Disruption This Week—–5/4/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年4月1日から2019年4月5日まで。


 

「著作権法改正前の段階で、元著作物の利用方法として明文上認められていたのは『Web検索サービスにおける対象サイトのスニペット・サムネイルの提供』だけでしたが、今般の改正により『軽微利用』に該当すれば元著作物の利用が認められることになりました」。

--もちろん、「軽微利用」の限定があるものの、各種の革新的な検索サービスの法的な整合性が認められている。次は、軽微利用の境界線議論だろう。


 

サービスイン1週間、「Apple News+」は購読に値するか? 英語圏で始まったサービスをレビュー。Apple News Formatと(ほぼ)PDFの2種類のフォーマットが混在するUXを許せるなら、WSJやNew Yorkerの個別購読の足し算よりおだろうとする。個人的に“謎”だった、「マガジンスタンド」型サービスと「ニュースヒフィード」型のそれをどう統合するのか? に答えが見えた。
大手老舗メディアブランドAtlantic Media参加の米「National Journal」、5年かけて広告収入を徹底的に縮減。全面的に読者への課金収入(サブスクリプション)へと転換を進めている。

 

「ボウルズは、こうしたデザインがアプリのなかで“遊び”や“セレンディピティー”を促す役割を果たしている可能性を示唆している。このため、利用目的がはっきりしたアプリよりも楽しく使えるのだ。しかし、このようなアプリデザインは年齢層の高いユーザーを近づけないためのものだという説もある」。

——個人的に関心を持っていて、放置していたテーマをていねいに論じたもの。「ストーリー」フォーマットの誕生背景でもある。これをアプリ設計上のイノベーションだとすると、このような革新の再現が可能なのかどうか。


 

「テキストを自動作成するボット『トビ(Tobi)』は、スイスの大手メディア、タメディア(Tamedia)のために、2018年11月にスイスで行われた選挙結果に関する記事を4万本近く書いた──たった5分で。
…報道機関は、記事の作成から個人の関心に合わせたニュース配信、時にはデータ検索による重要記事の選別まで、トビのようなボットに頼るようになっている」。——AI執筆記事が調査報道にまで及ぶ可能性については、いささか…。データジャーナリズムやビジュアリゼーションの駆使によって新たに見えてくるものもあるだろう。マイニングのように、人間が意図しない“事実”を発見する可能性もあるが、その重要性を発見するのは、人間だろう。


 

「もはや紙に戻れなくなってもまだ定まらない。それはテクノロジーではなく、人間の活動と精神の基盤となるエコシステム(生活)の問題だからだ。ニュース・ビジネスは非常に精密なシステムだったから、エコシステム丸ごとの再構築は不可能に近い。ゼロからつくるほうが容易だ。しかし、既存のメディアは前者を選ぶ」。

——アナログメディアとデジタルメディア。とっくに海峡を越えたと思われた課題だが、その生態系が安定しない。旧くて新しい議論。

New York MagazineやThe Cutといった多彩なクオリティメディアを擁するNew York Mediaで「CPO」(Chief Product Officer)を務める人物へのインタビュー。読者層や性格の異なる各種メディアに対し、共通のペイウォール基盤を構築。“ダイナミックペイウォール”として運用する。その背景などを説明する。

 

「音楽市場の成長を牽引したのは、音楽ストリーミングで、売上高は前年比34%増加し、89億ドル(約9901億円)を達成。
音楽ストリーミングは全体の収益シェアでは46.9%まで拡大しており、2019年には50%を超えることが予想される。
サブスクリプション型音楽ストリーミングの売上は32.9%増加」。——ここ数年、目を見張る復活を見せる音楽市場、その中心はストリーミングであり、サブスクリプションサービス。私たちは、産業の破壊的創造の現場に立ち会っている。


 

Facebook、ユーザーが“なぜ私はこの投稿を目にしているのか”(why am I seeing this post?)タブを管理機能に追加と発表。日本語版ではまだ見あたらないが、アルゴリズムが、そのパーソナライズをどう実施しているかにつき透明性をもたらすことをめざす。

「今回の中国、九州地方での発売の遅れは、その一端が現実化してしまったことを告げている、しかもそれで問題解決とはならないのである。それから最も気になるのは、これがさらなる中国、九州地方での雑誌離れにつながり、dマガジンなどの電子雑誌への移行を促すのではないかということだ」。

——出版物に限らずだが、運輸運送の問題は社会問題化している。と同時に、“物流”で支えられた出版流通の姿は、21世紀に変わらざるを得ない。消費者自身も大胆な変化を前向きに受け入れていくべきではないか。電子流通にインセンティブを設けていくべき。

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Disruption This Week—–1/3/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年2月25日から2019年3月1日まで。

アメリカレコード協会(RIAA)、2018年の米国のレコード音楽産業収入を発表。サブスク型音楽ストリーミングが絶好調で、対前年比40%増とけん引、産業全体で98億ドルへと成長(前年比12%増)。この10年間でも最大となった。

2018年「日本の広告費」は6兆5300億円 インターネット広告の二桁成長続く | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

 

 

「2018年のマスコミ四媒体由来のデジタル広告費は582億円で、中でも出版社由来のデジタル広告費(雑誌デジタル)は337億円で二桁成長となった。出版社系デジタルメディアの成長、出版社のデジタルトランスフォーメーション、多様なコンテンツホルダーとしての大規模な事業開発により、新領域ビジネスの伸長が期待されている」。

——恒例の電通による日本の広告費、2018年版。試みとして興味深いのは、年々収縮が続く四マス関連広告費について、ネット広告分を示したこと。雑誌分野でネット広告の成長が見られる。

 

 

米国消費者による“コード・カッティング(CATV離れ)”を調査したCordcutting.comが、Netflix、Amazon、Huluの利用者の20%は、家族や友人のユーザー登録を借用していると発表。その“損害額”は、Netflixだけでも年間20億ドルを超えると算出。サブスク市場の課題とも言えそうだ。
「18年度の電子出版市場規模は2479億円で、前年比11.9%増。
それらの内訳は電子コミックが1965億円、前年比14.8%増で、その占有率は79.3%に及び、来年は確実に売上とシェアは2000億円、80%を超えるであろう。
それに対して、電子雑誌は193億円、前年比9.8%減で、200億円を割り、シェアは7.8%となった」。——それが喜ぶべきか悲しむべきかは別とすると、ブログ筆者が語るように、日本の電子出版市場はいよいよ「電子コミック市場」との色合いを深めている。ブロッキング問題が、そのまま出版産業の存亡論議へと短絡するのは、これが背景になってもいるのだろう。

 

 

米国のCenter for Media Engagementが実施した調査によると、ジャーナリズムが掲出した記事末に「記事はどう作られたか」という小型のコラムを設けて説明を添えるだけで、メディア、記事に対する読者の信頼などのエンゲージメントが改善されるという。

 

 

ゲーム体験に大きな転換期。Xbox LiveやPlayStation Plusの時代には、ディスク購入(所有)型ビジネスは縮小。ゲームにおけるサブスクリプション型ビジネスの時代について、EAのキーパーソンらが語る。

 

 

電子版事業で他社が羨む好業績を続けるNew York Times。CEOのMark Thompson氏への最新インタビュー。徹底したブランド(マーケティング)、女性読者を意識したスタッフ編成、そして、購読者獲得やエンゲージ強化の施策をピンポイントで次々と実施していることなどを語る。

 

 

ニュース記事、その品質的な価値を、AIによってスコア化できるか? 欧州のジャーナリストが立ち上げた「Deepnews.ai」という方法論とその開発の現状をリポート。ディープラーニングを用いた品質評価は、人間による評価と比較し「80%」程度の精度に到達したとする。
「デジタル中心に移行することが、新聞社の『働き方改革』に繋がっているように思います。
まず夜は随分早く仕事を終えるようになりました。深夜に締め切りがあると、どうしても『ギリギリまで頑張ろう』『最後まで会社にいないと……』という意識が働いてしまいます」。——読みどころが満載のインタビュー記事。デジタル化、購読ビジネスなどを志向するメディア担当者は参照すべき。

「ニュースレターは最先端のデジタルプロダクトとはいえないだろうが、デジタルメディア業界きっての成功事例の数々を支えた。例えばAXIOS(アクシオス)は、eメールのニュースレターをコアビジネスに据え、2400万ドル(約26.5億円)の売上と損益分岐の達成を発表」。

——Morning Brewのビジネスの中核は、ニューズレター(メルマガ)。開封率の高い良質なテーマごとの購読者をターゲットできる点で、広告と購読がオーバーラップする興味深い分野と言える。

 

 

ご紹介】:米メディア「Axios」のビジネスを論じるブログポスト、後編を書きました。よろしければどうぞ。➡Axios:購読者獲得、グロース戦略を語る[後]

Axios:購読者獲得、グロース戦略を語る[後]

広告と購読を支える価値の高い読者基盤をどう成長させるか?
SNS やニュースアグリゲータと協業を通じた購読者養成プロセスなど、
Axios 読者開発部門のリーダーが実例を語る

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Disruption This Week—–15/2/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年2月12日から15日まで。

[番外編]藤村厚夫 読者がメディアを購読する理由とは何か? 米大学の調査が発見した衝撃のパラドクス

読者がメディアを購読する理由とは何か? 米大学の調査が発見した衝撃のパラドクス

ページビュー至上主義は、「購読者」を離反させる
驚くべきは、多くの記事の精読を追求することさえ、離反を招く
衝撃的な研究結果から、メディアの採るべき選択を探る

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