Disruption This Week—–10/1/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年1月6日から2025年1月10日まで。

Google's Daily Listen AI feature generates a podcast based on your Discover feed | TechCrunch
Google、Discover(ユーザー向けに最適化されたコンテンツ配信システム)コンテンツを、5分程度に要約した音声コンテンツ「Daily Listen」をテスト中。AndroidおよびiOSアプリとして、利用登録した一部ユーザーに配信をしているという。興味深い動きだ。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2025

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2025
毎年初に発表されるReuters Institute(ロイター・ジャーナリズム研究所)の「ジャーナリズム、メディア、テクノロジーのトレンドと予測」2025年版が公開。
51か国と地域65人の編集長、63人のCEO、または経営責任者を含む326人のデジタルリーダーのサンプルを対象に調査を実施。情報は多岐にわたるので、今後、何回かに分けて紹介していこう。
「ミラーフェイス」によるサイバー攻撃、中国の関与が疑われる-警察庁
「2019年ごろから国内の組織や事業者などを対象に行われたサイバー攻撃を巡り、警察庁などが8日、『MirrorFace』(ミラーフェイス)と呼ばれるグループが実行し、中国の関与が疑われる組織的な活動であると発表した」。

——言い換えれば、中国から3年もの間、ハッキングされっぱなしだったということ。記事には警察庁からの詳細な発表文がリンクされている。

Thousands of documentaries are fueling AI models built by Apple, Meta, and Nvidia
「何千本ものドキュメンタリー映像作品が、Apple、Meta、Nvidiaらが構築するLLMなどAIモデルの学習データとして用いられている」。ドキュメンタリー映像作品にお広く使われる字幕情報を抽出してAI学習に利用されていると、米The Atlanticが調査結果を11月に公表していたことを解説する記事。
メタ、第三者のファクトチェックを米国で廃止-検閲「行き過ぎ」
「フェイスブックやインスタグラムなどを傘下に持つ米メタ・プラットフォームズは、同社が米国で運営するソーシャルメディア上では第三者によるファクトチェックを終了すると明らかにした。今後はユーザーが投稿の正確性についてコメントできるコミュニティーノート方式に切り替え、表現の自由を促進するとしている」。

——米Trump大統領政権への最適化をめざすMeta。すでに紹介したように政策担当を、共和党寄りの人物へと切り替え、さっそくその姿勢を、ファクトチェック分野の方針で示した。今後は、投稿をめぐる意思決定のためのボードメンバーの変更にも手をつけるだろう。

日本語LLMの「実力」は? AI Model Score
【有料購読者向け記事】:
日本語対応LLMをベンチマーク。総合力評価では、1位 OpenAI o1およびpreview、2位Claude 3.5 Sonnet、3位Gemini 2.0 Flashというところ。NIKKEI Digital Governanceの購読者向けサービス。
Google sends funds to journalism collective in exchange for Online News Act exemption
Googleは、カナダで施行されたオンライン・ニュース法の免除と引き換えにカナダの報道機関に支払うことに合意。1億ドルを、その資金を分配するために設立されたジャーナリズム団体へ送金。これにより法の強制課金を5年間免れることができる。
Advertisers Keep Avoiding News Sites, and Publishers Have Had Enough of It
【有料購読者向け記事】:
プログラマティックな広告掲出システムに染まった広告業界。広告主(ブランド)側はキーワード指定の掲出禁止を多様しており、結果、一流メディアでも掲出が自動的に拒否される流れに、Washington Postでは4割の記事が禁止対象だとの証言が紹介されている記事。
日経グループ2025年の主な事業 - 日本経済新聞
「今春以降、日経電子版の有料会員向けに主要なニュース記事で提供します。対象記事に関連して『ニュースの背景には何が?』『今後の影響について教えてください』といった読者が知りたくなる質問を、生成AIが記事下の部分にあらかじめ用意します」。

——単に質問されそうなテーマを用意するだけでなく、「に追加で聞きたいことについてご自身で質問内容を入力して尋ねることもできます」ということだ。AIを積極的に利用して、より“情報(提供)サービス”化の姿勢を強めるのは、新聞に求められる発展の方向性のひとつだろう。

年頭のご挨拶:2025年のPublickeyも、読者が安心して記事を読めるように適切な広告だけを掲載します
「2025年の最初の記事として、Publickeyは今年もこの広告掲載の方針を変えることなく、不快な画像の広告や誤クリックを誘うような邪魔な広告、さらには詐欺サイトへ誘導するような広告などが掲載されないように運営していくことをご報告させていただきます」。

——明けましておめでとうございます。本日から、投稿を再開します。
まず最初に紹介するのが、Publickeyの広告掲載ポリシー。
メディアには、「コンテンツを見れば(読めば)、その質はわかるはず」とするだけではなく、その姿勢や取り組みを明文化して、信頼を得る努力が求められる。そうすることで高い評価を印象づけられる。

Disruption This Week—–13/12/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年12月9日から2024年12月13日まで。

New dimensions for news storytelling
AI時代の情報へのインターフェイスを研究するGoogle LabsのKawandeep Virdee氏、彼が考えるLLMが貢献できる新たなアイデアを紹介。同じ記事を読者が自由にその長さを調整して読める「Zoom Summaries」や記事の情報をツリー化して読める「Summaries Tree」など興味深い。
ElevenLabs' AI voice generation 'very likely' used in a Russian influence operation | TechCrunch
米セキュリティ調査企業Recorded Future、最新の報告書で、ジェネレーティブAIによる音声合成サービスを手がけるElevenLabsの技術が、ロシアの影響力工作に用いられていると報告。一連の工作は欧米によるウクライナ支援の無意味さを印象づける目的で、同社サービスを用いている。面白いことに、ElevenLabs自身が提供する悪用検証ツールで確認された。

News websites hit an evolutionary dead end
進化の終わりに直面するニュース(Web)サイト。米Nieman Lab恒例の「2025年のジャーナリズム予測」企画がスタート。多くのメディア関係者がオピニオンを寄せる。本論は、Webページの現在のダメダメぶりを列挙。論者は新聞のPDF版をWhatsAppで配布する試みをアフリカで実施している。
Top 'Washington Post' editor kills article on deputy's departure
大統領選での支持表明を、オーナーの一声で取り消した米Washington Post。その同紙が依然として揉めている。今度は、抗議の意思もあったのだろう編集長Matea Gold氏退任の報を、現編集長代行が差し止めたことでさらに揉めている。理由は、「新聞は自身をカバーしない」だ。
極右台頭のルーマニア大統領選、フェイスブック上で組織的宣伝か
「フェイスブックの親会社、米メタ・プラットフォームズが、ルーマニア大統領選を巡り親欧州連合(EU)の野党党首ラスコーニ候補を攻撃する3600件余りの政治広告のフェイスブック投稿を許可し、カリン・ジョルジェスク候補ら極右の宣伝に寄与していたことが調査で示された」。

——異常なまでのTikTokの活用で、無名の存在が大統領候補の筆頭に、ということで話題になった人物。当然のことながらTIkTok一本でということはなく、いわゆるSNSの総合的な活用という構図が徐々に明らかになっている。もちろん、これが違法なのかどうかだが。

NVIDIA協力のバーチャルヒューマン「AI imma」とは何者か。日本語で会話を体験
「人がマイクを通じてAI immaに話しかけると、自動音声認識(ASR)システムを用いて音声をテキストに変換。そしてそのテキストに基づき、大規模言語モデル(LLM)で回答を生成する仕組みになっている。
日本語のテキストに対してはOpenAIの『GPT-4o』、英語のテキストに対してはグーグルの「Gemma」を使用している」。

——アイデアとしてはそう新しいものではないが、なかなかのできであるバーチャルヒューマンのアイドルが、AIによる双方向コミュニケーションを果たす。興味をひくのは、引用したように複数のAIサービスを繋ぎ込んで運用していること。AI応用の商業サービスにはこのようなアプローチが一般化していくのだろう。

アルゴリズム主導の広告が成長
「レポートの冒頭には『The dawn of the algorithmic era for media』という見出しがあり、ブロードキャスト時代(broadcast era)、プレシジョン時代(precision era)を経て、アルゴリズム時代(algorithmic era)が到来しているとしている」。

——「いまさら」という思い、同時に、コロナ禍後の広告市場の改めての成長動因を考えさせられる。

スタバやマクドナルドが独自の動画プラットフォームを持つ時代になる? | ネットフリックスやアマプラなどの動画配信の勢力図が変わる
「マクドナルド、スターバックスに次ぐ全米3位の外食チェーン『チックフレイ』が独自の動画配信プラットフォームを開始するのではないかと米メディア『CNBC』など各メディアが報じていた。主要な制作会社やスタジオと提携し、アニメ、リアリティショー、ゲームショーなどを制作しており、1エピソードにつき約40万ドル(約6000万円)の予算を費やしているという」。

——ブランド価値の増大という意味だけでも、一定の効果はあるだろう。問題は投資対コストだ。OTT時代に入って、その投資対コストの基本構造は、少なくとも配信自体のコストでは見合いやすくなっている。

「Xのアルゴリズム」は数日であなたの政治的意見を変えられる――米スタンフォード大が1000人以上で検証
「実験では、Xのユーザー1256人の協力を得て10日間実施。ブラウザ拡張機能を使用してフィードをリアルタイムでコントロールし、敵意コンテンツ投稿への接触を意図的に増減させた。
参加者は2つの実験群に分けられ、一方は敵意コンテンツへの接触を減らし(727人)、もう一方は増やす(529人)設定にした。実験の最初の3日間は通常のフィードを見せ、その後の7日間で介入を行った」。

——掲載論文に付された概要が分かりやすい。「アルゴリズムによってキュレーションされたフィードにおいて、参加者が(反民主的態度や党派的反感を表現する)AAPAに触れる機会を増減させた。 その結果、AAPAへの露出を減らすと肯定的な当事者感情が高まり、AAPAへの露出を増やすと否定的な当事者感情が高まることが観察された」ということ。「AAPA」を識別するLLMがあれば、これで利用者の政治的なスタンスを相当程度に左右できるというわけだ。

L.A. Times Owner Plans ‘Bias Meter’ Next to Coverage
【有料購読者向け記事】:
米国の富豪、Patrick Soon-Shiong氏、同氏が保有するL.A. Timesの記事に「バイアスメーター」を表示させると、インタビューで述べた。記事執筆者の“確証バイアス”の度合いをなんらかの手法で 計測し表示。記事偏向の可能性を伝えるというもの。
これはメディアのオーナーが、自らが保有するメディアの偏向の可能性を指摘するという動機に基づくもので、いささか不思議な動きだ。

Disruption This Week—–29/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年11月25日から2024年11月29日まで。

オーストラリア、16歳未満のSNS利用を禁止-新法が成立へ
「禁止措置の施行はハイテク企業自らが担当する仕組みで、対応を怠った場合は最大5000万豪ドル(約49億2300万円)の罰金が科せられる可能性がある。新法では、ユーザーの年齢をどのように確認するのかについては定められていない」。

——制裁金の額はともかくとして、ユーザーの年齢をどう厳密に認識するのかという、難しい課題が課された法制度。さらに言えば、青少年の言論の自由については、どう整理されたのかが気になるところ。記事は言及していないが、YouTubeは教育などにも活用されており、本規制の対象から逃れたという点も「?」が残る。

Yes, That Viral LinkedIn Post You Read Was Probably AI-Generated
AI検知新興企のOriginality AI、LinkedIn上の長めの英語投稿の54%以上が、AIによって生成された可能性が高いとする分析を示す。分析リポートが米メディアWIREDに提供された。ただし、LinkedIn自体がプレミアムユーザーには生成AIの執筆補助サービスを提供している。
コンテンツクリエイター経済、成長する一方で「脱落者は3年連続で増加」 | どのプラットフォームも「勝者総取りの構造」
「米誌『フォーチュン』によれば、米金融機関『バンク・オブ・アメリカ(BofA)』の顧客のうち、コンテンツクリエイターとして収入を得ている人の割合は、2024年11月現在、0.20%となっており、2021年の0.25%をピークに3年連続で低下している」。

——記事が指摘するのは、パンデミック下で多彩なコンテンツ需要が爆発。だが、それ以降、クリエイターの中でもプロ的な人々による「勝者総取り」状況が生じているという。米国では大物クリエイターは、ほぼ中小のメディア企業的規模に達している。アマとプロの差は広がるのだろう。

Meta Shares Threads Growth Stats to Counter Reports of Bluesky’s Growth
米大統領選(特にその投票日前後の)Blueskyの劇的な成長については、何度か紹介している。対抗する“本命”のMeta Threadsも、成長を繰り返しPR。10月末には2億7500万MAU(月間アクティブユーザー数)を発表後も、11月には3,500万以上のアカウント増と発表。
ビッグテックの合同テロ対策フォーラム、その2年間の混乱のゆくえ
【有料購読者向け記事】:
「2023年3月、メタ・プラットフォームズ、YouTube、ツイッター、マイクロソフトの副社長がZoom会議を行ない、最も強力なライバルのひとつであるTikTokを自分たちのクラブに迎え入れるべきかどうか検討した。4人の副社長はテロ対策グローバル・インターネット・フォーラム(GIFCT)の理事であり、自社のプラットフォームがテロの温床になることを防ぐために情報交換をしている」。

——その後、「X」が離脱したたが、この時期世界の4大プラットフォームが、「テロ対策」を名目とした業界秩序の維持と、ライバル排斥の機能を果たす協議を繰り広げていたことがわかる興味深いリポート。

How Rappler Is Building Its Own Communities to Counter AI and Big Tech
ノーベル賞受賞ジャーナリストMaria Ressa氏、同氏の経営下にあるメディアRapplerで、「Rappler Communities」を開発したと明らかにした。オープンソース、安全、分散型のMatrixプロトコルで構築されたアプリで、世界的な独立したニュース配信機関になる可能性を示すものだと述べる。
「検閲カルテルを解体する」米FCC次期委員長がプラットフォームに突きつける「広範な免責撤廃」
「フェイスブック、グーグル、アップル、マイクロソフトなどは、検閲カルテルで中心的な役割を果たしてきた。ファクトチェック団体や広告代理店とともに、『ニュースガード』という名の(ジョージ・)オーウェル的な組織が、一方的なナラティブ(筋書)を強制する手助けをしてきた。検閲カルテルは解体しなければならない」。

——個人的に注目していたWebサイトの信頼性評価事業者NewsGuardもやり玉に挙げられているのには少々驚き。そのぐらいに、同社の影響力が生じていたということか。さて、「検閲カルテル」の解体の後に残る課題は何だろう? 単なる罵詈雑言を自由放任、放置ですむだろうか。

中国ハッカー、米史上最悪 上院情報委員長が指摘 | 共同通信
「ウォーナー氏(=米上院の情報特別委員長)は、中国系のハッカー集団『ソルト・タイフーン』が米国の通信会社を介した音声通話をリアルタイムで盗聴していると説明。連邦捜査局(FBI)が確認した被害者は150人未満だが、数百万人分の電話やテキストメッセージが傍受されている恐れがあると指摘した」。

——「ソルト・タイフーン」。すでにWSJが事前に報道していたが、その具体的な姿が語られた。

Why is everyone talking about Bluesky right now?
ユーザー数“たったの”2,100万人のSNS「Bluesky」が爆発的に成長中。それも大統領選投票日前後の2週間のできごとだ。Blueskyは、現在、アプリストアでChatGPTとThreadsを抑えて1位の無料アプリとなった。
The Podcast Election | No Mercy / No Malice
「私が(かなり)確信している唯一のことは、若者たちがTrump氏に激しく傾倒するという決断を下す上で、初めて、極めて重要な役割を果たしたメディアは何かということだ。 そして、それがこの記事の主題である」。それはポッドキャストだとする。Scott Galloway氏の論。
「新しい形態のメディアは、定期的に我々の文化や政治を再形成する。 FDR(=ルーズベルトのこと)はラジオを使いこなし、JFK(=ケネディ)はテレビを活用し、レーガンはケーブルニュースに釘付けにした。 オバマはインターネットを通じて若い有権者に活力を与えた。 トランプはツイッターで世界中の注目を集めた。 今年はポッドキャスティングだった」との興味深い記述がある。
(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)難しい記事こそ、簡潔に“見せ”て 藤村厚夫:朝日新聞デジタル
【ご紹介】:
朝日新聞にコラムを寄稿しました。ご一読ください。一般的な読解力をめぐる課題、そして新聞記事の理解しづらさをめぐる課題などについて考えてみました。新聞インサイダーにこそ届けば良いのですが。
SNSに潜む「エコーチェンバー」の危険とは:時事ドットコム
【ご紹介】:
藤村が『メディアリテラシー 吟味思考(クリティカルシンキング)を育む』に執筆した論からの抜粋が掲載されました。数年前に執筆したものですが。よろしければどうぞ。

Disruption This Week—–22/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年11月18日から2024年11月22日まで。

コムキャストがCATVチャンネル分離へ、MSNBCなど-関係者
「メディア・ケーブルテレビ(CATV)大手の米コムキャストはニュース専門局『MSNBC』や『CNBC』『USA』などのCATVチャンネルをスピンオフ(分離・独立)する計画だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。視聴者や広告主を失いつつあるCATV事業へのエクスポージャーを減らす」。

——Bloombergの報道が出てから、米メディア業界はこの話題で持ちきりだ。各社の経営上の複雑な要因が作用しているため、一概に言えないが、なによりも最大の環境変動要因はCATVの収益構造が弱体化していることだろう。これまで収益性が良すぎたことから変革が遅れたのは、他のレガシーメディアに似ている。ストリーミングの一部がかろうじて黒字化を示すが、安定化するには、独占的な地位獲得が必要になる。

Google Discover has become Reach’s ‘biggest referrer of traffic’
Facebook、InstagramなどSNS、Google検索からの流入が減少していると、多くのメディア担当者が体感している。そんななか、検索を利用したコンテンツフィードの「Google Discover」が存在感を増している。記事は英大手メディア企業Reachの幹部がその影響や特性を語る。
AI detection tool helps journalists identify and combat deepfakes
DeepfakeをAIを用いて検知するジャーナリスト向け無償サービス「TrueMedia」の紹介記事。開発するTrueMedia.orgの創業者はAI研究家Oren Etzioni氏。同氏のコメントなどを紹介。難題はフェイク作成側も検知を回避する方策を生み出してくることだという。
米司法省、グーグルに「クローム」売却を求める方針-関係者
「訴訟はトランプ政権下で提起され、バイデン政権でも継続された。判事が是正案を受け入れれば、オンライン検索市場と急成長するAI業界を一変させかねない」。

——PCなどでは重要アプリであり続けるWebブラウザ。そのシェアトップの「Chrome」は、Googleにとっても、検索、マップ、Gmailなどの重要基盤で、ブラウザ自体は無料だとしても市場の支配力はすさまじい大きさだ。かつてNetscapeを駆逐したMicrosoftとIEの関係が想起される。

Unveiling LIMINAL PANDA - Threats to Telecom Sector | CrowdStrike
米CrowdStrikeの防諜対策幹部、同社が「LIMINAL PANDA」との名称を与えた、重要インフラに対する中国のサイバー脅威アクターについて初めて公開。リポートでは、LIMINAL PANDAのインフラへの侵入の手口など詳細に紹介する。
「2024年米国選挙におけるプラットフォームXのアルゴリズムによる潜在的偏向の計算分析」。
豪Queensland大研究者Timothy Graham氏ら、X(Twitter)が2024年7月に大きくアルゴリズムを変更。オーナーMusk氏によるTrump候補支持表明に符合するとの論文(プレプリント)を公表。
報道経験ないニュース系インフルエンサー、米若者の頼れる情報源に
「ピューの調査によると、30歳未満の成人の約40%が、ニュース系インフルエンサーから時事問題や政治の最新情報を入手している。こうしたインフルエンサーの大半に上る77%は、報道機関に所属せず、メディアでの勤務経験もない。
新たなデータはメディア環境の変化を浮き彫りにした。若者を中心に、政府や社会問題、経済といった重要なニュースについては、非伝統的な情報源の利用が一段と増えている」。

——併せて紹介する米Pew Research自身のリリースブログを参照されたい。

幻冬舎コミックス、Xへの画像投稿は「AI学習阻害・ウォーターマーク付き」で 11月15日の規約変更を理由に
「Xは15日の規約変更により、ユーザーが入力した情報を、AIのトレーニングに利用する旨を明文化する予定だ。しかしXでは、これを嫌って他のSNSに“移住”しようとするユーザーや、投稿する画像にAI学習の阻害処理・ウォーターマークをつけようと呼び掛ける人も見られ…」。

——これもXをめぐる話題なので、遅まきながら紹介しておく。引用箇所にあるように、Xの利用規約がAI学習に強制的に用いられることを嫌っての動き。この種のせめぎ合いがこれから活性化するだろう。Xは、自社のxAIの開発にとどまらず、他のAI開発ベンダーに学習用コンテンツを売って大儲けするオプションを手に入れようとしているわけだ。

Norwegian startup Factiverse wants to fight disinformation with AI
ノルウェーのスタートアップであるFactiverse、米国大統領討論会のライブファクトチェックを提供し、いくつかのメディアパートナーによって利用されたという。同社の技術はLLMとは異なり、情報検索に基づいく別タイプのモデルを構築したと創業者は述べる。
「X」利用者が続々と「ブルースカイ」へ移動 仕組みは? オーナーは? - BBCニュース
「世界各地でかなりの人数がブルースカイのアプリをダウンロードしている。イギリスでは14日、アップルのアプリ市場『AppStore(アップストア)』で、最もダウンロードされた無料アプリになった」。

——Musk氏の振る舞いもあって、Xを離脱する動きが高まっているものの、記事にもあるように、BlueskyがXを脅かす存在になるためには、今後の長期にわたり成長が欠かせない。そのためには、大物たちの寄付に頼る資金源では心許ない。これからがBlueskyの胸突き八丁の上り坂だろう。

Disruption This Week—–9/11/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年11月5日から2024年11月8日まで。

AIや独禁法巡る米政策、大きく変化か-身構えるシリコンバレー
「トランプ氏との関係を改善させる方法を見つけた大物もいる。7月13日の暗殺未遂事件に対する同氏の対応を『最高だ』と称賛したメタのマーク・ザッカーバーグCEOだ。そしてフェイスブックは偽情報対策の多くを取りやめた。米紙ワシントン・ポストのオーナーであるベゾス氏は、選挙の2週間前に民主党のハリス副大統領を支持する社説の掲載に待ったをかけた」。

——記事で触れている他の重要なポイントは、AIガバナンスの方向感の急転換だろう。バイデン政権が打ち出した政策をどれくらいひっくり返すのかに注目が集まる。

Musk says Trump’s podcast appearances made ‘big difference’ in election
今回の選挙で見事な勝利を実現したTrump氏。それは、Joe Rogan氏のような人気ポッドキャスターとの自由奔放なインタビューを喜んで受けたおかげでもある、とElon Musk氏は主張する。リスナーはTrump氏の何気ない会話で人物を高評価し、対立候補との違いを見たのだとする。
Publishers hooked on Google Discover traffic risk race to the bottom
世界中の多くのメディア企業にとって、Google Discoverは今や主要なトラフィック源だ。総Googleトラフィックの平均55%をディスカバーが占めている。だが、そこに集中するのは危険だとする記事。Discoverのアルゴリズムはつねに修正され、変動するからだ。
Bloomberg Media launches Bloomberg Live Q&A - Talking Biz News
米Bloomberg Media、最大4人のジャーナリストがその週の主要な経済からハイテクなどのトピックを議論するライブ番組Bloomberg Live Q&Aを開始する。有料購読者はジャーナリストに質問ができる。聴取だけなら無料も可だという。
マスク氏とX、米大統領選偽情報の発信地=専門家
「米実業家イーロン・マスク氏が自身のソーシャルメディア『X』に投稿した米大統領選に関する偽情報や誤解を招く情報が、今年20億回閲覧されるなど、Xが偽情報の発信地となっていることが、非営利団体『センター・フォー・カウンタリング・デジタル・ヘイト(CCDH)』の調べで分かった。
選挙と偽情報の専門家らが4日語ったところでは、選挙結果を左右しそうな7つの激戦州における偽情報の拡散でも、Xが中心的な役割を担っている」。

——強力なインフルエンサーが、自身が保有するプラットフォームを活用して引き起こす化学反応。まさに恐れられていた現代の脅威の一つを、われわれは目撃しているのかもしれない。

「AIエージェント」続々登場 富士通やNTTデータ提供、仕事の進め方に変化迫る 編集委員 吉川和輝 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「人工知能(AI)が人の具体的な指示なしに自律的に仕事を進める『AIエージェント』が広がりを見せている。AIによるパソコンの自動操作や、企業のAIエージェント開発を支援するサービスも登場」。

——個人的にもエージェントは、一人一サービス、もしくはその得意不得意に応じて一人の利用者が複数サービスを使う時代になるのではと想像する。サブスク型のビジネスに発展していくのでは?

Inside Dow Jones’s AI governance strategy, with Ingrid Verschuren
1年半前に結成された「AI運営委員会」は、米Dow Jonesの組織全体から集まった10人のメンバーで構成され、内および社外におけるジェネレーティブAIの使用事例を評価していると、同社データ・AI担当幹部は述べているという。
AI音声合成サービス「DMMボイス」盛況 公開4日で700万文字の音声を生成 アプリやAPIの提供も計画
「原田さんは、DMMボイスを使った作品を公開しているX上の投稿を紹介しながら『実際DMMボイスを触っているとわかるのですが、すごく楽しいんですよね。声がリアル過ぎて本格的な動画を簡単に作れるので、作り始めると止まらない癖になるサービスです』という」。

——楽しそうだ。この種のサービスを用いて、より凝った作品が生まれていきそうな予感。社会的な安全性を担保するための歯止めをどの辺りに差し込んでいくのか、オープンに議論されるべき。

NYタイムズ、デジタル購読者数伸び鈍化 不透明な経済情勢受け
「米紙ニューヨーク・タイムズが4日発表した第3・四半期決算は、デジタル購読者数の伸びが鈍化し、市場予想を下回った。不透明な経済情勢を受け、消費者が支出を削減していることが背景にある。
デジタル版のみの購読者数は26万人増。前四半期は30万人増だった。ビジブル・アルファのまとめたアナリスト予想は28万200人増」。

——NYTimesの躍進にやや陰り? のちほど紹介するが、自社IRでは買収したスポーツメディアが黒字化、総購読者数が1,100万の大台乗せなどプラスの材料も。

Exclusive: Walt Disney forms business unit to coordinate use of AI, augmented reality
すでに紹介したように、米Walt DisneyがAIやXR(拡張現実)などの新興技術の利用をコーディネートする組織Office of Technology Enablementの設立を公表。従業員は100人程度になる見込みだとの内部情報も。