Disruption This Week—–11/10/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年10月1日から2024年10月11日まで。

「Xプレミアム」収益配分の仕組みを変更 インプレゾンビ対策にも?
「今後は投稿の返信欄に広告が表示されても収益は発生しません。代わりにこれからは、投稿に対してプレミアムユーザーがエンゲージメントすることで支払いが行われます」。

——「エンゲージメントとは、ある投稿に対してシェアやコメントなどのアクションを起こすこと」だと記事で解説。「これまでの広告収益分配プログラムでは閲覧数に応じて収益が発生していたため、日本人の投稿に海外のアカウントからリプライが付くケースが多く、災害発生時などに問題視されていた」とも述べている。要するに、“無意味な”閲覧数を稼いでも商売にはならないスキームを目指しているわけだ。

How The New York Times incorporates editorial judgment in algorithms to curate its home page
米New York Timesは、Webでもアプリでも、トップページにアルゴリズムを駆使したコンテンツキュレーションを施している。1日に公開する記事が250超だが、トップページに表示できる記事は50〜60に限られているからだ。このアルゴに編集者の意思をどう反映しているかを語った記事。
X、ブラジルでのサービス再開へ 命令に従い2860万レアルの罰金も支払ったため
「モラエス判事は、Xがブラジルの法律と『国家主権を尊重した司法の決定』を完全に順守することを条件に、活動の再開を許可した。
Xは、虚偽情報を拡散していた(と判事が指摘した)アカウントのブロックと、ブラジルでの海外企業の運営に関する法律で義務付けられているブラジルでの法定代理人の任命という、活動再開のための2つの条件を9月27日に完全に満たしたことを証明した」。

——ブラジル司法の求めるところにXが完全に屈伏した図式のようだ。法令遵守があるとはいえ、“言論プラットフォーム”でもあるものが、権力の意向に屈伏するだけがよいことなのかと言えば、留保しなければ。各国で「擬誤情報のまん延」を材料に、権力が情報の統制に身を乗り出そうとしている瞬間に起きた出来事だ。

グーグルに事業分割要求も、米当局が検討 ネット検索巡る訴訟で
「米司法省は8日、アルファベット傘下グーグルのインターネット検索が独占に当たるとの裁判所の判決を受け、同社にブラウザ『クローム』や基本ソフト(OS)『アンドロイド』など一部事業の切り離しを命じるよう裁判所に求める可能性があると明らかにした」。

——昨日はEpic Gamesとの係争をめぐり、Google Playアプリストアの開放という判決を紹介したが、今日は、改めて分割問題が話題になっている。改めて引用箇所を読み直すと、かつてのMicrosoftの独占時の問題と同じことが起きていることがわかる。

OpenAI exec rules out sharing revenue from SearchGPT with publishers, for now
OpenAIのメディアパートナーシップ担当責任者は、現在のところ、同社がSearchGPT製品から得られる広告収入を、コンテンツを掲出したメディア事業者と共有する方針はないとした。「新しい視聴者による大幅なトラフィック増」で、各メディアに公平に分配されると述べた。
Who U.S. Adults Follow on TikTok
米Pew Researchが新調査結果を発表。いまや成人の半数(52%)がTikTokを通じて定期的にニュースに接触する。だが、米成人のTikTokユーザーが多くフォローするのは、著名人などインフルエンサー。残念ながらジャーナリストらはごく少数に過ぎない。
US judge orders Google to open app store to competitors
「米連邦判事、GoogleにPlayストアをライバルに開放するよう命令」。Apic GamesがGoogleに提起した訴訟で大勝利。競合他社の作るアプリストアに、Google Playストアのカタログを利用できるようにしなければならない。進行中のAppleとの係争の行方にも影響大だろう。
Substack wants to do more than just newsletters | Semafor
好調に拡大するニューズレター配信サービスSubstackの現状を、米Semaforが報じた。報道に寄ればSubstackは直近1年で、購読者を100万人増やしたという。黒字化には至っていないものの、2022年に900万ドルだった売上は好調に推移しているものと見る。
Google’s Grip on Search Slips as TikTok and AI Startup Mount Challenge
【有料購読者向け記事】:
「調査会社eMarketerによると、米国の検索広告市場におけるグーグルのシェアは来年、10年以上ぶりに50%を下回ると予想されている」。TikTokやAmazonがブランド商材の検索に力を入れているからという。特にAmazonは22%のシェアが見込まれているとする。
「沖縄独立」煽る偽投稿拡散 背後に約200の中国工作アカウント - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「『沖縄独立』を促す偽動画が今、SNS上で拡散し続けている。日本経済新聞が先端の人工知能(AI)ツールで解析したところ、背後に拡散を請け負う大量の『情報工作アカウント』が見つかった。主に中華圏に向けたSNSの投稿だが、専門家は今後、日本の世論分断にもつながりかねないと警鐘を鳴らす」。

——朝日新聞による調査報道を紹介してきたが、今度は日経新聞による読みごたえのあるビジュアル調査報道を紹介する。こちらイスラエルで開発されたツールを使うなどして流布されている偽情報を追跡すると、おもに3つの発信源(アカウント)が浮かび上がったという。それぞれは幼稚な動画などだが、結果として広範囲に偽情報が拡散していることも判明。

ロシアの偽情報作戦「ドッペルゲンガー」は西側諸国だけではなく自国首脳部も欺いている
「ロシア政府主導の工作ネットワーク『ドッペルゲンガー』は、西側諸国を標的として、さまざまな偽情報作戦を展開しています。しかしその偽情報作戦が、西側諸国だけではなく、ロシア政府の首脳部も欺く結果になっていることを、世界情勢を扱うニュースサイト・Foreign Affairsが報じています」。

——一昨年にその存在が暴露された、ロシア政府系の偽情報生産企業SDAとその偽情報キャンペーンの主体「ドッペルゲンガー」。その大規模な偽情報生産の状況を克明に伝える膨大な内部資料が西側メディアに漏えいした。この記事は、数GBにおよぶ文書を入手した外交専門誌「Foreign Affairs(フォーリン・アフェアーズ)」の記事を翻訳紹介したもの。影響工作の実像を伝える驚愕の内容。

ChatGPT、会話がスムーズになりました
「ChatGPTで、『高度な音声モード』(Advanced Voice Mode)の提供が始まりました。有料プラン加入者が対象の新しいアップデートです。
OpenAIは機能のリリースに合わせて、本機能を使っている動画を投稿」。

——すでに紹介をしている話題だが、改めて。50か国語に対応しており日本語も含まれる。応答速度が速いのは謳い文句どおりだが、さらに凄いのは動画にもあるように、注文された文章を生成中に、ユーザーが割り込んで指示を与えると、即座に対応する。あとは音声の自然さが高まっていけば……。

Microsoft starts paying publishers for content surfaced by Copilot | TechCrunch
米Microsoftは、同社が展開中のAI機能のCopilotの各種アップデートを発表。注目される新機能が「Copilot Daily」。提携した大手メディアからの天気や時事問題記事の要約を音声で提供する。Dailyに用いられるコンテンツに対して、報酬を支払うという。
“広告への苦情”の50年史 Webサイトで26万件をまとめて紹介 ネット広告に「見たくない」の声も
「日本広告審査機構(JARO)は10月1日、設立から50年の間に寄せられた広告への苦情をまとめたWebサイト『苦情の50年史』を公開した。累計約26万件の消費者の声を分析し、時代ごとの件数の推移や内容、広告媒体などの変化について紹介している」。

——素晴らしい取り組み。「50年間の(苦情・問合せ)件数推移」のチャートを見ると、現在がそのピークであることが如実。興味深い。

Politico’s wonky Pro service to roll out new AI tool | Semafor
米政治専門メディアPoliticoは、テック企業Capitol AIと提携。政策、州・連邦立法、議会委員会の公聴会を詳細にカバーするPoliticoのプレミアム購読版Politico Proの購読者用ツールを開発すると発表。メディアが自らの読者専用サービスのためにAI技術を導入するケースとなる。

Disruption This Week—–20/9/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年9月17日から2024年9月20日まで。

Netflixがユーザー満足度を最大化するために取り組む推薦アルゴリズムとその工夫とは
「ユーザーがNetflixにアクセスすると、その瞬間がシステムにとってのコンテキストとなり、コンテキストに基づいてシステムが推薦内容を選択する。ユーザーは推薦されたコンテンツにさまざまなフィードバック(報酬)を返す。
これには、すぐに得られるもの(スキップ、再生、いいね/嫌い、プレイリストへの追加)や後から得られるもの(視聴の完了、サブスクリプションの更新)もある。Netflixでは、推薦の良しあしを評価する報酬関数を定義し、より優れた推薦のためのポリシーを学習させ、ユーザーの満足度を最大化させることを目指しているという」。

——Netflixが、動画作品の推奨アルゴリズムを公式解説。概念的なものではあるが、なかなか参考になる。気になるのは、「報酬の総和がユーザーの満足度」になるのかどうかだ。原文に当たってみたい。

30年増収の京都・大垣書店、本の虫がつくる「刺さる店」とは LBSローカルビジネスサテライト - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「全国で書店が減り続けているなか、京都市に本社を置く大垣書店は10年間で店舗数を約2倍に増やした」。

——動画で「ネットのアルゴリズムでは出てこない発見・出会い」と、その繁盛ぶりが述べられている。改めてコンテンツとの「出会い(発見)」の価値を確認できる。

AI revolution for news publishers is only getting started
「出版の未来は、エンジニアやプロダクトマネージャーをリーダーシップに持つ出版社にある。 残念なことに、多くの出版社にはこの種のリーダーシップが欠けており、長期的な成功を妨げている」。米メディアコンサルのMatthew Scott Goldstein氏が述べるAI革命時代のメディア。
YouTube、クリエイター向けの新機能を多数発表 AIやコミュニティ関連
「Google DeepMindのAI動画生成モデル『Veo』をショート動画に統合することで、高品質の背景や6秒間のクリップを生成できるようにする。背景は間もなく、6秒動画は来年初頭に利用可能になる見込み」。

——YouTubeが動画生成AIサービスをクリエイター向けに開発。ちょっと関心を引くのはコミュニティ機能の追加。こちらもクリエイター向けに考えられており、ファンとの交流を強化するサービスだ。当然の発想だが、それが下手だったYouTube。うまく行くか?

Webの広告がスゥ……と消える「iOS 18」の新機能に注目集まる その使い方とは
「『Safari』に搭載されたもので、Webサイト閲覧時に目障りな広告などを非表示にできる。広告が粉々になって消えていく独特のアニメーションも含め、画期的な機能と評価する声も見られた」。

——これまでもSafariには「リーダーモード」という広告など除去した簡易表示モードがあったのだが、今回の「気をそらす項目を非表示に」機能は、担当直入に邪魔な広告を粉砕する的な意図が如実に示されている。広告嫌いなAppleだから、ということでもあるのだろうが、ここまでプラットフォームが公然と広告を敵視する時代になったという象徴的なものだ。

Google will begin flagging AI-generated images in Search later this year | TechCrunch
Google、今年後半にも検索サービスで、AI生成による画像にそれを示すフラグを表示すると発表。C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)のメタデータを検出する。もっともC2PAが広く認められた標準とまでは言えない状況ではあるが。
「1週間のサブスク、4ドルでどう?」米Washington Postが公約どおり、フレキシブルな購読オプションの試行運用を開始。アクセスするユーザーによって4ドルから10ドルの間でオファをしていることが確かめられたという。
2万7000冊の書籍、AIが学習し回答 新興の情報工場 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「たとえばユーザーが質問欄に『異文化を持つ人々が相互理解するために必要な考え方は』と入力すると、AIが2万7千冊の書籍の中から引用し『オープンさや共感を受け入れるマインドセット』といった回答を、英語と日本語で生成する」。

——関心を引く新サービス。広義にとれば、AI検索サービスだが、情報源が「2万7000冊の書物」という点が信頼感を醸成するポイントになりそう。さらにいえば、書物を読む入り口にさえなるかもしれない。もちろん、“読んだ気になって”終わりでは困るという向きもあるだろうが、そんなリスクはすでに世の中にあふれている。

More Americans are getting news on TikTok, bucking the trend seen on most other social media sites
米Pew Researchの調査によると、2020年以降、他のどのSNSよりも、ニュース取得のために定期的にTikTokを利用する米国人の割合が急速に増加中。2020年の3%から2024年には17%と、約5倍に増加。若年層の利用で際立っている。
What the Financial Times learned from experimenting with AI
英Financial Times、今年はじめにジェネレーティブAIの応用を試すために「AccelerateAI」チームを組成。その試用結果をリーダーが説明。「脅威を恐れるあまり(あるいは実験するのが面倒だからといって)、新テクノロジーがもたらす機会を放棄してはならない」。

「人に優しいロボットのデザイン」高橋英之 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
スマートニュース メディア研究所が主催する研究会「AIと人間の「あいだ」を考える研究会」での議論から、メンバーである大阪大学 特任准教授の高橋英之さんにユニークな論考を寄稿いただきました。

Disruption This Week—–30/8/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年8月26日から2024年8月30日まで。

Can Tech Executives Be Held Responsible for What Happens on Their Platforms?
【有料購読者向け記事】:
「Pavel Durov氏への告発によって、Meta社のMark Zuckerberg CEOのようなハイテク企業幹部が、次にヨーロッパの地を踏んだときに逮捕される危険性があるかという懸念や疑問が起きている」。米New York Timesがハイテク業界に生じている恐怖を伝える。
インターネットの検索行動、YouTube利用が増加/複数回検索する人は約半数に減少【ナイル調査】
「インターネットを利用して調べものをする時最も利用頻度が高いものを尋ねた。すると、『Google(50.0%)』『Yahoo!(25.2%)』『YouTube(5.3%)』の順となった。
2023年調査では3位に『Twitter(5.0%)』がランクインしており、2024年は『X_旧Twitter(4.4%)』は0.6ポイント下がり4位という結果に」。

——よく考えてみれば、検索エンジンは検索のためのツール。一方、YouTubeやInstaなどは、SNS閲覧(や投稿)のための場。文脈が異なるなど、いろいろ考えがふくらむ。

Newsrooms are finding new ways to build community, online and off
「一緒にニュースの意味を理解するのを助けてくれるコミュニティが周りにないとき、相談できる人がいないとき、ニュースを追いかけるための社会的通貨がないとき、それは切り離されたように感じる」。

——ニュースをめぐるコミュニティ構築の重要性を語る議論。Institute for Nonprofit News(INN)のカンファレンスでの発言から。

NFT価格、2年で10分の1 バブルの跡からビジネスの芽 価格は語る - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「非代替性トークン(NFT)の平均単価が2年間で約10分の1に急落した。短文投稿に3億円の値がついたバブルが去った今、売買は手ごろなデジタルアートや会員権が中心だ。本来の特性を生かした使い道が少しずつ広がっている」。

——投機的な期待が先行していたNFTが、徐々に地に足が着いたビジネスへの動き。「会員権のようなサービス利用権との相性が良い。ホテル開発・運営のNOT A HOTEL(ノットアホテル、東京・渋谷)は、リゾート施設のシェア所有でNFTを活用している」というのは、なるほどなー。

紙の漫画を続けていたら、家賃6万8000円すら払えなかった…「パッとしない」漫画家が年収2000万円を稼げる理由 7人のアシスタントは全員リモート勤務
「自身が実践しているようにアシスタントには徹夜厳禁とし、人によっては最低限の筋トレと散歩を義務化する。そして、漫画作りのノウハウを紹介している自身のYouTubeをアシスタント教育にも活用している。
登録者数が2万5000人を超えたYouTubeでの発信の成果もあり、近年、美大や専門学校などで講演する機会が増えた」。

——「紙の漫画のアシスタントだった丸山恭右さんは2019年から漫画アプリへの配信を始め、年収2000万円を稼ぐ電子漫画家になった」と、丸山氏のサクセスストリーリーを取材した記事。要するに生産性を上げること、戦略の狂気じみた徹底が伝わる。“生産性”というコトバと縁遠いとみられてきた分野だが、やりようがあることもよく理解できる。

メタCEO、コロナ巡る投稿でバイデン政権からの「圧力」明かす
「メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなか、コロナ関連のコンテンツを『検閲』するよう米国政府から『圧力』を受けたと明かした。要求に応じた同社の決定を後悔しているとも述べた」。

——こちらも政府、プラットフォーマーをめぐる話題。優等生ぶりを発揮してきた米ITプラットフォームも、大統領選後を見据えてか、新たな動き、言動を示し始めている。

マスク氏、加州のAI規制法案支持 安全性テスト義務付け
「米実業家のイーロン・マスク氏は16日、カリフォルニア州の人工知能(AI)規制法案(通称SB1047)を支持する意向を示した。同法案はハイテク企業やAI開発者に対し独自モデルの一部について安全性テストの実施を義務付ける内容」。

——直前の投稿のように、Musk氏もまた、カリフォルニア州AI規制新法を支持。「私は20年以上にわたってAI規制を支持している」とのこと。

Inside Megyn Kelly's YouTube success | Semafor
米ニュースキャスターのMegyn Kelly氏、FOXそしてNBCで人気ニュース番組で人気を博していたが、“差別的”とされる発言で番組降板。現在は、スタッフ6名で、230万人が登録するYouTubeチャンネルやポッドキャストで、かつてのレガシーメディアに匹敵する数字を獲得と明かす。
Pro-Russia 'news' sites spew incendiary US election falsehoods
ロシア政府に近い“偽ニュースサイト”ネットワークが、Trump前大統領の暗殺未遂事件の背後に米民主党の謀略があるとの情報を拡散。元となったBarack Obama氏らの会話記録がAI音声合成と米NewsGuardが分析。ロシアに逃亡した元米海兵隊員John Mark Dougan所有サイトが発信源だ。
This startup wants to be the iTunes of AI content licensing
「新鮮で高品質なデータへのアクセスを必要とするAI企業と、実際にデータ生成にコストをかけているメディア企業をつなぐマーケットプレイスを作ること」の目的とする新興企業Toolbitの話題。同社創業者はRAG技術に着目して創業したと語る。

Disruption This Week—–23/8/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年8月19日から2024年8月23日まで。

Twitter alternative? News publishers see potential in Bluesky
報道機関にとって、BlueskyはX代替となるか? 英Press Gazetteが、Blueskyを利用するメディア、報道機関に、このプラットフォームの可能性について訊いた。NYTimesやCNNなど大手も使い始めたこのX代替は、大手プラットフォームよりはメディア事業者に協力的なのだという。
July Exhibits Rare Upswing in TV Viewing, Amplified by Streaming and First Days of Summer Olympics, according to Nielsen’s The Gauge™ | NielsenJuly Exhibits Rare Upswing in TV Viewing, Amplified by Streaming and First Days of Summer Olympics, according to Nielsen’s The Gauge™ | NielsenShareClose
米視聴調査Nilsen、7月のTVおよびストリーミング視聴者調査を発表。YouTubeがテレビ視聴の41.4%を占めた。ストリーミング・プラットフォームとして初めてTV視聴全体の10%を突破したことも明らかに。
「生成型AI」活用急ぐグローバル縦読み漫画…韓国で高まる「規制・政策」急ぐ声
「縦読み漫画『ウェブトゥーン』のグローバルなプラットフォームが生成型AI(人工知能)の活用を積極的に進める中、韓国国内でも関連する規制や政策の整備が急務だという声が高まっている。新技術に対応する政策の枠組みが整備されていないため、ウェブトゥーン業界は海外市場に目を向けている状況である」。

——お隣りの韓国発の話題だが、効率的な多言語対応が求められるクリエイティブ(まさにこのウェブトゥーンなど、コミックスはそうだろう)には、ジェネレーティブAIサービスとの融合、利用が急務だろう。その一方で、剽窃や改ざんも簡単に起きそうだ。権利保護と市場活性化策の両面が浮上するという図式がAIにはついて回る。

Pindrop、精度99%でディープフェイク音声を見抜く「Pulse Inspect」をローンチ

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

Pindrop、精度99%でディープフェイク音声を見抜く「Pulse Inspect」をローンチ
「Pindrop によると、350以上のディープフェイク生成ツール、2,000万以上のユニークな発話、40以上の言語で独自のディープフェイク検出モデルをトレーニングした結果、約20万サンプルのデータセットの社内分析に基づくディープフェイク音声の検出率は99%に達したという」。

——“Deep”なのか“Cheap”なのかはいざしらず、世界では手軽に画像合成、音声合成などができるツールが出回るようになっている。これらを解析し、合成の痕跡を検知するツールやソリューションも、動き始めている。

OpenAI signs deal to train on Condé Nast content, surface stories in ChatGPT | TechCrunch
OpenAI、雑誌メディア大手の米Condé Nastと提携。ChatGPTおよびSearchGPTで、New Yorker、Vogue、Vanity Fair、Bon Appétit、そしてWiredなど名前の立ったメディアのコンテンツを学習、表示できるようにする。契約内容の詳細は不明だが、複数年契約との情報だ。
デジタル広告で生成AIを使用する際の課題
「IABが、デジタル広告で生成AIを使用する際の法的問題とビジネス上の考慮事項を整理したホワイトペーパーを発行。著作権などの知的財産権、プライバシー、倫理など」。

——ほぼ全文の引用なので恐縮ですが。広告をめぐるジェネレーティブAIの利用も、実は昨今の重要な課題。記事中に資料原典への倫苦あり。

オリンピック、TVer再生が1億回超…民放初の配信一本化が奏功・放送では視聴率伸びず
【有料購読者向け記事】:
「民放が受け持った試合のライブ配信と、日本選手の活躍を短くまとめたハイライト動画、配信開始から1週間の見逃し配信などにより、計約3800時間分を提供。約2100万人が利用し、総再生数は1億1000万回を超えた。総再生時間は2300万時間に上った」。

——時差が絶妙に日本の視聴時間とずれていたことで、この種のオンデマンド視聴を伸ばす格好に。またそもそもTVer自体の認知も高まっていた。記事は「昨年7月に3000万人弱だった月間利用者数が、今年7月は過去最高の4000万人超となる」と伝える。リアル視聴の衰退と好コントラストに。

米Bloomberg Media、6月には全世界での購読者数54万人を公表し、好調に成長を続けている。記事は同メディアCDO(Chief Digital Officer)のJulia Beizerにその好調の理由をインタビューする。同氏は、HuffPost、Washington Postでデジタル(プロダクト)を推進した。
OpenAIの「SearchGPT」はグーグルへの挑戦状…「検索には、今よりもはるかに優れたものになる余地がある」
「サム・アルトマン(Sam Altman)CEOも『検索には今よりもはるかに優れたものになる余地があると我々は考えている』とXに投稿し、『「昔ながらの検索」の方がいいと思うことに、我ながら驚いている』と付け加えた」。

——少し前にOpenAIが発表したAI検索「SearchGPT」の実像が少しずつ見えてきた(先日、日本でもAI Overviewsを公開したGoogleは、SearchGPTに先んじるのを重視したのだろう)。
チャットボットの利用用途は、なによりも「教えて」だろうから、検索との親和性が高いことは想像できる。まさに「検索はもっと進化できる」。

Local News Is Dying, but Not in San Francisco
【有料購読者向け記事】:
米国内のローカルメディアの危機的な状況について何度か紹介している。この記事はその逆の現象を報じる。場所はサンフランシスコ。この地域では10年前と同数で27ものメディアが存在する「超競争的環境」。
中でも際立つのが、富豪に支援されたThe San Francisco Standardで、2021年創刊だ。

Disruption This Week—–3/8/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月29日から2024年8月1日まで。

How AI is changing the shape of innovation in media 

Media Makers Meet | What’s new in media

How AI is changing the shape of innovation in media 
メディア業界人向け専門メディア「Media Makers Meet」、メディア業界がどのようにAIを活用しているかを、「コンテンツの作成とキュレーション」「ターゲットを絞ったコンテンツ推薦」「データに基づく洞察の向上」「自動化と業務の効率化」の5類型で事例を紹介する。
OpenAI、ChatGPTの「高度な音声モード」をロールアウト中 秋には全Plusユーザーに
「米OpenAIは7月30日(現地時間)、5月の発表イベントで予告したChatGPTアプリのGPT-4oベースの『高度な音声モード』のα版を、一部のChatGPT Plusユーザーに提供開始すると発表した」。——これは興味深い進展。個人的にもChatGPT有償サービスを利用しているが、日常的に使い始めると、音声による入出力が重要になってくる。無償版のGeminiでは同種サービスはないようなので、「GPT-4o」の「高度な音声モード」に期待。

News is TV genre seeing biggest dip in viewing - Ofcom
英放送行政を所管する組織Ofcomのリポートで、英視聴者がTV放送で「ニュース」視聴を昨年1年間で1人当たり16時間減らし、88時間となったことを明らかに。この結果、視聴分野のランキングが一つ下がり、スポーツ、ドラマに次ぐ3位となった。SNS利用の増加がその一因かと示唆。
インターネットの利用環境、「スマホのみ」が全体で55%/女性は65%と高い傾向【LINEヤフー調査】
「60代以上のシニア層においては、直近3年間の『スマホ』でのインターネット利用者の増加傾向が見られた。2021年10月と2024年4月を比較すると、60代は9ポイント上昇の87%、70代は17ポイント上昇の59%となった」。——最近、着目しているのが「シニア層」でのスマホ経由のネットアクセス比率(「メディアアクセス」でないことには注意が必要)。「若者=スマホ、シニア=TV」という図式は既に崩れているが、シニア層の“メディア接触”が、どうネットメディアへと動いてくかがに関心がある。想像だが、YouTubeが重要な役割を果たす。

Is A.I. Unstoppable? Some Hollywood Craftspeople Fear the Answer Is Yes.
【有料購読者向け記事】:
昨年、米Hollywoodで俳優および脚本家らの長期間のストライキがAI利用の厳しい制限を勝ち取った。だが、その他の働き手にとってはAIの脅威は増大している。記事は、映像制作者やアニメータがテクノロジーの進化で大きな影響を受けていることを伝える。
日本が拠点の海賊版対策団体は中国での取り締まりで大きな成果を出しつつある
「TorrentFreakは『中国は、著作権侵害に対する対応が甘いという認識が従来はありましたが、むしろ中国当局は海賊版サイトの運営者を逮捕する動きがかなりスピーディーで、著作権侵害の取り締まりに熱心に取り組んでいるようです。2023年から2024年にかけての訴追件数は、アメリカよりも中国の方が多い可能性があります』と指摘しています」。——いろいろと興味深い情報が漏られた記事。特に「CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)」の活動には注目。さらに、引用箇所のように、中国での取り締まりの活性化の動向も興味深い。

Fewer digital news outlets launched last year, according to a new global report
Google News Initiativeが資金援助する調査プロジェクト「Global Project Oasis」によると、デジタルニュースメディア企業の創業が、2022年以降急減。調査はデジタルネイティブなニューススタートアップの動向を調べる。「経済的課題、成長の鈍化、政治的紛争」を背景に見る。
The music industry is engineering artist popularity – listeners are right to be angry
Spotifyサービスでプレイリストを再生中に、何度も同じ楽曲と出会うことがある。「繰り返し再生を求めての賄賂」の可能性をさまざまな面からSpotifyに当たった記事。行き着いた事態は、「多くのアーティストやほとんどのレーベルはSpotifyからの報復を恐れている」だ。
Websites are Blocking the Wrong AI Scrapers (Because AI Companies Keep Making New Ones)
AIサービス提供企業による無断のコンテンツ学習を防ぐために、多くのWebメディアはAIサービスのクローラがサイト内をクロールするのを拒否するrobots.txt記述を乱発している。記事は次々と現れる新たな名前でのクローラ排除が困難になっている状況を詳細に紹介する。
TikTok Collected U.S. Users’ Views on Gun Control, Abortion and Religion, U.S. Says
【有料購読者向け記事】:
米司法省、TikTokが中国拠点の親会社ByteDanceの指示により、米国ユーザーの意見を収集していたと発表。収集されたデータには、銃規制、中絶、宗教などに関するものが含まれていた。同アプリが安全保障上の脅威とする最大の主張となるものだ。