Disruption This Week—–23/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月20日から2022年12月23日まで。

ネトフリ広告付きプラン、普及まだ先
【有料購読者向け記事】:
「今回のデータが公表される数日前、ネットフリックスは広告付きプランの保証視聴回数を達成できず、その結果出稿されなかった広告分について、返金に応じていると業界誌ディジデイが報じていた」。

——すでにAntennaの調査などについて紹介したが、WSJも、Netflixの広告表示付き廉価版の試みに、否定的な報道。ただし、記事中にもあるが、まだ、滑り出し1か月の段階。今後の展開に引き続き注目すべき。

Porn, Piracy, Fraud: What Lurks Inside Google’s Black Box Ad Empire
「Googleは、広告販売パートナーの大方を秘匿する唯一の主要広告プラットフォームだ。つまり、Googleは広告を掲載するサイトやアプリ、その背後の人々や企業をすべて非公開としている」。
それにより驚くべき偽情報で荒稼ぎするサイトでの広告収入を、匿名のサイトオーナーと折半しているとする詳細な米ProPublicaの調査報道。
米Axios、記事「箇条書き」に活路 ネット系停滞と一線
【有料購読者向け記事】:
「アクシオスは、立ち上げ前に既存メディアの欠点を徹底的に分析し、記事が長すぎるとの結論に至ったという。忙しい読者が短時間で要点をつかめるように、記事は『スマート・ブレビティー(賢く、短く)』と呼ばれる箇条書き方式で提供する」。

——傾く老舗メディアに挑む新興メディア……という図式が揺らいだここ数年。新たな挑戦者はAxiosと見なす記事。ビジネスの仕方、稼ぎ方などに目が行き届いた新興メディアへ注目が集まる。

ByteDance Inquiry Finds Employees Obtained User Data of 2 Journalists
【有料購読者向け記事】:
TikTokおよびその親会社であるByteDanceの従業員らが、米ユーザのデータに不適切にアクセス、監視活動を行っていることはすでに報道されてきたが、今回、新たなに米ジャーナリストの個人データをTikTok従業員が漁っていた事案も内部調査から判明した。
メタバース・ビジネス新展開
25年前に亡くなった
伝説のラッパーが復活ライブ
【有料購読者向け記事】:
「(早逝したラップ・アーティストの)スモールズの超リアルなアバターは、見事な技術的偉業というだけのものではない。メタバース・プラットフォームが普及すればすぐに直面することになる、2つの大きな疑問に対する重要なテストでもある。その疑問とは、亡くなったアーティストのアバターのパフォーマンスを人々がお金を払って見るか、そして、そのビジネスは倫理的か、ということだ」。

——非在の人物をテクノロジーで甦らせる試みは、映画やこの種の芸術ステージ、そして親族と触れあっていたい私的な欲求などに応える産業となっていく可能性がある。この記事ではVRによる見た目の再現と新たな創造が軸だが、ChatGPTのような会話力の人工的な創造がここに組み合わされていくことになることは間違いない。その亡くなった人物の考えや声をAIが学習できれば、応用は広がっていく。

ワシントン・ポスト、SaaSで稼ぐ 2000媒体に基盤提供
【有料購読者向け記事】:
「会社は異なるがArc XPとアマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)には共通点が多い。例えば顧客の声に耳を傾け、矢継ぎ早に機能を追加することだ。最近は記者がスマートフォンで撮影した動画をサイトで生中継できる機能など『21年は機能追加数が過去最多だった』(広報担当者)」。

——米Washington Postが自ら内製開発したCMS「arcXP」をめぐる奥平和行記者による充実した取材記事。ただし、同氏が知ってか知らずか、arcXPをめぐる同社の経営は揺らぎ、その戦略は転換を遂げているのだが。メディア企業がテクノロジー事業(企業)を胚胎し育て上げることの難しさが伝わる。期せずしてVox MediaもCMS「Chorus」のディスコンを決めたと報道されている。

Slow fade for Google and Meta's ad dominance
“デジタル広告複占時代”の衰退?
米調査会社Insider Intelligence、2022年の米デジタル広告収入の48.4%をGoogleとMetaの合計が占めると予測(Google28.8%、Meta19.6%)。2014年以来初めて5割を下回る。2017年のピーク時には、54.7%だった(Googleは34.7%、Metaは20.0%)。
5 themes that governed the news industry in 2022 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
2022年、報道メディアをめぐる5つのトレンド。1) ジェネレーティブAI出現で制作自動化の動き、2) 印刷コスト増大でデジタル化進展、3) Web3、NFTが本格化、4) 改めて広告に頼るメディアも、5) “音声(ポッドキャスト)トレンド”加速
Finding new ways to reach news avoiders
ニュースをめぐるエコシステムは、“ニュース・ジャンキー(中毒者)”に向けて作り出されている。ニュースをよく読む人より、ニュースを大量摂取する人向けにビジネスが最適化されており、それがまたニュースメディアの首を絞め、“ニュース忌避”を呼んでいるとする貴重な論。
最近までCNNでアンカーをしていた筆者が、抜け出す方向性を示唆する。
2023年に最も注目すべきテクノロジーは、世界を変えうる技術革命「生成型AI」だ | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
【有料購読者向け記事】:
「AIは計算負荷が高く、高価なデータセンターを必要とするため、政府や超大企業しか利用する余裕がない。しかし、AIにはストーリーがあり、実用性がある。それこそ、2021年と2022年に登場した技術(Web 3.0とメタバース)が提供しなかったものだ」。

——スコット・ギャロウェイ氏のお馴染みの論説。今年1年の間にも歴史に残るようなAI研究の成果が生み出されている状況を、的確に論じている。Web3トレンドより実用性が高く、その分、日社会に良い影響も悪い影響ももたらすだろうことを示唆している。
で、最大の難点は、大規模言語モデルの駆使は、ブロックチェーンのマイニング同様、設備集約、高エネルギー消費型の産業であること。むしろGAFAを生き延びさせる可能性が高いことかもしれない。

Disruption This Week—–14/10/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月11日から2022年10月14日まで。

WSJスクープ | TikTok運営のバイトダンス、音楽配信事業を拡大へ
【有料購読者向け記事】:
「人気動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』を運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が、音楽配信サービスの世界展開に向けて音楽レーベル各社と交渉を開始した。スウェーデンのスポティファイ・テクノロジーなど業界大手としのぎを削ることになる」。

——ByteDance傘下にはもともと音楽配信サービス「Resso(レッソ)」があったわけだが、人気絶好調のTikTokとこれを組み合わせて、音楽配信分野でも事業拡大を狙うようだ。TikTokは先に、米国内で物流事業の準備を進めていることが報道されている。コマースと音楽、TikTokの事業拡張戦略が見えてきた。

Apple is quietly pushing a TV ad product with media agencies
【有料購読者向け記事】:
Netflixが広告表示付きの廉価サービスを11月3日からスタートすると発表したが、Apple TVもまた、秘密裡に広告付きバージョンを広告エージェンシーとともに検討中であるとDigidayが報道。検索広告に似たモデルで広告とのマッチングを検討中だという。
Meta’s VR social network Horizon is too buggy and employees are barely using it
Metaが力を入れるメタバース事業のフラグシップであるソフトウェア「Horizon Worlds」。だが深刻なバグを無数に抱え、同社スタッフでも利用を控える状況だと、社内文書を入手したThe Vergeが報道。メタバース担当VPのVishal Shah氏が書いたとするメモから。
「ロシア発の最大で最も複雑な工作」偽装メディアがフェイクを拡散する「ドッペルゲンガー」とは?
「シュピーゲルの公式のアドレスは『spiegel.de』だ。だが偽装サイトは、ページデザインやロゴはそのままコピーした上で、『spiegel.xxx』『spiegelr.xxxx』といった本物と間違えやすいものを使用していたという。
英シンクタンク『戦略対話研究所(ISD)』の調査では、EUでの配信が全面禁止されているロシア国営メディア『RT』が、アドレスを微妙に変更しながら、規制回避を繰り返している実態も明らかになっている」。

——平和博さんの論考。(上記引用箇所で「xxx」とした箇所は、Facebookがすでに偽アドレスとして投稿を禁止しているため記述を回避)
組織的、技術的に積み上げられた情報工作への対抗力(抵抗力)をどう構築するか。国家が主導するのか(当然な動きだが)、あるいは国家を超えた超権力たるプラットフォームが担うのか。はたまた、記事にあるようにNGO、NPOであるべきなのか。それが課題として浮上している。

Meta's Quest Pro is a powerful VR headset, but for whom?
20万円を大きく超えるメタバース用ヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表したMeta。記事は、CEOのMark Zuckerberg氏やCTOのAndrew Bosworth氏のコメントを弾きながら、このハイエンド商品の投入に当たって、同社幹部の間でも「この高価な新しいヘッドセットのターゲット市場が誰であるかについて、必ずしも同意されていない」と論評。
NYT のサブスク拡大、鍵を握るのはゲーミングプロダクト:「今後も我々のマーケティングミックスにおいて大きな役割を果たす」 | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「ここ数週間、これは数字としてはっきりと現れているのだが、サブスクリプションをゲームのみにするのか、あるいは全エディトリアルコンテンツにするのか、2つの選択肢を提示すると、多くは後者を選んでくれる」。

——少し前に紹介したものだが、邦訳が出たので改めて。米New York Timesでゲーム製品が購読をけん引するパワーだとはよく知られているが、当然ながらニュース製品との相乗効果が求められる。その点で、同社が力を入れるのがサブスクのパッケージ(同梱)だ。これが有効に作用している記事。(実際の数字を示して述べているのでないことは要考慮)

Bloomberg Media Is Removing Its Open-Market Programmatic Ads
米Bloomberg Media、同社メディアでの広告表示に他社(サードパーティ)製プログラマティック広告、そしてTaboolaなどのレコメンデーション製品の利用を取り止めると発表。ユーザ体験の毀損を招いており、これら除去が長期的にプラスと、社内テストの結果で判断したとする。
How Tortoise podcasts became the most profitable part
「スローニュース」を謳い文句に2019年にスタートした英新興報道メディアのTortoise Media。購読者の要望が“聴くこと”にあることを発見。ポッドキャスト「Slow Newscast」を開設。12名の従業員を擁するオーディオ部門が年間黒字に転じたという話題。同社は現在5万人の有料購読者を持つ。
BeReal tops 53M installs, but only 9% open the app daily, estimates claim
“盛らない”SNSと話題の「BeReal」。Sensor Towe調べで全世界でのダウロードは5300万を突破、MAUは2022年1月から2254%も急増。だが、今年第3四半期のMAUで見ると、Androidのアクティブインストール者のわずか9%であるとしている。好奇心でインストールはしたものの…ということか。
Paywalls are closing off the internet. Crypto can fix that
ペイウォールの乱立は、Webの最も良質な特徴であるオープンアクセスを閉ざし、結果として良質なコンテンツに出会う機会を失わせる。記事はNFTとスマートコントラクトを使って出版社と連携する新たなマイクロペイメントの仕組み「Unlock」や「The Block」などの潮流を紹介する。
「サブスクはチームスポーツ」 克服すべき障害とは? Piano社ベンチマークレポート2022 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。サブスクをはじめとしたメディアの課金トレンドをめぐり、Piano Japan代表に世界および日本のメディアについて尋ねました。ご一読を。
スマートニュース メディア研究所、初となるメディアリテラシー教育の長期授業プログラムをクラーク記念国際高等学校と共同で実施
【ご紹介】:
私も参加しているスマートニュース メディア研究所が、広域通信制高校のクラーク記念国際高等学校と共同で長期授業プログラムを実施することを発表しました。

Disruption This Week—–30/9/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年9月26日から2022年9月30日まで。

How Defector generated $3.8 million in its second year
1年前に紹介したスポーツ&カルチャーメディアの「Defector」が創刊2年目を終えた。総購読者の数は1年目の36,000人から38,000人へと伸び、売上は380万ドルに(95%が購読料収入)。28,000人は年間購読者で更新率90%。注意を払うのは他の購読とのトレードオフ関係だという。
NBA pushes boundaries with new mobile app
NBA(全米バスケットボール協会)、直接ファンとのエンゲージメント強化に向け、自らモバイルアプリを提供。計画当初には、大枚をはたいて放映権をライセンスする大手メディアらとの摩擦が問題となったが、アプリではアーカイブを充実させるなど、すみ分けを図り定着へ向かう。
The New York Times looks to gaming product to grow subscriptions
米New York Timesのゲーム部門責任者、「ここ数週間で、ゲーム購読の提案をし、ゲームの購読を取るか、より大きなNew York Timesのバンドルを取るかを選択させた。最終的に読者はバンドルを取るという証拠を確かに見ることができた」と語る。
Wordleは依然として無料で提供しながら、有料ゲームや、ニュースメディア全体へのファネルに位置づけることに手応えを感じているという。ただし、同社はゲームの購読、バンドル製品の購読数(の伸び)の実数は発表していない。
Google Search adding 'Discussions and forums' section and translated news coverage
Google、検索結果に関連するRedditなど掲示板(フォーラム)での議論を追加表示する機能を実装したと発表。すでに米国内では有効になっている。また、来年には検索結果に関連するニュース記事を表示するなどの拡張も予定しているという。
'Harder to dispute': Ebiquity CEO on why advertisers are slowing spending in the Google-Facebook duopoly
Meta、そしてGoogleにおける広告ビジネスの引き潮を指摘する広告業界人が指摘する記事。両者とも依然として大きなシェアを誇るものの、引き潮は、Appleによるターゲティング広告制限の影響で、以前に比べ広告精度が落ちてきたことが影響しているとする。
Removing Coordinated Inauthentic Behavior From China and Russia | Meta
Meta、Facebookなどを舞台に大規模な影響力工作を行っていた中国、ロシア系のアカウント群(ネットワーク)を排除したと公式発表。後者は特に大型で、60もの報道機関を仮装して、ウクライナはもちろん、独、仏、英、伊を対象に工作を行っており、今次の侵攻以降最大の事案だとする。
アーティストにとってサブスクは地獄の入り口か?──ストリーミングが変えた音楽産業(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
「そこで(=NFT化)期待されているのはコンテンツ(デジタル資産)を投資対象にすることで、デジタル時代のコンテンツ経済を活性化させることにある。デジタル時代のコンテンツ経済を活性化させることにある。投資対象であることとはつまり、その価値が変動することを意味する。
たとえば、キャリアの浅いクリエイターが自らのコンテンツに投資を募り、その資金で制作活動を続けて後に大ヒットすれば、当初は安値だったデジタル資産の価値も上がるというスキームだ」。

——松谷創一郎氏の論。初見ながら凄い筆力をもった方と感心した。種々、自分には異論も感じるが、日本でデジタル、特にストリーミングが進まず、かたやCDで異様なビジネスモデルが発明されてガラパゴス化している点などへの論及に説得力がある。また、そこからの脱出は、もはやストリーミングへの最適化ではなくNFT経済でリープフロッグすべきというのも、興味深い。

Are paywalled podcasts ready for prime time? | Toolkits
報道メディア界にもポッドキャスト人気が波及。有力なタイトルを有するメディアは、そのマネタイズに踏み切る動き。ポッドキャストで300万ユーザの英Economist、新興メディアTortoise Mediaなどを例に取り上げた記事。すでにサブスク路線を行くAppleやSpotifyなどプラットフォームとどう棲み分けるのか。
'Cheer the f**k up': Ex-media boss Ellis Watson's rallying cry to industry
「今は、本当にエキサイティングでダイナミックな時代だ。そして、クソみたいな意見を蔓延させているプラットフォームの支配に脅かされることなく、最低限まともな質の高いコンテンツを作り、それをパッケージし、人々が望む方法で売り出せば、本当に驚異的にエキサイティングな時代になると思う」。

——DC Thomsonなどのメディア企業トップを歴任してきたEllis Watson氏が、Press Gazetteのカンファレンスで講演。メディア人は楽しく仕事をしろとはっぱをかけた。ディア企業に対して「みんながやっていることを追うのをやめて、自分でやってみよう」と呼びかけた。

静岡県の水害巡りフェイク画像が拡散 画像生成AIを利用 投稿者はデマと認めるも「ざまあw」と開き直り
「投稿者は問題の画像がフェイクだと認め、謝罪文を投稿。画像生成AI『Stable Diffusion』を使い、作成したことを明かした。フェイク画像を投稿した理由について投稿者は『大した目的はない。そもそも安易にこれが広まると想定していなかった』としている」。

——さっそくAIによる画像生成サービスを活用した偽映像が使われ始めた。愉快犯らしい。

WSJスクープ | メタとグーグル、人員整理でコスト削減を加速
【有料購読者向け記事】:
「メタの事情に詳しい複数の関係者によると、同社は事業の伸び悩みと競争激化に直面する中、人員削減などを通じて今後数カ月で経費を少なくとも10%削減する計画だ。
…グーグルもコスト削減策の一環として、社内に残りたい場合は新たな職務に応募するよう従業員に求めている」。

——直前の投稿とも関係する報道。

Audiences don't trust in news on social media: Reuters Institute report
英Reuters Institute、デジタルプラットフォーム上で接触したニュースを信頼性を低く認識するとの「認識ギャップ」現象をめぐる国際調査(英米、ブラジル、インドで実施)の結果を発表。この記事は調査結果を要約するもの。Facebook、Twitter、そしてTikTokは低評価。だが世界観ギャップもそこに関与している点には注意が必要。(年齢高い層はInstaやTiktokをより低く評価)
OpenAIがリリースした高精度な音声認識モデル”Whisper”を使って、オンライン会議の音声を書き起こししてみた | DevelopersIO
「2022/09/22の夕方ごろ、OpenAIが音声認識ですごいものを出したらしいというニュースが社内のSlackをにぎわせていました。
個人的には、いくら認識が凄いって言っても、実際日本語は微妙なんじゃないかな…?と思っていたのですが…」。

——GPT-3で知られるOpenAIが日本語“も”認識し、テキスト化してくれる「Whisper」を公開。専門家が専門的にテストを試みたプロセスと結果を解説。期待ができる。こうなってくると、いずれ、発話された言語(多言語)を認識し、翻訳するといった夢のようなリアルタイム処理も、登場しそうだ。

How platforms turn boring
当初、TikTokは、そこでしか起こり得ない文化があったからこそ、エキサイティングだった。今は他のあらゆるネットワークで見られるものに近づいているとする記事。ユニークな中小プラットフォームは、大プラットフォームにの独自性を吸収されて衰弱していく。
偽情報はどこから生まれる?対抗策は? 英調査報道集団「ベリングキャット」創設者が解説
「検証の手法を普及させていくことの重要性にも言及。16~18歳向けの教育プログラムがスタートしたことを紹介しながら、
『私たちの願いは、伝統的な調査方法とオープンソースの手法を組み合わせてインパクトを与える方法を示し、彼ら(若者)が自分たちの生活に変化をもたらす力を与えることだ』」。

——OSINT(オープンソース調査報道)のBellingcat創設者エリオット・ヒギンズ氏が講演。引用にあるようにテックに強い青少年向けプログラムを同団体がスタートしたと述べる。

Disruption This Week—–17/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月12日から2022年6月17日まで。

Facebook looks ready to divorce the news industry, and I doubt couples counseling will help
「Facebookはニュース業界との離婚の準備ができている」。
同社が業界に大金を払い続け大手メディアとの関係を保つ意思はないだろうとするオピニオン。2022年第1四半期、閲覧された投稿コンテンツでニュースへリンクを持つは0.4%に過ぎないという。愛情が冷めるのは明瞭だ。
「大変です」食べログ点数、突然の急落 評価の秘密に自力で迫った:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「実際に点数を算出しているのは、独自の『アルゴリズム』だ。
大量のデータを処理するのに使う計算手順のことで、検索サイトや買い物サイトなどはアルゴリズムを使って表示順位を決めたり、点数をつけたりする。
例えば検索サイトはこれを使い、膨大なウェブページの中から、利用者に関連が高いと思われる結果を表示している。
任さんは、ネットに残る記録をもとに点数の変化を独自に調べた。
すると、食べログ内で『チェーン店』とカテゴリー分けされている店ばかり、点数が下がっていた。
『チェーン店の点数を一律に下げるアルゴリズム変更があった』との仮説が立った」。

——アルゴリズムとその影響をめぐって明瞭な判例が出たのは珍しいのではないか。それだけプラットフォーム的パワーを持つサービスに対する世の中の視線が厳しくなっている。この判決では、訴訟の提起者が自らの労力でアルゴリズムのロジックを解析した。今後、そのような提起者側の能力が努力が求められるのか否かも重要なポイントだろう。

How Facebook plans to become more like TikTok
米メディアThe Verge、Meta社幹部の社員宛てメールを公開。それによれば、TikTokの優勢に抗して同社はFacebookのフィードアルゴリズムを改修する。TikTokがソーシャルグラフに依らない投稿の推奨を行っていることに倣う仕組みを採用。また、メッセージング機能も改変する。
Spotify、コンテンツ管理に関する安全諮問委員会を設立--偽情報対策の一環で
「Spotifyは米国時間6月13日、オンラインの安全性に注力する専門家と組織からなる安全諮問委員会を新設したと発表した。この委員会のミッションは、クリエイターの表現を尊重しつつ、『Spotifyが安全な方法で自社のポリシーと製品を進化させるのを支援すること』だ」。

——Facebookでも社外の有識者らを招いた最高レベルのボードによるコンテンツモデレーションに臨んだ経緯があるが、社内からの声も関与するなど、機能不全が指摘されている。Spotifyではどうか。このような対応が動き出したことを率直に評価し、注意を払っていく。

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report

Reuters Institute for the Study of Journalism

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report
例年行われる注目のオンラインメディアとジャーナリズムをめぐる調査「Digital News Report」2022年版が公開。各国において、ニュース接触における主たる経路にスマートフォンが位置し、TikTokやInstagramなどのビジュアルフォーマットのニュースへの利用が進む。同時に、ポスト・コロナで退潮するニュース需要と、ウクライナ侵攻という大事件がありながらも、各国で「ニュースの選択的忌避」現象が生じていることを特筆する。
Spotify is acquiring AI voice platform Sonantic – TechCrunch
つい先日、音楽、ポッドキャストに続き、オーディオブック市場への挑戦を宣明したばかりのSpotify、映画「トップガンマーヴェリック」ヴァル・キルマー氏の合成音声にも使われているAI合成技術を有する英Sonantic社を買収。いかにものタイミングだ。
A Chart of People on the Move at Creator Startups
【有料購読者向け記事】:
“クリエイターエコノミー”分野におけるスタートアップ企業各社間でのシニア人材の移動。Twitter、Meta、Cameo、Clubhouseなど有名どころからの流出が目立ち、TikTokはじめ新興系への流入が増。今年1月以降の動きをThe Informationが整理した。
偽情報の拡散はIT企業の責任--研究機関の専門家らが指摘
「アスペン研究所で情報の無秩序に関する委員会の共同議長を務める3人の専門家は、ニュースを得るためにソーシャルメディアに目を向ける人が増えていると述べた。TwitterやFacebookなどのプラットフォームは正当なニュースソースを提供しているが、その一方で嘘や陰謀論が確認されないまま拡散し、多くは無意識のうちにそうした情報に触れる人々の意見を形成する事態を許してしまっている」。

——「Commission on Information Disorder Final Report」で公表された勧告に基づくスピーチ。大手企業の責任と地域のメディアへの支援という2つの義務を明瞭に表現したもの。

5 tech giants own over half the global ad market
世界的な広告代理店GroupM、恒例の広告市場予測を発表。それによると、世界の広告市場はトップ5社により市場の半分(53%)が占められ、かつ、昨年比でその度合いを高める。広告主のほうはトップ25社が7割強を占める。2022年の広告市場全体の成長はやや弱まるとも予測。
米Wall Street Journalが、今日(13日)にも製品レビューサイト「Buy Side」を開設とAxiosがスクープ。New York Times運営「Wirecutter」に対抗する試み。WSJサイト内に設けられるが、閲覧無料とビジネスモデルが異なる模様。編集チームは、WSJ本体と完全に分離するという。開設時には250製品、50本の記事を扱うと、詳しい報道。公式リークのようだ。
【ご紹介】:
Media×Techからちょっとした変化球的新着記事です。「出版業界ニュースまとめ」を平日、週末関係なく配信する 古幡 瑞穂 さんと、光栄にも「対談」をさせてもらいました(編集部スタッフの企画です!)。どうぞご一読下さい。
有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙での連載記事が日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ 有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減

Disruption This Week—–4/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月28日から2022年3月4日まで。

TikTok、米国の州司法長官が子どもへの悪影響を調査
【有料購読者向け記事】:
「州司法長官のグループは2日、共同声明で『全米の司法長官は本日、ティックトックの調査に加わった。子どもや若者へのこのソーシャルメディアの提供・宣伝が心身の健康への悪影響と関連しているかを調査する』と述べた」。

——第一報レベルなので、続報が必要だが、Instagramに向けられた調査の意向と連続するもの。子どもや若者をめぐっては、米国の政治家は敏感に行動する。

Bellingcat's Grozev on Investigating Russia's Invasion of Ukraine
オープンソース情報分析による調査報道のBellingcat。中心人物の一人Christo Grozev氏がロシアのウクライナ侵攻と、データを手にしたジャーナリストの仕事を語る。データと分析力を手にしたジャーナリストの役割は、かつての戦争報道と決定的に異なるものとなったとする。重要な指摘がいくつも盛られた重要なインタビュー。
音楽配信は4年連続2ケタ成長 ストリーミングはダウンロードの5倍強に
「(音楽配信売上の)800億円超えは11年ぶり。市場をけん引したのはストリーミング配信だった。
21年は前年比126%増の744億円とストリーミングが伸長し、音楽配信売上の区分別シェアでは約83%を占めた。『主要カテゴリとしてさらなる成長を遂げた』という」。

——世界の音楽ビジネスは、近年かつてない成長を遂げたが、日本でもそれを追うような軌道に。もちろん、その立役者はストリーミングの潮流だ。

U.S. vs Russia for the future of the internet
インターネットの統治をめぐり、中国・ロシア勢と米国の闘いが進行中。国連の専門機関であるITU(国際電気通信連合)の次期指導者に、米、そしてロシアから対抗馬。ロシア・中国勢はネット標準やプロトコル策定に政府がより強い影響力を持つべきと主張しているとする記事。
反ウクライナの主張を繰り返すSNSアカウントは偽物でプロフィール画像もAI製、さらにそのフォロワーもニセのAI製だったことが明らかに
「ニュース編集者・航空技術者・科学出版物の著者などを装った架空の人物になりすましたアカウントや、架空の報道機関を装ったアカウントを用い、反ウクライナのフェイクニュースを報じています。架空の人物になりすましたアカウントのプロフィール画像には、敵対的生成ネットワーク(GANs)などの人工知能(AI)関連技術を駆使して生成されたプロフィール画像が用いられていると指摘されています」。

——やはり出てきたディープフェイク系の欺瞞工作。NBC Newsの記者が詳細に、そのAIによる合成画像の見破り方を解説。示された女性の写真ではイヤリングを、男性の写真では耳の形状が注目点だという。大手メディアにもこのようなノウハウが蓄積されてきているようだ。

Denver is NewsBreak’s “test market” for original local news on a national app
米国内でローカルニュースに力を入れる「NewsBreak」が、デンバー州をテスト市場に、フルタイムおよびパートのジャーナリストと専任の編集者を雇用。オリジナルニュースの配信に取り組む。同社は全体で1,400人の無給の記者をネットワークし、クリックベースで支払をしている。
ヤフー、デマや誤情報にだまされない力を測る「Yahoo! ニュース健診」公開
「問題は桜美林大学リベラルアーツ学群の平和博教授(メディア・ジャーナリズム)が監修。記事例の中に不審な点がないか、どうすれば信用に足る記事になるか、怪しい情報を見たときにどう行動するべきかをチェックする。
獲得点数に応じて受診結果を3段階評価。『見だし釣られ傾向』『突発性シェア衝動』などの弱点を提示する」。

——これから取り組んで見る。

Insider has a new audio show that combines the immediacy of radio with the convenience of podcasts — here's how the tech works
米Insider、“ラジオのようなリアルタイム(速報性)とポッドキャストの利便性”を提供する、新たなオーディオ配信技術を用いたコンテンツチャンネル「Refresh by Insider」を提供する。ポッドキャストの挿入広告の技術を応用したという。ポッドキャストアプリに配信する。
出版状況クロニクル166(2022年2月1日~2月28日) - 出版・読書メモランダム
「弓立社の最初の出版物である吉本の『敗北の構造』は忘れられない一冊だし、宮下(和夫氏)もまた近代出版史の掉尾を担った一人だったといえよう。
報道もされていないので、まだ彼の死は知られていないと思われるが、謹んでご冥福を祈る」。

——私にとっても、『敗北の構造』は忘れ得ない鮮烈な書物だった。神保町近くの小さな出版社に勤務していた自分は、ラドリオやミロンガなどのある裏道に、自分の書肆を営みたいとの願望を持ったことがあったな。

電子コミック市場、前年比20%成長で過去最高に コロナ、縦スクロール漫画で需要増
「電子コミックのシェア拡大の理由については『コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着して電子コミックを購入、さらに「縦スクロールコミック」が漫画を読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている』」。

——チャートと数表を見ていると、電子版コミックスが書籍版を凌駕したのが、2019年だったことがわかる。書籍版では大ヒット作が次々誕生しながらも(加えて、盗用サイトの跋扈もありながら)、力強く成長しているのが見て取れる。単にスマホの普及と同期しているのではなく、革新的なフォーマット誕生の影響を見るべきということなのか。

アウラの奪回とパブリッシングの拡張 メディアヌップ#6
【ご紹介】:
同僚の佐々木さんが、自身のニューズレターで拙稿に言及してくれました。
スマートニュース、米国事業の成算 現地幹部人材が支え
【ご紹介】:
SmartNewsによる世界への挑戦を、出発点から詳細に紹介してもらいました。2014年にサンフランシスコでのユーザインタビューに参加したころを懐かしく思い出します。