Disruption This Week—–17/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月14日から2025年1月17日まで。

GoogleとAP通信、Geminiでのリアルタイム情報提供で提携
「米Googleと米Associated Press(AP通信)は1月15日(現地時間)、GoogleのGeminiアプリにAP通信のリアルタイム情報を提供する新たな提携を結んだと発表した」。

——すでにAPは、他のAIベンダーと提携をかわしている(少なくともOpenAIとは)。多角化路線を走る。そもそも通信社のビジネスは、従来は各メディア社に記事を配信するもの。それが各種AIサービスへと広がる。考えれば、このモデルが広がっておかしいことはない。問題は、それがコンテンツ作成者の長期的な支えになるような堅牢なビジネスなのかどうかだろう。

More than 400 Washington Post staffers send urgent plea to Jeff Bezos: 'We are deeply alarmed'
経営難と幹部離職が頻発する米Washington Post。そのスタッフ400人以上が、オーナーであるJeff Bezos氏宛てに同社幹部との面会を求める書簡。その主張は、「誠実さと透明性の問題」がスタッフの離職を引き起こしているというものだ。
Biggest news publishers on Youtube: 100+ publishers have more than 1m subscribers
英メディアPress Gazette、YouTubeチャンネルで100万人以上の購読者を擁する115の(英語ベース)メディアをランキング。Vice、ABCが1,800万人以上、CNNおよびBBCが1,700万人台で並ぶ。
中でもトップのViceが急伸。CNNをかわした。
TikTok、米従業員の給与支払い約束 19日の禁止法発効控え
「中国系動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』は、米事業を19日までに売却しない場合に米国でのサービス停止を求める新法が最高裁で覆らなかったとしても、米従業員への給与を支払い続けると説明し、懸念の払拭に努めた。内部メモをロイターが14日に入手した」。

——米国内でのTikTok利用禁止にいたる取引終了期限まであと数日。その後を見通そうとする報道が騒がしくなっている。米BloombergはMusk氏が米国内TikTok事業の買収を目指しているとする観測を一方で示している。また、代替アプリをローンチするなどの動きもある。いずれにせよ、本記事であるように、事業を傘下に有するByteDanceは単なる停止を避ける動きを画策しているようだ。

Mirror journalists given individual online page-view targets
英タブロイド紙メディア「Mirror」の各記者は、Web記事のPV目標を与えられているとする記事。同メディア編集長Caroline Waterson氏は、取材したPress Gazette記者に「PV目標を過度に恐れる必要はない。Mirrorは誇り高いタブロイド紙だ」と述べたという。
「Google TV」にもGemini搭載へ 会話で関連YouTube動画も表示
「スマートフォンのGeminiアプリと同様に、音声で質問したり指示を出したりできる。さらに、テレビがアンビエントモードのときにはスマートホーム端末を制御したり、その日のニュースの概要を確認したりすることもできるという。質問に対する結果には複数のYouTube動画も表示され、それらを再生することも可能だ」。

——遅まきながらCES絡みの話題。TVがネットにつながるのは、いまや当たり前だが、TVと人間のインターフェイスにAIが関われば、より一層TVの価値が高まる。“TVは我々のもの”と信じ込んできた放送局にとっては、怖い事態がもう目の前だ。

The Washington Post’s traffic tanks | Semafor
米Washington Postのメディアとしての窮状が改めて明らかに。同メディア(Webサイト)へのアクセスは、2021年1月のピーク時の4分の1以下にまで落ち込んだ。 議会襲撃事件では一時的に約2,250万DAUを記録。だが、2024年の半ばには、DAUは250万〜300万程度に下落しているという。米メディアSemaforからのスクープ。
Polish Putin film using AI to generate Russian leader's face set for premiere
プーチン露大統領を題材にしたポーランドの新作(英語)映画が公開(海外で)。この映画では、AIを駆使した特殊効果でプーチン大統領の素顔を俳優と重ね合わせている。記事内からプロモーション動画が観られる。
米国CTV広告費、2028年に旧来テレビを超える見通し
「イーマーケッター(eMarketer)によると、アメリカのコネクテッドテレビ広告費は2025年に333億5,000万ドルとなる見通し。2028年には468億9,000万ドルとなり、伝統的なテレビ広告費を上回ると予測している」。

——CTV市場の成長はたびたび紹介してきた。YouTubeやNetflixといった広告表示付きストリーミングの成長が、ここまできている。

フォトログ:「人生最悪の光景」、ロイター記者が歩いたロス山火事の現場
米LA郊外の山火事をめぐるロイターのビジュアル報道。英語版のイマーシブ体験を再現できていないが、それにしても、十分に迫力と感動を届けてくれる。

Disruption This Week—–27/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月23日から2024年12月26日まで。

1 000 and 4 000 days of deception: Russia’s evolving information manipulation - EUvsDisinfo
「直接的なプロパガンダからデジタル欺瞞へ。
EUの制裁と国民の懐疑心の高まりに直面し、ロシアのプロパガンダ担当者たちは、西側の声になりすますことで、西側の聴衆に接触する新しい方法を開発した…」。

——欧州対外行動庁(EEAS)による、ロシアのEU(関連)諸国への工作を取り扱うサイト「EUvsDisInfo」より。世の中では、AIを用いた「ディープフェイク」に関心が集まるが、より洗練された情報工作が台頭している。記事はそのような事例を紹介する。

Forbesも陥った広告目的サイトの甘い蜜 MFA事例解説 – 日経デジタルガバナンス

NIKKEI Digital Governance(日経デジタルガバナンス):デジタル・AI時代のガバナンスを伝える専門メディア

Forbesも陥った広告目的サイトの甘い蜜 MFA事例解説 - 日経デジタルガバナンス
【有料購読者向け記事】:
「MFAサイトは、検索エンジンやソーシャルメディアからトラフィックを集め、表示される広告によって収益を得る仕組みだ。しかし、MFAの急増により広告主には無駄な広告費の発生やブランドイメージの低下といった負の影響が拡大しており、広告市場の健全な成長を阻害する要因となっている」。

——「メード・フォー・アド(MFA)」、つまり、広告目的のためだけに作られ、運用されるWebサイトの解説記事。AIや自動クローラなどで、手軽にコンテンツWebサイトを作りだす技術が進展、ここにネットワーク型広告を配信するだけで、手軽に収入を得られる。個人的には、この種のサイトと純然たる商用Webサイトの境界線が曖昧化していることも、事態の背景にあるのだろうと見る。一般の利用者も、コンテンツの集積体としてのメディアに関心を持たないので、検索一発で答え(らしきもの)に出会えれば、満足ということなら、この種の詐欺サイトが減る理由がない。

Kara Swisher Just Wants a Meeting With Jeff Bezos – Washingtonian

Washingtonian – The website that Washington lives by.

数日前、米Axiosがテック系ジャーナリストの大物、Kara Swisher氏が(投資団を組成し)米Washington Post買収を計画と報道。その計画をめぐって、WashingtonianのシニアエディタAndrew Beaujon氏がSwisher氏にインタビューした記事。その意図や勝算を語って面白い!
Universal and Amazon Music Strike Deal to Collaborate on Streaming 2.0, Audiobooks and AI Protection
米Universal Music Group(UMG)およびAmazon Music、UMGが発表している「Streaming 2.0」戦略、AIからの保護、そしてオーディオブック事業などの点で合意、提携を発表。Streaming 2.0は規模の追求ではなく、各種購読や物販、アーティスト支援などで付加価値増をめざすもの。
Apple faces calls to remove new AI notification feature on iPhones after it generated inaccurate news summaries
米AppleがiOS 18.2に搭載された新機能「Apple Intelligence」をめぐる批判に直面している。Appleに批判を向けているのは、すでに紹介したBBC、そして「国境なき記者団」だ。いずれもオリジナルのニュースを不正確に紹介(プッシュ)したとされる。
Washington Post announces start of third newsroom - Talking Biz News
米Washington Post、従来から計画を公表してきた「第3の編集部」を立ち上げるべく、新事業部門WP Venturesを組成、責任者を指名した。新部門は新フォーマット(動画、音声、ニューズレター)などを手がけると、社員向けに通知した。
エヌビディアだけでないAI特需の恩恵、レディットやパランティアも
「トゥルイスト・アドバイザリー・サービシズの株式戦略マネジングディレクター、スコット・ユシャック氏は『最初の受益者でなかった企業も成長を経験し始めた。テック業界では現時点でAIが選好されているが、25年にはテックの選好対象が広がると期待している』と説明した」。

——AIブームの余波が、各種関連企業に飛び火している。AI関連半導体やソフトウェアを開発する度真ん中から、ジェネレーティブAIの学習用にコンテンツを来戦するReddit、AIを使った軍事分析システムのPalantir Technologies、発電などを手がけるVistraなどが株価を伸ばしているのだという。

Entertainment and Media Suffers Another Major Blow in 2024 With 15,000 Job Cuts
米メディア業界、依然として深刻な雇用環境が続く。——雇用動向の調査などを行うChallenger, Gray & Christmasに依れば、2024年12月中旬までに、放送、テレビ、映画、ニュース、ストリーミングの分野で14,909の雇用が失われた。23年は21,417であり、多少の改善に過ぎない。
記事はその複雑な背景に言及している。ひとつは顕在化したメディア企業(事業)の統廃合、M&Aなどの動きがある。
Google検索、公正取引委員会が独占禁止法違反を認定 初の排除措置命令へ - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「公取委はグーグル側の意見を聴いた上で最終的な処分を決める。公取委は取引の見直しを求めるとみられ、グーグル側の対応が焦点となる」。

——Googleがどのような対処策をとるかはまだ不明。ただ、これまでの取引慣行を改める程度のことになるのだろう。

UK data regulator criticises Google for ‘irresponsible’ ad tracking change
英国のデータ保護規制当局、Googleが先週発表したフィンガープリンティングを広告主に提供するという従来の方針の変更に「無責任」と批判。同社は従来、ユーザー保護の観点からフィンガープリンティングのターゲティングへの利用に慎重だった。

Disruption This Week—–20/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月16日から2024年12月20日まで。

日本新聞協会、生成AIと著作権保護「新たな法整備を」 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「生成AIの普及に伴い偽・誤情報の拡散が社会問題となっている。協会によるユーザー調査では『約6割が誤った回答が表示された経験を持つ』との結果が出ており、背景には『無秩序なデータ収集』があると指摘した」。

——日本新聞協会による、政府推進案に対する見解。協会自身が掲載したページより、日経に依るこの記事の方が読みやすい。協会、すなわち新聞業界が警戒する関心事は、検索に近いポジションでAIが報道される情報のつまみ食いをしてしまうことのようだ。

Webは消滅に向かっている——。米Pew Researchによれば、2013年にはアクセス可能だったWebページの38%が、今ではアクセスできない。ある大学の研究者らによれば、2025年までに地方ニュースサイトの3分の1が失われるという。技術的欠陥、そして情報を消したがる動きも原因だ。
メタ、来年の米広告収入はインスタグラムが半分超の見通し=調査
「調査会社イーマーケターは調査で、米メタ・プラットフォームズの2025年の米国での広告収入は写真共有アプリ『インスタグラム』が半分超を占める見通しを示した。メタは主力商品の改善を通じて広告を増やし、売上高を拡大する取り組みを進めている」。

——なぜ、この予測が話題となるのかと言えば、ライバルで短尺動画アプリの筆頭アプリTikTokが米国で禁止される(あるいは所有権が動く)可能性が高まっているからだ。記事にはInstagram広告の内訳などが詳しく紹介されている。

More than 140 Kenya Facebook moderators diagnosed with severe PTSD
140人以上のケニア人Facebookモデレーターが重度のPTSDと診断され、アウトソーシング元のMetaとアウトソーシング先企業Samasource Kenyaに対して元モデレーターらが訴訟を提起との報道。モデレーターらは過激な動画像に繰り返し晒されていたとする。
IT技術者「自由な働き方」に盲点 サイバー攻撃の標的に 編集委員 須藤龍也 - 日本経済新聞
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「ディレクターを名乗る人物から「スキルをテストしたい」と通販サイト構築アプリのプログラムコードが送られてきた。男性がパソコンで実行したところ、セキュリティーソフトがウイルスを見つけたと警告を発した」。

——衝撃なのは、記事が「石川氏によると今回見つかったウイルスから、ハッカーの狙いは第一に仮想通貨など金銭目的だと推察する。ただ、男性のパソコンを乗っ取る機能も見つかっていることから、パソコン内部の機密情報を盗み取る目的もあるとみる」と続くこと。被害に遭いかけた技術者は、会社貸与のPCを使って、“スキルテスト”プログラムを走らせていたという。

AIの次なる飛躍、「長時間思考」に備えよ
【有料購読者向け記事】:
「長時間思考とは(少なくとも最大限に活用された場合では)文字通りの意味を持つ。長時間思考AIモデルは、生成する結果を「熟考する」ためにもっと時間をかけるように設計されている。進行状況を知らせ、途中でフィードバックを求めるほど賢くなるだろう」。

——OpenAIの長時間思考モデルが、「o-シリーズ」。「回答する前により長く考え、複雑なタスクを論理的に捉え、『科学、コーディング、数学の分野で、従来モデルよりも難しい問題』を解決するよう設計されている」という。

EU、TikTokの調査開始 選挙介入巡る疑い
「欧州連合(EU)欧州委員会は17日、11月のルーマニア大統領選などで選挙介入を抑制しなかった疑いがあるとして、中国の字節跳動(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』に対する正式手続きを開始した」。

——これはすでに紹介した。国内大手紙でも論じている話題。これから注目されるのは、単にTikTokが適切な偽誤情報を含む政治コンテンツに対して適切にモデレーションするのを怠った、以上の、影響力工作方法上の新たなアプローチがあるのかどうかだろう。

More YouTube viewers are watching on their TVs | Semafor
YouTubeの視聴が、CTV(コネクティッドTV)上で急上昇。多くのクリエイターは4Kベースの(CTV向け)コンテンツで収益を伸ばしている——。同社幹部のKurt Wilms氏が述べた。「収益の大半をリビングルームのデバイスから得ているクリエイターの数は、前年比で30%増加」。
メタが新AIモデル公開 メタバースのアバター動作がリアルに
「メタは12日、人工知能(AI)モデル『Meta Motivo』をリリースすると発表した。メタバース空間でのキャラクターの動きをコントロールし、自然な動作を可能にした。
Meta Motivoはデジタルアバターによく見られる体の動きの問題を解決し、よりリアルで人間らしい動きを実現すると説明した」。

——ようやくMeta社は、AIに先行して全力を傾注してきたメタバース戦略とAIの接点を創りだすところにまでこぎ着けたようだ。今後は同社のアドバンテージが生きてくるのかもしれない。

Patrick Soon-Shiong's controversial shakeup at the L.A. Times:  'Bias meter,' opinion upheaval and a call for growth
米著名メディアの一つ、L.A. TimesのオーナーPatrick Soon-Shiong氏の言動、行動が話題だ。同紙がHarris大統領候補の支持を表明するのにストップをかけ、同紙記事のバイアス度を表示するメーターを設置しようとする。同氏へのインタビューをL.A. Times自ら行った。

Disruption This Week—–6/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月2日から2024年12月6日まで。

米Vox Media傘下の人気テクノロジー系メディア「The Verge」がペイウォール制を開始。ユニークなタイムライン型トップページ(非常に滞在時間が長い)を閲覧フリーとしつつ、一部のプレミアムコンテンツとサービスをアクセス有料に。「より少ない広告のために」と編集長は意図を述べる。
生成AIで日本のマンガを爆速翻訳、日英同時配信で世界に挑む
「日本の出版スタートアップ企業は、アンソロピック(Anthoropic)の主力大規模言語モデル『クロード(Claude)』を利用し、マンガを英語に翻訳している。これにより、英語圏の読者にわずか数日のタイムラグで新刊を届けることが可能になった。通常ならば2〜3カ月のチーム作業が必要なところだ」。

——メディアがAIに期待できる最も建設的な効果の一つが、自動翻訳だろう。だが、このような取り組みに反対論も根強いと記事は指摘する。「この会社がどんなに善意で動いていようとも、AIを使ってマンガを翻訳するという考えは、悪趣味で侮辱的だと思います」。さて、社会は最終的にどちらを許容するか。スタートアップ企業側は、「日本で出版されるタイトルのうち、米国版が刊行されるのは2%程度にすぎない」と豊かな市場性を指摘している。

Google search change hits publisher Black Friday e-commerce revenue
ホリデーシーズンを迎えたからか、Googleは検索アルゴリズムの調整で、有料アフィリエイトリンクで荒稼ぎをする多くのニュースメディアをランクダウンさせる打撃を与えている。記事は、Forbes、AP通信、CNN、Fortune、そしてWall Street Journalが打撃を受けたと報道する。
Meta Platformsのグローバル政策担当責任者のNick Clegg氏、選挙の年となった2024年を会見で振り返り、「同社アプリの全体で、あまりにも多くのコンテンツを誤って削除や制限を課してしまっている」と、そのモデレーション精度の低さについて見解を述べた。
Netflix日本トップ「有料会員1000万世帯を突破」 4年で倍 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「米動画配信大手ネットフリックスのコンテンツ部門バイスプレジデント、坂本和隆氏が日本経済新聞などの取材に応じ、『日本の有料会員が1000万世帯を突破した』と明らかにした。日本発の作品は、非英語作品の中で韓国ドラマに次いで2番目に世界で視聴されていることも分かった」。

——「2015年に「黒船」として日本に参入した。20年に500万だった日本の会員数は24年6月時点で1000万を超え、約4年間で2倍に増えた」と記事で、坂本氏が述べており、その成長プロセスが伝わる。家庭での視聴を考えると、日本人の2000万人程度が視聴しているのだとも。

Streamer Kai Cenat earns millions, breaks Twitch subscriber record during 30-day livestream
米クリエイターの Kai Cenat、Amazon傘下のストリーミングプラットフォームTwitch上で、11月の30日間ノンストップ(24時間)でライブストリームを配信。同プラットフォームで記録となる最高加入者数(73万人弱)を更新。その間のユニーク視聴者は5,000万人に達する。
Meta says AI content made up less than 1% of election-related misinformation on its apps | TechCrunch
Meta、自社アプリの選挙関連誤報のうちAIコンテンツは1%未満と発表。選挙の年である今年。年初には偽誤情報のまん延が選挙に影響を及ぶとの懸念が高まったが、同社は米国をはじめ各国での調査により、軽微なレベルに抑え込めたと自負。選挙以外でも努力すべきだろう。
News outlets push vertical video to the homepage
Instagram、TikTok、YouTubeの定番である短尺のタテ型動画が、ニュースメディアのWebサイトへ導入が進む。記事では、The Economist、New York Times、Washington Post、Wiredなど著名サイトで記者らが短尺・タテ型動画による報道スタイルに取り組む動向を伝える。
Taylor Swift Is Upending Another Industry Playbook—This Time, in Books
【有料購読者向け記事】:
米歌手のTaylor Swift氏が“セレブ出版”に革命(?)——同氏自身が運営するTaylor Swift Publicationsから個人出版書籍『Eras Tour Book』を刊行。ブラックフライデーに売り出す。初版部数は200万部だ。
Putin’s new plan to undermine fact-checking – EDMO
ロシアは、自称“ファクトチェック組織”の国際的な連合体の設立を目指している。 「グローバル・ファクトチェッキング・ネットワーク(GFCN)」と呼ぶ構想だ。その主な推進者は、近年いくつもの国で偽情報キャンペーンを行ってきた、クレムリンに支配された報道機関だ。
国家が主導する(体裁をとるはずだ)ファクトチェックの問題点がここにある。

Disruption This Week—–29/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年11月25日から2024年11月29日まで。

オーストラリア、16歳未満のSNS利用を禁止-新法が成立へ
「禁止措置の施行はハイテク企業自らが担当する仕組みで、対応を怠った場合は最大5000万豪ドル(約49億2300万円)の罰金が科せられる可能性がある。新法では、ユーザーの年齢をどのように確認するのかについては定められていない」。

——制裁金の額はともかくとして、ユーザーの年齢をどう厳密に認識するのかという、難しい課題が課された法制度。さらに言えば、青少年の言論の自由については、どう整理されたのかが気になるところ。記事は言及していないが、YouTubeは教育などにも活用されており、本規制の対象から逃れたという点も「?」が残る。

Yes, That Viral LinkedIn Post You Read Was Probably AI-Generated
AI検知新興企のOriginality AI、LinkedIn上の長めの英語投稿の54%以上が、AIによって生成された可能性が高いとする分析を示す。分析リポートが米メディアWIREDに提供された。ただし、LinkedIn自体がプレミアムユーザーには生成AIの執筆補助サービスを提供している。
コンテンツクリエイター経済、成長する一方で「脱落者は3年連続で増加」 | どのプラットフォームも「勝者総取りの構造」
「米誌『フォーチュン』によれば、米金融機関『バンク・オブ・アメリカ(BofA)』の顧客のうち、コンテンツクリエイターとして収入を得ている人の割合は、2024年11月現在、0.20%となっており、2021年の0.25%をピークに3年連続で低下している」。

——記事が指摘するのは、パンデミック下で多彩なコンテンツ需要が爆発。だが、それ以降、クリエイターの中でもプロ的な人々による「勝者総取り」状況が生じているという。米国では大物クリエイターは、ほぼ中小のメディア企業的規模に達している。アマとプロの差は広がるのだろう。

Meta Shares Threads Growth Stats to Counter Reports of Bluesky’s Growth
米大統領選(特にその投票日前後の)Blueskyの劇的な成長については、何度か紹介している。対抗する“本命”のMeta Threadsも、成長を繰り返しPR。10月末には2億7500万MAU(月間アクティブユーザー数)を発表後も、11月には3,500万以上のアカウント増と発表。
ビッグテックの合同テロ対策フォーラム、その2年間の混乱のゆくえ
【有料購読者向け記事】:
「2023年3月、メタ・プラットフォームズ、YouTube、ツイッター、マイクロソフトの副社長がZoom会議を行ない、最も強力なライバルのひとつであるTikTokを自分たちのクラブに迎え入れるべきかどうか検討した。4人の副社長はテロ対策グローバル・インターネット・フォーラム(GIFCT)の理事であり、自社のプラットフォームがテロの温床になることを防ぐために情報交換をしている」。

——その後、「X」が離脱したたが、この時期世界の4大プラットフォームが、「テロ対策」を名目とした業界秩序の維持と、ライバル排斥の機能を果たす協議を繰り広げていたことがわかる興味深いリポート。

How Rappler Is Building Its Own Communities to Counter AI and Big Tech
ノーベル賞受賞ジャーナリストMaria Ressa氏、同氏の経営下にあるメディアRapplerで、「Rappler Communities」を開発したと明らかにした。オープンソース、安全、分散型のMatrixプロトコルで構築されたアプリで、世界的な独立したニュース配信機関になる可能性を示すものだと述べる。
「検閲カルテルを解体する」米FCC次期委員長がプラットフォームに突きつける「広範な免責撤廃」
「フェイスブック、グーグル、アップル、マイクロソフトなどは、検閲カルテルで中心的な役割を果たしてきた。ファクトチェック団体や広告代理店とともに、『ニュースガード』という名の(ジョージ・)オーウェル的な組織が、一方的なナラティブ(筋書)を強制する手助けをしてきた。検閲カルテルは解体しなければならない」。

——個人的に注目していたWebサイトの信頼性評価事業者NewsGuardもやり玉に挙げられているのには少々驚き。そのぐらいに、同社の影響力が生じていたということか。さて、「検閲カルテル」の解体の後に残る課題は何だろう? 単なる罵詈雑言を自由放任、放置ですむだろうか。

中国ハッカー、米史上最悪 上院情報委員長が指摘 | 共同通信
「ウォーナー氏(=米上院の情報特別委員長)は、中国系のハッカー集団『ソルト・タイフーン』が米国の通信会社を介した音声通話をリアルタイムで盗聴していると説明。連邦捜査局(FBI)が確認した被害者は150人未満だが、数百万人分の電話やテキストメッセージが傍受されている恐れがあると指摘した」。

——「ソルト・タイフーン」。すでにWSJが事前に報道していたが、その具体的な姿が語られた。

Why is everyone talking about Bluesky right now?
ユーザー数“たったの”2,100万人のSNS「Bluesky」が爆発的に成長中。それも大統領選投票日前後の2週間のできごとだ。Blueskyは、現在、アプリストアでChatGPTとThreadsを抑えて1位の無料アプリとなった。
The Podcast Election | No Mercy / No Malice
「私が(かなり)確信している唯一のことは、若者たちがTrump氏に激しく傾倒するという決断を下す上で、初めて、極めて重要な役割を果たしたメディアは何かということだ。 そして、それがこの記事の主題である」。それはポッドキャストだとする。Scott Galloway氏の論。
「新しい形態のメディアは、定期的に我々の文化や政治を再形成する。 FDR(=ルーズベルトのこと)はラジオを使いこなし、JFK(=ケネディ)はテレビを活用し、レーガンはケーブルニュースに釘付けにした。 オバマはインターネットを通じて若い有権者に活力を与えた。 トランプはツイッターで世界中の注目を集めた。 今年はポッドキャスティングだった」との興味深い記述がある。
(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)難しい記事こそ、簡潔に“見せ”て 藤村厚夫:朝日新聞デジタル
【ご紹介】:
朝日新聞にコラムを寄稿しました。ご一読ください。一般的な読解力をめぐる課題、そして新聞記事の理解しづらさをめぐる課題などについて考えてみました。新聞インサイダーにこそ届けば良いのですが。
SNSに潜む「エコーチェンバー」の危険とは:時事ドットコム
【ご紹介】:
藤村が『メディアリテラシー 吟味思考(クリティカルシンキング)を育む』に執筆した論からの抜粋が掲載されました。数年前に執筆したものですが。よろしければどうぞ。