Signals | Semafor
米新興メディアSemafor、MicrosoftおよびOpenAIと組み、ジェネレーティブAIを活用した新たなニュースフォーマットである「Semafor Signals」をスタート。Semaforが取り上げたトピックスに、AIが参照すべき多様な情報源を追加呈示する。同サイトですでにいくつも、表示されている。
The spectacular collapse of the Messenger is a lesson on how not to do journalism | Margaret Sullivan
先日紹介した、昨年大々的なスタートを切り、たちまち崩壊したメディア「The Messenger」。同メディアについて、「SNSと検索からトラフィックを集めることを目的とした広告サポートサイト」だったと指摘し、「うますぎる目論見を信じるべきでなかった」と厳しく指摘する記事。
被災地で求められる情報とは? ——能登半島地震から1ヶ月、東京との読まれ方の違いを分析 - Media × Tech
【ご紹介】:
私も創刊から長く編集に携わってきた「Media×Tech」。諸事情により休眠に入っていましたが、能登半地震をめぐるSmartNews上の読者動向を記事を公開しました。ぜひご一読を。期せずして100本目の記事となりました。

Disruption This Week—–2/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月29日から2024年2月2日まで。

A.I. Fuels a New Era of Product Placement
【有料購読者向け記事】:
AIが古くからある宣伝手法プロダクトプレイスメント(現在、米国ではこのタイプの広告市場が230億ドル近いとされる)を甦らせる。TikTok動画で踊るクリエイターの背後にスポンサー飲料のポスターが合成されている。クリエイターは広告でないと言うのだが。
‘A moment for the ages’ as Mark Zuckerberg apologizes to families of abuse victims - Poynter
米Missouri州選出の上院議員Josh Hawley氏に促され、公聴会に立ったMark Zuckerberg氏は、振り返って家族の遺影を掲げる遺族に向かい、「あなた方のご家族が苦しんだようなことは、誰も経験すべきではない。だからこそ、私たちはこれほど投資したのです」と述べた。
Media startup The Messenger disintegrates, leaving staff nothing | TechCrunch
米メディアのThe Hollywood ReporterやThe Hillを保有してきた業界著名人Jimmy Finkelstein氏が昨5月に創業したThe Messengerが閉鎖。
「昨年末までに創業資金約3800万ドルを失い、300万ドルしか生み出せなかった」とする記事。同氏は「創業1年で1億ドルの収益を生む」と豪語していたのだが。記事はやはり「今はBuzzFeedブームの時代ではない」とも論評。
Publickeyは今月で15周年を迎えます。読者の皆様、スポンサーや広告代理店の皆様、いつもありがとうございます
「僕自身は2006年頃、まだ@ITの事業部長をしていた頃に、米国でTechCrunchやEngadgetなどのブログメディアが盛り上がっているのを見て、ブログを基に個人や少人数でもちゃんとメディアが作れるのだ、ということに大きく刺激を受けました」。

——“稼げる”個人ブロガー/個人メディアの草分け、「Publickey」が開設15周年! おめでとう。
その新野氏と組んで「@IT」を開設したのは2000年だから、お互いなんとも遠くまで歩んできたものだ。私の場合は、組織を前提にした取り組みだったが、新野氏は一人旅、その偉さはよくわかる。

YouTube and Google Subscription Services Hit $15 Billion in 2023 Revenue
【有料購読者向け記事】:
AlphabetのCEO、Sundar Pichai氏、12月期の業績において、YouTube Premium、YouTube Music、YouTube TV、(ストレージサービスの)Google Oneなど、購読サービス売上が2023年に150億ドルに達するとし、同氏はYouTubeが「購読収益の源泉」と形容。
Our Redesigned Byline Pages | The New York Times Company
「調査によれば、読者が記者についてより深く知れば知るほど、私たちのジャーナリズムのプロセスの厳しさを理解し、その結果を信頼する可能性が高まる」。
米New York Times、記事を執筆した記者情報をよりリッチにした「エンハンスト・バイオ(強化した略歴)」フォーマットを運用開始。
出版状況クロニクル189(2024年1月1日~1月31日) - 出版・読書メモランダム
「23年はかろうじて1兆円を上回ったものの、24年の出版物推定販売金額の困難さを予兆させる数字となってしまった。
ピーク時の1996年の2兆6564億円とくらべれば、実質的に3分の1の売り上げになってしまったのである。
そうした出版物売上状況において、出版社はともかく、流通と販売を担う取次と書店は本当に深刻な事態に追いやられている。それは流通と販売自体が恒常的な赤字となっているのではないかと考えられるからだ」。

——記事中に、出版科学研究所による1996年から2023年にかけての出版物推定販売金額の一覧が示されている。1997以降、04年のたった一度を除き、販売(書籍+雑誌)の売上は前年をつねに下回ってきている。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024
例年、年初に公開されるReuters Instituteによる「ジャーナリズム、メディア、テクノロジートレンドと各種予測」2024年版が公開。ニュース忌避など例年のテーマに加え、「7. ジェネレーティブAIと編集部への影響」が新たに加わった。深い懸念と同時に利点も強調する。
On The Record with Will Lewis | Semafor
米Semafor、今年、Washington PostのCEOに就任したWill Lewis氏にインタビュー。同氏はペイウォールの“次”について、「月額購読の意思がない、多くの若年層を惹きつけるには、彼らがジャーナリズムにアクセスできる新しい方法をデザインするのが、業界の責務となる」と述べる。
例として、「1日パス」「週間パス」、あるいはThe Guardianのような寄付モデルなどをあげる。「まったく新しい世代の有料ユーザーコンセプトがある」と。
Apple announces changes to iOS, Safari, and the App Store in the European Union
Apple、EU域内におけるiOS、Safari、そしてApp Storeの変更を発表:
「代替の支払い方法を使用しているアプリについては、Appleは返金を行うことができず、問題や詐欺、詐欺に遭遇したお客様をサポートする能力も低下する。問題の報告、ファミリー共有、購入依頼など、App Storeの便利な機能も、これらの取引には反映されない。ユーザーは、支払い情報をさらに多くの相手と共有しなければならなくなる可能性があり、悪質な業者が機密性の高い金融情報を盗む機会が増えることになる」。

Disruption This Week—–12/1/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月1日から2024年1月12日まで。

声で指示すれば、あとのアプリ操作は“AIウサギ”におまかせ 小型AIデバイス「rabbit r1」登場
「rabbitsは、最新情報を検索するといった単純なタスクから、次の旅行のオプションを徹底的に調べて予約したり、ネットスーパーのカートに商品を入れて購入したりといった、複雑なデジタルタスクを処理できるという」。——開催中のCES2024で、ジェネレーティブAI活用に特化した新たなハードウェア+サービス製品が登場した。「たまごっちなどのレトロガジェットを彷彿させる」デザイン。独自のLLM(オープンソース利用?)で動作し、外部の各種アプリやサービスとの連携を、現在トレーニング中だという。200ドル程度と買いやすい価格設定からか、すでに予約で1万台を受注。

Netflix’s Ad Tier Now Has More Than 23 Million Monthly Active Users, Advertising Chief Says
米Netflixの広報担当幹部、広告表示付き廉価版NetflixのMAU(月間アクティブ数)が全世界で2,300万人を突破と説明。2か月前の1,500万人から急増。全世界12か国での新規契約者数の3割がこの廉価版層。エンゲージメントも高く、この層の利用者は85%以上が月に2時間以上視聴しているという。
オープンAIがCNNやFOX、タイムと交渉-コンテンツ使用巡り
「米オープンAIはニュースコンテンツのライセンス取得を目指し、CNNとFOX、タイム誌と交渉していることが複数の関係の話で分かった。オープンAIは著作権侵害疑惑に直面しながらも、AI製品を構築するためコンテンツへのアクセスを確保する取り組みを広げている」。——New York Timesによる提訴とは並行して、OpenAIは多くのメディア(報道機関)との提携交渉を進めている…ようだ。TimeのCEOは交渉を認めたが、あげられた他のメディア関係者はコメントしていない。交渉の存在をリークする動きも含めて微妙なバランスでメディア業界は動いている。

OpenAI launches a store for custom AI-powered chatbots | TechCrunch
OpenAI、開設が遅れていた「GPTストア」の開設をアナウンス。ChatGPTの表紙部分に「By ChatGPT」という項目でサードパーティ製GPTアプリ多数示される。記事によれば現時点では、サードパーティがアプリに課金できないが、今後課金も可能になる見込みだ。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024
Reuters Institute、「2024年のジャーナリズム、メディア、テクノロジーのトレンド予測」を公開。50以上の国から300名以上のメディアリーダーから聴取。
「1.ジャーナリズムにとって今年も困難な年に」「2.プラットフォームシフトとリファラルモデルの終焉?」「3.人工知能時代の検索の未来」「4.ジャーナリズム・ビジネスはさらなる激変に直面する」「5.ニュースの形式が変わる:音声と動画が増える」「6.ニュース断絶と選択的ニュース回避」…と刺激的な項目が続く。
How Google perfected the web
「インターネットは少しずつ、Googleのイメージ通りに作り変えられている。そして、その結果に対処しなければならないのは、機械ではなく人間なのだ」。
Google検索が支配するWeb。検索結果の上位をめざし最適化を繰り返すことで、すべてのページがGoogle好みになってしまった。米Vergeが実験的にWebページを制作してさまざまな問題点を指摘。
この記事自体、動的なページ、ビジュアルづくりはなかなか魅せるものになっている。
Americans Are Canceling More of Their Streaming Services
【有料購読者向け記事】:
米消費者のストリーミングサービス解約が加速。調査会社Antennaによると、Apple TV+、Discovery+、Disney+、Netflixといった主要サービス加入者の内4分の1が過去2年間に3つを解約。2年前には15%だった。背景に値上げと広告付き廉価版の台頭がある。

The New York Times’ AI Opportunity

Stratechery by Ben Thompson

The New York Times’ AI Opportunity
「New York Times AIをめぐる機会(チャンス)」。ブロガーBen Thompson氏が自身のブログで、NYTがOpenAIを訴えた件で、長文の論考を公開。
「フェアユース」が論点となるが、NYTのプロンプトによりChatGPTがWirecutterの記事をそのままダンプしてしまった点に勝利の可能性があるとする。OpenAIはそれを“バグ”として修正済みと主張するわけだが。
(サムネールで赤字が並記されているのが、原文とGPT-4が出力したものが、これだけ共通していると主張している箇所)
OpenAI and journalism
OpenAIがNew York Timesによる提訴に反論。
その骨子は、1) 報道機関と協力し、新たな機会を創出している。2) 学習はフェアユースであり、オプトアウトを提供している。3) (指摘されている、記事をそのまま吐き出す)“問題”は稀なバグで、それをゼロにするために取り組み中だ。4) 同紙は全容を伝えていない、といったもの。
出版状況クロニクル188(2023年12月1日~12月31日) - 出版・読書メモランダム
「23年11月の書籍雑誌推定販売金額は865億円で、前年比5.4%減。
書籍は493億円で、同2.9%減。
雑誌は372億円で、同8.5%減。
雑誌の内訳は月刊誌が313億円で、同9.2%減、週刊誌は58億円で、同4.2%減」。——2023年の1〜11月の書籍および雑誌の(推定)販売の動きがわかる。12月分はこれからだが、23年も9・10月のいくぶんのプラスを除いて壮烈な状況。