Disruption This Week—–16/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月12日から2022年12月16日まで。

An Alternate Reality: How Russia’s State TV Spins the Ukraine War
【有料購読者向け記事】:
米New York Times、ロシア最大の国営メディア企業「全ロシア国立テレビ・ラジオ会社(通称VGTRK)」から流出した膨大なデータからメール通信部分を分析。ウクライナ侵攻開始後のやり取りから、数々の情報工作(キャンペーン)の実態を明らかにした。
ユーチューバー、映像権売却で大金獲得
【有料購読者向け記事】:
「同氏(=ジャスティン・ワトキンス氏)はあるスタートアップ企業からの売り込みに驚いた。それは、同氏が制作した何千もの古い動画から得られる広告収入と引き換えに200万ドル(2億7000万円)以上を受け取らないかというものだった」。

——過去の投稿記事をめぐる権利を売却するような取引がYouTuberにも生じている。もちろん、このトレンドは音楽業界で起きており、ビッグネームが次々と過去の楽曲をめぐる権利を手放している。個人的にはこのスキームをより小型にして汎用化できないものかと考える。もちろん、それもまた今起きているトレンドだ。

Synthetic media forces us to understand how media gets made
「実在の人物がしてもいないことをしているリアルなシーンや、性的な女性の画像、あるいは戦争犯罪の偽画像の氾濫を簡単に偽造できるようにすることは、決して笑えない事態だ」。
“ジェネレーティブAI”が生み出す人工合成メディアの時代に備え、取り組む動きを紹介・論説する記事。
Twitterの「シャドウバン」の実態を暴露するイーロン・マスクお墨付き社内文書「Twitterファイル」第2弾が公開される
「Twitter Japanの公式アカウントが2020年に『Twitterがシャドウバンを行っていると指摘されますが、現在も過去にも行ったこともありません』と述べるなど、Twitterはシャドウバンの実施を否定しています。
そんなシャドウバンの実態を明かす『Twitterファイル』第2弾が、2022年12月9日に公開されました」。

——昨日から紹介しているTwitter社内で行われてきた恣意的な投稿検閲(党派的な偏りから投稿を排除するなどの行為)、“シャドーバン”について、第2弾の報道が米国で行われている。記事はそれを紹介したもの。興味深い事例が含まれている。

Will your paywall kill your website traffic (and ad revenue)? | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
従量型ペイウォール(たとえば、月々一定数の記事は無料とし、それ以上を有料とするような運用)を推進する筆者が、設計によってペイウォール化しても読者流入、広告収入などを激減させることはなく、むしろ向上させるケースがあるのだと論説する記事。
Bari Weiss reveals business plan for buzzy new media startup
Elon Musk氏がSubstack買収に関心を持つようになった背景? New York Timesコラムニストを辞め、Substackニューズレターで独立メディアを立ち上げたBari Weiss氏の話題。Musk氏提供の資料でTwitter内部における“影の検閲”体制を暴いたことから知名度急上昇だ。
Who will win digital advertising’s ‘Game of Thrones’?
米Insider Intelligenceアナリストらによる、2023年のデジタル広告市場予測。15年にはGoogleとMetaで8割近くを占めるという複占状況が相当程度崩れる。市場伸長のわずか15.8%を両社が占めるのみに。では成長株は…? チャートを見れば一目瞭然だ。
The traditional story structure gets deconstructed
「ニュースのテクノロジーは大きく変化しているが、今日の記事の基本構成は、例えば1932年のものと大きくは変わっていない」と指摘し、新興メディアのAxiosやSemaforなどについて触れ、今後のChatGPTなどとのインタラクションに可能性を見る論説。短いが刺激的だ。
How ChatGPT could disrupt the business of search
米Axiosが「ChatGPTがどう検索ビジネスをディスラプトするか」との論説。簡単な質問を文書で入力すると、ひとつのまとまった文章で回答を返してくれるChatGPT。あふれかえる候補群とリンクの束がかえってくるのとどちらが消費者にとって魅力的に見えるか? 答えは見えている。
BBC preparing to go online-only over next decade, says director general
英BBC会長Tim Davie氏、今後の10年間で放送を終了し、BBCがオンライン専業となるビジョンを呈示。
「やがて、リニア放送は減少し、よりカスタマイズされたオンラインサービスが提供されることになるだろう」「BBCを1つの提供物(アプリ)にまとめる」とも述べた。
実践ノウハウ公開!ニュースレターとポッドキャストで「個人メディア」 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着です。個人メディアの運営にまつわるノウハウ、実践記をお届けします。ぜひご参考に。

Disruption This Week—–2/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年11月28日から2022年12月2日まで。

Andreessen Horowitz's buzzy tech publication Future is shutting down
【有料購読者向け記事】:
最大手の投資会社米Andreessen Horowitzが2021年6月に開設したテクノロジー特化の専門メディア「Future.com」が閉鎖に。プラットフォームやテック系企業に徐々に批判的な立場へと傾く商業ジャーナリズムに業を煮やしたオウンドメディア企画で、開設当時のインパクトは良くも悪くも大きかったが、あっけなく終えんへ。この数か月、記事の更新が途絶えていたという。
https://www.businessinsider.com/a16z-future-closes-staff-exit-2022-11
アマゾン、「Echo Show」でオリジナルのお話絵本が作れる新機能「Create with Alexa」
「『アレクサ、お話を作って』と話しかけ、指示に従い『宇宙探検』『海中』『魔法の森』などの舞台、登場キャラクターの名前、『ばかばかしい』『幸せ』『神秘的』などの雰囲気を指定する。すると、5行から10行の文章と、5枚の絵で構成された物語が作られる。同じ設定で制作しても、異なる物語になるという」。

——文字どおりの“子どもだまし”と見るか、子どもにプログラミングを教えるのと同じぐらいのインパクトがあると見るか。自分は、ここに、“ジェネレーティブAI”のパワーを注ぎ込めば、すごい幼児巨匠が生まれるような気がしている。

MAU月間6,000万のメディアパワーを有するLGBTQ+向けメディア英「PinkNews」。LGBTQ+読者に向けられ続けたヘイトに対抗し、“気分の上がる”ニュースだけを表示するパーソナライズ(フィルタ)機能を提供開始。ニュース忌避現象への解ともなるか?
Washington Post launches “Newsprint”: Personalized interactive feature revealing content subscribers enjoyed most | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「この機能は、購読者の過去のニュースに対する興味や、購読者の読書習慣が他の人と比べてどうであるかなど、パーソナライズされた様々な洞察を表示します。まず始めに、一部の購読者は、自分専用の『ニュースプリント』にリンクしたメールを受け取り、自分の『1年間のニュース』の概要を確認することができます」。

——米Washington Postが読者のパーソナリゼーション・サービスにトライ。明示的に読者がオプトインをして、自身の閲読傾向を統計化したり、他の閲覧者との比較で“気づき”を提供するという。WaPoが求めるのは、これらによって、閲覧時間を増やしていく方向だろう。

Your Key Questions Answered: Media Moments 2022 - Interhacktives
Media Voicesが例年行うメディア関連トレンドを語る「Media Moments」2022年版が公開。トレンドの一つとしてニューズレターをあげる。SubstackやAxiosがこれで米ローカルニュースに希望をもたらしたと。
また、オンライン出版協会では会員の平均購読料収入が15%増となったとする。これは、サードパーティCookieの終焉から読者エンゲージメント重視への転換でもたらされたという文脈で説明している。
https://www.interhacktives.com/2022/11/30/media-moments-2022-key-questions-answered/?
出版状況クロニクル175(2022年11月1日~11月30日) - 出版・読書メモランダム
「2021年の『携帯電話通信料』と『インターネット接続料』はそれぞれ10,424円、2730円で、合わせて13,154円である。『書籍』『雑誌』の963円に対して、13倍の支出となり、出版物が占めていた社会的役割が失墜してしまった現実をあからさまに照らし出している」。

——今月の「出版状況クロニクル」は読みどころが多い。国文社の廃業は、個人的な想いがいろいろとある。それはともかく、引用箇所は、わが国生活者の「有料ベースの」情報消費の仕方の変遷として、興味深いものがある。実はこの背景にテレビの時間消費が無量であるために隠されているし、オンラインコンテンツも同様と考えるからだ。情報消費における支出は「時間ベース」の視点を交えないと実態は見えづらい。

Why Shutterstock is betting on generative AI for the future of stock images
レンタルフォトのシャッターストックは、テキストベースの「プロンプト」を入力することで、コンピュータが作ったユニークなデジタル画像を生成できる新たなイノベーション「ジェネレーティブAI」の活用実験を開始した。遂に機械生成まで作品の品ぞろえを強化したことに。
「創造するAI」が進化 テキストからついに動画を生成
【有料購読者向け記事】:
「グーグルは説明会で、PhenakiとImagen Videoを組み合わせ、長文のストーリーから動画を出力させた例を見せた。その他にも多数の『創造するAI』を紹介した。キーワードを入れると、小説のような文章の一節を出力してくれる」。

——数行程度の簡単なテキストでヒントを入力すれば、驚くような静止画像が出力される、ということで世を驚かせた「創造するAI」(ジェネレーティブAI)技術。それもつかの間、今度は動画も生成してくれるという。ワクワクさせられるが、「ディープフェイク」の“超進化版”が続々誕生すると思えば、恐怖のシナリオでもある。

Post News, a Twitter alternative, gets funding from a16z
著名な投資ファンドAndreessen Horowitzの出資を得、著名な学者Scott Galloway氏やジャーナリストKara Swisher氏らを顧問に据え、Twitterオルタナティブ「Post News」がスタート。商業コンテンツを記事単位の小額課金の手法で提供するというアプローチを採る。
【マンガ業界Newsまとめ】ウェブトゥーン各社、映像化、業務提携、収益還元、受託専業など展開加速中 等|11/27-079|菊池健|note
「出版社としては、日本で一番デジタルコミックを販売しているであろう集英社がそのデータをしっかりみていこうとしている取組と言うことで、マイクロソフト社のサイトに事例紹介されていました。
Azureとは、サーバー利用を中心とした様々なツールを活用できるマイクロソフトのクラウドサービスです。この分野ではamazonのAWSが圧倒的にシェアを持っています」。

——いつも勉強になる菊池健氏の業界ウォッチ。感じることは、マンガ(コミック)業界でDXが進んでいること。Webtoonが起爆剤となって、世界的な需給インバランスが生じており、その解消のためにも、制作インフラや業界再編が生じていると理解できる。

「メディアイノベーターズ 未来を拓くための記録」Kindle版を発刊しました - #JCEJ 活動日記
【ご紹介】:
「2021年の5月から1ヶ月間にわたり開催したリレートークイベント『ジャーナリスト図鑑をつくろう!』を再編集し、メディア激動の10年を実践者として切り拓いてきた25人による『時代の証言』を記録しました」。

——Kindle版で入手できるようになりました。私も「時代の証言」というものに参加しています。よろしければご一読を。

データアナリストが見たONA〜世界の編集者はどれくらいGoogle Analyticsを使っているのか? - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techからの新着記事です。SmartNewsのデータアナリスト有野寛一が見た世界最大級のメディア関係者向けイベント「ONA22」リポートです。ぜひご一読を。
JIMA : Internet Media Awards 2023ーあなたの心と社会を動かした、信頼のおけるコンテンツを教えてください。Internet Media Awards 2023 開催!12月1日(木)より応募受付開始
【ご紹介】:
2023年もやります。JIMA主催「Internet Media Awards」。2022年中(2022年1月1日〜12月31日)に公開されたコンテンツ作品または活動/信頼性のある情報をわかりやすく正しく世の中に伝え、社会をよりよい方向に導いている作品または活動を世に伝えていきます。

Disruption This Week—–21/10/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月17日から2022年10月21日まで。

How publishers became addicted to the traffic hit from push alerts
モバイルアプリを運営するメディアは、プッシュ通知中毒(?)英Press Gazetteが、特定期間中(17日間)にメディアがユーザに送信したプッシュ通知集計。最も多く送信したのはWashington Post(147件)、次いでThe Telegraph(140件)、Reach傘下のMyLondon(125件)だった。
多数のプッシュ通知を送信すれば、その度にアクセス(トラフィック)を生むのは間違いないが、それがユーザ体験を蝕み、ついには“うるさい”アプリ離れに至ることも分かっていながら、の振る舞いだ。
アドビ、テキストベースで動画編集できる「Project Blink」発表--AIが感情まで認識
「Adobeが米国時間10月19日、人工知能(AI)を利用し、動画内の言葉や人、物体、さらには感情までも認識し、編集のスピードアップを図る動画編集技術『Project Blink』を発表した。このAI分析は、一言で言えば、動画編集に言語処理のインターフェースを与えるものだ」。

——次々にこの種のAIを用いた言語(テキスト)によるクリエイティブ作品の制作サービスが誕生する。本ケースは、厳密にいうとテキストを用いて動画を「編集」できるインターフェイスを提供するもの。記事が紹介する事例は、動画中で笑っている人物を見つけ出し、その動画部分に手を加えるなどができるというようなもの。そもそも長い動画があったとして、これに対してテキストである特定部分を見つけ出すようなことができれば、それだけでも大きな価値をもたらすだろう。

The Logic of a Microsoft-Netflix Deal Is Growing
【有料購読者向け記事】:
Netflixが広告表示付きの廉価版を投入したことが話題になっている。同社がその広告ビジネス立ち上げのために提携したのがMicrosoft。記事は、両社がゲーミング分野への意欲でも共通し、将来の両社の統合という“陰謀論”的筋書きを述べている。
有料購読者数は2年で5倍──Metaは撤退も、ニュースレターサービス「Substack」が成長し続ける理由 | DIAMOND SIGNAL
「マッケンジー氏によると、Substack上の有料購読者数は現在約150万人で、2年前の約30万人から5倍にも拡大。この2年間で、年間100万ドル(約1億4900万円)以上の収益をSubstackを通じて得るメディアの数は2つから10以上に増え、トップ10位のメディアの年間収益の合計額は2年前の800万ドル(約12億円)から2500万ドル(約37億円)規模にまで拡大したという」。

——ニューズレター“ブーム”が終熄? Substackの躍進を追って似たようなサービスを開始したTwitter、Facebookが次々と撤退するなか、Substackが事業を成長させていると評価する記事。国内での情勢などについても言及している。

Omneky uses AI to generate social media ads
OpenAIのDALLE-2やGPT-3を用いてクリエイティブを人工的に生成するアプローチ。実験段階から実用用途を探る段階に入ってきたようだ。スタートアップのOmnekyは、これをSNS掲出用の広告の自動生成を核に、広告出稿の全プロセスのSaaS化をめざすという。刺激的なアプローチだ。
An Interview With Meta CEO Mark Zuckerberg and Microsoft CEO Satya Nadella About Partnering in the Metaverse
本日のもう一つのインパクト。個人ブログ「Stratechery」のBen Thompson氏がMicrosoft CEOのSatya Nadella氏とMeta CEOのMark Zuckerberg氏の2人にインタビューをしている(両社はメタバースで提携)。過去にはNYTimesのCEOと本格的に取材を実現していることは紹介した。個人メディアの極北ともいえる。メディア界の秩序は、動いている。
Inside the Identity Crisis at the New York Times | Semafor
本日最大のインパクト。準備期間中からメディア界の関心を集めていた、2人のSmith氏のメディアプロジェクト「Semafor」がローンチ。巻頭はBen Smith氏の「New York Times、アイデンティティ危機の内幕」。Axiosフォーマットを意識したスタイルをめざしているようだ。
More Than 50% of Nonprofessional U.S. Creators Now Monetize Their Content, Adobe Study Finds
米Adobe社、クリエイターエコノミー関連調査の結果を発表。非プロフェッショナル(フルタイムでない)なクリエイターの50%以上が、自身のコンテンツで収入を得ており、その収益力が増していることがわかった。その比率は、ブラジル(59%)、米国(53%)、ドイツ(51%)、英国(51%)、韓国(51%)と続く。
19% of U.S. consumers subscribe to digital publications
【有料購読者向け記事】:
米国では、消費者の約4%という比較的少数だが非常に熱心な「パワー購読者」のグループが、デジタル出版物の購読者数の大部分を支えていると、National Research Groupらの調査でわかった。購読者の48%は、購読数が2〜5、21%は5つ以上だというのだ。
記事は、現在購読していない米国の消費者の73%を取り込むことができれば、 購読者を大幅に増やす余地があるとも指摘する。
Netflixの広告つき料金プランの開始で、ストリーミングの「終わりの始まり」がやってくる
「ネットフリックスの最高経営責任者(CEO)のリード・ヘイスティングスは22年7月、『今後5年から10年の間に旧来のテレビ(リニアTV)は終わる』と予測した。彼が言わなかったことは、ネットフリックスやほかの配信事業者がその代わりに現れるだけ、ということなのだ」。

——広告表示付きの廉価版(もしくは無料版)の映像配信サービスへの拡張(もしくは移行)が大手サービスで進んでいる。記事は、このもたらすものが映像コンテンツ自体の核心やオリジナル性が変化しなければ、従来の(リニア型)TVが姿を少々変えたものと変わらない、つまり50年以前にTVがもたらしたものと変化がないものになると述べる。

「シンセティック・メディア」の時代に報道は何ができるか——デジタル報道の最前線「ONA2022」現地レポート - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techに新着記事です。先ごろ米LAで開催されたONA22を取材したリポートです。メディアとテクノロジーがクロスするホットな領域を荻原和樹氏が解説しました。

Disruption This Week—–9/9/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年9月5日から2022年9月9日まで。

グーグル「ニュースショーケース」、米でのサービス開始に遅れ 条件折り合わず
【有料購読者向け記事】:
「米グーグルが報道機関に対価を支払い各社コンテンツを掲載する『ニュースショーケース』の米国での立ち上げが、当初予定から1年近く遅れている。事情に詳しい関係者らが明らかにした。一部メディアとの協議が行き詰まっているという」。

——日本を含む18か国でサービスインしている、Googleの報道メディア向け特別スキームの「News Showcase」。21年にも、と語られていた本丸の米国で立ち上がらない。理由は条件面。米大手メディアはやはりGoogleに強い立場。交渉がGoogle優位にまとまらないのだろう。議会などの動きも見ながらという長期戦。

Daily Mail Snapchat: How the publisher got to 15 million subscribers
Snapchatは、TikTokやInstagramなどに比して小さな存在ではあるが、英メディアMail Onlineにとって特別なプラットフォーム。その上で1,500万人ものフォロワーを稼いでいるからだ。同社は35人ものチーム編成でSnapchatを攻略している。詳細な調査で解説する記事。
Longtime Washington Post tech chief Shailesh Prakash leaving for Google
米Washington Postの中期的な成功を技術面で築いてきたとされる、同社の最高技術責任者/最高製品責任者のShailesh Prakash氏が退職へ。Google幹部職に就任の見込みとAxiosが報道。同氏は内製CMSを発展させたArc XPや広告配信基盤のZeusを、同社の収益の柱にまで育て上げたが、同事業のスピンアウトをめぐってもめ事ともなっていた。
「パクリサービス」だったTikTokは、なぜ中国初の世界で使われるアプリになれたのか?(飯田 一史) @moneygendai
「すべてはバイトダンスの創業者チャン・イーミンが、YouTubeが登録したチャンネルからの視聴よりもアルゴリズムによるレコメンドでよく視聴されていることに気付いたことに始まる。ライトなエンタメ分野では能動的な『検索』や『チャンネル登録/フォロー』よりも『レコメンド』での需要が大きい、と」。

——パクったサービスとは「Musical.ly」というサービスだったのはよく知られている。が、論の重要なポイントは、上記の引用箇所だ。そして「ドウイン(TikTokの原型)はひとつひとつの動画が短く、ユーザーが気に入らない動画は次々にスワイプしていくことから、AIが使い手の好みを学習するのに適していた」というポイントと融合する。アルゴリズムが圧倒的に優位な時代をByteDance創業者は突っ走ったことが最重要。
https://gendai.media/articles/-/99463

An A.I.-Generated Picture Won an Art Prize. Artists Aren’t Happy.
【有料購読者向け記事】:
米コロラド州のフェアでAI駆動作画サービスMidjourneyを用いたJason M. Allen氏の作品「Théâtre D’opéra Spatial」が新進デジタルアーティスト分野でブルーリボンを受賞。他のアーティストらは“違反”だと反発。 Allen氏は「私は勝ったし、ルールを破ったわけでもない」と反論する。
スポーツ紙「西スポ」が紙面発行を休止へ Webに完全移行
「今後も、福岡ソフトバンクホークスをはじめとしたスポーツ情報を報じるとともに、広くファンとつながる機能も強化するという。『西日本スポーツ賞』もこれまで通り続けるとしている」。

——ソフトバンク・ホークス関連報道で強い「西スポ」がデジタル版専業事業に。2020年に「8万部強」の発行部数だったということで、なかなか採算は厳しかったろう。だが、ローカル&スポーツ・エンタメの魅力は大きい。デジタル化での成功法則が見いだせれば、スポーツ紙業界にインパクトを与えられそうな気がする。

Exclusive: Yahoo buys The Factual to add news credibility ratings
米Yahoo、アルゴリズムを使って情報源の信頼性を評価するThe Factual社を買収。Factualは10名弱の新興企業で、Yahoo Newsの一部門となる。Yahooはこの技術を世界でシンジケーションしているコンテンツに適用し、その“信頼性スコア”を表示していく予定だ。
Frustrations Mount at Washington Post as Its Business Struggles
【有料購読者向け記事】:
New York Times、この1年で経営不調に陥ったWashington Postの内情をスクープ。記事によればWaPoは長年黒字を堅持してきたが、22年は最終赤字となる見込み。20年末に300万人としていた電子版購読者は、いまはそれを割り込み、広告収入でも昨年同期比で15%も下回る状況だという。内部情報から、1,000人程度される編集部スタッフのなかから、100名程度の人員削減も検討されているようだ。
主張:ソーシャルメディアの汚染はモデレーションでは解決しない
【全文閲読には要購読】:
「規制当局の仕事は、テック企業のプロダクト開発チームと協力し、プロダクト開発の過程で(害を)測定できる実装可能なプロトコルを作り、意味のあるシグナルを評価することだろう。
このアプローチは面倒に聞こえるかもしれないが、この種のプロトコルを追加することは、最大手企業(規制が適用されるべき特定の企業群)にとっては簡単なはずだ」。

——大手テック企業が運営するプラットフォーム上では、ユーザをはじめとして社会に害をなし得る投稿などの情報を検閲する「モデレーション(機械的・人的検閲)」が行われている。だが、これらテック企業が社員に課しているのは、これら投稿などの情報によって、自社サービス上の規模拡大であり、これがモデレーションの目的と一般的に矛盾する。そのため本質的な制御が行われない。この論文では、大手テック企業がサービスの改善を狙って日常的に行っているユーザをめぐる調査計測手法に追加できるモデレーション用の計測プロトコルを開発し、規制当局がそれを大手テック企業が運用するのを義務づけるということだ。近日、詳細が発表される。

アルゴリズムを直接管理、中国の果てしなき野望
【有料購読者向け記事】:
「プラットフォームを左右する重要技術について、規制当局がネット企業に対して組織だって開示を強要するのはこれが初めてだ。ポップ文化から政治まであらゆるものを劇的に変える能力を持つ強力なアルゴリズムを政府として果たして操れるのか」。

——中国の規制当局が、国内で人気のネットサービス30の中核アルゴリズムについて開示、その要旨を公表した。事実上のアルゴリズム規制だ。実際にはこれらサービスがすでにユーザに対して開示している概要以上に詳細ではないが、当局に開示された内容はそれとは異なり詳細なものだと記事は述べる。

ファクトチェックは「大きな物語」に対抗できるか?——[Global Fact 9リポート]ナラティブ、コラボレーション、テクノロジーが切り開く未来 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。ジャーナリストでファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)理事でもある古田大輔氏がGlobal Fact 9に参加して、ファクトチェックの最前線をリポートします。ぜひご一読を。

Disruption This Week—–26/8/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年8月22日から2022年8月26日まで。

Exclusive: The Block launches tokenized paywall
暗号資産関連のメディアである米「The Block」、自身のメディアを、「アクセス・プロトコル」と呼ぶトークン売買によるペイウォール運用に乗り出す。同社がトークンを発行しそれを購読者が買う“有料購読制”。同メディアはすでに数千人の購読者、数百の企業購読者を有する。コンテンツの有用性に対してカネを支払うのか、トークンの投機性に魅せられているのか。行方を見守ろう。
「実在しない超リアル」次々に登場するAI生成画像の不安とは?
「筆者は、架空のファッション誌の表紙の画像を1860年代の創刊号から、10年ごとの年代順に2030年代まで生成してみた。
存在しないファッション誌の、存在しないバックナンバー(と未刊号)のアーカイブだ。それらを並べてみることで、存在しない『ファッションの歴史』が浮かんでくる」。

——急速に広がっている“AIによる描画サービス”。絵心のない人であっても、テキストで意図するものを説明すれば、それなりの、あるいは想像を超えたアウトプットが得られる。ここでもテクノロジーの両義性が浮き立ってくる。倫理的な歯止めや、詐欺的利用の抑止をどう行っていくのか。早く着手しなければ。

Economist reaches new audiences with Instagram

International News Media Association (INMA)

Economist reaches new audiences with Instagram
ペイウォールを運用する英The Economist、Instagramで若者を対象とした積極的な施策を実施。580万人のフォロワーの3分の2は18歳から34歳だという。単にブランド認知だけでなく、インスタを通じた記事経由での購読を獲得していると担当者が解説。
I made a map of Spotify podcast recommendations. Here's what I learned.
Spotifyが力を入れるアプリ内での“ポッドキャストの発見”アルゴリズム。オーディオ分野に詳しいブロガーが、Spotify(のポッドキャスト発見)アルゴリズムを解明、その楽曲のお勧め技術から発展したその特性を整理した画期的な投稿。
米メタ、3750万ドルで和解 FBの位置情報追跡巡る訴訟で
「サンフランシスコの連邦裁判所に22日に提出された今回の和解は予備的なもので、裁判所による承認が必要となる。原告側はフェイスブックが携帯端末の位置情報サービスをオフにしているユーザーからデータを収集し、カリフォルニア州法と自社のプライバシーポリシーに違反したと主張」。

——Metaの立場に立って、補足すると「メタは和解に同意するにあたり、不正行為を否定。現時点でコメント要請に応じていない」。否定はしているものの、その根拠を語る気はないらしい。

TikTokのiOSアプリも「キーロガーと同じような動作」と開発者が指摘
「クラウス氏によると、同氏の前回のブログを公開した後、アプリ内ブラウザを使っている企業の多くがJavaScriptコードが検出されないようにアプリを更新したという」。

——すでに昨日、このキーロガー問題を紹介したが、本日も補足的に紹介しておく。TikTok以外もIT大手が提供するアプリには多くこの種の“仕掛け”が仕込まれているが、TikTokのケースは危険度が高いと、論者は指摘したのだ。
面白いのは、引用箇所のように、論者が指摘した意図的脆弱性について、各社ともこそこそと隠蔽に走っているらしいことだ。

Short Content is skyrocketing: What does it mean for digital video? | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
TikTokはもちろん、それを追うYouTube Shorts、そしてFacebookとInstagramのReelsまで活況を呈している。記事は、このショートフォーム全盛が意味するものをひもとく。ユーザの認知的な負荷を軽減、そしてコミュニティの輪を広げる。
だが弱点もある。それは深いエンゲージメントだと指摘する。
An Interview With The New York Times Company CEO Meredith Kopit Levien
Ben Thompson氏の個人メディア「Stratechery」。有料購読制も敷くが、その無償バージョンに米New York Times CEOのMeredith Kopit Levien氏が登場。ロングインタビューに応えるという時代とメディアの変化を感じさせる驚きの展開。内容もNYTの重要な動きについて的確に触れるものだ。
たとえば、現在のNYTの編成をしているのは誰かとの問いに対しては、“プロダクトとして見た”場合、「現在では、ジャーナリスト、編集者、製品担当者、デザイナー、データ科学者、エンジニア、マーケティング担当者、製品マーケティング担当者が一体となって、デジタル製品エクスペリエンスに関する素晴らしい取り組みを行っている」と回答する。
Tech Companies Are Relinquishing Some Control of Online Ads to Users
【有料購読者向け記事】:
TikTok、Meta、Googleなど広告収入中心の大手プラットフォームで、表示する広告のタイプについて、ユーザが拒否したりできるコントロール権を広げる動きが進展とする記事。膨大な資金をかけて個人ターゲティング技術を開発しながら、ユーザが嫌がることをいまさら訊ねていると皮肉るコメントも含まれている。
Zero-click content: The counterintuitive way to succeed in a platform-native world | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
検索、ソーシャルメディアなどプラットフォームでは、“ゼロクリック”コンテンツの比重が高まっている。たとえば、Google検索結果ページではナレッジグラフが表示され、記事リンクをクリックする必要がない。InstagramやTikTokでは、コンテンツ中に外部リンクを許可しない。知名度や自身のページでのコンバージョンを求めるクリエイターは、どう振る舞い、工夫しているかを整理した資料性のある記事。
JIMA : JIMA会員オフラインイベント「JIMAなんでも相談会(第1回)」8月31日(水)開催
【JIMA会員向けご案内】:
31日開催のオフラインイベント「JIMAなんでも相談会(第1回)」の申込締切が近づきました。オフラインでフランクに語りあえる久々の機会です。会員社の皆さんはぜひ申し込みを!