Disruption This Week—–3/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月28日から2020年10月2日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ショーケースは、発行元が選んだニュース画像やサマリーを、グーグルのニュースセクションにパネル表示する。個々のストーリーパネルをクリックすると報道機関のウェブサイトに飛び、全文が読める仕組みだ」。——すでに、Googleが、一部の地域で試行的に、ニュース記事への支払いを含む新たなコンテンツディスカバリの仕組みを提供することは紹介した。今回の「Google News Showcase」報道は、その具体的なイメージを伝えるものだ。従来のGoogle Newsとどう区別(もしくは連携)するのか、まだよく分からない点があるのだが。

 

 

米大統領選をめぐる第1回のディベート。CNNはNielsen調査によって「少なくとも7,300万人の米視聴者が見た」とする。「少なくとも」は、広範なストリーミング視聴者を計測不可能だからだ。記事は、代表的なライブストリーミングTwitchでディベートがどう視聴されたかを伝える。

 

 

「アマゾンジャパンは府中、上尾、久喜、坂戸に4つの物流拠点のフルフィルメントセンター(FC)を開設し、合わせてFCは21拠点となる。
久喜はすでに稼働し、4万5800坪、府中は9400坪、坂戸は2万3500坪、上尾は2万2600坪で、それらはいずれも10月から稼働予定」。——破竹の勢いのAmazon、書籍や雑誌流通において同社のロジスティクスが重大な基盤であることにもちろん敬意を表するが、直前の記事で紹介したような、危険、過重な労働環境に陥らないことを願う。

 

 

出版社、メディアを対象にAI技術サービスを提供するEchobox、メディアらによるFacebookへのニュース投稿25万件を分析。メディアによる投稿が多すぎるか、少なすぎるか、その投稿間隔によって、記事へ振り向けるトラフィックを変化させていることが明らかになった。特に投稿間隔が10分未満では、投稿へのトラフィックが減少、さらに5分未満では、急速に減少した(記事内にチャートあり)。

 

 

「ドイツのデュッセルドルフ大学病院でランサムウェアが救急医療を妨害し、警察が『過失致死』容疑で捜査を開始した。サイバー攻撃が史上初めて、患者の死亡に直接つながったケースだ」。

——ランサムウェア攻撃は、基本的にゆすりによる金もうけが目的なので、人命がターゲットにされたものではないとしても。このような事態が出来することは今後も見込まれる。

 

 

米New York Postの報道によれば、米大手通信会社傘下のVerizon Mediaは、損失が止まらない傘下のHuffPostの売却先を見つけるべく“奔走”しているという。同メディアは新型コロナウイルスの影響で損失が加速しているとする。

 

 

「『見出し』『短文』などのスタイル別に、独自のスタイル転移技術によってスタイルの特徴を再現した要約を生成します。『速報テロップ向け短文スタイル』の場合には、『だ、である調でニュースの要点をまとめた短文約50文字』を生成するなど、現在は6スタイルの要約に対応しています」。

——新聞や放送など、各報道機関が持つ起承転結などフォーマットを分析しているのではないかと想像。気になるのは、要約の対象ニュースと、要約文そのものの権利をどう見なしているのかという点。“縛り”を限定すればするほどビジネスへ応用する道が開けてくる。

 

 

スイスで1833年に創業したというメディアグループRingier。現CEOのMarc Walder氏が13年間に超積極的なデジタル化を推進。EC、マーケットプレイスなどへ100超ものメディア事業を拡張。いまや利益の7割以上はデジタルから、と述べる同氏のオピニオンを中心にまとめた記事。“デジタルテクノロジーがあってこそ”のメディア事業とは。

 

 

「新しいプレイリストでSpotifyが優先させたいのは、更に音楽をレコメンドすることより、政治やビジネス、スポーツのニュースであることは、音楽の未来を考えるアーティストや音楽業界関係者にとっては、気になるポイントであるはずです」。

——これは、つまるところ、個人個人に最適化されたラジオ番組をアルゴリズムが生成するものと受け取れる。好きな楽曲も流れてくるし、合間には、時事ニュースも流れる。だれもが音楽やニュースそれぞれの最適化について考えるが、Spotifyはその全体を意識しつつある。

 

 

「ディープフェイクを技術的に暴くためには、動画技術者の知識、動画開発者の知識が必要です。しかし、それはコインの片側に過ぎません。ジャーナリズムの知識も同様に重要です。ジャーナリズムの知識は『あるディープフェイクと疑われる動画の中の情報は論理的か?』という疑問が生じる際に必要です」。

——ドイツ最大の通信社「ドイツ通信社(dpa)」におけるファクトチェック態勢と、ドイツにおける誤・偽情報をめぐる情勢。

 

 

【ご紹介】:
Media Innovationに、SmartNewsのクーポン戦略について、担当の町田雄哉へのインタビューが掲載されました。

Disruption This Week—–25/9/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月23日から2020年9月25日まで。

 

 

Spotify、ポッドキャストの提供元として組んでいる米Chernin Entertainmentとの提携を、TVや映画制作にまで拡張することを発表。音楽ストリーミング→ポッドキャスト→映像ストリーミングへと、Spotify拡張戦略が徐々に見えてきた。Spotify自体が映像ストリーミングプラットフォームへと変身していくのか。あるいは、そのような各プラットフォームへの配給元となるのか。

 

 

メディアビジネス専門メディアの「Digiday」編集長Brian Morrissey氏が退任。自らのニューズレター(メルマガ)を創刊するということだ。先日はVergeを退社したCasey Newton氏についても紹介した。ニューズレターで“自分メディア”ビジネスを開始という点で共通だ。

 

 

「アバーズ(=人権団体、Avaaz)は反ワクチン運動のような医療デマや、ときには命の危険もある新型コロナの誤った治療法の主張、死者数が過大に集計されているという事実無根の記事などを広めていた、合計82のWebサイトを調査した」。

——記事にもあるが、たとえば、新型コロナウイルス関連の偽情報をめぐっては、これがデマ化し、誤った対症療法に走って命を落とす事例が数多く報告されている。偽・誤情報は命に関わる危機なのだ。

 

 

「パンデミック以降、アプリでの利用時間が最も伸びたのが『ソーシャルメディア』『動画』『メッセージアプリ』だ。それ以外に関しては、それほどはっきりとした影響は見られず、ウェブサイトへのトラフィックが増えた可能性もある」。

——米eMarketer調べ。つまり、米成人消費者のトレンドを見たものであることに注意。新型コロナウイルスの脅威下にある消費者がWeb回帰の傾向が見えるのは、やはり家庭ではPCやタブレットの利用が促進される傾向があるからか。

 

 

世界的なファクトチェッカー団体IFCN、大統領選をめぐる偽・誤情報の流通に対抗すべく、AFP、Washington Post 、PolitiFact、USA Todayなど主要メディアと主要ファクトチェッカーらと協業する「FactCHAT」を立ち上げ。自動化、データ標準形式、メッセンジャーなどを駆使する。

 

 

「『価値をパッケージ化して届ける』という従来のコンテンツプロバイダーの仕事は、その根幹から危機に瀕しているわけで、私たちは自分たちの仕事を改めて抽象化してとらえなおし、その中でこれからも求められる価値とは何かを見つめ直す必要があります」。

——KODANSHATechの長尾氏によるオピニオン。パブリッシングを“抽象的”に捉え直すという、論点が新鮮。抽象化すれば、印刷・流通もデジタルも等価だろうという意見もあるだろうが、印刷・流通と異なる付加価値もデジタルでは可能になる。そこに未来を見いだしたい。

 

 

The Vergeで尖鋭なテック系プラットフォーム批判の報道を続けてきたCasey Newton氏が、Vergeを退社、自らのニューズレターメディア「The Platformer」を開始する。利用するのはニューズレター発行基盤のSubstack。New York Timesの記事はこのようなトレンドを追う。

 

 

「新型コロナウイルスによるパンデミックは、オンライングローサリーからマルチプラットフォームゲーミング、ストリーミングサービスに至るまで数多くのテクノロジーの浸透を加速させた。しかし恩恵を受けなかった部門が、従来型の有料テレビだ」。

——eMarketerの調査によると、「2020年に米国の600万世帯が有料テレビを解約し、コードカッター(有料テレビの契約をやめる)数は累計3120万世帯となる」のだという。パンデミック前からのトレンドではあるが、それを加速させたという論点はもう少し掘り下げてみたいところ。私はストリミーング系サービスがそれぞれマーケティング(特に、○×か月無料というような)が、乱立したことがポイントではないかと想像している。

 

 

米BuzzFeed Newsが米財務省が作成した内部文書(“FinCEN文書”と呼ぶ)を入手。世界の調査報道ジャーナリストをネットワークするICIJと連携して、88か国400人による、世界有数の金融機関と各国政府がそのマネーロンダリングを黙認してきた振る舞いの暴露が始まった。

 

 

「規制当局は、共有されたコンテンツでパブリッシャーが報いを受けられるよう、独占的なテックプラットフォーム上での『条件を平等にする』ことを望んでいる。だが、批評家やプラットフォーム側は、規制当局はインターネットをベースとしたビジネスモデルを理解しておらず、充分に適応できていないと証言している」。

——各地域でこの種の小競り合いが生じているようだが、競争環境が行き着いた末の議論なので、今回はハードランディングの可能性が生じている。

 

 

【ご紹介】:
米国市場で新たな大統領選報道のための機能やサービスをリリースしたばかりのSmartNews。米市場での取り組みや体制について創業者のひとり、浜本階生が語りました。

 

 

【ご紹介】:
SmartNews米国版が、大統領選への投票をめぐる各種情報を集約し提供する「Election 2020」をスタートしたことを、Media Innovationに取り上げてもらいました。

Disruption This Week—–12/9/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月1日から2020年9月11日まで。

 

 

「Canalysが発表した新たなデータによると、スマートフォンの出荷は今年、前年比10.7%減となることが見込まれる。ただ、注目すべきいくつかの明るい要素がある。まず、5Gスマホの出荷は引き続き増えている」。

——自宅を出ないことがデフォルトになると、モバイル機器への需要が変化する、というのは当然。5Gはそのような“モバイル”というパラダイムを変える推進力になるのかどうか。

 

 

TikTok、今週、記者らに同アプリのアルゴリズムについて解説。「機械学習を利用し、他のクラスターのユーザとの距離の近さ、ユーザが好むコンテンツに基づき、次の動画を提示」「同じようなコンテンツを複数せるなど、ユーザーを飽きさせるような冗長性を避ける」などだ。同社は米市場で生き延びるために、“透明性”を高める努力を続けている。

 

 

“建設的なジャーナリズム”。追及を主にするトピックスに対し文字通りポジティブなトピックスを扱うが、同時に課題の解決法やその成果などに着目する。このようなニュースを集める「Squirrel News(リスのニュース)」がドイツのNPOから。記事はその創業者に取材したもの。

 

 

米Yahoo Sports、今秋からスタートするNFLのライブストリーミングに、家族や友人らと同時観戦する機能「WatchTogether」や、競技映像にデータを合成表示する「Yahoo Sports PlayAR」などを加えると発表。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「とはいえ、IDFAの撤廃が市場に及ぼす影響を推測するのに必要な基準が、アドテクベンダー数社のあいだで統一されない、もしくは公開されないのであれば、賢明な予算立てなど不可能なのである」。——業界(特にメディアの?)の反発に配慮した格好で、Apple新iOSでのユーザトラッキングの事実上禁止が先延ばしされた。しかし、記事は、IDFAの廃止で過去のトラッキング手法の代替アプローチがない以上、悲観的な状況に変わりがないとする。

 

 

購読制スポーツメディア(ペイウォール内だけでなく、最近はポッドキャスト広告も開発中だが)の米「The Athletic」、新型コロナウイルス禍でスポーツ競技がすべて中止に追いやられ、6月には従業員解雇なども実施したものの、どうにか存続にメドをつけ、購読者100万人に到達という。経営者らが取材に応じたが、アグレッシブで知られる共同創業者らも、3月末には、自社の存続に悲観的な気持ちになっていたという。

 

 

「結局のところイベントのトータルの長さは1時間が精一杯かなと考えています。30分でメインを終えて、あとはインタラクティブな(Q&Aなど視聴者との対話の)時間に15分、残りは予備として15分といった感じで…」。

——とても充実したノウハウ論。

 

 

英The Guardian、「オピニオン欄」にGPT-3が全編執筆した論説「ロボットは平和的な存在であること」を掲載。「なぜ人間はわざと自分を危険にさらすことを選ぶのか? 人間は地球上で最も高度な生物ではないのか?」など外池ながら論述していく。

 

 

「講談社のウェブメディア『現代ビジネス』の編集部員だった長尾さんは、使っていたCMS(サイトのコンテンツ生成ツール)で、記事だけではなく、ソースコード(プログラム言語)もさわれることを知った。試しにフェイスブックのいいねボタンの位置を動かす修正を加えた…」。

——“なぜ合同会社?”という、けっこう重要な問いへの回答もあり。学びの多い記事。

 

 

Google検索をめぐる最新状況をBacklinkoが公開。いろいろと驚くべき結果が開示されている。
検索者の約6割が、検索結果からたった1つのページにしか遷移しない(リストトップを占めることが至上命題)。4つ以上に遷移するのは6%。また、利用者の23%が検索語オートコンプリートを利用。また、約2割が連動広告をクリックなどだ。

 

 

新型コロナウイルスを機会に、メディアは新たな成長モデルへ転換。広告収入に苦しむ米「Quartz」は、2019年初に有料購読制を導入。だが、当初は伸び悩み。コロナ禍を機に、関連情報のニューズレター「Need to know」で勝機をつかんだ。他の業界事例なども紹介する記事。

 

 

「月刊誌の増加は前月と同じくコミックの貢献で、『鬼滅の刃』(集英社)21巻の初版が300万部刊行されたことによっている。
まさに今月だけでなく、今年は『鬼滅の刃』様々であるけれど、いつまで続くのか。そして来年も同じようにヒットするコミックが生まれるかどうか」。——業界全体の数字を上向かせるぐらいのインパクトある『鬼滅の刃』。一昔前ならこれで自社ビルだろうが、いまであれば、作品開拓とメディアのイノベーションに投資を振り向けることは喫緊。そのような気配が見え隠れしている。

 

 

【ご紹介】:
私が編集にも携わる「Media × Tech」に、メディアビジネスに拘る方々にインパクトのある論考が掲載されました。ぜひご確認を。

新しいウェブアプリを一般公開しました

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

 

 

【ご紹介】:
私も理事として参加しているFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)から、一般の方々向けにファクトチェックの現況を手軽に確認してもらえるWebアプリ「ファクトチェックナビ」がリリースされました。ご活用を。

Disruption This Week—–28/8/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年8月24日から2020年8月28日まで。

Facebookの「コア・データサイエンス」チーム、Facebookサービス上のコミュニティで生じる偽情報・誤情報・ヘイト言動などの投稿を機械的に検知する新たな原理に基づくシステム「TIES」を、その論文とともに公表。記事はその論文ブログの開設。なかなか難しい内容だ。

 

 

Facebook、LinkedIn、Twitch、TwitterそしてYouTubeなど、30ものライブストリーミングプラットフォームに、ストリーミングコンテンツを配信できるRestreamが、新たに資金調達。収益は、ストリーミングをさまざまに編集・加工できるRestream Studioからのフリーミアムで得る。

 

 

米Ciscoのセキュリティ部門「Talos」が、国家レベルの支援を受けた偽情報工作による脅威を分析した最新リポートを公表。それによると、偽情報工作のためのインフラ、ツールのオープンソース化が進展。安価かつ手軽に深刻な脅威を作り出せる環境が広がっているとする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「フェイスブックはアプリ開発者への通知で、同社の『オーディエンス・ネットワーク』事業への影響を明らかにした。同事業は、ユーザー向けにフェイスブック以外のアプリへも広告を配信することを可能にしている」。——Facebookの広告ビジネスは、Googleのそれがそうであるように、自社の最も強いサービス群の中に広告を掲載して広告主から収入を得るのと同時、他のWebサービスやアプリ等にFacebookのターゲティング技術を活用して広告を配信して稼ぐ。Appleは、次のアップデートで、iPhone上のアプリやブラウザ(Safari)でユーザターゲティングをこれまで以上に厳しく締め上げる。Facebookがその打撃の可能性を初めて認めた。

 

 

Reuters Instituteによる英国内での調査分析。それによると、ニュースを見る視聴者の3分の1(35%)が、国内のパンデミックの状況が、ニュースメディアの取り上げ方によって悪化していると考えているとする。良くなっているは7%に過ぎない。残りは、良くも悪くもしていないとする。

 

 

ジャーナリズムにおけるAI利用の最新トレンドを整理した論。すでにデータから記事を生成する機能は、大手メディアが活用、毎週数十万本も生成されている。英FTでは、記事生成でなく、扱う情報群からトレンドやバイアスを見つけるのに使ったり、読者分析に活用中だとする。

 

 

オーストラリア政府が、GoogleおよびFacebookを念頭に、デジタルコンテンツを配信するパブリッシャーらに対価支払いや、アルゴリズム変更の開示などを求める規制法案のパブコメ期限が近づいている。Googleは公式ブログで、規制の動きに対し実施不可能と、反発と懸念を表明した。

 

 

米国内で盛り上がりを見せる、タレントやセレブにユーザ専用のビデオメッセージを依頼できる「Cameo」の話題。
俳優、アーティスト、アスリートらが、自身の設定価格を設けて、購入したユーザのリクエストに応える。数千ドル払えば、大物がバースデーソングを歌ってくれる?
コロナ禍で仕事を失っているタレントらのアルバイトの場として成長してきたが、この仕組みは、メディアでも利用できると思う。

 

 

「有料、無料を問わずに電子書籍を利用していると回答した人に、利用している電子書籍サービスやアプリを聞いたところ、『Kindleストア』が26.2%で最も高く、2位は『LINEマンガ』が25.0%、3位は『ピッコマ』が15.1%」。

——KindleにLINEマンガが肉薄ということ自体が、自分には驚き。加えて、3位の「ピッコマ」と、知らなかったサービスまで、上位に。オンラインコミックス市場に認識を追いつかせるのは苦労。

 

 

米国には巨大化しすぎたプラットフォームに対して批判的な論調をもつジャーナリストが増えている。米メディアThe Vergeを中心に、特にFacebookに対し歯に衣着せぬ批判的論陣を張るCasey Newton氏もその一人だ。同氏が、テック業界からの“嫌われ者”の立場について語る。

 

 

【ご紹介】:
私も編集に携わるSmartNewsのオウンドメディア「Media×Tech」から新たな記事。老舗出版の早川書房のデジタル活用について、山口 晶執行役員から聞きました。

Disruption This Week—–14/8/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年8月11日から2020年8月14日まで。

 

 

Reuters、歴史的ビデオの発見を迅速化するAIベースのツールを発表。Googleのファンドの支援を受けて開発。ベータ運用を始めた。動画内の人間の出演時間をタイムスタンプし、音声からテキストへのトランスクリプトや翻訳を作成することができるという。日本でも報道映画などを対象にこの種のサービスが誕生するといいし、コンテンツホルダのビジネスチャンスにもなると思う。

 

 

ByteDance社、同社がインドネシアで展開していたニュースアプリにおいて、中国政府に批判的な記事の検閲を行っていたと、関係者がReutersに証言。ByteDanceはニュースアプリ各国版(日本にも)を提供している。米政府の排除令に傍証を与える報道と言えそうだ。

 

 

「この方式は、News+の会員のフラストレーションの原因を1つ取り除く。月に9.99ドル払うと、The New YorkerやThe Wall Street Journalなどのパブリッシャーの有料記事を読めるが、それはパブリッシャーのウェブサイトではなく、Newsアプリからでないとアクセスできない」。

——この議論で、パブリッシャーが怒るとすると(実際にそのような声について記事は触れているが)、Webワールドと(モバイル)アプリワールドの観点のギャップがある。このケースではApple+の有料購読者にとっては、ニュース体験の改善が見込まれるメリットをもたらすからだ。このギャップは、実はいまも随所に残っており、利用者、パブリッシャー、そしてアプリ開発者の悩ませている。

 

 

「状況はこれまで以上に『スプリンターネット(splinternet)』に近づいている。
テック業界のリーダーたちは、世界中の国家が他国のウェブサイトや製品をシャットアウトすることで、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)が終焉を迎える可能性があると長い間警告してきましたが、8月5日にトランプ政権が提案した新しい計画は、アメリカがその方向に一歩踏み込んだことを表している」。——十数年前から指摘されてきた、“インターネット上で起きる国家間の分断”がスプリンターネットが現実のものになってきている。実際のところ、ロシア、中国、北朝鮮と、強権的な政治体制を敷く諸国では、ネットの本質である双方向性を阻害する仕組みが組まれてきているわけだが、いまや米国をはじめとする対抗軸もあからさまな姿を見せつつある。

 

 

【全文閲覧には要購読】:
「調査では、ライブエクスペリエンスに対する支出は過去30年間で70%増加し、コンテンツを自動的にカスタマイズすることが重要と答えた生活者の割合は67%という結果が示された。その一方で、パーソナライズされた広告コンテンツが倫理的であると回答した割合は17%、ニュースフィードでは24%と、広告やニュースフィードが倫理的かどうかについては、消費者は懐疑的であることが見受けられた」。——コンテンツの表示について、消費者の揺れる判断。ライブエクスペリエンス(さまざまなイベント性のある事象)に強い関心が取り出された点にも、興味を惹く。

 

 

大成功だった8年間の任期を終えようとしている、米New York Times CEOのMark Thompson氏、気楽になっているのか、CNBC Proの広範囲な質問に大胆に答えている。興味を惹いたのは、大流行のポッドキャストの先にあるニュースの未来形は、単に聴き流すモデルではなく、問えば答えるようなフォーマットだとしている点だ。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ネットフリックスが大事にしているのは、『ユーザーが観たい作品を探すまでの時間をいかに短くし、実際に観ている時間を最大化するか』ということです。
そのためには、個々人に合った作品をおすすめするパーソナライゼーションは欠かせません。
どのようにして行っているのか、詳しく説明しましょう。ステップは大きく3つ。①作品ごとに、ジャンルやテーマなどをタグ付けする②ユーザーの好みを学習する③その人に合ったおすすめを表示するという流れです」。——Netflixユージーニー・ヨウ氏のコメント。そのレコメンデーションの仕組みについて、踏み込んだ解説をしている。タグ付けは人間の仕事と明言している。

「『ボット』によって『いいね』や『シェア』を自動的に増幅させることも可能になり、そのようなサービスを提供する業者もある。
そしてこのような『フェイクエンゲージメント』がフェイクニュース氾濫を後押ししている、とも指摘されてきた」。——コメントの書き込みや「いいね!」などのリアクションが、そのコンテンツへの信頼感や親しみを醸成すること、さらに、その種のリアクションを偽造できることは知られてきた。したがって、本論で紹介されている研究結果は、概ね想定されることだが、依然としてボットによる偽造対策が進んでいない事態が重要だと思う。

 

 

いま、ポッドキャストに代表されるオーディオビジネスに何が起きようとしているのかを、段階を分けて整理した論。完成段階として、収入モデルを内部化したアグリゲーションプラットフォームの誕生期に入ろうとしているという論。そのリーダーはもちろん、Spotifyだ。

 

 

「フェイクニュース問題に取り組んできたジャーナリズム組織『ファースト・ドラフト』は3月に公開した『コロナウイルス:責任ある報道と倫理』という記事で、13のルールを紹介した」。

——もちろん、偽情報の流布においては、“確信犯”の存在も重要だ。だが、他方、そこかしこで、誤った情報発信による過誤も指摘される。つまり、情報伝播のメカニズムを見誤ることによって、意図せぬ誤情報としての広がりを招くというリスク。このメカニズムについても、理解を深めていく必要がある。

 

 

【ご紹介】:
「デマはあらゆる国で拡散されています。今回、国連の新しいキャンペーン『Pause/ちょっと待って』をFIJとともに展開することは、日本におけるデマ拡散の防止と『シェアする前に考えよう』という考えの浸透に大きく貢献すると信じています」。——私も参加しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)は、国連が行っている「ちょっと待って」キャンペーンに、日本から協力している。5つの“W”について、注意を向けていきたい。