Disruption This Week—–30/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年6月26日から2023年6月30日まで。

WSJ News Exclusive | Big News Publishers Look to Team Up to Address Impact of AI
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米Wall Street Journal、複数の大手ニュース・雑誌出版社が、AIが業界に与える影響に対処するために圧力団体の結成を協議中とスクープ。大手メディアには、News Corp、New York Times、Axel Springerその他が含まれる。協議は、ジェネレーティブAI技術台頭が業界と社会の両方にとり存亡の危機であることを示している。
「AIは古いWebを殺し、新しいWebが生まれようとしている」。米The Vergeの論考。
ジェネレーティブAIが引き起こす懸念を整理しつつ、「本質的にこれは情報をめぐる戦いであり、誰が情報を作り、どのようにアクセスし、誰が報酬を得るかをめぐる戦いだ」とする。つまり、Web上でつねに起きてきたことでもあるというわけだ。
Bloomberg to Publish More Audio on YouTube
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Bloomberg、音声コンテンツ(ポッドキャスト)を強化中。従来はBloomberg専用端末や同社アプリ中心路線だったが、聴取者拡大のために、YouTube Shorts、InstagramそしてTikTokへの配信を強化し、成功裡に進める動画コンテンツと融合させていくという。
WSJスクープ | グーグル、広告掲載の自社基準に違反=調査
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「アダリティクスはグーグルが、収益化基準を満たさないサイト上で、ページのメインコンテンツの脇に小さくミュートの状態で自動再生動画に広告を掲載するなど、違反行為を行っていると非難した」。

——この間、注目されているGoogleの“自主的基準緩和”の動き。コンテンツファーム的動きが再来。広告主にもブランド毀損に向かう悪いスパイラルとなるはずなのだが。

‘TikTok is age-agnostic’: how Kylie and Fleetwood Mac found new young fans
かつてはティーンエイジャーのダンスブームと見なされていたTikTok。だが、音楽業界における重要なプレイヤーのひとつへと進化した。Kate BushからFleetwood Mac、そしてKylie Minogue氏ら古典的なスーパースターたちも、彼らの時代から数十年後に生まれたファンとつながることができることから積極的に利用することとなったのだ。
生成AIで広告収入目的のゴミサイトが急増、1日1200本更新も
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「140社を超える大手ブランドが、おそらく知らず知らずのうちに、AIで作成された信頼性の低いサイトの広告費用を支払っているとみられる。こうしたAI生成ニュースサイトで見つかった大手ブランドの広告の90%はグーグルが配信したもので、グーグル自身のポリシーに違反している」。

——昨日も取り上げた話題。自動生成したコンテンツをサイトによっては1200本/日も掲載して、これまた配信型広告で荒稼ぎという、懲りないコンテンツファームが急増中。なぜこんな商売が成立するかと言えば、Googleなどがせっせと大手ブランドの広告を送り込んでいるからだ。

CBS News effort shows the growth in solutions journalism to combat bad news fatigue
「記者は悪いニュースの運び屋以上の存在でなければならない」。
米CBS News、さまざまな事例を通じて“問題解決型ジャーナリズム”を模索。問題に取り組もうとする人々や組織を見つけることを重視。ジョージア州では、学校での子ども逮捕を抑止する教育者を養成しているとする。
Funding the Next Generation of Content Farms - Misinformation Monitor: June 2023 - NewsGuard
「誤報モニター」を毎月発信する、メディアの品質監視ビジネスの米NewsGuard。ジェネレーティブAIが生成する低品質コンテンツで運営するメディアが、過去1か月で49から217へ急増中と警鐘。Googleらアドテクが、一流ブランドの広告を配信し、これらの事業化を助けているとも。相変わらずの構図。
The “passive news consumer” is on the rise
Reuters Instituteによる定期調査「Digital News Report2023」は、世界46市場の平均的動向として、ニュースの「受動的消費者」(利用はするが、「いいね」など積極的な参加はしない)の比率が増えていると報告。「積極的参加者」は全体の4分の1以下(22%)で減少中だとする記事。
Facebook、Instagram「ニュース停止」の衝撃、生成AIで複雑化する攻防とは?
「これまでの『ニュース使用料』をめぐる議論は、検索サービスやソーシャルメディアにおけるニュースの見出し、文章の抜粋(スニペット)、写真、記事へのリンクなどの掲載、すなわち『引用』が焦点となってきた。
だが生成AIにおけるニュースの扱いは、いったん言葉の単位に分解され、改めて文章として再構成される『生成』だ」。

——実際、ジェネレーティブAIによって咀嚼された情報に対して権利を主張できるのかどうか。多くの人びとがさまざまな情報源から得た知識を、あたかも自身の知性であるかのように吹聴しているはずだ。期待の「情報源としての透かし(ウォーターマーク)」も、現実的なものとして実装できるのかどうか。実現が危ぶまれている。

スマートニュースが個別に最適化「クーポン」開始。ニュース配信の“機械学習”を活用
【ご紹介】:
「クーポンを提供する企業からも『商品ニーズにあったユーザーにクーポンを配信してほしい』というニーズがあったという。
そこで、これまでニュース配信に活用してきたマシンラーニング技術をクーポンでも活用し、ユーザーの興味関心に最適化したクーポンを配信することにした」。

——SmartNewsが配信するオンラインクーポンが進化。記事配信に用いていた技術を利用とのこと。

Disruption This Week—–21/4/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年4月17日から2023年4月21日まで。

Insider to lay off 10% of US-based staff to stay 'healthy and competitive'
米メディアInsiderも「健全で競争力のある企業」であり続けるために必要なこととして、米国内スタッフの10%レイオフを発表。同社は全世界で950名の従業員を擁しており、内編集スタッフは600名だという。
The end of the BuzzFeed era in news | Semafor
米BuzzFeed News閉鎖の報で大騒ぎだ。多くが報じるが、紹介するのは初期から同メディア編集長だったBen Smith氏のコメント。
「BuzzFeed Newsの終了は、デジタルメディアの中に生きる私たちが今、強く感じるある時代の終わりと別の時代の始まりという大変化のシグナルだ」。
Twitterの有力代替候補? 分散型SNS「Bluesky」の基礎知識
「Blueskyによれば、AT Protocolのおかげで、ユーザーは自分のオンラインアイデンティティー(投稿や他のユーザーとのつながり)を自ら所有し、アカウントを別のプロバイダーに移行できる。また、ユーザーは自分が利用するアルゴリズムをコントロールできるため、アプリ体験を自分好みに調整することが可能だという」。

——Twitter後継選びが徐々にリアリティを増している。なかでも注目株はTwitter創業者によるTwitterオルタナティブ「Bluesky」。中でも引用箇所のようにプラットフォームによるロックインを避けるプロトコルの実装だ。

人気アーティストの声を使ったAI生成の楽曲がSNSで大人気--レーベルは削除要請
「『Heart On My Sleeve』は大人気になり、Spotifyや『Apple Music』などの音楽ストリーミングプラットフォームで共有され、数十万回もストリーミング再生された。しかし米国時間4月17日、同曲は著作権侵害の申し立てにより、YouTubeを含むさまざまな音楽ストリーミングプラットフォームから削除された」。

——善いことも悪いことも含めて、想像力を刺戟される話題。AIがもたらす本格的なインパクトが見え隠れし始めた。

Streaming is recreating TV, rather than replacing it
「(映像配信の)ストリーミングは、2つの世界の間に挟まれた業界だ。それは、収益性は高いものの、衰退しつつある旧来のTVモデルと、まだ完全に実現されていないストリーミングの未来だ」。ストリーミングは衰退したとするTVビジネスの再発明かと問う記事。

Podcasts as a Source of News and Information

Pew Research Center’s Journalism Project

Podcasts as a Source of News and Information
米Pew Search、米消費者のポッドキャスト利用を調査。対象の約半数が過去1年間にポッドキャストを聴いたことがあり、その5人に1人がほぼ毎日聴いている。
また、リスナーは、娯楽や学習のために、そして何かをしながら聴くためにポッドキャストを利用していると回答。
また、定期的に聞いていると答えたトピックの上位には、コメディー、エンターテインメント、政治が並んでいる。
Americans Spend $48 per Month on Video Streaming Services — and Half of Those Surveyed Say That’s Too Much
米調査会社Deloitte、「2023 Digital media trends」を公表。初めて購読型ストリーミングについて調査。米消費者は平均月額48ドルを購読型動画サービスに支払っているが、その約半数は「払いすぎ」と回答。約3分の1はエンターテインメントの購読数を減らす意向と回答した。
People Are Sick and Tired of All Their Subscriptions
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米消費者に“サブスク疲れ”。調査会社Antennaによると、Netflix、Hulu、HBO Maxなどの解約が2022年には前年比49%増に。また、業界関係者は「消費者が使わないサービスに購読力を支払ってきたことを強く後悔」と指摘。特に長期の購読に見直しの動き。
興味深いのが、米国ではサブスク支出専用の金融サービス(アプリ)が複数存在。そのアカウントを使って購読購入すると、見直しや支払停止などを手軽にできるのだという。
AI-Created Images Are So Good Even AI Has Trouble Spotting Some
【有料購読者向け記事】:
米Wall Street JournalによるAI生成画像によるニセ情報が見破れるかとの論説。このサムネール画像では6箇所の不自然な生成を指摘して見破れるとするが、そのためにもコンテキストの理解の重要さを述べる。
サイネージ革命 「100人100通り」の情報を映す新技術 - 日本経済新聞
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「隣の人に顔を寄せて、その人が見ている情報をのぞこうとすると、『距離を取ってください!』とアラートが表示され、見ることはできない。たった1つのディスプレーで完全にパーソナルな情報提供が可能なのだ」。

——街頭でパーソナライズされた情報を逐次表示できる仕組み。まさに映画に観るような驚きの仕組み。

Disruption This Week—–3/3/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年2月27日から2023年3月3日まで。

Digital Information World
海外ではジャーナリストや著名メディアら、OpenAIがChatGPTの学習用にかれらのコンテンツをライセンスや権利対価の支払いをせずに利用しているのを非難する動きに出ている。すでに昨年には、Microsoftが生成型AIでプログラミングを生成する「Copilot」でGitHub上のコードを利用しているとされる係争が生じている。
WSJスクープ | アップル、チャットGPT搭載アプリの承認拒否
【有料購読者向け記事】:
「米アップルは人工知能(AI)を組み込んだ電子メールアプリについて、子供にとって不適切なコンテンツを生成する可能性への懸念から更新(アップデート)の承認を見送った。同社とアプリ開発会社のやりとりで明らかになった。開発会社は異議を唱えている。
アップルの判断は、チャットボット(自動応答システム)『チャットGPT”のような言語生成AIツールの一般利用について、懸念が広がっていることを浮き彫りにした」。

——これは思わぬところで、ChatGPTをはじめとする生成型AI技術普及には躓きの石。記事の文脈では、AIが公序良俗に反する表現を行う懸念が課題だが、他方で著作権問題もいずれ俎上に上るだろう。

インスタ創業者2人によるAIニュースフィードアプリ「Artifact」
「『あらゆるイデオロギーの媒体を広めるのが当社のゴール』『配信が認められるのは、高いクオリティ水準をクリアした記事だけです』(シストロムCEO)」。

——Instagramの共同創業者らがリリースした新たなニュースアプリ「Aritfact」。自分もぼちぼち使い始めている。利用とストレスの少ないフィード表示が“TikTokライク”なUXを求めていると理解するが、同時に高品質なコンテンツ表示をどう担保しようとしているのか。その一端が見えるレビュー記事。

国内のポッドキャストユーザーは1,680万人に。Z世代は約3割が毎月利用。「ポッドキャスト国内利用実態調査」を発表
「ポッドキャストユーザーは前年から増加、日本国内の利用率は15.7%に。特に15~29歳のZ世代は28.1%が利用。国内ユーザー総数は推計1,680万人」。

——近年、朝日新聞がオトナルと組んで実施しているポッドキャスト関連国内調査。賑々しく伝わる音声市場だが、この調査、単純に昨年と比較すると、「月1回利用する」ユーザの割合は14.4%から15.7%に、ということで、大幅増とはいえないことがわかる。

Flipboard is leaning into Mastodon — and away from Twitter | Engadget
米ニュースアプリ「Flipboard」が(Twitterを代替する)Mastodonサポートを発表。分散プロトコルのActivityPubのサポートで、FlipboardユーザがコンテンツをMastodonへ投稿でき、MastodonユーザがFlipboardコンテンツをフォローできるようにする動きだ。Twitterの外部向けAPIなどのサービスの存続が懸念されるなか、当然の動きとも見える。
ジャック・ドーシー氏肝いりの「Bluesky Social」アプリ、App Storeに登場
「ジャック・ドーシー氏が2019年に立ち上げた分散型オープンプロトコル開発プロジェクト『Bluesky』のソーシャルアプリ『Bluesky Social』のプライベートβ版が米AppleのApp Storeに登場した」。

——ドーシー氏がまだTwitterのCEOであった当時に立ち上げた秘密プロジェクト「Bluesky」がようやく公開。SNSとしてのコンセプトが必ずしも奇異なものではないが、それを実現する分散プロトコル(言い換えれば、単一のプラットフォームに依拠しない)によるサービスという点が目新しい。後ほど言及するMastodonなどに近いもの。Twitterを根本から作り直そうとして果たせなかった意味がわかる。

出版状況クロニクル178(2023年2月1日~2月28日) - 出版・読書メモランダム
「(22年の電子出版市場は)電子コミックの成長は21年と比較し、半減し、緩やかになってきているが、占有率は89.3%に及び、23年は90%を超えるであろう。
それに対し、電子書籍は500億円に達するかと思われたが、マイナスに転じ、成長は止まったと考えられる」。

——この数年好調を維持してきた電子出版。だが、その成長は停滞期に。また、その成長の原動力もコミック頼み、かつ、ヒットタイトル依存となると、なかなか良い材料を見いだしにくい。

2022年出版市場(紙+電子)はコミックが書籍を逆転、占有率はコミック41.52%:書籍40.97%:雑誌17.51%に ~ 出版科学研究所調査より | HON.jp News Blog
「出版科学研究所が1月25日の時点で紙の『雑誌』として公表している数字には、かなりの割合でコミック(『雑誌扱いコミックス』と『コミック誌』)が含まれている。そこで、コミック市場の内訳が発表された時点で、『書籍(コミックを除く)』や『雑誌(コミックを除く)』の実態を明らかにするのがこの記事の目的だ」。

——複雑な流通関連統計を統合した鷹野凌氏の労作。「コミック6770億円に対し、書籍が6680億円、雑誌が2855億円となり、ついにコミックが書籍を逆転した」がわかった。

焦点:生成AI、検索サービスへの導入は巨額コスト必至
「オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はツイッターへの投稿で、チャットGPTでの会話1回当たりのコストは数セント以上と『目玉が飛び出るほどだ』と明かしている。
アルファベットのジョン・ヘネシー会長はインタビューで、生成AIでやり取りするコストは標準的なキーワード検索の10倍以上に達する可能性が高いが、少し手を加えればすぐにコストを抑制できると述べた」。

——ジェネレーティブAI全般に言えることだが、その電力消費やサーバ負荷などが驚くほど高いことは何度も指摘してきた。そもそもそのようなコストをリクープできるようなビジネスモデルが発明されていないことがポイントなのだろうが。

2022年 日本の広告費 - News(ニュース) - 電通ウェブサイト
「下半期は、ウクライナ情勢や欧米の金融政策の転換による経済環境の大きな変化、新型コロナの再拡大などの影響を受けたものの、社会・経済活動の緩やかな回復に伴い『外食・各種サービス』『交通・レジャー』を中心に広告需要が高まった」。

——これは“デジタル広告”ではなく、総広告費における概要。海外、特に米国での現状とは見え方が異なるのが興味深い。

「戦争とテック企業 ロシアによるウクライナ全面侵攻とテック企業の対応」川口 貴久 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
私が参加する研究会の中心メンバー川口貴久氏が、スマートニュース メディア研究所に寄稿。大手テック企業の果たす役割について、多面的な評価を行う貴重な論。ぜひ一読を。

Disruption This Week—–20/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月16日から2023年1月20日まで。

Alexa, That Isn’t Elvis! New Music Shuffle Irks Amazon Prime Users
【有料購読者向け記事】:
音楽ストリーミングのAmazon Musicが仕様を変更。ユーザがオンデマンドに楽曲再生するオプションをより高額なサービスへと移行。調査会社Antennaによれば、変更が行われた昨1月から11月の間に市場シェアを4ポイントも下落させ手痛い打撃を蒙ったという。
Taylor Swift and the music industry’s next $20
「Taylor Swiftと音楽産業の“次の20ドル”」。新フォーマット、新ビジネスモデル、そして(TikTokのような)新プロモーション形態。音楽はテクノロジーとの関係において他のメディアより5年先を行っている。TVや映画、ニュースなどメディアのの未来も見えてくるはずと述べるポッドキャスト番組の書き起こし記事。
「次の20ドル」とはもちろん、米消費者が映像や音楽の購読(ストリーミング)に支払っている金額と理解すると、記事の意味が想像できるだろう。記事の副題が「ストリーミングの問題は、ストリーミング」としているのもそのようなこと。
TikTok could open its algorithm to regulators, breaking a major dam for social media
TikTokをめぐる2つの大きな話題。Insider Intelligenceのリポートでは、米国市場での対前年比で広告収入を約140%増に。対するInstagramは「1.5%増」、Facebookはマイナス(絶対額の比ではないものの)! また、政府の透明性要求に押されアルゴリズムの一部開示を検討中だとする記事。
世界スマホ市場、2023年は成長見込めず--Canalys予測
「Canalysが米国時間1月17日に公開したレポートによると、世界のスマートフォン出荷台数は2022年第4四半期に17%減少し、2022年通期では11%減少したという。同社のアナリストRunar Bjorhovde氏は、『通期および第4四半期の実績として、過去10年で最悪』と評した」。

——Canalysは、シンガポール拠点の市場調査会社。今回のスマホの市場収縮の背景には複合的な要因がありそうだ。グローバルな景気動向ということが記事では書かれているが、オリジナルのリポートでは、中国の需要の厳しさが続いていることに言及がある。

The app economy slowed for the first time in 2022, with consumer spend down 2% to $167 billion
アプリに対する消費者の支出が、2021年に前年比19%の伸びを示した後、22年には初めて減少したことが明らかになった。モバイル分析会社のdata.ai(旧App Annie)による“アプリエコノミー”に関する年次リポートから。
Podcasters First Wanted Your Ears. Now They Want Your Eyes Too
かつては音声のみのフォーマットだったポッドキャストが、動画(特にYouTubeや有料ライブイベント)を優先して扱うハイブリッド配信モデルへと進化中。ユーザも半数が動画付きを好むとするなどポッドキャストをめぐる調査結果を米Morning Consultが公開。
ネット記事に信頼性付与、OP技術開発へ新聞社など11法人が組合
「安全なインターネット環境の実現に寄与するデジタル技術『オリジネーター・プロファイル(OP)』の実用化に向け、読売新聞社を含む新聞・メディア、アドテクノロジー(広告技術)会社など11法人は、技術研究組合を設立し、共同開発に乗り出す」。

——昨夏に報道されたプロジェクトが正式に発足の動き。コンテンツの信頼性を可視化しようという興味深い試み。
個人的にはW3Cにエントリーするなど世界標準化への道のりに期待する。

8 charts publishers need to see, from Reuters predictions for 2023 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
先日来紹介をしているReuters Instituteによる「Journalism, media, and technology trends and predictions 2023」。膨大な調査から8つのポイントをチャートともにピックアプした記事。良い整理。いずれも重要だが、8番目「プラットフォームパワーの変化」は具体的で興味深い。
他には、「1. 2022年以降、成長への信頼度は44%に低下」「2. 68%がサブスクリプションの継続的な成長期待」「4. ニュース忌避への懸念をニュース担当役員の72%が考える」「5. AIによるレコメンデーションを67%のパブリッシャーが活用中」などが目につく。

2023 Edelman Trust Barometer
Edelmanが毎年更新している調査「Trust Barometer」。2023年版が公開(日本版は未公開)。例年、企業、国家、メディアに対する“信頼感”を30か国弱で調査。日本は、高年収・低年収層のいずれでも、信頼感において世界平均を大きく下回り、最下位に近い。
WSJスクープ | ユーチューブ、無料配信チャンネルの一括提供を試行
【有料購読者向け記事】:
「複数の関係者によれば、ユーチューブはこのハブへのテレビ番組と映画の提供を巡り娯楽企業と協議を進めており、少数のメディア提携先と試験的な運用を進めている。同サービスを年内にさらに大々的に立ち上げる可能性もある」。

——米メディア業界では、「FAST」と呼ばれるトレンドが注目を集めている。私の理解は、多くの動画コンテンツを保有するローカル放送局などがストリーミング配信できるよう仕組みを提供すると同時にそこに広告配信を行うサービスというものだ。
すでに、Rokuなどが手がけてきているが、大手YouTubeがそこに乗り出すという話題。

News aggregator SmartNews lays off 40% of US and China staff, with further reductions planned in Japan
【ご紹介】:
スマートニュースの人員削減策を、前週末、米TechCrunchが報じている。スマートニュースの“中のヒト”を卒業して何年も経つので、記事の詳細について判定できるわけではないが、私の知るUSの元同僚の多くが会社を去ったのは事実。彼らの将来に幸多かれと祈る。国内への影響はこれからだろう。

Disruption This Week—–13/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月5日から2023年1月13日まで。

Opinion | Does Twitter Disinformation Even Work?
【有料購読者向け記事】:
2016年大統領選を巡りSNS経由でのロシアによる工作の影響度については、いまだに研究が進められている。Facebook上の活動は広く知られたが、Twitter上での影響力は小さかった? 米NYUの研究者らによる研究が学術誌「Nature Communications」に掲載された。
How the Star Tribune aims to retain its 100,000 digital subscribers - WAN-IFRA
創刊155年の米ローカルニュース「Star Tribune」。購読者のリテンション担当者が語る取り組み。重視している「KRP:キー・リテンション指標」という考えは参考になるはず。また、購読中止方法をあえて電話のみからオンラインに変更して、効果をあげたという事例も興味深い。
テレビ番組のネット配信、認知は8割前後に スマホの存在感増す──MMD研究所調査
「サッカーワールドカップのカタール大会が話題になった2022年12月上旬(5~7日)に18歳以上の男女1万100人を対象に調査した。これによるとテレビ放送後の番組をネット配信する『見逃し配信』の認知は80.1%で、このうち利用したことのある人は38.0%だった。また放送と同時に配信する『リアルタイム配信』の認知も77.4%と高く、利用経験者は33.3%だった」。

——「日本VSクロアチア戦」が行われたのが12月6日だから、国内で最大の注目を浴びていた時期の調査。ネット上での調査(八票元のデータを手続きしてダウンロードしないとデモグラ等がわからないのだが)と想像するのでその偏りはあると思うが、大きな認知向上があったと見る。また、発表元では、利用しているサービスも調査され、TVerとABEMAが上位に。

Pro-Putin operatives in Germany work to turn Berlin against Ukraine
ドイツ国内で秋以降、親ウクライナへの動きに反対する反米親露活動が活発に。活動の中心的人物は、たとえば、元ロシア空軍将校、もう一人は元ロシア軍事情報機関の将校だったりと、彼の国のエージェントの可能性が濃厚に。内容はもちろん、ビジュアルでも見応えのあるReutersの調査報道。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2023

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2023
例年、新年早々に公開されるReuters Instituteによるメディアとジャーナリズムをめぐる大規模な調査。2023年版が公開された。今後関連するトピックスを紹介していくことにする。やはり最大のイシューのひとつが「ニュース忌避」現象の行方ということになるだろう。
How Finland Is Teaching a Generation to Spot Misinformation
【有料購読者向け記事】:
Open Society研究所の調査で、フィンランドは誤報に対する強靭さで欧州41カ国中5回連続で1位を獲得した。ロシアとの間に長大な国境を有し、昨年NATO参加を決めた同国の実践的なメディアリテラシー教育の現場を取材した記事。ある中学の授業ではTikTok投稿を毎週3本見せて、議論したりしているという。
NATO入りを表明したとたん、首相がクラブで踊ったり、ドラッグ疑惑が流れるなど、認知戦が渦巻く同国の状況は実践的に学ぶ価値がありそうだ。
Microsoft eyes $10 billion bet on ChatGPT | Semafor
米Microsoft、ChatGPTを擁するOpenAIに100億ドルを投資検討。米新興メディアSemaforがスクープ。その際の企業価値は290億ドルと見込まれているという。Microsoftとしては、PCの次の波であるモバイルには乗り遅れたが、さて、生成型AIの波にはどうだろうか?
China, a Pioneer in Regulating Algorithms, Turns Its Focus to Deepfakes
【有料購読者向け記事】:
中国、ディープフェイクなど、“深層合成(Deep Synthesis)”技術を用いたコンテンツ、メディアの運用について、今月から新法で厳しく取り締まる運用に入った。この種の技術が経済や国家安全保障を混乱させるような情報の拡散させることを禁止する。
Ghost Writer: Microsoft Looks to Add OpenAI’s Chatbot Technology to Word, Email
【有料購読者向け記事】:
こちらもMicrosoftがChatGPTを取り入れる動向をThe Informationが独自取材した記事。なんとMSは、Word、Outlook、PowerPointなどにChatGPTを取り入れ、ユーザの簡単な指示で文書やプレゼンを生成できるような機能実現を目指しているのだという。
Partisan media offers easier-to-read political news than mainstream outlets, study suggests
米メディア研究者の研究論文「米国メディアにおける読みやすさ、学年、感情、トーンの評価」は、党派性に傾いた政治的メディア(記事)ほど、親しみやすく・シンプル・否定的トーンを用いて読者を引きつけているとの見解。
メディアをめぐる多様性のリアル――ONA2022現地レポート - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから年末更新の記事。昨年米国で行われたONA2022から、「メディアをめぐる多様性(ダイバーシティ)」の動き。海外、特に米メディアはどう考え、取り組んでいるのかを伝えます。