Disruption This Week—–14/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月10日から2025年2月14日まで。

Google、機械学習ベースのユーザー年齢推定モデルのテストを米国で開始へ
「このモデルは、ユーザーが18歳以上か未満かを推定し、それに応じて適切な保護措置を適用することを目的とする。将来的には、この技術を他の国にも展開する予定だ。…傘下のYouTubeのニール・モーハンCEOが恒例の年次書簡で、この技術を年内にYouTubeに導入すると語った」。

——年齢の機械的推計は、オーストラリアでのSNS年齢制限制度の施行などで喫緊の課題。問題はその技術的ブレークスルー。NHKのある番組では、ユーザーの手のひらをカメラで読み取る手法を紹介していた。思わぬ制約からイノベーションが生まれそうだ。

100k Club: 2025 ranking of world's biggest news publishers by digital subscribers
英メディアPress Gazette、10万人以上の購読者を有するメディア(英語ベース)リスト「100k Club」の2025年版を公開。購読者総数は前年比13%増の4,470万人に到達。最大はご存じ、New York Timesで1,080万人だが、2位にはSubstackが400万以上に躍進した。
もし、DeepSeek R1が低コストに実現するAI技術ならば、AIシステムはコモディティ化していく。一方で相対的に価値がますものは、コンテンツだ。DeepSeek のリリースを背景に、メディアが締結してきたAI契約の多くは、ほぼ確実に自社コンテンツを過小評価しているのだとする記事。
Most generative AI responses based on news content contain inaccuracies
BBCの調査によると、ニュースに関する質問に対する4つのAIチャットボットで回答の10件中9件に、少なくとも「何らかの問題」が含まれていたことが分かったという。同局は、AI企業に改善と、回答精度を監視する仕組みの必要性を指摘する。
EU、AI推進に総額2000億ユーロ投資へ 欧州委員長が表明
「欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は11日、人工知能(AI)推進に向け総額2000億ユーロを投じる計画を明らかにした。仏パリで開催中の人工知能(AI)サミットで明らかにした」。

——規制金縛り状態で推移してきたEUが、AI投資に乗り出してきた。米側がアクセルを踏み込んだタイミングでようやく。原発保有で電力供給に余力があり、国内に有望なAI開発企業を持つフランスが、EU諸国内から抜け出ていくのだろうか。

米政権「最強のAI構築」、過度な規制に警鐘 バンス副大統領演説
「バンス米副大統領は11日、仏パリで開催中の「AIアクションサミット」で演説した。AIの興隆を新たな産業革命の幕開けに例え、トランプ政権は最強の人工知能(AI)システムが米国に構築されるようにすると述べた」。

——従来からそうであったが、Trump政権下となり、米国はAIに関して、より積極的に規制より発展という方向に踏み出している。それが米国の世界に対する優位性だからだ。ジレンマは、Musk氏がそうであるように、AI開発ができるようなIT大手は、国家超越的なことだ。ガバナンスの難しさを抱えている。

YouTube Surprise: CEO Says TV Overtakes Mobile as “Primary Device” for Viewing
YouTubeのCEO、Neal Mohan氏、TV視聴が(YouTube視聴において)モバイルを凌駕、「米国でのYouTube視聴の主要デバイス」となったと発表。少なくとも米国では、他のどのデバイスよりも多くの人々がTVでYouTubeを視聴していることとなったとする。
ポッドキャスト若者に人気 TikTokに比肩、広告市場拡大 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「デジタル音声広告会社オトナル(東京・中央)の調査によれば、ポッドキャストの全年代の利用率は15.7%だが、15〜19歳では32.8%、20代では25.0%が利用しており、TikTok(ティックトック)と同等の利用率となっている」。

——ポッドキャストを広告市場として捉えた記事。もちろん、それがカネになるとなれば、コンテンツの供給が豊かになる。朝のエクサイズや午後の散歩などで、習慣的にSpotifyやYouTubeを“音声メディア”として多用している自分としても、大変に嬉しいトレンド。

‘We’ve Already Won’: Podcasters and Influencers Gain New Standing in Trump’s White House
【有料購読者向け記事】:
非伝統的なメディアやインフルエンサーらに、ホワイトハウスでのブリーフィングに参加できる枠を提供すると発表した報道官。すでに1万1,500件を超える申込があったという。記事では、ポッドキャスターが初めて質問に立った状況が伝えられている。
フランス検察、Xを捜査 「アルゴリズムがデータ処理ゆがめた疑い」:朝日新聞
「検察当局は同メディアに対して、Xのアルゴリズムが『自動データ処理システムの機能をゆがめた可能性がある』と明らかにした」。

——フランス検察が捜査に着手。ユーザーの投稿をどのように他のユーザーに表示するか。SNSアルゴリズムにおけるキモ中のキモと言えるメカニズムだが、これを恣意的に操作している可能性。これが政治的発言を強めるXのオーナー自らの影響度を高める操作が行われているとすれば、さすがに問題視すべきことになる。

Disruption This Week—–7/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月3日から2025年2月7日まで。

FT head of newsletters on how title quadrupled email subscribers in four years
4年間で、ニューズレター(メルマガ)の購読者総数を40万人から160万にまで押し上げた、英Financial Timesの担当責任者Sarah Ebner氏へのインタビュー記事。同メディアはニューズレターを読者エンゲージメントの最重要指標と位置づける。大きな視点から指標まで詳しく述べる。
AI検索 パープレキシティ 急成長を陰で支える「パブリッシャー提携責任者」3つのスキル」 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「チャン氏のスキルのひとつが、人間関係を構築し、維持する能力である。これは仕事とプライベートの両面で言えることのようだ。チャン氏自身もこの点こそ『パープレキシティとほかのAI企業との違い』だと述べている。
『それは私の本質であり、私が大切にしていることの核心だと思う』とチャン氏は話す」。

——これまでも、そしてこれからも、メディア運営者との関係づくりには、この記事が記すような人間関係が重要であると同時に、メディアそしてコンテンツの価値についての揺るぎない確信だろうと、自分は思う。

Google wants Search to be more like an AI assistant in 2025 | TechCrunch
Googleは、収益の屋台骨である検索とその広告事業の成長が緩やかとなった現在、その将来をどう見据えているのか。CEO Sundar Pichai氏は、直近の決算説明会で、検索はAIをめぐる「旅」の真っ最中だと述べた。検索は徐々にAIアシスタントへと進化していくとする。
Small news outlets focused on federal staffers are landing big scoops, and traffic is surging | CNN Business
Trump大統領とMusk氏が解雇や命令、力ずくで連邦政府を作り直す中、連邦政府の業務再編や人事に特化した小規模メディアThe Federal News Networkがスクープを連発、トラフィック急増を得ているとする、まさに旬な話題を報じる記事。
New York Times Reports 350,000 Additional Digital Subscribers
米New York Timesが四半期・通年業績を開示。前四半期にデジタル版のみの購読者が35万人増加し、総購読者数は1140万人を突破。2024年の年間総収入は26億ドルで、23年の24億ドルから増加。
同社CEOのMeredith Kopit Levien氏は、「またもや好調な1年を締めくくった」と述べる。
Third of New York Times subscribers do not pay for its news product
米New York Times、第4四半期および通年業績を開示。それによると、デジタル版購読者数が2023年末比で110万人増の1080万人に。その1,080万人の購読者のうち、350万人(32%)が、報道以外のゲーム、料理、製品レビュー、などの商品のみを購読していることがわかった。
How The New York Times Incorporates Editorial Judgement in Algorithms to Curate Home Screen Content
米New York Timesは、そのWebサイトもしくはアプリのトップページにおけるコンテンツ(記事)選別を、アルゴリズムによってその成果を最大化している。ただし、アルゴリズム任せではなく、編集者(人間)が積極的に介在しているとする同社内部からの解説記事。
Media Briefing: The Financial Times' AI paywall is improving subscriber metrics, but not lifting conversions yet
【有料購読者向け記事】:
英Financial TimesがAIを組み込んだペイウォールを推進中とする記事。同社の消費者(読者)収益獲得部門の責任者は、同社ペイウォールは大きな成果を生むにいたっていないが、同社のARPUを前年比6%増加、購読者当たりの売上を向上させているという。
米ゴシップ系インフルエンサー、TikTokで移民取り締まり警戒情報提供
「トランプ氏の大統領令を非難する一連のメッセージから始まったベラさんの活動は、不法移民を取り締まる米国移民・税関捜査局(ICE)捜査官の目撃情報を追跡するキャンペーンへと発展した」。

——米発ニュースを読んでいると、「ICE」の文字をよく見かけるようになった。ことの是非を語る立場にはないが、この記事のような“情報サービス”が人気になってしまうことに、驚きがある。

Apple、1桁台の増収減益 サービス部門は過去最高
「製品別の売上高は、iPhoneが前年同期とほぼ横ばいの691億3800万ドル、Macは16%増の89億8700万ドル、iPadは15%増の80億8800万ドル、ウェアラブル、ホーム、アクセサリーは2%減の117億4700万ドルだった。サービス部門の売上高は14%増で過去最高の263億4000万ドルだった」。

——iPhoneの成長低迷が最大のポイントであり、一方、現行経営陣が力を注いできたサービス部門が名実共に同社の屋台骨に。むろん、iPhoneあってのサービス成長だっただろうが、同社はもはやMac、iPhoneの会社ではなくなっている。

Disruption This Week—–31/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月27日から2025年1月31日まで。

英公共放送Channel 4のトップは、27歳以下Z世代の視聴を分析した結果、「Z世代にとって、ソーシャルビデオは主要な文化的羅針盤である。 しかし、それは個別化されている」ことが深刻な問題と指摘。彼らは両親とはもちろん、同級生とも同じものを視聴していないと指摘する。「彼らは広く情報を集め、友人やインフルエンサー、伝統的なメディアを同様に重視する。その区分がないのだ」とも言う。
DeepSeekがOpenAI O1モデルを“蒸留”したと話題だが、昨年末、カリフォルニア大Berkeley校のSky Computing Labのチームが「450ドル以内でo1-previewと同等の性能を発揮する推論モデルSky-T1-32B-Preview」を公表、オープンソース化していた。
サイバーエージェント、メディア&IP事業が大幅増益 ABEMA好調で営業利益14億円、売上高も過去最高
「ABEMAのコンテンツの中でも特にアニメが人気を博している。年末年始はスポーツがオフシーズンであったが、アニメや格闘技などを中心に番組編成をしたところ、23年の年末年始を上回る2079万WAU(1週間当たりの利用者数)を記録したとしている」。

——「営業利益14億円」はともかくとして、ABEMA事業が同社に果実をもたらし始めた。ここにいたる軌跡には驚かされた。

White House will reserve front-row seats in press briefings for influencers, podcasters, and others in “new media”
第2期Trump政権で最初のプレス・ブリーフィング。報道官であるKaroline Leavitt氏は、このブリーフィングに、インフルエンサーやポッドキャスターらの席を提供すると表明。併せてGallup社の調査を引き、「米マスメディアへの信頼が記録的な低さ」にあることを強調した。
中国やイランなどのハッカー、グーグル「ジェミニ」利用して攻撃能力強化
【有料購読者向け記事】:
「グーグルでサイバー攻撃対策に携わる専門家によると、過去1年間に、20カ国以上の数十に上るハッカーグループがグーグルのチャットボット『ジェミニ』を利用し、悪意のあるコードの作成、サイバー脆弱(ぜいじゃく)性の探索、攻撃対象とする組織の調査などを行った」。

——影響力工作の阻止や抑止にAIがどう役立つかという取り組みも進んでいるが、一方で、悪用法の開発という面で“悪知恵”の方が先を行っているという事態。

少数精鋭、AI企業ディープシーク 「中国化」した開発で高性能:朝日新聞
「2025年1月20日、中国の李強首相が開いた経済関係者らとの座談会に出席した『ディープシーク』創業者の梁文鋒氏。中国国営中央テレビが放映した画像が、中国のメディアで繰り返し用いられている=中国メディアから」。

——DeepSeek創業者・梁文鋒氏の近影(今年撮影!)が、中国の国営メディアに掲載されていた。

ランクエスト、情報収集の世代間ギャップ調査 テレビは年齢とともに利用率上昇 20代35%70代87%
「情報収集を行う媒体を質問したところ、インターネットは全世代で8割前後が利用し、特に40~60代では90%超と高水準だった。一方、SNSは10代の85%から年齢が上がるにつれて低下し、70代以上では17%にとどまった」。

——「情報収集」って何だろう?という基本的な問題がある。それが検索という概念に収れんするのか、メディア接触そのものをさしているのか。AIの汎用化が進むとその姿が変化しそうだ。

DeepSeekショック、米AI株が急落 NVIDIA一時18%下落 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「中国の人工知能(AI)企業であるDeepSeek(ディープシーク)が低コスト生成AIモデルを開発したことを受け、米金融市場が揺れている。AI半導体大手エヌビディアの株価は27日午前(日本時間28日未明)に一時前週末比2割近く下落した」。

——みるみる間にAI関連全面安の局面に。AI関連設備機器まで影響を受けているようだ。

中国のDeepSeek、その低コストAIモデルの全て―QuickTake
「創業1年余りの中国の人工知能(AI)新興企業であるDeepSeek(ディープシーク)は、世界トップクラスのチャットボットに匹敵する性能を、その数分の1程度のコストで実現する画期的なAIモデルを披露し、シリコンバレーを感心させると同時に慌てさせている」。

——突如AI業界の中心部に躍り出た中国製ジェネレーティブAIの新星DeepSeek。その性能(そしてそのコスト)でインパクトを与えると同時に、AIブームで沸いてきた市場の雰囲気を一転させつつある。

How Newsweek Engineered Its Unlikely Turnaround
2018年、Dev Pragad氏のCEO就任以降、米老舗メディアNewsweekが快進撃。売上で2024年は4倍強(2000万ドル→9000万ドル)に、単体黒字に到達。収益の63%は広告事業。読者獲得で、Redditからの流入が20%という。

Disruption This Week—–24/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月20日から2025年1月24日まで。

AI支援で非常事態宣言へ、現在の倍のエネルギー必要=トランプ氏
「トランプ氏は世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で行ったリモート演説で、『AIがわれわれが望むほど大きく成長するために米国が現在保有するエネルギーの倍の量が必要になるというのが大きな問題だ』と述べた」。

——話題の「Stargate」は、そのまま巨大データセンター構築プロジェクトでもある。世界では情け容赦なくデータセンターの建設が進むが、最大の懸念は言うまでもなく電力の供給。日本でも規模に差異はあるにせよ、データセンター=電力供給は待ったなしなのだが、大丈夫?(国内のデータを、いつまでも海外の巨大ITに預けるのが得策かどうか)

OpenAIの新モデル「o3-mini」完成──サム・アルトマンCEOが報告 約2週間後にリリースへ
「o3はo1 pro modeよりも賢くなると説明。o3シリーズの上位モデルと思われる『o3 pro』の存在をほのめかす投稿もあり、ユーザーからの『o3 Proは月2000ドルになるのかい?』という問いに『いいえ、200ドルだ』と回答した」。

——その高度な推論能力で、“汎用人工知能に近づいた?”と話題の「oシリーズ」に、早くも次世代版「o3」が登場。その「mini」では、推論時間をぐっと縮めているらしい。人間一人雇うことを考えた上で、支払える月額を検討しなければならない時代がやってきそうだ。

メタ、第三者ファクトチェックを米国外では継続へ-「当面の間」
「『フェイスブック』や『インスタグラム』を傘下に置く米メタ・プラットフォームズは、同社が米国で運営するソーシャルメディア上では第三者によるファクトチェックを終了するとしたものの、国外ではそうした慣行を『当面の間』継続する方針だ。同社のグローバルビジネス部門責任者ニコラ・メンデルソーン氏が明らかにした」。

——記事のコンテキストが示すように、EUの法制によるモデレーション義務に従う方針を維持する方向のようだ。これも長く維持されるのかどうか。

SNSの光と影 MIXI笠原氏、AIエンジニア安野氏らに聞く 安野貴博氏/佐々木裕一氏/笠原健治氏 - 日本経済新聞
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東京経済大学教授 佐々木裕一氏:「SNSで似た意見にばかり触れるエコーチェンバー効果に対する専門家の見方は定まっていない。むしろ、多様な情報に触れてもゆっくり考えず、物事を単純に判断するようになったことが問題だ」。

——このコメントには同意。世の“識者”やそのコメントを鵜呑みにする(一部の?)記者らは、口を揃えて「アルゴリズム=悪」論を説くが、その根拠は単純なレコメンデーションを指しているケースが多い。佐々木氏らの研究でも、YouTubeアルゴリズムは、そんな単純なもの(お好きな話題をたらふく的な)でないことは示されている。
佐々木氏の引用箇所は、それよりも、大量の情報の処理に対して脊髄反射を続けることの問題点を指摘する。カーネマンらが指摘した“速い思考”の弱点が、大いなる問題なのだろう。

The Playlist Power Broker Who Makes or Breaks New Artists
【有料購読者向け記事】:
音楽配信サービスSpotifyは、ユーザー(リスナー)に推奨する新楽曲を、アルゴリズミックに抽出するのに加え、社内に130名に及ぶプレイリスト・キュレーターを運用している。記事は、そのチームリーダーSulinna Ong氏に取材、その活動を紹介するものだ。
「ロシアのフェイク工場」Facebookに偽広告配信、欧米制裁の中で8,000件超、5,000万円分
「私たちは、『ソーシャル・デザイン・エージェンシー』が作成したプロパガンダ広告が2023年7月に欧州連合(EU)から制裁措置を受けた後も、EU域内だけで12万3,000回以上クリックされ、それによるメタの収益は最低でも約33万8,000ドルに達したと推定している」。

——平和博さんの投稿から。「ソーシャル・デザイン・エージェンシー」とは、ロシア企業で最近つとに悪名を馳せている影響力工作グループ「ドッペルゲンガー」の後ろ盾となっている組織。
ポイントは、影響力工作に用いているFacebookアドは、こんな小額の予算で、それなりの影響力を及ぼしているらしいということ、そして、そんな小額広告をいちいちチェックして、排除するつもりのないプラットフォーマーということだ。

Fox News Prepares to Cover a Government Filled With Fox News Alumni
【有料購読者向け記事】:
「19人……それ以上」。Trump新政権のスタッフに登用されたFox News出身者(元司会者、コメンテーター、プロデューサー)の数だ。過去これほどまでに時の政権と結びつきの強いメディア企業があっただろうか? と指摘する記事。
アングル:欧州勢が独自の検索サービス確立へ奮闘 米巨大ITに対抗
「広告収入の大半を植林・森林再生活動に振り向けているドイツのユニークな検索エンジン『エコシア』を率いるクリスチャン・クロール氏は、米巨大IT企業頼みになっている欧州の検索サービスに懸念を抱いていたが、今はグーグルやマイクロソフトに対抗する新たな手段を手に入れた」。

——クロール氏らとこの事業を創業した「アベカシス氏はトムソン・ロイター財団に、マイクロソフトが23年2月にビングの検索データの対価を引き上げたことが転機になったと明かす」ということだ。つまり、エコ云々というだけでなく、経済安全保障の側面からも、検索結果の自前生成は重要課題だとする。

サイバー防御法案の概要判明 攻撃無害化、独立機関が事前承認 24日招集の国会に提出へ
「政府は経済安全保障推進法で定める基幹インフラ15業種の事業者らと協定を結び、通信情報の提供を受ける。情報漏洩には罰則を科す。事業者側にはサイバー攻撃による被害報告を義務付ける」。

——議論を行ってきた有識者会議の最終的な提言では、監視する通信については「メタ情報にのみ限定」ではないとする、微妙な守備範囲の拡大を示唆していたと理解する。その微妙な部分は、技術的な拡張なのか政治的な要請なのか、確認したいと思っている。

TikTok、サービス再開へ-トランプ氏は禁止法施行の延期を表明
「同社は『1億7000万人余りの米国人にTikTokを提供し、700万超の小規模企業を繁栄させることにペナルティーは科されないと、トランプ大統領が当社のサービスプロバイダーに明確に保証したことに感謝する』と、X(旧ツイッター)に投稿した」。

——すでに米国内でTikTokが復旧を始めているとの報道も出てきた。なんともいえぬ、ドタバタ感。

Disruption This Week—–17/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月14日から2025年1月17日まで。

GoogleとAP通信、Geminiでのリアルタイム情報提供で提携
「米Googleと米Associated Press(AP通信)は1月15日(現地時間)、GoogleのGeminiアプリにAP通信のリアルタイム情報を提供する新たな提携を結んだと発表した」。

——すでにAPは、他のAIベンダーと提携をかわしている(少なくともOpenAIとは)。多角化路線を走る。そもそも通信社のビジネスは、従来は各メディア社に記事を配信するもの。それが各種AIサービスへと広がる。考えれば、このモデルが広がっておかしいことはない。問題は、それがコンテンツ作成者の長期的な支えになるような堅牢なビジネスなのかどうかだろう。

More than 400 Washington Post staffers send urgent plea to Jeff Bezos: 'We are deeply alarmed'
経営難と幹部離職が頻発する米Washington Post。そのスタッフ400人以上が、オーナーであるJeff Bezos氏宛てに同社幹部との面会を求める書簡。その主張は、「誠実さと透明性の問題」がスタッフの離職を引き起こしているというものだ。
Biggest news publishers on Youtube: 100+ publishers have more than 1m subscribers
英メディアPress Gazette、YouTubeチャンネルで100万人以上の購読者を擁する115の(英語ベース)メディアをランキング。Vice、ABCが1,800万人以上、CNNおよびBBCが1,700万人台で並ぶ。
中でもトップのViceが急伸。CNNをかわした。
TikTok、米従業員の給与支払い約束 19日の禁止法発効控え
「中国系動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』は、米事業を19日までに売却しない場合に米国でのサービス停止を求める新法が最高裁で覆らなかったとしても、米従業員への給与を支払い続けると説明し、懸念の払拭に努めた。内部メモをロイターが14日に入手した」。

——米国内でのTikTok利用禁止にいたる取引終了期限まであと数日。その後を見通そうとする報道が騒がしくなっている。米BloombergはMusk氏が米国内TikTok事業の買収を目指しているとする観測を一方で示している。また、代替アプリをローンチするなどの動きもある。いずれにせよ、本記事であるように、事業を傘下に有するByteDanceは単なる停止を避ける動きを画策しているようだ。

Mirror journalists given individual online page-view targets
英タブロイド紙メディア「Mirror」の各記者は、Web記事のPV目標を与えられているとする記事。同メディア編集長Caroline Waterson氏は、取材したPress Gazette記者に「PV目標を過度に恐れる必要はない。Mirrorは誇り高いタブロイド紙だ」と述べたという。
「Google TV」にもGemini搭載へ 会話で関連YouTube動画も表示
「スマートフォンのGeminiアプリと同様に、音声で質問したり指示を出したりできる。さらに、テレビがアンビエントモードのときにはスマートホーム端末を制御したり、その日のニュースの概要を確認したりすることもできるという。質問に対する結果には複数のYouTube動画も表示され、それらを再生することも可能だ」。

——遅まきながらCES絡みの話題。TVがネットにつながるのは、いまや当たり前だが、TVと人間のインターフェイスにAIが関われば、より一層TVの価値が高まる。“TVは我々のもの”と信じ込んできた放送局にとっては、怖い事態がもう目の前だ。

The Washington Post’s traffic tanks | Semafor
米Washington Postのメディアとしての窮状が改めて明らかに。同メディア(Webサイト)へのアクセスは、2021年1月のピーク時の4分の1以下にまで落ち込んだ。 議会襲撃事件では一時的に約2,250万DAUを記録。だが、2024年の半ばには、DAUは250万〜300万程度に下落しているという。米メディアSemaforからのスクープ。
Polish Putin film using AI to generate Russian leader's face set for premiere
プーチン露大統領を題材にしたポーランドの新作(英語)映画が公開(海外で)。この映画では、AIを駆使した特殊効果でプーチン大統領の素顔を俳優と重ね合わせている。記事内からプロモーション動画が観られる。
米国CTV広告費、2028年に旧来テレビを超える見通し
「イーマーケッター(eMarketer)によると、アメリカのコネクテッドテレビ広告費は2025年に333億5,000万ドルとなる見通し。2028年には468億9,000万ドルとなり、伝統的なテレビ広告費を上回ると予測している」。

——CTV市場の成長はたびたび紹介してきた。YouTubeやNetflixといった広告表示付きストリーミングの成長が、ここまできている。

フォトログ:「人生最悪の光景」、ロイター記者が歩いたロス山火事の現場
米LA郊外の山火事をめぐるロイターのビジュアル報道。英語版のイマーシブ体験を再現できていないが、それにしても、十分に迫力と感動を届けてくれる。