Disruption This Week—–20/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月16日から2023年1月20日まで。

Alexa, That Isn’t Elvis! New Music Shuffle Irks Amazon Prime Users
【有料購読者向け記事】:
音楽ストリーミングのAmazon Musicが仕様を変更。ユーザがオンデマンドに楽曲再生するオプションをより高額なサービスへと移行。調査会社Antennaによれば、変更が行われた昨1月から11月の間に市場シェアを4ポイントも下落させ手痛い打撃を蒙ったという。
Taylor Swift and the music industry’s next $20
「Taylor Swiftと音楽産業の“次の20ドル”」。新フォーマット、新ビジネスモデル、そして(TikTokのような)新プロモーション形態。音楽はテクノロジーとの関係において他のメディアより5年先を行っている。TVや映画、ニュースなどメディアのの未来も見えてくるはずと述べるポッドキャスト番組の書き起こし記事。
「次の20ドル」とはもちろん、米消費者が映像や音楽の購読(ストリーミング)に支払っている金額と理解すると、記事の意味が想像できるだろう。記事の副題が「ストリーミングの問題は、ストリーミング」としているのもそのようなこと。
TikTok could open its algorithm to regulators, breaking a major dam for social media
TikTokをめぐる2つの大きな話題。Insider Intelligenceのリポートでは、米国市場での対前年比で広告収入を約140%増に。対するInstagramは「1.5%増」、Facebookはマイナス(絶対額の比ではないものの)! また、政府の透明性要求に押されアルゴリズムの一部開示を検討中だとする記事。
世界スマホ市場、2023年は成長見込めず--Canalys予測
「Canalysが米国時間1月17日に公開したレポートによると、世界のスマートフォン出荷台数は2022年第4四半期に17%減少し、2022年通期では11%減少したという。同社のアナリストRunar Bjorhovde氏は、『通期および第4四半期の実績として、過去10年で最悪』と評した」。

——Canalysは、シンガポール拠点の市場調査会社。今回のスマホの市場収縮の背景には複合的な要因がありそうだ。グローバルな景気動向ということが記事では書かれているが、オリジナルのリポートでは、中国の需要の厳しさが続いていることに言及がある。

The app economy slowed for the first time in 2022, with consumer spend down 2% to $167 billion
アプリに対する消費者の支出が、2021年に前年比19%の伸びを示した後、22年には初めて減少したことが明らかになった。モバイル分析会社のdata.ai(旧App Annie)による“アプリエコノミー”に関する年次リポートから。
Podcasters First Wanted Your Ears. Now They Want Your Eyes Too
かつては音声のみのフォーマットだったポッドキャストが、動画(特にYouTubeや有料ライブイベント)を優先して扱うハイブリッド配信モデルへと進化中。ユーザも半数が動画付きを好むとするなどポッドキャストをめぐる調査結果を米Morning Consultが公開。
ネット記事に信頼性付与、OP技術開発へ新聞社など11法人が組合
「安全なインターネット環境の実現に寄与するデジタル技術『オリジネーター・プロファイル(OP)』の実用化に向け、読売新聞社を含む新聞・メディア、アドテクノロジー(広告技術)会社など11法人は、技術研究組合を設立し、共同開発に乗り出す」。

——昨夏に報道されたプロジェクトが正式に発足の動き。コンテンツの信頼性を可視化しようという興味深い試み。
個人的にはW3Cにエントリーするなど世界標準化への道のりに期待する。

8 charts publishers need to see, from Reuters predictions for 2023 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
先日来紹介をしているReuters Instituteによる「Journalism, media, and technology trends and predictions 2023」。膨大な調査から8つのポイントをチャートともにピックアプした記事。良い整理。いずれも重要だが、8番目「プラットフォームパワーの変化」は具体的で興味深い。
他には、「1. 2022年以降、成長への信頼度は44%に低下」「2. 68%がサブスクリプションの継続的な成長期待」「4. ニュース忌避への懸念をニュース担当役員の72%が考える」「5. AIによるレコメンデーションを67%のパブリッシャーが活用中」などが目につく。

2023 Edelman Trust Barometer
Edelmanが毎年更新している調査「Trust Barometer」。2023年版が公開(日本版は未公開)。例年、企業、国家、メディアに対する“信頼感”を30か国弱で調査。日本は、高年収・低年収層のいずれでも、信頼感において世界平均を大きく下回り、最下位に近い。
WSJスクープ | ユーチューブ、無料配信チャンネルの一括提供を試行
【有料購読者向け記事】:
「複数の関係者によれば、ユーチューブはこのハブへのテレビ番組と映画の提供を巡り娯楽企業と協議を進めており、少数のメディア提携先と試験的な運用を進めている。同サービスを年内にさらに大々的に立ち上げる可能性もある」。

——米メディア業界では、「FAST」と呼ばれるトレンドが注目を集めている。私の理解は、多くの動画コンテンツを保有するローカル放送局などがストリーミング配信できるよう仕組みを提供すると同時にそこに広告配信を行うサービスというものだ。
すでに、Rokuなどが手がけてきているが、大手YouTubeがそこに乗り出すという話題。

News aggregator SmartNews lays off 40% of US and China staff, with further reductions planned in Japan
【ご紹介】:
スマートニュースの人員削減策を、前週末、米TechCrunchが報じている。スマートニュースの“中のヒト”を卒業して何年も経つので、記事の詳細について判定できるわけではないが、私の知るUSの元同僚の多くが会社を去ったのは事実。彼らの将来に幸多かれと祈る。国内への影響はこれからだろう。

Disruption This Week—–23/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月20日から2022年12月23日まで。

ネトフリ広告付きプラン、普及まだ先
【有料購読者向け記事】:
「今回のデータが公表される数日前、ネットフリックスは広告付きプランの保証視聴回数を達成できず、その結果出稿されなかった広告分について、返金に応じていると業界誌ディジデイが報じていた」。

——すでにAntennaの調査などについて紹介したが、WSJも、Netflixの広告表示付き廉価版の試みに、否定的な報道。ただし、記事中にもあるが、まだ、滑り出し1か月の段階。今後の展開に引き続き注目すべき。

Porn, Piracy, Fraud: What Lurks Inside Google’s Black Box Ad Empire
「Googleは、広告販売パートナーの大方を秘匿する唯一の主要広告プラットフォームだ。つまり、Googleは広告を掲載するサイトやアプリ、その背後の人々や企業をすべて非公開としている」。
それにより驚くべき偽情報で荒稼ぎするサイトでの広告収入を、匿名のサイトオーナーと折半しているとする詳細な米ProPublicaの調査報道。
米Axios、記事「箇条書き」に活路 ネット系停滞と一線
【有料購読者向け記事】:
「アクシオスは、立ち上げ前に既存メディアの欠点を徹底的に分析し、記事が長すぎるとの結論に至ったという。忙しい読者が短時間で要点をつかめるように、記事は『スマート・ブレビティー(賢く、短く)』と呼ばれる箇条書き方式で提供する」。

——傾く老舗メディアに挑む新興メディア……という図式が揺らいだここ数年。新たな挑戦者はAxiosと見なす記事。ビジネスの仕方、稼ぎ方などに目が行き届いた新興メディアへ注目が集まる。

ByteDance Inquiry Finds Employees Obtained User Data of 2 Journalists
【有料購読者向け記事】:
TikTokおよびその親会社であるByteDanceの従業員らが、米ユーザのデータに不適切にアクセス、監視活動を行っていることはすでに報道されてきたが、今回、新たなに米ジャーナリストの個人データをTikTok従業員が漁っていた事案も内部調査から判明した。
メタバース・ビジネス新展開
25年前に亡くなった
伝説のラッパーが復活ライブ
【有料購読者向け記事】:
「(早逝したラップ・アーティストの)スモールズの超リアルなアバターは、見事な技術的偉業というだけのものではない。メタバース・プラットフォームが普及すればすぐに直面することになる、2つの大きな疑問に対する重要なテストでもある。その疑問とは、亡くなったアーティストのアバターのパフォーマンスを人々がお金を払って見るか、そして、そのビジネスは倫理的か、ということだ」。

——非在の人物をテクノロジーで甦らせる試みは、映画やこの種の芸術ステージ、そして親族と触れあっていたい私的な欲求などに応える産業となっていく可能性がある。この記事ではVRによる見た目の再現と新たな創造が軸だが、ChatGPTのような会話力の人工的な創造がここに組み合わされていくことになることは間違いない。その亡くなった人物の考えや声をAIが学習できれば、応用は広がっていく。

ワシントン・ポスト、SaaSで稼ぐ 2000媒体に基盤提供
【有料購読者向け記事】:
「会社は異なるがArc XPとアマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)には共通点が多い。例えば顧客の声に耳を傾け、矢継ぎ早に機能を追加することだ。最近は記者がスマートフォンで撮影した動画をサイトで生中継できる機能など『21年は機能追加数が過去最多だった』(広報担当者)」。

——米Washington Postが自ら内製開発したCMS「arcXP」をめぐる奥平和行記者による充実した取材記事。ただし、同氏が知ってか知らずか、arcXPをめぐる同社の経営は揺らぎ、その戦略は転換を遂げているのだが。メディア企業がテクノロジー事業(企業)を胚胎し育て上げることの難しさが伝わる。期せずしてVox MediaもCMS「Chorus」のディスコンを決めたと報道されている。

Slow fade for Google and Meta's ad dominance
“デジタル広告複占時代”の衰退?
米調査会社Insider Intelligence、2022年の米デジタル広告収入の48.4%をGoogleとMetaの合計が占めると予測(Google28.8%、Meta19.6%)。2014年以来初めて5割を下回る。2017年のピーク時には、54.7%だった(Googleは34.7%、Metaは20.0%)。
5 themes that governed the news industry in 2022 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
2022年、報道メディアをめぐる5つのトレンド。1) ジェネレーティブAI出現で制作自動化の動き、2) 印刷コスト増大でデジタル化進展、3) Web3、NFTが本格化、4) 改めて広告に頼るメディアも、5) “音声(ポッドキャスト)トレンド”加速
Finding new ways to reach news avoiders
ニュースをめぐるエコシステムは、“ニュース・ジャンキー(中毒者)”に向けて作り出されている。ニュースをよく読む人より、ニュースを大量摂取する人向けにビジネスが最適化されており、それがまたニュースメディアの首を絞め、“ニュース忌避”を呼んでいるとする貴重な論。
最近までCNNでアンカーをしていた筆者が、抜け出す方向性を示唆する。
2023年に最も注目すべきテクノロジーは、世界を変えうる技術革命「生成型AI」だ | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
【有料購読者向け記事】:
「AIは計算負荷が高く、高価なデータセンターを必要とするため、政府や超大企業しか利用する余裕がない。しかし、AIにはストーリーがあり、実用性がある。それこそ、2021年と2022年に登場した技術(Web 3.0とメタバース)が提供しなかったものだ」。

——スコット・ギャロウェイ氏のお馴染みの論説。今年1年の間にも歴史に残るようなAI研究の成果が生み出されている状況を、的確に論じている。Web3トレンドより実用性が高く、その分、日社会に良い影響も悪い影響ももたらすだろうことを示唆している。
で、最大の難点は、大規模言語モデルの駆使は、ブロックチェーンのマイニング同様、設備集約、高エネルギー消費型の産業であること。むしろGAFAを生き延びさせる可能性が高いことかもしれない。

Disruption This Week—–28/10/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月24日から2022年10月28日まで。

Tech giants go to war with Apple
こちらもAppleをめぐる動き。Spotify、Meta、その他の大手IT企業ら、自分たちビジネスを痛めつけ、Apple自身のビジネスを強化することになる不公平かつ反競争的なガイドライン変更などへの反発を強めており、Apple包囲網的な動きとなろうとしているとする記事。
シャッターストック、画像生成AIツールを提供へ。アーティストにも報酬を支払う考え
「提携する研究機関のオープンAI(Open AI)が開発した画像生成技術を統合することで、利用者は入力した文章に基づいた画像を瞬時に作成することができる。提供は数カ月後を予定する」。

——画像などAIによる創作サービスが急浮上していることは、なんども言及してきた。記事が伝える提携は、撮影した写真のライセンスにより生計を立てるクリエイターにとり、AIによる創作サービスが敵対的でない融合への道を拓くものにもなりそうだ。

Web 3 ID Forum
「Web3 IDフォーラムは、すべての人のためのデジタルID所有権の追求を信じるテクノロジーと業界のリーダーによって支えられています。
私たちは、個人が自分のデジタル・アイデンティティを管理し、どの個人データを共有し、収益化し、非公開にし、どこにでも持ち出すかを決定できる未来を思い描いています」。

——先日も 川崎 裕一さんとも話したが、これから最も重要な業界の動きは、プラットフォーム・フリーなデジタルIDではないかということに。来月、米国では政府、議員らとWeb3勢が大規模なカンファレンスを開催する。

“News publishers expect revenues to more than double this year”: World Press Trends 2022-23 Preview | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
開催されたWAN-IFRA(世界新聞協会)会議で、2022〜23年の報道メディアをめぐるトレンドが公開。それによれば、21年に比し22年の報道メディアをめぐる経営環境(収益)は昨年比倍増と改善。だが23年の見通しとなると、半数以上(55%)のメディアが悲観的な見方をしている。また、広告と購読費以外の「収益多様化」の項では、22年にはイベントが突出した動きを見せた。
YouTube Ad Revenue Drops 1.9% in Q3, Alphabet Misses Wall Street Expectations
米超大手IT企業の第3四半期業績が開示されつつある。予想はされていたが広告市況が悪い。なかでも衝撃なのはYouTubeだ。2年ぶりの前年同期比純減の70億7000万ドル(1.9%減)となった。前年はコロナ禍反動による伸びもあったのだが。
米国で進む「TikTok」でのニュース視聴、29歳以下では4分の1まで増加と米調査 | DIAMOND SIGNAL
「米シンクタンク・ピュー研究所が実施した最新の調査では、米国の18歳以上の成人の10%が日常的にTikTokでニュースを見ていると答えた。
年代別に見ると18~29歳の若者では、4分の1以上の26%がTikTokをニュースの情報源として利用していると回答」。

——欧米では、TikTokに取り組む報道機関が増えっている。一応念のために言えば、それでも「TwitterやFacebookのユーザーと比較すると、サービス上でニュースを入手する確率がはるかに低い」のだが、この先はわからない。

今、最も話題の画像生成AIサービス 1位は?
「記事数では『Midjourney』がトップ、想定PVでもMidjourneyがトップ、記事ツイート数では『Stable Diffusion』がトップだった。両サービスが2強だが、そのほかにも国産の『mimic』もそれぞれ3位に入った」。

——サービス乱立気味でそろそろどのサービスを利用したら良いのか迷うような状況に。単純にサービス名を扱った記事を追ったものだが、参考になる。

The Remote Control Killers Behind Russia’s Cruise Missile Strikes on Ukraine - bellingcat
ロシアが巡航ミサイルを用いて、ウクライナの非軍事目標を攻撃している。OSINT活動を行うBellingcat、米Insider、独Spiegelらと協力し、このミサイル兵器の運用を行う「参謀本部主要計算センター」内のチームメンバーの将校らを特定し詳細を暴露。彼らにコンタクトまで試みた。
ウクライナ 戦時下の復興 キーウ近郊からの報告
本日の朝刊紙面でも、2ページ見開き(全段打ち抜き)で展開したビュジュアルリポート。
出色なのは、同時公開のWebでもその迫力をうまく活かしていること。OSINT渡邉教授がデータビジュアル面で協力とのこと。素晴らしい。
A large portion of the Americans who will pay for news are rich
米GallupとKnight基金による調査では、米成人の1/4がニュースに「対価」を払った経験を持つ(言い換えれば、3/4が払ったことがない)。さらに、年収15万ドル以上の層では、その5割近くが支払った経験があると分かった。“高収入”層が有料ニュースに親和的というわけだ。ニュース(報道)メディアにとり、良い話題か否か。
「ファンコミュニティ」をメディアビジネスに生かす ——「ポストCookie時代」のメディア③ - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。「ポストCookie時代」のメディアシリーズ第3弾です。読者コミュニティを生かす2つのオンラインメディアに聞きました。よろしければどうぞ。

Disruption This Week—–21/10/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月17日から2022年10月21日まで。

How publishers became addicted to the traffic hit from push alerts
モバイルアプリを運営するメディアは、プッシュ通知中毒(?)英Press Gazetteが、特定期間中(17日間)にメディアがユーザに送信したプッシュ通知集計。最も多く送信したのはWashington Post(147件)、次いでThe Telegraph(140件)、Reach傘下のMyLondon(125件)だった。
多数のプッシュ通知を送信すれば、その度にアクセス(トラフィック)を生むのは間違いないが、それがユーザ体験を蝕み、ついには“うるさい”アプリ離れに至ることも分かっていながら、の振る舞いだ。
アドビ、テキストベースで動画編集できる「Project Blink」発表--AIが感情まで認識
「Adobeが米国時間10月19日、人工知能(AI)を利用し、動画内の言葉や人、物体、さらには感情までも認識し、編集のスピードアップを図る動画編集技術『Project Blink』を発表した。このAI分析は、一言で言えば、動画編集に言語処理のインターフェースを与えるものだ」。

——次々にこの種のAIを用いた言語(テキスト)によるクリエイティブ作品の制作サービスが誕生する。本ケースは、厳密にいうとテキストを用いて動画を「編集」できるインターフェイスを提供するもの。記事が紹介する事例は、動画中で笑っている人物を見つけ出し、その動画部分に手を加えるなどができるというようなもの。そもそも長い動画があったとして、これに対してテキストである特定部分を見つけ出すようなことができれば、それだけでも大きな価値をもたらすだろう。

The Logic of a Microsoft-Netflix Deal Is Growing
【有料購読者向け記事】:
Netflixが広告表示付きの廉価版を投入したことが話題になっている。同社がその広告ビジネス立ち上げのために提携したのがMicrosoft。記事は、両社がゲーミング分野への意欲でも共通し、将来の両社の統合という“陰謀論”的筋書きを述べている。
有料購読者数は2年で5倍──Metaは撤退も、ニュースレターサービス「Substack」が成長し続ける理由 | DIAMOND SIGNAL
「マッケンジー氏によると、Substack上の有料購読者数は現在約150万人で、2年前の約30万人から5倍にも拡大。この2年間で、年間100万ドル(約1億4900万円)以上の収益をSubstackを通じて得るメディアの数は2つから10以上に増え、トップ10位のメディアの年間収益の合計額は2年前の800万ドル(約12億円)から2500万ドル(約37億円)規模にまで拡大したという」。

——ニューズレター“ブーム”が終熄? Substackの躍進を追って似たようなサービスを開始したTwitter、Facebookが次々と撤退するなか、Substackが事業を成長させていると評価する記事。国内での情勢などについても言及している。

Omneky uses AI to generate social media ads
OpenAIのDALLE-2やGPT-3を用いてクリエイティブを人工的に生成するアプローチ。実験段階から実用用途を探る段階に入ってきたようだ。スタートアップのOmnekyは、これをSNS掲出用の広告の自動生成を核に、広告出稿の全プロセスのSaaS化をめざすという。刺激的なアプローチだ。
An Interview With Meta CEO Mark Zuckerberg and Microsoft CEO Satya Nadella About Partnering in the Metaverse
本日のもう一つのインパクト。個人ブログ「Stratechery」のBen Thompson氏がMicrosoft CEOのSatya Nadella氏とMeta CEOのMark Zuckerberg氏の2人にインタビューをしている(両社はメタバースで提携)。過去にはNYTimesのCEOと本格的に取材を実現していることは紹介した。個人メディアの極北ともいえる。メディア界の秩序は、動いている。
Inside the Identity Crisis at the New York Times | Semafor
本日最大のインパクト。準備期間中からメディア界の関心を集めていた、2人のSmith氏のメディアプロジェクト「Semafor」がローンチ。巻頭はBen Smith氏の「New York Times、アイデンティティ危機の内幕」。Axiosフォーマットを意識したスタイルをめざしているようだ。
More Than 50% of Nonprofessional U.S. Creators Now Monetize Their Content, Adobe Study Finds
米Adobe社、クリエイターエコノミー関連調査の結果を発表。非プロフェッショナル(フルタイムでない)なクリエイターの50%以上が、自身のコンテンツで収入を得ており、その収益力が増していることがわかった。その比率は、ブラジル(59%)、米国(53%)、ドイツ(51%)、英国(51%)、韓国(51%)と続く。
19% of U.S. consumers subscribe to digital publications
【有料購読者向け記事】:
米国では、消費者の約4%という比較的少数だが非常に熱心な「パワー購読者」のグループが、デジタル出版物の購読者数の大部分を支えていると、National Research Groupらの調査でわかった。購読者の48%は、購読数が2〜5、21%は5つ以上だというのだ。
記事は、現在購読していない米国の消費者の73%を取り込むことができれば、 購読者を大幅に増やす余地があるとも指摘する。
Netflixの広告つき料金プランの開始で、ストリーミングの「終わりの始まり」がやってくる
「ネットフリックスの最高経営責任者(CEO)のリード・ヘイスティングスは22年7月、『今後5年から10年の間に旧来のテレビ(リニアTV)は終わる』と予測した。彼が言わなかったことは、ネットフリックスやほかの配信事業者がその代わりに現れるだけ、ということなのだ」。

——広告表示付きの廉価版(もしくは無料版)の映像配信サービスへの拡張(もしくは移行)が大手サービスで進んでいる。記事は、このもたらすものが映像コンテンツ自体の核心やオリジナル性が変化しなければ、従来の(リニア型)TVが姿を少々変えたものと変わらない、つまり50年以前にTVがもたらしたものと変化がないものになると述べる。

「シンセティック・メディア」の時代に報道は何ができるか——デジタル報道の最前線「ONA2022」現地レポート - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techに新着記事です。先ごろ米LAで開催されたONA22を取材したリポートです。メディアとテクノロジーがクロスするホットな領域を荻原和樹氏が解説しました。

Disruption This Week—–14/10/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月11日から2022年10月14日まで。

WSJスクープ | TikTok運営のバイトダンス、音楽配信事業を拡大へ
【有料購読者向け記事】:
「人気動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』を運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が、音楽配信サービスの世界展開に向けて音楽レーベル各社と交渉を開始した。スウェーデンのスポティファイ・テクノロジーなど業界大手としのぎを削ることになる」。

——ByteDance傘下にはもともと音楽配信サービス「Resso(レッソ)」があったわけだが、人気絶好調のTikTokとこれを組み合わせて、音楽配信分野でも事業拡大を狙うようだ。TikTokは先に、米国内で物流事業の準備を進めていることが報道されている。コマースと音楽、TikTokの事業拡張戦略が見えてきた。

Apple is quietly pushing a TV ad product with media agencies
【有料購読者向け記事】:
Netflixが広告表示付きの廉価サービスを11月3日からスタートすると発表したが、Apple TVもまた、秘密裡に広告付きバージョンを広告エージェンシーとともに検討中であるとDigidayが報道。検索広告に似たモデルで広告とのマッチングを検討中だという。
Meta’s VR social network Horizon is too buggy and employees are barely using it
Metaが力を入れるメタバース事業のフラグシップであるソフトウェア「Horizon Worlds」。だが深刻なバグを無数に抱え、同社スタッフでも利用を控える状況だと、社内文書を入手したThe Vergeが報道。メタバース担当VPのVishal Shah氏が書いたとするメモから。
「ロシア発の最大で最も複雑な工作」偽装メディアがフェイクを拡散する「ドッペルゲンガー」とは?
「シュピーゲルの公式のアドレスは『spiegel.de』だ。だが偽装サイトは、ページデザインやロゴはそのままコピーした上で、『spiegel.xxx』『spiegelr.xxxx』といった本物と間違えやすいものを使用していたという。
英シンクタンク『戦略対話研究所(ISD)』の調査では、EUでの配信が全面禁止されているロシア国営メディア『RT』が、アドレスを微妙に変更しながら、規制回避を繰り返している実態も明らかになっている」。

——平和博さんの論考。(上記引用箇所で「xxx」とした箇所は、Facebookがすでに偽アドレスとして投稿を禁止しているため記述を回避)
組織的、技術的に積み上げられた情報工作への対抗力(抵抗力)をどう構築するか。国家が主導するのか(当然な動きだが)、あるいは国家を超えた超権力たるプラットフォームが担うのか。はたまた、記事にあるようにNGO、NPOであるべきなのか。それが課題として浮上している。

Meta's Quest Pro is a powerful VR headset, but for whom?
20万円を大きく超えるメタバース用ヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表したMeta。記事は、CEOのMark Zuckerberg氏やCTOのAndrew Bosworth氏のコメントを弾きながら、このハイエンド商品の投入に当たって、同社幹部の間でも「この高価な新しいヘッドセットのターゲット市場が誰であるかについて、必ずしも同意されていない」と論評。
NYT のサブスク拡大、鍵を握るのはゲーミングプロダクト:「今後も我々のマーケティングミックスにおいて大きな役割を果たす」 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「ここ数週間、これは数字としてはっきりと現れているのだが、サブスクリプションをゲームのみにするのか、あるいは全エディトリアルコンテンツにするのか、2つの選択肢を提示すると、多くは後者を選んでくれる」。

——少し前に紹介したものだが、邦訳が出たので改めて。米New York Timesでゲーム製品が購読をけん引するパワーだとはよく知られているが、当然ながらニュース製品との相乗効果が求められる。その点で、同社が力を入れるのがサブスクのパッケージ(同梱)だ。これが有効に作用している記事。(実際の数字を示して述べているのでないことは要考慮)

Bloomberg Media Is Removing Its Open-Market Programmatic Ads
米Bloomberg Media、同社メディアでの広告表示に他社(サードパーティ)製プログラマティック広告、そしてTaboolaなどのレコメンデーション製品の利用を取り止めると発表。ユーザ体験の毀損を招いており、これら除去が長期的にプラスと、社内テストの結果で判断したとする。
How Tortoise podcasts became the most profitable part
「スローニュース」を謳い文句に2019年にスタートした英新興報道メディアのTortoise Media。購読者の要望が“聴くこと”にあることを発見。ポッドキャスト「Slow Newscast」を開設。12名の従業員を擁するオーディオ部門が年間黒字に転じたという話題。同社は現在5万人の有料購読者を持つ。
BeReal tops 53M installs, but only 9% open the app daily, estimates claim
“盛らない”SNSと話題の「BeReal」。Sensor Towe調べで全世界でのダウロードは5300万を突破、MAUは2022年1月から2254%も急増。だが、今年第3四半期のMAUで見ると、Androidのアクティブインストール者のわずか9%であるとしている。好奇心でインストールはしたものの…ということか。
Paywalls are closing off the internet. Crypto can fix that
ペイウォールの乱立は、Webの最も良質な特徴であるオープンアクセスを閉ざし、結果として良質なコンテンツに出会う機会を失わせる。記事はNFTとスマートコントラクトを使って出版社と連携する新たなマイクロペイメントの仕組み「Unlock」や「The Block」などの潮流を紹介する。
「サブスクはチームスポーツ」 克服すべき障害とは? Piano社ベンチマークレポート2022 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。サブスクをはじめとしたメディアの課金トレンドをめぐり、Piano Japan代表に世界および日本のメディアについて尋ねました。ご一読を。
スマートニュース メディア研究所、初となるメディアリテラシー教育の長期授業プログラムをクラーク記念国際高等学校と共同で実施
【ご紹介】:
私も参加しているスマートニュース メディア研究所が、広域通信制高校のクラーク記念国際高等学校と共同で長期授業プログラムを実施することを発表しました。