Disruption This Week—–4/4/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年3月31日から2025年4月4日まで。

No one knows how to define a 'podcast' anymore — and it's become a problem
【有料購読者向け記事】:
ビジネスは奇妙な生きものだ。米国を中心にポッドキャストが躍進し、だれもがそれに取り組んだ結果、その定義や輪郭があいまいになっている。最新の調査では、米消費者の過半がYouTubeで視聴できるものをポッドキャストと見なすと答えているという。
Perhaps Google is really worth nothing to the news industry
深い自覚があってか、ないのか不明だが、Googleは、「ニュース」コンテンツが自分たちにとって無価値だと証明しようと躍起だ。AIはさらにそのプロセスを進めるのかもしれない。だが、今度はGoogleがニュースにとって無価値なのだと言う番だとする論説。
グーグル検索をやめてAIに乗り換えてみた
【有料購読者向け記事】:
「筆者は古い検索のパラダイムをシフトすることに賛成だが、AIに対する懸念もある。これらのシステムはインターネットから回答を吸い上げるが、元の情報源に誘導することはほとんどない。
信頼できる情報源(まさにこの媒体など)は、可視性、購読者、トラフィックを失う可能性がある」。

——注釈を入れておくと、上記の引用箇所は、AIとGoogle検索を使い比べた上での、結論に近い部分。AIに訊ねて得られる良好な結果は数多いことが、記事では示されている。上記の結論は識者のフェアな総括だが、さて、一般の消費者は同様の視点を持てるだろうか。

Tariffs don’t all act the same
“関税はどれも同じではない”——。
関税が積み増されることで、商品の販売動向はどう変化するのか? 洗濯機、タイヤ、TV、スマホ…と各種商材がどのような売れ行きを見せたか、米国内の過去の実績を使いReutersがビジュアル化。アプローチもビジュアル化も勉強になる記事。
YouTube is about to eclipse Disney as the biggest media company in the world
【有料購読者向け記事】:
例えば、従来のメディア企業やストリーマーとは異なり、YouTubeには他への優位性を示す象徴的なプログラムや映画作品はない。「ストレンジャー・シングス」や「バービー」はない。そのYouTubeがDisneyを抜き世界最大のメディアになろうとしている。
米の攻撃計画チャット漏洩「シグナルゲート」スクープが示した、新トランプ時代の「調査報道」とは?
「記者と報道機関はリアルタイムで間違いなく情報を入手し、それをどう扱うべきかを知っていた。
(中略)
スクリーンショットがあった。タイムスタンプ付きで。そして、この政権でさえ否定する方法がわからないような形で、実名やイニシャルが付けられていた」。

——何度か紹介している、Trump2政権下で起きた「Signal Gate」。メッセージングアプリSignal上のグループチャットで、政権幹部がかわしていた野放図な戦争情報。入手した記者は、安全保障上の配慮と国民の知る権利の両面に配慮して、政権幹部らが否定し得ないアプローチで報じた。平和博さんの記事で、それを学ぶことができた。

Vox sees boom in paying readers for explainer journalism under Trump 2
Trump2が、米メディア業界に与えたのは、排除や圧力だけではない。“解説(Explainer)”を看板にするメディアVoxでは、Trump氏が大統領就任後の2か月で有料購読者の増加率が350%となった。編集長Swati Sharma氏へのインタビュー記事。ニュース忌避へのアプローチを語る。
ChatGPTで「ジブリ風」イラスト作って問題ないの?福井健策弁護士が「著作権のポイント」解説 - 弁護士ドットコムニュース
「アイデアは模倣自由であり、それを超えた特徴的表現の模倣は自由ではない、これが現在の世界の著作権の基本ルールです。ただ、生成AIの登場でこの原則がゆらいでいます」。

——作風の模倣レベルは、人間文化の推進力として容認できるものの、「原則がゆらぐ」のは、AI企業が「特定の個人・団体の作品を複製して学習することがどこまで自由か」という課題だと指摘する論。

環境省の除染土パブコメ、20.7万件の96%が同一文章 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「東京電力福島第1原子力発電所事故で生じた除染土の再利用に関する省令案について、一般から意見を募るパブリックコメント(パブコメ)の提出意見数が20万7850件だったと発表した。2024年度の日本政府によるパブコメで最多となった。文言が完全に一致した重複の投稿は96%を占め、同一人物からの大量投稿も目立った」。

——これはこれで衝撃的な数字だが、その先には「文言が完全に一致」しないが、内容は同様というコメントを機械的に大量生成する時代がもうやってきている。それをチェックできるか。

Bloomberg Has a Rocky Start With A.I. Summaries
【有料購読者向け記事】:
米Bloomberg Newsは、今年から公開しているAI生成による記事要約(冒頭に箇条書きを付加する)を、少なくとも30件訂正している。その一つは、つい先日、Trump大統領の自動車関税をめぐるニュース報道で生じたと、米New York Timesが指摘。

Disruption This Week—–14/3/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年3月10日から2025年3月14日まで。

Meta's Community Notes will use open-source technology from Elon Musk's X
米Meta、新たに利用を進めるクラウドソーシング型のモデレーションツールに、Xで利用されているコミュニティノートの(オープンソース)アルゴリズムを採用したと発表。今後はそのアルゴリズムを発展させていくことも表明。

「AI検索、メディアには痛手 サイト訪問9割減」を解説 – 日経デジタルガバナンス

NIKKEI Digital Governance(日経デジタルガバナンス):デジタル・AI時代のガバナンスを伝える専門メディア

「AI検索、メディアには痛手 サイト訪問9割減」を解説 - 日経デジタルガバナンス
【有料購読者向け記事】:
「トールビットのトシット・パニグラヒ最高経営責任者(CEO)は米誌フォーブスの取材に対し『ユーザーがAIに何かを質問するたびに、AI開発会社がウェブサイトを攻撃している』と指摘。AI開発会社によるスクレイピングが猛烈なペースで伸びているのに、サイトに流入するトラフィックが減少する傾向があるとして、報道機関・メディア業界の関係者に警鐘を鳴らしました」。

——残念ながら、AI開発企業とメディア企業の間には、ウィンーウィンの関係は今のところ生じていないという見立てが論じられている。

Substack Surges Past 5M Paid Subscriptions, Thanks to Video and Trump (Exclusive)
米ニューズレター配信のSubstack、有料会員数が500万人を突破。わずか4か月前には400万、1年前の300万からの急増。同社共同創業者のHamish McKenzie氏が、米メディアHollywood Reporterに述べた。原動力はもちろん、米新政権の疾風怒濤の動きへの情報需要が背景にある。
また、同プラットフォーム上では、従来レガシーメディア上で名を馳せた著名ジャーナリストらが続々、アカウントを開設しているなど、メディア界の混とんも要因だとする記事。
SNS規制なのか? 政府が「情プラ法」4月施行を閣議決定 “第三者”による削除要請が物議
「ガイドラインでは、誹謗中傷などを受けた本人以外──つまり第三者からの削除要請についても『速やかに対応を行うことが望ましい』としている。X(旧Twitter)などでは、これが単に都合の悪い投稿を削除させる『SNS規制』につながりかねないとして問題視する声も上がっている」。

——本人以外の第三者からの削除要請への対応義務化は、「SNS規制」につながるのかどうか。私には微妙な一線に見えるのだが。はてさて。

With launch of AI Mode Google threatens to bleed news media dry
試行が始まったGoogle検索における「AI Mode」。英メディアPress Gazetteは、AI Overview以上にメディア運営者の収益を枯渇させるとして、Googleに対し12の問題点を指摘、回答を求めた。

音声AI進化、新Alexaは自然な会話に 詐欺や漏洩リスクも – 日経デジタルガバナンス

NIKKEI Digital Governance(日経デジタルガバナンス):デジタル・AI時代のガバナンスを伝える専門メディア

音声AI進化、新Alexaは自然な会話に 詐欺や漏洩リスクも - 日経デジタルガバナンス
【有料購読者向け記事】:
「2月26日、ニューヨークのイベント会場。アマゾンのデバイス・サービス部門トップ、パノス・パネイ上級副社長が200人超の記者を前にライブで見せたデモは滑らかでした。新型のアレクサ・プラスは基盤モデルの力で『コミュニケーション力』がぐっと上がりました」。

——Alexa+はアンソロピックとの協業だという。記事は先月末にAmazonが開催したイベントでの新Alexaのデモ。ChatGPTのアドバンスド音声モードなどを利用していても、会話モードが決してネイティブではなくイライラさせられる。この分野での進化や、記事で強調されているデバイス連携は、人々の生活に浸透する際の重要テーマ。同時に個人情報漏洩リスクとも隣り合わせだ。

OpenAIのDeep researchを上回っていると称するAIエージェント「Manus」を中国のスタートアップが発表
「Manusのデモ版で実行されたいくつかのタスクについては、ログを確認することができます。以下のデモは、『7日間の日本旅行の計画』をManusに立てさせたもの。ログを再生すると、Manusが日本旅行に関するさまざまなウェブサイトからデータを収集し、時期や予算感、興味のある物事に応じた旅行計画を立てていることがわかります」。

——ちなみに、この記事にもあるように、Manusは日本語で利用可だ。問題はリソース制約の関係か、試用には順番でアカウント開設を待たされることだ。

WSJ publisher Almar Latour on preserving press freedom and the promise of AI
米テック系メディアVerge編集長Nilay Patel氏、Dow JonesのCEOでWall Street Journal発行人のAlmar Latour氏にロングインタビュー。DJとOpenAIとの取引やインタビュー直前にWSJがエンジニアチームをレイオフしたことなどを厳しく追求した。中小規模のテックメディアといえども、ジャーナリストとしての矜持を見せつける。
米紙WPのコラムニスト辞任-ベゾス氏批判するコラム不掲載後
「同紙(=米Washington Post)のオーナーでアマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏がオピニオン欄の編集方針を変更したことなどを批判するマーカス氏のコラムが、ウィル・ルイス最高経営責任者(CEO)によって不掲載とされていた」。

——Washington Postと同メディアのオーナー、ジェフ・ベゾス氏との緊張関係が、より高まっている。経緯は記事に譲るが、今後、ベゾス氏はWPの売却という選択肢も検討することになるのではないか。12年間続いたベゾス氏との関係が今後どうなっていくのか。

The Future of News Looks Niche
【有料購読者向け記事】:
米テック関連メディアThe Informationを軌道に乗せた創業者Jessica E. Lessin氏は、メディア投資家でもある。
「私は常に、真の専門知識を持つ創業者を求めてきました。大手メディア企業はニッチ市場を無視していると思います。規模が小さすぎると考えているのです」。
同氏は最近投資を行ったテニス専門メディア「Racquet」での読者体験を熱く語る。

Disruption This Week—–21/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月17日から2025年2月21日まで。

ESPN plans to add user-generated content to upcoming 'flagship' streaming service
米Disney、傘下のスポーツ専門メディアESPNで計画するストリーミングサービスで、若い観客層の獲得を目指してUGC(ユーザーが作成したコンテンツ)サービスを付加する計画。今年後半にサービスイン予定だとする米メディアCNBCによる報道。もちろん、ユーザー数を成長させるYouTubeを意識してのものだ。
The New York Times will let reporters use AI tools while its lawyers litigate AI tools
すでにSemaforによるNew York Times社内でのジェネレーティブAI利用を紹介したが、記事はその補足的な解説。NYTの訴訟相手であるChatGPTやGitHub Copilotなどのッツールが、利用を許可されたとの皮肉な結果に。

A German news outlet got rid of its comments section — and asks readers to debate instead
ドイツの著名Webメディア「Der Spiegel」では、従来、記事へのコメント欄を提供していたが月間170万コメントに及び、管理不能に。現在はモデレーターがアジェンダを決める「ディベート」フォーラムの運用に転換。閲覧はオープン、投稿は購読者限定とし質の向上を図った。
Q & A: Leigh Kamping-Carder, The Wall Street Journal | 99 Newsletter Project
米Wall Street Journalは、米国新聞メディアのなかでも多数のニューズレター・タイトルを取り揃えてきた。その実務責任者Leigh Kamping-Carder氏(Head of Newsletters)に、これまでの経緯と、成功するビジネスの秘訣や内情などをインタビューした記事。
AIデバイス「Ai Pin」即時終了──HPによるHumane買収で
「HPはこの買収により、『ローカルとクラウドの両方でAIリクエストをシームレスに調整する新世代のデバイスを開発する能力が急速に高まる』としている。
Humaneの共同創業者で元Appleのエンジニア、イムラン・チャウドリ氏とベサニー・ボンジョルノ氏はHP入りし、HPの製品とサービス全体にわたるAI関連システムに取り組むイノベーションラボ『HP IQ』を立ち上げるという」。

——Ai PinはジェネレーティブAIをウェアラブルに応用しようとした先駆的な取り組みだった。ハードウェアに蓄積のあるHPで新たな可能性を開拓してもらいたい。

ABCs: 55% of digital magazine circulation comes from Spotify-style services
ABC公査を受けた英語版雑誌のデジタル版発行部数の平均は1号あたり300万部(無料配布を除く)で、2023年と比較して14%増加。24年のデジタル雑誌の総発行部数のうち約160万部、つまり55%は、Apple News+、Cafeyn、Kindle Unlimited、Readlyなどのサービス経由だと明らかに。
ChatGPTが“視覚”を手に入れた!ライブカメラ機能でチャットがもっと便利になった | ライフハッカー・ジャパン
「ライフハッカー・ジャパンの記事をブラウザで表示し、ChatGPTに『なんの記事?』と尋ねたところ、ChatGPTは『ライフハッカー・ジャパンの記事で、ChatGPTがものを認識できるようになったことについての記事です』と答えました」。

——「ライブカメラ機能」とは、要するにChatGPTにカメラという視覚を加えるものだ。スマホのカメラを利用する。ChatGPTの有料のアドバンスドボイスモードを使っていれば、それに付加できる。記事はどんな目的で利用できそうか種々試しているので,参考になる。

デザインフローにおいてAI化される部分
「図の色分けによって示しているが、現状は薄いブルーで示すように全体的にまだ支援が弱めといえる。弱め、というのは、MiroやFigjamあるいはFigmaなどのコンピュータツールを利用するけれども主体は人間サイドにあるものか…」。

——ソフトウェア製品などの企画、開発などに携わる人々には役立ちそうな議論。一言で「製品化」といっても、これぐらいのパーツで構成される業務だとすると、一段視点をミクロにすると、自動化可能な分野が明瞭になってくる。

失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
「1. インターネットはクローラーに依存しており半分のトラフィックを占める
2. Webサイト運営者はAIクローラーによるデータ収集を恐れ反撃を始めている
3. Webサイトによるクローラー制限はWebの開放性と透明性を損なう恐れがある」。

——よく知られているように、Web界の情報を調べ尽くすためにクローラー(ボット)の役割は欠かせない。最たるものは検索エンジンのクローラーだ。AI開発企業が学習目的でこのクローラーを走らせてているのを、利権上認めないWebメディアが、「クロール禁止」の動きを強めており、結果として他のクローラーも弾かれ、さらにペイウォールなどの増加でWeb界の見通しが悪くなっていると懸念する記事。

Guardian signs licensing deal with ChatGPT owner OpenAI
米The Intercept、The New York Timesらが、OpenAIによる“無許可の学習”行為を訴える中、英GuardianはOpenAIとコンテンツライセンスを提携。すでに契約を締結しているパートナーには英FT、独 Axel Springer、米Hearst、そして豪News Corpらがいる。

Disruption This Week—–24/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月20日から2025年1月24日まで。

AI支援で非常事態宣言へ、現在の倍のエネルギー必要=トランプ氏
「トランプ氏は世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で行ったリモート演説で、『AIがわれわれが望むほど大きく成長するために米国が現在保有するエネルギーの倍の量が必要になるというのが大きな問題だ』と述べた」。

——話題の「Stargate」は、そのまま巨大データセンター構築プロジェクトでもある。世界では情け容赦なくデータセンターの建設が進むが、最大の懸念は言うまでもなく電力の供給。日本でも規模に差異はあるにせよ、データセンター=電力供給は待ったなしなのだが、大丈夫?(国内のデータを、いつまでも海外の巨大ITに預けるのが得策かどうか)

OpenAIの新モデル「o3-mini」完成──サム・アルトマンCEOが報告 約2週間後にリリースへ
「o3はo1 pro modeよりも賢くなると説明。o3シリーズの上位モデルと思われる『o3 pro』の存在をほのめかす投稿もあり、ユーザーからの『o3 Proは月2000ドルになるのかい?』という問いに『いいえ、200ドルだ』と回答した」。

——その高度な推論能力で、“汎用人工知能に近づいた?”と話題の「oシリーズ」に、早くも次世代版「o3」が登場。その「mini」では、推論時間をぐっと縮めているらしい。人間一人雇うことを考えた上で、支払える月額を検討しなければならない時代がやってきそうだ。

メタ、第三者ファクトチェックを米国外では継続へ-「当面の間」
「『フェイスブック』や『インスタグラム』を傘下に置く米メタ・プラットフォームズは、同社が米国で運営するソーシャルメディア上では第三者によるファクトチェックを終了するとしたものの、国外ではそうした慣行を『当面の間』継続する方針だ。同社のグローバルビジネス部門責任者ニコラ・メンデルソーン氏が明らかにした」。

——記事のコンテキストが示すように、EUの法制によるモデレーション義務に従う方針を維持する方向のようだ。これも長く維持されるのかどうか。

SNSの光と影 MIXI笠原氏、AIエンジニア安野氏らに聞く 安野貴博氏/佐々木裕一氏/笠原健治氏 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
東京経済大学教授 佐々木裕一氏:「SNSで似た意見にばかり触れるエコーチェンバー効果に対する専門家の見方は定まっていない。むしろ、多様な情報に触れてもゆっくり考えず、物事を単純に判断するようになったことが問題だ」。

——このコメントには同意。世の“識者”やそのコメントを鵜呑みにする(一部の?)記者らは、口を揃えて「アルゴリズム=悪」論を説くが、その根拠は単純なレコメンデーションを指しているケースが多い。佐々木氏らの研究でも、YouTubeアルゴリズムは、そんな単純なもの(お好きな話題をたらふく的な)でないことは示されている。
佐々木氏の引用箇所は、それよりも、大量の情報の処理に対して脊髄反射を続けることの問題点を指摘する。カーネマンらが指摘した“速い思考”の弱点が、大いなる問題なのだろう。

The Playlist Power Broker Who Makes or Breaks New Artists
【有料購読者向け記事】:
音楽配信サービスSpotifyは、ユーザー(リスナー)に推奨する新楽曲を、アルゴリズミックに抽出するのに加え、社内に130名に及ぶプレイリスト・キュレーターを運用している。記事は、そのチームリーダーSulinna Ong氏に取材、その活動を紹介するものだ。
「ロシアのフェイク工場」Facebookに偽広告配信、欧米制裁の中で8,000件超、5,000万円分
「私たちは、『ソーシャル・デザイン・エージェンシー』が作成したプロパガンダ広告が2023年7月に欧州連合(EU)から制裁措置を受けた後も、EU域内だけで12万3,000回以上クリックされ、それによるメタの収益は最低でも約33万8,000ドルに達したと推定している」。

——平和博さんの投稿から。「ソーシャル・デザイン・エージェンシー」とは、ロシア企業で最近つとに悪名を馳せている影響力工作グループ「ドッペルゲンガー」の後ろ盾となっている組織。
ポイントは、影響力工作に用いているFacebookアドは、こんな小額の予算で、それなりの影響力を及ぼしているらしいということ、そして、そんな小額広告をいちいちチェックして、排除するつもりのないプラットフォーマーということだ。

Fox News Prepares to Cover a Government Filled With Fox News Alumni
【有料購読者向け記事】:
「19人……それ以上」。Trump新政権のスタッフに登用されたFox News出身者(元司会者、コメンテーター、プロデューサー)の数だ。過去これほどまでに時の政権と結びつきの強いメディア企業があっただろうか? と指摘する記事。
アングル:欧州勢が独自の検索サービス確立へ奮闘 米巨大ITに対抗
「広告収入の大半を植林・森林再生活動に振り向けているドイツのユニークな検索エンジン『エコシア』を率いるクリスチャン・クロール氏は、米巨大IT企業頼みになっている欧州の検索サービスに懸念を抱いていたが、今はグーグルやマイクロソフトに対抗する新たな手段を手に入れた」。

——クロール氏らとこの事業を創業した「アベカシス氏はトムソン・ロイター財団に、マイクロソフトが23年2月にビングの検索データの対価を引き上げたことが転機になったと明かす」ということだ。つまり、エコ云々というだけでなく、経済安全保障の側面からも、検索結果の自前生成は重要課題だとする。

サイバー防御法案の概要判明 攻撃無害化、独立機関が事前承認 24日招集の国会に提出へ
「政府は経済安全保障推進法で定める基幹インフラ15業種の事業者らと協定を結び、通信情報の提供を受ける。情報漏洩には罰則を科す。事業者側にはサイバー攻撃による被害報告を義務付ける」。

——議論を行ってきた有識者会議の最終的な提言では、監視する通信については「メタ情報にのみ限定」ではないとする、微妙な守備範囲の拡大を示唆していたと理解する。その微妙な部分は、技術的な拡張なのか政治的な要請なのか、確認したいと思っている。

TikTok、サービス再開へ-トランプ氏は禁止法施行の延期を表明
「同社は『1億7000万人余りの米国人にTikTokを提供し、700万超の小規模企業を繁栄させることにペナルティーは科されないと、トランプ大統領が当社のサービスプロバイダーに明確に保証したことに感謝する』と、X(旧ツイッター)に投稿した」。

——すでに米国内でTikTokが復旧を始めているとの報道も出てきた。なんともいえぬ、ドタバタ感。

Disruption This Week—–17/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月14日から2025年1月17日まで。

GoogleとAP通信、Geminiでのリアルタイム情報提供で提携
「米Googleと米Associated Press(AP通信)は1月15日(現地時間)、GoogleのGeminiアプリにAP通信のリアルタイム情報を提供する新たな提携を結んだと発表した」。

——すでにAPは、他のAIベンダーと提携をかわしている(少なくともOpenAIとは)。多角化路線を走る。そもそも通信社のビジネスは、従来は各メディア社に記事を配信するもの。それが各種AIサービスへと広がる。考えれば、このモデルが広がっておかしいことはない。問題は、それがコンテンツ作成者の長期的な支えになるような堅牢なビジネスなのかどうかだろう。

More than 400 Washington Post staffers send urgent plea to Jeff Bezos: 'We are deeply alarmed'
経営難と幹部離職が頻発する米Washington Post。そのスタッフ400人以上が、オーナーであるJeff Bezos氏宛てに同社幹部との面会を求める書簡。その主張は、「誠実さと透明性の問題」がスタッフの離職を引き起こしているというものだ。
Biggest news publishers on Youtube: 100+ publishers have more than 1m subscribers
英メディアPress Gazette、YouTubeチャンネルで100万人以上の購読者を擁する115の(英語ベース)メディアをランキング。Vice、ABCが1,800万人以上、CNNおよびBBCが1,700万人台で並ぶ。
中でもトップのViceが急伸。CNNをかわした。
TikTok、米従業員の給与支払い約束 19日の禁止法発効控え
「中国系動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』は、米事業を19日までに売却しない場合に米国でのサービス停止を求める新法が最高裁で覆らなかったとしても、米従業員への給与を支払い続けると説明し、懸念の払拭に努めた。内部メモをロイターが14日に入手した」。

——米国内でのTikTok利用禁止にいたる取引終了期限まであと数日。その後を見通そうとする報道が騒がしくなっている。米BloombergはMusk氏が米国内TikTok事業の買収を目指しているとする観測を一方で示している。また、代替アプリをローンチするなどの動きもある。いずれにせよ、本記事であるように、事業を傘下に有するByteDanceは単なる停止を避ける動きを画策しているようだ。

Mirror journalists given individual online page-view targets
英タブロイド紙メディア「Mirror」の各記者は、Web記事のPV目標を与えられているとする記事。同メディア編集長Caroline Waterson氏は、取材したPress Gazette記者に「PV目標を過度に恐れる必要はない。Mirrorは誇り高いタブロイド紙だ」と述べたという。
「Google TV」にもGemini搭載へ 会話で関連YouTube動画も表示
「スマートフォンのGeminiアプリと同様に、音声で質問したり指示を出したりできる。さらに、テレビがアンビエントモードのときにはスマートホーム端末を制御したり、その日のニュースの概要を確認したりすることもできるという。質問に対する結果には複数のYouTube動画も表示され、それらを再生することも可能だ」。

——遅まきながらCES絡みの話題。TVがネットにつながるのは、いまや当たり前だが、TVと人間のインターフェイスにAIが関われば、より一層TVの価値が高まる。“TVは我々のもの”と信じ込んできた放送局にとっては、怖い事態がもう目の前だ。

The Washington Post’s traffic tanks | Semafor
米Washington Postのメディアとしての窮状が改めて明らかに。同メディア(Webサイト)へのアクセスは、2021年1月のピーク時の4分の1以下にまで落ち込んだ。 議会襲撃事件では一時的に約2,250万DAUを記録。だが、2024年の半ばには、DAUは250万〜300万程度に下落しているという。米メディアSemaforからのスクープ。
Polish Putin film using AI to generate Russian leader's face set for premiere
プーチン露大統領を題材にしたポーランドの新作(英語)映画が公開(海外で)。この映画では、AIを駆使した特殊効果でプーチン大統領の素顔を俳優と重ね合わせている。記事内からプロモーション動画が観られる。
米国CTV広告費、2028年に旧来テレビを超える見通し
「イーマーケッター(eMarketer)によると、アメリカのコネクテッドテレビ広告費は2025年に333億5,000万ドルとなる見通し。2028年には468億9,000万ドルとなり、伝統的なテレビ広告費を上回ると予測している」。

——CTV市場の成長はたびたび紹介してきた。YouTubeやNetflixといった広告表示付きストリーミングの成長が、ここまできている。

フォトログ:「人生最悪の光景」、ロイター記者が歩いたロス山火事の現場
米LA郊外の山火事をめぐるロイターのビジュアル報道。英語版のイマーシブ体験を再現できていないが、それにしても、十分に迫力と感動を届けてくれる。