Disruption This Week—–23/2/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年2月19日から2024年2月22日まで。

Magazine ABCs 2023: Full breakdown of titles shows 12.4% circulation fall
英国の有料雑誌の発行部数(電子版を含む)を開示するABC調査によると、1位はThe Economistの電子版で99万1,887部。100万部超だった22年からわずかに減少。月間平均発行部数の合計で見ると、21年は2680万、22年は2400万部、23年は2100万部となった。
「サブスク1,000万をいかに達成したか」NYタイムズ発行人が語るデジタル戦略の10年とは?
「(イノベーション・レポートは)未来の洞察の文書だと思われていた。しかし、あれはカルチャーについての文書で、人々が変化に対してノーと言うのをやめるために、必要な条件を整理しただけのものだ。間違っていたことはたくさんあった」。

——現New York Times発行人A・G・サルツバーガー氏へのロイター・ジャーナリズム研究所による長文インタビュー。どう紹介しようかと思っていたところ平和博氏が整理してくれた。引用箇所も面白いが、個人的にはWashington PostやWall The Wall Street Journalなどがレイオフをしていることについて、失敗ではない、むしろ素晴らしく善戦していると持ち上げている点が印象的だった。

米国の配信サブスク利用者、年間支出額は平均約14万円
「新しいレポートによると、サブスクリプションサービスを利用する米国人は、平均で年間924ドル(約13万9000円)のサブスクリプション料金を支払っているという。月額にすると77ドル(約1万2000円)だ」。

——自分の場合は、Amazon PrimeとYouTubeをサブスクしているが、あくまでリニアTVのニュース報道の補完の扱い。アメリカなどでは主役がストリーミングなのだろう。

YouTube dominates TV streaming in US, per Nielsen’s latest report | TechCrunch
米調査会社Nielsen、リニアTV(オリジナルのTV番組視聴)とストリーミングの視聴に関する1月の調査結果を公表。YouTubeがテレビ画面での視聴の8.6%を占め、米国で再びストリーミングサービス全体のトップとなったことを明らかにした。一方、Netflixのテレビ視聴率は7.9%だった。
Washington Post taps Connelly as senior editor for AI strategy and innovation - Talking Biz News
米Washington Post、AI戦略およびイノベーションを所管する上級編集長としてPhoebe Connelly氏を起用。同氏はこれに先駆けて若年層読者獲得のための次世代イニシアティブを率いてきた。同グループでは昨年からAIを活用するためのハッカソンなどを社内で開催するなど活動中だという。
Apple reportedly faces €500m fine from EU over music streaming access
音楽ストリーミングのSpotifyがAppleによってアップストア以外の代替支払い手段の提供を妨害されたとする訴訟で、EU規制当局は、Appleに対し800億円(5億ユーロ)もの制裁金を課す動きと英Financial Timesが報道。
既に紹介しているように、Appleは制裁を逃れるための新ポリシーを発表しているわけだが。
Top 25 US newspaper circulations: Largest print titles fall 14% in year to September 2023
米Alliance for Audited Media調査、米25の日刊紙の1日平均発行部数は、230万部(2023年9月時点)。前年は270万部、2023年3月までの半年間では260万部だった。米最大の日刊紙のWSJ(555,182部)とNYTimes(267,639部)は、それぞれ前年比14%減、13%減に。詳しい一覧表を含む記事。
PAPERWALL: Chinese Websites Posing as Local News Outlets Target Global Audiences with Pro-Beijing Content - The Citizen Lab
カナダToronto大に設けられたCitizen Lab、欧州、アジア、南アメリカの30カ国で現地の報道機関を装った、中国により運営されている少なくとも123のWebサイトのネットワーク「ペーパーウォール」を発見。その詳細な事例と手順などを研究し暴露した。
岸田首相の偽画像などがSNSで相次ぎ拡散 注意を呼びかけ | NHK
「この偽画像を投稿したのはロシアを支持する投稿を繰り返しているアカウントで、転載されたものを合わせて70万回以上見られていました。 また、岸田総理大臣の発言の映像を切り貼りして、『日本人の割合は10%で、残りの90%は移民で構わない』などと述べたとする偽情報もXで拡散しました」。

——以前には、岸田首相が卑猥な発言をする…という愉快犯的偽動画が話題となったが、今回のケースでは、政治性を帯び始めた。影響工作が意図されているようにも見えないではない。警戒水域に入ってきた。

米・オープンAI 文章から動画を作成する新たなAI「Sora」開発を発表|日テレNEWS NNN
「夜の東京の街を歩く女性や東京郊外を走る電車の車窓など日本に関する動画もあり、サクラが満開の中、雪が降る東京の街といった中々見られない光景もAIによって簡単に作成できることがうかがえます」。

——日本をテーマにした動画では、なかなかありそうでなさそうな光景を創り出している。動画広告を安上がりに制作するのにはフィットしそう。現在は、制作者(クリエイター)を選んで試行運用を始めた段階だが、本格的にサービスインする際にはどうするのだろうか。

Disruption This Week—–27/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月23日から2023年1月27日まで。

CNET Is Testing an AI Engine. Here's What We've Learned, Mistakes and All
すでに紹介済みだが、米CNETが誤りだらけのAI生成コンテンツを複数掲載、非難を浴びた件。編集長Connie Guglielmo氏が「我々が学んだこと、間違いなどを紹介する」との記事公開。CNETが運用しているチェック体制を説明。“一握り”の記事でその運営が守られていなかったとする。
米バズフィード、コンテンツ作成でオープンAIの技術活用へ
【有料購読者向け記事】:
「米新興ニュースメディアのバズフィードは、提供コンテンツの個別化などに向け、チャットボット(自動応答システム)『チャットGPT』の開発元である米オープンAIの技術を活用していく方針だ」。

——米CNETがAI生成による誤りだらけの記事を掲出していたことで物議を醸しているの対し、米BuzzFeedは(おもにエンタメ分野で)積極的にChatGPTを活用していく戦略を発表。ポイントはインタラクティブ、パーソナライズということだろう。読者一人ひとりに向けてコンテンツを生成する時代がやってくる。

Exclusive: AP goes after ads with website redesign
AP通信、他メディアへのコンテンツライセンスが主事業(売上の82%)だが、10年前「ダイレクトオーディエンス部門」を設置。読者との直接的な接点強化を推進中だ。記事は、同メディアへのトラフィック力増大により広告収入増をめざすべくBBCより幹部人材を招聘したとするもの。
The rise of the registered web
“登録型Web世界の高まり”。メディア関連コンサルティングの英FT Strategiesが世界450以上のニュースメディアを対象に行った調査で、ログインユーザー数が多いメディアは、そうでないメディアに比し、高いビジネスの収益性が高いことがわかってきたという。登録情報がますます重要になってきているというわけだ。
ユーザにとっては、より安全で負担の少ない登録制が求められる。
Washington Post lays off 20 newsroom employees, shuts down gaming section | CNN Business
米Washington Postは火曜日、レイオフの実施を公表。発行人Fred Ryan氏が2023年初頭に実施としていた20の編集ポジションを削減した。また、欠員だった30のポジションの補充を行わないことも明らかに。レイオフは同社の複数の部門に及ぶと広報部門は述べている。
Where did all the new podcasts go?
ポッドキャスト検索エンジン「Listen Notes」によれば、2020年には110万の新しいポッドキャストが開始された。だが、21年にその数は73万に減少。そして22年には、わずか21万9000にまで激減。ポッドキャスト市場に何が生まれ、何が死のうとしているのかを論じた重要な記事。
米司法省がグーグル提訴、デジタル広告市場の支配巡り
「米司法省と8つの州はアルファベット傘下のグーグルを提訴した。デジタル広告市場において違法な独占の疑いがあるとし、同社の広告テクノロジー(アドテク)事業の分割を求めている。
司法省はバージニア州の連邦地裁に提出した訴状で、グーグルは独占力を乱用してウェブサイトのパブリッシャーや広告主に不利益を与えていると主張した」。

——バイデン政権は、ようやくIT超大手に対する規制の動きに。同政権としては初の動きだろう。

Informed app attracts big-name publishers to join curated subscription bundle
「世の中のすべての記事を読むには十分な時間がない。NYTimesが毎日公開するものすべてを読む時間はないと言う人が多い。これが主流のニュースユーザーなのだ。時間が足りない、それほど多くの記事は読まない、膨大な情報量に圧倒されている」と新ニュースアプリ「Informed」が発進。高額なペイウォール系メディアのFT、Bloomberg、NYTimes……などと提携。

Netflix writes a new chapter as co-founder Hastings steps down
「Netflixは次の章へ」。
10年以上一貫して成長軌道を歩んできた動画配信サービスの米Netflixは、業績からも成長面からも大きな壁に突き当たっている。共同創業者Reed Hastingは共同CEOの座を譲り執行役会長に。新たな成長源泉を見いだす歩みに向かうことになる。
Google Calls In Help From Larry Page and Sergey Brin for A.I. Fight
【有料購読者向け記事】:
Google、ChatGPTを検索事業の本質的な脅威と認識、“コード・レッド”を宣言。現CEOは、創業者のLarry PageおよびSergey Brin両氏に助けを求めた。現在同社内では両創業者も関わる約20ものAI関連プロジェクトが稼働しているとする詳細なNew York Timesの報道。

Disruption This Week—–23/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月20日から2022年12月23日まで。

ネトフリ広告付きプラン、普及まだ先
【有料購読者向け記事】:
「今回のデータが公表される数日前、ネットフリックスは広告付きプランの保証視聴回数を達成できず、その結果出稿されなかった広告分について、返金に応じていると業界誌ディジデイが報じていた」。

——すでにAntennaの調査などについて紹介したが、WSJも、Netflixの広告表示付き廉価版の試みに、否定的な報道。ただし、記事中にもあるが、まだ、滑り出し1か月の段階。今後の展開に引き続き注目すべき。

Porn, Piracy, Fraud: What Lurks Inside Google’s Black Box Ad Empire
「Googleは、広告販売パートナーの大方を秘匿する唯一の主要広告プラットフォームだ。つまり、Googleは広告を掲載するサイトやアプリ、その背後の人々や企業をすべて非公開としている」。
それにより驚くべき偽情報で荒稼ぎするサイトでの広告収入を、匿名のサイトオーナーと折半しているとする詳細な米ProPublicaの調査報道。
米Axios、記事「箇条書き」に活路 ネット系停滞と一線
【有料購読者向け記事】:
「アクシオスは、立ち上げ前に既存メディアの欠点を徹底的に分析し、記事が長すぎるとの結論に至ったという。忙しい読者が短時間で要点をつかめるように、記事は『スマート・ブレビティー(賢く、短く)』と呼ばれる箇条書き方式で提供する」。

——傾く老舗メディアに挑む新興メディア……という図式が揺らいだここ数年。新たな挑戦者はAxiosと見なす記事。ビジネスの仕方、稼ぎ方などに目が行き届いた新興メディアへ注目が集まる。

ByteDance Inquiry Finds Employees Obtained User Data of 2 Journalists
【有料購読者向け記事】:
TikTokおよびその親会社であるByteDanceの従業員らが、米ユーザのデータに不適切にアクセス、監視活動を行っていることはすでに報道されてきたが、今回、新たなに米ジャーナリストの個人データをTikTok従業員が漁っていた事案も内部調査から判明した。
メタバース・ビジネス新展開
25年前に亡くなった
伝説のラッパーが復活ライブ
【有料購読者向け記事】:
「(早逝したラップ・アーティストの)スモールズの超リアルなアバターは、見事な技術的偉業というだけのものではない。メタバース・プラットフォームが普及すればすぐに直面することになる、2つの大きな疑問に対する重要なテストでもある。その疑問とは、亡くなったアーティストのアバターのパフォーマンスを人々がお金を払って見るか、そして、そのビジネスは倫理的か、ということだ」。

——非在の人物をテクノロジーで甦らせる試みは、映画やこの種の芸術ステージ、そして親族と触れあっていたい私的な欲求などに応える産業となっていく可能性がある。この記事ではVRによる見た目の再現と新たな創造が軸だが、ChatGPTのような会話力の人工的な創造がここに組み合わされていくことになることは間違いない。その亡くなった人物の考えや声をAIが学習できれば、応用は広がっていく。

ワシントン・ポスト、SaaSで稼ぐ 2000媒体に基盤提供
【有料購読者向け記事】:
「会社は異なるがArc XPとアマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)には共通点が多い。例えば顧客の声に耳を傾け、矢継ぎ早に機能を追加することだ。最近は記者がスマートフォンで撮影した動画をサイトで生中継できる機能など『21年は機能追加数が過去最多だった』(広報担当者)」。

——米Washington Postが自ら内製開発したCMS「arcXP」をめぐる奥平和行記者による充実した取材記事。ただし、同氏が知ってか知らずか、arcXPをめぐる同社の経営は揺らぎ、その戦略は転換を遂げているのだが。メディア企業がテクノロジー事業(企業)を胚胎し育て上げることの難しさが伝わる。期せずしてVox MediaもCMS「Chorus」のディスコンを決めたと報道されている。

Slow fade for Google and Meta's ad dominance
“デジタル広告複占時代”の衰退?
米調査会社Insider Intelligence、2022年の米デジタル広告収入の48.4%をGoogleとMetaの合計が占めると予測(Google28.8%、Meta19.6%)。2014年以来初めて5割を下回る。2017年のピーク時には、54.7%だった(Googleは34.7%、Metaは20.0%)。
5 themes that governed the news industry in 2022 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
2022年、報道メディアをめぐる5つのトレンド。1) ジェネレーティブAI出現で制作自動化の動き、2) 印刷コスト増大でデジタル化進展、3) Web3、NFTが本格化、4) 改めて広告に頼るメディアも、5) “音声(ポッドキャスト)トレンド”加速
Finding new ways to reach news avoiders
ニュースをめぐるエコシステムは、“ニュース・ジャンキー(中毒者)”に向けて作り出されている。ニュースをよく読む人より、ニュースを大量摂取する人向けにビジネスが最適化されており、それがまたニュースメディアの首を絞め、“ニュース忌避”を呼んでいるとする貴重な論。
最近までCNNでアンカーをしていた筆者が、抜け出す方向性を示唆する。
2023年に最も注目すべきテクノロジーは、世界を変えうる技術革命「生成型AI」だ | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
【有料購読者向け記事】:
「AIは計算負荷が高く、高価なデータセンターを必要とするため、政府や超大企業しか利用する余裕がない。しかし、AIにはストーリーがあり、実用性がある。それこそ、2021年と2022年に登場した技術(Web 3.0とメタバース)が提供しなかったものだ」。

——スコット・ギャロウェイ氏のお馴染みの論説。今年1年の間にも歴史に残るようなAI研究の成果が生み出されている状況を、的確に論じている。Web3トレンドより実用性が高く、その分、日社会に良い影響も悪い影響ももたらすだろうことを示唆している。
で、最大の難点は、大規模言語モデルの駆使は、ブロックチェーンのマイニング同様、設備集約、高エネルギー消費型の産業であること。むしろGAFAを生き延びさせる可能性が高いことかもしれない。

Disruption This Week—–9/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月5日から2022年12月9日まで。

Instagram Cuts Incentives to Some Reels Creators
【有料購読者向け記事】:
YouTubeerに代表されるような、プラットフォームが得る収入から、投稿者(クリエイター)も成果主義的に収入を得る、“クリエイター経済”のスキームが終えんに直面。記事はInstagramで投稿者が得る収入が激減していることなどを紹介している。ほんの1年ほど前には、大手プラットフォームはクリエイター向けのインセンティブ制度を競っていたが、最近ではインスタに限らずPinterestやSnapchatなどが次々と廃止かトーンダウンへ。
WaPo to discontinue ad tech arm Zeus as a standalone business
昨日紹介したように、米Washington Postは新聞(メディア)業界内では珍しく本格的なテクノロジー基盤開発を自らの手で進めてきた。だが、出版・配信基盤のarcXPについては部門売却の検討を開始する一方、広告配信基盤のZeusは、他社へのライセンス(これにより広範なプレミアムアドネットワーク構築)を諦め、自社利用に止める選択に向かう。
WSJスクープ | 米紙ワシントン・ポスト、テク事業の売却検討
【有料購読者向け記事】:
「同紙はベゾス氏の指揮の下、デジタル化に注力し、広告テクノロジー事業を立ち上げ、新しいアプリや分析ツールを開発してきた。中でもArc XPは間違いなく最も野心的な技術プロジェクトで、世界中に約250人の専任スタッフを擁している」。

——Washington Postが育ててきたソフトウェア基盤「arcXP」は、CMSに始まり広告配信(アドサーバ)、各種分析など、大手メディアが備えたいシステムをまとめて提供できるもの。外販しているが、まだ黒字化していない。レガシーメディアとしては、この部門に集中的な資源投下をできないという判断に至ったようだ。

全米のローカル紙が次々と閉鎖されるなか、いわゆる「ピンク・スライム」サイト(地方紙を装った党派的な団体が資金源とするWebサイト)が、その穴を埋めようと殺到している。2022年11月現在、メディアの品質確認を行う事業NewsGuardは全米で1,202の「ピンクスライム」サイトを確認したとリポート。
これは最近のPew Researchもリポートした「オルタナティブ・メディア」の伸長現象と符合する。
Facebook、選挙スタッフに対する殺害予告の広告をすんなり承認してしまう
「グローバル・ウィットネス社とニューヨーク大学が行なった調査で、MetaことFacebookが、選挙スタッフに対する殺人予告を含んだ広告20個のうち15個をそのまま承認していたことがわかりました。一方、TikTokとYouTubeは殺人予告広告を即座に削除、申請したアカウントを凍結するという結果でした」。

——調査会社と大学の研究者が、調査の手法を解説もしている。また、他のプラットフォームでは機械的にせよ実施している掲載の即時排除も行われていないとは…。研究者らはこの研究結果の公表後にFacebookに措置変更を行うかどうかも事後的に検証するという。

チャットAI「ChatGPT」のコンテンツフィルターを解除して「銃の作り方」などを回答させる方法が発見される
「『ChatGPT』は、日本語や英語で質問文を入力すると違和感の少ない言葉で回答してくれます。そんなChatGPTには不適切な質問をブロックするコンテンツフィルターが設定されているのですが、フィルターを解除する方法が発見されたので、実際に試してみました」。

——これだけ面倒な段取りを誰かがよく発見したもの。もはやその道も塞がれているだろうとは想像するが。ChatGPTは、ネットに散在する意味のある情報(とそれに近接する情報を結びつけ)を収集、分析したものを用いるのだろうから、ネットにこのような情報があること自体が問題なのだが。
こう考えると、ChatGPTは、高度な情報を見いだしてくれる対話型検索エンジンなのだとも理解していいのだろう。

Exclusive: Adobe will sell AI-made stock images
米Adobe、同社のフォトストック(写真などイメージの販売)事業でジェネレーティブAI、つまり、Stable DeffusionやDall-EなどAI技術で生成された「作品」を受け入れ販売していくことを表明。Gettyなどはこの種の作品の排除を決めるなど、対応が種々分かれるという状況だ。
Bloomberg Media revenue up 20 percent, ad revenue up 25 percent - Talking Biz News
米Bloomberg MediaのCEO、M.Scott Havens氏が全社員宛てにメール。今年(第3四半期まで)は広告収入が前年同期比25%増となり、購読者数が22%増の45万人超となったと説明。動画部門も好調だという。

Big Tech’s Big Lie

The Information

Big Tech's Big Lie
【有料購読者向け記事】:
「ビッグテックの大嘘」。検索体験におけるGoogle、そしてAmazonの劣化に批判的な記事をそれぞれ紹介した。両ビッグテックは、過去、顧客満足の最高値を叩き出していたのだが。共通する“悪の源流”として検索と広告の癒着を指摘する記事。Appleもまた、いまや検索に連動する広告の開発に余念がないが、その行く末が見通せそうだ。
赤字アベマに賭けたサイバーA藤田社長も勝者、W杯で視聴数最高に
「2016年4月の開局以降、サイバーAのメディア事業は赤字を継続している。22年9月期には124億円の営業損失を計上する中、ジェフリーズ証券の佐藤博子アナリストの推計によると、同社はW杯放映権の獲得に150億円から200億円を支出」。

——藤田氏の賭けっぷりはすごい。かつ勝負師としての腕前を、これまでも見せつけられてきたが、今回のW杯獲得は、さらにその上を行くものだ。

熱狂の桜ヶ丘|スマートニュースとカルチャーデザイン|Kenji Tomita / Runtrip|note
【ご紹介】:
スマートニュースの元同僚、冨田憲二氏が執筆した、サービスイン10年目を迎えたスマニューの草創期を論じたポスト。当時の社内のありさまを論じた「カルチャー観点からの私的記録」。

Disruption This Week—–9/9/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年9月5日から2022年9月9日まで。

グーグル「ニュースショーケース」、米でのサービス開始に遅れ 条件折り合わず
【有料購読者向け記事】:
「米グーグルが報道機関に対価を支払い各社コンテンツを掲載する『ニュースショーケース』の米国での立ち上げが、当初予定から1年近く遅れている。事情に詳しい関係者らが明らかにした。一部メディアとの協議が行き詰まっているという」。

——日本を含む18か国でサービスインしている、Googleの報道メディア向け特別スキームの「News Showcase」。21年にも、と語られていた本丸の米国で立ち上がらない。理由は条件面。米大手メディアはやはりGoogleに強い立場。交渉がGoogle優位にまとまらないのだろう。議会などの動きも見ながらという長期戦。

Daily Mail Snapchat: How the publisher got to 15 million subscribers
Snapchatは、TikTokやInstagramなどに比して小さな存在ではあるが、英メディアMail Onlineにとって特別なプラットフォーム。その上で1,500万人ものフォロワーを稼いでいるからだ。同社は35人ものチーム編成でSnapchatを攻略している。詳細な調査で解説する記事。
Longtime Washington Post tech chief Shailesh Prakash leaving for Google
米Washington Postの中期的な成功を技術面で築いてきたとされる、同社の最高技術責任者/最高製品責任者のShailesh Prakash氏が退職へ。Google幹部職に就任の見込みとAxiosが報道。同氏は内製CMSを発展させたArc XPや広告配信基盤のZeusを、同社の収益の柱にまで育て上げたが、同事業のスピンアウトをめぐってもめ事ともなっていた。
「パクリサービス」だったTikTokは、なぜ中国初の世界で使われるアプリになれたのか?(飯田 一史) @moneygendai
「すべてはバイトダンスの創業者チャン・イーミンが、YouTubeが登録したチャンネルからの視聴よりもアルゴリズムによるレコメンドでよく視聴されていることに気付いたことに始まる。ライトなエンタメ分野では能動的な『検索』や『チャンネル登録/フォロー』よりも『レコメンド』での需要が大きい、と」。

——パクったサービスとは「Musical.ly」というサービスだったのはよく知られている。が、論の重要なポイントは、上記の引用箇所だ。そして「ドウイン(TikTokの原型)はひとつひとつの動画が短く、ユーザーが気に入らない動画は次々にスワイプしていくことから、AIが使い手の好みを学習するのに適していた」というポイントと融合する。アルゴリズムが圧倒的に優位な時代をByteDance創業者は突っ走ったことが最重要。
https://gendai.media/articles/-/99463

An A.I.-Generated Picture Won an Art Prize. Artists Aren’t Happy.
【有料購読者向け記事】:
米コロラド州のフェアでAI駆動作画サービスMidjourneyを用いたJason M. Allen氏の作品「Théâtre D’opéra Spatial」が新進デジタルアーティスト分野でブルーリボンを受賞。他のアーティストらは“違反”だと反発。 Allen氏は「私は勝ったし、ルールを破ったわけでもない」と反論する。
スポーツ紙「西スポ」が紙面発行を休止へ Webに完全移行
「今後も、福岡ソフトバンクホークスをはじめとしたスポーツ情報を報じるとともに、広くファンとつながる機能も強化するという。『西日本スポーツ賞』もこれまで通り続けるとしている」。

——ソフトバンク・ホークス関連報道で強い「西スポ」がデジタル版専業事業に。2020年に「8万部強」の発行部数だったということで、なかなか採算は厳しかったろう。だが、ローカル&スポーツ・エンタメの魅力は大きい。デジタル化での成功法則が見いだせれば、スポーツ紙業界にインパクトを与えられそうな気がする。

Exclusive: Yahoo buys The Factual to add news credibility ratings
米Yahoo、アルゴリズムを使って情報源の信頼性を評価するThe Factual社を買収。Factualは10名弱の新興企業で、Yahoo Newsの一部門となる。Yahooはこの技術を世界でシンジケーションしているコンテンツに適用し、その“信頼性スコア”を表示していく予定だ。
Frustrations Mount at Washington Post as Its Business Struggles
【有料購読者向け記事】:
New York Times、この1年で経営不調に陥ったWashington Postの内情をスクープ。記事によればWaPoは長年黒字を堅持してきたが、22年は最終赤字となる見込み。20年末に300万人としていた電子版購読者は、いまはそれを割り込み、広告収入でも昨年同期比で15%も下回る状況だという。内部情報から、1,000人程度される編集部スタッフのなかから、100名程度の人員削減も検討されているようだ。
主張:ソーシャルメディアの汚染はモデレーションでは解決しない
【全文閲読には要購読】:
「規制当局の仕事は、テック企業のプロダクト開発チームと協力し、プロダクト開発の過程で(害を)測定できる実装可能なプロトコルを作り、意味のあるシグナルを評価することだろう。
このアプローチは面倒に聞こえるかもしれないが、この種のプロトコルを追加することは、最大手企業(規制が適用されるべき特定の企業群)にとっては簡単なはずだ」。

——大手テック企業が運営するプラットフォーム上では、ユーザをはじめとして社会に害をなし得る投稿などの情報を検閲する「モデレーション(機械的・人的検閲)」が行われている。だが、これらテック企業が社員に課しているのは、これら投稿などの情報によって、自社サービス上の規模拡大であり、これがモデレーションの目的と一般的に矛盾する。そのため本質的な制御が行われない。この論文では、大手テック企業がサービスの改善を狙って日常的に行っているユーザをめぐる調査計測手法に追加できるモデレーション用の計測プロトコルを開発し、規制当局がそれを大手テック企業が運用するのを義務づけるということだ。近日、詳細が発表される。

アルゴリズムを直接管理、中国の果てしなき野望
【有料購読者向け記事】:
「プラットフォームを左右する重要技術について、規制当局がネット企業に対して組織だって開示を強要するのはこれが初めてだ。ポップ文化から政治まであらゆるものを劇的に変える能力を持つ強力なアルゴリズムを政府として果たして操れるのか」。

——中国の規制当局が、国内で人気のネットサービス30の中核アルゴリズムについて開示、その要旨を公表した。事実上のアルゴリズム規制だ。実際にはこれらサービスがすでにユーザに対して開示している概要以上に詳細ではないが、当局に開示された内容はそれとは異なり詳細なものだと記事は述べる。

ファクトチェックは「大きな物語」に対抗できるか?——[Global Fact 9リポート]ナラティブ、コラボレーション、テクノロジーが切り開く未来 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。ジャーナリストでファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)理事でもある古田大輔氏がGlobal Fact 9に参加して、ファクトチェックの最前線をリポートします。ぜひご一読を。