Disruption This Week—–23/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年7月19日から2021年7月21日まで。

CNET is hiring. You should join us
米CNET、驚きの大躍進で、150名にも及ぶ人員増強を発表。2020年ViacomCBSからRed Venturesが買収したテクノロジー系ニュースサイト運営の同社は、この2年間で急速に成長したと発表。成長を説明する具体的な数値は公表していない。
Activist Malala Yousafzai is joining Facebook's newsletter platform, along with 30 others
Facebook、米国で始めたニューズレターサービス「Bulletin」に、30名強の“著名人ライター”の登録を発表。人権活動家マララ・ユスフザイ氏をはじめ、マルコム・グラッドウェル氏、イアン・ブレマー氏ら錚々たるラインナップ。同社はこのプロジェクトに500万ドル投資を発表ずみだ。
US influencer spending to surpass $3 billion in 2021
先日、間接的に紹介した米国市場における「インフルエンサーマーケティング」の急増トレンド。2020年が前年比14%強の増加だったのに対し、21年は34%弱の成長に。クリエイターエコノミーへの期待があると、eMarketerがリポート。
インターネットの利用環境は「スマホのみ」が最多 60代はスマホ利用者が7割超に【LINE調査】
「10代から20代のスマホ利用者は、引き続き95%以上と高水準であった。また2016年4月の調査開始以降、30代以降のスマホ利用者は増加傾向にある。特に年代が上がるほど、スマホ利用者の増加率が大きく、60代ではスマホ利用者が72%と過去最多となった」。

——私を含むシニア層でスマホ利用比率が、急速に右肩が上がっている。ガラケーからのシフトも最終盤だ。

Inside Facebook’s Data Wars
New York Timesが、Facebook社内で起きたデータの透明性をめぐる闘いを報道。同社が買収し一般に提供してきた情報分析サービスCrowdTangleチームは解体され、透明性を主張してきた幹部らが更迭、辞任している。Facebookが都合の悪い情報を取り繕うとする動きだとする。
ByteDance's Toutiao ordered by China to halt new registrations since Sept -sources
ByteDance傘下のニュースアプリ「Toutiao」が、中国当局の「要請」を受けて、新規ユーザ登録を昨年9月から停止していることがわかった。従来からのユーザからの利用は可能だが、ダウンロード後新規登録をしようとすると「新規登録を一時的に停止している」とメッセージが表示されるという。
FT editor among 180 journalists identified by clients of spyware firm
世界の著名ジャーナリスト180名が、イスラエルNSO Group開発のスパイウェア「Pegasus」の監視対象であったことが、NPO報道機関Forbidden StoriesとAmnesty Internationalの入手した漏えい情報で明らかに。「テロ対策等でNSOに発注できるのは国レベルに限られる」という本件の依頼主は、UAE、アゼルバイジャン、バーレーン、ハンガリー、インドなどだとされる。
GPT-3とそれを取り巻く周辺、パラダイムと限界
【無料会員向け記事】:
「もはや、画像と文章、動画と音声を分けて考える必要はなく、すべてトランスフォーマーに入れれば欲しい結果を得ることができる。オープンAIの『ジュークボックス(Jukebox)』は、歌詞を入力すると、作曲するだけでなく、求める歌手の歌唱スタイルやアレンジまで含めた音声を自動生成する」。

——“あの”清水亮氏によるGPT-3評価。GPT-3だけに止まらない実に広大な可能性が生じたが、同時に、どううまく利用したらいいのか、改めて誰もがぶつかっているようだ。
なにせ、引用箇所のように、テキストや画像だけでなく、音楽などあらゆる面で、人間的な創作もどきが可能な世界。それが猛スピードで発展している(数か月おきにパラダイムシフトが生じているという)のだから。

「誤情報は、拡散のスピードと規模を劇的に増加させている。プラットフォームがその一端を担っているのは、ご存じの通りだ。だからこそ本日の勧告で、我々は対策強化を求めた。プラットフォームがいくつかの誤情報対策を取っていることは承知している。だが、さらにもっともっと対策が必要だ」。

——ワクチンをめぐる情報(とあえて絞り込むが)について、バイデン政権とプラットフォームとのやり取りはますますヒートアップしている。

Japan’s plan to dump Fukushima wastewater met with pro-China disinformation- Coda Story
米NPOメディア「Coda Story」、日本をめぐる中国の偽情報工作をスクープ。中国の著名ジャーナリスト、政府関係者その他5つの親中派Twitterアカウントが、原発処理水の海洋投棄を危険と、別件の調査機関のデータをキャンペーンに利用。同時に香港や新疆に好意的な情報も発信。記事では、文脈を無視して科学的データを引用することで意図した影響を作りだす効果的な手法と分析されている。
コンテンツという「王」の帰還——書評:『音楽が未来を連れてくる』 - Media × Tech
【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」に新着記事です。音楽の話題ですが、メディア産業全体の示唆となる書物について。

Disruption This Week—–2/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月28日から2021年7月2日まで。

クッキーに別れを告げるとき、メディアがすべきこと[インタビュー] | Exchangewire Japan
「佐藤氏:本来メディアの役割とは、社会に対してコンテキストを提供するということです。ただしこの10年ほど、プラットフォーマーの出現によりその役割自体がクローズアップされることがなかったと思うのです。今後はメディアというものがコンテキストを提供することについて、より力を試されるようになります」。

——「社会に対してコンテキストを提供する」といい、「“枠から人”ではなく、“人から枠”へと回帰」といい、いま、メディアと広告をめぐって、大きな転換点に立っていることは間違いない。単に「回帰」だけではなく、何が社会に求められているのかから問い返す機会なんだろう。

Cameo Targets $200 Million-Plus in Video Sales This Year
【有料購読者向け記事】:
芸能、アスリートなどのセレブから自分宛てビデオメッセージを購入できるサービスの米「Cameo」。昨年1億ドルの年商が、今年はその2〜3倍に達する見込みとCEOが取材に応えて述べる。新型コロナウイルス禍が落ち着いても、業績は伸ばせるとする。

Trends and Facts on Newspapers | State of the News Media

Pew Research Center’s Journalism Project

Trends and Facts on Newspapers | State of the News Media
Pew Research調査による米新聞業界最新ファクトシート。AAM(公査指標)とNYT、WSJの自社発表を組み合わせると、読者数はかろうじてフラットともいえるが、後段に掲出する広告収入は、2000年代初頭から恐ろしいほどの下落ぶりを示している。
Is Facebook Buying Off The New York Times?
「Facebook Newsが提供するのは、Facebookが選んだ一握りの有名な報道機関だけであり、巨額の現金である。これらの契約の正確な条件は秘密のままだが、これはFacebookが守秘義務を主張し、報道機関もそれに同意したためである」。

——先日も、別の記事で米メディアTop.25の主たる所有者を調査したリポートに触れたが、この記事でも。Google、Facebookはメディアへの迂回的な資金拠出を強めている。もちろん、贖罪的と理解もできるが、記事では、政界へのロビーイングと並列するメディアへの工作と論じている。

出版状況クロニクル158(2021年6月1日~6月30日) - 出版・読書メモランダム
「2年ぶりに目にするのだが、2020年の公共図書館数は10館増え、3316館で、これも何と日書連加盟書店数の2887店を上回ってしまった。…1986年の日書連加盟店は1万2935店、それに対して90年の図書館は1928館だったわけだから、現在から考えれば、そうした比率が書店と図書館のメルクマールだったように思えてくる」。

——今回、目についた情報。書店数の減少トレンドに対する図書館数増大というコントラスト。記事で触れられているが、一方で、図書館員数においては漸減のトレンドだという。

Inside The Information's paywall strategy
「私たちが学んだサブスクリプションファネル経済学の素晴らしい教訓の一つは、電子メールによる直接的な関係を構築し、その関係を長期にわたって継続することの価値だと思います」。The Informationの創業CEO、Jessica Lessin氏が、同社の購読戦略を語るインタビュー記事。
「あの人に偽情報を見せたい」がSNSの“レコメンドAI”悪用で実現する可能性 F-Secureが検証
「例えば2019年12月の英国総選挙に関するツイートを使った実験では、偽情報が含まれる投稿を何アカウントがどれだけ拡散すれば、ターゲットとなるユーザーに“おすすめツイート”として見せられるか検証」。

——最近のTwitterはアルゴリズムを使い、ユーザが気にするテーマに沿って関連しそうなツィートを表示させる。従来のように、多くをフォローしていなくても、この仕組みで興味を惹くツィートと出会えるわけだが、この仕組みを悪用すれば、的確に特定人物を対象とした“情報操作”が行える。SNSを利用したプロファイリングの威力を見せつける研究。

新聞を購読する日が来るとは。|ヤマダタイキ|note
「奈良新聞 もはや大々的なメディアの実験場と化し、個人が1万円から新聞広告を出せる新サービス『AD LETTER(アドレター)』や、毎月出されたお題に対して、購読者がデザインを提案する広告コンペ『クリエイティブ・アド』など、新しいことにチャレンジしている。しかも後者は15段、無料で掲載できるとあって、実績が欲しい広告クリエイターとしては最高の場!」。

——いろいろとためになる情報が盛られている。参考になった。

BuzzFeed's plan to go public is all about scale
買収などで傘下メディアを増やし規模化をめざす米BuzzFeed。すでにTasty、HuffPostを擁し、近くComplex Networksを統合する計画。SPAC手法でIPOし、Facebookなどの大手プラットフォームの(アルゴリズム)影響圏を離脱する。他社でも同様の動きが見られるとする記事。
「ニュースへの無関心」世界で強まるわけとは?
「低下の要因としてニューマン氏が指摘するのは、35歳未満の若者層と低学歴層の関心の低さ(それぞれ52%と51%)だ。
さらに、英国、米国などでのフォーカスグループへの調査で、特に新型コロナ報道をめぐって『かなり気が滅入るようになった』『コロナ、コロナ、コロナの繰り返し』などの反応があることを紹介している」。

——個人的な理解では、2020年のパンデミックがまさにニュースへの需要を一挙に押し上げた。しかし、中期的にはニュースへの関心減退が継続している。中心的な主題が失われたとして、どのように分散する主題や手法を取り上げていくのか。ニュースをめぐる問いかけが改めて重要になっている。

今から学ぶ「Googleが推進するFLoC」とは何か - Media × Tech
【ご紹介】:
“ポスト・クッキー”時代、目玉として登場した「FLoC」。Googleが推進する新たなユーザ嗜好の同定技術について、西田宗千佳氏に寄稿してもらいました。

Disruption This Week—–25/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月21日から2021年6月25日まで。

グーグル、クッキー廃止計画を2023年に延期
【有料購読者向け記事】:
「米アルファベット傘下のグーグルは24日、ウェブ閲覧履歴を追跡するために広く使われているクッキーについて、廃止計画を延期すると発表した。広告業界、プライバシー擁護団体、規制当局からの抵抗と追及に屈した格好だ」。

——Googleの広告ビジネス(のパフォーマンス)にはマイナス要素ではないと思うが、FLoC(Googleによるポストクッキー時代のターゲティング手法)の業界からの受け入れが進んでいないとすると、長期的にはダメージとなる可能性もある。

Patreon CEO Jack Conte on why creators can’t depend on platforms
「なぜクリエイターはプラットフォーム任せにしてはいけないか」。創業8年。音楽アーティストらを中心にクリエイターへの購読サービスを提供してきたPatreon。いまや時価総額は40億ドルに。その創業者Jack Conte氏(同氏自身もミュージシャンだ)に聞いたロングインタビュー。自身の体験から話し始める。
Many people worldwide say they’re losing interest in news … but more are paying for it
Reuters Instituteによる「Digital News Report」が10周年、2021年版が公開。記事は、このボリュームのあるリポートを概観したもので便利。ニュースへの関心度、有料支払の動向、ニュース接触への直間比率、各国の動向分析では、日本の状況も含まれている。
What publishers can learn about TheSoul Publishing’s road to 1B social subscribers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
10年前、“ソーシャルメディア・ファースト”を掲げ、自社ドメインにこだわらない戦略をとった多くのメディアが現れ、そして消えていった。しかし、Instagramをはじめとする新たなフォーマットを駆使して成長を遂げる新興メディアも誕生。記事は5年前に誕生、いまでは10億人のフォロワーを有するTheSoul Publishingを解説する。
ディープフェイクはどう作られる? 技術資料を無償公開 東大発ベンチャー
「資料は同社のWebページ上か、もしくはPDFをダウンロードすることで読める。ディープフェイクに使われている顔画像処理や音声処理の概要や、『オートエンコーダー』『GAN』(敵対的生成ネットワーク)などの画像を生成するディープラーニングモデルの基礎を取り上げている」。

——私のレベルでも理解が進む貴重な資料。

Shopify Seeks to Challenge Amazon Through Deals With BuzzFeed, Other Sites
【有料購読者向け記事】:
ECプラットフォームのShopify、BuzzFeedとアフィリエイト事業で提携。Vox MediaやComplex Networksなど各種メディア企業も提携を検討中とする記事。広告に次ぐ収入源を探すメディア群は、この分野でのAmazon頼みによるリスクを回避する動き。
「マンガアプリ」失敗の本質
「もし『アプリの総ユーザー数・総ダウンロード数』が重要と考えているなら、それは間違った勝利の条件です。見過ごすことはできません。繰り返される日本の『失敗の本質』です。
出版社のマンガアプリ戦略は、なぜ失敗する可能性があるのか? わかりやすく説明するためには、約6万点の少数作品でもユーザー数を劇的に伸ばしている『ピッコマ』を解説するのが最適です」。

——いろいろと“目からウロコ”なマンガアプリの解説。というか、出版社のアプリ戦略に対して、「ピッコマ」のアプローチがどう違うのかの議論。

フェイスブックの監督委員会、その効果に賛否
【有料購読者向け記事】:
「20人のメンバーで構成される委員会は、どのコンテンツを許可し、どのコンテンツを削除するかに関するフェイスブックの判断を裁定し始めて以来、同社の判断を撤回する決定を8回下した。また、同社の判断を支持した決定は3回あった」。

——時々の、おもに政治的事象において右往左往を続けてきたFacebook。そこで同社は、投稿コンテンツを検閲する運用ポリシーと判定を下す委員会を設けた。これは大きな前進だし学べるアプローチといえる。問題は記事が述べているように、委員会の決定が拘束力を持たないこと、そして、適切に検討がなされているかどうかだ。

Andreessen Horowitz and the 'Future' of Media
米西海岸の大手VCのAndreessen Horowitzが開設したテクノロジーメディア「Future」をめぐり、批判的な論調がメディア界からあがっている。BloombergやInformationなどで記者をしたEric Newcomer氏は肯定的な論評を公開。IT大手批判はあっても、テクノロジー嫌いであるべきではないとする。
10周年を迎えたライヴ配信大手「Twitch」から、クリエイターエコノミーの現在が見えてくる
「Twitchでストリーマーを支援するのは、ベル・アンド・セバスチャンのアルバムを買ったり、クラウドファンディングサイトの『Kickstarter』で新しいボードゲームの資金調達に参加するようなこととは違った。ストリーマーは実際にそこにいて、お金を渡すと反応が返ってくる。そして、すべてはリアルタイムで起きるのだ」。

——Amazon傘下のライブストリーミングサービス「Twithch」。調査会社の予測では、今年にはMAUが4,000万人を超える。そして、クリエイターが自身の活動を直接現金化する仕組みを備えたという意味でもパイオニアだ。

Disruption This Week—–11/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月7日から2021年6月11日まで。

「『earnings estimator(予想収入)』というスクリーンが見えますね。この人の例だと、月額4.99ドル(約530円)で2%のフォロワーがスーパーフォローしてくれたら、月の収入が6,250ドル(約68万円)になると表示されています」。

——既に紹介したところではあるが。Twitterでお金を稼ぐには、少々高いハードルを越えなければならない。

「InstagramやFacebook、Snapchatなど、テキストベースのキャプションが主流のフィードで動画を主に視聴している多くの人にとって、キャプションのないテレビを見ると、音声があっても意味を理解するのが難しくなるという不確かながら証言がある」。

——引用箇所は確たる証拠があるわけでないと謳っているが、確かに、スマートフォンでは音声を消した状態で動画を見るのが常態。最近のTV番組ではアクセシビリティの関係からかスーパーが入るのも常態。

非営利メディアの「The Conversation」がAI活用による偽文書生成技術により生成された「学術論文」が、専門家を欺瞞できるレベルであることを確認した。テーマは各種に上り、新型コロナウイルス関連にも及んだが、査読付き論文のレベルに達していた。
Substackでニューズレターを発行するライターに、初めて米ホワイトハウスのブリーフィングに参加する記者証が発行された。記者は「the Uprising」を主宰するHunter Walker氏。前Yahoo! Newsの記者としてホワイトハウスで行われるブリーフィングに参加していた人物だ。
米Axiosが、意欲的に取り組んでいるのが、全米各地のニーズに応えるローカルニュース(メルマガにWebサイトを組み合わせる方式)の品揃えだ。起点になったのは「Charlotte Agenda」の買収。その創業者(現在は、Axiosでローカル担当責任者)に、成功法則を聞いた記事。
「アプリインストール数は、2020年にすべてのカテゴリーにおいて前年比50%増となったのち、2021年第1四半期に2020年比で31%の増加を記録した。セッション数は2020年に2019年比で30%増、2021年は現時点でさらに4.5%増となっている」。

——2020年が“巣ごもり”の年だったことは周知の通りだが、21年年初も同様のトレンドが続いている。面白いのは、家にいる時間が伸びても、モバイル(アプリ)の世界が伸びていることだろう。そもそも論ではあるが、モバイル(スマートフォン)=パーソナルメディアという本質が、この社会的変動期に見えてきたのだと思う。

「縦スクロールだと、各カットに独特の『タメ』ができる。どのコマも均等な速度でスクロールしていくことになるので、無言のコマもそれなりに滞在時間が生じる。これが、作者が想定したリズムというか、間をためるためのコマの役割を具体化させる効果があるように思えたのだ」。

——小寺信良さんが(コマ割りによるページ構成に対し)縦スクロール世界(縦方向無限)への転換のインパクトを、うまく、私のようなおじさんにも説明してくれている。コマ割り(視線がS字に動く)では、空白コマの読み飛ばしが、ユーザの任意であったのが、縦方向スクロールだと、“タメ”として差し挟まれる効果は、実は潜在的に大きいのだと思う。それはコミックスを読む際のリズムに影響する。

Passport

Stratechery by Ben Thompson

人気個人ブログ「Stratechery」を運営するBen Thompson氏、統合的な購読システム「Passport」をオープンソースを使い自力開発。ブログ、ニューズレター、そしてポッドキャストなどコンテンツラインナップを購読者は等価的に管理できる。「パスポート」という概念を文字どおり活用して、他の購読サービスとも相互乗り入れ可能な仕組みだ。
“編集部(とそのプロダクト)のイノベーション”をどう実現するのか? メディアコンサルティングのTwipeが、そのイノベーションへの5つのアプローチを紹介する記事。まずはイノベーションの必要性を問うことから、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)、そしてデザインスプリントへ。
「米国人の4人に3人が、本当のニュースと間違ったニュースの見出しを見分ける相対的な能力を過剰評価している。調査の回答者は、実際の能力よりも、平均で22パーセンタイル高く自己評価した」。

——考えさせられる調査研究。いかに目の前にある現象に対し慎重に判断するがという“心構え”が必要なのだが、それを欠く人々が多いということらしい。

Disruption This Week—–28/5/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年5月24日から2021年5月28日まで。

「これらの活動は、オンラインの公共の場を多様化させ、『Me Too』や『Black Lives Matter』といった重要な議論に活力を与えたデジタルツールと同じものを悪用し、市民組織の信用を損ない、開かれた議論を腐敗させようとしている」。

——ロシア由来の組織的偽情報工作が多数を占めるというのは、もはや常識のレベルだが、この引用箇所にあるように、多くのリベラル系の人々とって喜ばしく受け止められている市民活動のスタイルや手法が、欺瞞工作に用いられており、これが国内の言論の対立激化を促しているという分析は、深く理解しておく必要がありそうだ。

【有料購読者向け記事】:
「重要なのは、メディア事業を、広告や購読料でマネタイズしようとは考えていないことです。読者のごく一部を、利益率の高いソフトウェアのサブスクリプションでマネタイズするのです。
これは素晴らしいモデルです。そうすれば、メディアとして(サブスクや広告に頼らずとも)素晴らしいコンテンツを無料で提供できてしまうのですから」。

——「インバウンド・マーケティング」を標榜するHubSpot社がニューズレター企業The Hustleを買収したことから論じる、新しい段階に入ったオウンドメディア戦略を語るインタビュー記事。実際、ビジネス系のメディアであれば、適切なスポンサーを得ることで安定的に情報発信を続けられるだろう。ただし、どこまで独立性が維持できるのかという古くて新しいテーマがそこにあるのだが。

根強い購読者層を擁する英The Economist、新たなビジネス基盤として中堅ビジネスパーソン向けのオンラインコースを開発。6週間コースで20万円を超えるが、同社編集者らがゼロベースで開発し、著名経済人らが講師となる。最初の講座は、米中対立を軸に世界の政治・経済・テクノロジーの新秩序を学ぶ。
米Axios、米国内各州の州都レベルのニュースを報じるニューズレター「Axios Local」を強化中。昨年末6都市からスタートし、現在は8都市をカバー。年末には14都市にまで広げる。現在すでに購読者が35万人で開封率35%を誇る。今年は400〜500万ドルを目指しており順調だという。
世界的広告大手のPublics Group、同社が提供するプログラマティック広告売買システムと、コンテンツ品質や真偽性からサイトをランキング評価するNewsGuardと提携したと発表。売買リストから評価の低いメディアの枠をプログラマティックに除外する仕組みだという。
「自然言語をPower Fxに変換するAIには、OpenAIが開発した自然言語モデルの『GPT-3』が採用されています。GPT-3は与えられたキーワードによる文章の生成や、英語の指示により適切なHTMLによる画面生成などのデモンストレーションが公開され、大きな話題になりました」。

——開催中のMicrosoftの開発者向けイベントBuildでの発表。同社がGPT-3の開発元OpenAIと独占的な契約を持ったことから、想像された動き。自然言語で指示するとプログラムが生成されるというのは、長年の夢だった。

数週間前、New York TimesとThe AthleticがSPAC手法での合併交渉が報じられた。交渉は立ち消えと見られたが、今度は、NYTがAthleticを買収する可能性をAxiosが報道。Athleticは購読制のスポーツ専門メディア。NYTのハードニュース外のポートフォリオ強化という文脈だ。
2018年、Salesforce CEOであるMarc Benioff氏が買収して以降、TIME Inc. の変身が続く。パンデミックはバネになったようだ。今回、編集部門の重要職を大がかりに再編。現在200万人の有料購読者を30年までに1,000万人とすべく、DXの加速と商品改革を進めるとすると宣言。
「メディア総接触時間は昨年から39.2分伸びて450.9分(1日あたり/週平均)と過去最高。メディア定点調査開始以来、最大の伸びとなった。『携帯電話/スマートフォン』 (昨年から18.0分増)を始めとして、『タブレット端末』(同9.7分増)、『パソコン』(同8.4分増)の接触時間が伸びた」。

——例年、年初に行われる調査。したがって、新型コロナウイルスから生じた影響が、強くは出にくい(とはいえ、影響を及ぼしているのは当然だが)タイミングなので、結果的に良い調査になっていると思う。15年前には全メディア接触の半分強を占めていたTVは、いまでは3割強に縮減した。

「平日に『見た』人は、10~15歳56%(前回2015年は78%、22ポイント減)▽16~19歳47%(同71%、24ポイント減)▽20代51%(同69%、18ポイント減)。いずれも5年で20ポイント前後減った」。

——NHK放送文化研究所が5年おきに行っている「国民生活時間調査」から。メディア接触だけでない生活全般の変化を浮き彫りにして興味深いが、やはりTVの凋落が目につく。ちなみに、TV以外の「マスメディア」は、特に十代にとって無に等しい状態。「誰でも接触するメディアがマスコミ」というような概念は、消失している。

【ご紹介】:
私が編集に携わっている「Media×Tech」から新着記事です。長いので上下に分割しましたが、ご存知古田大輔氏が、デジタルジャーナリズム時代のキャリア・スキル形成について持論を語ってくれました。
【ご紹介】:
昨日もご紹介した古田大輔氏へインタビュー記事。後編を掲載しました。ぜひ一読下さい。