Disruption This Week—–15/3/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年3月11日から2019年3月15日まで。

「18年のネット広告費は16.5%増の1兆7589億円だった。地上波テレビ広告費の1兆7848億円に迫った。19年もモバイル広告費の成長は続く見通しで、18年に比べ22.7%多い1兆2493億円に拡大する」。

——景気の冷え込みが徐々に顕在化しているところで、遅延指標としてだからか、統計上では、景気の良い話になっているようだ。モバイルが増えるのは当然として、さて、課題も山積だ。

 

 

「東京理科大学と共同開発した『ニュース記事自動要約システム』を活用。河北新報の記事を指定した長さに要約した後、常体(である)を敬体(ですます)にしたり体言止めを補完したりといった変換を行い、音声読み上げに適した文章にする」。

——音声コンテンツなどの生成については、より短文・簡潔化が望まれるが、印刷版・電子版用コンテンツの生成時に、作り分ける必要が生じていた。その負荷を軽減できるなら、価値の高いコンテンツ市場が生じる可能性がある。

新聞およびニュースメディアの世界団体、ロボットによる自動記事生成システムを利用する事例をレポート(有料)。ジャーナリストを機械が置き換えるという課題よりも、システムは内製開発すべきか、購入するのかに重点があるとする記事。

 

 

今や「サブスクリプスション時代のスター」としてもてはやされる米New York Timesだが、広告ビジネスにおいても、最近になり印刷版における広告収入を電子版のそれを上回るなど、進化を続ける。同社広告部門幹部Sebastian Tomich氏が、サブスクリプション・ファースト戦略下での広告について語る。

 

 

「ニュース産業が、Netflixから学べるほんの一つか二つのこと」。
映像分野でNetflixが示したのは、FacebookやGoogleとは異なって、視聴者に対して付加価値をつけてコンテンツを収集し、提供するモデル。これであれば消費者はお金を払えるというものだ。

 

 

「AIはジャーナリズムの改善にどう用いられるか」。米HarvardとMITの共同プロジェクトが75万ドルの基金を用いて研究を奨励。記事は3つの事例を紹介。喫緊なのは、WhatsAppのような閉鎖空間での誤情報の検証スキームの確立だ。Facebookがこの分野へのシフトを図るからだ。

 

 

【閲読には要購読】:Amazonの広告ビジネスが急成長している。絶対額では依然として、GoogleおよびFacebookに遠く及ばないものの、成長スピードでは、広告の二大巨人が同規模であった際をしのぐ。リアルビジネスにも足場を有するAmazon広告の成長ぶりに懸念を示す向きもでてきている。

 

 

「・検索ニーズ(キーワード)に対して、最も端的かつ完全な回答を用意している
・検索エンジンが理解可能なシンプルなHTMLでクエリに対する回答が書かれている
・直帰率が低い、滞在時間が長いなどユーザーの反応が良いページである
・ユーザーの検索キーワードに『関連する検索キーワード』への回答も同じページに書かれている」——多少テクニカルな要素はあるものの、分かりやすい。検索システムという「機械」と、人間における評価の高いコンテンツの関係を説きながら、現在の検索という概念の特性が理解できる。

コンテンツ課金サービス「Agate」を運用するAgate Systemのトップ、コンテンツへの入り口で課金の判断を求めるペイウォールは、95%の読者の脱落を引き起こすと説く。Agateはコンテンツ単位で課金し、支払総額が一定額に達したら、以後はフリーアクセスとすることで、実質的に購読型のペイウォールと同等に機能するハイブリッド課金。

 

 

3度、4度と起業を重ねるDan Porter氏は、現在、米国内のハイスクール在籍アスリートに焦点を当てるポッドキャストネットワークのOvertimeを経営。自社サイトは持たず、Instagramを筆頭にソーシャルで、視聴者とのエンゲージメントを高めることに振り切った戦略を展開。
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Disruption This Week—–8/3/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年3月5日から2019年3月8日まで。

Amazonの“レコメンドエンジンが生み出すディストピア”。「ワクチン」で検索すれば、提示される書物の多くが「(自閉症を発症といった)ワクチン有害」本。ようやく12位に「ワクチン無害」の書が。また、「ガン」の検索で示されるのは、「ガンが消えるジュース」の類だとする記事。
【全文閲読には要登録記事】:
「欧州だけでなく米国でも高まるプライバシー規制の声が、同社を追い込んでいることも見逃せない。18年4月のワシントンでのザッカーバーグ氏を呼んだ議会公聴会では議員が『あなたがやらねば我々が(規制を)やる』とプライバシー保護への対応を迫った」。

——規制で縛り上げられる前に、Facebook自ら大幅な路線転換を打ち出した。長期的な取り組みになるはずだが、自らの取り組み姿勢による時間的な猶予も狙ってのことだろう。

スイス拠点の新聞メディア「Neue Zürcher Zeitung」、AIを用いて効果的に有料購読者をコンバージョンさせるかに取り組み、CVRを5倍にも向上させた。その「dynamic paygates」についてイノベーション担当者が語る。
「Duplexは『Google Assistant』の機能で、ユーザーに代わって店舗に電話をかけ、まるで人間であるかのように電話の相手と会話を進めながらレストランやヘアサロンに予約を入れることができる」。

——昨年のI/Oでお披露目され強烈なインパクトをもたらしたアプリ。デモ映像などを見ればわかるが、自分の人工アシスタントに、もろもろアポの調整などを指示しておけば、人間対機械、機械対人間のコミュニケーションを円滑に実施してくれる。将来は、ニュース体験もドラスティックに変わりかねないと思う。

米Wall Street Journal、デジタル分野でのイノベーション、読者獲得などを目的とする新編集部を開設。30名強のスタッフを募集する。編集者はもちろん、エンジニア、デザイナー、データスペシャリスト、PM(Product Management)職が含まれるという。
コンテンツジャパン代表の堀鉄彦氏による、プレゼンスライド「出版・コンテンツプラットフォーム2.0」。メディアとテクノロジーをめぐる最新トレンドを盛り込んだ出版プラットフォーム論。
【閲読には要購読】:
サードパーティーコンテンツレコメンデーションのTaboola、イスラエルのスタートアップ「Start Magazine」を買収。iPhone上のApple Newsを意識、Androidベースのニュースアグリゲータの地位確立をめざす。アプリとロックスクリーンの両面でサービスを提供。
印刷・デジタルにまたがる数多くのニュースメディア連合であるNews Media Allianceのトップがプラットフォームとの共存時代を語る。「Spotifyのニュースメディアへの応用」が機能しない理由について、音楽は、最終的にアーティストブランドへと帰属する違いがあるとする。

Playlist innovation

MIDiA Research

元Spotify幹部、Keith Jopling氏が論じるSpotifyおよびプレイリストによる革新の停滞。2015年から17年かけての豊穣期を経て、キュレーションからアルゴリズムによるレコメンデーションへとシフトしたと指摘。キュレーターへのテクノロジーを用いた支援がポイントか?
【閲読には要購読】:
「広告事業は増え続けるユーザーデータ履歴に依存しており、それを利用して広告のターゲットを効果的に絞っている。ウェーナー氏(=最高財務責任者)は26日のプレゼンで『履歴消去』機能がそうしたターゲットの絞り込みに影響することを認めた」。

ーーFacebook流のターゲティング広告の運用と、個人データのオプトアウト機能の実装には、業績上のトレードオフが生じるとの表明

Disruption This Week—–1/3/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年2月25日から2019年3月1日まで。

アメリカレコード協会(RIAA)、2018年の米国のレコード音楽産業収入を発表。サブスク型音楽ストリーミングが絶好調で、対前年比40%増とけん引、産業全体で98億ドルへと成長(前年比12%増)。この10年間でも最大となった。

2018年「日本の広告費」は6兆5300億円 インターネット広告の二桁成長続く | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

 

 

「2018年のマスコミ四媒体由来のデジタル広告費は582億円で、中でも出版社由来のデジタル広告費(雑誌デジタル)は337億円で二桁成長となった。出版社系デジタルメディアの成長、出版社のデジタルトランスフォーメーション、多様なコンテンツホルダーとしての大規模な事業開発により、新領域ビジネスの伸長が期待されている」。

——恒例の電通による日本の広告費、2018年版。試みとして興味深いのは、年々収縮が続く四マス関連広告費について、ネット広告分を示したこと。雑誌分野でネット広告の成長が見られる。

 

 

米国消費者による“コード・カッティング(CATV離れ)”を調査したCordcutting.comが、Netflix、Amazon、Huluの利用者の20%は、家族や友人のユーザー登録を借用していると発表。その“損害額”は、Netflixだけでも年間20億ドルを超えると算出。サブスク市場の課題とも言えそうだ。
「18年度の電子出版市場規模は2479億円で、前年比11.9%増。
それらの内訳は電子コミックが1965億円、前年比14.8%増で、その占有率は79.3%に及び、来年は確実に売上とシェアは2000億円、80%を超えるであろう。
それに対して、電子雑誌は193億円、前年比9.8%減で、200億円を割り、シェアは7.8%となった」。——それが喜ぶべきか悲しむべきかは別とすると、ブログ筆者が語るように、日本の電子出版市場はいよいよ「電子コミック市場」との色合いを深めている。ブロッキング問題が、そのまま出版産業の存亡論議へと短絡するのは、これが背景になってもいるのだろう。

 

 

米国のCenter for Media Engagementが実施した調査によると、ジャーナリズムが掲出した記事末に「記事はどう作られたか」という小型のコラムを設けて説明を添えるだけで、メディア、記事に対する読者の信頼などのエンゲージメントが改善されるという。

 

 

ゲーム体験に大きな転換期。Xbox LiveやPlayStation Plusの時代には、ディスク購入(所有)型ビジネスは縮小。ゲームにおけるサブスクリプション型ビジネスの時代について、EAのキーパーソンらが語る。

 

 

電子版事業で他社が羨む好業績を続けるNew York Times。CEOのMark Thompson氏への最新インタビュー。徹底したブランド(マーケティング)、女性読者を意識したスタッフ編成、そして、購読者獲得やエンゲージ強化の施策をピンポイントで次々と実施していることなどを語る。

 

 

ニュース記事、その品質的な価値を、AIによってスコア化できるか? 欧州のジャーナリストが立ち上げた「Deepnews.ai」という方法論とその開発の現状をリポート。ディープラーニングを用いた品質評価は、人間による評価と比較し「80%」程度の精度に到達したとする。
「デジタル中心に移行することが、新聞社の『働き方改革』に繋がっているように思います。
まず夜は随分早く仕事を終えるようになりました。深夜に締め切りがあると、どうしても『ギリギリまで頑張ろう』『最後まで会社にいないと……』という意識が働いてしまいます」。——読みどころが満載のインタビュー記事。デジタル化、購読ビジネスなどを志向するメディア担当者は参照すべき。

「ニュースレターは最先端のデジタルプロダクトとはいえないだろうが、デジタルメディア業界きっての成功事例の数々を支えた。例えばAXIOS(アクシオス)は、eメールのニュースレターをコアビジネスに据え、2400万ドル(約26.5億円)の売上と損益分岐の達成を発表」。

——Morning Brewのビジネスの中核は、ニューズレター(メルマガ)。開封率の高い良質なテーマごとの購読者をターゲットできる点で、広告と購読がオーバーラップする興味深い分野と言える。

 

 

ご紹介】:米メディア「Axios」のビジネスを論じるブログポスト、後編を書きました。よろしければどうぞ。➡Axios:購読者獲得、グロース戦略を語る[後]

Disruption This Week—–22/2/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年2月17日から22日まで。

[番外編]藤村厚夫 新興メディア、一斉に人員削減 広告収入、成長軌道届かず
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Axios:広告とサブスクリプション、融合は可能か?[前]

彗星のように誕生した、新コンセプトのプロ向けメディア Axios
開設初期からサブスクリプション志向ながら、広告でも絶好調
その融合の可能性を、創業者らが語る。

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