Disruption This Week—–14/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月10日から2024年6月14日まで。

After the Yahoo News app revamp, Yahoo preps AI summaries on homepage, too | TechCrunch
Instagramの創業者らが開発したニュースアプリ「Artifact」。結局期待に見合わず、年初には米Yahooに売却された。Yahooはこれを使い「Yahoo News」をリリース。同時にWebサイトではArtifactの技術を使って、記事冒頭にAI要約を付す取り組みの試行を始めたという。
Grab Them. Then Stump Them.
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Apple News、LinkedIn、Morning Brew、Washington Post、Vox Mediaそして Boston Globeと、次々メディア(メディア関連サービス)がワードパズルなどのゲームを投入。と、同分野で先を行くNew York Timesが報道。
サードパーティー・クッキー停止でネットメディア危機 - 日本経済新聞
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「媒体社向けに広告配信管理ツールのSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)を提供するfluct(フラクト、東京・港)の取締役の望月貴晃氏は、『日本はiPhoneの利用比率が高いため、アップルによるクッキー停止の影響が大きい。17年からiOSにおけるCPM(広告表示1000回当たりの広告料)は半分になった』と明かす」。

——ある種の常識だと思うが、ここから先が怖い。
「既存の広告サービスから得られる収益が低下した媒体が次にやるのは、『CPMが高い不適切な広告を受け入れる』か、『広告枠を増やす』こと」だという。
もちろん、記事は新たな広告技術をめぐる開発が進むという論だが。

How Americans Get News on TikTok, X, Facebook and Instagram
米Pew Researchが、今年3月実施の新たな調査・分析結果を公開。米国成人の半数が、TikTok、X、Facebook、Instagramにおいて(少なくとも時々は)ニュースに接触。なかでもXのユーザーの半数は、(多かれ少なかれ)ニュース接触がその利用目的と答えているとする。逆にX以外のプラットフォーム利用者はニュース接触が、その目的ではないとしている。
主張:生成AIを使ったプロパガンダ工作、AI企業は実態公表を
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「それは…悪意のある人物がオープンAIの製品を利用して影響工作をしていたことを明らかにしたレポートだった。オープンAIは、ロシア、中国、イラン、イスラエルなどの組織を含む、5つの秘密プロパガンダ・ネットワークを摘発した。これらのネットワークは、複数の言語で大量のソーシャルメディア・コメントを作成したり、ニュース記事をフェイスブックの投稿に変えたりするなど、偽装作戦にオープンAIの生成AI(ジェネレーティブAI)ツールを使用していた」。

——テクノロジープラットフォームと時に連携して影響力工作の研究と抑止活動に取り組んできた研究者らの論考。OpenAIは歴史が浅いながら、過去、GAFAらが許してきていた影響力工作の摘発に早期に取り組み、成果を見せていることを紹介する。

AI news reader Particle adds publishing partners and $10.9M in new funding | TechCrunch
米スタートアップParticle、出版社と提携し、AI時代の新しいビジネスモデルを模索中だ。AIを活用して様々な出版社のニュースを要約することで、読者があらゆる角度から記事を理解できるようにするニュースアプリを提供しようと企図。まずReutersをパートナーに迎えた。
How newspaper giant Mediahuis aims to reach 70% digital revenue by 2030
欧州を主市場とする多国籍メディア企業のMediahuis。同社の現在の購読者数は880万人。印刷とデジタルが半々だ。その同社は2030年までに、現在の売上比率(印刷7割:デジタル3割)の逆転(印刷3割:デジタル7割)をめざす。そうなれば持続可能な事業モデルだと目標を掲げる。
「ペイウォール」が生んだ分断─民主主義は「有料記事の壁」の裏で死ぬのか | 元米国国務次官の切実な訴え
【有料購読者向け記事】:
「溢れかえる、出所不明で信頼性の低い情報を前に、『2024年の大統領選挙期間中、選挙関連報道を無償化すべきだ』と、米『タイム』誌の元編集長で、オバマ政権下で国務次官を務めたリチャード・ステンゲルは米『アトランティック』誌への寄稿で訴える」。

——「ペイウォールは情報の二重構造を生み出す。すなわち、お金を払う読者層には『信頼でき、事実に基づいた情報』が、そうでない読者層には『出所不明で信頼性の低い情報』が提供される」。まぁ、その記事がペイウォールの中にある、というのも皮肉な話ではあるのだが。
無料でさまざまな情報源にアクセスできる自由は、インターネットがもたらした最大級の恩恵だったはずだが、理由はともかくとして、それが阻害される段階に入ったことは間違いない。

1日のスマホ使用3時間以上、でも読書にもニュースチェックにも時間はかけない―シチズン時計調査
「『出社前にニュースチェックにかける時間』で最も多かったのは、『チェックしない』22.8%。20代では3割超に上った。世代が上がるにつれ、ニュースチェックの時間は増えるが、40代、50代でも『10分』までが6割を占める」。

——スマホの普及で、ニュースはいつでも“隙間時間”にチェックできると思えば、出勤前・登校前に確認する必要もないということか。スマホ上での時間の自由が広がっている。

Googleの「Gemini 1.5 Pro」採用メモアプリ「NotebookLM」、日本でも利用可能に
「ソースを選択すると、データに基づく要約を表示し、その下のプロンプト枠で質問できるようになる。回答の文末には数字のついたラベルが表示され、ラベルにカーソルを合わせるとその文の根拠となるソースの部分が表示される」。

——いま急速に話題になっているGoogleの「Notebook LM」。利用イメージをあげれば、書籍1冊分のPDFをアップロードすると、その要約が示されると同時に、その内容についての質問に回答するなどの対話が可能になる。情報源はその書籍データに限定されるので、ノイズが入らないというわけだ。

Disruption This Week—–31/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年5月27日から2024年5月31日まで。

Early signs show Google AI Overviews won't mean 'dramatic downward dive' for news traffic
検索結果を要約という形式で返す新たな検索機能「Google Overviews」。サイトへの参照トラフィックを劇的に減らすのではとの懸念が高まるが、SEOの専門家は「激減とはならない」との見方を示した。Googleのパートナーシップ担当の幹部も、「過度に要約はしない」と述べる。
どうやら、チューニングレベルで、メディア側の懸念を沈静化させようということのようだ。
AI image misinformation has surged, Google researchers find
Googleや複数のファクトチェック団体の研究者によれば、AIによって生成された偽画像が2023年春以降、急速に拡散、今やテキストやフォトショップのような従来の編集ツールで加工された画像とほぼ同程度に一般的になっているという。
「A Large-Scale Survey and Dataset of Media-Based Misinformation In-The-Wild」との査読前論文で公表。
London Evening Standard to close daily newspaper and launch new weekly
創刊160年を超える英国の老舗日刊紙「London Evening Standard」、日刊を廃止し週刊化を計画と発表。地下鉄構内でのWiFi整備、コロナ禍での在宅勤務の常態化が経営を圧迫と、Paul Kanareck会長が説明。
メタなどSNS大手に広告審査基準の公表義務化へ なりすまし防ぐ - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「30日の論点整理では広告掲載に関する事前審査基準の策定・公表のほか、『日本語や日本の社会・文化・法令を理解する者が十分配置されている』ことも求める。人工知能(AI)による自動審査を実施している場合は、その実効性に関する説明も要請する」。

——いわゆる“著名人を騙る詐欺広告”問題。もちろん、念頭にあるのは、SNSなどを運用する大手プラットフォーマらによる広告内容の事前(掲載中もだが)審査体制の強制化。

HUGE Google Search document leak reveals inner workings of ranking algorithm
Googleの検索ランキングアルゴリズムに関連する膨大なドキュメントが漏洩。3月13日以降Githubにて閲覧できる形になっていた。同社アルゴリズム関連の漏洩はこれが初めてではないという。文書のさまざまな点を専門家が分析しているが、大きなサプライズはない模様だ。
OpenAI's new safety committee is made up of all insiders | TechCrunch
OpenAI、同社プロジェクトと運営を巡る安全性とセキュリティを監督する新しい委員会を設置と発表。だが、この委員会は第三者ではなく、同社CEOであるSam Altman氏を含む社内の人間で構成される。同社は、最近も安全性をめぐり幹部が退社するなどの対立を起こした経緯がある。
「AIと共存すべき」人気声優・梶裕貴 自身の声で自由にしゃべれるAIソフト発売へ 「たくさん悩んで」決断
「梶(=梶裕貴)さんは『当初はソングボイス(歌声合成ソフト)のみの開発にとどめる考えだった』という。だが『プロジェクトに対する大きな期待値を感じ、少しでも音声AIの明るい未来に貢献できるなら』と、トークボイス(声の再現ソフト)の開発を決断した」。

——「AIと敵対するのではなく、共存すべき」と梶氏は考えだそうだ。この種のアーリーアダプターが学んだことを近い将来、開示・共有してくれれば、さらにありがたい。

Big Tech Moves More AI Spending Abroad
【有料購読者向け記事】:
米コンサルティング企業DA Davidsonのアナリストは、AmazonやMicrosoftなどがAIインフラに今年1000億ドル以上を費やすと予想。場合によればさらにそれが増えるとする。経済成長の進ちょくとスループット向上のため、投資が世界へと分散するとも指摘する記事。

米Washington Postの発行人兼最高経営責任者に就任して間もないWill Lewis氏が、集まった社員に向け同氏が「昨年、7700万ドルの損失を出したこと、2020年の最盛期から読者が50%激減したこと」を表明し、再建プロジェクトの概要を説明。新たな有料購読サービスの追加を提唱した。
オープンAIがニューズと提携、WSJなどのコンテンツ表示可能に
「合意の一環としてオープンAIのサービスは、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)、バロンズ、マーケットウオッチなどニューズの出版物に掲載されたニュースを表示できるようになる。オープンAIはここ数週間にフィナンシャル・タイムズ(FT)やドットダッシュ・メレディス、ソーシャルメディア企業レディットなど欧米の主要メディア企業とコンテンツの表示やライセンスに関する契約を結んでいる」。

——大手報道企業から総スカンを食らったかと思いきや、News Corpら最大手となんとか提携にこぎ着けつつあるOpenAI。現在では、良質な英語コンテンツが最大の獲得目標のようだが、これから多言語展開への遠い道筋が待っている。

Disruption This Week—–5/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月1日から2024年4月5日まで。

米グーグル、生成AI検索サービスの有料化検討=FT
「報道によると、グーグルはAI検索をサブスクリプション(定額課金)サービスに含めるなどの選択肢を検討中。既に「Gメール」や「Docs(ドキュメント)」といったサービスでは、自社の生成AI「ジェミニ」によるアシスタント機能を提供している」。

——昔々、Google検索やGmailなどの使い始めの頃には、「散々便利に使わせて、いずれは有料化に転じるのではないか」と猜疑心を持った記憶が。それが薄れてはいたが、今ごろになってそれが現実になってきたようだ。

AI生成テキストの透かし、改ざんは簡単 新研究で実証
「5月に施行される欧州連合(EU)の『AI法』は、AI生成コンテンツに電子透かしを入れるよう開発者に義務付けている。しかし、新たな研究によって最先端の透かしテクノロジーは規制当局の要件を満たしていないことが示された」。

——研究は、最新の電子透かし技術(アルゴリズム)をAIを使ってハッキングしたと主張。その簡略な要約を記事は紹介している。どうやって、電子透かしが、そのコンテンツをAI生成だと示せるのかが理解できて面白い。

Fact-checking grows but concerns remain over funding, harassment, report finds - Poynter
4月2日の「国際ファクトチェッキング・デー」に際して、国際的なファクトチェック団体のネットワークであるIFCN(International Fact-Checking Network)が「ファクト・チェッカーの現状報告」を発表。記事はその要約で、ファクトチェックの最大課題は資金とヘイト問題とする。

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「試合時間の短縮化に並行して、顧客体験の刷新も図っていった。
MLBでは顧客のファーストパーティデータを収集し、顧客をより正しく理解すべく、試合をリアルタイムで追えたり好きな選手の戦果をフォローしたりできる『MLBアプリ』や、メジャーリーグの野球場を訪れる際のチケット管理のための『MLB BallParkアプリ』、MLBの試合をストリーミングできる有料の『MLB.tv』といったデジタルプロダクト、チケット購入サイト『ickets.com』などを有している」。

——Adobe社のイベントで、MLBチーフオペレーションズ&ストラテジーオフィサーが語った、MLBのDX改革。データに基づく分析から3つの改革を実施と具体的な取り組みを紹介。特にパーソナリゼーションのアプローチが興味深い。
https://www.advertimes.com/20240403/article455247/

For Data-Guzzling AI Companies, the Internet Is Too Small
【有料購読者向け記事】:
OpenAIやAnthropicといった大手ジェネレーティブAI開発企業は、学習のための高品質のテキストデータの収集に苦慮している。低品質な情報源には事欠かないが、高品質な情報源であるメディアなどとの交渉は難航。
YouTube上の字幕を利用するアイデアやAIが生成した文章を再利用するなどの苦肉の策も検討されているとする記事。
レディットがニューヨーク・タイムズよりも価値が高い理由
「- レディットは損失を出しているものの、時価総額は約80億ドルを超えている。
– 一方、利益を上げているニューヨーク・タイムズの時価総額は約70億ドルだ。
– これは、ユーザーによる無料コンテンツを生かすレディットのビジネスモデルを、投資家が評価していることを意味している」。

——いまさらながらの問題意識ではあるが、メディアの価値をどう計量するか。もちろん、公開企業の株価の総額で測るのは、ある種の代替的なアプローチだが、意味がなくはない。記事が示唆しているのは、運営にかかるコストという視点。Redditではユーザー投稿という原稿コスト・ゼロというSNSの圧倒的なアドバンテージだ。

Discord to Start Showing Ads for Gamers to Boost Revenue
【有料購読者向け記事】:
米チャットプラットフォームのDiscord、近日中にも広告掲載を開始と米Wall Street Journalが報道。同社CEOのJason Citron氏は広告体験について否定的な意見を再三述べ、広告事業には着手してこなかった。異なる収益化アイデアに期待したのだが……。ちょっと残念。
「耳の可処分時間」が拡大!デジタルサービスで活性化する音声メディア | ウェブ電通報
「『日本の広告費』では、2023年はマスコミ四媒体合計広告費が前年比96.6%(2兆3,161億円)となる中で、ラジオ広告費は前年比100.9%(1,139億円)と、マスコミ四媒体の中では雑誌広告とともに増加となりました。…マスコミ四媒体の中で唯一3年連続の増加となりました」。

——広告費の側面から音声メディアの好調を紹介したが、自身の経験や種々のテクノロジー進化で、この分野にはまだ発展の余地が高いと注目している。特にジェネレーティブAI技術の出現は、品ぞろえの多様化がなかなか進まない(一部の売れ筋に集中する)オーディオ書籍市場が活性化させるだろう。

「世界のアニメファンは10億人に」 クランチロール首脳陣が語る、日本アニメへの期待 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
クランチロールのCEO ラウール・プリニ氏:
「実際のところ、どの国にも違法アップロードのサイトはあり、なかなかなくなりません。ですので、我々ができることは“クランチロールのサイトで見た方が良い”と思えるような体験を提供することに尽きると思っています」。

——世界で10億人のユーザーをめざすクランチロール。課題は、やはり違法アップロード問題のようだが、対策には傾聴すべきものがある。

OpenAIの「Voice Engine」は15秒分の声データを元に本人そっくりに喋る
「米OpenAIは3月29日(現地時間)、人の声を再現できる生成AIモデル『Voice Engine』を発表した。テキスト入力と15秒分の音声サンプルで、元の話者によく似た自然な音声を生成できる。感情的なリアルな音声で、母国語以外の言語も話せる」。

——すでにOpenAIはこの技術を昨年中からさまざまな箇所で利用している。Spotifyも昨年9月、この技術を用いた「Voice Translation」を発表している。問題は、同社も認めている“悪用の可能性”をどう防ぐかだ。同社はそれを念頭に「慎重なテストを行っている」という。悪用問題を除けばさまざまなサービスを思い浮かべることができるな。

Disruption This Week—–26/1/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年1月25日から2024年1月26日まで。

How AI could sap — or save — local news - Poynter
「ここにアイデアがある:2.6兆〜4.4兆ドルの経済価値を生み出すとされ、数十億ドルの投資を受けているジェネレーティブAI部門は、2万5,000人の地元記者を支援する資金を援助すべきだ。地元に特化したジェネレーティブAIサービスを実際に提供することができるようになる」。

——ある米ローカルメディアの経営者が語る、ジェネレーティブAIが抱える数々の課題。反則かもしれないが、同氏が最後に述べるポジティブな提案。ネガティブな論点を読むのも良いし、最後のポジティブなアイデアを検討するのも良いと思う。

サムスン、AIスマホで巻き返しなるか
【有料購読者向け記事】:
「サムスンにとって賭け(=オンデバイスAIへの賭け)の度合いは大半の企業より高いと言えそうだ。同社は長い間販売台数に関してスマートフォン市場で首位の座にあったが、2023年に販売が大きく落ち込み、初めてその座をアップルに譲った」。

——オンデバイスAIのトレンドが、これからのスマホやスマホ外のスマートデバイスにどのような影響を与えるか? AI処理がリアルタイム化することで、これまでは“SF的”だったようなサービスが可能になる先陣を切ったサムスンは、そのフロンティアを行くかもしれないが、悪い冗談として終わることさえある。
同社にとって(スマホ分野においては)社運を賭けた戦いになるのかもしれない。

読売新聞、Web記事の“生成AIへの学習利用”を禁止に 利用規約を改定 スクレイピングなどもNG
「禁止事項として新たに3点を追加。『データマイニング、テキストマイニングなどのコンピュータによる言語解析行為』『クローリング、スクレイピングなどの自動化した手段でデータ収集や抽出、加工、解析、蓄積などをする行為』『生成AIなどに学習させる行為、生成AIなどを開発する行為』を禁じた」。

——ご存じ米国でのNew York Timesらによる訴訟問題なども背景にした厳しい動き。一方で、記事にあるように「これらの禁止事項を含めた情報解析のために、同メディアの記事を利用したい場合は、読売新聞とライセンス契約を結ぶ必要があるとしている」という道を残しているわけだが。

アップル、アプリストア開放で手数料を計画
【有料購読者向け記事】:
「米アップルは、スマートフォン『iPhone(アイフォーン)』に外部ストアからサードパーティー製アプリをダウンロードできるようにする一方、新たな手数料と制限を導入する方針だ」。

——WSJのスクープ記事。ただし、適用されるのは欧州市場だと記事は述べている。もともと「アップル税」をオフロードされるなら、別途30%に限りなく近い仲介料を取る動きがあると報道されていたので驚きは少ないのだが。

食べログが逆転勝訴 アルゴリズム変更「合理的」、独禁法違反認めず:朝日新聞デジタル
「(原告は)『評点を下げることになるアルゴリズム変更をしない義務があった』とも新たに主張していた。
だが、高裁は『原告が契約上、アルゴリズムの変更について、何らかの権利や法律上保護される利益を持つとは認められない』として退けた」。

——この辺りは重要な論点として、今後も検討されていくことになるのだろう。

How The Guardian raised a record amount of reader revenue in the U.S.
英The GuardianのUS版は、北米の読者から通年でおよそ3000万ドルの寄付収入を獲得。米英全体でも1/3が北米からの収入だという。同メディア編集部が読者に訴求するメッセージに加え、募金総額以上に重要視してきた指標などを解説した記事。
Netflixの純利益17倍 2023年10〜12月、会員増最高の1300万人 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「売上高が前年同期比12%増の88億3200万ドル(約1兆3100億円)、純利益が17倍の9億3700万ドルだった。アカウント共有の禁止や広告付きの安いプランを広げたことで、会員数は12月末までの3カ月間で約1300万人増え、増加幅は10〜12月期として過去最高だった。3四半期連続で増収増益を確保した」。

——ポイントは、1) 不正なアカウント共有の取締策、2) 広告表示付き廉価版の好調、およびそれに連なる施策ということのようだ。一方でNetflixを追っていたはずの他ストリーミング勢は足もとの業績および投下資金の減少で、息切れを起こしつつあるようだ。

Los Angeles Times to Slash Newsroom by Over 20%
【有料購読者向け記事】:
米The Los Angeles Times(LA Times)が115名に及ぶ記者・編集職の削減を公表。2018年に富豪Patrick Soon-Shiong氏が買収してから初のレイオフ。
同氏は「われわれはほぼ10億ドルを投資し、その遺産を守り、その未来の確保に献身してきた」と述べる。
「フェイクニュースの年」2024年にファクトチェックは役に立つのか?
「デバンキングの介入は、新型コロナの誤情報について、参加者の識別力を向上させ、信じやすさを低下させるのに役立った。19件のデバンキングの介入のうち16件(84%)で、参加者が誤情報を信じることや正確性の判断を改善した」。

——平和博さんのブログから。ファクトチェックの無力、脆弱さを指摘する声がたびたびあがる。実際、技術支援なければ無力だったりする。その意味では、銀の弾丸探しから、社会に遍在する点と点を結んでいく仕事の重要性も増す。それも技術的な可視化支があると効果的なのだが。

Infographic: Where False Information Is Posing the Biggest Threat
“選挙イヤー2024”を迎えた世界。世界経済フォーラム(通称ダボス会議)開催に合わせて、世界34か国で生じる偽誤情報リスクの度合いを専門家チームが分析。データビジュアル化のstatistaがインフォグラフィック化してわかりやすい。色彩濃度でそのリスク程度も表現している。

Disruption This Week—–22/12/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年12月18日から2023年12月22日まで。

I gave ChatGPT the last 13 years of Nieman Lab predictions
こちらもカスタムChatGPTを用いたジャーナリズムへの応用を試したとする論説。「箇条書きを段落に展開したり、記事を要約に収縮させることができる。ニュースレターのプレビュー用の要約や、通知用の短いフレーズなどだ」など実践的に使えることを述べる。
また、過去Nieman Labが掲載した1,369本の将来予測記事を学習させ、それによる検証を行ったところ、正解と誤回答を得たとレビューする。こちらも興味深い。
How less, not more, data, could help journalism | Semafor
米Semafor記者らが、カスタムGPT作成ツールを使い、3種のAIボットを実験的に開発。分かったことは、少量データでもLLMを効果的に構築することができること。もっと言えば、適切にデータを絞るのが有用ということだ。記事は、「ジャーナリズムを変えるかもしれない」とする。
The obsession with “trust” will end
報道メディアが、読者に自身への「信頼」を闇雲に求めるのは間違っていると語る英ジャーナリズム研究者。
「読者にあなたの働きを示し、あなたの間違いを認め、訂正しなさい。知らないことを正直に述べ、読者が興味を持っていることに耳を傾けなさい」と述べる。
AIと著作権、明確化の一歩 データ検索や回答生成「許諾必要な場合も」 文化庁「考え方」素案:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「今回示された素案では、生成AIによるデータ検索や回答の生成は、著作権法上許諾が必要となる場合もあると記した。また、生成AIによる学習をパスワードなどで防いでいるデータベースの著作物に対し、それを回避して学習させることは、法の定める『著作権者の利益を不当に害する場合』に該当するとした」。

——ある種のガイドラインの働きをする、考え方を示したというもの。案外影響力を及ぼしそうだ。

TikTokのバイトダンス、23年売上高1100億ドル突破へ-テンセント抜く
「短編動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』で知られる中国のスタートアップ、字節跳動(バイトダンス)は、2023年の売上高が1100億ドル(約15兆7800億円)を超える可能性があることが関係者の話で明らかになった」。

——米、インドなどで叩かれつつ、それでもTikTokパワーは止まらない。中国国内でも最大級の企業へと成長。

広告掲載料は0円。3万部がすぐに在庫切れ。京都の型破りフリーマガジン『ハンケイ500m』編集長/円城新子さん【編集者の時代 第8回】|クリエイティブのコアとカラーに迫るメディア「CORECOLOR〜コレカラ」
「円城:ハンケイ500mは、京都のあるバス停を起点に半径500mのお店を紹介するマガジンです。なので、まずは編集部のメンバー数人で、その範囲を歩きます。普段の歩くスピードより、ゆっくりと。そして、ここ、面白そうという『触覚』が反応したお店に入る」。

—— 古幡さんの「出版業界ニュースまとめ」の紹介で見つけた記事。一気に読んでしまうのが惜しいような楽しいインタビュー。

Inside The New York Times’ Big Bet on Games
【有料購読者向け記事】:
「いまや、New York Timesは、たまたまニュースも提供するゲーム会社でもある」。社内で冗談めかして語られるほど、「Wordle」「Connections」「Spelling Bee」と同社はゲームがもたらす収益に賭けている。同部門の人員は約100名となった。
EU、DSA(デジタルサービス法)違反の疑いで正式にXの調査を開始。調査の主要対象は、イスラエル・ハマス間の先頭をめぐる違法性の高いコンテンツ。その他にも研究者へのデータ提供、コンテンツ監視態勢、広告をめぐる透明性その他も調査される。
News Publishers See Google’s AI Search Tool as a Traffic-Destroying Nightmare
【有料購読者向け記事】:
米メディア「Atlantic」のタスクフォースの調査では、Google検索に、新たなにAIによる検索が導入されれば、ユーザーのクエリに対する完全な回答を提供してしまう。同サイトは、そうでなければ得られたであろうトラフィックを75%の確率で逃してしまうことがわかったとする記事。検索からのトラフィックに依存していたメディアはその脅威に怯えている。
TikTok is pushing longer videos. Some creators worry about the vibe shift | CNN Business
TikTokが中・長尺動画投稿をクリエイターに呼びかけている動きはすでに紹介した。収益化をめざすクリエイターらへのインセンティブプログラム「Creator Fund」を廃止し、新たに「Creativity Program Beta」を開始。だが、短尺を動機にしてきたクリエイターは困惑しているとの記事。
メディア感度格差、データで顕在化! 若者にとっての「ネオ新聞一面」はこれ  | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
【ご紹介】:
「どの層も、マスメディアへの信頼度よりも高い割合で『マスメディアが大きく扱うニュースは重要だ』と感じる傾向がみられた 一方、『重要だと思うニュース』について『新聞1面に掲載されるニュース』を選択した割合には、世代差が如実にあらわれた」。

——先般発表したスマートニュース メディア研究所による調査結果を取り扱った記事。引用箇所にも現れたように、大きく3つに分けた年齢階層のいずれも、マスメディアの発信に価値観、重要性を依拠している。
記事が指摘するように、年齢階層によりそれが異なるのもポイントだが、自分としては、それよりも全体としてマスメディアを重視していることがわかったのが、発見だった。