Disruption This Week—–14/7/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月10日から2023年7月14日まで。

F.T.C. Opens Investigation Into ChatGPT Maker Over Technology’s Potential Harms
【有料購読者向け記事】:
FTC(米連邦取引委員会)、ChatGPTを運用するOpenAIに捜査協力を要請する書簡を送付。書簡には同社がどのようにAIモデルを訓練しているのか、個人データをどのように扱っているのかなど、数十の質問が含まれており、これらへの回答を要請した。
ビッグテック相手の提訴では次々と敗北をしているFTC、今度は成果を上げられるだろうか?
GoogleのチャットAI「Bard」に新機能 回答のシェア、文章の読み上げなど
「AIの回答の下部にあるボタンを押すとシェア用のURLを発行できる。読み上げ機能は回答の右上にあるスピーカーアイコンを押すと利用可能。日本語での読み上げにも対応している」。

——ChatGPTに存在感で遅れをとる、GoogleのBard、使い勝手などの工夫で追い上げてきた。音声入出力がジェネレーティブAIに組み込まれると、日常的な利用の範囲が広がるはずだ。

Exclusive: AP strikes news-sharing and tech deal with OpenAI
AP通信、ChatGPTを運用するOpenAIと提携と発表。契約には、契約の一環として、OpenAIが1985年までさかのぼるAPの記事アーカイブ(の一部)をライセンスし、AIアルゴリズムの訓練に役立てることが含まれると記事は述べる。
メタ「スレッズ」急成長、ツイッターに早くも打撃か
【有料購読者向け記事】:
「調査会社シミラーウェブによれば、スレッズの本格利用が可能になった最初の2日間に、ツイッターのトラフィックは前週同日比で5%減少した。前年比では11%減となった。
さらに、クラウドインフラ企業クラウドフレアのマシュー・プリンス最高経営責任者(CEO)が9日のツイートで、ツイッターのDNSランキングが低下している様子を示したチャートを添えて『ツイッターのトラフィックが激減している』と述べた」。

——いまだに私の古典的な感覚では、“模倣”による成功をよしとしないところがあるが、とはいえ、Twitterのここで受けている打撃は、自ら招いた要素も大きいことは間違いない。

「ニュースの未来はどうなる?」SnapChatがChatGPTを統合したサービス「My AI」。会話を生み出すことができるだけでなく、ニュースを消費する革新的な方法を提供し、Z世代が好む消化しやすい形式で重要な情報を配信すると、My AIとその可能性に期待する記事。
Writing guidelines for the role of AI in your newsroom? Here are some, er, guidelines for that
米Nieman Lab、世界各国21の編集部が定めた、各編集部におけるAIの役割とその表明化についてのガイドラインを収集、その概要をリポートする記事。「OVERSIGHT(監督)」「TRANSPARENCY(透明性)」「BANNED VS. ALLOWED USES(禁止と許可)」「ACCOUNTABILITY AND RESPONSIBILITY(説明責任と責任)」「PRIVACY AND CONFIDENTIALITY(プライバシーと守秘義務)」「CAUTIOUS EXPERIMENTATION(慎重な実験)」…といった、項目だてなども含めて非常に有力な参考となるはずだ。
UUUM、業績予想を下方修正 原因は「YouTubeショートの再生回数の増加」
「『YouTubeショートの再生回数増加に伴い、YouTubeショートを除く動画再生回数が当初の想定を下回る形で推移し、売上高は想定を下回る見通しとなった』(同社)といい、所属するYouTuberの広告収入に影響が出ているとみられる」。

——「ショート」の再生回数増加がどうして収入減になるかというと、(私の理解では)TikTokに始まる短尺動画ブームが、まだ十分なビジネスモデルを創りだせていないということだろう。従来のYouTube動画では、各種の挿入広告のモデルが築かれており、そこに最適化が進んでいたということなのだろう。

How AI will turbocharge misinformation — and what we can do about it
米Axiosの「Tech」担当Ina Fried氏は、AIが引き起こす情報リスクへの対抗策として有効と考えるものを4つあげる。1) 証明(だれが作ったかを証するメタ技術)、2) 規制、3) アルゴリズム(対抗的なAI技術)、そして4) メディアリテラシー(賢い消費者への支援)だ。
「Threads」ユーザー1億人突破 サービス開始から5日
「7月10日午後6時ごろに新規アカウントを作成し、同社が提供する別のSNS『Instagram』との連携機能を使って何番目の登録者か確認したところ、すでに1億人以上のユーザーがいることが分かった」。

——同じ記事の後段では、「10億」突破から収益化を考えたいとするMeta CEOの意向も紹介されている。ちなみに自分はいまだにThreadsを使っていない。Twitterをニュース情報源として利用しているので、Threadsが満たすまでにはまだ時間がかかるだろうと踏んでいるから。

Why Threads Is Bad for the News Business
【有料購読者向け記事】:
米Information創業者Jessica E. Lessin氏、「Threads」について「質の高いニュースは、アルゴリズムがスクロールさせ続けるために何かを提供しようとするモデルではうまく機能しない」と批判的な見解を述べる。
「Facebookアプリが数年前にニュースを軽視したのには理由がある。また、インスタグラムが質の高い報道メディアの大きな紹介元になっていないのも理由がある」とする。良質な報道を体験することと、情報中毒的にスクロールを際限なく行うビジネスモデルとは相性が悪いという視点。
動画配信・AIに揺れるハリウッド - 日本経済新聞
【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。よろしければご一読を。いまやNetflixはクリエイターの憎悪の対象に? ➡ 動画配信・AIに揺れるハリウッド

Disruption This Week—–7/7/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月3日から2023年7月7日まで。

AI Is Tearing Wikipedia Apart
「懸念されるのは、機械が生成したコンテンツは多くの人間のレビューとバランスを取らなければならず、あまり知られていないWikiを悪いコンテンツで圧倒してしまうことだ。AI生成は、信憑性のある人間のような文章を書くのに便利な反面、誤った情報を含んでしまったり、存在しないソースや学術論文を引用してしまったりすることもある」。

——WikiはジェネレーティブAIの誕生で岐路に立たされているように見える。一つは、AIは自由に使える貴重なトレーニング教材としてWikiをクロールし尽くしている。他方、AIが生成する情報(知識)がWikiにどんどん書き加わっていく。実際、記事によれば、Wiki財団はこれへの対策ツールの開発などに取り組んでいるという。

MetaのTwitterっぽい新SNS「Threads」使ってみた かなり近いが投稿検索・ハッシュタグなく性格は別物
「では実際に投稿してみよう。Twitterでいう『ツイート』のことは『スレッド』と呼ぶようだ。機能はシンプルで、文字を書いて投稿ボタンを押すだけ。写真は10枚まで添付できる。1スレッド当たりの文字数制限は500文字」。

——話題のThreads。実際にどう使うのか(使えるのか)? 試用記事。ポイントはInstagram(Metaは相互運用性を追求するので、Facebookもか)の目的別アプリということで、アカウントを共有する。言い換えれば、InstaやFacebookのフォロワーをインポートできるというのが魅力(言い換えれば、危険性)ということのようだ。つまり、ゼロからフォロワーを築いていく必要はない。

ITmedia NEWSは記事執筆フローにChatGPTなどAIを導入します
「分かりやすいように要約を先に示しておきます。

– 『取材・執筆・編集』のアシスト全般にAIを利用
– ChatGPT利用は『情報漏えいの懸念がないもの』に当面は限る
– 『AIを使ったから間違えた』は言い訳にならない
– 記事を作る主体はあくまで人」

——ジェネレーティブAIの利用の是非を、倫理的に騒ぎ立てるような時代ではないと思う。ITmedia NEWSがChatGPTの業務的な利用を明言。引用したような「ポリシー」の明言が重要なんだと思う。

How (and should?) we stop the infinite scroll
「ネズミがレバーを押すと、おやつがもらえる。たとえレバーを押してもいつもおやつがもらえるわけではなくても、たまにおやつがもらえることがある……だからレバーを押し続けるのだ。私たちはフィードをスクロールし、興味をそそる楽しい投稿を探している。すべての投稿が面白いとは限らないが、私たちはドーパミンの素早いヒットを求めてスクロールし続ける」。
近年のスマホUIの方程式である「無限スクロール」。「ビジネスに優しく、健康に悪い」仕組みを掘り下げ批判する論。
Fake journalist profiles used to launch Bournemouth Observer - Journalism News from HoldtheFrontPage
英ローカルメディアの体をなした非常に巧妙な偽造サイトが出現したという話題。最近立ち上がった「Bournemouth Observer」は、英国のローカル報道メディアだが、11名の記者らのプロフィールはすべて非実在の人物。掲載された事件報道も地元警察が確認できないという謎のサイトだ。
Gen Z and AI: The Publishers' Guide | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
インターネットのない世界を知らない最初の世代、同時にソーシャルメディア必須の時代(幼少期にはYouTubeが存在)を生きてきた“Z世代”。1990年代半ばから2010年代前半に生まれたこれら若者をオーディエンスとするメディアをどう開発していくかを論じるガイドライン。
“The single greatest threat and the single greatest opportunity”: Insights on AI and publishing, from FIPP World Media Congress 2023 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「AI、それは単一の最大の脅威であり、単一の最大の機会」だと述べる、最近行われたFIPP世界メディア会議での講演概要。
「1. 物語のために来訪、コミュニティのために滞在、2. 伝統的な記事の解体、3. AI:単一にして最大の脅威、最大の機会」という魅力的な構成。
「マスメディアは作れる」元テレ東高橋弘樹Pが目指すゲームチェンジ:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「仮に(朝日新聞の販売部数が)400万部だとして、ユーチューブでも400万回再生とかいくわけです。400万人が目にしたコンテンツを『マス』と言うとすると、『マスメディア』とは輪転機を持っていることや地上波の権利を持っていることではなくなる」。

——ひろゆき氏や成田悠輔氏の起用で人気コンテンツをYouTubeに提供し続けた高橋P氏。自らの媒体社をたちあげてやりたいことを述べた。正論が多く、納得感がある。

「退屈な仕事が減った」 米地方メディア、ChatGPTの活用進む:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「アウトポストの取材地域は、地元ハンボルト郡のほかユーリカなどの自治体。山形県ほどの面積を6人の記者でカバーしている。シムさんのソフトは、それぞれの議会で取り上げる議題に関する公開データを集める。そのデータを『平易な文章で要約して』とチャットGPTに自動的に送り、サマリーを書かせるというものだ」。

——一方で、ジェネレーティブAI利用の浸透に対して猛反対する新聞事業社がある一方で、このような零細事業者がAIを活用。事態への多面的な視点、のみならず新聞メディアのなくしてはならない使命を思い起こさせる点でも、意義の高い記事。

出版状況クロニクル182(2023年6月1日~6月30日) - 出版・読書メモランダム
「とりわけ『出版社がボロ儲け 狂乱のIP(漫画の知的財産)パブル』は、コミックスとアニメのメディアミックスによる版権収入が集英社、小学館、講談社の業績を支えていることを明らかにしている。それが現在の大手出版社のトレンドなのだ」。

——引用箇所は、「アニメ熱狂のカラクリ」を特集した東洋経済誌から。その突出した大手の一角である小学館の決算に触れて、このブログでは、出版やIPをめぐる業績停滞を迎えるなか、増収を支えたのが広告とデジタル収入であることを伝えている。出版とその流通産業の姿は、かつてに比べ決定的に変わってしまっている。

Disruption This Week—–30/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年6月26日から2023年6月30日まで。

WSJ News Exclusive | Big News Publishers Look to Team Up to Address Impact of AI
【有料購読者向け記事】:
米Wall Street Journal、複数の大手ニュース・雑誌出版社が、AIが業界に与える影響に対処するために圧力団体の結成を協議中とスクープ。大手メディアには、News Corp、New York Times、Axel Springerその他が含まれる。協議は、ジェネレーティブAI技術台頭が業界と社会の両方にとり存亡の危機であることを示している。
「AIは古いWebを殺し、新しいWebが生まれようとしている」。米The Vergeの論考。
ジェネレーティブAIが引き起こす懸念を整理しつつ、「本質的にこれは情報をめぐる戦いであり、誰が情報を作り、どのようにアクセスし、誰が報酬を得るかをめぐる戦いだ」とする。つまり、Web上でつねに起きてきたことでもあるというわけだ。
Bloomberg to Publish More Audio on YouTube
【有料購読者向け記事】:
Bloomberg、音声コンテンツ(ポッドキャスト)を強化中。従来はBloomberg専用端末や同社アプリ中心路線だったが、聴取者拡大のために、YouTube Shorts、InstagramそしてTikTokへの配信を強化し、成功裡に進める動画コンテンツと融合させていくという。
WSJスクープ | グーグル、広告掲載の自社基準に違反=調査
【有料購読者向け記事】:
「アダリティクスはグーグルが、収益化基準を満たさないサイト上で、ページのメインコンテンツの脇に小さくミュートの状態で自動再生動画に広告を掲載するなど、違反行為を行っていると非難した」。

——この間、注目されているGoogleの“自主的基準緩和”の動き。コンテンツファーム的動きが再来。広告主にもブランド毀損に向かう悪いスパイラルとなるはずなのだが。

‘TikTok is age-agnostic’: how Kylie and Fleetwood Mac found new young fans
かつてはティーンエイジャーのダンスブームと見なされていたTikTok。だが、音楽業界における重要なプレイヤーのひとつへと進化した。Kate BushからFleetwood Mac、そしてKylie Minogue氏ら古典的なスーパースターたちも、彼らの時代から数十年後に生まれたファンとつながることができることから積極的に利用することとなったのだ。
生成AIで広告収入目的のゴミサイトが急増、1日1200本更新も
【有料購読者向け記事】:
「140社を超える大手ブランドが、おそらく知らず知らずのうちに、AIで作成された信頼性の低いサイトの広告費用を支払っているとみられる。こうしたAI生成ニュースサイトで見つかった大手ブランドの広告の90%はグーグルが配信したもので、グーグル自身のポリシーに違反している」。

——昨日も取り上げた話題。自動生成したコンテンツをサイトによっては1200本/日も掲載して、これまた配信型広告で荒稼ぎという、懲りないコンテンツファームが急増中。なぜこんな商売が成立するかと言えば、Googleなどがせっせと大手ブランドの広告を送り込んでいるからだ。

CBS News effort shows the growth in solutions journalism to combat bad news fatigue
「記者は悪いニュースの運び屋以上の存在でなければならない」。
米CBS News、さまざまな事例を通じて“問題解決型ジャーナリズム”を模索。問題に取り組もうとする人々や組織を見つけることを重視。ジョージア州では、学校での子ども逮捕を抑止する教育者を養成しているとする。
Funding the Next Generation of Content Farms - Misinformation Monitor: June 2023 - NewsGuard
「誤報モニター」を毎月発信する、メディアの品質監視ビジネスの米NewsGuard。ジェネレーティブAIが生成する低品質コンテンツで運営するメディアが、過去1か月で49から217へ急増中と警鐘。Googleらアドテクが、一流ブランドの広告を配信し、これらの事業化を助けているとも。相変わらずの構図。
The “passive news consumer” is on the rise
Reuters Instituteによる定期調査「Digital News Report2023」は、世界46市場の平均的動向として、ニュースの「受動的消費者」(利用はするが、「いいね」など積極的な参加はしない)の比率が増えていると報告。「積極的参加者」は全体の4分の1以下(22%)で減少中だとする記事。
Facebook、Instagram「ニュース停止」の衝撃、生成AIで複雑化する攻防とは?
「これまでの『ニュース使用料』をめぐる議論は、検索サービスやソーシャルメディアにおけるニュースの見出し、文章の抜粋(スニペット)、写真、記事へのリンクなどの掲載、すなわち『引用』が焦点となってきた。
だが生成AIにおけるニュースの扱いは、いったん言葉の単位に分解され、改めて文章として再構成される『生成』だ」。

——実際、ジェネレーティブAIによって咀嚼された情報に対して権利を主張できるのかどうか。多くの人びとがさまざまな情報源から得た知識を、あたかも自身の知性であるかのように吹聴しているはずだ。期待の「情報源としての透かし(ウォーターマーク)」も、現実的なものとして実装できるのかどうか。実現が危ぶまれている。

スマートニュースが個別に最適化「クーポン」開始。ニュース配信の“機械学習”を活用
【ご紹介】:
「クーポンを提供する企業からも『商品ニーズにあったユーザーにクーポンを配信してほしい』というニーズがあったという。
そこで、これまでニュース配信に活用してきたマシンラーニング技術をクーポンでも活用し、ユーザーの興味関心に最適化したクーポンを配信することにした」。

——SmartNewsが配信するオンラインクーポンが進化。記事配信に用いていた技術を利用とのこと。

Disruption This Week—–23/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年6月20日から2023年6月23日まで。

焦点:米新聞大手、慎重に生成AI導入 最終仕上げは人の手で
「ノースウェスタン大学のニコラス・ディアコプロス准教授は『現在の私の立場としては、公開のチャネルに自動的に情報を流すのであれば、ジャーナリズムとしての用途にこれらの生成AIモデルを用いることは推奨できない』と述べた」。

——おおむね妥当なことが書かれた記事。問題は、悪貨が良貨を駆逐するような広がりをジェネレーティブAIは見せるだろうこと。これに積極的な役割を果たす仕組みを構想していかなければならない。

Why Spotify’s podcast experiment went off the rails
“迷走するSpotifyポッドキャスト戦略。結果としてプレミアム路線ではなく量による広告戦略?”
著名ポッドキャストレーベルを複数買収しては解体。また、元英皇族、そして元米大統領など著名人と契約しては解消…。コスト削減に直面するSpotifyの動きを辛辣に追った記事。
国内初の「ファクトチェックアワード」TBS、日テレ抑えリトマスが大賞 マスコミ未経験者による小規模団体
「ファクトチェック記事では、ネット上で拡散されている情報や著名人の発言を検証し、事実関係の誤りを指摘することが多い。ただ、今回大賞を受賞した記事では新聞記事を検証して『正確』だと判定している。仮に元の記事が『正確』であっても、記事を発端に波紋が広がれば『その「誤解を解く」ことの意義は大きい』という点が評価された」。

——先日NPO団体ファクトチェック・イニシアティブが発表したファクトチェック・アワード2023についての詳しい報道。

Gannett sues Google over its alleged ad tech monopoly
USA Todayなど数百紙を傘下に擁するGannett、Googleを広告テクノロジー市場を違法に独占しているとして提訴。「Googleは、メディア企業、読者、その他すべての人を犠牲にして、自分たちに有利なように市場取引を独占してきた」と同社CEOは表明。
Exclusive: Twitter to focus on video, commerce in business revamp
つい先日、Twitterの新CEOに就任したLinda Yaccarino氏が同社投資家に向けて最初のプレゼンテーション。内容を入手したReutersによると、Twitterは「動画、クリエイター、コマースパートナーに注力する計画」だという。
German tabloid Bild to replace range of editorial jobs with AI
独Axel Springer傘下の人気タブロイド紙「Bild」、数百名の人員削減計画とAIによる業務の代替化に向けて動き出す。計画を伝える社員向けメールでは「編集者、印刷制作スタッフ、副編集長、校正者、写真編集者の役割は、もはや現在のようには存在しない」と述べているという。
SNS究極の自由、アルゴリズムもユーザーしだいの次世代Twitter「Bluesky」:エンジニアにインタビュー
「例えば、『しまったー!砂でお城を作る動画を長く見ちゃったから、これ系が好きと思われてこればっかになっちゃう!』なんて思うことありませんか。1つ見ちゃったらこの好みをアルゴリズムに刻まれてしまったかも、と不安に思うユーザーがいるんですね」。

——たびたび取り上げているTwitterの“後継者”をめざす新SNSサービスの「Bluesky」。注目されるのは分散技術と新アルゴリズム。
特に後者はユーザーに「カスタムアルゴリズム」を提供するという。これについて同サービスを開発するプロダクトデベロッパー兼プロトコルエンジニアのPaul Frazee氏が踏み込んだ解説を行う貴重な記事。

The Guardian’s approach to generative AI
英The Guardian、社内の編集、制作、技術、製品、法務、ビジネス、パートナーシップ担当部署によるジェネレーティブAIをめぐるプロジェクトを立ち上げ、研究。それによる同技術利用の指針を3つのポイントで策定した。メディアにとり重要な先例となりそうだ。

「AIチャットくん」1カ月の開発期間を半日にできたワケーーChatGPTで雑誌はどう変わる【Creators × Publishing・イベントレポート前編】

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

「AIチャットくん」1カ月の開発期間を半日にできたワケーーChatGPTで雑誌はどう変わる【Creators × Publishing・イベントレポート前編】
「週刊誌であれば古い事件だったり、そういった特集号があったとして、今もし調べられたとしてもPDFや紙のデータでしか出てこないわけです。それがGPTで簡単に呼び出せるようになったらやはり使ってみたい。そしてそれ以上に結構面白いなと思ってるのが雑誌の商品広告」。

——雑誌の定期購読サービスを展開する富士山マガジンがジェネレーティブAIをめぐる可能性を議論。ほぼブレストなので、今後の転化に期待するところ。引用箇所は強く肯ける。

How AI Could Help Detect Fake News Instead of Making It
米ブリティッシュコロンビア大のコンピュータサイエンス研究者Laks V.S. Lakshmanan氏ら研究グループ、通信ネットワークから密な構造を検出するための効率的なアルゴリズムを開発したと発表。これをさらに分析することで、ニセ情報キャンペーンを検出できるとの論文を公表。

ファクトチェックアワード2023

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2023
【ご紹介】:
私も運営に携わるNPO団体ファクトチェック・イニシアティブが「ファクトチェック アワード2023」受賞作品を発表いたしました。大賞受賞作は「高額医療費負担廃止検討」を「高額療養費制度」の解消と混同するむきに対し、詳細にミスリードを解きほぐした記事です。

Disruption This Week—–16/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年6月12日から2023年6月16日まで。

【インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ Vol.5】韓国のフェイクニュース対策(上):日本とは様相が異なる韓国の現状 | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団
「韓国におけるフェイクニュースを用いたネット世論操作は、韓国の政府機関によって以前から行われてきたことが指摘されている。例えば、2012年の朴槿恵元大統領を選出する選挙で、彼女の勝利に貢献するために、偽草の根運動(astroturfing)を国家情報院が主導して行ったとされている」。

——上中下の大変な労作。お隣の国でどのようなニセ情報環境が生じているのかを詳細に点検している。まず、気になったのは引用箇所。昨今、日本でも政府主導の“ニセ情報対策”の動きが活発だが、それに全面的にアラインすることのリスクは自覚すべきだろう。

How AI tools already contribute to daily news: Insights from Semafor, BBC and others | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
ジェネレーティブAIは、報道メディアの現場でどのような使われ方をしているか。英BBC、米Semafor、同じくWashington Post、Bloombergなどでの利用法を紹介する貴重な解説記事。
EU欧州議会がAI規制案採択 文章など「生成」明示求める
「欧州連合(EU)欧州議会は6月14日、本会議を開き、対話型人工知能(AI)『ChatGPT』など生成AIを含む包括的なAI規制案を賛成多数で採択した」。

——素早い動き、とは言え、年内いっぱいに成案を得るというのがスケジュール。施行は翌年以降だ。その間に、開発社側がどのような自己規制を打ち出すのか。

Young people are abandoning news sites: New research reveals scale of challenge to media | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
“若者のニュース離れ”現象。Reuters Institute「Digital News Report2023」によれば、英国市場では、35歳以上は、直接の好みが時代とともにほとんど変化していないが、18~24歳は、ニュースサイトやアプリの利用率が著しく低くなっていることがわかると指摘する記事。
Worldwide, online news is looking a lot more like TikTok and a lot less like “shared articles”
英Reuters Institute、2023年版Digital News Reportを公開。毎年注目している「ニュース忌避」について、より具体的なケースを調査。たとえば、「ニュースが流れたらラジオを消す、SNSではスクロールしてニュースを読み飛ばす」などの習慣化が忌避者の半数以上(53%)と判明した。
A Reckoning Arrives for Creator Economy Startups
【有料購読者向け記事】:
大手SNSがクリエイター獲得合戦を演じ、数百の新興企業がクリエイター向けツールやサービスを提供する“クリエイターエコノミー”ともてはやされたトレンドに、早くも大きな逆風。米Informationのデータベースによれば、7つの関連新興企業がこの1年強で閉鎖となったという。M&Aの数は相当数に上るはずだ。
【編集長雑記】「ar」編集長:令和の編集長は忙しいけど“楽しい” | ほんのひきだし
「スマホ一つで何でもわかる世界。
“可愛い誌面”を追求していればよかった『ar』編集部の仕事は、ここ数年で大きく変わりました。どんなによいコンテンツを作っても届かなければ意味がなく、雑誌離れと言われて久しい20代を相手に情報を届けるとなれば、“スマホのお作法”を知ることはマストとなりました」。

——昨今のメディアの現場感覚がよく伝わってくる記事。勉強になった。「雑誌のほかにWEBサイトを2つ、SNS4つを運営しており、その合間に本誌から発展させた写真集を作ったり、さらにその宣伝やイベント等もやっています。あえてWEBと雑誌の部署は分けていません」という点、忙しさがよく分かる。「脳内が忙しいのです」なのだ。

May 2023 Layoffs Jump on Tech, Retail, Auto; YTD Hiring Lowest Since 2016 | Challenger, Gray & Christmas, Inc.
米雇用関連コンサル企業のChallenger, Gray & Christmas、5月に米国内でのレイオフが急増したと発表。特にメディア業界は、2023年に入りこれまでに17,436人の削減。過去最高の年初来(YTD)記録を更新した。
JASRAC、世界のデジタル配信サービスのコンテンツや楽曲情報を共有・交換する「GDSDX」
「日本音楽著作権協会(JASRAC)は6月9日、グローバル展開する動画、音楽の配信サービスのコンテンツ情報と、著作権管理団体が管理する楽曲情報を共有、交換するプラットフォーム『GDSDX』を5月31日にリリースしたと発表した」。

——JASRACをめぐってはとかくいろいろ批判的な指摘がされるが、このGDSDXリリースの動きは興味深い。デジタル配信が大前提の市場で、各国での消費を的確に結んでいくことができる仕組みづくりは喫緊の課題だったはず。対抗するシステムは存在していたのだろうか?

焦点:米国で広がるメディアリテラシー教育、若者の必須スキルに
「最初のうち、ヘイジャーさんは、責任はソーシャルメディアの不十分なコンテンツ規制にあると考えていたが、その後『ネット上で目にするレトリック(巧みな弁舌)に対処するツールを生徒たちに与えるべきかもしれない』と考えるようになった」。

——青少年自らが“メディアリテラシー”に取り組む事例を紹介する記事。確かに単に教育関係者、政府が与える啓発がらみの教材の無力を感じることが多い。そもそもが単なる道徳教育であるようなケースが見受けられる。

(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)ニュース回避、疲れた心に配慮を 藤村厚夫:朝日新聞デジタル
【ご紹介】:
朝日新聞に寄稿したコラムが電子版にも掲載されました。よろしければご一読を。➡ ニュース回避、疲れた心に配慮を 藤村厚夫
生成AI、音楽配信や報道現場に変化の波 - 日本経済新聞
【ご紹介】:
月1回連載の記事が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 生成AI、音楽配信や報道現場に変化の波