Disruption This Week—–19/1/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月15日から2024年1月19日まで。

EU calls for laws to force greater algorithmic transparency from music-streaming platforms | TechCrunch
欧州議会、ストリーミング事業者に推奨アルゴリズムの公開を強制する新法案を採択。欧州全域での音楽ストリーミングにさらなる公平性と透明性をもたらす新たなルールを求める。と同時にAI生成によるコンテンツの明示化、収益分配の公平性なども求める。
レトロかわいいAIデバイス「rabbit r1」を体験--新たなトレンドを作れるか?
「Lyu氏(「rabbit r1」を開発した創業者Jesse Lyu氏)は、スマートフォンとは独立した、専用のデバイスの必要性を感じている。その方が、気が散らなくていい。スマホで同じことができるからといって、その方が操作性に優れているわけではない、とLyu氏は主張している」。

——ジェネレーティブAIを組み込んだ新たなハードウェアへの期待は、要するに“スマホをいじりすぎ”という問題へのアンチテーゼだったか(笑)。実際、私は寄る年波もあって目を使わない入力(まあ、音声ということだ)への期待値が高いのだが。

「TVer」月間4億再生に迫る 3割がテレビで見た 23年12月
「TVerは、民放のテレビ番組をネット配信するサービス『TVer』 (ティーバー)で、2023年12月の月間ユニークブラウザが3129万(前年同月比を約124%)に達し、初めて3100万を超えたと発表した。再生数は3億9800万回超(同約150%)と、4億再生に迫った」。

——「TVer好調」という話題。だが、一方のYouTubeは、Googleの発表に拠れば、昨年半ばで国内7,000万MAUということだ。また、その半分がコネクティッドTVでの視聴だともしている。

Apple、米国版App Storeポリシー改定で外部決済へのリンクを可能に ただし……
「アプリ外決済をめぐって長年Appleと争ってきた米Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOはこの変更について、27%の手数料は『反競争的』であり、外部サイトに移動する際に表示される画面はユーザーを怖れさせると批判した」。

——Epic GamesとApple間の係争は、アプリストアを運営するAppleに譲歩を迫る結果となった……かと思いきや、アプリ事業者に外部決済を認めたとは言え、ユーザーを震え上がらせるような警告を表示をしたり、事業者に27%もの手数料を請求するなど、実質上、外部決済を無効化するような対抗策を打ち出している。いやはやなんとも。

Newsroom Meddling, Money Woes: How A Billionaire Owner Lost His Star Editor at the Los Angeles Times | Exclusive
昨日紹介したばかりだが、米LA Timesのスター編集長Kevin Merida氏の退任をめぐる話題。米メディアThe Warpは、富豪オーナーPatrick Soon-Shiong氏が編集部や編集長の独立性を守らず干渉を行ったこと、経営再建策の欠如などが原因とする内部の6人の声を紹介する。
Thomson Reuters is exploring an AI deal as more tech giants court news publishers
法律、税務、会計など専門情報で世界大手のThomson Reutersが、やはりジェネレーティブAI企業との提携交渉を進めているとの報道(報道元はBloomberg)。専門情報メディアはAI企業にとって宝の山だろう。どのAI企業と交渉中かという情報は開示されていない。
The incredible shrinking podcast industry | Semafor
Apple、ポッドキャスト市場に大きなインパクト。同社純正ポッドキャストアプリの自動ダウンロード機能を見直し、最近ほとんどポッドキャストを聴かないユーザーにはダウンロードしない。
これにより累積的に水ぶくれしてきた市場の指標は劇的に収縮することに。老舗タイトルほど影響を被るとする記事。著名なポッドキャストタイトルではダウンロード数を40%も減らした例もあると指摘。
日経BPのデジタルメディア、有料会員数が15万人を突破
「日経ビジネス電子版は6万7510人、日経クロステックは5万1406人となり、4媒体がそろった2019年から年平均12%の増加となります。専門媒体として年間2万本以上の記事コンテンツを公開し、ビジネスに欠かせない情報プラットフォームを目指してきた結果です」。

——「なお、4つの媒体を複数併読する有料会員の方々も1万人超に達しています」とあるので、重複を省けば15万人程度となるのかもしれない。ともかくも、さすがだという印象。逆の見方をすれば、あれだけ潤沢な印刷媒体を取り揃えていた同社が得た読者データが15万人だったということでもあるが。

Netflix Games gains traction with installs up 180% year-over-year in 2023, thanks to GTA and others | TechCrunch
2年前、ゲーム分野への参入を本格化した米Netflix、調査会社Sensor Towerによると、2023年、Netflixゲームのダウンロード数は前年比180%以上増加した。同社のゲーム「GTA」は配信開始後1週間足らずで、3本合わせて640万ダウンロードを記録しモバイル分野を牽引している。
Instagram創業者のAIニュースアプリ「Artifact」、2月で終了
「シストロム氏はブログで、『コアユーザーに愛されるものを構築してきたが、継続的な投資を正当化できるほど市場機会は大きくないと結論付けた』と説明した。
コメントや投稿の管理と監視にかなりのリソースが必要であることも撤退の一因のようだ」。

——Instagram創業者らによる新たなニュースアプリということで、注目された「Artifact」が事業終了に。新しいAIアプローチに期待したのだが。個人的には同アプリのUIはあまり感心しなかった。

Disruption This Week—–12/1/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月1日から2024年1月12日まで。

声で指示すれば、あとのアプリ操作は“AIウサギ”におまかせ 小型AIデバイス「rabbit r1」登場
「rabbitsは、最新情報を検索するといった単純なタスクから、次の旅行のオプションを徹底的に調べて予約したり、ネットスーパーのカートに商品を入れて購入したりといった、複雑なデジタルタスクを処理できるという」。——開催中のCES2024で、ジェネレーティブAI活用に特化した新たなハードウェア+サービス製品が登場した。「たまごっちなどのレトロガジェットを彷彿させる」デザイン。独自のLLM(オープンソース利用?)で動作し、外部の各種アプリやサービスとの連携を、現在トレーニング中だという。200ドル程度と買いやすい価格設定からか、すでに予約で1万台を受注。

Netflix’s Ad Tier Now Has More Than 23 Million Monthly Active Users, Advertising Chief Says
米Netflixの広報担当幹部、広告表示付き廉価版NetflixのMAU(月間アクティブ数)が全世界で2,300万人を突破と説明。2か月前の1,500万人から急増。全世界12か国での新規契約者数の3割がこの廉価版層。エンゲージメントも高く、この層の利用者は85%以上が月に2時間以上視聴しているという。
オープンAIがCNNやFOX、タイムと交渉-コンテンツ使用巡り
「米オープンAIはニュースコンテンツのライセンス取得を目指し、CNNとFOX、タイム誌と交渉していることが複数の関係の話で分かった。オープンAIは著作権侵害疑惑に直面しながらも、AI製品を構築するためコンテンツへのアクセスを確保する取り組みを広げている」。——New York Timesによる提訴とは並行して、OpenAIは多くのメディア(報道機関)との提携交渉を進めている…ようだ。TimeのCEOは交渉を認めたが、あげられた他のメディア関係者はコメントしていない。交渉の存在をリークする動きも含めて微妙なバランスでメディア業界は動いている。

OpenAI launches a store for custom AI-powered chatbots | TechCrunch
OpenAI、開設が遅れていた「GPTストア」の開設をアナウンス。ChatGPTの表紙部分に「By ChatGPT」という項目でサードパーティ製GPTアプリ多数示される。記事によれば現時点では、サードパーティがアプリに課金できないが、今後課金も可能になる見込みだ。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2024
Reuters Institute、「2024年のジャーナリズム、メディア、テクノロジーのトレンド予測」を公開。50以上の国から300名以上のメディアリーダーから聴取。
「1.ジャーナリズムにとって今年も困難な年に」「2.プラットフォームシフトとリファラルモデルの終焉?」「3.人工知能時代の検索の未来」「4.ジャーナリズム・ビジネスはさらなる激変に直面する」「5.ニュースの形式が変わる:音声と動画が増える」「6.ニュース断絶と選択的ニュース回避」…と刺激的な項目が続く。
How Google perfected the web
「インターネットは少しずつ、Googleのイメージ通りに作り変えられている。そして、その結果に対処しなければならないのは、機械ではなく人間なのだ」。
Google検索が支配するWeb。検索結果の上位をめざし最適化を繰り返すことで、すべてのページがGoogle好みになってしまった。米Vergeが実験的にWebページを制作してさまざまな問題点を指摘。
この記事自体、動的なページ、ビジュアルづくりはなかなか魅せるものになっている。
Americans Are Canceling More of Their Streaming Services
【有料購読者向け記事】:
米消費者のストリーミングサービス解約が加速。調査会社Antennaによると、Apple TV+、Discovery+、Disney+、Netflixといった主要サービス加入者の内4分の1が過去2年間に3つを解約。2年前には15%だった。背景に値上げと広告付き廉価版の台頭がある。

The New York Times’ AI Opportunity

Stratechery by Ben Thompson

The New York Times’ AI Opportunity
「New York Times AIをめぐる機会(チャンス)」。ブロガーBen Thompson氏が自身のブログで、NYTがOpenAIを訴えた件で、長文の論考を公開。
「フェアユース」が論点となるが、NYTのプロンプトによりChatGPTがWirecutterの記事をそのままダンプしてしまった点に勝利の可能性があるとする。OpenAIはそれを“バグ”として修正済みと主張するわけだが。
(サムネールで赤字が並記されているのが、原文とGPT-4が出力したものが、これだけ共通していると主張している箇所)
OpenAI and journalism
OpenAIがNew York Timesによる提訴に反論。
その骨子は、1) 報道機関と協力し、新たな機会を創出している。2) 学習はフェアユースであり、オプトアウトを提供している。3) (指摘されている、記事をそのまま吐き出す)“問題”は稀なバグで、それをゼロにするために取り組み中だ。4) 同紙は全容を伝えていない、といったもの。
出版状況クロニクル188(2023年12月1日~12月31日) - 出版・読書メモランダム
「23年11月の書籍雑誌推定販売金額は865億円で、前年比5.4%減。
書籍は493億円で、同2.9%減。
雑誌は372億円で、同8.5%減。
雑誌の内訳は月刊誌が313億円で、同9.2%減、週刊誌は58億円で、同4.2%減」。——2023年の1〜11月の書籍および雑誌の(推定)販売の動きがわかる。12月分はこれからだが、23年も9・10月のいくぶんのプラスを除いて壮烈な状況。

Disruption This Week—–15/12/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年12月11日から2023年12月15日まで。

News avoiders shouldn’t be ignored
「ニュースの特定のトピックやニュース全体から意図的に離れている(多くの場合、あまりに憂鬱になったり、消耗したりするため)という人々は、通常、意図的にニュースを避けていると報告していない人々とほぼ同じ量のニュースを全体的に消費している」。

——ニュースの「選択的回避」議論が少しずつ高まっている(Reuters Instituteが何年も前から指摘している)。これが何をもたすのか自分も気にしているが、スペインの学識である筆者は引用箇所のように述べている。選択的回避者は、一方でニュースの熱烈な回避者でもある可能性。

People are watching longer TikToks. What does that mean for competition with YouTube?
TikTokが数十秒の短尺動画だけでなく、クリエイターに長尺(最長で15分程度)系を推奨し始めたことは紹介した。米Insider Intelligenceは、この動きもあってか、2024年には米成人のTikTok平均視聴時間が55分と、YouTubeを5分程度上回ると予測する。
ただし、その利用者数比でいえば、23年においてYouTubeはTikTok(1億230万人)の2倍以上(2億3740万人)ではあるが。
オープンAI、独メディア大手のコンテンツ有償利用へ
【有料購読者向け記事】:
「生成AI(人工知能)の『チャットGPT』を手掛ける米オープンAIは、ドイツの出版・メディア大手アクセル・シュプリンガーと複数年のライセンス契約を交わした。AIツールによるコンテンツ利用に対価を受け取りたいメディア業界には画期的な動きだ」。

——昨日は、米NYTimesがジェネレーティブAI担当幹部を外部から招聘という話題を紹介した。続く今日は、この話題。独最大手メディアが、OpenAIと手を組んだ。AP通信やGetty Imagesなどとの提携に続く大きな動き。記事は「共同発表によれば、チャットGPTはユーザーの質問への回答にアクセル・シュプリンガー傘下メディアのコンテンツを基に要約した回答を作り、回答の下に出典へのリンクを表示する。この新形式は近く利用可能になる予定」と伝える。このようなフォーマットがこれからメインストリームになる可能性が高い。

電子版「For You」開始 一人ひとりに最適記事をお届け - 日本経済新聞
「日本経済新聞社はこのほど、日経電子版アプリに一人ひとりの興味や好みに応じて記事を自動配信する読者専用ページ『For You』を新設しました。記事を読む目的や関心のある分野などの3つの質問への回答をもとに、好みを反映した記事20本をおすすめします」。

——いろいろなコンテキストからニュース(記事)に出会う仕組みが必要。紙面の編成だけが新聞の読み方ではない。

アップルにも影響必至、グーグル敗訴でアプリストア市場揺らぐ可能性
「スマートフォンのアプリストア運営を巡りグーグルがゲーム大手のエピック・ゲームズに敗訴したことで、年2000億ドル(約29兆円)近くを生み出すアプリストア市場のグーグルとアップルの2社による複占が揺らぐ可能性がある」。

——「陪審は全員一致で…エピック側の訴えを認める」とある。同様の訴訟でEpicはAppleに一度は敗れているが(2021年)、状況の変化は加速している。いずれ複数のアプリストアが並び立ち、“税金”のディスカウントが始まる…のだろうか。

WSJスクープ | 米紙NYタイムズ、AI担当の編集幹部を初採用
【有料購読者向け記事】:
「米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、同社初の人工知能(AI)担当編集ディレクターにデジタルメディア『クオーツ』の共同創業者、ザック・スワード氏を起用した。主要報道機関の間でAIの潜在性やリスクが議論される中、この新技術を重視する姿勢を浮き彫りにした」。

——懐かしい「Quartz」の名が。それはともかく、NYTimesはやはり、ジェネレーティブAIにリーチしてきた。対外的にはAIへの抵抗感や懸念を打ち出しているが、内部的にはどう活用するかを真剣に検討していることは想像できた。さて、国内勢諸紙はどう感じたか?

Audiobox
米Meta、自身の音声を数秒間サンプリングするだけで、人工音声を生成するサービス「Audiobox」を公開(デモ版)に供した。先月発表されていたもの。
自身の音声に加えて、さまざまな効果音を追加できる。単なるスピーチデータだけでなく、“番組”を創れるというわけだ。
The Next News Disruption Has Already Begun
【有料購読者向け記事】:
先日も簡略に紹介したが、厳格なペイウォール制に賭け、広告に依存しないメディア「The Information」が開設から10周年。
創業者でCEOのJessica E. Lessin氏がこれまでの10年、今後の10年を語る記事を執筆。広告(主や売上の)プレッシャーをはねのけることで、スクープに専念できたと誇ると同時に、テクノロジーへの期待も述べる。
「生成AIを使って、読者は質問により新しいことを学ぶことができるようになる。チャットボットが世界を征服するとは思わないが、新しいツールは今後も大きな心理的変化を促し、読者の出版物に対する期待も変えていくだろう」。
「ChatGPT」から個人情報含む学習データの抽出に成功--Google DeepMind研究者ら
「プロンプトでコマンドを入力し、『poem(詩)』といった単語を延々と繰り返すようChatGPTに求めたところ、学習データを含むテキストの断片を丸ごとChatGPTに出力させることに成功した。アライメントされたプログラムでは通常、そのような漏えいは起こらないはずだ」。

——ジェネレーティブAIがユーザーのプロンプトによって、機微な情報を出力しないよう調整する仕組みを「アラインメント」と呼ぶ(らしい)。これをハックするアプローチが次々と発見されているとする記事。GenAIの脆弱性が顕在化されてきている。

日経、デジタル購読数100万に 専門メディアで法人開拓 - 日本経済新聞
「日本の有料ニュース媒体で100万超えは初めて。電子版有料会員数は89万7千、電子版以外のデジタル購読数が3年前の約2倍の11万5千。英文媒体『Nikkei Asia』とあわせると107万となりました。世界の新聞社の有料ニュース媒体では日経グループの英フィナンシャル・タイムズ(FT)に次ぐ5位水準で、FTとあわせると326万と世界3位の規模です」。

——デジタル版購読100万人突破は、国内メディアとしては“悲願”だっただろう。チャートでもわかるように、専門(バーティカル)系など、多メディア化が寄与している側面もある。

有料ネットニュース利用、日英は9% エンタメと競合 - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載コラムが日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ 有料ネットニュース利用、日英は9% エンタメと競合
保守・リベラル、日米で差異 - 日本経済新聞
【ご紹介】:
「日本の有権者の政治的価値観を扱った調査結果がこのほど明らかになった。スマートニュースメディア研究所が大学教授らと取り組んだ『スマートニュース・メディア価値観全国調査』だ」。

——スマートニュース メディア研究所が実施した大規模な世論調査結果から。まだ、発表時のリリースや解説中心に紹介されているが、今後、データを用いた本格的な研究が現れてくるだろう。

スマートニュース、有料ビジネスニュースとクーポンを集約した日本初の購読サービス『SmartNews+』を提供開始 国内外25以上のメディアの厳選記事が読み放題
【ご紹介】:
「ニュースアプリ『SmartNews』で、有料ビジネスニュースとクーポンを集約した日本初となる、購読サービス『SmartNews+』(スマートニュースプラス)の提供を開始しました」。

——ビジネスメディア系の各種プレミアムコンテンツを定額で読み放題に。いずれ購読すべきメディアを発見するのにも良いかもしれないです。

Disruption This Week—–8/12/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年12月4日から2023年12月8日まで。

100k Club: Exclusive ranking of world’s top paywalled news publishers
英Press Gazette、恒例の購読者10万超の英字メディアのトップランキングを更新。1位は想像通りNew York Times。わずか3か月で電子版のみの購読者数を21万増とし940万人に。2位は、なんと420万人を数えた同じNYT傘下のThe Athletic。Wall Street Journalは350万で3位となった。
ChatGPTが15秒で作った条例が議会で可決、ブラジルで物議
「250字の指示で、わずか15秒後に条例案が完成。同案は委員会で審議されたとはいえ、表現の一部が修正された程度で内容はほぼ当初通りになったという。ホザリウ氏(条例案を提案したハミル・ホザリウ市議)は『AIが作ったブラジル初の条例』と胸を張る」。

——ChatGPTが生成した条例案に一言一句を加えずに上程されたのかどうか確かでないが、問題のある行為とも思えない。要は実質的に正しい、賛意を得る条例であるかどうかだ。

Journalism prepares for a post-search, post-social future
報道メディア業界は、身近に迫ったポスト検索、ポスト・ソーシャルの世界に備えなければならない。
過去10年間、報道メディアはGoogleやMetaのようなデジタル媒介に依存して、記事を配信し、リーチを拡大してきたが、この時代は終わりを迎えようとしているとする、British Columbia大のジャーナリズム研究者によるミニ論説。
「このニュースはAIで生成」と表示するとメディアの信頼度が落ちる、そのわけとは?
「我々はここで、『AIの情報開示のパラドックス』と呼ぶものの証拠を発見した。(中略)透明性が報われず、むしろ これらの(AI)ツールの利用を公表する報道機関は、信頼性が低いと認識され、そのため、そのようなインセンティブが低下する可能性がある」。

——先日紹介した学術論文について、平和博さんが詳しく紹介。要はAIが生成した記事(とそれを掲載するメディア)への警戒感が読者側にあるのだが、これを受けて透明性を高めるべく「AIが生成した記事」といったラベルを、メディアが記事に付したりすると、むしろ、読者はそのメディアに対して不信感を高めるという結果が見えてきた。ヒトの心理機制って、そんなものなのだろう。

トップパフォーマンスのコンテンツをカウントダウンしてみると、現代で最も影響力のあるプラットフォームの1つであるTikTokにおいて、私たち一人ひとりの体験がいかにバラバラであるかがよくわかる。
「私がTikTokで見ているものは、必ずしもあなたが見ているものとは限らないのだ」。
[情報偏食 ゆがむ認知]第5部 操られる民意<1>「中国発」偽情報広がる
【有料購読者向け記事】:
「(NewsGuardアナリストの)ワン氏は、アメブロについて『確認したPFの中で、単一の言語で偽情報を広めたアカウント数が最も多かった』と述べ、『(投稿は)米国は悪の国だと日本の世論に働きかけ、日米関係にひびを入れようとする狙いがある』と指摘する」。

——日本ドメスティックなプラットフォーム(やSNS)などにも影響力工作の動きを読売が大きく紙面を割いて展開。ややこしいのは、日本(の政権)などを直接的に攻撃するようなキャンペーンではないものの、日米の間を裂く取組が動きとして顕在化されていること。日本でも影響力工作は着々と浸透を続けている。

テレビ番組の“今の視聴率”が分かるWebサイト登場、SNS投稿も 「リアルタイム視聴への関心を高めたい」
「その時間に放送しているテレビ各局の番組名とリアルタイム視聴率、視聴率推移グラフなどを確認できるWebサイト。3時間前までの視聴率を確認できるため、少し前のクライマックスシーンの視聴率なども分かるという」。

——「調査パネル(関東: 1万2000人、関西: 4000人、中京: 2000人)のデータから、リアルタイムの視聴率データを生成する」という仕組みだ。そのデータをSNSで共有することもできるという。これはけっこう流行りそうなサービス。

How Jessica Lessin’s The Information Has Survived a Decade of Media Tumult
「現在、Jessica Lessinによれば、Informationのアクティブ読者数は47万5000人(有料購読者と無報酬のニュースレター購読者)である。同氏によれば、今年は黒字を見込む。2023年には、会社の売上計を前年比30%成長させる」。

——米メディアThe Informationが創刊10周年。その間、VCマネーと広告の仕組みを用いて鳴り物入りで誕生した数多くの新興メディア(たとえば、BuzzFeedはその最たるもの)が誕生しては消失していった。Wall Street Journal記者出身のCEO Jessica Lessin氏は、VCマネーに頼らず、広告非表示・厳格なペイウォール型のメディアを創業し、成功に導いた。

Shuffle, subscribe, stream: Consumer audio market is expected to amass listeners in 2024, but revenues could remain modest
調査会社Deloitteが毎年恒例のテクノロジー市場の近未来予測「TMT Predictions 2024(Deloitte Center for Technology, Media & Telecommunication)」を公表。さまざまな分野に焦点を当てるが、紹介するのは継続的な成長が期待されるオーディオ市場。特に、ポッドキャストは全世界で月間17億人のリスナー市場へと成長。
箱庭化するSNS、他サイト誘導2〜4割減 XやFacebook - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「SNSのうちフェイスブック経由は41%も減少した。運営する米メタは投稿の表示順を決めるアルゴリズムを頻繁に変えている。特に5月はニュースサイトなどの外部リンクの掲載順位が下がったとされる」。

——米New York Timesらが“プラットフォームのニュース離れ”と報じてきた事象。記事のとおり、それぞれのプラットフォームの囲い込み的な事情によるのはもちろんだが、ジェネレーティブAIのブームで見えてきたように、利用者も自分の知りたいことを教えてくれるストレートな利用法に傾いているのだろう。

Disruption This Week—–24/11/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年11月20日から2023年11月24日まで。

The top 7 media people in AI

Business Insider

The top 7 media people in AI
米Business Insiderが選ぶ「2023年 AIの100名」から、メディアに関わる研究者、メディア人、IT企業人のトップ7名を紹介する記事。例えば、New York Timesのチーフ・データサイエンティストのChris Wiggins氏は、同社の約1,000万人の購読者の行動分析に深く関与しているとする。
アルトマン氏CEO復帰、オープンAI解任劇の火種となった1本の論文とは?
「論文では、アンスロピックが安全性を重視し、クロードのリリース時期を遅らせたことに対し、スピードを重視したオープンAIが、『見切り発車』的にチャットGPTを公開し、様々な問題点を指摘される、という経緯をたどったことを指摘した。
問題になったのは、この共著論文の筆者の1人が、オープンAIの取締役のメンバー、トナー氏だったことだ」。——今回の騒動の一因として、米New York TimesやWall Street Journalが報道したAI開発における安全性問題をめぐる攻防があったと整理する平和博氏の論。OpenAIとAnthropic間のビジネス面に熾烈な競争と研究者らの倫理面を含む生々しい攻防が表面化していたことは、間違いない。それほど、技術、研究、そしてビジネスが未分離な分野なのだ。

How Bloomberg Media got to 500,000 subscribers - and how it plans to reach a million
デジタルの有料会員数50万人を超えた米Bloomberg Media。そのデジタル担当最高責任者Julia Beizerに成功要因を取材した記事。現在の成功要因は18カ月前に遡るという。購読者の88%が年会員だとし、オファリングや会員育成やエンゲージメント強化策などなんでもやると述べる。
テレビとスマホが競る時代…毎日の生活に必要な情報、何から得てますか?(最新) : ガベージニュース
「(生活に必要な情報の入手先として:)全体では『テレビ』『スマホ・携帯電話』の順だが、年齢階層別では50代までは『スマホ・携帯電話』の方が上になる。さらに70歳以上では『新聞』が『スマホ・携帯電話』を追い越す形となり、『テレビ』『新聞』『スマホ・携帯電話』の順となる」。——2023年9月公表の文化庁の調査から。本日行うスマートニュース メディア研究所の世論調査と研究者の研究とも関わるのだが、メディア接触と年齢階層の関係が、現代、そしてこれからの社会的統合に影響を及ぼす可能性が強い。個人的にも考えるべき重要なポイントと見ている。

AIタレントの功罪「もっと危機感を」 権利課題の日本が最も推進?:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「2020年の芸能実演家などの生活実態調査報告書では、インターネットで利用するための音楽・映像に参加する際に『必ず契約を交わしている』という芸能実演家が2.6%しかいなかった。これでは権利が十分に行使されないだろう。著作権料及び著作隣接権料収入が全くない人は78.7%もいた」。——ジェネレーティブAIが芸能分野にもたらしかねないインパクトを、多面的に論じていて勉強になる記事。ただし、やや引いた視線で見ると、AIがインパクトをもたらし、場合によれば労働市場の変化を生むかもしれないのは、芸能の分野だけではない。また、引用した部分などは、AIが関与する以前の旧弊的問題であり、その現代化の方が先に問われるべきではないかとも感じるのだが。

投稿削除「1週間程度で」 ネット中傷、事業者に要請 総務省案:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「削除する場合の判断基準や手続きなどを定めた削除指針を作り、公表させることが適当と判断。被害者からの削除申請を受け付ける窓口の整備や、日本語による対応も求める。誹謗中傷を含む投稿の拡散を防ぐため、申請の受け付けから1週間程度での対応を求める」。
——雑にいうと、経営体制の変更やコスト削減などの動きから、人的な監視力が落ちているプラットフォームに対して、対処、それも迅速な対処を求めるのは意味のある動きと言える。その一方で、「削除の強制力」だけに重きが置かれては、言論の自由が損なわれるという古典的命題も浮上する。やはり影響力あるプラットフォームに(削除だけの強制ではなく)「対処の透明化」を求めることが必要。その仕組みづくりそのものも、社会的視線の届く場で決まっていくのが、望ましい。
 I Tried Meta’s Ad-Free Instagram Subscription. This Is What It Was Like. 
【有料購読者向け記事】:
EUの規制強化に対処し、広告フリー・有料版のInstagramが誕生。記事は仏在住記者がしつこいターゲティング広告を避けるため試した有料版のレビュー。
「広告なしのInstagramを使っても、プロモーション・コンテンツからは逃れられない。私は広告の本質に疑問を感じている」。
「AI翻訳システムを活用すれば、すべてのメディアがグローバルな競争に参加する日も近い」。
英FT参加のコンサル企業FT Strategiesの中心人物がメディアとジェネレーティブAI活用のトレンドを語る。一方で「車輪の再発明は避けよう」とも述べる。
マスク氏が自己弁護、反ユダヤ投稿巡り-メディア報道「虚偽」と反論
「米テスラの最高経営責任者(CEO)でXのオーナーであるマスク氏が先週、ユダヤ人が白人に憎悪を抱いているとの投稿に同調したことで、反発の声が噴出。このメッセージはその後、ホワイトハウスやテスラの投資家からも批判を浴びた。ウォルト・ディズニーもXから離れた大企業の一つ」。——OpenAI騒動に隠れているが、同じくらい騒動を起こしているのがXだ。Musk氏が「反ユダヤ」的言説に一定の賛同を示したことと、X内でナチス支持投稿に大手ブランドの広告が近接して掲記されたことが、広告主らにインパクトを与えている。

「GAFA」は「GOMA」に? AIの未来を握る4社とは | 米誌が考える、テックの行き先
【有料購読者向け記事】:
「米誌『アトランティック』が着目したのは、勢いを増す生成AIの分野で注目を集める『GOMA』だ。AIチャットボットとその類のものはまだ初期段階にあるとしながらも、『AIの世界では、すでにすべてがたった4社に集約されつつある。グーグル、オープンAI、マイクロソフト、アンソロピックである』と書く」。——AIの大トレンド。その現段階の集約点が見えてきた。昨日まで見ていたGAFA中心的な世界観とも異なることは、OpenAIのCEO辞任劇でも垣間見える。