Disruption This Week—–16/9/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年9月12日から2022年9月16日まで。

この1〜2か月、YouTubeの広告が長さも量も大幅に拡大し、特にスキップできない形式になっていることを指摘する視聴者がいる。また、Redditのスレッドや 最近のツイートで、スキップできない広告が10個も並んでいる事例が指摘されているという。

SNSの新常識「BeReal」は広まるのか?/GB Tech Trend

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SNSの新常識「BeReal」は広まるのか?/GB Tech Trend
「過去数週間の間に、大手SNS『Snap』や『Instagram』が立て続けに新たな投稿フォーマットの実験的導入を検討しているというニュースを見かけるようになりました。それが『本物の友情を築こう』をキャッチコピー にする新興SNS『BeReal』のフォーマットを真似たものです」。

——最近、米国などで人気が高まっている(らしい)新タイプのソーシャルメディアアプリ「BeReal」。人気が高まっているらしいというのは、アプリダウンロードランキングだけでなく、先行するInstagramやTikTokなどがBeRealのアイデアを模倣し始めているという話題を目にするからでもある。トレンドが動いているのだ。

TikTokの危うい宿命 利用10億人、米中対立の矢面に
【有料購読者向け記事】:
「『国家安全保障上のリスクをもたらしていることは明らかだ。中国共産党の恩を受けており、政府の監視要求に従うよう義務付けられている』
米連邦通信委員会(FCC)委員のブレンダン・カーは6月にグーグルとアップルに書簡を送り、スマホのアプリストアからティックトックを削除するよう要求した」。

——直前の投稿と連動する話題。TikTokは、いまや米中の地政学的緊張関係をある意味で、象徴するような話題に。もちろん、中国国内でも別の緊張関係に晒されているわけだが。

米国のテック企業と同じ手法でのしあがったTikTokと、それを疎ましく思うシリコンバレーの皮肉
「ドイツの大手メディア企業のアクセル・シュプリンガーのCEOであるマティアス・デフナーがいまにも怒りで震えそうになりながら、ギャロウェイの呼びかけをさらに強調している。『TikTokはすべての民主主義国家で禁止されるべきです』と、デフナーが最大のライバルと定義する会社について語る。『スパイの道具に決まっています』」。

——WIRED名物スティーヴン・レヴィ氏のコラム。記事はタイトルを見て分かるように、TikTok非難で凝り固まっている人々は、模倣、盗用による成功と責めるが、シリコンバレーの成功者たち(Facebookなどを想起)もそうやってのし上がってきたのではないかと皮肉るものだ。

Welcome to the new Verge
米Vox Media傘下、尖鋭なテックメディア「The Verge」が思い切ったサイトリデザイン。他社記事にもリンクする新コンセプトのフィード「Storystream」や新コメントシステム「Coral」など斬新なデザインの採用に感心。「KPIやコンバージョンなど退屈な質問をするな」とも言う。
米ツイッター社員に中国工作員が存在、FBIが通知=内部告発者
「証言では、米連邦捜査局(FBI)がツイッターに対し従業員の中に中国の工作員が少なくとも1人いると通知していたことが初めて明らかになり、ツイッターのセキュリティー問題がはるかに深刻である可能性が示された」。

——記事が述べるように、証言者であるピーター・ザトコ氏は、Twitter社内でそのユーザデータを中国側が手に入れるリスクへの懸念と、中国国内でのビジネスを手放したくない(つまりデータ漏えいリスクを黙認したい)勢力がせめぎ合っていたという。結局、スパイ問題を放置していたということなのだろう。

By 2032, Gen Z will be the primary demographic for news publishers: How to engage them, starting today | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
INMA(世界報道機関協会)、Z世代(おもに現在20代の若者)は世界人口の3割であり、2032年までに社会の中心、メディアの主要オーディエンスとなるとの報告を公表。完全なモバイルネイティブ世代である彼らをとらえて離さないことが重要と指摘する。「彼らは本物の情報を求め、惨事報道を避ける」という。「ニュース忌避」の傾向を重なる態様か。
90秒アニメで「フェイクに予防接種」、ウクライナ情報戦の次の一手とは?
「ファクトチェックがフェイクニュース拡散の事後対策で、『デバンキング(debunking, 虚偽暴露)』とも呼ばれるのに対し、フェイクニュース拡散前の対策として注目されているのが、『プレバンキング(prebunking, 事前暴露)』だ」。

——誤・偽情報対策として、どんな手法が“予防接種”的効果があるのか。記事が紹介、解説しているのは「プレバンキング」で、具体的にはユーモラスで注意を引くような短尺動画で、偽情報の典型的手法をあらかじめ解説、それを広く視聴させることだ。大規模な調査の結果、このような動画をあらかじめ視聴しておくのと、視聴していないのとでは、5%程度の差異が生じる(改善する)ということだ。

AIはコンテンツをどう作る?ーー自動生成、そのしくみ(1)

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AIはコンテンツをどう作る?ーー自動生成、そのしくみ(1)
「今日、GPT-3のようなAIシステムは、ほとんどの人間が一般的に区別できない人間の創造性と文体に似たテキストを生成するように設計されている。このようなAIモデルは、ジェネレーティブAIとも呼ばれます。つまり、幅広いユースケースに対応する新しいデジタルメディアコンテンツや合成データを作成できるアルゴリズムなのだ」。

——訳文自体がAI生成的でちょっと笑う。とはいえ、AIによる自動的なクリエイティブ生成は、劇的な展開を見せている。その現状と広がりを追った連載記事。(2) で公開されている。

Tracking the Faceless Killers who Mutilated and Executed a Ukrainian POW - bellingcat
7月に親ロシア派のTelegramチャンネルに流されたウクライナ捕虜兵士に対する残虐な殺害映像。そこに残されたいくつかのチェチェン人らしき武装集団のメンバーの特徴から、調査報道集団のBellingcatがその戦争犯罪者をついに特定。そのプロセスを詳細にリポート。
メディアリテラシーを、教育/ ビジネス で読み解くシンポジウム開催 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
来る10月、オンラインイベント「現代人に必須のスキル 〜 メディアリテラシーを読み解く」を開催します。私も所属するスマートニュースメディア研究所の主催です。ぜひご参加を。

Disruption This Week—–29/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月26日から2022年7月29日まで。

Medium VP of Content Scott Lamb on the platform's evolution and vision for the future
Mediumコンテンツ担当責任者Scott Lamb氏、プラットフォームとしてのMediumの重要要素であるキュレーション機能について、自身の見解を述べる。
「今、我々が最も関心を寄せるのは、ある記事を評価する際、それを特別に注目すべきかどうかを判断する重要なシグナルの1つである筆者についてだ。彼は専門家か?彼に見識があるか、専門知があるか?」
スマホ最適化 「縦読み漫画」急拡大 グリー参入 大手出版社も攻勢
「同協会(=全国出版協会・出版科学研究所)は『縦読み漫画が新たなユーザーを掘り起こしている』と分析している。5年後には世界の縦読み漫画市場が2兆円を超えるとの試算もある」。

——記事は、同市場へのグリーの参入を取り扱っているが、やはり興味を惹くのは、「日本で築き上げられてきた漫画文化は転換点を迎えようとしている」という点。韓国が先行したこのコンセプトと市場に対し、日本での層の厚いクリエイター蓄積を生かしてリードを創りだせるか? また、アプリから制作体制までに及ぶ革新でだれが覇者となるのか。

🚨 Instagram walks back its changes
Instagram事業責任者のAdam Mosseri氏、TikTok追随のための大規模な改修計画を取り止める旨、著名テックライターCasey Newton氏のインタビュー(同氏のニューズレター「The Platformer」掲載)で言明。取り止めるのはフルスクリーンの写真、動画の表示。そして、レコメンド表示について。決定は永続的ではないとも述べる。
メタ株下落、4-6月売上高が市場予想下回る-四半期で初の減収
「メタのソーシャルネットワークのいずれか1つを利用した1日当たりアクティブユーザー数を示す『ファミリー・デーリー・アクティブ・ピープル(DAP)』は28億8000万人で、アナリスト予想平均の29億1000万人をわずかに下回った。
メタは大きな変化のさなかにあり、ザッカーバーグCEOはユーザーのつなぎ留めや若い世代の呼び込み、 バイトダンス(字節跳動)の人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」への流出阻止に向けてさらなる努力を惜しまぬよう従業員を鼓舞しようとしている」。

——IT大手のうち最も注目されていたMetaの業績が開示された。同社にとって初の、歴史的な減収。「世界経済の不確実性」はもちろんだが、今朝のNHKのニュースでも、「Appleによるターゲティング広告の抑止策」「TikTokの脅威」を同社スランプの要因に挙げていた。

Google delays move away from cookies in Chrome to 2024 – TechCrunch
GoogleのPrivacy Sandbox担当副社長Anthony Chavez氏はブログで、Cookie代替技術を採用する時期として「2024年の後半」を目標にすることになったと述べた。記憶するところでは2回目の延期。Appleと違い全力で嫌がっている。
YouTube Ad Revenue Inches Up 4.8% in Q2, Slowest Growth in More Than Two Years
Alphabetの業績でも触れたが、YouTubeの広告収入の成長率が低迷。前年比4.8%増は2年ぶりの低成長記録。景気低迷はもちろんだが、同社にはTikTokの影響が指摘される。とりわけ、短尺動画をテコ入れすればするほど広告インベントリは縮減してしまうと記事。
アルファベットの4~6月、純利益14%減 ネット広告減速
「フィリップ・シンドラー最高事業責任者は『旅行や小売りの分野の広告が好調で、夏の旅行先の検索回数は前年同期の2倍に増えた』と説明した。
ただ、全社の売上高の前年同期比増加率は過去8四半期で最低になった」。

——GAFAMが続々第2四半期業績を開示。広告無敵のGoogleを傘下に擁するAlphabetも成長力を落とした。広告で前年比12%増だが、YouTubeのそれは5%と“低迷”。Google CloudもAWSの背中が遠くなりそうだ。

TikTok Owner ByteDance Distributed Pro-China Messages To Americans, Former Employees Say
TikTokを傘下に持つByteDanceが運営するニュースアプリ「TopBuzz」。その米元従業員が、本国ByteDanceの指示により、中国寄りの記事を定期的に同アプリでピン止め表示させていたと証言。指示どおり実行したことをスクショ付きで報告することも求められていたという。ByteDance社は否定。米BuzzFeed Newsのスクープ。
‘User Needs’: a way for newsrooms to do more with less | FT Strategies - Subscriptions consultancy from the Financial Times
英FT傘下で、メディア市場調査とコンサルティングを行うFT Strategies、英メディア3社を長期詳細に調査。いずれにおいても「ユーザニーズ」と注力分野に大きな乖離があるのを発見。速報に注力しているが、ユーザニーズが高い教育効果や大局展望分野を見逃してきたとする。
Sunset of the social network
先日から紹介しているFacebookのフィードアルゴリズム改変をめぐる論説。この記事でもTikTok旋風をソーシャルグラフの終えんとしてとらえ、純然たるアルゴリズムによる“お薦め”黄金時代を指摘する。2000年代初頭のFriendster、MySpaceそしてFacebookへと続いてきたソーシャルメディアの日没を語る。
Global Fact 9レポート(2) 陰謀論の生態系:「鳥は本物じゃない」運動が問いかけるもの
【ご紹介】:
「昨夜の帰り道、ハチドリのドローンに命を狙われた。針山に針を刺すように一直線に飛んで来て、くび元を狙われたが、すんでの所で逃れた。クラヴマガ(護身術の一種)を習得しておいてよかった。とにかく空を信用してはならない(会場から笑い声)」。

——FIJ理事の奥村信幸さんが、オスロで開催されたファクトチェッカーの国際組織年次総会をリポート第2弾。陰謀論を指摘する運動「Birds Aren’t Real(鳥は本物じゃない)」のセッション紹介。あまりに手が込み迫真的で、ついには信者が集まるようになってしまった……。

Disruption This Week—–22/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月19日から2022年7月22日まで。

キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場

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キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場
「公開から6日間でユーザは1,800人に達し、現在はすでに2,000人を超えている。GPT-3 は、与えらえた情報から空気を読むのが上手く、空気を読んだ文章を作ってくれるのがポイント。記事作成、広告文、EC サイトの説明文作成などに利用されている」。

——「GPT-3」についてはたびたび言及してきたので、その説明は省くが、このAIによる自然言語などの生成能力が広告などのコピーライティングに実際に利用され始めているという。私が思いつくのは、スペックなどの基礎情報がそろう不動産や商品カタログなを用いた創作力は、応用用途が広そうで興味深い。報道系のストレートニュースにも進出するかどうか?

フェイスブック、クリエーター機能強化へ ニュースとブレティンから人員再配置
【有料購読者向け記事】:
「ブラウン氏(=グローバル・メディアパートナーシップを率いるキャンベル・ブラウン氏)によると、これらプロダクトのエンジニアリングおよびサポート担当者を移動させ、『両チームはより安定したクリエーター機能の構築に注力する』ことになる。これはプロダクトレベルの決定であり、ブラウン氏の所属チームが決めたことではないと関係者は話した」。

——Facebookにとっては、“パートナーメディア(ニュース)”への力点を変える(言い換えれば、重要視しなくなる)、何度目かの戦略変更。ニュースメディアとの協業を重要視し続けることは同社の哲学ではムリということだろう。

「デジタル探偵」が迫る戦争の真実 NYTオープンソース報道最前線:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「オープンソース調査を、地をはうような伝統的な取材と組み合わせるのが最も優れたアプローチだと私は思います。実際、公開情報から極めて決定的な情報を得ることができます。人間の記憶一つとっても、ある出来事をめぐる人間の時系列的な記憶は時間とともに変化します。それが人間の特性です。オープンソースの調査で得た情報によって、証言者の時系列の記憶の正確さなども確認できます」。

——オープンソース調査報道(OSINT)に積極的に取り組み、いまでは17名のスタッフを擁する米New York Times。そのシニアプロデューサーのマラキー・ブラウン氏に取材した記事。

「アドテクに興味を失った」 マイクロアド渡辺社長
【有料購読者向け記事】:
「リタゲは一部のユーザーを行動データに合わせて、過剰なまでに追及する広告だ。果たして消費者のためになっているかのどうかという課題を感じていた。計測ツールで見れば、確かに結果はコンバージョンという形で出ているが、イノベーションは起きないと思い始めた」。

——まさにアドテクをテコに成長してきたマイクロアド、つい最近IPOを成し遂げたが、同時に過度な広告技術の跋扈から離れてデータ分析分野へと業態をシフトしつつある。ここにも課題があるとは思うが。ともかく、ここにもまた、“ポスト・クッキー(ポスト広告)時代”を示唆する動き。

Global Fact 9レポート(1) ナラティブ:誤情報の背景にあるストーリー全体をファクトチェックする
「文脈から切り離されたファクトは、それが真実であれ、間違いであれ、ほとんど意味がありません。ストーリーの一部として語られ、説明されなければなりません」。

——世界のファクトチェック団体をネットワークするIFCNが例年開催するGlobal Factが開催。先ごろ行われたGlobal Fact 9に参加した奥村氏からのリポート。確かに“ナラティブ”はほぼ流行語になりつつある。

W3C、中央集権的な管理を不要にする「Decentralized Identifiers (DIDs)」(分散型識別子)の仕様が勧告に到達
「W3C DIDは、中央集権的なレジストリを必要とせず、これを利用する個人や組織が情報をコントロールできるような仕組みを備えています。
人だけでなく組織、機器、製品、場所、抽象的な実態や概念などさまざまなものを一意に識別するために使用でき、属性などを示す関連情報が正しいことを暗号技術などによって証明可能です」。

——ID管理は、中央集権的基盤にうえに実現し、運営されるという“常識”を壊すWeb3的世界の進ちょく。W3Cという標準としていよいよ動き出した。次はどう実装し、どう稼働するのかに注目。

Guardian Media Group plc (GMG) publishes 2021/22 statutory financial results
英The Guardianなどを傘下に擁するGuardian Media Group、昨年度に引き続き好決算。総収益は3030万£(13%)増の2億5580万(2021年:2億2550万£)で、2007/8年以来の高水準に。デジタル読者の収益が10%以上増加し、初めて印刷版の読者収益を上回った。デジタル収入の総計で、今や総収入の3分の2を占める。
Disney secures $9 billion in its strongest Upfront ever
Netflixら米ストリーミング大手がいっせいに広告収入獲得に向かうなか、米Disneyは最近行われた広告関係者向け内覧会「Upfront」期間中に、秋の同社ラインナップが90億ドルもの広告予約を獲得したと公表。その40%がデジタル、特にDisney+を筆頭とするストリーミングだという。
Why The Guardian shared its Uber Files investigation with rivals
先日紹介したとおり、米Uberが世界各国の政府要人をターゲットに繰り広げたロビーイング活動記録を暴露する「Uber文書」。入手したのは英Guardian紙の記者だ。だが同氏はそれを独り占めにせず世界のジャーナリストとの共同作業として取り扱った。その理由を訊いた記事。
Opinion: Democracy dies behind a paywall
「民主主義を推進する市民にとって必要な事実に基づいたニュースは、ますますペイウォールの向こう側にある一方、SNSでは、受動的な消費者は、その情報流通システムを利用したプロパガンダを目にする可能性が高い」とする論説。サブスク潮流にある大きな課題を指摘する。論者は米国の各州でのローカルニュースネットワークづくりに動くGood Informationの創業者。

Disruption This Week—–15/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月11日から2022年7月15日まで。

Google says paying for news would ‘undermine trust in search engines’
英Google公共政策担当者、Edelmanなどの調査でGoogle検索が、例年メディア以上の信頼度を得ていることから、同社が一部メディアのコンテンツに対価を支払うことは、同社検索サービスへの信頼度を損ねる可能性があると発言。英国での法制とその理解に関わる面もあるが、HQとの調整抜きにこの種の発言があるとも思えない。同社の理論武装の方向性を示唆して興味深い。
「読者の言いなりか」批判受けても新聞社がウェブメディア続ける理由
伊藤大地氏:
「『これをやったら滑りました』というメールが、メンバー間で交わされるチームって成功するんです。一方で紙媒体の場合、トライアンドエラーが許されづらい。(新聞社のように伝統を重んじる)堅い組織では、ある程度新しいことがやりやすい部署や職域で得られた知見を、社内で共有するのが良いでしょう」。

——面白く読めた座談会。メディア(それも新聞社)固有のテーマというより、一定の歴史を有する組織からどう新規事業やイノベーションを生み出していくかという議論と読める。withnewsがそうであるように、周縁上にある小さな自由を半分放置気味で芽を育てたい。

Google exec suggests Instagram and TikTok are eating into Google’s core products, Search and Maps – TechCrunch
「私たちの研究では、ほぼ40%の若者が、ランチの場所を探しているとき、Googleマップや検索に向かわない。彼らはTikTokやInstagramに行くのだ」とGoogle幹部が認める。
若者が使わない印刷版の地図をオンラインで再現する表現手法の無意味さも指摘する。実に興味深い。
1億3400万件のウェブページに基づくオープンソースのAIナレッジツール「Sphere」をMetaがリリース
「従来のKI-NLPとは異なりデータベースが検索エンジンに依存していないため、Sphereを利用するAI研究者はコーパスを調べて制御することが可能で、さまざまな方法でスケーリングと最適化が可能となり、検索テクノロジーの前進にも貢献できるとMetaは説明しています」。

——Metaはこの「Sphere」をオープンソース化する。難しい技術的解説はともかくとして、可能性を感じるのは誤・偽情報の検証フローに使えそうという点(実際、Wikipediaが蓄積された情報の検証を試行しているという)、もっと汎用的にはブラックボックスなGoogle検索に頼り切りの“検索”を、透明化したうえで新たな結果を得られるかもしれないということ。

News engagement plummets as Americans tune out
米国で、“ニュース疲れ”“ニュース忌避”のリアリティが顕著に。米Axios調べで、4分野(SNS、CATV、ニュースアプリ、主要5サイトの来訪者数)でニュース(メディア)消費がすべて昨年同期比で大きくマイナスを示した。
2021年のニュース消費は、2020年の歴史的な高水準に続いて急降下した。2022年では大きなニュースが相次いだにもかかわらず、らに後退。一時的に潤ったメディアが改めて危機に直面している。
Exclusive: Reuters launches research subscriptions for individuals
Reuters、戦略である購読メディアのローンチが足踏みしているが、個人向け高額購読サービスを先に商品化。「Reuters Insight」で、企業シニアレベル向けに各種統計、調査結果を年間2,500ドル程度で提供するもの。同社は各種の産業や分野ごとに深掘り商材を開発していく戦略を推進していると記事は述べる。
陰謀論と戦うストリーマーたち--対話と理解のコツを語る
「パンデミック以来、ディベート配信はTwitchとYouTubeの視聴時間の急増の波に乗り、政治的な話題によってファン層を拡大した。クリエイター向けツールを提供するStreamElementsの最高ビジネス責任者であるJason Krebs氏によると、Twitchの政治カテゴリーの視聴者数は2021年5月から2022年5月までの間に3倍に増加し、視聴時間は170万時間を超えたという」。

——Twitchが材料として引き合いに出されているが、この数年、音声やチャッティング分野に政治的会話(のメディア的役割)が広がっているのを感じる。現代のメディアにおけるホットな分野。

Nearly a third of new subscribers to news publications cancel in the first 24 hours
サブスクリプション基盤を提供するPianoの調査では、新規購読者の1/3は、最初の24時間で退会するという。理由は1記事のみ読みたかった、あるいはざっと読み回して購読の価値がないと早々に判断したかと見られる。言い換えれば、購読直後の読者をどうつなぎ止めるかが重要だということに。

Announcing The Information Profiles, Directory and Forum: Connections Worth Your Time
好調に正統派テック系メディアのポジションを築いてきた米The Information、満を持してコミュニティ機能の「プロファイル、ディレクトリ、フォーラム」を発表。同メディアではVCや起業家など著名人が実名でコメントするなどの文化がある。それをうまく商業化できるか?
The Existential Threat of AI-Enhanced Disinformation Operations
「AIによって生成された合成メディアや、AIによって強化された説得力のあるチャットボットは個々人向けへとカスタマイズされ、検出が困難なメッセージング機能を、情報操作(Disinformation Operations)の担い手たちに提供するようになっている」|「AIによって生成された合成メディアや、AIによって強化された説得力のあるチャットボットは個々人向けへとカスタマイズされ、検出が困難なメッセージング機能を、情報操作(Disinformation Operations)の担い手たちに提供するようになっている」。

——AIを活用した情報操作のありようを、外観した貴重な論が「Just Securit」に掲載。重大なポイントは、Facebookが発表した論文から、この情報操作が、アドテク(高度なターゲティング広告の技術)依拠したものであると指摘していること。アドテクの発展と、いま世界を揺るがしている情報操作(認知戦)の高度化は無縁のものではない。

2022.7.22 オンラインセミナー① メディアリテラシーとアントレプレナーシップ | 京都大学経営管理大学院 グローバル社会起業寄附講座
【再度のご紹介】:
私も登壇するメディアリテラシー×アントレプレナーシップをめぐる討議の告知です。無料ですので、ぜひご参加を!

Disruption This Week—–8/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月5日から2022年7月8日まで。

ネット記事・広告 信頼向上を…村井純氏 慶応大教授[岐路の資本主義]特別編 デジタル時代の情報危機
「私たちが取り組んでいるのが、『オリジネーター・プロファイル』(OP)と呼ばれる技術だ。ネット上のニュース記事などのコンテンツ(情報内容)について、もともと誰がどのように作ったのかが確認できる証明書のような仕組みだ」。

——「仕組み作り 日本で主導」とかの見出しが添えられているが、そんなこと言わずに世界的なアプローチを期待&予感。

顔画像検索「ピムアイズ」、他人の過去探る利用に懸念
【ご紹介】:
月1連載が日経電子版に掲載されました。よろしければ。ご紹介した「PimEyes」、有料版を短期間購入して試しました(有料版なので、顔の背景映像などもサムネールに表示されています)。ただし、日本のサイトでのクロールに力を入れていないのか、想像したほどではありませんでした。なので、研究目的以外にはお勧めできない。しかし、このビジネスモデルは…… 。
【注目】TikTokの健康デマを暴く「世直しクリエイター」が熱い
【有料購読者向け記事】:
「最近、TikTokで拡散される偽情報を『論破』する活動を行う科学者や医師、学者らが増えている。ダヒールもその1人だ。
彼らが用いるのは、元の動画を切り取って引用し、それに対して反証を述べる『スティッチング』という手法だ」。

——ファクトチェッカーもまた、TikTokerのように画像を駆使し、ユーザに向かって確信的にメッセージを発信しなければならない。なかなか大変な時代だが、そのような才能をもつ人間を開発していかなければならないというわけだ。

How The Washington Post is trying to reach the next generation - Poynter
米Washington Post、“次世代読者獲得”構想を約1年前にスタート。そのプロジェクトリーダーに取り組みを聞いた記事。当然ながら青年層を狙ったと思いきや、ターゲットは“45歳以下”という。とはいえ、プロジェクトチーム参加者には各所から問合せが引きも切らないのだという。
「世界ファクトチェック会議のポイントは何だったか」 トークイベント開催します
【ご紹介】:
私も参加しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が、つい最近開催された世界のファクトチェック団体が集まる年次総会GlobalFact 9をリポートするディスカッションを開催します。世界のファクトチェックとそのテクノロジーの紹介が聞けます。ぜひご参加を!
Creator Economy Startup Funding Drops 60% From a Year Ago
【有料購読者向け記事】:
クリエイターエコノミーのトレンズに関わるスタートアップ企業への投資が、前年比約60%減少。「Creator Economy Database」の更新を続ける米The Informationがリポートした。なかでもWeb3クリエイター系のスタートアップはより大幅な減少に。
TikTok、中国から米データへのアクセス認める──個人情報の扱いを懸念する報道には反論 | DIAMOND SIGNAL
「『米国ユーザーの個人情報が中国から繰り返しアクセスされている』とする米ニュースメディア・BuzzFeedの報道に対しては、『間違った主張やほのめかしを含んでおり、事実に基づいていない』と反論した。その一方で特定の条件のもと、中国拠点の従業員が米国ユーザーのデータにアクセスしていたことは認めている」。

——すでに紹介した事象だが、改めて。日本でもLINEが“ずさん”にユーザデータへのアクセスを認めてきたとされる同様の事件からすると、他人事ではない。

メディア企業は若年層の「 ニュース離れ 」にどう対応するのか?:要点まとめ | DIGIDAY[日本版]
「今回のレポートでいくつか大きな理由が明らかになった。35歳未満の若い読者は、政治や新型コロナなど同じテーマのニュースを冗長だと感じている。また、『ニュースを見ると、気分が落ち込む』『ニュースは理解するのもフォローするのも難しい』。そもそも、『ニュースを信用していない』などの理由が挙げられた」。

——数年前からReuters Instituteのリポートでは「ニュース忌避」が伝えられていた。左右の分断やらニュース(情報)リテラシーの成熟度の問題として認識されていたと思うが、2022リポートでこの問題が“主役”に躍り出た。実際、シリアスなニュースに触れ続けることは心理的に辛いことは事実。これをどう物語っていくのかが、メディア、特に報道機関の主たる課題に。

YouTube日本語版15年 ファンが作り上げる文化熱く
【有料購読者向け記事】:
「日本ではファンが作り上げるカルチャー『ファンダム』がかなり熱い。ユーチューブにもその傾向が顕著に現れている。クリエーターと視聴者のコミュニケーションの1つとして取り入れた投げ銭機能『スーパーチャット』などの利用度合いは他国に比べかなり高い」。

——YouTube日本代表の仲條亮子氏のコメント。「ファンダム」に言及したことと、「リスキリング」に言及したりと、YouTubeの適用分野が広がっていることに興味を持った。

Peacock Tops $1B in Upfront Ad Revenue, Doubling Growth
NBCUniversalが2年前に開設した映像ストリーミング「Peacock」、2022年の前払い広告収入(アップフロント)で10億ドルを突破。前年比でも倍増で、同社で最も急成長のビジネスに躍り出た。広告収入に手を出そうとするNetflixやAppleをリードする動きだ。
Google agrees to $90 million settlement with app developers
サードパーティのAndroidアプリ開発者らに反競争法的な締め付けをしてきたことが係争となっていたGoogle、アプリの収益規模が小さい開発者らに9,000万ドルを拠出することで調停が成立。アプリビジネスのルールメーカーであるApple、Googleの両者にプレッシャーとなる動き。
The iPhone at 15: An Inside Look at How Apple Transformed a Generation
15年前の6月末、米国でiPhoneが誕生。その日に生まれた赤ちゃんが育つなか、スマートフォン(iPhone)はその幼児たちをどのような若者、クリエイターに育てていくことになるのか。iPhoneに携わったApple幹部らでさえ想像もできなかったと語る。