Disruption This Week—–17/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月12日から2022年6月17日まで。

Facebook looks ready to divorce the news industry, and I doubt couples counseling will help
「Facebookはニュース業界との離婚の準備ができている」。
同社が業界に大金を払い続け大手メディアとの関係を保つ意思はないだろうとするオピニオン。2022年第1四半期、閲覧された投稿コンテンツでニュースへリンクを持つは0.4%に過ぎないという。愛情が冷めるのは明瞭だ。
「大変です」食べログ点数、突然の急落 評価の秘密に自力で迫った:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「実際に点数を算出しているのは、独自の『アルゴリズム』だ。
大量のデータを処理するのに使う計算手順のことで、検索サイトや買い物サイトなどはアルゴリズムを使って表示順位を決めたり、点数をつけたりする。
例えば検索サイトはこれを使い、膨大なウェブページの中から、利用者に関連が高いと思われる結果を表示している。
任さんは、ネットに残る記録をもとに点数の変化を独自に調べた。
すると、食べログ内で『チェーン店』とカテゴリー分けされている店ばかり、点数が下がっていた。
『チェーン店の点数を一律に下げるアルゴリズム変更があった』との仮説が立った」。

——アルゴリズムとその影響をめぐって明瞭な判例が出たのは珍しいのではないか。それだけプラットフォーム的パワーを持つサービスに対する世の中の視線が厳しくなっている。この判決では、訴訟の提起者が自らの労力でアルゴリズムのロジックを解析した。今後、そのような提起者側の能力が努力が求められるのか否かも重要なポイントだろう。

How Facebook plans to become more like TikTok
米メディアThe Verge、Meta社幹部の社員宛てメールを公開。それによれば、TikTokの優勢に抗して同社はFacebookのフィードアルゴリズムを改修する。TikTokがソーシャルグラフに依らない投稿の推奨を行っていることに倣う仕組みを採用。また、メッセージング機能も改変する。
Spotify、コンテンツ管理に関する安全諮問委員会を設立--偽情報対策の一環で
「Spotifyは米国時間6月13日、オンラインの安全性に注力する専門家と組織からなる安全諮問委員会を新設したと発表した。この委員会のミッションは、クリエイターの表現を尊重しつつ、『Spotifyが安全な方法で自社のポリシーと製品を進化させるのを支援すること』だ」。

——Facebookでも社外の有識者らを招いた最高レベルのボードによるコンテンツモデレーションに臨んだ経緯があるが、社内からの声も関与するなど、機能不全が指摘されている。Spotifyではどうか。このような対応が動き出したことを率直に評価し、注意を払っていく。

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report

Reuters Institute for the Study of Journalism

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report
例年行われる注目のオンラインメディアとジャーナリズムをめぐる調査「Digital News Report」2022年版が公開。各国において、ニュース接触における主たる経路にスマートフォンが位置し、TikTokやInstagramなどのビジュアルフォーマットのニュースへの利用が進む。同時に、ポスト・コロナで退潮するニュース需要と、ウクライナ侵攻という大事件がありながらも、各国で「ニュースの選択的忌避」現象が生じていることを特筆する。
Spotify is acquiring AI voice platform Sonantic – TechCrunch
つい先日、音楽、ポッドキャストに続き、オーディオブック市場への挑戦を宣明したばかりのSpotify、映画「トップガンマーヴェリック」ヴァル・キルマー氏の合成音声にも使われているAI合成技術を有する英Sonantic社を買収。いかにものタイミングだ。
A Chart of People on the Move at Creator Startups
【有料購読者向け記事】:
“クリエイターエコノミー”分野におけるスタートアップ企業各社間でのシニア人材の移動。Twitter、Meta、Cameo、Clubhouseなど有名どころからの流出が目立ち、TikTokはじめ新興系への流入が増。今年1月以降の動きをThe Informationが整理した。
偽情報の拡散はIT企業の責任--研究機関の専門家らが指摘
「アスペン研究所で情報の無秩序に関する委員会の共同議長を務める3人の専門家は、ニュースを得るためにソーシャルメディアに目を向ける人が増えていると述べた。TwitterやFacebookなどのプラットフォームは正当なニュースソースを提供しているが、その一方で嘘や陰謀論が確認されないまま拡散し、多くは無意識のうちにそうした情報に触れる人々の意見を形成する事態を許してしまっている」。

——「Commission on Information Disorder Final Report」で公表された勧告に基づくスピーチ。大手企業の責任と地域のメディアへの支援という2つの義務を明瞭に表現したもの。

5 tech giants own over half the global ad market
世界的な広告代理店GroupM、恒例の広告市場予測を発表。それによると、世界の広告市場はトップ5社により市場の半分(53%)が占められ、かつ、昨年比でその度合いを高める。広告主のほうはトップ25社が7割強を占める。2022年の広告市場全体の成長はやや弱まるとも予測。
米Wall Street Journalが、今日(13日)にも製品レビューサイト「Buy Side」を開設とAxiosがスクープ。New York Times運営「Wirecutter」に対抗する試み。WSJサイト内に設けられるが、閲覧無料とビジネスモデルが異なる模様。編集チームは、WSJ本体と完全に分離するという。開設時には250製品、50本の記事を扱うと、詳しい報道。公式リークのようだ。
【ご紹介】:
Media×Techからちょっとした変化球的新着記事です。「出版業界ニュースまとめ」を平日、週末関係なく配信する 古幡 瑞穂 さんと、光栄にも「対談」をさせてもらいました(編集部スタッフの企画です!)。どうぞご一読下さい。
有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙での連載記事が日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ 有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減

Disruption This Week—–3/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月30日から2022年6月2日まで。

ジャーナリズムの価値観は2割の支持層にしか受け止められていない、その信頼を広げる方法とは~平和博 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
「ニュースソース(情報源)への信頼度を尋ねる質問で、トラディショナル(既存)メディアについての日本の回答は39%。各国比較で見ると、最低のロシア(35%)に次ぐ低さだった」。

——スマートニュースメディア研究所に寄せられた平 和博・桜美林大教授の論考。ジャーナリズムへの評価をめぐる各種研究、調査をめぐり、ジャーナリズムへの信頼感の喪失、低迷を分析している。
私自身は、ニュース(ジャーナリズム)への信頼感を支えるのは、「ファクト(事実)」と「ビュー(見識)」であり、この2点の混同を解くところから始めたいと思っている。

Economist podcasts reach 3m people a month - a paywall could come next
ABC公査で100万部の購読者を有し、厳格なペイウォールを運用する「The Economist」。一方で同メディアは同時に無料の人気ポッドキャストを運用する。有料誌の3倍のリーチにまで成長した無料ポッドキャストを抱える同社の戦略と理由を、オーディオ部門の責任者に取材した記事。
Content of the future: the demand for faster, more succinct and digestible storytelling | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「実際、メディア消費動向に関する当社(=Tickaroo)の消費者調査では、英国人の27%が1日に何度もニュースの実況をチェックし、20%が1日に少なくとも1度はチェックしていると回答している。また、40%の回答者が中程度の長さの記事に興味を示しており、ニュース記事を読むのに最適な時間は2~6分であることがわかった」。

——ライブブログ基盤を提供するTickaroo社による調査とオピニオン。その分は差し引いて読むべきだが、「今日の人々は、簡単にアクセスでき、消化しやすく、簡潔なコンテンツを消費することを望んでいる。つまり、クリエイターは、コンテンツをどのように『パッケージ化』し、『配信』するかにもっと注意を払う必要がある」という主張には、示唆されるものがある。

出版状況クロニクル169(2022年5月1日~5月31日) - 出版・読書メモランダム
「22年1月から4月にかけての販売金額累計は7.2%減、書籍は3.5%減だが、雑誌のほうは12.6%の大幅なマイナスとなっている。
雑誌の時代の凋落はとどめるすべもなく、コミック頼みで、このまま進行すれば、22年後半は何が起きてもおかしくない出版状況に追いやられると考えるしかない」。

——「雑誌」分野の前年比減のトレンドが変わらない。さらに言えば、その返品率も業界挙げての努力にもかかわらず、40%台半ばと下げ止まり。特に週刊誌はマイナス面での象徴的存在ということになる。この先について、関係者はだれもが自覚していることだろう。

若年層「テレビよりスマホ」鮮明、10代は75% NTTドコモの研究所が調査
「休日も平日と同様、若年層ほどテレビよりもスマホを長く利用する人の割合が高く、30代では約4割。10代では約7割に達した」。

——余暇に可処分時間を多く使える休日でも、TVではなくスマホ。若年層に定着した“マイ・メディア”習慣。加えて、60〜70代に顕著なTVへの固着ぶり。断絶はメディア消費の仕方に表れている。

Jonas Brothers Launch Smartphone-Only Video Subscription Service on Scriber
米ロックバンドのThe Jonas Brothers、新興企業が開発するSMSベースの有料購読サービス「Scriber」と提携。バンドの大ファンは月額購読費を払いSMS経由でスペシャルコンテンツやプレミアムサービスを得られる。ブロックチェーン技術を使い収益を分配(実際は慈善寄付に使われる)。超大手プラットフォームを迂回するアプローチとしても注目。
On Discord, Music Fans Become Artists’ Besties, Collaborators, and Even Unpaid Interns
ゲーマーのためのチャットツールに始まり、いまではアーティスト全般が依拠するコミュニティに欠かせないコミュニケーションプラットフォームとなった「Discord」。「8人のドストエフスキー読書会から78万人以上のRobloxプレイヤーが集う場」の生態系をていねいに語る記事。音楽メディア「Pictchfork」掲載。いまではConde Nast傘下入りしたが、本当に良いメディアだ。
キーワードから約6秒で文章生成する執筆AI、“求人原稿の自動作成”へ開発元がマイナビと実証実験 | DIAMOND SIGNAL
「両社(=ELYZAとマイナビ)ではELYZAが保有する大規模言語AIを用いて、求人原稿のドラフトなどを自動生成する仕組みの共同開発に取り組む。まずは2022年度中に求人原稿に特化した生成型執筆モデルの開発を進め、実証実験を経て現場への実装を目指す計画」。

——何度か紹介してきた自然に近い日本語文の生成をELYZAの試み。求人票のような定型文に応用する商業ベースに近い試行が始まるという。

60代と70代のSNS利用、前年から大幅増…外出自粛で子や孫との連絡手段に
「SNSを使う人の割合は、60歳代が71.7%で前年の60.6%から11.1ポイント、70歳代が60.7%と前年の47.5%から13.2ポイント、それぞれ上昇。他の年齢層に比べて60、70歳代の伸びが目立った。
SNSを利用していると回答した人に目的を複数回答で聞いたところ、『知人とのコミュニケーション』が88.6%で最も多く、次いで『知りたい情報を探すため』が63.7%だった」。

——私のような人間が増えているのか(苦笑)。要するにようやくスマートフォンの使いこなしが高齢者に及んできたということだろう。次にテレビからストリーミングへのシフトが起きるか? YouTubeは高齢者にだいぶ浸透しているはずだ。

“スローニュース”を謳う英Tortoise、有償コンテンツ強化策の一環として、デイリー、ウィークリーのPodcast作品のラインナップを推進。CMOは「我々が発見したのは、スローな物語主導のストーリーには、小さなスクリーンで読むよりも、オーディオの方がよく生きること」とする。
脱 Excel ! Jupyter で始めるデータ分析 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。スマートニュースの有野が実務家向けに解説するデータ分析ツールの使いこなしです。

Disruption This Week—–14/5/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月2日から2022年5月13日まで。

Disney+ Hits 137.7M Subscribers, Beating Wall Street Expectations in Streaming
米Disneyが第1四半期の業績を発表。注目のストリーミングDisney+は、アナリストらの予測を尻目に購読者790万人を追加。計1億3,770万人に。約2億2,000万人で停滞するNetflixに一歩近づいた。Hulu、ESPN+もそれぞれ購読者を伸ばした。他方、ロシア市場の減損を反映させた。
【2022年4月】改正個人情報保護法の施行に各社はどう対応したか?3パターンに分けて検証する
「各社で実施しているデータ利活用の内容や必要とする対応のレベル感などによって、やるべきことは異なります。記事では、どのレベルで何を行えばいいのか、以降の継続的な見直しにおいてどう対応すればよいかわからない方に向け、各社の対応状況を3パターンに分類し、ご紹介します」。

——パターン1:「最低限のプライバシーポリシーを整備」、パターン2:「個人情報と個人関連情報を掛け合わせて利用するための対応」、パターン3:「Cookieレベルでの同意を取得する対応」について分かりやすく解説している記事。有益。

Digital subscription economy to grow to 1.5T by 2025: Key trends for publishers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
購読管理ソリューションを提供するLineupが世界のサブスクリプションの動向調査を公開(ダウンロードできる)。なかでも7つのトレンドを提示。1) パンデミック以後もサブスクは成長、2) 購読者の強い支持が維持されるか課題、3) Substackの成長はメディア事業者の課題に、4) パーソナリゼーションは最重要課題…など。
サブスクのオファが多様化し、膨れあがっていることもあり、利用者にフィットするパーソナライズは、画一的にしか売らない仕組みに対し優位性を持つだろうという視点は重要だ。
「追跡は止まらない」 ネット広告、精度と規制の板挟み
【有料購読者向け記事】:
「メールアドレス、ID管理、興味の分類――。代替技術は続々と生まれている。『今後も個人データの追跡は止まらず、広告会社と規制のいたちごっこは続く』と政府の研究会で委員を務める日本情報経済社会推進協会の寺田真治は言う」。

——AppleがATTを実装してから時間が経つが、時間の経過によって小手先の(あるいはグレーな)“回避策”へのノウハウが積み上がり、本質的な転換への方向性は見えないままだ。

Do browser extensions keep anyone away from fake news sites? Maybe a tiny bit
米New York大の研究者らが、Webブラウザが閲覧しようとするメディアの信頼性について警告表示をする(NewsGuardの拡張機能を利用)ことが、読者(ユーザ)の行動変容を促すかどうかを調査。大きな差異は生じなかったと結論(学術誌に発表)。だが考慮すべき肯定的要素も指摘。
Economist hires chief tech officer, chief product officer - Talking Biz News
英Economist、CTO(最高技術責任者)とCPO(最高製品責任者)の2名を採用と発表。同社はすでにデジタル版収入が総収入の2/3を占めており、新規購読者の2/3はデジタル専用購読を選択している。CEOは採用にあたり「テクノロジーは当社の成長戦略の中心的推進力」と述べている。
Q&A:Apple による「 ATT 」導入から1年 - マーケターたちが置かれている状況は | DIGIDAY[日本版]
「ユーザーの同意に関係なくユーザー追跡を継続した企業たちは、Appleがデバイスから収集されるユーザーデータの量を監視・判断するのは難しいだろうという推測に賭けたのです。そして、彼らの推測は正解でした。ATT(App Tracking Transparency:ユーザによる追跡オプトイン機構)が登場したあとも、悪名高い『フィンガープリンティング』の慣行が続いていることは、このことを証明しています」。

——ポイントは、ATTを無視してユーザ追跡を止めないアドテク企業や広告事業者に対して、Appleが厳しい罰則を課していないという事実と、それによる楽観ムードが高まっているというが指摘されている。まじめにATTを実装した事業者がソンをした格好にもなっていると。

Meta Rethinks News Partnerships as Priorities Shift
【有料購読者向け記事】:
Metaの関係者は、同社がコスト削減策としてメディアとの提携関係を見直しに入っており、パートナーへの支払いを削減する可能性があるとの見方を示していると米The Informationが報道。Trump政権以降のニュース需要の低迷を理由のひとつにあげる。当面のライバルであるTikTokに伍していくために、ショート動画に力を注ごうとしているとも記事は述べる。
U.S. Podcast Ad Revenue to Top $2 Billion in 2022, IAB/PwC Study Predicts
米IAB(デジタル広告事業者団体)ら、2022年のポッドキャスト広告市場が、前年比47%増の21億3,000万ドルに達するものと予測。21年には前年比72%の成長を遂げており、これはネット広告市場全体の約2倍だった。
中日新聞による実に魅力的なビジュアル解説記事。インタラクティブな表現手法に感銘する。記事に是非触れてみて欲しい。
Detailed 'open source' news investigations are catching on
StoryfulやBellingcatなどをお手本とするOSInt(オープンソース調査報道)のトレンドを、過去の報道事例や、OSIntに取り組んでいる報道各社を取り上げながら解説するAP通信の記事。米カリフォルニア大Berkeley校は昨秋、この種の調査報道に関する講座を設けたという。
投げ銭で月売上540万円や脱サラ専業配信者も登場──稼げる音声配信目指す「Radiotalk」の戦略 | DIAMOND SIGNAL
「投げ銭スタイルの音声配信サービスであるRadiotalkには月間540万円を売り上げる配信者も現れ、上位100人の年間収益合計は約1.7億円に上る。その中には会社を辞め、専業配信者として生計を立てている人もいるという」。

——引きの強いカネに関する記述を引用したのだが、実際に興味を惹いたのは「動画だとスマホで5人、6人でコラボするということは、ちょっと難しいと思うんですけれども、Radiotalkのような音声の場合だと、声だけだからこそ、配信者同士が何人も集団でコラボできるんですよね」といった部分。
単なる“朗読・ナレーション”でもなく、会話性の高いところが魅力をつくり出すポイントのように理解した。

Here are the winners of the 2022 Pulitzer Prizes - Poynter
20を超える部門がある米ピューリッツァ賞。2021年を対象とする受賞作品・受賞者が発表された。一時は賑やかだった新興メディアの名前がほとんど姿を消した今年。老舗以外では「イラスト部門」で米Insiderの名前が見当たるぐらいだ(これはすごく良い作品)。メディアの趨勢を感じる。
What is the ‘product’ of journalism? - Poynter
“ジャーナリストたちは、長く自分たちの「製品」を、自分が書いた記事だと思っていた。が、そうであったことはない。20世紀の大部分、製品とは物理的な新聞であり、それに対し消費者は支払っていた”。では、ネット時代のジャーナリストは、「製品」をどう理解すべきかとの論。“製品=プロダクトとしてのメディア、コンテンツ”を考える視点について、いろいろと示唆に富む指摘。
Tech firms sell creators as the future of ads
米IAB(オンライン広告関連事業者団体)が開催する広告関連プレゼンカンファレンス「NewFronts 」がNYで開催。大手プラットフォーム、Snap、Meta、TikTok、Amazonなどが揃ってインフルエンサー(クリエイター)事業に注力、新たな取り組みをアピール。対照的にTwitterはその分野での発表行わなかった。
Apple、自社アプリ「自虐」 劣勢の調査結果あえて公表(写真=共同)
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載が、日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡️ Apple、自社アプリ「自虐」 劣勢の調査結果あえて公表
OSINTが切り拓く「報道の新時代」——世界のジャーナリストが注目する調査報道テクニック - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techからの新着記事。今回は話題となっている「OSINT(オープンソース調査報道)」について、SlowNewsのキーパーソン熊田安伸氏の力作解説です。ぜひご一読下さい!

Disruption This Week—–29/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月25日から2022年4月28日まで。

Microsoft says Russia has conducted hundreds of cyberattacks against Ukraine
米Microsoftのデジタルセキュリティチーム、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる20ページにおよぶ特別リポートを公開。ロシアによる実際の軍事侵攻と同期した数々のサイバー攻撃が実施されたことを説明。また、破壊攻撃や世論分断などその目的や意図などを解説する。
Alphabet決算は増収減益、クラウドは好調もYouTube広告が鈍化
「クラウド事業は好調だったが、YouTubeの広告収入が振るわなかった。また、経費が大幅に増加した」。

——予告したとおり、米プラットフォーマ各社の業績が次々と発表されている。引用は、Alphabet(Google)の現況を端的に伝える。クラウド(GCP)の増収のために経費が増えていること、また、根幹の広告は、さすがにAppleのATTの影響が出てきているし、さらにYouTube事業がTikTokに劣後している状況が明らかになろうとしていると理解。

50 ways to make media pay: Other established and emerging ideas | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
メディアおよびジャーナリズム研究のDamian Radcliffe教授が展開している「メディアを有料化する50の手法(アイデア)」シリーズを補足する追加の11アイテム。話題のNFTや慈善基金、読者紹介制、読者のリードジェンなど、新旧アイデアがあげられている。
巨大ITのスマホOS寡占に事前規制 政府が導入検討
【有料購読者向け記事】:
「政府のデジタル市場競争会議(議長・松野博一官房長官)は26日、スマートフォンに搭載する基本ソフト(OS)市場についての中間報告をまとめた。競争を制限しかねない行為をあらかじめ禁止する事前規制を導入する考えを盛り込んだ。事後的に対処する現行の競争政策の枠組みでは、変化の速いデジタル分野に対応しきれない」。

——Apple、Googleらプラットフォームの側も、市場形成や健全な競争関係のアピールに懸命(別途、私が執筆した記事が日経電子版で公開されるはず)だが、これらに対する厳しい見方が、この記事のように規制当局からサードパーティ開発者、そして消費者へと徐々に浸透しつつある。

東大、“世界最高性能”のディープフェイク検出AIを開発 フェイクニュースやポルノなどの悪用根絶に期待
「そこで研究チームは、検出が難しい疑似フェイク画像を生成する『Self-Blended Images』(SBIs)という方法を提案。SBIsで生成した画像を検出AIにフェイク画像として学習させることで、フェイク画像にわずかな不整合があるだけで真贋を判定することを可能にした」。

——もう少し詳しく解説してくれる情報が出るのを待ちたい。ともかく、ニュースとして重要。ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、“ディープフェイク”的なものより“チープフェイク”的なもののほうが多く出現している印象だが、いずれ見破りにくいものが増えてくるはずだ。機械的な検出力によるスピードアップに期待する。

日本企業は「製作委員会」から脱却すべき ディズニーの戦略をみずほ銀行が分析
「レポートは各論と総論の2部構成。第1部の各論では、出版、映画、アニメ、音楽、ゲームの5つのカテゴリにおいて、“競争環境”と“戦略方向性”について考察。
第2部の総論ではそれを踏まえ、日本のコンテンツ産業が“世界で存在感を発揮し続けるため”の提言が盛り込まれている」。

——当該みずほ産業調査のページがPDFでOGPもないため、KAI-YOUの記事をクッションとさせてもらった。みずほのリポート、150ページ近くと大変充実しており資料性が高い。が、その資料のなかに、「Web3」への言及が一度もないというのが少々の驚き。

Elon Musk to Acquire Twitter
Elon Musk氏は、Twitterを人類の未来に不可欠なことがらを議論する言論の場だとし、「新機能による製品の強化、アルゴリズムのオープンソース化による信頼性の向上、スパムボットの撃退、すべての(ボットでなく)人間の認証により、Twitterをこれまで以上に良いものにしたいと考えている」との声明を公表した。“アルゴリズムのオープンソース化”はインパクトのある主張だ。
EU、「デジタルサービス法」で合意--違法コンテンツなど、大手IT企業への規制強化
「『デジタルサービス法』(Digital Services Act:DSA)には、Facebook、Google、Twitterなどの大手サービスがそれぞれのプラットフォームで偽情報の拡散を取り締まることや、アルゴリズムがユーザーにどのようにコンテンツを推奨するかを明らかにすることなどが盛り込まれている。また、子ども向けや、ユーザーの民族性や性的指向に合わせて作成されたターゲティング広告など、プラットフォームで特定の種類の広告を禁止する」。

——短信などで紹介済みのトピックスだが、整理された記事で改めて。

Media Briefing: A Q&A with The Atlantic's Nicholas Thompson
【有料購読者向け記事】:
最近、新CEOを迎え電子版購読路線に邁進する米老舗メディア「The Atlantic」。CEOのNicholas Thompson氏がDigidayのインタビューに答えて購読に関する数々の挑戦、知見を明らかに。最大テーマは、平均25%の退会率を引き下げる取り組みだ。
【解説】ネトフリ急落が暗示する「ストリーミングの未来」
【有料購読者向け記事】:
「もうひとつの懸念材料は、解約率だ。
コンサルティング会社デロイトのケヴィン・ウェストコット副会長によると、視聴者はストリーミングサービスの値上げに警戒心を強めており、お気に入りの番組が終了するとサービスを解約する傾向が強くなっているという」。

——最大の懸念は、良質なコンテンツを取り揃えるためのコストの肥大化、そして解約率の高まりとする記事。
「Netflix」「ストリーミング」の新たな未来を論じているようで、実のところ商売における変わらぬ課題が改めて確認されたのだと聞こえる。

Disruption This Week—–15/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月11日から2022年4月15日まで。

Metaverse builders see virtual pets as their killer app
メタバース界に“キラーアプリ”が誕生? それは、ペット飼育ゲーム。Pokemon Goで知られたNianticが発表した作品「Peridot(ペリドット)」は、猫に見える動物を飼育、調教、そして繁殖させることができるARシミューレタだ。すでにNFTで購入するペットはいくつも誕生している。
TikTok強すぎ!広告収益がTwitterとSnapchatを足した額を上回る
「最新レポート(=Insider Intelligence調べ)で、TikTokの広告収益がTwiiterとSnapchat有するSnap Incを足しても敵わないところまで上がってきていることがわかりました。
アナリストによるレポートによれば、今年のTikTokのグローバル広告収益は116億ドル(約1兆4500億円)になる見通し」。

——Twitterが商売下手というのは定評だが、それにしてもTikTokの稼ぎぶりはすごい。しかも、TikTokが収益事業に乗り出したのは遠い過去のことではない。今後の成長が恐ろしい?

2023年末の「Cookieの終焉」までに、広告主が知っておくべき問題とその対応 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

2023年末の「Cookieの終焉」までに、広告主が知っておくべき問題とその対応 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
「広告配信の精度が下がるだけでなく、フリークエンシー過多はユーザーを不快にさせ、長期的に見てもブランド棄損という問題を引き起こしかねません。こうした問題に対応するには、AndroidユーザーとiOSユーザーの割合を、ブラウザとアプリの割合を見定めた上でメディアプランを考える必要がありますが…」。

——「ニールセンID システム」の半ば解説、プロモーション記事だが、ポストクッキー時代に起きている足もとの課題について、広告に携わる関係者が知るべき専門情報が盛られている。

Norby, a CRM for Creators, Raises More Seed Funding; Celebrity Avatar Startup Genies Valued at $1 Billion
【有料購読者向け記事】:
クリエイター向けに各種のプロモーション用機能をまとめたSaaSをサブスクリプションで提供する米Norbyが資金調達。SMSメッセージ、イベント、ニューズレター配信、LP制作、データ分析、ファンからのメッセージへの返信機能などの“CRM”を提供する。
Snapchat’s new feature automatically creates Stories based on select newsrooms’ content – TechCrunch
Snapchat、同社のオリジナルフォーマット「Stories」を、メディア各社が生成するテキスト中心のRSSフィードをStories形式のコンテンツに変換して、Discoverフィードに自動的に投稿する「Dynamic Stories」を発表。まずはCNN、Bloomberg、ESPNなどと試行を開始する。
メタ、VR空間で新ツール実験開始 デジタル資産販売など可能に
「米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は11日、仮想現実(VR)プラットフォーム『ホライゾン・ワールド』内でデジタル資産や各種体験を販売できるツールの実験を開始すると発表した。ツールは当初、ホライゾン・ワールドでバーチャル講座やゲーム、ファッションアイテムを創作している一部のユーザーのみが利用可能」。

——ビジネス用途が有望視されている「ホライゾン・ワールド」でのビジネスモデル(収益化施策)が明らかに。やはりクリエイターエコノミーの流れに乗るものだ。もちろん、収益化策はそれ以外にも各種考えられる(このソフト、サービス自体を有償化することもありそう)。が、まずは利用ボリュームを増やすことが優先なのだろう。

Digital media ad revenue surges to $189 billion—biggest jump in 15 years
広告事業者の世界的団体IAB(インタラクティブ広告協会)、2021年の米国におけるデジタル広告について報告。総合して前年比35%増の1890億ドルに到達、19年/20年比の12.2%も大幅に超えた。動画、音声、SNSが躍進。なかでも音声は60%近くのジャンプと最高の伸びを示した。
Amazonプライム・ビデオ、日本だとApple TVより407倍人気 Appleが分析結果を公開
「動画配信サービスの場合、日本だと『Amazonプライムビデオ』は『Apple TV』と比較して407倍、『Netflix』は256倍の人気を獲得しているという。米国やフランスなどのデータも出ており、前者はNetflixが17倍、『Hulu』が3.2倍、後者はNetflixが35倍、Amazonプライムビデオが5倍人気のようだ」。

——Appleが自らのプラットフォーム上で、他社アプリと自社のそれとで人気の対比を調査、公開。Apple純正サービスが、他社有名アプリに劣後していることを公表するのは、興味深い。もちろん、意図は「独占状態などつくり出していない」ことの傍証提示だろう。日本ではAmazonプライムが強烈に強い。

Creator economy-focused SamCart raises $85 million
“クリエイターエコノミー”の眼目は、いかにクリエイターが自身の才能をお金に換えるかだ。米SamCartは、講座、eブック、コーチング、コンサルティング、メンバー制など多種の品目から選択して収益化できるコマースプラットフォーム。同社が最近大型資金調達を実施との報道。現在はメンバー制のようなサブスクリプションが中心だが、今後は単発の販売(まさにコマース)を充実していくという。
Alongside a subscriber-only investigation on eviction, USA Today publishes a free graphic novel
米Washington州では、裁判で住宅から立ち退きを迫られる黒人女性の比率が、白人男性の5倍に及ぶことが判明。この種の調査報道は、新聞の有料購読層に支えられており被害者には届かない。この問題をスマホ向けにコミック化し、SNS上で閲読できるようにした試みを、携わったジャーナリスト自らが解説する記事。
米メディア、非ニュース拡大 有料利用者確保へM&A(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙への月1連載が日経電子版へ掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 米メディア、非ニュース拡大 有料利用者確保へM&A