Disruption This Week—–31/5/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年5月27日から2019年5月31日まで。

ゲーム機が消える? グーグル参入の衝撃

日本経済新聞社 〜Visual Data

「ソニーとMicrosoftは17日、戦略的提携で合意したと発表しました。ゲーム機の勢力争いで激しいつばぜり合いを続けてきた両者。その提携は変革期を迎えたゲーム産業を象徴します。台風の目は、Googleが3月に披露した新しいゲームサービスです」。

——取り扱っている内容も面白いが、日経がここで試みているビジュアルストーリーテリングにも注目。大きなPCでももちろん楽しめるが、「ストーリーズ」形式でスマホにもフィットしそうだ。

ストリーミング全盛で、市場の分散が拡大する一方の音楽業界。そこで権利者を悩ます“小さくて巨大な問題”。それは、楽曲をめぐるメタデータの不整合。
楽曲データに付される種々の権利者情報は統一されず、支払われていないロイヤルティは巨額に上ると問題を指摘する記事。たとえば、SpotifyとApple Musicでもメタデータのフォーマットは異なり、極端な場合には、“ファーストネーム、ラストネーム”といった順番の違いさえ、メタデータを収集するデータベースで異なるケースがあるという。
「今回明らかにされた研究結果によると、クッキーの使用の有無によるメディア側の広告収入の違いは、1広告あたり0.00008ドル(0.01円)でしかなかった、という」
「今回の研究結果は、メディアにとってクッキーの使用(行動ターゲティング広告)は、プライバシーリスクへのコストを上回る価値があるのか、という疑問を投げかける」。

——広告効果と広告価値との悪循環。膨大に清濁併せ呑んで効果を出す仕組みから逃れられない。この状況でブランドセーフティを維持するのは、イタチごっこようなものだ。

モバイル通信および機器関連の業界団体GSMアソシエーションによる「Mobile Economy」シリーズ2019年版。世界の15歳以上人口が53億人。スマホ台数は40億台に。その他、数々のマクロトレンドが見えてくる資料。
「日本ではデイリーアクティブアカウントの7割がストーリーズを利用(投稿または閲覧)しており、『非常に高い成長を遂げていて、広告面でも注目されている』(フェイスブックジャパン クライアントソリューションズマネージャー リードの竹林明日美氏)という」。

——ストーリーズ、日本で非常に受け入れられているという。ある種の“先進国”。フィード(もしくはタイムライン)形式は、衰退していくのかどうか。

「ニコニコチャンネルには現在、約1400種類の有料チャンネルが存在。niconicoとは異なり、チャンネルごとに会員登録(月額540円、税込)する仕組みで、ドワンゴは課金収益から事務手数料(約14%)と消費税を差し引いた金額の83%を配信者に分配する。人気配信者の累計収益の平均は、上位100チャンネルでは約2億円、トップ5チャンネルでは約4億円と高額だ」。

ーーサブスクリプション収入のレベシェアという、新しいビジネススキームをリードする「チャンネル」。

最近20年間で初めて営業利益を生み出すなど、The Guardianは、購読者および寄付金など個人からの収入が経営改善を下支え。寄付はすでに100万人を突破。2022年までに200万人をめざす。寄付の原動力は調査報道。第4次企画が進行中。米国内で15万ドルの拠金獲得をめざす。
「Facebookが独自の仮想通貨を開発しているとの話は2018年終盤に浮上した。傘下のWhatsAppで、送金に使えるデジタル通貨を開発中だと報じられた。価格が急激に変動することがないよう、米ドルにペッグ(固定)されたステーブルコインの開発を計画しているとされていた」。

——昨日ITmedia NEWSの記事として紹介した英FTの記事がらみを別の角度で。妄想を広げすぎずに解釈すればWhatsApp、MessengerなどでP2Pトランザクションの実現が目指されている。さて、これが本体(Facebook)のピボットへと及ぶのかどうか。

米The Dow Jones傘下のWall Street Journal、従来どの記事に対しても読者はコメントを投稿することができたが、先月より有料購読者のみ投稿可へと変更。コメント欄の品質向上策とするが、実際にその効果が数値に表れるようになったとする記事。
【ご参考】:
「ソーシャルメディアは、配信されるニュースはユーザーの興味関心に沿ってアルゴリズムで決めることが多い。ところがスマニューは米国では真逆の発想を取り入れ、利用者をのばしている」

——朝日新聞GLOBE+がスマートニュースの米国でのアプローチを取材して頂きました。

Disruption This Week—–12/4/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年4月9日から2019年4月12日まで。


 

米New York Times広告担当幹部、1年前「プロジェクト・フィール」としてスタートした、感情ターゲティング広告商材の成果をインタビューで語る。多くの読者ボランティアから得られた「感情」スコアリングから、18要素を抽出し、記事を分析。広告とマッチさせ高い効果を得ているとする。

 

Facebook、ニュースフィードからニセ情報や過檄な主張のコンテンツを発見、そのリーチを抑止するアルゴリズム“クリック・ギャップ”を実装したことを発表。この種のコンテンツが、ニュースフィード上では大量にリアクションを生みながら、Web上では被リンク数が少ないとのギャップに着目したもの。Googleの「ページランク」的アプローチを取り入れたもののようだ。

 

「現状、クリエイターはTwitterをやって、ブログをやって、Instagramをやって……と、それぞれバラバラに集客をして、本はAmazonで販売する、といった行為をしています。集客とクリエイティブとビジネスが、ぜんぶ別のプラットフォームで行われている状況なんです。これはうまくいかないですよね」。

——躍進中のnoteについて語る加藤さん。すごく共感。自分はといえば、強力なエンジンを分散的につなぎ合わせるプラットフォームモデルを考えたい。一つのソリッドなモデルは古びやすいので。

「個人課金ビジネスで押さえておくべき KPI はここに書いてある三つ(売上、ユーザー数、ARPU)になります」。

——シバタナオキ氏の学べる記事。メディアビジネスを考える際の重要なエッセンスが盛り込まれている。


 

ファンドやVCが1億ドルを投入するPodcastサービス「Luminary」が今月中にもサービスインへ。知名度の高いポッドキャスターを約40タイトルを準備中で、新規登録者には月額8ドルで広告非表示。ポッドキャスターらにとっては、配信サービスとしてLuminaryを利用することもできるクラウドサービスでもある。

 

“クオリティメディア”の誉れ高い米「NewYorker.com」、編集長が語る、2010年以降顕著となった“スロージャーナリズム(スローメディア)”の動きと、テクノロジー時代の情報過剰摂取の限界を語る。スローは、満足、継続、そしてスマートと結びつくとする。

 

「新製品を開発するとき、他社が同様の製品を欲しがっているとしたら、それを無視するのではなく『Snapchat化』を許して、部分的にコントロールするほうが賢い。そうしなければ、Snapが提案してみんなが欲しがっているものをFacebookがプラットフォームに組み込んでしまう」。

——興味深い記事。モダンなビジネス論。プラットフォームと“うまく”やっていく方法といってもいい。

スポーツ専門の米国新興メディア「The Athletic」。米国内の無数のローカルスポーツをカバーする購読型メディアだが、なんと一挙に20超ものオリジナルポッドキャストを立ち上げると、これまた新興Axiosが報じている。Webサイト本体と同様、完全にペイウォール、すなわち購読者でないと聴けない、広告フリーの番組になるという。

 

NBC NewsとWall Street Journal、国内を対象に世論調査を実施。Facebookに対し、プライバシー保護の点で不信を表明したのは、回答者中6割にも及ぶ。国論の分断効果を指摘する一方で、テクノロジーのもたらすメリットを多くが肯定し、大手IT企業の分割にも慎重という結果。
アイルランドの報道企業Journal Media、読者が求める調査報道テーマを収集し、同時に拠出を募るクラウドファンディング基盤「Noteworthy(注目点)」を開設、試行運用を開始する。年内に本運用開始をめざす。Google News Initiativeの支援プロジェクトだ。

Disruption This Week—–5/4/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年4月1日から2019年4月5日まで。


 

「著作権法改正前の段階で、元著作物の利用方法として明文上認められていたのは『Web検索サービスにおける対象サイトのスニペット・サムネイルの提供』だけでしたが、今般の改正により『軽微利用』に該当すれば元著作物の利用が認められることになりました」。

--もちろん、「軽微利用」の限定があるものの、各種の革新的な検索サービスの法的な整合性が認められている。次は、軽微利用の境界線議論だろう。


 

サービスイン1週間、「Apple News+」は購読に値するか? 英語圏で始まったサービスをレビュー。Apple News Formatと(ほぼ)PDFの2種類のフォーマットが混在するUXを許せるなら、WSJやNew Yorkerの個別購読の足し算よりおだろうとする。個人的に“謎”だった、「マガジンスタンド」型サービスと「ニュースヒフィード」型のそれをどう統合するのか? に答えが見えた。
大手老舗メディアブランドAtlantic Media参加の米「National Journal」、5年かけて広告収入を徹底的に縮減。全面的に読者への課金収入(サブスクリプション)へと転換を進めている。

 

「ボウルズは、こうしたデザインがアプリのなかで“遊び”や“セレンディピティー”を促す役割を果たしている可能性を示唆している。このため、利用目的がはっきりしたアプリよりも楽しく使えるのだ。しかし、このようなアプリデザインは年齢層の高いユーザーを近づけないためのものだという説もある」。

——個人的に関心を持っていて、放置していたテーマをていねいに論じたもの。「ストーリー」フォーマットの誕生背景でもある。これをアプリ設計上のイノベーションだとすると、このような革新の再現が可能なのかどうか。


 

「テキストを自動作成するボット『トビ(Tobi)』は、スイスの大手メディア、タメディア(Tamedia)のために、2018年11月にスイスで行われた選挙結果に関する記事を4万本近く書いた──たった5分で。
…報道機関は、記事の作成から個人の関心に合わせたニュース配信、時にはデータ検索による重要記事の選別まで、トビのようなボットに頼るようになっている」。——AI執筆記事が調査報道にまで及ぶ可能性については、いささか…。データジャーナリズムやビジュアリゼーションの駆使によって新たに見えてくるものもあるだろう。マイニングのように、人間が意図しない“事実”を発見する可能性もあるが、その重要性を発見するのは、人間だろう。


 

「もはや紙に戻れなくなってもまだ定まらない。それはテクノロジーではなく、人間の活動と精神の基盤となるエコシステム(生活)の問題だからだ。ニュース・ビジネスは非常に精密なシステムだったから、エコシステム丸ごとの再構築は不可能に近い。ゼロからつくるほうが容易だ。しかし、既存のメディアは前者を選ぶ」。

——アナログメディアとデジタルメディア。とっくに海峡を越えたと思われた課題だが、その生態系が安定しない。旧くて新しい議論。

New York MagazineやThe Cutといった多彩なクオリティメディアを擁するNew York Mediaで「CPO」(Chief Product Officer)を務める人物へのインタビュー。読者層や性格の異なる各種メディアに対し、共通のペイウォール基盤を構築。“ダイナミックペイウォール”として運用する。その背景などを説明する。

 

「音楽市場の成長を牽引したのは、音楽ストリーミングで、売上高は前年比34%増加し、89億ドル(約9901億円)を達成。
音楽ストリーミングは全体の収益シェアでは46.9%まで拡大しており、2019年には50%を超えることが予想される。
サブスクリプション型音楽ストリーミングの売上は32.9%増加」。——ここ数年、目を見張る復活を見せる音楽市場、その中心はストリーミングであり、サブスクリプションサービス。私たちは、産業の破壊的創造の現場に立ち会っている。


 

Facebook、ユーザーが“なぜ私はこの投稿を目にしているのか”(why am I seeing this post?)タブを管理機能に追加と発表。日本語版ではまだ見あたらないが、アルゴリズムが、そのパーソナライズをどう実施しているかにつき透明性をもたらすことをめざす。

「今回の中国、九州地方での発売の遅れは、その一端が現実化してしまったことを告げている、しかもそれで問題解決とはならないのである。それから最も気になるのは、これがさらなる中国、九州地方での雑誌離れにつながり、dマガジンなどの電子雑誌への移行を促すのではないかということだ」。

——出版物に限らずだが、運輸運送の問題は社会問題化している。と同時に、“物流”で支えられた出版流通の姿は、21世紀に変わらざるを得ない。消費者自身も大胆な変化を前向きに受け入れていくべきではないか。電子流通にインセンティブを設けていくべき。

Disruption This Week—–22/2/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年2月17日から22日まで。

[番外編]藤村厚夫 新興メディア、一斉に人員削減 広告収入、成長軌道届かず
[番外編]藤村厚夫 Axios:広告とサブスクリプション、融合は可能か?[前]

Disruption This Week—–8/2/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年2月4日から8日まで。

[番外編]Kelsey Arendt Predicting sources of traffic to content in 2019