Disruption This Week—–30/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月26日から2022年12月30日まで。

後藤達也の特別授業at東工大 個人ジャーナリズム・クリエイターのあり方とは
私個人的には、お歳暮もしくはお年玉的価値のあるレクチャー。
Gaming takes over everything
“ゲームこそストリーミングの最大の競合”との認識は新しいものではない。今度は、ハリウッドやストリーミングがゲームを題材に次々と大作。23年には「The Super Mario Bros. Movie」、そしてPlayStation題材の作品などが控えている。もちろん、ゲーム開発をめぐってはサウジアラビアが動き出すなど、ゲームはますますエンタメの中心、カネの集まる場へと向かっているとする記事。
Creator Financing Is Going Mainstream
【有料購読者向け記事】:
大手プラットフォームでは、“クリエイターエコノミー”トレンドに絡んで設立した“基金”から撤退する動きが目立つが、クリエイター向けファイナンススキームづくりに初期から関与してきた投資家が、着実に前進しつつある現況と進む方向を詳細に解説した記事。
The AI spammers are coming
「よくできていて、説得力があり、そしてまったく間違っている」コンテンツスパムが、ChatGPTのようなテクノロジーで大量に算出される。それはSEOのあり方を変える。10年続いたプラットフォームがメディアへ与えた影響力に匹敵する地殻変動が来年以降やってくるとの論説。
「イノベーション促進へ内製化によるデータビジネスの推進を」:毎日新聞社 高添博之 氏 | DIGIDAY[日本版]
「『re:Invent』に弊社からエンジニアを派遣しました。今回は「データビジネス」関連の新サービス・新機能が多く発表されています。AWSが言うように『データアクセスの民主化が企業のイノベーション促進』することを実現するため内製化を進めていきたいと考えています」。

——読者についても、コンテンツについても、老舗メディアの強みはその膨大な“資産”だ。だが、その資産をデータとして活用できなければ、つねに“フロー”としてのビジネスであり続けることを強いられる。資産の活用が手がけられれば、展望が見えてくるはずだ。

The rise of misinformation and how governments are combatting it
「エコーチェンバーからの脱出:各国政府はどう偽情報と闘っているか」。欧州の各国政府関係者向けメディア「Global Government Forum」が政府広報担当者のパネルディスカッションを開催。欧州各国の「偽情報」への対処を議論。基本は、政府と市民間のコミュニケーションをどう増やしていくかが課題ということに。
米サウスカロライナ州Furman大の教授は、ある学生がChatGPTを用いて課題論文を提出したのを発見。課題は“恐怖のパラドクス”を論じることだが、論文は哲学者ヒュームに結びつけ自信満々に誤った引用をしていた。教授はこれがChatGPTの特徴をなすと指摘する。
Googleは敵か味方か 米メディアに「現実主義」の兆し
【有料購読者向け記事】:
「多くの新聞社にとってテック企業は『宿敵』というのが定説だが、ドクター氏(=メディア評論家で、自らも地方メディア「ルックアウト・サンタクルーズ」を立ち上げたケン・ドクター氏)は『グーグルやフェイスブックと競うつもりはない』と言い切る。きめ細かい需要開拓の結果、『地域の潜在顧客とつながる新たな方法のニーズがある』と分かってきたことが大きい」。

——糧道を食われ、窮地の老舗メディア群が法案に支えられてプラットフォームと戦う、もしくは支払交渉に持ち込む……という見慣れた図式から、プラットフォームとの協業関係を引きだす動き。当然ながら望ましい構図だが、プラットフォームの動きが単なるポーズで止まらないようにするためにも、注視を続ける必要がある。

The Atlantic introduces dynamic paywall with varying prices as it hopes to attract 1 million subscribers
米Atlantic、1月より読者の行動から購読料金を変化させる“ダイナミック・ペイウォール”制を開始する。従来は電子および印刷版の組み合わせ、プレミアム版など3種の価格があったが、読者1人当たり収入の増加を目指して動的に価格が変化する新システムを稼働させる。
A New Chat Bot Is a ‘Code Red’ for Google’s Search Business
【有料購読者向け記事】:
新しい種類のチャットボット技術が従来の検索エンジンを再発明、あるいは代替する態勢を整えたことで、Googleは同社の主要な検索ビジネスに対する初めての深刻な脅威に直面している可能性がある。ある幹部は、これが同社の将来を左右すると評する。
検索生み出す収益は同社全体のそれの8割に及ぶという(記事)。そのような強力なビジネスモデルを持てば、この刷新に向かうことは難しくなると、New York Timesの記事は結論として述べている。
AI創造作品、「人工合成メディア」への懸念
【ご紹介】:
日経MJ紙への寄稿が日経電子版に掲載されました。よろしければご覧下さい。➡ AI創造作品、「人工合成メディア」への懸念

NHK、BBCなどと偽情報対策で連携へ【ファクトチェック通信】

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

NHK、BBCなどと偽情報対策で連携へ【ファクトチェック通信】
【ご紹介】:
FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)が時々のファクトチェックに関連する話題を配信するニューズレター「ファクトチェック通信」にWeb版ができました。ぜひご活用下さい。

Disruption This Week—–16/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月12日から2022年12月16日まで。

An Alternate Reality: How Russia’s State TV Spins the Ukraine War
【有料購読者向け記事】:
米New York Times、ロシア最大の国営メディア企業「全ロシア国立テレビ・ラジオ会社(通称VGTRK)」から流出した膨大なデータからメール通信部分を分析。ウクライナ侵攻開始後のやり取りから、数々の情報工作(キャンペーン)の実態を明らかにした。
ユーチューバー、映像権売却で大金獲得
【有料購読者向け記事】:
「同氏(=ジャスティン・ワトキンス氏)はあるスタートアップ企業からの売り込みに驚いた。それは、同氏が制作した何千もの古い動画から得られる広告収入と引き換えに200万ドル(2億7000万円)以上を受け取らないかというものだった」。

——過去の投稿記事をめぐる権利を売却するような取引がYouTuberにも生じている。もちろん、このトレンドは音楽業界で起きており、ビッグネームが次々と過去の楽曲をめぐる権利を手放している。個人的にはこのスキームをより小型にして汎用化できないものかと考える。もちろん、それもまた今起きているトレンドだ。

Synthetic media forces us to understand how media gets made
「実在の人物がしてもいないことをしているリアルなシーンや、性的な女性の画像、あるいは戦争犯罪の偽画像の氾濫を簡単に偽造できるようにすることは、決して笑えない事態だ」。
“ジェネレーティブAI”が生み出す人工合成メディアの時代に備え、取り組む動きを紹介・論説する記事。
Twitterの「シャドウバン」の実態を暴露するイーロン・マスクお墨付き社内文書「Twitterファイル」第2弾が公開される
「Twitter Japanの公式アカウントが2020年に『Twitterがシャドウバンを行っていると指摘されますが、現在も過去にも行ったこともありません』と述べるなど、Twitterはシャドウバンの実施を否定しています。
そんなシャドウバンの実態を明かす『Twitterファイル』第2弾が、2022年12月9日に公開されました」。

——昨日から紹介しているTwitter社内で行われてきた恣意的な投稿検閲(党派的な偏りから投稿を排除するなどの行為)、“シャドーバン”について、第2弾の報道が米国で行われている。記事はそれを紹介したもの。興味深い事例が含まれている。

Will your paywall kill your website traffic (and ad revenue)? | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
従量型ペイウォール(たとえば、月々一定数の記事は無料とし、それ以上を有料とするような運用)を推進する筆者が、設計によってペイウォール化しても読者流入、広告収入などを激減させることはなく、むしろ向上させるケースがあるのだと論説する記事。
Bari Weiss reveals business plan for buzzy new media startup
Elon Musk氏がSubstack買収に関心を持つようになった背景? New York Timesコラムニストを辞め、Substackニューズレターで独立メディアを立ち上げたBari Weiss氏の話題。Musk氏提供の資料でTwitter内部における“影の検閲”体制を暴いたことから知名度急上昇だ。
Who will win digital advertising’s ‘Game of Thrones’?
米Insider Intelligenceアナリストらによる、2023年のデジタル広告市場予測。15年にはGoogleとMetaで8割近くを占めるという複占状況が相当程度崩れる。市場伸長のわずか15.8%を両社が占めるのみに。では成長株は…? チャートを見れば一目瞭然だ。
The traditional story structure gets deconstructed
「ニュースのテクノロジーは大きく変化しているが、今日の記事の基本構成は、例えば1932年のものと大きくは変わっていない」と指摘し、新興メディアのAxiosやSemaforなどについて触れ、今後のChatGPTなどとのインタラクションに可能性を見る論説。短いが刺激的だ。
How ChatGPT could disrupt the business of search
米Axiosが「ChatGPTがどう検索ビジネスをディスラプトするか」との論説。簡単な質問を文書で入力すると、ひとつのまとまった文章で回答を返してくれるChatGPT。あふれかえる候補群とリンクの束がかえってくるのとどちらが消費者にとって魅力的に見えるか? 答えは見えている。
BBC preparing to go online-only over next decade, says director general
英BBC会長Tim Davie氏、今後の10年間で放送を終了し、BBCがオンライン専業となるビジョンを呈示。
「やがて、リニア放送は減少し、よりカスタマイズされたオンラインサービスが提供されることになるだろう」「BBCを1つの提供物(アプリ)にまとめる」とも述べた。
実践ノウハウ公開!ニュースレターとポッドキャストで「個人メディア」 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着です。個人メディアの運営にまつわるノウハウ、実践記をお届けします。ぜひご参考に。

Disruption This Week—–25/11/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年11月21日から2022年11月25日まで。

Knowing the news: How Gen Z and Millennials get information on essential topics
AP通信と米国報道協会が協力、米国16歳から40歳(Z世代・ミレニアル世代)がさまざまなテーマのニュースとどう接触しているのか多角的に調査したメディアインサイト・プロジェクト概要。「難しい(ハード)ニュース」「使える(役立つ)ニュース」などの分類が参考となりそうだ。
【コラム】ツイッターが日本で見い出した価値、イーロン・マスク氏は守れるか-ガロウド
「イーロン・マスク氏によるツイッター買収について議論はあるが、マスク氏には正しい点が少なくとも一つ存在する。ツイッターが『ニュースのオープンソース化のようなものだ』という認識だ…(日本では)ツイッターは情報共有や避難所探し、安否確認、危険時の救援要請のために利用された」。

——Twitterをめぐり情報の公共圏を考えるようなことも、日本ではずいぶん以前から語られてきた。いま、マスク氏によって思い出されるという皮肉。

コンテンツを自動生成するAIに「著作権」の課題、その命運を握るかもしれない集団訴訟の中身
「(GitHub)Copilotのライセンスでは、コードにはクレジットのような帰属の表示が義務づけられている。これに対して訴訟を起こしたプログラマーたちは、ライセンス下にあるオープンソースプログラムをCopilotが複製する際にGitHubが帰属を示しておらず、著作権を侵害していると主張している」。

——GitHub Copilotは、記事が解説するように、プログラマが書き始めたコードをAIが補完してプログラム全体を生成する“創造的なAI”の応用事例。Copilotはその利用にクレジットを求めるが、そもそもこの技術自体、膨大なプログラマらのオープンなコードを学習したことにより作り出された(とクレジットを明記もしていない)という不満や批判があり、これが集団訴訟に繋がっている。先に紹介したStable Difusionの事例と同様、ジェネレーティブAIが引き起こす社会的インパクトが広がろうとしている。

Stable Diffusion made copying artists and generating porn harder and users are mad
最もホットな分野、ジェネレーティブAIの代表格Stable Diffusionが新バージョン(Ver.2)がリリースされた。各種機能改善が図られたのは当然だが、話題はポルノ系の出力や特定アーティストのタッチ模倣が抑えられたことだ。これが一部マニアらの不満を呼んでいるとの記事。
Stable Diffusionが法令遵守や公序良俗問題にどう対処していくかは、今後のこの分野の発展を見通す上で重要だろう。
New product thinking resource for newsrooms has launched
報道系メディアで“プロダクト指向のメディア”を考える人々のコミュニティ「News Product Alliance」(NPA)は、メディア関係者向けに300以上のオープンな教材を集めたライブラリを公開したとする話題。
教材のテーマは、読者エンゲージメント、多様性と包括性、リーダーシップと人材管理、ビジネスモデルと収益化、製品設計、技術など多岐にわたる。Google News Initiative(GNI)の支援を受けたプロジェクトだ。
Media layoffs spike amid recession fears
調査会社Challenger, Gray & Christmas社調べでは、米メディア業界では今年10月までに3,000名がレイオフされ、それは今後も続くとされる。先ほど紹介したDisney以外にも、Warner Bros. Discovery、Paramount Global、Comcastなどでレイオフが進行中か計画されている。
記事は、2020年にも起きたが、その際は新型コロナ禍に見舞われたことで、政府の公的支援が潤沢にあった。現在、それはないとも記事は伝える。
AIが書いたコンテンツ、見分けるのはもはや至難
【有料購読者向け記事】:
「AIコンテンツサービスは大盛況だ。そのためコンテンツ制作者の生産性は向上している。だが同時に、自動生成コンテンツだと誰も気づかないものも作れるようになった。他の種類のAI生成コンテンツ(画像や動画、音声、合成されたカスタマーサービス係など)に関しても同じことが当てはまる」。

——私たち消費者が目にする(耳にする)コンテンツの多くにAI生成によるものが増えているとし、その事例を紹介する記事。実際、今日目にしたDisney内の異変を伝えた第一報は、Bloombergの「Automation」生成記事だった。

TikTokは中国の監視手段、米上院議員が超党派で相次いで警告
共和党のコットン上院議員:
「それは単にティックトックにアップロードされるコンテンツだけでなく、電話端末や他のアプリの全てのデータ、あらゆる個人情報、それに顔画像や目が端末のどこを見ているかの情報も含まれる」。

——広がる政治家によるTikTok排除論。妥協的なバイデン大統領のTikTok容認をめぐる政治的な動きという面もありそうだ。

The Future of Podcasting Isn’t Just Audio; Taylor Swift and MrBeast Break Records
【有料購読者向け記事】:
Lightspeed Venture Partnersのパートナー Michael Mignan氏、今後はビデオポッドキャストが動画サービスと境界をなくしていくとの予測を語る。ポッドキャストがSpotifyとAppleに支配されているのに対して、市場の多様性が期待されるとも述べる。
インテル、96%の精度でディープフェイクを検出する新技術「FakeCatcher」
「Intelのプレスリリースによると、FakeCatcherは「われわれを人間たらしめるもの、すなわち動画のピクセルに表示される『血流』を確認する」ことにより、ディープフェイクをリアルタイムで検出できるという」。

——「顔から血流のシグナルを収集し、アルゴリズム使って変換することで、動画が本物かディープフェイクかを判別できる」のだという。これがどの程度精細度の高い(低い)動画データで可能になるのかが知りたいところだが、重要なアプローチ。

Disruption This Week—–11/11/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年11月7日から2022年11月11日まで。

GPT-3活用で10日で開発 アイデアとスピード勝負の有料AIライティングサービスはどうやって生まれたのか?
「10回の文章生成ができる無償プランのほか、月間100回利用できる3000円のプラン、使い放題の9800円のプランなども用意している。すでに数百アカウントが有料プランに移行した。サービスの中では、大量に文章を考えなくてはならない運用広告向けのツールが継続的に利用されている」。

——そのクオリティは記事の中の実例である程度見て取れる。未来はこうなっていくのかという感想を持つ。AIによる創作機能ではもっと壮大なアイデアも出てくるだろう。興味深い。

電子漫画サービス「ピッコマ」営業利益が過去最大 日本アプリ市場で売上1位
「・日本国内のアプリ全体(ゲームカテゴリ含む)の売上第1位
・グローバルマンガアプリの売上第1位
・グローバルアプリ全体(非ゲームカテゴリ)の売上第7位
・グローバルアプリ全体(ゲームカテゴリ含む)の売上第20位」

——「ピッコマ」の累計ダウンロード数は、2016年4月のサービスインから3,600万に“過ぎない”が、売上をともなう有料課金アプリとしては、多大な影響力をアプリ界にもたらしているといえる。そのエコシステムの広げ方に興味をもつ。

Meta、社員1万1000人解雇を正式発表 CEO「世界のオンライン移行、期待通りにならず」
「Metaが10月に発表した第3四半期(7~9月)の決算では、売上高は前年同期比4%減の277億1400万ドル、純利益は52%減の43億9500万ドル(1株当たり1ドル64セント)に。前四半期に続く減益となり、さらにその幅を広げていた」。

——問題はその要因なのだが、記事では「主力の広告事業が減速した他、Questシリーズのヘッドセットやメタバースを担う『Reality Labs』の売上高がほぼ半減していた」としている。同社が未来に期待を賭けるVR関連が伸び悩んで(?)いることは数字以上のインパクトのはずだ。

ロシア軍に監禁されたウクライナの子どもたちが書いた「落書き」の意味 | 東洋経済education×ICT
「フォトグラメトリ」という手法を用いて戦争のデジタルアーカイブに取り組む東京大学大学院 情報学環 教授の渡邉英徳教授。動画を観て、自分は、戦争報道に止まらないジャーナリズムへの広がりと深まりという可能性を受け止めた。
ロシア大統領に近い実業家プリゴジン氏、米選挙への介入認める
「プリゴジン氏の事務所によると、ロシアが米中間選挙に介入しているとするブルームバーグ(Bloomberg)の報道についてコメントを求められた同氏は『われわれは介入したし、介入しているし、今後も介入するだろう』と発言した」。

——“大統領の料理人”と呼ばれて有名なプリゴジン氏。同氏はレストラン運営や給食事業などでプーチン大統領に近い関係を築いてきた。同時に、現下のウクライナで戦闘行為を続ける民間軍事会社ワグネルを設立運営するなど十分にグレーな事業に携わるが、2016年大統領選などでも顕在化したロシアのトロール工場(偽情報製造組織)を運営してきた疑いも指摘されていた。
今回の発言で、そのトロール工場の運営や、他国への介入の疑いも確定したことになる。

Recession fears shake newspaper industry
「不況は、ローカルニュース(紙)にとり、ほとんど“パーフェクト・ストーム”だ」と、米Northwestern大のTim Franklin教授は述べる。不況は人件費と用紙の流通の高騰をもたらすとする記事。劇減する広告収入に対し、購読料収入は逓増に止まる。ここにコスト増が加わるというわけだ。
Bloomberg EIC to staff: Be careful using Twitter as a source - Talking Biz News
米Bloomberg News編集長、編集スタッフに向け、「最近のTwitter社の変化によって、ニュースソースとしてTwitterを利用する際のリスクが高まっている。誤報やデマを見極めるための警戒を怠らないようにしなければならない」と社内メールで注意喚起。
メタとGoogleの決算から垣間見える、 プラットフォーム 時代の終焉 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「JPモルガン(J.P. Morgan)によると、前回の金融危機時にデジタルメディアが広告費全体に占める割合は12%だった。2021年の割合は67%だ。広告予算が大きくなればなるほど、その金額と、ひいてはそれを資金源とするメディアオーナーたちも、マクロなトレンドの影響を受けやすくなる」。

——種々の視点から、プラットフォーム+広告+(背後のデータ寡占化)による進撃の低迷を指摘する記事。社会的な視点からの抑制も利いてきているとするが、最も説得的な箇所が引用部分。

Silicon Valley's pivot to paid
米シリコンバレー(テック企業群)が、広告離れを模索し始めた。もちろん、景気後退局面に差し掛かっているという側面もあるが、文化として広告主による支配を嫌うという点もあると指摘する論。Elon Musk氏がTwitter収益源をめぐり転換をめざすこともその文脈から理解できそうだ。
[更新]Netflixの「広告つき」新料金、一部のNHK作品等が広告なしの理由…月額790円、国内でも開始
「広告の頻度としてはテレビCMとほぼ同じはずだが、作品を視聴している最中にブツ切りで広告が割り込んでくるため、体験としてはあまり良くない。YouTubeと同じだと言えばその通りだが、体験の悪化が200円の差額に見合うかは、議論がありそうだ」。

——日本でも始まった「広告表示付き廉価版」のNetflix。従来990円だった「ベーシック」プランがベースに、ダウンロード不可などの制約と広告が表示。体験したBusiness Insider Japan編集長の伊藤氏がリポート。

Disruption This Week—–4/11/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月31日から2022年11月4日まで。

Crime group hijacks hundreds of US news websites to push malware
サイバーセキュリティ企業Proofpointによると、サイバー犯罪者グループがあるコンテンツプロバイダに浸透、米国内数百の報道機関のウェブサイトにコンテンツを配信しマルウェアを拡散しているという。コンテンツプロバイダの名前は公表されていないが、対策中だという。
What types of local news stories should be automated? The Toronto Star is figuring it out
AIが自動生成した記事(報道)をジャーナリズムはどう評価すべきか。カナダThe Toronto Starの実践で、ローカルニュースメディアと記事自動生成がフィットする分野の数々が明らかに。さらに自動化を推進することで戦略的な分野に人手を割くことができるともする内部の声。
Insider overhauls subscription strategy in face of recession fears
他のメディア同様、広告収入の減退に見舞われている米Insider。力を注いできたペイウォールシフトを見直し、Insiderで定評のあるビジネストレンド解説記事を“壁”の外に多く配置するという戦略変更に取り組む。グローバル編集長が取材に応えた記事。要は無料記事と有料記事の配分を見直すということ。
TikTok tells European users its staff in China get access to their data
TikToko、欧州におけるセキュリティポリシー責任者が、プライバシーポリシーの変更と明示によって、中国拠点など国外のスタッフが欧州をはじめとして、米、ブラジルその他の国々のユーザデータに触れることが可能と言明。厳格な手続きと認証を経た上でとしている。
Disney Tries Mixing Streaming With Shopping
【有料購読者向け記事】:
来週火曜日まで、Disney+の加入者は、「スター・ウォーズ」、「アナと雪の女王」などに関連する新商品を独占的に購入できる(以後は、一般販売)。商品には、ライトセーバーのコレクターアイテム(250〜400ドル)やテーマに沿った衣服(27〜ら100ドル)などがある。Disneyがストリーミングの世界の上で、リアルビジネスで築いてきた商売を投入する。事の成否はこれから試されるが、同社がDisney+でやりたかったことが現実になってくる。
Why Semafor's CRO Rachel Oppenheim is putting clients first while building an entirely ad-based revenue model
新たに立ち上がったばかりの注目メディア「Semafor」。同社の収益責任者(CRO)に聞くビジネス戦略。購読を基盤とすることでレピュテーション向上を求める大手広告主にアピールする。そのためにも、運用型でなく手売り広告ビジネスに注力しているなどをアピールする。
2万件超すフェイク記事・サイトの6割で、Google広告が収益を支える 初の大規模国際調査
「『プロパブリカ』が調査対象としたフェイク記事は1万2,000件超、フェイクサイトは約8,000件。このうち、6割近くがグーグルからの広告配信を受け、収益を上げていた。
中でもトルコやバルカン半島、ブラジル、アフリカなどの非英語圏で、フェイク記事・サイトにグーグルが広告配信をしている割合が高く、6割超から9割に上っていた」。

——先日紹介した米ProPublicaによる調査報道記事を、平和博氏が詳しく解説している。そもそも2016年の米大統領選で浮上した、“金稼ぎ”目的の偽ニュース生成トレンドの猛威は、この運用型広告をページに貼り付けておけば、フェイクな記事でひと儲けできるという発見から生じていた。その段階から改善、クリーンアップが進んでいないという事態が指摘されたわけだ。

出版状況クロニクル174(2022年10月1日~10月31日) - 出版・読書メモランダム
出版科学研究所による22年1月から9月までの出版物推定販売金額:
「前年の9月までは9179億円、前年比0.5%増で、最終的に1兆2079億円、同1.3%減であった。だが22年は8559億円、同6.8%減という事実からすれば、1兆2000億円を大幅に割りこみ、1兆1000億円前半の数字に近づいていくことが確実だ。
ピーク時の1996年は2兆6564億円であり、定価値上げなどを考えると、3分の1近くの販売金額となってしまう」。

——引用箇所どおり、22年の出版物の推定販売金額は、1兆円に限りなく近づく見込みとなってきたようだ。96年からの下落ぶりはすさまじい。

U.S. adults under 30 now trust information from social media almost as much as from national news outlets
「30歳未満の米国成人は、SNSからの情報を、国内報道機関からの情報とほぼ同程度に信頼している」。米Pew Research Center調べ。年齢層別に対比して見られる。当該年齢層ではローカルニュースが62%、全国ニュースが56%、そしてSNSが50%と肉薄。時系列推移も興味をひく。
友人に賛辞を送るSNSアプリ「Gas」…アメリカのApp Storeで1位に
「位置情報と連絡先情報をアプリに同期させると、1時間ごとに更新されるさまざまな『友人に関する投票』に匿名で投票できるようになる。その内容は友好的な褒め言葉から、軽い愛の告白まで、いろいろな種類があり、投票してもらえると受信トレイに『炎』が送られる」。

——SNSに新たな“カウンター”の動きが生じている。すでに話題になっている「BeReal」がその筆頭だが、この「Gas」もそうだ。ある種のコンテストへの参加を求めるものだが、それは友人に対する褒め言葉などに投票をするといったポジティブなもの。米国内でも一部地域での人気急騰だが、全国化する動きに。

NBC News, Washington Post, SmartNews apps retool content packaging ahead of midterms
【ご紹介】:
11月8日の投開票を前に、米のニュースメディア、アグリゲータらが中間選挙に向けた特別報道態勢を準備している。記事はSmartNews USの取り組みも詳しく紹介しています。