Disruption This Week—–5/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月1日から2024年4月5日まで。

米グーグル、生成AI検索サービスの有料化検討=FT
「報道によると、グーグルはAI検索をサブスクリプション(定額課金)サービスに含めるなどの選択肢を検討中。既に「Gメール」や「Docs(ドキュメント)」といったサービスでは、自社の生成AI「ジェミニ」によるアシスタント機能を提供している」。

——昔々、Google検索やGmailなどの使い始めの頃には、「散々便利に使わせて、いずれは有料化に転じるのではないか」と猜疑心を持った記憶が。それが薄れてはいたが、今ごろになってそれが現実になってきたようだ。

AI生成テキストの透かし、改ざんは簡単 新研究で実証
「5月に施行される欧州連合(EU)の『AI法』は、AI生成コンテンツに電子透かしを入れるよう開発者に義務付けている。しかし、新たな研究によって最先端の透かしテクノロジーは規制当局の要件を満たしていないことが示された」。

——研究は、最新の電子透かし技術(アルゴリズム)をAIを使ってハッキングしたと主張。その簡略な要約を記事は紹介している。どうやって、電子透かしが、そのコンテンツをAI生成だと示せるのかが理解できて面白い。

Fact-checking grows but concerns remain over funding, harassment, report finds - Poynter
4月2日の「国際ファクトチェッキング・デー」に際して、国際的なファクトチェック団体のネットワークであるIFCN(International Fact-Checking Network)が「ファクト・チェッカーの現状報告」を発表。記事はその要約で、ファクトチェックの最大課題は資金とヘイト問題とする。

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「試合時間の短縮化に並行して、顧客体験の刷新も図っていった。
MLBでは顧客のファーストパーティデータを収集し、顧客をより正しく理解すべく、試合をリアルタイムで追えたり好きな選手の戦果をフォローしたりできる『MLBアプリ』や、メジャーリーグの野球場を訪れる際のチケット管理のための『MLB BallParkアプリ』、MLBの試合をストリーミングできる有料の『MLB.tv』といったデジタルプロダクト、チケット購入サイト『ickets.com』などを有している」。

——Adobe社のイベントで、MLBチーフオペレーションズ&ストラテジーオフィサーが語った、MLBのDX改革。データに基づく分析から3つの改革を実施と具体的な取り組みを紹介。特にパーソナリゼーションのアプローチが興味深い。
https://www.advertimes.com/20240403/article455247/

For Data-Guzzling AI Companies, the Internet Is Too Small
【有料購読者向け記事】:
OpenAIやAnthropicといった大手ジェネレーティブAI開発企業は、学習のための高品質のテキストデータの収集に苦慮している。低品質な情報源には事欠かないが、高品質な情報源であるメディアなどとの交渉は難航。
YouTube上の字幕を利用するアイデアやAIが生成した文章を再利用するなどの苦肉の策も検討されているとする記事。
レディットがニューヨーク・タイムズよりも価値が高い理由
「- レディットは損失を出しているものの、時価総額は約80億ドルを超えている。
– 一方、利益を上げているニューヨーク・タイムズの時価総額は約70億ドルだ。
– これは、ユーザーによる無料コンテンツを生かすレディットのビジネスモデルを、投資家が評価していることを意味している」。

——いまさらながらの問題意識ではあるが、メディアの価値をどう計量するか。もちろん、公開企業の株価の総額で測るのは、ある種の代替的なアプローチだが、意味がなくはない。記事が示唆しているのは、運営にかかるコストという視点。Redditではユーザー投稿という原稿コスト・ゼロというSNSの圧倒的なアドバンテージだ。

Discord to Start Showing Ads for Gamers to Boost Revenue
【有料購読者向け記事】:
米チャットプラットフォームのDiscord、近日中にも広告掲載を開始と米Wall Street Journalが報道。同社CEOのJason Citron氏は広告体験について否定的な意見を再三述べ、広告事業には着手してこなかった。異なる収益化アイデアに期待したのだが……。ちょっと残念。
「耳の可処分時間」が拡大!デジタルサービスで活性化する音声メディア | ウェブ電通報
「『日本の広告費』では、2023年はマスコミ四媒体合計広告費が前年比96.6%(2兆3,161億円)となる中で、ラジオ広告費は前年比100.9%(1,139億円)と、マスコミ四媒体の中では雑誌広告とともに増加となりました。…マスコミ四媒体の中で唯一3年連続の増加となりました」。

——広告費の側面から音声メディアの好調を紹介したが、自身の経験や種々のテクノロジー進化で、この分野にはまだ発展の余地が高いと注目している。特にジェネレーティブAI技術の出現は、品ぞろえの多様化がなかなか進まない(一部の売れ筋に集中する)オーディオ書籍市場が活性化させるだろう。

「世界のアニメファンは10億人に」 クランチロール首脳陣が語る、日本アニメへの期待 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
クランチロールのCEO ラウール・プリニ氏:
「実際のところ、どの国にも違法アップロードのサイトはあり、なかなかなくなりません。ですので、我々ができることは“クランチロールのサイトで見た方が良い”と思えるような体験を提供することに尽きると思っています」。

——世界で10億人のユーザーをめざすクランチロール。課題は、やはり違法アップロード問題のようだが、対策には傾聴すべきものがある。

OpenAIの「Voice Engine」は15秒分の声データを元に本人そっくりに喋る
「米OpenAIは3月29日(現地時間)、人の声を再現できる生成AIモデル『Voice Engine』を発表した。テキスト入力と15秒分の音声サンプルで、元の話者によく似た自然な音声を生成できる。感情的なリアルな音声で、母国語以外の言語も話せる」。

——すでにOpenAIはこの技術を昨年中からさまざまな箇所で利用している。Spotifyも昨年9月、この技術を用いた「Voice Translation」を発表している。問題は、同社も認めている“悪用の可能性”をどう防ぐかだ。同社はそれを念頭に「慎重なテストを行っている」という。悪用問題を除けばさまざまなサービスを思い浮かべることができるな。

Disruption This Week—–8/3/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年3月4日から2024年3月8日まで。

アップルは「マフィアの手口」 EUの新ルール、アプリ業者が猛反発:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「ファウ氏(=ドイツの暗号化メールアプリ『トゥータ』のマティアス・ファウCEO)は『現状の規約にとどまるか、ビジネスを壊すリスクを取って新規約に移るか。アップルの手法は、身代金を要求するマフィアのようだ』という」。

——AppleがDMA施行に対処するため(と想定できる)、新アップストア利用規約が非常に評判が悪い。個人的に見ても、よくもこれだけワル知恵を働かせたものだと感心。特に外部決済に誘導されようとする一般ユーザーに対し、「(外部で決裁すると)アップルはプライバシーやセキュリティーに責任を負いません」と大書きで警告する手法は、圧倒的な影響力があるだろう。

プロンプト不要、生成AIで誰でも物語からマンガが作れる
「テキスト-画像生成AIは物語性のある複数の画像を生成するのが苦手だ。複数の画像で、設定に一貫性を持たせるのが難しいからだ。だが最近、物語を一度入力すると、それに合った一連の画像を生成するサービスが登場した」。

——画像生成については、DALL-EやStable Diffusionなどを利用するようだが、それ以前のストーリー、プロットなどを解釈してうまい画像を生成させるプロンプトを人間代わりにやってくれるジェネレーティブAI「ロア・マシーン(Lore Machine)」が試行運用中。記事に含まれる見本が面白く読める。

“Don’t expect help from the disruptors”: The FT’s chief executive on AI, “loyalist” readers, and its U.S. expansion
英Financial Times(FT)のCEO、John Ridding氏がインタビューに応じ、好調なデジタル購読者獲得とメディア業界の現状について語る。同社の購読者は140万人を超え、うちデジタル購読者は100万人超。約20%が米国在住だという。日経による買収以降、グループ収益は倍増だとも。
同社が力を入れてきたエンゲージメント戦略の詳細な現状も語られ、読み応えのある内容。
生成AIのグラウンディング(Grounding)とは?
「用語『グラウンディング』について説明。特定の知識や情報源(ナレッジベースなど)に基づいて言語モデルの生成内容を裏付けるプロセスのことで、チャットAIに独自の情報源を付与するRAG(検索拡張生成)という仕組みがその代表例。チャットAIがもっともらしいウソを答える問題(=ハルシネーション)を減らせるといったメリットがある」。

——LLMからいかにして信頼性の高い情報を意図して出力させられるか。また、その信頼性を証す典拠などを明示させられるかといったテーマは、現在、自ら培ってきた信頼性の高いコンテンツを資産として維持する出版社、メディアにとっての死活問題。課題だったこの問題への一つのアプローチが「グラウンディング」だ。

Newsguard debuts new automation tools for tracking election-related misinformation
情報の信ぴょう性などの検証からメディアをレーティングする調査企業の米NewsGuard、選挙イヤーの2024年用に、「Election Misinformation Tracking Center(選挙関連誤報追跡センター)」をサービスイン。従来の追跡システムに加え機械化をさらに促進したという。
10代にとって「メディア」とは? 気になる「界隈」って? イノベーターティーンのメディア生活 番外編 @メ環研の部屋 | メディア環境研究所|博報堂DYメディアパートナーズ
「10代はこの(=フィルターバブルのような)『情報が偏るリスク』をよく理解しているようです。調査では10代の6割が『多様な人や意見・情報にあたるようにしている』と回答。その対策として、X、新聞、ネットニュースなど複数のメディアを使い、確からしさを得ようとしているという声が聞かれています」。

——ティーンがバランス良く情報を摂取すべきことを知っているとの結果。これが全体に適用できるのかどうかもう少し深めてほしいが、自分の日ごろの感覚とも整合する。

BBC News marks content 'verified' to counter disinformation
英BBC、記事中に引用などされた第三者による映像情報に、「検証済み」マークを表示するようにした。検証された動画や画像には、作者、撮影日、撮影場所、カメラの詳細、その後の編集や変更などのメタデータが埋め込まれ、読者はそれを確認できる”How we verified this”ボタンを設置する。
How Max Tani Became the Go-To Guy for Horrible News About Media Layoffs
人気の新興メディア米Semaforでメディア関連情報を担当するMaxwell Tani氏へのインタビュー。同氏は、いくつものメディアを渡り歩き、Semaforにたどり着いたが、いつの間にか、“メディアの訃報(レイオフ、媒体閉鎖)”を報道する専門家のようになってしまったと嘆く。
These Companies Have a Plan to Kill Apps
スマホアプリが消滅へ? すでに軽く紹介したが、MWC2024にドイツテレコムがLLMを利用したヒューマンインターフェイスを搭載したスマートフォンのコンセプトモデルを展示。人間が“複数のアプリを操作してタスクを完了”モデルから、AIに指示し、AIがタスクを完了する新トレンドが動き出している。
インターネットの利用環境、70代のスマホでの利用が3年間で31pt増加【LINEヤフー調査】
「60代以上のシニア層を見ても2021年4月と比較して『スマホ』でのインターネット利用者の増加傾向は顕著で、60代は86%(+6pt)、70代は65%(+31pt)の利用率となった」。

——当然の帰趨と言えばそうだが、シニア層でスマホ利用が急速に進む。となると、ネットメディアやサービスの利用についても、この層で進むことになるだろう。メディア受容における世代対立も変化する可能性がある。

Disruption This Week—–17/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月13日から2024年2月16日まで。

‘Less writing articles; more AI conversation’: We get reaction to ex-Googler’s WaPo op-ed tip for publishers
“書かれたものから会話へ”。
印刷物の時代には、出版社は「記事」を作り、それを印刷、その紙を読者に配布していた。Webは、配布と紙に関するすべてを変えたが、記事はほとんどそのままに。だが将来は、出版社とって記事が主題ではなくなり、読者との会話について考えることになるとの論説。どのように会話の関係として読者(というよりユーザー)をつなぎ止めるのか。AIチャット能力が主役となる時代がやってくる。
'Miraculous' Substack-based Ankler Media eyes $10m annual revenue next year
2022年1月創刊のSubstackベースのニューズレターメディアのAnkler Media。ハリウッド情報のメルマガが出発点だが、早くメルマガ5タイトル、ポッドキャスト2タイトルのメディア企業に成長。すでに年商100万ドル超に。25年には1,000万ドル超を目指すとCEOは述べる。
Slate reports best year | Semafor
30年近い歴史を誇る米メディアSlate。老舗のカルチャー、政治関連メディアにとって、2023年は、長い歴史のなかで最高収益となったという。ポッドキャストとWebサイトで50/50の広告収入を獲得。しかも広告収入は同社収入の半分以下。有料メンバー制が過去2年で倍増という。
Extending our Mastodon social media trial
英BBCのソーシャルメディアへのアプローチを研究するチーム、昨年、7月に開始した分散型ソーシャルメディアMastodonサーバーの試行運用が6万ユーザーに到達と公表。詳細なデータや見解を開示。良好な運用状況から試行運用をさらに6か月延長を決めたとする。
Paramount cuts 800 staff two days after Super Bowl was biggest ever TV show
米放送大手CBS、平均視聴者数で1億2340万人(TVとストリーミング合計)を突破し、史上最も視聴された「テレビ番組」となったSuper Bowl LVIIIを放映し、その記録破りの成果を公表した数時間後、CEOであるBob Bakish氏は同社800人のレイオフを発表した。
French Watchdog Uncovers Massive Russian Disinformation Operation 'Portal Kombat'
フランスの対外情報監視機関Viginum、「Portal Kombat」とのコードネームで呼ばれるロシアの大規模なオンライン影響工作活動を指摘。193ものWebサイトからなり、ウクライナでの戦争をめぐる欺瞞情報を流布し、欧州各国のウクライナ支持を挫くことを目的としたものだとする。
食べログ「評点」変更の是非は 高裁判決を弁護士が解説 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「グルメサイト『食べログ』の評価基準の変更が独占禁止法違反に当たるかが争われた裁判に関心が集まっている。東京高裁は1月、評価点を決める『アルゴリズム(計算手法)』の変更が『優越的地位の乱用』に当たるとして飲食チェーン店側への賠償を命じた一審判決を取り消し、サイトを運営するカカクコム側の逆転勝訴とした」。

——高裁で一審判決が取り消された。プラットフォーマーによるアルゴリズム変更をめぐる判例が揺れている。専門家3名による見解を紹介する記事。

Decoding new newsroom jobs in the age of AI

Media Makers Meet | What’s new in media

Decoding new newsroom jobs in the age of AI
“AI時代の新しい報道部門の仕事を読み解く”。AIを報道メディアの業務にどう生かすか。最近現れた報告書を読み解く論。後半ではAIを報道に生かすために生み出される新たな職務を解説している。
広告だらけの低品質サイトに100億円超流入 資生堂は監視強化 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「広告だらけで独自性のない低品質コンテンツを集めたサイトに、国内で年100億円超の企業広告費が流入している疑いがあることがわかった。生成AI(人工知能)が悪用されて低品質サイトは3割以上増えた。見せかけの閲覧数に基づいて広告費が請求され、広告主の予算が浪費されている。資生堂などは検知ツールで監視を強める」。

——「生成AIによる低品質コンテンツ」に力点が置かれた記事だが、これをある種のコンテンツファーム(検索上位を狙って人為的にコンテンツを生産し広告収入を集める手法)は、米国では2010年ぐらいには大きな動きになったし、2016年にはご存じキュレーションメディア騒動があった。根幹にはこの種のモラルハザードを生みやすい広告テクノロジーがある。

Artificial Intelligence in the News: How AI Retools, Rationalizes, and Reshapes Journalism and the Public Arena
英Guardian、独バイエルン放送、米Washington Post、英Financial Timesなど35のメディア(新聞、放送など)と報道に携わる多くの専門家から聴取したAIと報道をめぐるさまざまな現状と課題、そしてプラットフォームとの関係をリポートした必読資料が公開された(PDFも入手可)。
メディア接触の新潮流...「ニュース回避傾向」が強い層の特徴とは?
【ご紹介】:
昨年11月に公開された「スマートニュース・メディア価値観全国調査」。そこからいくつも新たなファクトが浮かび上がります。本記事は気鋭の研究者・大森翔子氏が調査から見出した、我が国での「ニュース回避」トレンド。従来、ロイター・ジャーナリズム研究所が例年取り扱い、注目を集めてきました。それが日本においても姿を現しています。「メディア接触の6類型」分析で読み解く斬新で貴重な論考です。
今のニュースメディアに欠けている機能とは何か
【ご紹介】:
私も末端で参加させてもらったメディアをめぐる座談会。元日経メディアラボ所長の坪田知己氏が中心となってメディアをめぐる話題が広がりました。よろしければご一読を。

Disruption This Week—–9/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月5日から2024年2月9日まで。

携帯電話の出荷台数、スマホ登場以降で“最少”に 3000万台を下回る──MM総研調査
「ICT分野の市場調査やコンサルティングを手掛けるMM総研(東京都港区)は2月7日、2023年の携帯電話出荷台数は2801万3000台という調査結果を発表した。前年比16.9%の減少となり、日本でスマートフォンが登場した2007年以降では初めて3000万台を下回った」。

——AIを活用した新たなフォームファクタのデバイスが誕生するのか(しつつあるようだが)。あるいはスマートフォン自体がAIによって大きな進化を遂げるのか。いずれにしてもある種の踊り場にきているようだ。

AR glasses with multimodal AI nets funding from Pokémon GO creator | TechCrunch
シンガポールを拠点とするBrilliant Labs、マルチモーダルAIアシスタントの「Noa」を搭載した軽量なARグラス「Frame」を発表。NianticのCEO、John Hanke氏の投資を受けたという。搭載するAIエンジンには、複数の既存ジェネレーティブAIを連携させていると記事は解説している。
「トムソン・ロイターが8日発表した2023年第4・四半期決算は利益が市場予想を上回った。コスト削減が奏功したほか、人工知能(AI)活用する法務関連向けなどの製品に対する需要が追い風となった。
また、大規模なAI言語モデルの訓練の支援に向けたニュースコンテンツのライセンス契約を締結したと発表。締結先の企業名や金銭面の詳細は明らかにしていない」。

——メディア企業の業績において「AI製品の寄与」が報道される初のケースでは?

Subscription giants News Corp and New York Times buck the trend of revenue decline
世界最大級の多国籍メディア企業のNews Corp。CEOであるRobert Thomson氏が、同社の購読制事業やAIとの連携について語る。同社は複数メディアの総計で1,130万人超の購読者を擁し、New York Timesを凌駕。デジタルが収益の過半に。AI企業と近く金銭的に妥結との期待も示した。
ディズニー、「フォートナイト」のエピックの株式15億ドルを取得 新コンテンツ共同開発へ
「米Walt Disney Companyと米Epic Gamesは2月7日(現地時間)、米Epic Gamesの株式取得に15億ドルを投じると発表した。DisneyとEpicは、消費者が『ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、アバターなどのコンテンツやキャラクター、ストーリーをプレイし、視聴し、購入し、参加できる』新たなゲームとエンターテインメントの世界を共同で構築するという」。

——いまひとつさえのない決算を発表した米Walt Disney。だが、抜かりなく株価浮揚策(?)でもあるゲームへの大型投資を同時に発表。当記事にはないが、別の報道では株価は急騰したという。

OpenAI、DALL・E 3で生成した画像にCP2Aの電子透かし追加
「米OpenAIは2月5日(現地時間)、画像生成AIモデル『DALL・E3』を提供するAPIで生成された画像にC2PA(=Coalition for Content Provenance and Authenticity)メタデータを含ませるようにしたと発表した。12日までにすべてのモバイルユーザーにも展開される見込み」。

——最近になってMetaも同様の取り組みを喧伝しているが、OpenAIが先駆けて実装してきた。C2PAはオープンな仕様で広がる可能性があるが、これをどうコンテンツの真偽判定に生かすかという面での実装例が出てくることを待ちたい。

New York Times Co. Adds 300,000 Digital Subscribers in Quarter
米New York Times、2023年第4四半期に30万人の有料デジタル購読者を追加。デジタル購読の年間売上高が初めて10億ドル突破と発表。年末時点の同紙購読者数は1,036万人で、970万人がデジタル版のみの購読。同社は2027年末までに購読者数1,500万人を目標として掲げる。
HK's first deepfake video conference scam involving HK$200 million
香港現地メディアが報じた、“初の”オンライン会議を用いたディープフェイク詐欺。ある多国籍企業の従業員が、ロンドン本社の「最高財務責任者」を名乗る詐欺師から、4~6人のスタッフとのオンライン会議に招集され、送金の指示を受けたという2億香港ドルの詐欺事案報道。
Introducing Semafor Signals | Semafor
米新興メディアSemafor、MicrosoftおよびOpenAIと組み、ジェネレーティブAIを活用した新たなニュースフォーマットである「Semafor Signals」をスタート。Semaforが取り上げたトピックスに、AIが参照すべき多様な情報源を追加呈示する。同サイトですでにいくつも、表示されている。
The spectacular collapse of the Messenger is a lesson on how not to do journalism | Margaret Sullivan
先日紹介した、昨年大々的なスタートを切り、たちまち崩壊したメディア「The Messenger」。同メディアについて、「SNSと検索からトラフィックを集めることを目的とした広告サポートサイト」だったと指摘し、「うますぎる目論見を信じるべきでなかった」と厳しく指摘する記事。
被災地で求められる情報とは? ——能登半島地震から1ヶ月、東京との読まれ方の違いを分析 - Media × Tech
【ご紹介】:
私も創刊から長く編集に携わってきた「Media×Tech」。諸事情により休眠に入っていましたが、能登半地震をめぐるSmartNews上の読者動向を記事を公開しました。ぜひご一読を。期せずして100本目の記事となりました。

Disruption This Week—–2/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月29日から2024年2月2日まで。

A.I. Fuels a New Era of Product Placement
【有料購読者向け記事】:
AIが古くからある宣伝手法プロダクトプレイスメント(現在、米国ではこのタイプの広告市場が230億ドル近いとされる)を甦らせる。TikTok動画で踊るクリエイターの背後にスポンサー飲料のポスターが合成されている。クリエイターは広告でないと言うのだが。
‘A moment for the ages’ as Mark Zuckerberg apologizes to families of abuse victims - Poynter
米Missouri州選出の上院議員Josh Hawley氏に促され、公聴会に立ったMark Zuckerberg氏は、振り返って家族の遺影を掲げる遺族に向かい、「あなた方のご家族が苦しんだようなことは、誰も経験すべきではない。だからこそ、私たちはこれほど投資したのです」と述べた。
Media startup The Messenger disintegrates, leaving staff nothing | TechCrunch
米メディアのThe Hollywood ReporterやThe Hillを保有してきた業界著名人Jimmy Finkelstein氏が昨5月に創業したThe Messengerが閉鎖。
「昨年末までに創業資金約3800万ドルを失い、300万ドルしか生み出せなかった」とする記事。同氏は「創業1年で1億ドルの収益を生む」と豪語していたのだが。記事はやはり「今はBuzzFeedブームの時代ではない」とも論評。
Publickeyは今月で15周年を迎えます。読者の皆様、スポンサーや広告代理店の皆様、いつもありがとうございます
「僕自身は2006年頃、まだ@ITの事業部長をしていた頃に、米国でTechCrunchやEngadgetなどのブログメディアが盛り上がっているのを見て、ブログを基に個人や少人数でもちゃんとメディアが作れるのだ、ということに大きく刺激を受けました」。

——“稼げる”個人ブロガー/個人メディアの草分け、「Publickey」が開設15周年! おめでとう。
その新野氏と組んで「@IT」を開設したのは2000年だから、お互いなんとも遠くまで歩んできたものだ。私の場合は、組織を前提にした取り組みだったが、新野氏は一人旅、その偉さはよくわかる。

YouTube and Google Subscription Services Hit $15 Billion in 2023 Revenue
【有料購読者向け記事】:
AlphabetのCEO、Sundar Pichai氏、12月期の業績において、YouTube Premium、YouTube Music、YouTube TV、(ストレージサービスの)Google Oneなど、購読サービス売上が2023年に150億ドルに達するとし、同氏はYouTubeが「購読収益の源泉」と形容。
Our Redesigned Byline Pages | The New York Times Company
「調査によれば、読者が記者についてより深く知れば知るほど、私たちのジャーナリズムのプロセスの厳しさを理解し、その結果を信頼する可能性が高まる」。
米New York Times、記事を執筆した記者情報をよりリッチにした「エンハンスト・バイオ(強化した略歴)」フォーマットを運用開始。
出版状況クロニクル189(2024年1月1日~1月31日) - 出版・読書メモランダム
「23年はかろうじて1兆円を上回ったものの、24年の出版物推定販売金額の困難さを予兆させる数字となってしまった。
ピーク時の1996年の2兆6564億円とくらべれば、実質的に3分の1の売り上げになってしまったのである。
そうした出版物売上状況において、出版社はともかく、流通と販売を担う取次と書店は本当に深刻な事態に追いやられている。それは流通と販売自体が恒常的な赤字となっているのではないかと考えられるからだ」。

——記事中に、出版科学研究所による1996年から2023年にかけての出版物推定販売金額の一覧が示されている。1997以降、04年のたった一度を除き、販売(書籍+雑誌)の売上は前年をつねに下回ってきている。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024
例年、年初に公開されるReuters Instituteによる「ジャーナリズム、メディア、テクノロジートレンドと各種予測」2024年版が公開。ニュース忌避など例年のテーマに加え、「7. ジェネレーティブAIと編集部への影響」が新たに加わった。深い懸念と同時に利点も強調する。
On The Record with Will Lewis | Semafor
米Semafor、今年、Washington PostのCEOに就任したWill Lewis氏にインタビュー。同氏はペイウォールの“次”について、「月額購読の意思がない、多くの若年層を惹きつけるには、彼らがジャーナリズムにアクセスできる新しい方法をデザインするのが、業界の責務となる」と述べる。
例として、「1日パス」「週間パス」、あるいはThe Guardianのような寄付モデルなどをあげる。「まったく新しい世代の有料ユーザーコンセプトがある」と。
Apple announces changes to iOS, Safari, and the App Store in the European Union
Apple、EU域内におけるiOS、Safari、そしてApp Storeの変更を発表:
「代替の支払い方法を使用しているアプリについては、Appleは返金を行うことができず、問題や詐欺、詐欺に遭遇したお客様をサポートする能力も低下する。問題の報告、ファミリー共有、購入依頼など、App Storeの便利な機能も、これらの取引には反映されない。ユーザーは、支払い情報をさらに多くの相手と共有しなければならなくなる可能性があり、悪質な業者が機密性の高い金融情報を盗む機会が増えることになる」。