Disruption This Week—–28/1/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月24日から2022年1月28日まで。

Interview: Nicholas Thompson, chief executive of the Atlantic
TV局で解雇、ギタリストとして世界を放浪、そしてトップレベルのシニアアスリートなど、数々のユニークな経歴(記事を参照)を持つ、米The AtlanticのCEO、Nicholas Thompson氏へのインタビュー。同氏はNew YorkerとWIREDで、編集者としてサブスクを成功させ、いまはCEOとして創刊165年の老舗メディアのデジタル購読に挑みつつある。2022年は、100万購読者をめざす。
ユーチューブ、クリエーター向けにNFT機能提供を検討
「米アルファベット傘下の動画投稿サイト、ユーチューブは、クリエーター向けにNFT(非代替性トークン)の機能を提供することを検討していると明らかにした。スーザン・ウォジスキ最高経営責任者(CEO)が25日、2022年の優先事項に関する書簡で述べた」。

——YouTubeのような場で、NFTをどう利用しようとしているのかについては、注目すべき。

Can CNN’s Hiring Spree Get People to Pay for Streaming News?
遅れに遅れてストリーミングによる有料映像配信サービスに挑戦する米CNN。3月から「CNN+」を開始するために大物キャスタら採用中だ。Fox NewsからベテランChris Wallace氏を引き抜いた。また、著名インスタグラマなども投入しエンタメも強化する。Foxに3年遅れでの参戦が功を奏するか?
TikTok Creators Air Grievance Over Fund Payouts
【有料購読者向け記事】:
TikTokを舞台にする人気クリエイターから、プラットフォームからの支払いが極端に少ないと不満の声があがっている。同社は、2020年にクリエイター誘致のための“10億ドル”ファンドを立ち上げたが、「払いはYouTubeに比べはした金だ」との声があがる。
Google kills off FLoC, replaces it with Topics – TechCrunch
Googleは開発中だった“ポスト・クッキー”ソリューションである「FLoC」を断念。代わって、ユーザが興味を持つ事項(トピックス)を記録し、そのトピックスを対象に広告を表示できるアプローチへの転換を発表。FLoCにはユーザプライバシーへの懸念が指摘されていた。
What Instagram’s Move Into Subscriptions Means for TikTok—and Patreon
【有料購読者向け記事】:
クリエイターエコノミーの視点から見ると、InstagramはYouTube追い上げに夢中だ。クリエイターのサブスク収入から1年は“税金”を徴収しないと決めた。YouTubeは30%、Patreonは5〜12%、Twitterは3%内のレベルで徴収しているとするThe Informationの記事。
【独自】TikTok運営会社が一般投稿装い動画宣伝…協力者に歩合制報酬、年500万円も : 社会 : ニュース
「『協力者』1人当たりの投稿が年間数千本に上り、報酬額が500万円を超えるケースもあったという。アプリ利用者を増やすのが目的で、宣伝であることを隠す『ステルスマーケティング』の可能性がある」。

——読売の今朝(2022/01/24)のトップ記事の一つ。記事にあるように(全文が読めるはず)、バイトダンス社は報道のような事実を認めており、「今回の施策は昨年12月で終了した。投稿に広告表記が必要だという認識がなかったが、利用者を誤認させる可能性があり、再発防止に努める」とする。

Why YouTube Sees Hollywood’s Future in the Creator Economy
【有料購読者向け記事】:
YouTubeはハリウッド映画の未来をクリエイターエコノミーに見る。米The Information論説。
先週、YouTube幹部は200万人のユーチューバ宛て書簡でYouTube Redを率いたオリジナル路線の幹部Susanne Danielsの退任を説明。同社の戦略転換をオープンにした。記事は、YouTubeがNetflix型のオリジナル大作主義を捨て、著名ユーチューバらの才能に頼ったクリエイティブ路線に舵を切ったこと。さらに、ハリウッドもクリエイター側へ歩みよっているという、業界の地殻変動の可能性を指摘する。
Is the Media Doomed?
「メディアは破滅か?」。米の政治メディアPoliticoがテーマを拡大、読みごたえある記事を取り揃える「Politico Magazine」から。記事は16人の思想家が15年後のメディアを語る。いずれも傾聴すべき論。例えば、メディアとテックの融合を悲観的に見るNicholas Carr氏は、15年前のiPhone誕生を潮流の原点と語る。
TikTokがTwitter、Instagramに続き有料サブスク導入を限定テスト、クリエイターの収益化の道を探る | TechCrunch Japan
「人気の短編ビデオアプリTikTokは、クリエイターが自身のコンテンツのサブスクリプションに課金するオプションを模索している。この機能は当面の間、限定的なテストの一環であり、広くは提供されない。TikTokは、この機能についての詳しい説明や、追加の詳細の提供は却下した」。

——Instagramがサブスク機能を取り込む準備をしているとの報道から間をおかずに、TikTokも。背景には“人気インスタグラマー”“人気ティックトッカー”が直接的に収入を得る方法を用意しないわけにはいかない、クリエイターエコノミーの潮流があると想像。

Web3はコンテンツの黄金時代か、それとも金ぴか時代か? - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。いま、テック界・メディア界でホットな視線を浴びる「Web3.0」について論じます。

Disruption This Week—–21/1/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月17日から2022年1月21日まで。

Instagram、クリエイター収益化機能「Subscription」のテストを開始
サブスクしたフォロワーの特典は、サブスク限定のコンテンツの視聴や、一般公開コンテンツのコメント欄で使える紫色のバッジ(コメントで目立てる)など」。

——“インフルエンサーマーケティング”には、良い意味でも悪い見でも熱心だったInstagram。しかし、“クリエイターエコノミー”の流れに乗り遅れてきたFacebookグループだったが、流れを引き寄せようという動きを見せてきた。日本で利用者が特に多いInstagramの動きで、その影響がどう出るか。

音楽業界にもAIの波--ヒット曲とスターを生み出せるか(前編)
「AIを使って楽曲を作った場合、著作権は誰に帰属するのだろうか。Silverstein氏(=作曲ソフトAmper Music創業者)によれば、それはアーティストのインプットの割合によるが、すべてAIで作られた楽曲については、プログラマーが著作権の所有者になるだろう、という」。

——AIによる作曲の波が台頭するということには、ある意味で驚きが少ない。しかし、引用箇所のように、それらAI生成による楽曲の“著作権”が作曲ツールのアルゴリズム開発者に帰属するとなると、これはざわつきそうだ。

グーグルとFacebook、違法な広告契約をCEOが自ら承認か
「この訴訟では、Alphabet傘下のGoogleが、オンラインアドエクスチェンジを運営する一方、『虚偽の、人を欺き誤解を招く方法』によって、顧客の利益を最優先していると偽ったとしていた。またFacebookについても、デジタル広告界で最大の競争相手の1社であるGoogleと違法に協力したと主張している」。

——こちらも、昨日、WSJの記事を通じて紹介したが、ケースによっては、AlphabetとMetaが談合した上での取引をするというようなことが、従業員の証言から明るみに。両社の広告市場支配は明らかだから、それが談合をすれば、確実に広告主や中小の広告事業者に対し打撃を与えうる。

NHK、24時間同時配信へ テレビ画面で見逃し配信も
「見逃し配信では、新たにNHK+の公式アプリをAndroidやFire OSを搭載したスマートテレビ向けに提供する。利用者は大画面テレビなどでNHKの過去番組をいつでも視聴できる。具体的な提供時期は公表していない」。

——じわじわとながら、ようやくここまで来た。民放などからはさまざまな不満があるだろうが、NHKの一有料視聴者としては、TV受像機に縛られない視聴が実現するのはメリットが高い。

フェイスブックを“解体”する流れは加速する? 反トラスト法訴訟で下された「画期的な判断」の意味
「FTCのリナ・カーン委員長をはじめとする法律家は近年、テック企業の独占が及ぼす害を別のかたちで検討するようになってきた。競争がなければ、企業はユーザーが好まないことでも自由におこなうことができ、製品を改善しなければならないというプレッシャーもあまり感じずに済むようになるからだ」。

——Facebook(現Meta)の解体に取り組むFTC。だが法理論的には、無料のサービスを提供する事業者を、経済的要素から問うことは難しいともされてきた。今回は、経済的側面以外の論点で独占禁止を問うリナ・カーン委員長らの研究がものを言いそうな雰囲気になってきた。

Crypto Enthusiasts Meet Their Match: Angry Gamers
著名オンラインゲームが雪崩をうってNFTを収益化しようとしているが、New York Timesは、広範なゲーマーらがこの動きに反発していることを詳しく取材。日本発ゲームも含めて有名どころゲームに対して「いつも『これでどうやって金儲けをするか』という話ばかりだ」と言う。
ネットの利用情報、総務省の法改正にIT企業が「懸念」表明…突然「延期」の舞台裏 : 科学・IT : ニュース
【有料購読者向け記事】:
「実は、『改正潰し』の動きは水面下では1か月ほど前から始まっていた。新経済連盟のほか、グーグルやフェイスブック、アマゾンなどが加盟する在日米国商工会議所(ACCJ=The American Chamber of Commerce in Japan)も各所に改正方針への批判を展開。一部の政治家は総務省の幹部を呼び、こうした業界の問題意識を伝えていた」。

——「『これが経済界のロビイングの力というものですよ』。ある省庁幹部は、検討会延期のお知らせ文を示しながら、自嘲気味にこう語った」と記事にはある。なかなか生々しい。

Time celebrates bumper year by doubling down on NFTs - Press Gazette
2018年、Salesforce創業者のMarc Benioff氏夫妻に買収され、分割され単体事業となったTIMEが絶好調に。CEO兼編集長Edward Felsenthal氏およびBenioff氏がそれぞれコメント。同誌は過去10年で最高売上へ成長。なかでも動画制作が寄与。また、NFT事業を本格化するとも述べる。
Netflixはいかにして、優れたデザインとUXをもって没入感のある体験を生み出しているのか? |SEO Japan by アイオイクス
「コンバージョンに最適化されたバリュー・プロポジションを作り上げている。彼らが提供するものを非常に具体的に説明しており、『見放題』という表現を裏付ける関連画像を背景とし、バリュー・プロポジションを後押しする『いつでもキャンセルOK』という要素も備えている」。

——会員登録からオンボーディング(登録後の最初のオリエンテーション)の流れに、同社のバリュープロポジション(顧客への価値提案)が息づいているという解説。実際、“簡単”“すぐに楽しめる”と謳いながら、操作の手順がそうなっていないケースがあることは体験済みだ。この言行一致はとても重要。

Amazon and DraftKings were among suitors keen on The Athletic before sale to The New York Times
New York TimesによるThe Athletic買収については何度か紹介してきた。この記事は、その取引締結にいたるまでに起きた動きをインサイダーのコメントなどで明らかにするもの。買い手には、スポーツ賭博のDraftKingsやプライムに力を入れるAmazonの名前もあったという。

Disruption This Week—–14/1/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年1月1日から2022年1月14日まで。

NFTでニュースを売る、ブームの背後にある教訓とは?
「『シビル』はAPのほかにも、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルを発行するダウ・ジョーンズなどの大手メディアに次々と提携を持ちかけたが、いずれも実現しなかったという」。

——平和博氏の論説。今般のメディア×NFTブームが、2016年同時にブームになったブロックチェーンを基盤としてメディアを運営、さらに資金調達(ICO)を図るというブームに類似すると論評。その際にも、各社が発行するトークンが、事業の実態と無関係に、高騰するという欲望の力学を前提にしていた。これに頼ったモデルなら、今度も潰えるだろう。

米ワシントンを拠点として、1,000万ドルを調達したメディアスタートアップ「Grid」が誕生した。Buzzfeed、Politico、CNN、ABC出身者ら50名を集め、「裕福でエリートな専門家」をターゲットに、分析や調査法道を提供するという。ここでも高学歴・富裕層向けメディア企画だ。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2022

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2022
恒例のReuters Instituteらによる「Digital News Project」が公開。「Journalism, media, and technology trends and predictions 2022」とのタイトルで広範で詳細な報告書に。ニュース退潮の現況を念頭に「ニュースから遠ざかっている人々を再び引きつけること、そして、より多くのニュース消費者とより深い関係を築く」を主題に置くものになっている。
Over 80 fact-checking organizations sign letter urging YouTube to address misinformation on its platform - Poynter
世界60か国、80超のファクトチェック団体が、YouTubeは“悪しき意図による他人を操作、組織、資金獲得のための行為”に利用されることを許していると、YouTube CEO宛ての公開書簡を提出。なすべき対策も提起。YouTube側は、Google(News Initiative)からファクトチェック団体らに対してすでに多額の資金援助とコメント(笑)
The Associated Press is starting its own NFT marketplace for photojournalism
AP通信社、写真家が作品をNFT化して販売できる市場の設立(今月末に第1陣をリリース)をアナウンス。NFTには、写真がいつ、どこで、どのように撮影されたかを示すオリジナルのメタデータが含まれるとしている。Gettyなどから同種プロジェクトが乱立しそうではある。
クリエイターの収益化を支援するPatreon、「2022年に規模倍増」と同社CPOは語る | TechCrunch Japan
「Patreonにとってもう1つの大きな問いは、同社が暗号資産技術をプラットフォームに持ち込むかどうかである。2021年の秋、ガットマン氏は創業者でCEOのJackConte(ジャック・コンテ)氏とともに、クリエイターたちが収益を上げる方法としてPatreonが暗号資産を検討していることを明らかにした」。

——前段で、同社チーフプロダクトオフィサーであるJulian Gutman(ジュリアン・ガットマン)氏が、同社の収益化手法の各種拡張や改善を行っていることを述べている。同社はこの1、2年で誕生したクリエイターエコノミー企業とはその歴史が違う。その会社もまた、「暗号資産」(NFT?)を検討しているという。

The New York Times needs subscribers. The Athletic doesn’t make money. Now they’ve both got a deal.
米VoxのPeter Kafka氏が、New York TimesによるThe Athletic買収の意味を解説。両者にとってのプラスはすでに私も紹介してきたが、同氏が指摘するポイントは「もしNYTがオーガニックな成長にもっと自信を持っていたら、Athleticに購読者1人あたり約500ドルも払わなかったかもしれない」ということだ。
「Web3」は本物か 巨大ITの支配脱却へ期待先行
【有料購読者向け記事】:
「要はコンテンツ産業におけるクリエーターへの収益分配を従来よりも適正に厚くする変革を起こす可能性をNFTは秘めている。そうなれば、Web3技術は実体経済社会の一部であるコンテンツ産業の変革の基盤になったということができるだろう」。

——日経新聞の論説だが、よくまとまったもので、ちょっと感心。網羅的な論だが、自分には、引用箇所のようなメディア(コンテンツ)分野への応用が最も興味深い。そのためにも、クリエイターが依拠できる仕組みが広がらなければならない。そこに巨大な資本力がものを言うでは、「2」の世界と異ならないことに。

昨年も180万部減、全然止まらぬ「新聞」衰退の末路 | メディア業界
「日本新聞協会の2021年10月のデータを全国12の地区別でみると、対前年比の減少率は大阪(8.0%減)、東京(7.3%減)、近畿(6.5%減)の順に大きい。新聞メディアの崩壊はもう避けられないが、日本の場合、ニュース砂漠の影響は大都市圏から現れる――いや、実際にすでに現れているのかもしれない」。

——結語の部分からの引用で申し訳ないが、新聞発行状況や、それが何をもたらすかという点で米国での現状に比して、引用箇所のような重要な指摘を引き出した論。そもそも日本でローカルな情報源が自律し得るか否かという議論とは別に、都市部から崩壊している現状をどう見るべきか。

NYT To Buy The Athletic for $550 Million
【有料購読者向け記事】:
米The Informationが、独占スクープとして、New York Timesがスポーツ専門メディアのThe Athleticを現金5億5,000万ドルで買収すると報道。InformationはかつてAthleticが7億5,000万ドルの評価を望んで交渉と報道していた。すでに、紹介しているように、Athleticは購読者120万人を擁しており、1,000万購読者をめざし760万まできているNYTにとっては重要(かつ、お得?)な取引となる。
WSJスクープ | ブルームバーグ・メディアCEOが辞任の意向、新メディア会社設立へ
【有料購読者向け記事】:
「ジャスティン・スミス氏は電子メールで4日、『ニュース業界は、ソーシャルメディアのゆがんだ影響や社会的な分断および偏狭さの高まりにより、消費者からの信頼や信用をめぐる危機に直面している』とした上で、『世界の視聴者に偏りのないジャーナリズムを届け、世界最高のジャーナリストに高品質のプラットホームを提供するプレミアムニュース事業を始める予定だ』と語った」。

——昨日紹介した話題。機能はNYTの初報を紹介したので、WSJからも。

2022年 、 ファーストパーティデータ がより重要になる:パブリッシャーの広告受注戦略 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「デジタルトレンズ・メディアグループ(Digital Trends Media Group:以下DTMG)は2020年、ファーストパーティデータの活用について広告主と話を進めていた時点で、データ追加が可能な、ハッシュ化されたeメールアドレスを約500万保有していた。メールアドレス数は2021年に入って5500万を超え、結果として広告主が推進するデータ関連プロジェクトへの参加が容易になったと、DTMGの戦略/データ/パートナーシップ部門でシニアバイスプレジデントをつとめるジョナソン・シェヴィッツ氏はいう」。

——メディア各社は自社サイトの読者データ(ファーストパーティデータ)を、たとえばメールアドレスなどの形で積み上げているが、これを従来の大規模なサードパーティクッキーに代わるターゲティング基盤としてどう活用できるか、そのソリューションを持つ事業者との連携が22年の業界をめぐる潜在的に大きな動きになる。

課題解決の精度高まる データから社会を読む(写真=AP)
【有料購読者向け記事】:
「反ワクチン派の返信(リプライ)を使った『口撃』行動を調べたところ、反ワクチン派はニュースメディアに対して最もアクティブに、かつ、最も毒性が高い言語的内容を返信していたことが定量的に明らかになった。これらはソーシャルデータから社会的相互作用の全体像を可視化・測定することで初めて明確化され、反ワクチン派の口撃を封じるプラットフォームレベルの対策を講じるためのヒントとなる」。

——ソーシャルメディア(ここではTwitter)から、全量を大賞として分析した笹原和俊氏の研究。投稿内容の分析からは、「反ワクチン派、ワクチン賛成派、政治的な左派と右派、そしてニュースメディアの5つのコミュニティーが存在する」と分かった。メディアに対して激烈に反応しているケースが顕在化されたのは、改めてメディアに関わる人間が深く考えるべきポイントだ。

【コラム】クリエイターエコノミーとクリエイターテックが実現する大きなビジネス | TechCrunch Japan
「クリエイターテックは、クリエイターのパトロネージュ(支援者)としての役割を受け入れ、革新し続けなければならない。すでに特定のクリエイターのニーズに対応して、場合によってはブランドとクリエイターを結びつけて収益性の高いパートナーシップを実現する、競争の激しいパトロンサービスの市場を作り出そうとしているクリエイターテックも存在する」。

——現在は、本格的な“クリエイターエコノミー”の時代への過渡期にあると見ている。そこにはすでに、「支援者」と自称する勢力が存在するが、いずれ、上前をはねるだけのビジネスか、本当の支援者なのか、弁別されていくことになる。

「情報的健康」目指す仕組みを データから社会を読む (写真=ロイター)
【有料購読者向け記事】:
「人間の思考にはシステム1、システム2という2つのシステムが存在する。システム1は暗黙的システムとも呼ばれ、無意識かつ自動的に判断を行うシステムを指す。システム1が動いているときは、直感的な好き嫌いで情報を判断するなど、非合理的な判断を動物的に行うことがある」。

——鳥海教授のオピニオン。「情報的健康(インフォメーション・ヘルス)」を目指すデジタルダイエット」という提言、さらに、「情報に偏りがないかを評価する人間ドックのようなシステムの導入」というビジョンに言及する。

クラウド社会の盲点 個人が自衛策考える必要も(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙への寄稿が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ クラウド社会の盲点 個人が自衛策考える必要も|

Disruption This Week—–31/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月27日から2021年12月31日まで。

「新しいコンタクトポイントを増やすことを目指す」:神戸新聞社 大町 聡 氏 | DIGIDAY[日本版]
「私たちがいま取り組んでいる新しい取り組みは21年に始めたVoicy(ボイシー)で記者が音声ニュースを紹介する『めっちゃ兵庫』、ニューズメールの『ええやん兵庫』、noteでのウェブマガジン『うっとこ兵庫』の3つのデジタルサービスです」。

——いずれのサービスも決して先駆者としてではないが、可能性がありそうなことには何でも挑戦する、というスタイルが魅力的。

Can Matt Mullenweg save the internet?

Protocol — The people, power and politics of tech

Can Matt Mullenweg save the internet?
WordPressをはじめ、Parse.ly、Pocket Cast、Tumblrなど、オープンWeb上で稼働するソフトウェア群を手中に収めるAutomattic社。CEOのMatt Mullenweg氏にインタビューした興味深い記事。同氏はSNSなどに対して、「オープンが勝つ。それもいつも」と述べる。
The Information’s 2022 Predictions
【有料購読者向け記事】:
米The Informationの記者ら、来年のテック、メディア業界で起きること20を予測。興味深いのは、AWSがAmazonから分社化するだろうということ。大手テック企業を縛る法制が厳しくなっていることからだ。また、YouTubeがNFT市場を開設することなどだ。
Facebookからアルゴリズムを排除したら、“世界”はどう見えてくる? 投稿を「最新順」の時系列表示に変えてわかったこと
「『わたし自身は(Facebookの投稿を)逆時系列順に並べていく、つまり最新の投稿から順に表示してスパム広告の表示を少し下位に下げる方式を強く支持します』と、(Facebookの内部告発者である)ホーゲンは米上院小委員会で10月に語っている。『わたしたちに必要なものは、人間の尺度で人が対話できるソフトウェアです。誰の発信を目にするのかをコンピューターが決めるソフトウェアではありません』」。

——私自身は、アルゴリズム(フィルタとも呼べる)が関与しない情報群にナマにさらされることは、求める情報に出会うことに膨大なコストがかかると考える。何らかの整理抜きで接するには情報量はあまりに膨大だからだ。そこで、議論すべきはアルゴリズムの働きについて、どう利用者が理解できるようにするかだろう。簡単でない課題がそこにはあるのだが。

【ゼロから分かる】世界はなぜ「Web 3.0」に熱狂するのか
【有料購読者向け記事】:
「この記事では、Web3.0をめぐる技術的な仕組みなどは、ひとまず脇に置いておきます。
それよりもWeb3.0の世界の面白さを知ってもらうため、多くのユーザーたちの注目を集めている、急成長しているプロジェクトを紹介したいと思います」。

——技術的側面はさておいて、“Web3”をめぐるハイプを5つの柱から解説するよくまとまった概論。

Most-popular news apps 2021: Exclusive ranking of most-downloaded
英国および米国で最もダウンロードされたニュースアプリ。Sensor TowerのデータをPress Gazetteが分析。ブラウザで著名な「Opera」がリリースしたアプリOpera Newsが目をひく。米国ではSmartNewsも。

損失、年1000億円超か

日本経済新聞

損失、年1000億円超か
【有料購読者向け記事】:
「米インテグラル・アド・サイエンス(IAS)によると、2021年1~6月に日本の静止画広告の2.3~2.6%が(広告詐欺の)被害に遭った。調査した主要20カ国で最悪水準だ」。

——複雑化しすぎて、どこでどのようなカネの詐取が行われているのか判明しない、というアドテク分野。読者は不快な広告を求めないのに見せられ、まともな広告主はその不快な広告と同一視され、かつ、意図せず不快な広告を表示するメディアの評判は落ちるという、“三方悪し”の状態がいまだに生じている。

Exclusive poll: Americans want government action on tech
米Axiosとイリノイ工科大学が組み、ITおよびIT企業をめぐって世論調査。その結果、1500人の調査回答者の過半数が、人工知能、アルゴリズム、オンラインプライバシー、IT企業の巨大化、スマートフォンへの依存度について懸念を示した。回答者の約8割が自分がオンライン広告のターゲティングにされていると感じ、政府の対策を要望している。
「我々は古いリターゲティングから、はるかに前進してる」:英パブリッシャーのリーチ、T・ホーンズビー氏 | DIGIDAY[日本版]
「たとえば、引っ越しに関するコンテンツを読んでいる人を、『家具プラス』セグメントに入れる。行動パターンとして、新しいソファを購入するサイトにアクセスする可能性が高いからだとホーンズビー氏は述べる。マンティスは1日に12万5000のデータポイントを収集する」。

——ユーザをファーストデータとして同定できるようになると(たとえば、メールアドレスを取得するなど)、読んでいる記事というコンテクストから、クラスタ化した消費者像を獲得できるというわけだ。やはり「200を超える英国の出版物やウェブサイトを所有している」メディア企業だから効果的にアプローチできることなのだろうか。

‘Podcast Movies’? Feature-length Fiction Stretches the Medium
New York Timesが「ポッドキャスト・ムービー」という矛盾を含んだ語義を使って新たなコンテンツトレンドを紹介。ハリウッドの製作会社Cadence13が著名俳優らを複数起用した本格的な音声番組を数作リリース。人気俳優の声や背景音などを駆使したプレミアム版ポッドキャストと言えるが、AppleやSpotifyが有料オプションを用意したの機に具現化したものと解説する。

Disruption This Week—–17/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月13日から2021年12月17日まで。

群雄割拠の音楽ストリーミング、空席はもうない
「そこで、今後の展開を予想する意味でも、各サービスの沿革を調べてみた。なお以降に示す事業スタート年は、国内だけのサービスを除き、現地でのスタート年である。日本参入時期ではないので、ご注意願いたい」。

——小寺信良氏が楽曲ストリーミングサービスの栄枯盛衰を単年に整理した労作記事。文末には資料性の高いビジュアルにまとめられている。本文でも指摘されているが2015年を機に、サービス大手による業界寡占化が進んで、群雄割拠の終焉に向かう。

Exclusive: TikTok tackles filter bubbles
TikTokが、ユーザに繰り返し似たタイプのビデオ投稿を表示しないようにするアルゴリズムをテストしていると、米Axiosがスクープ。同種投稿の繰り返し視聴が広義のフィルタバブルを招来し、ユーザに悪影響を与えるとの指摘が増えていることへの対策という面がありそうだ。
Why Google News Showcase US launch could be delayed (again)
Googleが有力な報道メディアに対し、金銭および購読支援を行うGoogle News Showcaseが、日・英・豪・加などで始まっている。しかし、お膝元である米有力ローカルメディアとの交渉が進まない。Press Gazetteがメディア側を各社を取材し、その理由をリポートした記事。理由は大きく5つ挙げられており、メディアが求めている対価との乖離、契約条項への懸念、契約スタイルが「不快」、そして、近い将来、メディア側に有利に法制の変更が期待されているなどだ。
By dropping its paywall for a day, the FT lost out on subscriptions but found new, engaged audience
厳格なペイウォールで知られる英Financial Times、気候変動サミット開催期間にキャンペーン。約2日間、無償でコンテンツを開放、インパクトを測定。通常時に比し匿名読者は28%増、気候関連記事は7倍読まれ、無料購読者の獲得は2倍増。だが、有料購読者は12%減となった。
Instagram surpasses 2 billion monthly users while powering through a year of turmoil
Instagram、20億MAUを突破。2018年に親会社であるFacebookがInstaの10億MAU突破を公表して以来のユーザ数公開。その成長スピードは驚異的だが、同サービスのライバルであるTikTokの市場席巻ぶりを考えれば、安泰とはとうてい言えないだろう。
米Group Nine Media買収による合併を発表したVox MediaのCEO、Jim Bankoff氏にAxiosがインタビュー。「メディア業界で最も急成長する企業」の実現と同氏は述べる。Group Nineは広告に強みを持ち、Voxはコンテンツライセンスに強みを持つ組み合わに妙味があると記事は指摘。
New York Times Reconsiders Buying The Athletic
今年6月には、New York TimesによるThe Athleticの買収交渉は頓挫したと伝えられた。しかし、この交渉が復活継続していると、米スポーツビジネス専門メディア「Front Office Sports」が報道。Athleticは購読者120万人を擁し、1,000万購読者をめざし760万まで到達しているNYTにとっては重要な取引となる可能性がある。
一方のAthleticは、開設6年でまだ黒字を出さず強気の成長路線を敷いてきているが、さすがに事業再編など苦しんでいるところだ。
The Guardian has more than 1 million recurring digital supporters
英メディア「The Guardian」、電子版に対する継続的な購読者が100万人に到達と、米Axiosがスクープ。Guardianはペイウォール不採用(ニュースへのアクセスの平等を保証するため)だが、3年前から寄付的な支払いを求めてきた。100万人には1回限りの寄付者は含まれないという。
“Everything clicks for a different reason”: Why journalism analytics are so hard to interpret
ジャーナリストは、伝統的にデータ分析に頼ることを嫌い、自身のジャーナリストとしての直観を重視する。一方、『マネーボール』以降、ビッグデータ分析がビジネスを変えることが明らかになるにつれ、両者の関係は緊張感のあるものとなった。「ジャーナリズム」と「ビジネス」の違いは、後者では解や成功は一意に決められるが、前者では、その解は多様であるべきだからだ。
情報の価値、良質性をめぐる重要な論点。
36億の記事を分析した結果、エバーグリーン・コンテンツについてわかったこと |SEO Japan by アイオイクス
「・ハウツー記事とリスト記事がエバーグリーン・コンテンツになる可能性が高い
・ポッドキャストのエピソードがエバーグリーン・コンテンツにることは極めて稀である
・Twitterのシェア数とエバーグリーンスコアに相関関係は見られない
・タイトルに現在の年号が含まれている記事は、エバーグリーン・コンテンツになる可能性が高い
・エバーグリーン・コンテンツの割合が高いコンテンツのタイプは、『ベストオブ』リスト、レポート、調査……」

——「エバーグリーン・コンテンツ」とは、文字通り、陳腐化せずに長く人気をを獲得してくれるコンテンツを指す。さまざまな分析結果が示されている。記事作りの参考になるケースがあるので、一読されるのがいい。